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ヒマワリ
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68:
「いやいや、急に誘って悪かったよ。
そしたら、今度時間ある時に食事に行かないか?」
電話口から戸惑う北山さんの様子が伺えた。
「え・・・あの・・・。」
ここで引いちゃ、男がすたる。俺はここ一番押してみる事にした。
「俺さ、北山さんから、色々面白い本を教えてもらいたいんだよ。
俺の感想とか、聞いてもらいたいしさ。要するに・・・。」2006-07-07 19:10:00 -
69:
俺は一旦息を継いで続けた。
「俺は北山さんともっと話がしたいんだよ。
駄目かな?」
北山さんは少し警戒心を解いた様だった。
「はい。分かりました。ありがとうございます。」
俺はメールを送ってもらうように頼んだ。
そして、近いうちに会おうという事になった。
頑張ったよな。俺。2006-07-07 19:15:00 -
70:
しかしだ。俺にはどうしても言い出せない一言があったんだよな。
それは仕事の事だよ。
「俺、ホストなんだよ。」
この一言だけが喉の奥に詰まって言葉にできなかったんだよ。
夜の仕事だとは言ってあったが、詳しくは話していなかった。
彼女の反応が怖かったんだよな。俺って小心者だよな。2006-07-17 22:32:00 -
71:
なんかさ、ホストっていう職業に苦手意識を持ってる人って多いじゃないか。
女を騙して・・・とかさ。
でも、俺はこの仕事、プライドもってやってるつもりだよ。
どんな形であれ、真剣に打ち込んでれば、胸張っていいんだよな。
俺なりに葛藤してた訳だ。2006-07-17 22:44:00 -
72:
メール、電話を繰り返して半月。
ようやく北山さんと食事に行く約束に漕ぎ着けた。
俺は決心した。
その日が勝負だ。
引かれてもいいから、俺の仕事を明かそう。
なんかさ、フェアじゃないじゃないか。
2006-07-17 22:53:00 -
73:
世の中には「嘘も方便」っていう言葉もあるように、
ついておいたほうがいい嘘もあるらしい。
それは多分相手の為の嘘なんだろうな。
でも、おれの仕事に関してはその定義には全く当てはまらないよな。
それっきりになっても構わないから、
ちゃんと「俺」を知ってもらおう。
それが、俺の誠意の見せ方だ。2006-07-17 23:01:00 -
74:
「一真さん、すいません。ちょっと。」
ナツロウがキャッシャーの前で俺を呼び止めた。
お客がさっき外に出て行った。
そういえば、さっきそのお客の卓が、何だか尋常じゃない雰囲気だったな。
「どうした?ナツロウ。」
ナツロウは平静を装っていたが、表情が強張っていた。2006-07-17 23:46:00 -
75:
「すいませんけど、5番卓、未収にしておいてもらえますか?」
伝票を確認すると、かなりの金額になっていた。
「大丈夫か?」
ナツロウは少し表情を曇らせた。
「はい。もしもの時は、ちゃんと俺が責任持ちますんで。」
「分かった。」
ナツロウは「すいません。」と頭を下げると、外に出て行った。2006-07-17 23:51:00 -
76:
ひと悶着ありそうだな・・・。
ナツロウはお客の愚痴を漏らすことはほとんどないが、
あのお客に関しては、最近ぽつりとこぼした事があった。
「すごく、悪い予感がするんですよ。」って。
とりあえず、今のところナツロウのお客はいないから、
様子を見る事にしよう。
しかし、俺はあいつが戻ってくるまで、気が気じゃなかったよ。2006-07-18 22:35:00 -
77:
1時間近く経っただろうか?
さすがにまずいと思い、俺が外に出ようかと扉を開けると、
赤い目をしたナツロウが立っていた。
「おい・・・お前・・・。」
「すみません。長い時間・・・。」
人目に付かないように、俺はバックヤードにナツロウを連れて行った。2006-07-20 00:30:00