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恋なんかじゃない
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1:
〜♪♪・・・携帯が歌う。メールだ。
僕の従順な相棒は、一日に何通もの手紙を受け取り保管してくれる。
僕はゆっくりと開封していく。
「今日はありがとう!」
「明日は3時頃行くね☆。」
2006-06-07 11:31:00 -
222:
「この事は、ナツキちゃんにしか話せないの。誰にも言わないで。」
「うん。分かった。」
私とエリカは、まるで二人で一人の様にして一緒にいた。
痛みを分かち合い、そうする事が友情の証だと思っていた。
そして時はやって来た。
ある日エリカは泣きながら電話を掛けてきた
「どうしたの?!」
「ナツキ、お願いがあるの・・・。」2006-06-27 21:05:00 -
223:
お母さんが危篤で、すぐに手術を受けなければ危ない。
手術費が足りない。こんな事ナツキにしか頼めない。
彼女は声を詰まらせながら訴えた。
「分かった。」
私はすぐにお金を準備した。そして待ち合わせの場所へ向かった。
封筒を差し出すと、エリカは泣きながら、何度も、ありがとうと言った。
出来るだけ早く返すからと。
そして急いでお母さんの待つ故郷へと帰っていった。2006-06-27 21:12:00 -
224:
エリカからの連絡は、それ切りなくなった。
何かあったのだろうか?無事に手術は終わったのだろうか?
私は何度となく、彼女の携帯を鳴らした。
でも、彼女は電話に出る事はなかった。
そして一週間後、ついに電話は、機械的なアナウンスだけが流れるようになった。
〜・・・番号は現在使われておりません・・・〜2006-06-27 21:16:00 -
225:
「どうして?」私は、食事も喉を通らず、夜も眠れなくなった。
「あんた、顔色悪いわよ?どうしたの?」
ママの一言が、引き金となって、私は自分の猜疑心を吐き出した。
「ちょっと待ってなさい。」
ママはエリカの勤めているクラブのオーナーに会いに行った。
そして、私の疑惑は確信へと変わった。2006-06-27 21:23:00 -
226:
ママは詳しい事は言わずに、エリカは休みなのか?と聞いたらしい。
オーナーは、10日ほど前から突然来なくなって困っている、と言ったそうだ。
連絡も取れなくなった、売れっ子だったから、店としてはとても痛いとも。
もう、戻ってこないものと諦めていると。
そして、実家のお母さんの容態は大丈夫なのか?とママが聞いたら、
「何の事だ?」と怪訝な顔をしたらしい。2006-06-27 23:10:00 -
227:
「あんた、いくらあの子に貸したの?」
「・・・。」
私は答えられなかった。
「あの子の母親は2年前に、亡くなられてるそうよ。
オーナーお葬式行ったって言ってたからね。
父親はご健在らしいけど、全く連絡取ってなかったみたいね。」
「でも・・・エリカは・・・。」2006-06-27 23:20:00 -
228:
ママは私の両腕を掴んで、落ち着いた口調で言った。
「ナツキ、あんたが信じたくない気持ちは分かるけど、受け入れるしかないよ。
エリカの事も、お金の事も、今すぐにとは言わないけど、諦めなさい。」
私は呆然とママの顔を見ていた。
「傷ついただろうけど、下手な同情で、易々とお金なんて貸すもんじゃないよ。
貸すんじゃなくて、あげるくらいの気持ちでなきゃ駄目なのよ。」
ママは私の頭を撫でた。
「しっかりしなさい。あんたは一人じゃないのよ。」
2006-06-27 23:33:00 -
229:
受話器からママの溜息が聞こえた。
「それで、あんたどうしようと思ってるの?」
私は少し考え、はっきりと言葉にした。
「エリカに言いたい事、聞きたい事、いっぱいあったはずなの。
探し出そうかって思ってた、さっきまで。」
「それで?」
「でも、もういいって思った。そんな時間もったいないって。
過去を掘り返す時間があるなら、もっとステキな事に使いたい。
時間は取り戻す事ができないもの。」
ママは安心した様に、穏やかな口調で言った。2006-06-27 23:54:00 -
230:
「ナツキ、あんたは他人だけど、他人じゃないのよ。
お願いだから、もう心配させないでちょうだいよ。」
「はい。」
「また、連絡して。」
「ママ。ごめんなさい。ありがとう。」
ママは笑っていた。
「素直すぎて気持ちが悪いわ。」2006-06-28 00:01:00