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恋なんかじゃない
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1:
〜♪♪・・・携帯が歌う。メールだ。
僕の従順な相棒は、一日に何通もの手紙を受け取り保管してくれる。
僕はゆっくりと開封していく。
「今日はありがとう!」
「明日は3時頃行くね☆。」
2006-06-07 11:31:00 -
232:
スーツのまま、待ち合わせの場所に急いだ。
僕は前回と同じカフェを指定した。
開店間もない店内に、客は彼女一人だった。
同じ窓際の席に佇んでいた。
とても穏やかな表情で、彼女は窓の外を眺めていた。2006-06-28 01:57:00 -
233:
「お疲れ様。」
僕に気が付き、彼女は微笑んだ。とても柔らかな微笑みだった。
僕は椅子に座り彼女を真っ直ぐ見た。
菜月さんは、ちゃんと、そこにいた。
手を伸ばせば触れられる、僕のすぐ傍に、ちゃんと彼女はいた。2006-06-28 09:17:00 -
234:
今日彼女に会うまでの間、時々僕は彼女は本当に存在するのだろうかと、
ただ漠然と不安に駆られて、やるせなくなった。
何度も携帯の着信履歴や、メールボックスを開いた。
彼女の残した足跡を集めて、彼女の存在を確認した。
でも、今彼女を目の前にすると、そんな探索は無意味だと思った。2006-06-28 11:34:00 -
235:
菜月さんと僕は出会っている。
それは誰にも覆す事のできない現実だ。
そして今同じ時間を生きている。
それ以上に何が分かっていればいいと言うのだろう。2006-06-28 13:07:00 -
236:
「俺と一緒に生きていって欲しい。」
彼女は黙って僕を見つめた。
「俺は菜月さんと一緒に生きて行きたい。
菜月さんとどんな事も乗り越えて、生きて行きたい。」
ただ彼女は、じっと僕を見つめている。
「この世にあなたがいて、俺は本当に嬉しい。
・・・俺は、あなたが好きです。」2006-06-28 13:24:00 -
237:
彼女は泣いたような笑顔で言った。
「ありがとう。私も達也君がいて、嬉しい。
でも、私、今何て言っていいのか、わからないの。」
「わからない?」
「達也君に出会うまでに、色んな事があった。
そして、その色んな事が、やっと解決した。吹っ切れる事が出来た。」2006-06-28 13:42:00 -
238:
彼女は、息を継いで続けた。
「今まで私がしてきた事、気持ち、ずっと考えた。徹底的に考えた。
それで、私は一人になるのが怖かったんだって、分かった。」
「うん。」
「みんな傍に居てくれたのに、その暖かさに気が付かなかった。
でも、やっと自分は一人じゃないって、分かったの。」
僕は彼女の手を握った。
2006-06-28 14:00:00 -
239:
「でも、まだ怖いの。いつか失うんじゃないかって、怖いの。
私は、みんなを、そして、あなたを失うのが怖い。」
僕は手に力を込めた。
「俺だって怖いよ。俺だけじゃない、みんな怖いと思う。
大切だからこそ、失うのが怖いんじゃないかな・・・。」
彼女は僕の手を握り返した。2006-06-28 14:29:00 -
240:
菜月からの別れは、予感はしていたけど、実際に言い出されると、
想像していたよりも辛かった。
いつも通り仕事を終えて電話をすると、今日は外で会って欲しいと告げられた。
いつも従順で、自分の要望など何一つ口にしなかったあいつが、
最初で最後に見せた、自分の意思表示だった。
指定された場所に着くと、あいつは何の前置きもなく、
「もう、こうやって会うのは辞めたい。」と言って来た。2006-06-28 21:00:00 -
241:
倉田さんにはとてもお世話になって感謝している。
でも、やっぱり私はこんな不自然な関係をこの先続けて行くのはおかしいと思う。
5年も続けてきてようやく自分の愚かさに気が付いたと言った。
もっともな話だ。俺に引き止める権利などない。
俺は家庭を壊すつもりはない。
そんな俺があいつにしてやれるのは、彼女の意思を尊重してやる事しかないだろう。2006-06-28 21:13:00