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ヒマワリ
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38:
こいつすげえ輝いてるよ。眩しいよな。
「酒の勉強はしてるのか?」
「はい!今も休みの日は色んなバーに行きますし、
家でも、カクテルの研究してますね。ツレに飲んでもらったり。」
「今度さ、店で俺にも何か作ってくれよ。
そんで、酒の事皆にも色々教えてやってくれ。」
「はい!」2006-07-03 23:05:00 -
39:
「それとさ、今みたいに楽しそうに、
店でもお客さんに話してみろよ。」
那智の動きが止まった。
「・・・そうっスよね・・。」
「俺の客がな、お前の事褒めてたよ。いい仕事が出来るはずだって。」
「・・・そうっスか?」2006-07-03 23:09:00 -
40:
あ〜あ〜、すっかり凹んでやがる。
「実際俺もそう思うし、ナツロウも同じ気持ちだぞ。」
「はい・・・。あの・・・。」
「うん?何だ?」
「俺の話なんて、おもしろいって思ってもらえますかね?」
何と!やっぱそうか・・・。2006-07-03 23:12:00 -
41:
俺は出来るだけ穏やかな口調で話した。
「あのな、お前がどう思われるか、じゃなくて、
どうしたら、お客さんが楽しんでくれるかって考えろよ。」
那智はまた、背筋を伸ばして、真っ直ぐ俺を見る。
「こいつおもしろくない、って思われたら格好悪いとか思うなよ。
格好悪くてもいいじゃねえか。
一所懸命お客さんに楽しんでもらおうと頑張ってる方が
俺は、全然格好いいと思うぞ。話が滑ってもいいじゃねえか。」2006-07-03 23:25:00 -
42:
「それにな、俺は今お前の話し聞いてて、すげえおもしろかったぞ。
なんかさ、気持ちが熱くなったよ。
それはさ、きっとお前が好きなこと、楽しそうに話してるからだと思うぞ。」
「はい。」
「まずさ、お客さんと話すって事を楽しんでみろよ。好きになれよ。
怖がらなくていいんだよ。俺達もフォローするじゃねえかよ。」
「はい。」2006-07-03 23:38:00 -
43:
「お前さ、場の空気もよく読めてると思うよ。
それは、バーテンダーにも必要な事だろうしな。
身に付いてるって思うしな。後は、少しの勇気だよ。」
那智は目を潤ませる。おいおい、俺が苛めてるみたいじゃねえか。
「ありがとうございます!俺、頑張ります!」
・・・声がでかいよ・・・。でも、いい返事だ。2006-07-03 23:43:00 -
44:
那智と飯屋の前で別れ、俺はマンションに帰ってきた。
スーツを脱ぐと、スウェットに着替え一先ず眠る。
数時間眠ると、ゆりが帰ってくる少し前に一度起きる。
仕事を片付けながら、ゆりの帰りを待つ。
一緒に暮らし始めて、一年が経つが、
いつの間にか、こんな生活サイクルになっていた。2006-07-05 18:51:00 -
45:
ゆりとであったのは2年くらい前だな。
その頃あいつはまだ大学生で、本屋でバイトしていた。
ある日俺は読みたい小説を探して、その本屋に入った。
文庫本コーナーをくまなく探したが、どうも見当たらない。
近くにいた店員に聞いてみる事にした。
「あの〜。」2006-07-05 19:01:00 -
46:
「はい!何かお探しですか!?」
やけに明るい店員だった。少し面食らうほどだったよ。
「えっとですね、道頓堀川っていう小説を探してるんですが・・。」
俺の言葉に店員の笑顔は、更に輝いた。
「ああ!宮本輝さんの小説ですね!あれすっごくおもしろいですよね!!」
いやいや、俺まだ読んだ事ないんだって。2006-07-05 19:09:00 -
47:
店員は嬉しそうに書棚を探しながら、話し続けた。
「道頓堀川はね、映画にもなりましたよね〜。
あ、私は残念ながらまだ観た事ないんですけどね〜。」
そうなんだ・・・。
「後ね、幻の光っていう小説もね、あ、宮本さんのですけどね、」
宮本さんって・・・知り合いかよ。
「あれも、映画になりましたね〜。・・・。」2006-07-05 19:57:00