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恋なんかじゃない
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1:
〜♪♪・・・携帯が歌う。メールだ。
僕の従順な相棒は、一日に何通もの手紙を受け取り保管してくれる。
僕はゆっくりと開封していく。
「今日はありがとう!」
「明日は3時頃行くね☆。」
2006-06-07 11:31:00 -
192:
タバコの煙、大音量の音楽、侍と姫様達の喚声が渦を巻く店内。
この場所を借りて僕らは自分を売り込む。
売れれば天国、一攫千金。そんな幻想、働いてみれば一気に吹っ飛ぶ。
僕らは形のない物に値段を付ける。
その難しさを思い知らされ、消えていった人間を何人見てきただろう。
仕事仲間はみんなライバル。
今日はナンバー1でも、明日はどうなるか分からない。2006-06-25 15:57:00 -
193:
前を走る人間がいないなら、追いつかれる不安が付きまとう。
油断なんてしてられない。
僕は経験ないから、ナンバー1の気持ちは分からないけど。
結局立ち向かわなきゃならない、一番の強敵は自分自身なんだろうな。
2006-06-25 16:10:00 -
194:
そうか、今日は締日だったな。
フロアを見渡して、僕は独り納得した。
この忙しさは、休み明けっていう理由だけではなかったんだ。
「ねえ〜ナツロウ君は今月ナンバー入れそうなの〜?」
呂律の回らない口調でお客が言う。
「どうだろうなあ?今月は難しいかも知れないね。」
「そうなんだ〜。・・・ねえ、何か卸そうか?」
上目使いで、僕の反応を伺うように彼女は言う。2006-06-25 20:20:00 -
195:
「も〜!ナツロウくんは優しいよね!
何か嬉しいから、ピンク2本ね!」
「ナツロウはうまいよな〜。全部計算ずくなんだろ?」
仕事仲間に何度となく言われた台詞。
別に計算なんてしていない。計算で動くほど、僕は頭が良いとは思えない。
何を飲むかを決めるのはお客。僕に値段を付けるのもお客。
その考えに添って接客しているだけだ。2006-06-25 21:13:00 -
196:
「大丈夫なの?」
彼女はお使いをこなした子供のような顔で笑う。
「うん!」
本当に無理しなくていいのにな・・・。
そう思いながら、僕はオーダーを出す。
今日はコールの嵐が起きている。
侍達は残りの力を振り絞って、本丸へと攻め込む。2006-06-25 21:23:00 -
197:
締日の営業が終り、フロアのソファーには、
何人ものスタッフが、酔いつぶれて倒れこんでいた。
その中には、那智もいた。今日はよく飲んでたからな・・・。
「お疲れっす。」
そう言って、僕は太陽の眩しい地上に上がった。
「ナツロウ!」
後ろから、一真さんが追いかけてきた。2006-06-25 21:35:00 -
198:
「お疲れさまです。」
「お前は、酒が強いな〜。」
「一真さんに言われたくないですよ!」
どちらともなく、僕らはいつもの飯屋に入った。
「ビール!」
席に着くなり、一真さんは叫んだ。2006-06-25 21:39:00 -
199:
「一真さんに言わしたら、ビールは水みたいなもんなんですかね?」
一真さんは、お絞りで顔を拭きながら、首を振る。
「客が見たら泣きますよ。一真さんが、おっさん臭いことしてたって。」
顔を拭き終わって、さっぱりした顔で、一真さんはニヤッと笑った。
「俺は、こういう奴なんだよ。仕事終わった後ぐらい、好きにさせてくれ。」
一真さんは嬉しそうにビールを注いでいる。2006-06-25 21:49:00 -
200:
「サラリーマンの人とかさ・・・。」
グラスのビールを一気に空けて、一真さんは続ける。
「仕事終わった後の、ビールがたまらないって言うだろ?」
「ええ。」
「俺もそれを味わいたい訳。まあ、仕事中に嫌って程飲んでんだから、
味なんて、よく分からんけどな。」
僕には一真さんの言いたい事が分かるような気がした。2006-06-25 21:55:00 -
201:
僕は一真さんのグラスにビールを注いだ。
「俺達はさ、酒飲むのも仕事の内だろ?
よく知らねえけど、昼間会社員してる人たちは、仕事中に飲めるわけないだろ。」
「まあ、怒られちゃうだけじゃ、済まないかもしれないでしょうね。」
一真さんは冷えたトマトをつついている。
「でさ、仕事終わって、俺今日も頑張ったよな〜って、ビールを飲むわけだ。」
「想像しただけでも、ときめいちゃいますね。」2006-06-25 22:06:00