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恋なんかじゃない
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1:
〜♪♪・・・携帯が歌う。メールだ。
僕の従順な相棒は、一日に何通もの手紙を受け取り保管してくれる。
僕はゆっくりと開封していく。
「今日はありがとう!」
「明日は3時頃行くね☆。」
2006-06-07 11:31:00 -
131:
「律子さん機嫌直してよ。カリカリしてると美人が台無しだよ。」
コレは決してお世辞なんかではない。彼女は本当に綺麗な人だ。
綺麗な人が、怒りに顔を歪ませるのは、あまり見たくはない。
「・・・だって、あんたが傍にいないと、ここに来てる意味がないもの。」
律子さんの口調が和らいだ。OK。何とか機嫌は直してもらえそうだ。2006-06-20 00:15:00 -
132:
律子さんは僕にぴったりと寄り添って来た。
「ねえ、この前も言ったんだけどさ、あんたまだホスト上がる気ないの?」
「それは前にも言ったでしょ?まだここでお世話になるって。」
彼女はタバコを加えた。細長いメンソール。僕はその先に日を点した。
声を少し落として彼女は続ける。
「あんた今何処に住んでるの?家賃いくら?」2006-06-20 00:32:00 -
133:
僕はグラスの水滴を拭いながら答える。
「今はここからそんなに遠くない。家賃は10万かな。」
「そうなんだ・・・。意外と普通の部屋に住んでるのね。」
「部屋にそんなにお金掛ける気はないからね。十分満足してるし。」
律子さんはタバコの火を消しながら、呟くように言った。2006-06-20 00:41:00 -
134:
「ねえ、引っ越さない?」
僕は動揺を必死に隠して、顔を上げた。
「引越し?どうして?」
「酔っ払って、冗談言ってるなんて思わないでね。
私がマンション一部屋買うから、そこに引っ越さない?」
「律子さん、何言ってるの?」2006-06-20 00:57:00 -
135:
「本気で言ってるの。私あんたに投資する。
あんた言ってたわよね?やりたい事あるんでしょ?
それが何かは知らないけど、その援助もする。だから・・・。」
律子さんの目は真剣だった。
「だから、ここ辞めて・・・。」
僕は彼女の言葉を遮った。
「律子さん、今日はおかしいよ。かなり酔ってるみたいだし、今日はもう帰ったほうがいいよ?」
「酔ってなんかない!」
「とりあえず、外に行こう。ここでそんな話できないよ。」
僕は彼女の荷物を持って、外に出るように促した。
彼女の腕を取り、出口に連れて行った。2006-06-20 01:09:00 -
136:
一真さんに今日の会計は未収にして貰うようにお願いして、僕も外に出た。
今日の売り上げがどうなろうとかまわない。
「ここ辞めて、私の専属になって。」
「・・・どういう事?」
「いくら欲しい?出来る限りの事はするわ。
・・・お願い、ずっと私の傍にいて。」2006-06-20 01:19:00 -
137:
もうはっきりと答えるしかない。
僕の答えは決まっている。律子さんはもう以前の律子さんじゃない。
「それはできません。」
彼女は呆然と僕の顔を見ている。
「だめ?どうして?お金払うって言ってるじゃない。
ここでする事と何が違うって言うの?」2006-06-20 01:37:00 -
138:
「確かに僕は目標があってここで働いています。お金が欲しいのも本当です。
でも、律子さんの言ってる事は僕にはただのエゴにしか思えない。」
彼女は目を見開いて、言葉を無くしている。
「僕はこの店に居る時だけがホストのナツロウなんです。
この店を出た瞬間から、僕はナツロウじゃなくなる。
律子さんの知っている僕はホストのナツロウ、
律子さんの欲している僕もホストのナツロウでしょ?」2006-06-20 01:50:00 -
139:
「あ・・・」
律子さんは何か言いかけたが、僕はそれには構わず続けた。
「もちろんナツロウは僕自身です。でもナツロウはこのCLUB HILLが
あるから成り立っているんです。ここを離れれば、僕はただの男でしかない。」
「・・・傍に居てくれるだけでいいの・・・。」
僕は首を振った。
「律子さん、唯の男が女性の傍に居るだけで、お金を取るなんて、普通じゃないでしょ?」2006-06-20 02:44:00 -
140:
「そうゆう事が出来る男もいるのかも知れない。
でも僕はそんな事は出来ない、そして律子さんにもそんな事して欲しくない。」
律子さんは僕にカバンを投げつけてきた。
「綺麗事言わないでよ!誰だってお金があれば同じような事したいに決まってるゃない!
実際にしてる奴だっているわ!何で私がしちゃいけないのよ!
・・・ねえ、あんただってお金欲しいんでしょ?」
僕は散らばった財布や携帯をカバンに収め、律子さんにカバンを渡した。2006-06-20 03:08:00