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檻の中
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1:
綾乃
私の体験談です?つまらない上に重いです?素通り?していただいてもかまいません
2005-09-11 01:24:00 -
18:
綾乃
相変わらず母はホストに狂い、女の影がちらつくと私を殴る…しかし睦月がいれば私は殴られても蹴られても平気だった。睦月が全てだった、それが誰かを好きになるという事で私がそれに気付いたのは母の手によってだった。
2005-09-11 01:41:00 -
19:
綾乃
その日の事は今でも鮮明に覚えている。朝洗濯をしていると突然後ろから髪を引っ張られ物凄い勢いで風呂場につれていかれた。ホストクラブから帰ってきた母だ。酒の臭いを纏って私にこう言った… 『風呂に入れ!化粧もしてこの服着ろ!』私はいつもとは違う怖さを感じ、差し出された服をもって言うとおりにした。用意が出来ると車に乗せられた…。
2005-09-11 01:42:00 -
20:
綾乃
「どこに行くの?」おそるおそる私は聞いた…。『ウチが働いてた店の知り合いのとこ』一瞬心臓が止まりそうになった。母は娼婦だったからだ、そしてもう一言付け足した『娘っていうなよ、言ったらどうなるかわかってるやろなぁ?』【風俗させる気や!】そう気付いたときには遅かった、私は母に借金のあるホスト狂いの女として入店させられた。
2005-09-11 01:43:00 -
21:
綾乃
その日の夜は今思い出しても吐き気がする。客の体臭、体を這う手、乾いた笑い声…。朝方仕事が終わる頃には私は自分で歩くのもままならないほどいろんな意味でボロボロになっていた。【睦月…睦月…】心の中で愛しい人の名を何回も何回も呼んだ…。
2005-09-11 01:44:00 -
22:
綾乃
睦月に会いたい!私は携帯で彼の名前をさがす…しかし、会いたい気持ちはあるのに、携帯の最後のボタンだけがどうしても押せなかった…ばれるのが恐かったのだ。仕方なく私は家に帰り、死んだように寝てしまった。起きたときにはすでに昼の3時になっていた携帯を開くと睦月から着信が入っていた…少しドキッとする。母がいないのを見計らって外でかけなおす… 睦月は1コール目で出た!
2005-09-11 01:45:00 -
23:
綾乃
『綾乃?何してたん?』「ごめん寝てた…」嘘ではない。 『それやったらいぃねん連絡とれんから心配になっただけやねん』
「心配さしてごめんなさい」あやまる声が震える、『綾乃?ホンマは何かあったんちゃうか?』
睦月はするどい…「何もないって!」否定する私の言葉を無視し、一方的に会う約束をして彼は電話を切った…。2005-09-11 01:46:00 -
24:
綾乃
睦月の強引さとバレるのではないかという恐怖感が交ざった複雑な気持ちで、待ち合わせ場所のカフェにむかった。
どうやら睦月はまだ来ていないみたいだ、私は無駄に愛想の良いバイトの女の子が運んできた、何やらオススメだという甘ったるい飲み物を遠慮がちに舐めながらボーッと外の人混みの中に睦月を探していた。2005-09-11 01:47:00 -
25:
綾乃
10分くらい待っただろうか、後ろの方から彼の声がした。『ごめんな!一瞬迷った、何飲んでんの?』
「わからんけど、オススメやねんて。」 『ふーん』と言いながら睦月はその甘い飲み物を口に運んだ。
『甘ッ!これはありえへんなっ』と、苦い顔をする彼。2005-09-11 01:48:00 -
26:
綾乃
それを見て少し笑った私に睦月が話を切り出した…『で?何があってん?』 無言の私…。
『なぁ綾乃?黙ってたけど俺わかってるねんで?そろそろちゃんと話してくれてもいいんちゃう?俺そんなに頼りないか?』しばらく黙っていたが、とうとう私は母のことを話してしまった……風俗の事も…。2005-09-11 01:48:00 -
27:
綾乃
何も言わない彼を置いて、私は席を立ち、店を出た…泣くことが出来たらどんなに楽だっただろう…歩き慣れた道がいつもより長く暗く感じた…。家に帰っても店に出ても睦月の事ばかり考えて…いつから私はこんなに弱くなったのだろう……。客の愛撫で吐きそうになりながら自分の弱さを悔やんだ…。
2005-09-11 01:49:00