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恋なんかじゃない
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1:
〜♪♪・・・携帯が歌う。メールだ。
僕の従順な相棒は、一日に何通もの手紙を受け取り保管してくれる。
僕はゆっくりと開封していく。
「今日はありがとう!」
「明日は3時頃行くね☆。」
2006-06-07 11:31:00 -
141:
「ねえ、何とか言ってよ。」
「・・・僕は確かにここの商品です。でも僕は物じゃない。」
彼女の顔は凍りついていた。
「律子さん僕は人間です。感情だってもちろんある。嫌なものは嫌。
お金だけで動いている訳じゃないんですよ。」
彼女は口をつぐんだまま、僕から目を逸らした。
「もっと上手くかわせば良かったかも知れない。
でも僕は適当な返事の仕方はしたくなかったんです。」2006-06-20 03:31:00 -
142:
「僕はこの店の中だけでは、律子さんを楽しませる事が出来なかったみたいですね。
申し訳ありません。その上こんな事になってしまった。
僕はホスト失格なのかも知れません。」
僕はタクシーを止めた。ドアが開く。
「どうぞ今日は帰られて、ゆっくり休んで下さい。きっとお疲れなんですよ。」
律子さんはカバンから札束を出すと乱暴にジャケットのポケットにねじ込んだ。
「足りるわよね?」
僕は静かに彼女の手にそれを戻し、タクシーに彼女を乗せた。2006-06-20 03:46:00 -
143:
「今日のお会計は次回で結構です。落ち着かれたらご連絡下さい。」
ドアが閉まり程なくして、タクシーは静かに走り出した。
僕は座り込み溜息をつくと、タバコを取り出し火をつけた。
煙を吐いて顔を上げると、そこにはナツキさんが立っていた。2006-06-20 03:57:00 -
144:
「ナツキさん・・・。」
ナツキさんは僕の正面にしゃがみ込んだ。
「今あった事、見られちゃったのかな・・・。」
彼女は黙って首を横に振った。そして僕の髪をそっと撫でた。
「何があったのかは知らないよ。でもあなたとても悲しそうに見えたから。」
彼女はそれ以上は何も言わず、ただ僕の髪を撫でてていた。2006-06-20 14:00:00 -
145:
僕の中で必死に抑えていたものが決壊した。
僕は彼女の腕にすがって、泣き出した。
自分でも情けないくらい、言葉にならない声を絞り出して泣いていた。
彼女は僕の背中をさすり続けていた。
ビルとビルの間に、明るい日差しが差し込み、僕達を包んでくれた。2006-06-20 14:20:00 -
146:
「おっ!久しぶり!」
待ち合わせの場所に着くと、未来は手を挙げて笑った。
「ごめんね。待たせちゃったね。」
「少し早く着いたのよ。気にすんな!」
「ねえ、何食べようか?おなか空いちゃった。」
「あっちにおいしいとこあんのよ。行こうか!」
未来の案内で入ったタイ料理屋さん。二人はとりあえずビール。2006-06-20 14:44:00 -
147:
夕方の6時。日は傾き、窓から見える行きかう人たちの頬はオレンジ色に染まる。
通りには長い影が映っている。
「昨日ね、会社の近くでかわいい靴屋さん見つけてね、このミュール買ったの。」
未来はテーブルの下を覗き込んだ。
「へえ、かわいいじゃない。最近あの辺りも店が増えてるもんね。」
「そうなんだよね。久しぶりにゆっくり歩いてみたらね、いろいろ発見しちゃうね。」
「今度連れてっててよ。」
「うん!」2006-06-20 14:55:00 -
148:
料理が運ばれてきた。パパイヤのサラダ、生春巻き、空芯菜の炒め物。
刺激的な辛さに、私は涙目になりながら食べ続けた。
未来はそんな私を笑いながら、涼しい顔で箸を口に運ぶ。
「あんた、ほんと新陳代謝活発だよね。」
「うん。でも辛いのは大好きなんだけどね。」
口を癒そうと、私はビールをひっきりなしに飲んだ。2006-06-20 15:01:00 -
149:
私は料理の写真をいつも撮る。家で自分で作った新しい料理も画像にして残している。
ノートに店の名前や、料理の名前、日付、誰と食べたか、
そんな簡単なメモを記して、写真を貼る。日記帳の様な物だ。
今日も例に漏れず、携帯で写真を撮った。
「相変わらずだね。もう結構な数になったんじゃない?」
そんな私の様子を見て、未来は楽しそうに言った。
「うん、数えてないけどね、たくさんノートが出来たよ。」
「あんたの部屋の押入れ、ノートで一杯だもんね。」2006-06-20 17:07:00 -
150:
「何かね、習慣になってるんだよね。・・あ、これこの間作ったの。」
私はデーターを呼び出し、未来に携帯の画面を差し出した。
「おいしいそう。あんた本当に料理好きだよね。」
「うん。料理って楽しいからね。」
未来は顔を上げると、遠慮がちに口を開いた。
「・・・ねえ、もういいの?」2006-06-20 17:15:00