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ヒマワリ

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  • 1:

    ガチャガチャ・・。玄関のドアが開いた。
    「お帰り〜♪」
    ゆりが帰ってきた。もうそんな時間か。

    2006-06-30 21:38:00
  • 41:

    俺は出来るだけ穏やかな口調で話した。
    「あのな、お前がどう思われるか、じゃなくて、
     どうしたら、お客さんが楽しんでくれるかって考えろよ。」
    那智はまた、背筋を伸ばして、真っ直ぐ俺を見る。
    「こいつおもしろくない、って思われたら格好悪いとか思うなよ。
     格好悪くてもいいじゃねえか。
     一所懸命お客さんに楽しんでもらおうと頑張ってる方が
     俺は、全然格好いいと思うぞ。話が滑ってもいいじゃねえか。」

    2006-07-03 23:25:00
  • 42:

    「それにな、俺は今お前の話し聞いてて、すげえおもしろかったぞ。
     なんかさ、気持ちが熱くなったよ。
     それはさ、きっとお前が好きなこと、楽しそうに話してるからだと思うぞ。」
    「はい。」
    「まずさ、お客さんと話すって事を楽しんでみろよ。好きになれよ。
     怖がらなくていいんだよ。俺達もフォローするじゃねえかよ。」
    「はい。」

    2006-07-03 23:38:00
  • 43:

    「お前さ、場の空気もよく読めてると思うよ。
     それは、バーテンダーにも必要な事だろうしな。
     身に付いてるって思うしな。後は、少しの勇気だよ。」
    那智は目を潤ませる。おいおい、俺が苛めてるみたいじゃねえか。
    「ありがとうございます!俺、頑張ります!」
    ・・・声がでかいよ・・・。でも、いい返事だ。

    2006-07-03 23:43:00
  • 44:

    那智と飯屋の前で別れ、俺はマンションに帰ってきた。
    スーツを脱ぐと、スウェットに着替え一先ず眠る。
    数時間眠ると、ゆりが帰ってくる少し前に一度起きる。
    仕事を片付けながら、ゆりの帰りを待つ。
    一緒に暮らし始めて、一年が経つが、
    いつの間にか、こんな生活サイクルになっていた。

    2006-07-05 18:51:00
  • 45:

    ゆりとであったのは2年くらい前だな。
    その頃あいつはまだ大学生で、本屋でバイトしていた。
    ある日俺は読みたい小説を探して、その本屋に入った。
    文庫本コーナーをくまなく探したが、どうも見当たらない。
    近くにいた店員に聞いてみる事にした。
    「あの〜。」

    2006-07-05 19:01:00
  • 46:

    「はい!何かお探しですか!?」
    やけに明るい店員だった。少し面食らうほどだったよ。
    「えっとですね、道頓堀川っていう小説を探してるんですが・・。」
    俺の言葉に店員の笑顔は、更に輝いた。
    「ああ!宮本輝さんの小説ですね!あれすっごくおもしろいですよね!!」
    いやいや、俺まだ読んだ事ないんだって。

    2006-07-05 19:09:00
  • 47:

    店員は嬉しそうに書棚を探しながら、話し続けた。
    「道頓堀川はね、映画にもなりましたよね〜。
     あ、私は残念ながらまだ観た事ないんですけどね〜。」
    そうなんだ・・・。
    「後ね、幻の光っていう小説もね、あ、宮本さんのですけどね、」
    宮本さんって・・・知り合いかよ。
    「あれも、映画になりましたね〜。・・・。」

    2006-07-05 19:57:00
  • 48:

    おいおい、何だ?急に黙り込んだぞ・・・。
    「すいません!お客様!」
    「え?」
    眉毛を八の字にして、店員は俺に向き直った。
    「探したんですけど、どうも品切れみたいなんです・・・。」
    ああ、何だ、それだけかよ。大げさだな・・・。

    2006-07-05 20:01:00
  • 49:

    「お時間おありでしたら、カウンターまで来て頂けますか?
     お取り寄せしますので・・・。」
    いやいや、本屋は他にもあるしな。
    「いやあ・・・そうですねえ・・・。」
    「ほんとおもしろいんですよ!
     登場人物達の孤独や葛藤が美しく描かれてるんです!」

    2006-07-05 20:11:00
  • 50:

    何だこの子・・・。そう思った瞬間俺は笑い出していた。
    「あの・・・。」
    俺はうんうんと頷いて、カウンターを指差した。
    「是非読みたくなったよ。取り寄せてもらおうかな。」
    店員はパッと表情を明るくさせて、
    「ありがとうございます!」
    と、俺をレジカウンターに誘導した。

    2006-07-05 20:17:00
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