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お兄ちゃんが好き。 part ?
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1:
お兄ちゃんが好き。part ?
http://bbs.yoasobiweb.com//test/read.cgi/yomimono/1117473268/1-52005-06-13 03:45:00 -
21:
『……理加子……』
『でも、典子のゆーとーり。あたしは男のクズ以下だった。自分ばっかりが被害者ぶってた。ごめんね典子……。ごめん…』
……………………………理加子は。
どうしようもなく弱い子なんだ。
それがレイプされたショックかどうかは知らない。けど、さっき夢で見た何十人にもまわされる夢。
あたしの中にも、理加子が住んでたのかもしれない。
そう思うと、理加子が可愛そうに思えて仕方なかった。2005-06-14 03:09:00 -
22:
『さっきの、お兄さんだよね…?』
『え…』
『かっこいいじゃん。頑張ってね!』
…そう言って、理加子は扉の方へ歩いた。
『理加子!』
なぜだろう。あたしは、理加子を呼び止めた。理加子は、振り返らずに、足を止めた。
『………頑張るよ、あたし。血がつながってても、好きだから』
あたしの言葉に、理加子はニッコリ微笑んで、そのまま病室を出ていった―――。2005-06-14 03:11:00 -
23:
………………フゥ…………
理加子が去った後、あたしは言いようもなく、力が抜けた。
………解決…したのかな……。……兄貴のゆーとーり、理加子と話して良かった……。
そう思うと、涙がとめどなく流れた。
『う……ッ―――』
自分がレイプされた事。理加子がレイプされた事を考えて、あたしは泣いた。
…もう……好きじゃない男と寝るのは、二度と嫌だ……。
あたしはそう心に刻んだ。2005-06-14 03:12:00 -
24:
ヒヤッ
『―――?きゃっ!』
あたしの頬に、冷たい物体が当たった。
『喉渇いただろ』
いつの間に入ってきたのか、兄貴が冷たいコーヒーを持ってあたしの横にいた。
『…ありがとう…』
『母さんは、先に帰ってメシの用意してるってさ。帰るか』
兄貴は、あたしの頭を撫でながら言った。
『……その前に……タバコ吸いたい』2005-06-14 03:14:00 -
25:
あたしは、兄貴の服の裾を引っ張った。
『だから未成年だろ、お前……』
………これからは………女として、兄貴の側にいれるんだよね……?
あたしは、嬉しくて、嬉しくて、仕方なかった。
……そんな、人生は甘くないって、わかってたのに。
2005-06-14 03:16:00 -
27:
『ただいまぁ』
――我が家に到着。
家に入った瞬間、シチューの香りがした。
ドカドカドカ
2階から慌ただしく恭平が下りてきた。
『ねーちゃんリンチされたんだって?!…うわっ!マジ、包帯だらけじゃん!』
恭平はマジマジとあたしの全身を見た。
『…大したことないって』
あたしは、ハハッと苦笑いだけしておいた。
『典子。圭吾。2階で着替えてきなさい。ご飯の支度できたから!』2005-06-14 03:19:00 -
28:
『はーい。ママ』
あたしと兄貴は、恭平の質問攻めから逃れ、2階へ上がった。
『……………。』
部屋の前で、ふとあたしは緊張に襲われた。
……家族は、皆、あたしと兄貴が…、こんなことになったなんて、知らないもんなぁ…。
兄貴とあたしだけの………秘密なんだよね。
『あ……兄貴……』
『ん?』
あたしは部屋に入ろうとする兄貴を呼び止めた。2005-06-14 03:20:00 -
29:
『…あ…あたし…やっぱ、まだ信じられないよ…。…兄貴と…両想いだったなんて……』
『もっかいキスでもすりゃ信じるか?』
…………カァッ―――兄貴の言葉にあたしの顔が熱くなった。
『……俺は、今までだいぶ自分の気持ちを押さえてきた。けど、今日弱ってるお前を見て、俺は男としてお前を守りたいと思った。だから、自分の気持ちを告げたんだ』
………兄貴の言葉があたしの心に響く。
また泣きそうになる。
『……うん』
あたしは、満面の笑みで頷いた。2005-06-14 03:22:00 -
30:
『……あたし、兄貴の事が、好き。めちゃくちゃ好きだよ』
あたしの言葉に、兄貴も微笑んだ。
『あ…明後日、兄貴の学祭行くから!』
そう言って、あたしは自分の部屋へ戻った。
今日もまた、寝れそうにない……。
2005-06-14 03:24:00