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恋なんかじゃない
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1:
〜♪♪・・・携帯が歌う。メールだ。
僕の従順な相棒は、一日に何通もの手紙を受け取り保管してくれる。
僕はゆっくりと開封していく。
「今日はありがとう!」
「明日は3時頃行くね☆。」
2006-06-07 11:31:00 -
252:
「ナツロウさん、今日ナツキさんは・・・。」
珍しくすっかり出来上がったナツロウさんは、嬉しそうに言った。
「ああ、菜月は店が終わったら迎えに来るよ。」
「ああ・・・はぁっ!?」
俺はあんなにニヤニヤした顔のナツロウさんを見た事がなかった。
「那智、何だよその鳩が豆鉄砲食らったような顔は!」
「え!?だって・・え!?」2006-06-29 01:20:00 -
253:
「ちゃんと改めて紹介するからな!・・・あ、コールじゃん!」
そう言ってナツロウさんは、マイクを持つ一真さんに向かって突進していった。
「おま!何すんだよ!!」
「か〜ず〜ま〜さ〜ん!俺も混ぜてくださいよ〜!」
「お前、酔っ払ったら性質わりぃなあ〜!初めて見たぞ!」
一真さんは怒りながら笑ってた。皆笑ってた。2006-06-29 01:31:00 -
254:
営業が終了して、ナツロウさんはソファーに倒れていた。
ナツキさんが、迎えに来た。
そしてふらつきながらも、ナツロウさんは立ち上がり、俺たちに言った。
「どうも今までお世話になりました。
俺、これからこいつと一緒に頑張っていきます。
ありがとうございました。」
二人は頭を下げた。拍手が起きた。その中一真さんが口を開いた。2006-06-29 01:41:00 -
255:
「ナツロウ。」
「はい。」
「俺、またあいつと一緒に暮らす事になった。」
ナツロウさんは、満面の笑顔になったかと思うと、泣き出した。
「良かったです・・ほんと良かった・・・。」
俺はその一日で、今まで知らなかったナツロウさんを、何度も見た。
そして今までより、ナツロウさんが身近に思えた。2006-06-29 01:53:00 -
256:
二人は寄り添うようにして、店を出て行った。
とても幸せそうだった。
二人の後姿は、今でも鮮明に覚えている。
それは俺にとって、幸せの象徴になった。2006-06-29 01:58:00 -
257:
その後俺は CLUB HILL のナンバーワンになった。
入店して1年が経っていた。
必死になって、ポジションを維持した。
ライバルと抜きつ抜かれつの争いを続けて、あっという間に3年が過ぎて、
俺はナツロウさんの時と同じくらい盛大に、最後の日を迎えた。
そして遂に、念願の店を構える事が出来た。2006-06-29 02:11:00 -
258:
オープンの日、もちろん二人は一緒に来てくれた。
カウンターに二人で並んで座り、同じものを注文した。
「ミントジュレップ。」
菜月さんは嬉しそうにそう言った。
「なあ、店の名前、「N」って、どんな意味があるんだ?」
ナツロウさんは、グラスを傾けながら聞いてきた。2006-06-29 02:22:00 -
260:
「一緒に生きて行きたいんだ。
今傍に居られるって事だけが大切で、
それが何より嬉しいんだ。」
ナツロウさんは、いつかそう話していた。
二人の出会いは、恋という言葉だけでは足りない、それだけでは語れない。
俺もいつか巡り合えるのだろうか。2006-06-29 02:46:00 -
261:
ナツロウさんは、来週帰ってくると、ハガキに書いてあった。
その時、相談してみよう。
きっと、二人は笑って聞いてくれる。
そんな事を想像しながら、俺は扉を開けた。
今日も「bar・N」の一日が始まる。
2006-06-29 02:56:00