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恋なんかじゃない
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1:
〜♪♪・・・携帯が歌う。メールだ。
僕の従順な相棒は、一日に何通もの手紙を受け取り保管してくれる。
僕はゆっくりと開封していく。
「今日はありがとう!」
「明日は3時頃行くね☆。」
2006-06-07 11:31:00 -
152:
「謝ることないよ!ほら、グラス空いてるよ!飲もう!」
「うん!・・・あ、すいませ〜ん!お代わりください〜!」
未来はグラスを持ち上げて、ビールを注文した。
二人で居る時はいつもこんな調子。
飲んで、食べて、いっぱい話して、私達の会話は止まる事を知らない。
二人がまだ10代だった頃から、ずっと変わらない。2006-06-20 18:45:00 -
153:
この日は結局もう一軒、未来行きつけのバーに入り、終電まで飲んだ。
地下鉄の乗換駅で降りるとき、私は未来に伝えたい事を話した。
「未来、ありがとうね。私もう大丈夫。」
「ナツキ?」
「もう、あの時の事、段々思い出さなくなってきてるの。
だから、大丈夫だよ。」
未来は笑って頷いた。
「じゃあ、おやすみ。またね。」
「うん。またね。おやすみ。」2006-06-20 18:51:00 -
154:
酔いで霧がかかったような頭の中に、ぼんやりと二つの顔が浮かんだ。
泣き崩れていたナツロウさん。
お店を開きたいと、キラキラした目で語っていた那智君。
その二人の姿は、どちらも過去の自分の残像の様に思えた。
本当は思い出さなくなったんじゃない。
なかった事にしたくて、今まで必死に蓋をして押さえつけていたんだ。
でも今日私は、あの日の出来事を、自分に起こった事として受け入れられるような気がした。
あの日姿を消したあの人は、今一体どうしているのだろう?2006-06-20 19:12:00 -
155:
あれから3日経った。
律子さんは次の日、僕が出勤していない間に店に来て、未収を払っていったそうだ。
僕にはメールが届いていた。
「お金は払っておいたから。」
それだけだった。
一真さんは僕の肩を叩いて、「元気出せ!」と笑ってくれた。
一真さんの笑顔は僕を安心させてくれる。2006-06-20 19:29:00 -
156:
那智は僕を笑わせようと、仲のいい新人と二人で、馬鹿な冗談を連発してきた。
そしてミントジュレップを作ってくれた。
人の優しさが、すごくありがたかった。
仲間っていいなって、心から思えた。2006-06-20 19:48:00 -
157:
そして僕の背中は、ナツキさんの手の温かさを覚えていた。
あの時の温かさが、僕を励まし続けている。
誰かの笑顔や、手の温もりは、人に勇気をくれる物なんだな・・・。
2006-06-20 20:01:00 -
158:
今日の営業が終り、僕は一度家に帰りスーツを脱いだ。
僕達を象徴する、黒いスーツ。細いネクタイ。
逆立てた髪、海外ブランドのフレグランス。
本当はこんな物が、僕に似合っているのかよく分からない。
初出勤の日、鏡に映った自分を見て、一人苦笑いしてしまった。2006-06-21 13:58:00 -
159:
馴染まない自分のホスト姿。
正直言って、部屋のドアを開けるには勇気が要った。
しかし踏み出してみれば、夜の街の闇とネオンは僕を上手く溶け込ませてくれた。
その街でがむしゃらになっているうちに、
自分のホスト姿も、まんざら悪くないと思えるようになった。2006-06-21 17:32:00 -
160:
夜の街には魔物が住むと誰かが言っていた。
恐らく残酷で美しい魔物だろう。
美しさに酔いしれていれば、途端に足元を掬われる。
僕らは常に襟を正して、向き合わなくちゃいけない。
輝きを与えてくれる、美しい魔物と。2006-06-21 19:56:00 -
161:
私宅を整えて、僕は部屋を出る。
ゆっくり歩いて行こうかな。
待ち合わせの場所に着くと、僕は窓際の席に座った。
人ごみ中に彼女の姿を探す。
僕はずっと人の流れを見つめていた。
もうすぐ夏が来るんだよな。
真昼の太陽は、皆を明るく照らす。2006-06-21 21:02:00