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悔やみきれない
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						1:貴晃 ◆fnkquv7jY2 俺には恋愛というモノがよく解らなかった。 
 「好き」という感情も。
 女に対して全くってくらい興味がなかった。
 俺が16の時ホストの世界に足を踏み入れたのは
 別にそこまで深い意味はなかった。
 ただ酒が好きで、飲んで金がもらえる。
 それでよかった。自分次第で収入も膨らむ。2005-10-28 13:36:00
- 
						172:貴晃 ◆fnkquv7jY2 そのショッピングモールはブランド品から服屋、靴屋、レストランなど 
 一通りのものはあるような所だ。
 タクシーから降りて店の中へ入る。
 俺が先にスタスタ歩くと必死に由里がチョコチョコと着いてくる。
 なんだかそれだけで幸せだった。2005-12-22 05:51:00
- 
						173:☆彡 更新されてる(゜▽゜)♪ 
 頑張っちゃってくださぁ〜ぃ(´∀`)2005-12-23 04:54:00
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						174:貴晃 ◆fnkquv7jY2 >>181さん 
 またレスして下さってスレッド上げて下さって嬉しいです^^
 頑張りますので完結まで宜しくお願いしますm(_ _)m2005-12-23 10:30:00
- 
						175:貴晃 ◆fnkquv7jY2 「もー貴晃歩くのはやーい!!」 
 由里が少しスネた様に必死で俺の元へ駆け寄ってくる。
 (え…?今由里、俺の事初めて呼び捨てで呼んだ…?やべー今顔にやけてるかも俺…)
 「あーごめん^^由里が歩くの遅いんやん!笑」
 周りから見ると俺達も立派なカップルに見えるのだろうか?2005-12-23 10:33:00
- 
						176:貴晃 ◆fnkquv7jY2 ホントはその時由里と手を繋ぎたかった。でもなんか恥ずかしかった。 
 意外とシャイな俺。笑
 沢山ある店の中で由里が一番に向かった先はヴィトンの直営店だった。
 ふたりでウロウロとヴィトンの店内を見学する。
 (由里は一体何を買う気なんだろ…?)2005-12-23 10:38:00
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						177:貴晃 ◆fnkquv7jY2 「ねー貴晃何がほしいー?」 
 「へ?」
 唐突にそう聞かれて思わずマヌケな返事をしてしまった。
 「誕生日プレゼント!あさって誕生日でしょ?何でも買うよ??」
 (俺の誕生日一回しか言ってないはずなのに覚えてくれてたんや…)2005-12-23 10:40:00
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						178:貴晃 ◆fnkquv7jY2 なんだか胸の奥がジーンとした。こんなに感動するのはいつぶりだろう。 
 たったこれだけの些細な事なのに。
 プレゼントなんて要らない。由里が誕生日を覚えてくれていて
 祝おうとしてくれている事だけで充分だった。2005-12-23 10:43:00
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						179:貴晃 ◆fnkquv7jY2 まさか由里が俺の誕生日を覚えているなんて思わなかったから余計に。 
 「いやいやホントに何も要らんで!!」
 「そーいう訳にもいかんやんっ!ヴィトン好きやろー?^^」
 「いやヴィトンは確かに好きやけどさ…」
 「貴晃はダミエ好きやんなぁ♪遠慮せんといてよー?!」2005-12-23 10:46:00
- 
						180:貴晃 ◆fnkquv7jY2 「遠慮やしてへんけどホントに気持ちだけで充分やから…」 
 「じゃー勝手に選んじゃお♪」
 由里はほんと変な所で強引だ。
 ダミエのコーナーへ俺を引っ張りながら向かって行く。
 「既に持ってるやつあったら言ってねー?」2005-12-23 10:48:00
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						181:貴晃 ◆fnkquv7jY2 「これとこれと…あっ!それも!!」 
 由里はダミエのコーナーで次々と店員に商品を出してもらっている。
 俺は唖然としながらただその光景を見ていた。
 「この中で貴晃が既に持ってるやつあるー??」
 「え…?いやひとつもないけど…」2005-12-23 10:51:00
- 
						182:貴晃 ◆fnkquv7jY2 「じゃーこれ全部ください^^」 
 「?!?!?!!!いやいやありえへんやろ!」
 「なんで??ダミエほぼ全制覇じゃん♪笑」
 俺がキョドるのもそのはず。2005-12-23 10:57:00
- 
						183:貴晃 ◆fnkquv7jY2 ガラス棚の上に並べられたダミエ尽くしの商品達。 
 ジェロニモスにセカンドバッグ、ダミエのネクタイ全色(10本)にシガレットケース、キーケース、ベルト…
 「こんなにいらへんよ!ひとつで充分やって!!」
 俺が必死で止めようとするにも全く聞く耳を持たない由里。
 強引に店員に会計をさせている。2005-12-23 11:02:00
- 
						184:貴晃 ◆fnkquv7jY2 俺はただ呆れるしかなかった。 
 そりゃ内心飛び上がる程嬉しかったけれど、そこまではしてほしくない。
 会計は50万ほど。
 動じる事なく財布から札束を出す由里。
 (ホンマに由里は一体何者やねん…)2005-12-23 11:06:00
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						186:貴晃 ◆fnkquv7jY2 読みやすくしてくださってありがとうございます^^>>193さん 2005-12-26 22:53:00
- 
						187:貴晃 ◆fnkquv7jY2 (金がないからっつって夜の仕事を始めたのは一体どこのどいつだよ…) 
 ヴィトンの店員がひとつひとつの商品を丁寧に包装している間、由里とふたりで店内のソファーで腰掛けて待ちながら
 俺はボーっと以前の由里とのメールを思い出していた。
 (確かに「お金がないから…」っつってたよなぁ…?)
 なのにどう考えても金が有り余る程あるように見える由里。2005-12-26 22:56:00
- 
						188:貴晃 ◆fnkquv7jY2 なんか考えれば考える程に謎な女だ。 
 あまりに呆然として口を閉ざしている俺に由里は少し呆れたように
 「貴晃眠いの…?」と尋ねてきた。
 「いや眠くはないけど…なんか言葉にならへんわ…嬉しいけどこんなん悪いし…」
 「あたしがいいって言ってんだからいいの^^気にしないでよー!」2005-12-26 23:01:00
- 
						189:貴晃 ◆fnkquv7jY2 (ホントにいいのか…?) 
 やっぱり複雑だ。好きな女にトコトン貢ぐ女みたいな真似はしてほしくない。
 少し経ってヴィトンの店員が「お待たせいたしました^^」とドでかいヴィトンの袋を4つも渡してきた。
 由里とひとり2つずつ持つ。
 結構重い…。2005-12-26 23:09:00
- 
						190:貴晃 ◆fnkquv7jY2 ヴィトンの店を出て、またショッピングモールを歩く。 
 すれ違う人達が沢山のヴィトンの袋を下げている俺達を振り返って見てくる。
 なんだか結構恥ずかしかった。
 由里は「最後にヴィトン行けばよかったね…荷物重いし…」と笑いながら言った。
 「次はどこ行くん??」
 2005-12-26 23:15:00
- 
						191:貴晃 ◆fnkquv7jY2 「とりあえずご飯食べよ^^マクド食べたい♪」 
 「え?!マクド??」
 なんか意外だった。由里は安い物全般に興味が無さそうに見えたから。
 「嫌…?こう見えてもあたしマクド大好きやねん^^笑」
 俺もマクドは小さい頃から大好きだ。笑2005-12-26 23:18:00
- 
						192:貴晃 ◆fnkquv7jY2 マクドの店内に入る。 
 どう考えても場違いだった。笑
 仕事帰りでスーツ姿の俺に私服でもバッチリお姉系でキメている由里。
 手には沢山のヴィトンのでっかい袋達。
 カウンターで注文をして席へ座る。2005-12-26 23:22:00
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						193:??? 頑張って? 2005-12-27 01:21:00
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						195:貴晃 ◆fnkquv7jY2 荷物を隣のイスに置いて由里と向かい合わせに座った。 
 由里はフィレオフィッシュ1コだけ。
 俺はちゃっかりバリューセットを頼んだ。
 さすがにマクドくらい奢りたかったのに由里は会計の時に隙なく素早くお金を出した。
 俺が金を払おうとしても全く受け取ってもくれない…2005-12-27 03:17:00
- 
						196:貴晃 ◆fnkquv7jY2 (なんでこういう金銭面では由里はいっつも強引なんやろ…) 
 ふとそんな事が頭をかすめる。
 「貴晃セットだけで足りる??」
 「…え?充分やで!!由里こそそれだけで腹一杯になるん?!」
 「あたし小食やからこれだけでも充分だよ^^」2005-12-27 03:21:00
- 
						197:貴晃 ◆fnkquv7jY2 そんな会話をしてから食べ物に手を付ける。 
 俺は結構お腹が空いてたから黙々と食べていた。
 由里はフィレオフィッシュをわざわざ一口サイズに千切ってから口に運ぶ。
 ちょっと驚いた。
 「俺ハンバーガーわざわざ千切ってから食べる人初めてみたわー!」
 「え…?そぉなの?だってハンバーガーにかぶりつくの恥ずかしいもん//」2005-12-27 03:25:00
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						198:貴晃 ◆fnkquv7jY2 俺はそれを聞いてすごく女の子らしいなって思った。 
 少し照れている仕種がなんだかやけに可愛く思えて仕方ない。
 だけどマクドを頬張ってる由里はやっぱり17歳の普通の女の子なんだな、とも感じた。
 由里は外見そこまで大人っぽい訳でもない。
 童顔とまではいかないが可愛らしい顔つきだから年相応に見えるはずだ。2005-12-27 03:30:00
- 
						199:貴晃 ◆fnkquv7jY2 でも俺の知っている由里は17歳とは思えない程に内面がしっかりしていて 
 妙に大人びていて振る舞いとかがとても俺の年下に見えないイメージがあった。
 だからなんだかどこか安心したんだ。
 夜の世界で…俺の店の中で見せる顔とは違う顔の由里を見れた気がした。
 2005-12-27 03:33:00
- 
						200:貴晃 ◆fnkquv7jY2 「貴晃の食べ物を食べてる姿、なんかハムスターみたい^^かわいい♪」 
 「え…?!そんなん初めて言われたし//」
 由里に初めて「かわいい」なんて言われて思わず顔が火照る俺。
 「食べてる姿がかわいい人なんてあたしも初めて見たー^^」
 無邪気に笑う由里。2005-12-27 03:39:00
- 
						201:貴晃 ◆fnkquv7jY2 このまま時間が止まって欲しい なんて思ったりした。 
 こんな事を思うのは産まれて初めてだ。
 由里は俺の中の初めてをどんどん奪っていく。
 人の愛し方さえ解らなかった俺にとったら、きっとこういう気持ちのなにもかもが初めてだった。
 なんだか胸が苦しくなる。どんどん俺が俺じゃなくなっていく気がしていた。2005-12-27 03:42:00
- 
						202:貴晃 ◆fnkquv7jY2 マクドを食べ終えてまた沢山の荷物を持ってショッピングモールを歩いた。 
 由里は服屋が並んでいる所で立ち止まる。
 俺は気を利かせて由里の分の荷物も持ち
 「服見て来たら??外で待ってるから。」と言うと
 「ありがとう^^」と微笑んで店の中へ入って行った。2005-12-27 05:21:00
- 
						203:貴晃 ◆fnkquv7jY2 (由里はなんか買い物とか長そうだな…笑) 
 そう思いながら俺は近くにあったベンチに腰を掛け、一服していた。
 すると由里はすぐに店から出て来た。
 俺はビックリして
 「え?何も買わんかったん?!」と訪ねた。2005-12-27 05:24:00
- 
						204:貴晃 ◆fnkquv7jY2 「うん^^欲しい服なかった。荷物増えるのも困るしね。それに貴晃待たせるの悪いから。」 
 俺は心の中で拍手をしていた。どこまでいい女なんだろう由里は。
 思いやりのあるというか、他人の事をちゃんと考えて行動出来ている。
 悔しいけどますます惚れ直してしまった。
 今まで俺の女に対するイメージは、ワガママとか自己中とかそんなものしかなかったから。2005-12-27 05:30:00
- 
						205:貴晃 ◆fnkquv7jY2 「最後にさ、ブルガリのお店だけ行ってもいい…?」 
 「もちろん。」
 少し歩いてブルガリの直営店へふたりで入った。
 由里はキョロキョロしながらネックレスのコーナーへ向かう。
 俺も後と着いていくと
 「あー!あった♪」と由里が目を輝かせて商品を見ている。2005-12-27 05:35:00
- 
						206:☆彡 更新イェィッ(●>_ 2005-12-27 07:30:00
- 
						207:??? おもろい?頑張ってね? 2005-12-27 12:27:00
- 
						209:貴晃 ◆fnkquv7jY2 「え?なにが??」 
 俺が不思議に思ってそう訪ねると由里は次の瞬間、店員に向かって
 「これふたつください♪」と言ってのけた。
 「?????」
 俺は何がなんだかよく解らなかった。2005-12-28 02:41:00
- 
						210:貴晃 ◆fnkquv7jY2 (一体何を買ったんだ…?!) 
 俺も由里の隣に行ってその商品を見た。
 店員がショーケースから取り出したのはブルガリのインゴットのネックレスふたつだった。
 (由里、誰かとお揃いにでもするんかな…?)
 ふとそんな事を思う。2005-12-28 02:44:00
- 
						211:貴晃 ◆fnkquv7jY2 「あ!荷物増えるんで箱とか要らないです^^」 
 爽やかに店員に言う由里。
 (誰かへのプレゼントじゃないのか…??)
 不思議に思う俺。
 由里はさっさと会計を済ませてしまった。2005-12-28 02:46:00
- 
						212:貴晃 ◆fnkquv7jY2 インゴットネックレスの定価は約25万。 
 それがふたつだから約50万…。
 またしても由里は躊躇なく財布から札束を出して払っていた。
 俺はまた呆然とその光景を眺めているだけだった。2005-12-28 02:48:00
- 
						213:貴晃 ◆fnkquv7jY2 会計を済ませてネックレスをそのまま受け取る由里。 
 (ふたつも一体どうするんだろう?色も全く同じやつなのに。)
 すると由里はひとつを自分の首にすぐに付け始めた。
 それから俺の首にもうひとつを付けようとしてきた。2005-12-28 02:50:00
- 
						214:貴晃 ◆fnkquv7jY2 俺はただビックリして 
 「いやいや何しよん?!」と咄嗟に言う。
 「おそろいのネックレスふたつめー♪ちゃんと付けてね?^^」
 由里は満面の笑みで答える。もう唖然とするしかなかった。
 「ただでさえさっきもいっぱい買ってくれたのにあかんわこんなの…」2005-12-28 02:54:00
- 
						215:貴晃 ◆fnkquv7jY2 「だーかーらー!貴晃はそんなの気にしなくていいんだってば。あたしが勝手に買ってるだけだし…嫌なら付けなくてもいいよ?あたしこのネックレスが欲しかっただけなの♪どうせならお揃いがいいなって思って^^」 
 平然としている由里。一体どうしてここまで気前がいいのか…
 勿論嫌な訳はなく強引な由里に流されて俺はネックレスを付けられた。
 内心かなり嬉しい。顔はきっとにやけていた。2005-12-28 02:59:00
- 
						216:貴晃 ◆fnkquv7jY2 (由里はなんで俺にここまでしてくれるんやろ…?!) 
 俺の中でどう考えても由里は俺の事を好いてくれているという確信を持った瞬間だった。
 「メッチャ嬉しい…大切に付けるわ。ありがとうなほんま…」
 「素直でよろしい♪笑 喜んでくれたらなんでもかまんねん♪由里も貴晃とお揃いが増えて嬉しいっ♪」2005-12-28 03:05:00
- 
						217:貴晃 ◆fnkquv7jY2 とびきりの笑顔でそう言ったあの日の由里の声が今も耳から離れない。 
 なぁ、由里。
 お前は俺が由里の事をまだ忘れられないって言ったら 一体どう思うかな。
 忘れたくなんてないんだ。なにもかもを。2005-12-28 03:07:00
- 
						218:貴晃 ◆fnkquv7jY2 思い出なんかに出来ない。 
 きっと由里の事だから
 「早く私の事は忘れて幸せになって」とか微笑むだろうな。
 俺はいつまでも忘れない。
 お前のくれた物全ても最初で最後の手紙も いつまでも俺の宝物なんだ。2005-12-28 03:12:00
- 
						219:☆ 続きほんとに楽しみです!!頑張って下さい 2005-12-28 16:25:00
- 
						220:貴晃 ◆fnkquv7jY2 ☆彡さんいつも感想ありがとうございます(>_ 2005-12-29 04:05:00
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						221:貴晃 ◆fnkquv7jY2 「さーそろそろ帰ろっか♪貴晃疲れてるだろうしゆっくり休んで^^」 
 由里がそう言うのでショッピングモールを出てタクシーを探す。
 時刻は午後3時くらい。
 走っていたタクシーを捕まえてふたりで乗り込んだ。
 2005-12-29 04:07:00
- 
						222:貴晃 ◆fnkquv7jY2 タクシーを乗ってる間の約30分間。 
 俺はやっぱりここ何ヶ月間かずっと気になっていた事を由里に聞こうと必死だった。
 由里が優也に言った「大切な人」。
 だけどなかなか勇気が出ない。
 これ以上ないくらい緊張してたと思う。2005-12-29 04:08:00
- 
						223:貴晃 ◆fnkquv7jY2 訂正 タクシーを=タクシーにです^^; 
 
 あまりに挙動不審な俺を見かねてか、由里から沈黙を破った。
 「貴晃どーしたの??気分でも悪い??」
 「いや…」2005-12-29 04:11:00
- 
						224:貴晃 ◆fnkquv7jY2 「なにー??」 
 「あのさ…由里前に優也に告られたんやろ…??」
 「…え?うん…貴晃知ってたんだ…」
 「うん。優也から聞いた。それでさ…大切な人がおるって言ったんやろ…?」
 「…うん……」2005-12-29 04:14:00
- 
						225:貴晃 ◆fnkquv7jY2 急に悄気たような顔になる由里。 
 (やべー空気が重い…)
 それでもめげずに俺は確信へ迫った。
 「由里の大切な人って誰なん…?」
 「………」2005-12-29 04:15:00
- 
						226:貴晃 ◆fnkquv7jY2 由里はずっと下を俯いたまま口を閉ざしていた。 
 (言いにくいんかな…)
 俺は急に焦る。(やっぱり聞いてはいけない事やったんかも…)
 「…忘れれん人がおるねん……」
 「え…?!」2005-12-29 04:17:00
- 
						227:貴晃 ◆fnkquv7jY2 「元彼。今でも忘れれんねん。でも他に今気になる人が居るかな^^」 
 「そぉなんや…」
 俺は元彼が忘れられないという言葉で頭がいっぱいいっぱいになっていた。
 さっきまでの緊張のドキドキがズキズキに変わっていた。
 (いやでも今他に気になる人がおるとも言うたよな…?!)2005-12-29 04:21:00
- 
						228:貴晃 ◆fnkquv7jY2 「今気になる人っていうのは誰…?」 
 僅かな可能性を信じて恐る恐る聞いてみた。
 タイミング悪くタクシーは由里の家へ着く。
 由里は俺の言葉を遮って財布から金を出して俺にタクシー代を渡そうとする。
 「いやタクシー代くらい自分で払うから!!」2005-12-29 04:24:00
- 
						229:貴晃 ◆fnkquv7jY2 俺がタクシー代を受け取らないでいると、イキナリ顔を近づけてきて由里は俺にキスをしてきた。 
 あまりに突然で俺は驚くしかなかった。
 「貴晃やで^^」
 「…え?!??」
 「今気になるひとっ!じゃーね!今日はありがと!」2005-12-29 04:27:00
- 
						230:貴晃 ◆fnkquv7jY2 「運転手さん気を付けて送ってあげてくださいね^^よろしく♪」 
 そう言ってタクシーのドアを閉めて笑顔で手を振る由里。
 俺はまだ唖然としたままだった。
 少し経ってなんとか我に返って由里に手を振り返し、タクシーの運転手に自分の住所を告げる。
 気付けば由里に座ってた場所にはタクシー代の2万円…。2005-12-29 04:31:00
- 
						231:貴晃 ◆fnkquv7jY2 (やられた………) 
 俺は愕然とする。ほんとにこれ以上金を出してなど欲しくなかったのに…。
 それにしても胸の鼓動が異常なくらいに早い。
 突然の2度目のキス。俺はきっと由里が降りた後のタクシーの中で顔を真っ赤にしてたと思う。
 「貴晃やで^^」と微笑んだ由里の顔がなかなか頭から離れなかった。2005-12-29 04:34:00
- 
						232:☆彡 更新待ってマス(癶з癶)♪ 2005-12-30 02:58:00
- 
						234:貴晃 ◆fnkquv7jY2 ☆彡さんまたまたレスありがとうございます(>_>241サン読みやすくしてくださってありがとうございますm(_ _)m 2005-12-31 02:58:00
- 
						235:貴晃 ◆fnkquv7jY2 由里の家から20分ほど走って俺の住んでいるマンションに着いた。 
 俺は由里が置いてった2万円は使わず自分の財布からタクシー代を払う。
 (この金は今度由里に返さんとあかん…)
 2万円を財布の隅によけて仕舞った。2005-12-31 03:01:00
- 
						236:貴晃 ◆fnkquv7jY2 俺は両手にいっぱいの荷物を抱えてマンションへ入る。 
 (優也にこの荷物絶対ビックリされるやろうな…なんて言い訳しよう…)
 エレベーターに乗っている間そんな事ばかり考えていた。
 家の前に着いて家のドアを開く。2005-12-31 03:04:00
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						237:貴晃 ◆fnkquv7jY2 ドアを開いた瞬間にリビングに居た優也が 
 「おー貴晃おかえりー!結構早かったな!…っつーかどしたん?!そのヴィトンの山!!」
 と言って来た。
 (いきなりかよ……)
 さすがにちょっと焦った。笑2005-12-31 03:06:00
- 
						238:貴晃 ◆fnkquv7jY2 「あー…いや今日一緒にアフター行ってた客が買ってくれてん…」 
 優也はなぜか目を輝かせてヴィトンの袋の中を漁ろうとする。
 「いやお前勝手に見るなって!笑」
 「こんなに買わせて悪い奴やなー!笑 っつーか今日アフター行った客って誰???!」2005-12-31 03:08:00
- 
						239:貴晃 ◆fnkquv7jY2 (来た…!うーなんて言えばええんや…由里に買ってもらったなんて口が裂けても言われへんし…) 
 「…Cちゃんやで!!」
 また咄嗟に嘘が出てしまった。俺はどこまで優也に嘘を重ねなければいけないんだろう…。
 Cちゃんとは俺の客で風俗嬢だ。2005-12-31 03:10:00
- 
						240:貴晃 ◆fnkquv7jY2 「え?!マジで?!お前Cちゃんとアフター行く程仲良かったっけー?!」 
 「いやそんな事ないけど…」
 「でもまーこんだけ買ってくれるならアフターくらい行くよなー!羨ましー!お前がアフター行くって言った訳が今分かった!笑」
 「いやいやプレゼント目当てで行ったんじゃないし!!」2005-12-31 03:13:00
- 
						241:貴晃 ◆fnkquv7jY2 「ハイハイいい人ぶらんでえーから!笑 あれ?っつーか貴晃ネック増えてね?!」 
 (あ…!やべネックの事忘れてた…)
 「それも買ってもらったんかー?!どんだけ貢がすねん!笑」
 「ハハッ!まー実力や♪」2005-12-31 03:15:00
- 
						242:貴晃 ◆fnkquv7jY2 もう開き直って優也に調子を合わせるしかなかった。 
 下手に言い訳をするよりも優也の推測に便乗する方が詮索されずに済む。
 「俺そのネックレス一番欲しかったやつだし!マジ羨ましー!!」
 本気で羨ましそうな優也。
 しかも由里に買ってもらってお揃いなんて言えばお前はあの時どんな顔したかな。2005-12-31 03:20:00
- 
						244:☆彡 更新してる(●>_ 2005-12-31 08:50:00
- 
						245:貴晃 ◆fnkquv7jY2 更新遅れてすみません…>< 
 いつもほんとに読んでくださってありがとうございます^^
 そして明けましておめでとうございますm(_ _)m2006-01-03 01:54:00
- 
						246:貴晃 ◆fnkquv7jY2 俺はその夜なかなか寝付けなかった。 
 寝てないし疲れているはずなのに、由里のひとつひとつの言葉を思い出すと
 なんだか鼓動が早くなって落ち着かない。
 (やっぱり気になるって事=好きって事やんな…?!)
 2006-01-03 01:57:00
- 
						247:貴晃 ◆fnkquv7jY2 気になる人 よりも 好きな人 って言って欲しかったけど…。 
 由里は以前の俺みたいにハッキリ好きと言える程は俺の事を想ってはないんだろうか…
 だけど俺は充分嬉しかった。でも「忘れられない元彼がいる…」か…。
 少し複雑すぎる。
 そんな事を寝付くまでずっと考えていた。2006-01-03 02:01:00
- 
						248:貴晃 ◆fnkquv7jY2 その2日後。俺のバースデーイベントの日。 
 恐れていた事が起こった。
 優也との史上最悪な喧嘩に発展した。2006-01-03 02:04:00
- 
						249:貴晃 ◆fnkquv7jY2 その日俺はいつもよりかなり早めに家を出て開店準備をした。 
 沢山届いている花をセッティングして、白いスーツの貸衣装に着替える。
 (由里は来てくれるかな…?)
 それが一番の期待と不安だった。2006-01-03 02:08:00
- 
						250:貴晃 ◆fnkquv7jY2 いつの間にか時刻は12時を回って俺の誕生日になった。 
 同時に従業員達や優也も出勤してきた。
 俺の携帯が鳴り通し始める。
 客達からのハッピーバースデーメールと電話。2006-01-03 02:09:00


 
					