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恋なんかじゃない
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1:
〜♪♪・・・携帯が歌う。メールだ。
僕の従順な相棒は、一日に何通もの手紙を受け取り保管してくれる。
僕はゆっくりと開封していく。
「今日はありがとう!」
「明日は3時頃行くね☆。」
2006-06-07 11:31:00 -
182:
「・・・お腹空いた。」
入院5日目の事だった。
未来は驚いた顔をして私を見ると、すぐに持ってきた紙袋から、
プリンを出して、蓋を開け、スプーンを私に持たせた。
ゆっくり口に運ぶ私を見守りながら、未来はずっと泣いていた。
「・・・ちゃんと食べなきゃ。点滴だけじゃ駄目なんだよ。」
未来の言葉に私は頷き、ゆっくり噛み砕いて、味わった。2006-06-23 02:00:00 -
183:
ストレスからくる摂食障害。栄養失調。医者の診断はこうだった。
ママの店に出勤して、開店準備をしているうちに、私は気を失ったらしい。
ママと、ママと同伴して来たお客さんが、
床に倒れている私を見つけて救急車を呼んで、病院へ搬送、即入院。
意識を戻した時、私はベッドの上で、すぐ傍にママが座っていた。
2006-06-23 03:59:00 -
184:
退院の日、倉田さんは本当に迎えに来てくれた。
彼の車に乗り、私のマンションへ向かった。
「お世話掛けて、申し訳ありません。」
「そんな事気にしなくていい。そんな事より、これからどうするんだ?」
昼間の会社に連絡すると、診断書を送るようにと指示された。
そして、申し訳ないが、あなたの完治を待つわけにはいかない。
こちらも忙しいのだから、どうか理解して欲しい。
要するに「辞めてくれ。」という回答だった。2006-06-23 11:37:00 -
185:
会社の判断は当然の事だと思った。
これ以上迷惑を掛けるわけにはいかないし、
私にも、体力勝負のこの仕事に戻る自信はなかった。
ありがたい事に、会社は、その代わりと言っては何だが、と
通常よりも多い退職金を準備してくれた。2006-06-23 12:54:00 -
186:
「しばらくは何とかなると思います。落ち着いたら仕事を探します。」
「ママのところも辞めるんだって?」
「はい。二人で話し合って、そうさせて頂く事にしました。」
「そうか・・・。皆寂しがるだろうな。」
倉田さんは常連のお客様の取引先の営業マンだった。
成績優秀な人だと聞いていた。2006-06-23 13:05:00 -
187:
初めての来店から、倉田さんは週に1、2回飲みに来るようになった。
時にはお客さんを連れて、接待の場としても利用してくれた。
昼間の職場のカフェにも、何度か足を運んでくれた。
15歳年上の、仕事ができる、自信に溢れた男性。
私は彼に憧れていた。
ママから、彼に当然ながら家庭がある事を聞き、少なからず落胆した。
2006-06-23 15:26:00 -
188:
退院してからも、倉田さんは毎日連絡をくれた。
そして、私にも朝と夜一回づつ、メールをよこす様にと言った。
必ず、それだけは守るようにと。
私はしばらくは、ほとんど外には出ず、部屋に篭っていた。
未来やママが、時折部屋を訪れてくれて、一緒に食事をした。
私は、もうちゃんと、物を食べられるようになっていた。2006-06-23 18:02:00 -
189:
食べない、という行為は、命を削る事なんだなと、その時思った。
様々な生命たちが、私に生きるエネルギーを与えてくれる。
「おいしいね。」
そう言った私に、未来は嬉しそうに微笑んだ。
そんな、のんびりとした毎日を過ごして、半月が経った。
私は倉田さんから、とある喫茶店に呼び出された。
その日から、今の私の生活が始まったのだった。2006-06-23 18:13:00 -
190:
休み明けのCLUB HILLは忙しい。例に漏れず、今日も満席だ。
那智も固定客が着いてきて、今日はシャンパンも卸してもらっていた。
開店前のトイレの鏡の前で、那智は嬉しそうに報告してきた。
「ナツロウさん!今日俺、二組お客さん入ってるんスよ!」
「お!やったじゃん!」
「もう、精一杯接客しますよ!でも、あれっスね。」
「あれってなんだよ?」
髪にスプレーを吹きかけながら僕は笑った。2006-06-24 00:41:00 -
191:
「どっちも2回目のお客さんなんスけど、
また来てもらえるって、すげぇ嬉しい事なんですね。」
「うん、そうだよな。」
僕達は感慨深げに頷いた。
「よし、頑張るか!」
「はい!」
今日も髪を逆立てて、侍達は出陣する。2006-06-24 00:48:00