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恋なんかじゃない
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1:
〜♪♪・・・携帯が歌う。メールだ。
僕の従順な相棒は、一日に何通もの手紙を受け取り保管してくれる。
僕はゆっくりと開封していく。
「今日はありがとう!」
「明日は3時頃行くね☆。」
2006-06-07 11:31:00 -
121:
「僕あいつ好きなんだよね。不器用だけど、素直で、頑張ってて。
何か応援したくなるんだよね。」
ナツロウさんはとても優しい目をしている。
「兄弟は?いる?」
「僕はアニキが二人。末っ子。ナツキさんは?」
「私はお兄ちゃんが一人。二人兄弟なの。」
「仲いい?」
「うん。すごく兄弟仲はいいよ。ナツロウさんは?」
ナツロウさんは、少し首を傾げて、苦笑いした。2006-06-19 21:04:00 -
122:
「どうかな?悪くはないと思うよ。」
「悪くない?」
「うん。悪くはないけど、お互い干渉しないって言うか、
関心がないって言うか・・。タイプがね全然違うから。
う〜ん、例えばナツキさんはお兄さんといろんな事は話したり、
一緒に出掛けたりとかする?」
ナツロウさんはグラスをテーブルに置いた。2006-06-19 21:12:00 -
123:
「そうだね、結構話す方かな?出掛けたりとかは、今は一緒に住んでないから
ないんだけど、電話とかメールしたりするかな?」
「そうかあ、いいね、そうゆう関係。
僕らはたまに実家帰って会ったりしても、ほとんど話さない。
僕がこの仕事してる事も知らないんじゃないかな?
話したところで、アニキ達には理解し難いと思うからね。」
「そうかな・・・?」
「多分ね。二人はいい会社に勤めてて、結婚して子供がいたりもする。
想像できない世界だと思うんだよね。軟派だって思われちゃうかもね。」
私は彼をじっと見て、次の言葉を待った。2006-06-19 21:28:00 -
124:
「でもね、俺は二人をすごいって思ってる。自分の家族を築いて、
大切にしてる。それってものすごい事だよね。」
私は黙って頷いた。
「アニキ達はアニキ達で元気で頑張ってる。僕は僕で頑張ってる。
僕にとってはそれが分かってれば十分なんだ。
僕ら兄弟の関係はそんな感じかな?」2006-06-19 21:46:00 -
125:
「きっとお兄さん達も、ナツロウさんの事頑張ってるって思ってるよ。」
ナツロウさんはタバコに火をつけると、少し笑った。
「そうかな?」
「うん、多分きっとね。ナツロウさんがお兄さん達に言葉に出さないのと一緒で
心の中では、きっとあいつも頑張ってるなって思ってるよ。」
「・・・ありがとう。」2006-06-19 21:55:00 -
126:
「ナツロウさんは兄弟がいっぱいだね!那智君っていう弟もいるしね!」
何だか照れくさくなって私は彼の肩を叩いた。
「そうだよ!僕弟もいるんだよな!ほんっと世話が焼ける!」
ナツロウさんはテーブルに戻って来た那智君に聞こえるように言った。
「な、何ですか?弟!?」
「まあ、いいよ!那智!早く座れ〜。」
那智君は真面目な顔でナツロウさんの耳元に口を近づけた。
「・・・分かった。すぐ行く。」2006-06-19 22:04:00 -
127:
その様子を見て、私は店を出る事にした。
その事をナツロウさんに伝えると、彼は申し訳なさそうに、
那智君に伝票を持ってくるように指示した。
「ほんと慌しくしてごめんね!」
「いいよ。楽しかった。・・・あ、今日は見送ってくれなくていいよ。」
そんな訳にはいかないと言う彼と、少しの押し問答があった末に
私は店の出口まで送ってもらい、すぐにタクシーに乗り込んだ。
携帯を店の中に落としているとも知らずに。
家に着いてようやく気が付き、店に電話を掛けると、預かっておくとの事で
私は店に取りに帰ることにした。2006-06-19 22:19:00 -
128:
ただの偶然だったのだろうか?
それとも、こんな小さな出来事も、約束されて起こったのだろうか?
この日を境に、私の毎日は少しずつ、しかしはっきりと変わっていくことになる。
2006-06-19 22:26:00 -
129:
ナツキサンを見送ると、僕は急いで律子さんの卓に戻った。
「律子さんそうとう機嫌悪くなってますよ。」
「・・・分かった。すぐ行く。」
那智とのやり取りを思い出して、少し気が滅入る。
「すいません!お待たせ・・・」
「あんたいつまで待たせんのよ!」
問答無用と言った感じで、彼女は怒鳴った。
「すいません。」
「私、今日いくら使ってると思ってんのよ!放置なんてありえないわ!」
律子さんはしたたか酔っている様だ。2006-06-19 22:46:00 -
130:
最近の彼女はいつもこうだ。少しでも卓を離れると機嫌を損ねる。
彼女の言う事はもっともなのかも知れない。
あんたに会うために、時間と金を費やしているのだから、満足させろ。
本当にありがたいと思っている。
でも、僕にとっては、どのお客も大切だ。2006-06-19 22:52:00