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檻の中
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1:
綾乃
私の体験談です?つまらない上に重いです?素通り?していただいてもかまいません
2005-09-11 01:24:00 -
31:
綾乃
新しい生活が始まったのに私は常に母の影に怯えていた…。毎晩母が連れ戻しにくる夢を見た…。睦月がいない間は床に座って、自分の指先の傷を眺めて泣いていた。携帯の留守番電話には、母の怒り狂った声とメールには殺すという言葉。名義が母のままだったので新しい携帯を買ったが。その母の名義というのがあだとなってしまった…。
2005-09-11 01:53:00 -
32:
綾乃
母から睦月の携帯に電話がかかってきたのだ…。勇気を出して私は電話をかわった。
『綾乃?元気なん?』
「うん、でもウチもう家に帰るつもりないからお願いやから電話とかやめて!」
母は泣きだした…ごめんを繰り返し最後に
『綾乃が幸せやったらいいねん、お母さんな、もう長くないみたい…最後に綾乃に会いたかった』そう言い残し、母は電話を切った…。
私は母の言葉が気になった。そして睦月にその事を話した。2005-09-11 01:54:00 -
33:
綾乃
略 私は母の言葉が気になった。そして睦月にその事を話した。
2005-09-11 01:55:00 -
34:
綾乃
睦月は半信半疑だったが、どんな人でも生みの親…一人では危ないので、二人で様子を見に行くことにした…。家に着くと母がパジャマ姿でドアを開けた。中に入って少し話した後母はまた泣きだした…『睦月君、こんなん私が言える立場じゃないけど本当に綾乃大事にしてあげてな?』
2005-09-11 01:56:00 -
35:
綾乃
『はい』納得のいかない顔で彼は答えた。
一瞬和解出来たように思えたが、帰りに
『元気でな』と言った母の手には針が光っていたのだ。2005-09-11 01:57:00 -
36:
綾乃
気付いた時にはもう遅かった。母は私の手を掴み、持っていた三本の針を手の甲に勢いよく突き立てた!私の前にいた睦月がとっさに母を突き飛ばしたがすでに針はしっかりと深く刺さっていた。痛みに顔を歪め、母の方を見ると、母は笑っていた……『餞別や、お前は昔から針が好きやろ?うちが迎えに行くまでその痛み覚えとけよ!絶対連れ戻すからな!』
笑っているはずなのに目だけは怒り狂っていた…2005-09-11 01:58:00 -
37:
綾乃
睦月が警察を呼ぼうとしたが、私はそれを止めた…。もう関わりたくない。これが最後なら喜んで受けようと思ったのだ。病院に行き、家に着くと睦月はそっと抱き締めてくれた…『もう考えんとこ…今から綾乃は自分の幸せだけ考えたらええねん…』
「もぅ、十分幸せやで」私が初めて睦月に抱かれた夜だった…。2005-09-11 01:59:00 -
38:
綾乃
母の嫌がらせは続いていたがいつも睦月は私を支えてくれた。次第に嫌がらせも減っていき、本当に縁が切れたと感じた時には、三年近くたっていた。
私の21歳の誕生日、夕食の片付けをしていると『昨日おとんから電話あってんかー』と睦月の声がリビングから聞こえた、「うん」水音で聞こえにくい…。
『おかんと二人で綾乃にプレゼント買ったから明日来いやって』睦月は水音に負けないように大きな声で話す。2005-09-11 02:00:00 -
39:
綾乃
「やった♪お泊りセットつくらな!」手を刺され、母から逃げてすぐの時、睦月がいない間は彼の実家で過ごしていた。その頃から彼の両親は、私を自分の娘のように可愛がってくれた。二人とも気さくで話しやすいし、私も彼の両親が大好きだった。
2005-09-11 02:01:00 -
40:
綾乃
急いでバッグに下着や着替えを詰め込む。
『綾乃ー。まだ話あんねんけど』
「何ー?今忙しい!」
『実家帰るついでに婚姻届出しにいこ。』
着替えを詰める手が止まった。2005-09-11 02:02:00