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恋なんかじゃない
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1:
〜♪♪・・・携帯が歌う。メールだ。
僕の従順な相棒は、一日に何通もの手紙を受け取り保管してくれる。
僕はゆっくりと開封していく。
「今日はありがとう!」
「明日は3時頃行くね☆。」
2006-06-07 11:31:00 -
101:
一真さんがマイクを握る。
「今日は何と!那智のバースデーですっ!
そんな那智の為に!ナツロウ担当の姫様からっ!
ドンペリいただきましたっっ!!ありやっす!!」
「ありや〜っっす!!」
一真さんの軽快なコール。マイクが抜栓の音を拾う。
2006-06-17 20:13:00 -
102:
「那智ぃっっ!ハッピーバースデー!!」
グラスを手に那智は感無量といった表情だ。
「ほんと・・・ナツキさん、ありがとうございますっ!!」
ナツキさんは黙って微笑んでいる。
「ナツロウさんも、ありがとうございますっっ!」
那智の幸せそうな顔を見て、今日はいい日だなと素直に思えた。
コールに集まったスタッフが散ったのを見計らったように、
マネージャーが耳打ちしてきた。2006-06-17 20:25:00 -
103:
「ナツロウ、5番で律子さん待ってる。」
「・・・はい。」
僕は少し煩わしいものを感じた。
「いらっしゃいませ!すいません、お待たせしました。」
「何?那智誕生日なの?」
律子さんは鼻の先を見下ろす様に僕を見た。
どうもおかんむりの様子だ。
2006-06-17 20:36:00 -
104:
「今日であいつも21だよ。」
「ふ〜ん・・・。そうだったんだ。」
「少し早く来たんだね。連絡くれたら、迎えに行ったのに。」
「仕事がいつもより早く終わったのよ。電話した方がよかった?」
どうも空気がおかしい。
「いや、別によかったんだけど、お待たせするの悪いから。」2006-06-17 20:47:00 -
105:
律子さんは鼻で笑う。
「あんたがオープンからいるとは思わなかったわよ。」
「いや、那智のバースデーだから、早く来た・・・」
彼女は僕の言葉を遮る。
「ほんとにそれだけかしら?まあいいわ。
じゃあ私もドンペリ卸すわ。3本ね。」2006-06-17 20:53:00 -
106:
「律子さん?」
「私がドンペリ卸ちゃいけないの?誕生日なんでしょ?那智の。」
「どうしたの?律子さん。」
律子さんは少し声を荒げると続けた。
「いいから、持ってきてよ!コールいるからね!」2006-06-17 20:56:00 -
107:
律子さんの卓のコールは長いものになった。
彼女はすぐに追加し、ドンペリは8本開いた。
「ねえ、ナツロウはいつまでホスト続けるの?」
「まだ続けるよ。いつまでとかそんな風には考えてない。」
「ずっと続けられる仕事じゃないでしょ?」
「そりゃあ、いつかは辞めるよ。でもしばらくはここでお世話になるつもり。」2006-06-17 21:05:00 -
108:
律子さんはぼんやりタバコの煙を吐きながら、呟くように言った。
「じゃあ、いつかはお別れになっちゃうんだ・・・。」
3日前の事だった。
彼女はあの意味深な言葉を残した日から、
頻繁に店にやって来るようになった。2006-06-17 21:14:00 -
109:
「そんな風に言わないでよ。律子さんどうしちゃったの?元気ないよ?」
「何かね、あんたがここから居なくなっちゃう事考えたらね、寂しくなってね。」
僕は笑いながら答えた。
「律子さんさあ、僕辞めるなんて今一言も言ってないよ?
僕と律子さんは、今こうやって一緒にいるよね?
これは何の疑いもない事実だよね?」
彼女は黙って僕を見ていた。2006-06-17 23:19:00 -
110:
「いつか別れが来るかもしれない、なんて先の事想像するよりも、
僕にとっては、今、一緒に居る本当、の方が大切なんだよ。
律子さんは大切な時間を僕に分けてくれていると、僕は思ってる。
だからこそ律子さんに、楽しんでいてもらいたい。」
僕の顔からは笑いが消えていたと思う。2006-06-17 23:39:00