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レイコ
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1:
ユキ
ブーンブーン
真夏だとゆうのに。ラブホテルの一室は、寒いくらい冷房が効いている。
ブーンブーン
僕は、両の手に握られた細く白い首を、力いっぱい締め付ける
ブーンブーン
息が、完全に止まる。
ブーンブーン
僕は、今。この世で一番愛してる人を殺した。
シーツが、濡れている。おそらく失禁してしまったんだろう。
そんなもの、全然汚くない。僕は、冷たくなった体を抱き締めた。
「愛してるよ、レイコ。」ブーンブーン
僕は、レイコにキスをした。
ブーンブーン
辺りには、奇妙な虫が飛んで居るような、機械音が静かに響いていた。2005-06-10 12:55:00 -
24:
ユキ
「大丈夫か?」
心配そうに、タカシが覗き込んでいる。
辺りを、見渡す。
どうやら、ここは保健室みたいだ。僕は、ベットで寝ている。
「おまえ、すごいうなされたぞ。」
僕の、着ているシャツは、汗でグッショリ濡れていた。 「ほんと、びっくりしたぞ、あの一年に、告白された途端。ゲロ吐いて倒れるんだもんおまえ。」2005-06-13 07:02:00 -
25:
ユキ
最低だ。
「ごめん。タカシ。」
パン
タカシが、僕の頬を軽くはたいた。
「おまえ。いいかげんにしろよ。」
タカシが、僕をにらんでいる。2005-06-13 07:08:00 -
26:
ユキ
「ごめん。迷惑かけて。」僕は、タカシに頭を下げた。
「ばかやろう!俺は、怒ってねーよ。」
顔を、上げると、タカシが悲しそうな目で、僕を見ていた。
「おまえ、俺がなんにも気付いてないと思ってんのか?メシ食わねーし、顔色わりーし、しんどそーだし。こっちは、心配でたまんねーんだぞ!」
タカシは、そうまくしたてて、顔を真っ赤にした。2005-06-13 07:17:00 -
27:
ユキ
「おまえ、なんもゆってくんねーし!元気出させてやろーとして、ヘルス連れて行っても、つまんなそーだし。」
僕は、吹き出した。
「なんだよ!何笑ってんだ。せっかく、いい事ゆってんのに!」
タカシは、すねて後ろを向いた。
僕は、笑っていたが。本当は、泣きそうだった。
タカシが、こんなにも、僕の事を心配してくれてたのが、とても嬉しかった。2005-06-13 07:26:00 -
28:
ユキ
「なぁ、まじな話。どっか体悪いのか?」
タカシが、まじめな顔をして聞いてきた。
僕は、首を横に振った。 「じゃあ、なんでだ?なんか悩みとか、精神的なもんか?」
僕は、タカシから顔をそむけた。
「なんだよ?話てみろよ。」
僕は、心臓の音が、早くなるのがわかった。2005-06-13 07:33:00 -
29:
ユキ
「あの、」
ドクンドクン
「なんだよ?」
タカシが、真っすぐ僕を見ている。
「あのさ。」
ドクンドクン
「最近、振られてさ。」 僕は、そう言いながら、力なく笑った。 「なんだよ。女なんか、いくらでも、紹介するのに。女々しいやつだなぁ。失恋くらいで、落ち込んでたのかよ!」
タカシは、心配して損したと言いながら、安心した顔をした。2005-06-13 07:41:00 -
30:
ユキ
その日は、そのまま早退した。
僕は、駅までの道を歩きながら、ひどく後悔した。
タカシにゆえばよかった。聞いてもらえばよかった。僕は、本当に臆病だ。
もし、義母の話をして、タカシに嫌われるのが一番恐いのだ。2005-06-13 07:53:00 -
31:
ユキ
義母と、関係を持つようになってから、僕は、友達と距離を持つようになった。どこかで、汚れている自分を、隠し通したい気持ちがあったからだ。
2005-06-13 07:57:00 -
32:
ユキ
距離を、あけていると、自然と、友達は、離れていく。
しかし、タカシは違った。一生懸命、心配してくれる。
僕は、ずるい。汚い自分をタカシにでさえ見せれない。嫌われたくないから。2005-06-13 08:01:00 -
33:
ユキ
「ちょっと、学生さん!」駅員に、改札を通ろうとした所で、声をかけられた。「電車乗るんなら、定期見せてよ。」
僕は考えに、集中しすぎていた。
カバンの、ポケットを探り定期を探した。
2005-06-13 08:08:00