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恋なんかじゃない

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  • 1:

    〜♪♪・・・携帯が歌う。メールだ。
    僕の従順な相棒は、一日に何通もの手紙を受け取り保管してくれる。
    僕はゆっくりと開封していく。

    「今日はありがとう!」
    「明日は3時頃行くね☆。」

    2006-06-07 11:31:00
  • 162:

    彼女が入り口から入ってくるのが見えた。
    一瞬心臓がピクンと跳ねた。
    「こんにちは。」
    ナツキさんはにっこり笑うと、向かい側に座った。
    「こんにちは。」
    「誘ってくれてありがとね。」

    2006-06-21 21:11:00
  • 163:

    「迷惑じゃなかった?」
    「何でよ!そんな訳ないよ〜!」
    ナツキさんはおかしそうに笑った。
    「ナツロウさんこそ、大丈夫?仕事終わってすぐでしょ?疲れてない?」
    「いや、全然大丈夫。今日は休みだしね。」
    「あ、あそこは日曜日がお休みなんだね。」
    会話はスムーズに進みだした。
    僕は心底ほっとしていた。実は滅茶苦茶不安だったんだ。

    2006-06-21 21:38:00
  • 164:

    「ナツロウさん、そんな感じもいいね。」
    「え?」
    「髪とかね、服装とか。スーツのナツロウさんもステキだけど、
     髪下ろして、パーカー着てるナツロウさんもステキだよ。」
    彼女の言葉で、僕は自分の不安が、彼女に対してとても失礼なものだったと分かった。
    彼女にとって、飾りなんて、どうだっていい事だよな。
    だいたい僕は、彼女の前で臆面も泣く号泣していたじゃないか。
    あの日彼女は、僕が泣き止むまでずっと傍にいてくれたんだ。

    2006-06-22 00:04:00
  • 165:

    「スーツはね、俺にとっては戦闘服みたいなもんなんだ。」
    「戦闘服か・・・。うん、でも分かる。袖を通した瞬間に、
     よし!やるぞ!って気合入るだろうね。」
    「そう!ホストモードに切り替わるっていう感じ。」
    ナツキさんは、カップに紅茶を注ぎながら、笑っている。
    「ほら、那智君がさ、鏡に向かう時は、武士が戦場に向かうときの心情だって。」
    「ああ!あいつ、そんな事言ってたよね!」

    2006-06-22 00:13:00
  • 166:

    カップを口に運んで、一口紅茶を飲むと、彼女は穏やかな口調で続けた。
    「私ねえ、20歳の時から2年くらいホステスしてたのよ。」
    「そうなんだ?」
    「うん、その時ね、やっぱり鏡に向かう時はね、今から頑張るぞ〜って思いながら
     赤い口紅塗ってたよ。」
    彼女の言葉の一つ一つを聞き漏らさないように、僕は耳を済ませた。

    2006-06-22 00:41:00
  • 167:

    「ナツロウさんは、今の仕事何年目なの?」
    「・・・俺、達也っていうんだ、本名。」
    「達也君?」
    「そう、山崎 達也。達成の達に也。」
    ナツキさんは やまざき たつや と声に出さずに呟いた。
    「わたしはね、河内 菜月。菜の花の菜に満月の月でナツキ。」
    僕達は初対面の様に、お互いの名前を名乗った。

    2006-06-22 01:05:00
  • 168:

    僕らはカフェを出て、少し散歩する事にした。
    少し歩くと、大きな公園がある。そこを目指して、二人で並んで歩いた。
    「今の仕事は丸2年。それまでは、服屋の店員してた。」
    「どんな感じの服屋さんだったの?」
    「カジュアルな感じだね。古着のジーンズとか、Tシャツとか。
     裾上げの作業もしてた。」
    「器用なんだね。」

    2006-06-22 12:45:00
  • 169:

    「どうだろ?でもそれに関してはね、今でも特技って言えるかな。
     初めてお客さんのジーンズの裾に鋏入れた時は、ガクブルもんだったけど。」
    「うんうん。」
    彼女は興味深そうに僕の話に耳を傾けてくれた。
    当時の失敗のエピソードや、今でも仲間のスーツのズボンの裾を直す事もあるとか、
    どんな話にも興味を示してくれた。

    2006-06-22 12:53:00
  • 170:

    僕は彼女に、僕という人間を知って欲しかった。
    そして僕は、彼女をもっと知りたかった。
    僕らは再会を喜ぶ古い友人みたいに、語り、聞いた。
    気が付けば、日は陰り、大通りを走る車がライトを点け始める時間になっていた。

    2006-06-22 13:11:00
  • 171:

    その後も一緒に食事をしながら、ゆっくりと過ごした。
    初めから最後まで、菜月さんは、この間の事に関しては、何も触れてこなかった。
    意識的に避けている様だった。
    気を使わせているな、と申し訳なく思ったけど、
    正直言って、その配慮はとてもありがたかった。
    思い出して気持ちの良いものではないから。

    2006-06-22 14:41:00
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