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ミワの秘密

  • 1:

    大阪花子

    『イクっ…』
    これで何度果てたか解らない。朦朧とする意識の中で心地好い重みを感じながらミワは眠りについた。

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    2010-08-09 20:35:00
  • 2:

    大阪花子

    ミワはミナミで働くホステス。昼間は大手企業の受付で働き週末の金曜と土曜にはミナミの街でホステスとして働いていた。ミワの働く店はスナックビルの五階。ほとんどが常連のお客さんばかりで、お小遣稼ぎに働くミワには働きやすい店だった。

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    2010-08-09 20:39:00
  • 3:

    大阪花子

    働き出して、もう二年になる。プルプル…ママの電話が鳴った。『ミワちゃん、彼氏くるわよ〜』そう言ってママがミワをからかった。『もう、止めて下さいよママ』ミワが苦笑いした。ミワが働き出して数ヶ月したある日のことだった。ママの古くからの友人だという男の席にミワは着くことになった。それが山崎との出会いであった。

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    2010-08-09 20:43:00
  • 4:

    大阪花子

    山崎はママの五つした。ちょうど40歳で、近畿県内に数店舗の飲食店を展開する起業家であった。その肩書きとは反対にとても気さくな男であった。その日以来、毎週金曜日になると『僕のミワちゃんいる?』と、ママに電話をかけてから店に顔を出すようになった。そんな山崎にミワも気を使いながらも金曜日を楽しみに出勤するようになっていった。

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    2010-08-09 20:48:00
  • 5:

    大阪花子

    出会って半年程した、ある日。山崎が会計に立ち何やらママと話している。『ミワちゃん、山崎さんがお寿司ご馳走下さるって。甘えてらっしゃいな』とママがミワに声をかけた。『え?あっはい。』ミワは少し戸惑いながら山崎とアフターに行く事を承諾した。

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    2010-08-09 20:52:00
  • 6:

    大阪花子

    ミワはきれいな顔立ちながら気さくな性格でアフターに誘う客は少なくなかった。が、ミワ自身アフターしてまで…という意識もありママも店の子にアフターを強要するタイプではなかったのでアフターに行く事など殆どないに等しかった。

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    2010-08-09 20:55:00
  • 7:

    大阪花子

    週に一度とはいえ、かかすことなく時には空気を読んで抜きものを何食わぬ顔で下ろす山崎は店にとっては大事なお客様であることは、いくらバイトのミワでさえ重々承知していた。(山崎さんだし。ママに頼まれちゃ仕方ないな)そう思ってミワはアフターに出かけた。エレベーターにママと三人で乗り込み、ミワと山崎はそのまま山崎が行きつけだという寿司屋に向かった。ミワが何気なく振り返ると、ママが手を合わせ少しはにかんでいるのが見えた。ミワはママに会釈して山崎に着いて行った。

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    2010-08-09 21:00:00
  • 8:

    大阪花子

    店を出て三つ目の角に立ってある飲食店が沢山入っているビルの一階、一番奥にその店はあった。山崎があらかじめ連絡を入れてくれていたのだろう、店に着くとカウンターに二人分の突き出しが用意されていた。

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    2010-08-09 21:03:00
  • 9:

    大阪花子

    ミワは翌日の土曜日の午後に予定があったため『山崎さん、すみません。お茶いただいていいですか?』と聞いた。『お茶でもジュースでも好きなの飲んで!僕は日本酒もらうけどいい?』そう言って山崎は春鹿を冷で頼んだ。ー乾杯ー山崎がオススメだというだけあって、お寿司はどれも美味しかった。

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    2010-08-09 21:06:00
  • 10:

    大阪花子

    『ところでミワちゃんは本当に24歳?』突然、山崎が茶碗蒸しを食べるミワの顔を覗き込むようにして聞いてきた。ミワは少し驚いて『え?今更ですか?』と笑い『本当ですよ。今年の冬には25になります』と答えた。『そっかぁ』そう言って山崎はカウンターに頬杖をついた。『なんでですか?』ミワが不思議そうに尋ねた。山崎はそんなミワの顔を横目でちらっと見て、今度は両手で顔を覆い隠し肘をついた。(酔ってるな)ミワはそう思って山崎をよそに茶碗蒸しを食べた。

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    2010-08-09 21:14:00
  • 11:

    大阪花子

    『ほんまに美味しい』カウンター内にいる大将にミワが話しかけた。無口な大将はこの道35年のベテランだった。時々奥から顔を覗かせる女性が奥さんだろうなとミワは直感した。女将さんと山崎は他愛ない話をしていた。『ちょっとトイレ』そう言って山崎が席を立った。その姿をじっと追いかけるように見つめる大将と女将さん。『あなたがミワさん?』

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    2010-08-09 21:19:00
  • 12:

    大阪花子

    山崎がトイレに入ったのを確認し、女将さんがミワに話かけてきた。『?はい。はじめまして。ミワと言います。名前…山崎さんから?』ミワは少し不思議そうに女将さんに尋ねた。すると女将さんは嬉しそうに笑って『山崎さん、ここ最近ずーっと。飲んだ帰りに寄られてね、貴女のお話ばっかり』と、口に手を当て話した。キョトンとするミワに大将までもが『耳にタコが出来るくらい貴女の名前を聞きましたよ』と微笑んだ。ミワは照れ笑いをして残りの茶碗蒸しを書き込んだ。『あ!大将。ミワチャン可愛いって思ったでしょ?』そう言って山崎がトイレから戻ってきた。『止めてね女将さん。僕の変な話をミワちゃんにするの!僕、一応紳士で通ってるからね』と言いながら席についた。『変な話なんてしませんよ。変な話があるんですか?』と女将さんが意地悪に山崎をからかった。ミワも山崎の顔を覗き込み『あるんですか?』とからかった。

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    2010-08-09 21:30:00
  • 13:

    大阪花子

    そうこうしていると、時間が3時を回っていた。『あ!大将チェックしてください』そう言って山崎が会計を済ませた。入り口まで丁寧に出て来て深々お辞儀する大将と女将さんに頭を下げて『山崎さんご馳走さまでした。あんなご夫婦いいですね』とミワは率直な思いを山崎に伝えた。すると山崎はミワの右手をパッと掴み前を見たまま『あの二人は僕の理想。ミワちゃんとあんな夫婦になりたいと思ってる』と山崎が言った。あまりに突然のことにミワは驚いたが『何言ってるんですか?若い子をからかうと罰あたりますよ?』と動揺を隠しつつ答えた。

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    2010-08-09 21:36:00
  • 14:

    大阪花子

    すると山崎は足を止め、ミワの肩を掴み自分の方に向かせた。『ちょっ』抱き着かれるのかと思ったミワはとっさに顔を背けて逃げようとした。『僕ミワちゃんのこと好きになってしまったから。嘘じゃない。今まで色々飲みに行ったりもしたし、そこで遊んでなかったとは言いません。でも今は寝ても覚めてもミワちゃんのことしか考えてない!』とすごい勢いで山崎は叫んだ。唖然とするミワ。通りすがる人がクスクス笑いながら二人を見て通る。ミワは我に帰り顔を赤面させた。『山崎さん、瞬きしてください。』ミワはそれしか言えなかった。

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    2010-08-09 22:29:00
  • 15:

    大阪花子

    『あぁ』と慌てて瞬きする山崎。『あぁ寝ても覚めてもミワちゃんだけじゃないな…一応これでも社長だから会社のことは考えるし、でもそれ以外はミワちゃん』真剣な顔の山崎にミワも悪い気はしなかったが突然のことすぎて『ありがとうございます』としか答えられなかった。その日はそのままタクシー代をもらい家に帰った。

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    2010-08-09 22:34:00
  • 16:

    大阪花子

    帰りのタクシーの中で山崎の事を考えたミワ。そんな風に山崎をみたことなかったしな…などと考えていたらタクシーのおじさんに『いいことでもあったんかいな?えらい嬉しそうな顔やね姉ちゃん』と言われて、まんざらでもない自分に恥ずかしさを覚えた。

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    2010-08-09 22:38:00
  • 17:

    大阪花子

    昼前に目を覚ましたミワ。シャワーを浴びて出かける仕度を始める。今日も夜はバイトだ。その前にママからランチに誘われていた。心斎橋で待ち合わせをしていた。ママはいつもとは違い長い髪を軽く束ねサングラスにTシャツ、デニム姿ととても45歳には見えない立ち振る舞いで待ち合わせの場所にいた。『ママ〜』ミワは手を振りながらママに駆け寄り、二人で近くのカフェに入った。入り口から一番遠い席に通された。席に着くや否や『ミワちゃん昨日告白されたでしょ?』とママに言われた。『っ!』ミワは絶句してママを見た。店員が水をテーブルに並べる。ミワの分がテーブルにおかれる前にママは咽が乾いていたのか、ミワにニコリと微笑みながら水を飲み干した。

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    2010-08-09 22:47:00
  • 18:

    大阪花子

    『お待たせしました。』店員が水のお代わりを運んできた。『私、日替わりプレート。ミワちゃんどうする?』と水を受け取るママ。『私も同じので』とミワも注文をした。『畏まりました』と、店員が立ち去るとママが待ちきれないとばかりに『で、どうなったのよ?』と聞いてきた。『どうって…何で知ってるんですか?』と、ミワは少し疑うようにママをみた。『昨日のお会計の時に山崎さんが言ってたのよ。「今日僕ミワちゃんに告白するけどいい?」って。始めは冗談かと思ってたんだけど山崎さんがそんなこというの珍しいしね、だから山崎さんの行きつけのお寿司屋にアフターだったらママもよく知ってるし承諾して3時にはミワちゃんを帰すって門限付けてOKしたの。真面目な人よね。3時半前くらいに「今、ミワちゃん帰したから疑うなら今からママのところに僕行きますよ」って電話があったの』とママが楽しそうに話した。『もう私びっくりして何も言えなかったですよ』とミワはからかわれた事に少し腹を立てたような口ぶりで返事した。

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    2010-08-09 22:58:00
  • 19:

    大阪花子

    『ごめん。ごめん。それでも私、山崎さんならいいと思うわよ?こんなことママの立場でいうのはタブーだけどミワちゃんはいい子だし。でもちょっとボーっとしてるところがあるじゃない?で、もって頑固な部分もあるし頭もいいから山崎さんみたいにバツが一つ付いてるくらいの人がいいのよ。』と嬉しそうに話した。『え〜からかわないでくださいよ。そりゃ前に結婚したいって話したことありましたけど、そんな山崎さんはお客さんだし。』とミワは手を扇子がわりに顔を扇いだ。あからさまに照れているのがママには勿論、ミワ自身も自覚していた。『お待たせしました。』ランチプレートが運ばれてきた。『さぁ食べましょ。食べましょ。山崎さんのことはママは応援するわよ。なんたってママ、二人が結婚する夢見たんだから!』と言うとママは箸を取り、手を合わせると味噌汁をすすった。ミワは『ママの夢当たるんですよね…?戴きます』と、眉間にシワをよせながらママを見ながら味噌汁をすすった。するとママはニコリと笑いご飯を一口口にした。

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    2010-08-09 23:08:00
  • 20:

    大阪花子

    『それじゃあミワちゃん、今日は8時によろしくね』とママはタクシーに乗り込んだ。『はい。ご馳走さまでした。』とママを見送り心斎橋を少しぶらつくことにした。ママと1時間半程のランチタイム。店の話しは少しで大半が山崎の話しだった。(山崎さんて悪い噂聞かないな〜ママも山崎さんだけは褒めるもんな〜。山崎さんて何者?)そういえば、山崎と出会って半年以上。週に一度は必ず会うがお互いの深い話をしたことは一度だってなかった。(歳だって昨日始めて知ったようなもんだもんね。山崎さん私のことからかってるだけなんじゃない?)と、一人ブツブツ呟きながら歩いているとミワの目に【占い】の文字が飛び込んできた。(当たるもはっけ当たらぬもはっけだ!)そう思い滅多に行かない占いにミワは立ち寄った。中に入ると何人かの占い師の写真が貼ってあった。受付で予約を聞かれたミワは『してないです。始めてなんですけど…』と答えた。受付の女性が丁寧に占い師の名前と得意な占い方、待ち時間を説明してくれた。ミワは迷うことなく一人の占い師を指差した。『この方でお願いします。』その占い師の名前は【ヨシワ】感じで美和と書いた。自分と同じ名前にミワは運命を感じた。

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    2010-08-09 23:19:00
  • 21:

    大阪花子

    ヨシワがそこの人気占い師であることは後々しるのだった。だが、本当に運命だったのかたまたまキャンセルが出て予約が空いていたのだった。ヨシワは50歳くらいの女性。どこにでもいるような主婦の様な優しそうなおばさんだった。いかにもな占い師の写真と本人とのギャップに驚きながらもミワはヨシワに言われるがままに両の手の平をヨシワに見せた。

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    2010-08-09 23:23:00
  • 22:

    大阪花子

    何を聞くでもなくヨシワは淡々と話し出した。『今のお仕事は一年後には辞めてらっしゃると思いますよ』ミワはへ〜とどこか他人事の様に聞いていた。『彼氏とは相性がいいわね。というよりは彼氏が貴女を本当に大事にされてるから貴女は安心した幸せを感じれるのね。』と、ヨシワは続けた。『え?私、彼氏今いませんけど』とミワが割って入ると『こんなにくっきりでるなんて例え付き合っててもないのに。今いい人もいません?』そう聞かれてミワの頭に山崎の顔が浮かんだ。でも直ぐに、モノは言いようだとヨシワに『いません』と答えた。それでもヨシワは『おかしいわね。歳はあなたより20程上の人ね。お顔は歳より若く見えるけれど…やっぱりあなたより10以上は年上の人ね。経営なさってるかしらね?肩に沢山の人を背負ってみえるわ。お顔はかなり可愛らしいけれど芯は男も惚れちゃうくらい男前な人ね。いい方よ。』ミワは心臓がバクバクするのを感じでいた。確かに山崎はミワより15歳年上である。顔はよく子役の男の子に似てると皆に言われている。ミワ自身もそう感じていた。それから経営者であることまで山崎そのものであった。『それ私の未来の彼氏?』とミワは恐る恐る聞いてみた。するとヨシワはきっぱり答えた。『現在のです』

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    2010-08-09 23:35:00
  • 23:

    大阪花子

    彼氏いないってば!と思いながらヨシワの言葉が頭を埋めつくすのが解った。『そうだ!なんで私、仕事辞めるんですか?今、夜バイトしてるんですけどバイトをってこと!?』と話を反らすかのようにミワはヨシワに尋ねた。『違いますね〜貴方、一年半後には給与をもらう姿がないです。』と、ヨシワは答えた。『えー無職?リストラぁ?私…どうなっちゃってるんですか?』と半分泣きそうな声でミワはさっきまでの占いなんてが嘘の様に、ヨシワの言葉に動揺していた。するとヨシワは『専業主婦』とポツリと呟いた。

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    2010-08-09 23:41:00
  • 24:

    大阪花子

    『絶対変だ!』帰り道、速足で歩くミワは昨日の山崎のことといい、ママの夢の話に占い師の変な助言。なんかつじつまが合いすぎていることに少し不気味ささえ覚えた。それでも、占いは誰にでも当てはまる様に言い交わすという反占い思想のジャーナリストの言葉を思いだし、苛立つ自分が逆に山崎を意識しているみたいで恥ずかしくてたまらなくなった。家に帰ると顔も洗わず仮眠を取った。

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    2010-08-09 23:46:00
  • 25:

    大阪花子

    その日は8時のオープンと共に三組の同伴と一組四名の団体で小箱の店は賑わいをみせていた。団体席の一人が誕生日だったため、のっけからシャンパンだワインだと抜きものがおりた。11時を迎える頃にはミワはほろ酔い冗談だった。団体が帰った後にいつもの常連客がまた三名で入り、同伴組もチェックが出た。土曜日はいつもパッと賑わってサッと引くのがお決まりだったが今日は珍しく、その後もパラパラと常連客が顔を覗かせた。『今日は忙しい土曜日やな』なんて言葉が先輩からかけられ、ミワも思わず『閉店までもつかな』と本音を漏らした。それでもそこは土曜日。長居する客はおらず1時の段階で三名だけがダラダラ唄いながら飲んでいるだけだった。『ミワちゃん、ナナちゃん、あとアヤコちゃんも今日はもう上がっていいわよ』とママが声をかけた。『あとはママとサヤだけでちゃちゃっと閉めるから』とママが手を振る。常連客も『おいおいオバハンばっかりかよ(笑)』なんていいながらご機嫌で飲んでいた。身支度をして帰ろうとした、その時だった。プルプル…ママの携帯が鳴った。ミワは少し胸が痛くなった。ママの携帯にかけてから店にくる客は沢山いる。それでも今日は(山崎さん…?)そう思いざるを得なかった。携帯を取りに来たママが電話に出る前にミワを呼び止めた。ミワを手招きしながら電話に出た。『もしもし?山崎さん?』やはり山崎だった。

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    2010-08-10 00:01:00
  • 26:

    大阪花子

    土曜日にくるなんて珍しいことだった。『2時過ぎには閉めちゃうわよ?』ママはシラッと本音を話す。電話の向こうで山崎が笑う声がした。『はいはい。じゃあご用意しておきますね〜。え?はいはい。もちろんミワちゃんいますよ。』と電話をしながらママはミワに右手を顔の前に立て、ごめん。のポーズをした。ミワは頷いて鞄をロッカーに直した。

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    2010-08-10 00:05:00
  • 27:

    大阪花子

    山崎は5分もしない内に店に着いた。『いらっしゃいませ』ミワは入り口で山崎を出迎えた。顔を赤らめたのは山崎の方だった。『一杯で帰るから。ごめんね。遅くに、ごめんね。』そう言って山崎は席に着いた。『お!山崎君やないかぁ!』そう声をかけたのは三人組の内の一人だった。『あ!立山さん。お世話なってます。』そう言って山崎は立ち上がり頭を深々下げた。ママが『あれ?立山さん山崎さん知ってるの?』と聞くと『何年か前に別の店のエレベーターでばったりあってな。俺、酔ってて山崎君に倒れ込んでもうてな。すまんすまん言うて名刺出したんや!ほんなら間違って花川の名刺渡してもうてな…ははは』花川とは山崎が行きつけにしてる寿司屋だった。『ほな、その何日後に俺が花川行ったら山崎君が一人で飯食っててな。「いいとこ教えてもらいました」ってな。で、俺は気に入ってもてな花川でたまに一緒に飲むんや〜』と嬉しそうに立山は話した。『いや!そうなん?全然しらんかった。そういえば立山さんは土曜日しか来ないし、山崎さん土曜日はこーへんもんね。それにしても言ってよ〜どうせ私の悪口言うてたんでしょ?』とママが会話を弾ませた。『悪口なんて…ちょっとだけね。たまに』と山崎が冗談で返した。『男にも内緒で飲みたい時があるの!』と山崎はおしぼりで顔をふいた。『山崎君こっち来い!こっち来い!』と立山はワイワイするのが好きな山崎に輪をかけて気さくな男だったため結局、山崎は立山の席に相席して飲むことになった。『ママ〜シャンパンやシャンパン!こんな日はパッといかなあかんでな』それからシャンパンが三本、ワインが二本卸された。時刻は4時前になっていた。

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    2010-08-10 00:22:00
  • 28:

    大阪花子

    ようやくチェックが済み。ママが『今日は洗いものいいわ。明日ママ店の照明でこっちくるからやっとくわ〜』と言うので、皆軽く片付けて帰ることにした。ママと立山の家は近く、立山がタクシーで送ることになった。サヤが『ミワちゃん私らも行こうか?』と声をかけてきた。『はーい』とサヤについて行こうとすると山崎が『サヤちゃん、ミワちゃん僕送っていくよ?』とタクシーを止めた。サヤの家は店から車で5分もしないところにあった。『そういえば山崎さん、お家どこなんですか?』とサヤが尋ねた。『え?』と少しためらう様に『北浜』と答えた。『そうなん?!』とサヤがいうと『皆には内緒ね。近所って知ったら店の子はすぐ呼び付けの電話してくるから』と苦笑いで山崎は答えた。『確かに確かに』とサヤが笑った。サヤの家に着き『山崎さん、ミワちゃん襲ったら北浜ばらすよ?』と釘をさして笑顔でおりていった。その笑顔がミワには怖かった。なにせ今日はおかしなことが多い気がしていたからだ。その一つ。ミワ自身いつもより酔っていた。

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    2010-08-10 00:32:00
  • 29:

    大阪花子

    サヤと別れて5分程したらミワの住むマンションに着いた。『ここなんで』と助手席に座る山崎に声をかけた。すると山崎は『運転手さん僕、彼女送っていくんでここで待っててください』と言ってミワと一緒に一旦タクシーをおりた。オートロックの前に立ち『わざわざすみません。ありがとうございます。ご馳走さまでした。』とやたらと丁寧にお礼を言うミワに『昨日のことで逆に避けられてしまったな』と山崎が苦笑いした。『いえ、そうじゃなくて…』と鞄をガサガサと探るミワ。次第に顔色が悪くなる。『…ミワちゃん?』不思議そうに山崎がミワを見つめて『鍵ないの?』と山崎が尋ねた。するとミワはしゃがみ込み鞄を逆さまにして鞄の中身を全て出した。『…ない』血相をかいてミワは山崎を見上げた。『ははは。僕の家泊まる?』と山崎が答えた。『…いや、冗談。そんなあからさまに嫌な顔しなくても』そう言われてミワは自分がすごい嫌悪感剥き出しの顔をしていたことに気づき『ちがっ!いや、そうじゃなくて。その…私、友達に連絡しますから大丈夫』と慌てて近くに住む親友のミカに連絡をとった。が、もう4時過ぎ。起きているはずもなく、電話にすら出ない。(きっと店だ!)と慌てて前ママに電話するもママも今日は相当酔っていたためか、電話に出ない。サヤにもかけた。サヤは何故か圏外。『サヤさんの家、前に工事中のマンション立ってから電波悪いって言ってたな…』と、自分のアドレス帳をカチカチ探す出すミワ。『僕、今日ホテル泊まるからミワちゃん僕の部屋使っていいよ。』と山崎がいった。『あっ!そっか!ホテルだ!私ホテルに泊まります。ありがとう山崎さん。』そう言って、鞄に荷物を戻すとサッと立ち上がり山崎の手を取り固く握手して立ち去ろうとするミワの腕を掴んで『ダメダメ。女の子が一人でホテルなんて。ビジネスホテルでも安心出来ないから僕もいく』(なんで?ここ日本ですけど)そう思ってミワは『大丈夫!大丈夫!むしろ一緒の方が…ねぇ?』と山崎を拒んだ。そんな押し問答をしているとタクシーのおじさんが降りてきた。『どうすんの?降りるんやったら支払いしてくれな困るで』とイライラしながらこっちへ来た。『あっすみません!乗ります乗ります。北浜まで』そう言って山崎はミワの腕を掴んでタクシーに乗り込んだ。

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    2010-08-10 01:03:00
  • 30:

    大阪花子

    『来ちゃった…』ミワは山崎の部屋の玄関に立ち尽くしていた。山崎の部屋に着くまでの間に思いつく限りに電話をかけたが、繋がる相手に鍵って外泊中だの彼氏が来てるだので、ミワは言葉をなくした。『何もしないから』と半ば困り果てた山崎がスリッパを差し出した。『すみません。』トボトボ部屋に入った。綺麗に整理された広めのワンルームだった。真っ白な部屋に焦げ茶色の家具がポツリポツリと並んでいた。まるで生活感がない。『ミワちゃんシャワー浴びる?』その質問にミワは動揺した。『先どうぞ!て、いうか私ソファーに座ってますから今日はシャワーいいです。』『じゃあ、先浴びるからテレビでも勝手にみてて?』そういうと山崎はシャワーを浴びにいった。落ち着こうとテレビをつけた。テレビショッピングか動かない景色しか映らない。『そっか時間が時間だもんね』でも、その動かない景色に何故か心が落ち着いた。ガチャ。山崎がシャワーを終えて出てきた。

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    2010-08-10 01:26:00
  • 31:

    大阪花子

    『ミワちゃんも遠慮せずどうぞ。Tシャツと短パン、これ使って?』そう言って山崎はミワにシャワーを勧めた。『いや、大丈夫』頑なに拒むミワ。『覗かないし、その頭で明日帰るの?』山崎にそう言われて普段はあまり凝った髪型をしないのに今日に限っていかにもな髪型をしていることに気づいた。(お客さんが誕生日だからって気合いいれるんじゃなかったぁ)それでも明日合い鍵を管理会社に貰うにしても、この頭じゃまずいというのはミワも納得した。『良識ある人はこんな頭してないか昼間っから』そう呟いて、シャワーを借りることにした。

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    2010-08-10 01:33:00
  • 32:

    大阪花子

    シャワーを浴び出てくると、山崎がシーツを変えているのが見えた。『あの…』ミワに気づいた山崎は『あっ!ミワちゃんこっち使ってね。シーツ変えたからきれいだし。僕はソファーで寝るから』と笑顔で答えた。『いえ、私がソファーに寝ます。』ミワがそういうと『そんなの無理無理。肩凝るよ?僕はよくテレビ見たままソファーで寝てるから平気平気。』そう言って山崎はミワの手を取りベットの方へ案内した。『ゆっくり休んで。明日は休み?』『明日は休みです。山崎さんは?』『僕は明日夕方からしか予定がないから管理会社に行くなら送るし、まぁとりあえずもう眠いでしょ?お休み』そう言って山崎はソファーに横たわった。『お休みなさい』ミワも言葉に甘えてベットに入った。

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    2010-08-10 01:39:00
  • 33:

    大阪花子

    30分くらい寝てしまったのか、ふと目を覚ますとソファーの方で氷をグラスに入れる音がした。『山崎さん?』ミワはベットから出てソファーの方を覗いた。『あっ!ごめん。起こした?』ソファーで山崎は水割りを飲んでいた。『寝れないんですか?』ミワがそう聞くと恥ずかしそうに山崎が答えた。『ミワちゃんがいると思うと何か年甲斐もなく今更照れてきて』そんな山崎をミワは少し愛おしく思った。いつもは短髪ながらセットしてある髪も洗いざらしになっていて、スーツ姿しか見たことがなかった山崎がTシャツに短パンでソファーに腰をかけている。『何かますます、あの子役の子に見えます。』そう言ってミワはクスクスと笑った。『あぁ。似てるかな?』山崎は髪をくしゃくしゃとした。ミワは自分がすっぴんになっていたことをすっかり忘れてソファーに腰かけた。山崎はミワの顔を見て『ミワちゃんだってどっかの美少女コンテストに出てきた子役みたい』と言われて自分がメイクをしてない事を思い出した。『あ!』慌てて顔を隠すミワに『かわいい可愛い』と山崎は笑った。『美少女コンテストに出てきたって…山崎さんはフォロー上手ですね』とミワが山崎に笑いかけた。『僕、これでも色んな人雇ってますから』と笑いかえした。『山崎さんってどうして離婚したの?』ミワは自然と疑問に思った。思ったらもう、口にしていた。

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    2010-08-10 01:53:00
  • 34:

    大阪花子

    それから山崎は一息つくと、覚悟を決めたかのように、自分がぶらくの出であること。それでも親が必死に自分をいい学校に行かせてくれた事。だから必死に商売を頑張った事。学生時代に恋愛をした相手と結婚を約束するも自分の出生地の事で相手の親が結婚を承諾してくれなかったこと。駆け落ち同然で結婚をしたこと。奥さんに辛い思いをさすまいと働きに働いていい暮らしをさせようとしたこと。それでも親と縁切ってまで一生を伴にするのは容易いことではなかったこと。色々な話をしてくれた。

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    2010-08-10 02:00:00
  • 35:

    大阪花子

    ミワはずっと黙って聞いていた。『何で山崎さんみたいな人が離婚しちゃったんだろって思っちゃって…ごめんね。』ミワは要らぬ事を興味本位で聞いた自分を恥じた。『いいよ。全然。僕はミワちゃんにお嫁さんになってほしいって本当に思ってるから。いつかは全部話す時がくるから。それが今日だっただけだよ』と山崎はミワに微笑みかえした。そんな山崎の顔を見ていると胸がキュンと痛くなった。気が付くとミワはソファーから立ち、山崎を抱き寄せていた。『僕はミワちゃんに初めて会った時に一目惚れしたんだよ。顔にって言うより雰囲気に。この子の近くにいたら幸せを沢山感じれる!って直感したんだ』ミワは腕の力を強めた。山崎はミワの胸に顔を埋めたまま自分の心が和むのを感じていた。

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    2010-08-10 02:09:00
  • 36:

    大阪花子

    山崎がミワの腰に手を当てて、自分からミワを離した。『でも、僕は君に何もしない。大事な人だからね。ミワちゃんが僕の彼女になってくれるまで手は出さないって、決めてるから。』ミワは優しく山崎を見つめる。山崎はミワの顔は見ぬまま続けた。『それでも僕も男だから好きな子に抱きしめられたら、限界がある。』そういうと山崎はミワを見上げ『だからミワちゃん、ありがとう。もう向こうで休んでなさい。』とニコリと笑った。ミワは胸がキュンとなるより先に自分の体が動いた事に自分でも驚いた。ミワは両手を山崎の顔に当てて、そっとキスをしていた。

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    2010-08-10 02:15:00
  • 37:

    大阪花子

    唇を離して恥ずかしそうにミワはいった。『分かりません。ただ今は山崎さんを抱きしめていたいと思いました。』山崎は何も言わずミワを見つめた。山崎の視線を感じながらミワは動くことも目線を合わすことすら出来ずにいた。『ミワちゃん…』山崎が口を開こうとした。悲しそうにも、淋しそうにも、呆れたようにも取れた。それを遮るかのようにミワは叫んだ。『同情なんかじゃありません!じゃあ何かと聞かれたら解りません!ただ山崎さんを愛おしく思いました。抱きしめていたいと思いました!ただ…ただそれだけじゃ駄目ですか?』そう言ってミワは山崎を恐る恐る見た。それと同時に身体が浮く感覚を感じた。

    IP強制表示中:124.146.174.15
    2010-08-10 02:21:00
  • 38:

    大阪花子

    山崎はミワを抱き上げ、ベットの方へ連れていった。ミワの心臓は部屋中に響く程の鼓動をあげていた。それでも怖いとは思わなかった。山崎は優しくミワをベットに横たわらせた。『僕の元嫁は僕の血を継いだ子を生めないと言って僕の元を去っていった。』遠い目をして山崎が話す。ミワはじっと山崎を見つめた。『君をお嫁さんにするのは、まだ先の話だ。それにこれは僕の夢だ。君を汚すかもしれない。それが何より怖い…』山崎が言い終えると同時にミワはベットの横に立ちベットに手を着く山崎を自分の方へ抱き寄せた。『私は汚れません』

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    2010-08-10 02:36:00
  • 39:

    大阪花子

    山崎はミワの手首をギュッと握ったまま、ミワの口を黙らせるかのようにキスで塞いだ。山崎の舌がミワの口に入ってきた。『んン…』ミワから甘い声が漏れた。山崎の舌がミワの舌を優しくなぞる。ミワも山崎の舌に自分の舌を必死に絡ませた。何分くらいキスしただろう。山崎の髪から香るシャンプーの香りとほのかにする水割りの香り。ミワはキスだけで頭が網羅としていくのが分かった。山崎はミワの華奢な身体を抱きしめてキスを続けた。抱きしめられた苦しさと、キスがやけに心地好くミワは山崎を抱きしめた。

    IP強制表示中:124.146.174.15
    2010-08-10 02:46:00
  • 40:

    大阪花子

    山崎は糸を引く唇をミワの首筋に滑らせた。『あぁン…』ミワの身体がピクリと反応をする。左手でミワを抱き寄せたまま右手をミワの服に這わせた。シャワー上がりブラを外していたミワの柔らかな胸をまるで少年の様に鷲掴みして、揉みしだく山崎。片方の膝をミワの股に当てがう。『ぁあ…』少しづつ山崎の息が荒くなるのが分かった。ミワは自分の陰部が濡れてきていることを感じた。首筋をなぞる唇はミワの右耳まできた。『ぁあン…』山崎のしたがクチュクチュと音を立てながらミワの耳を舐め回す。『ぁあ…はぁ…』ミワも次第に息を荒げ吐息が漏れる。ミワの胸を揉みしだいていた右手がミワの乳首を捕らえた。親指と人差し指でコリコリとつまみ回す。『ぁあぁ…ン』耳を舐められ乳首を摘まれ、ミワは声を荒げ山崎のTシャツの背をギュッと掴んだ。

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    2010-08-10 02:58:00
  • 41:

    名無しさん

    読んでます

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    2010-08-10 03:03:00
  • 42:

    大阪花子:ありがとう?

    山崎は耳から口を離すともう一度ミワの唇を奪った。両の手でミワのTシャツをめくり上げミワの柔らかな胸を揉みしだく。両手でミワの胸を中央に寄せビンビンになって並ぶ乳首にむさぼりついた。『ぁあん…ぁはぁ…』ミワは身体をのけ反らせて、山崎のTシャツを掴む。口に含まれた乳首が山崎の舌先で遊ばれる度にビクンビクンと身体が反応する。

    IP強制表示中:124.146.174.16
    2010-08-10 03:40:00
  • 43:

    大阪花子

    山崎はミワを優しく抱き起こしTシャツを脱がせた。

    IP強制表示中:124.146.174.15
    2010-08-10 03:45:00
  • 44:

    大阪花子

    恥ずかしそうに胸を隠すミワのおでこにそっとキスをして自分もTシャツを脱いだ。それからもう一度ミワを優しく横たわらせ、唇、首筋、鎖骨、乳房、乳首と今度はミワの身体を確かめる様に唇を這わせた。『っはぁ…』ミワからは心地いい快楽の吐息が漏れる。

    IP強制表示中:124.146.174.15
    2010-08-10 03:48:00
  • 45:

    大阪花子

    唇がお腹までくると、山崎はミワの履いていた短パンとパンツを脱がせミワの膝下に自分の肩を入れミワの足を優しく開いた。ミワの陰部は愛液で満ちていた。山崎はそれを舌先でなぞるように穴からクリトリスまでを舐め上げた。『ンぁあン…』ミワの足がビクンと反応した。

    IP強制表示中:124.146.174.15
    2010-08-10 03:51:00
  • 46:

    大阪花子

    ミワのクリトリスはすでに大きくなっていた。それを優しく舌先で撫でるように舐める山崎。クチュ…山崎のよだれとミワの愛液の混ざる音がする。山崎が両手をミワの胸に伸ばした。舌を上下させる度にびちゃびちゃとやらしい音がした。『ぁあぁん…ンぁあ…ぁん…』ミワのM字に開いた足はつま先まで力が入っていた。『ぁあぁん…』ミワの声が大きくなる。

    IP強制表示中:124.146.174.16
    2010-08-10 03:56:00
  • 47:

    大阪花子

    山崎がミワの乳首をクリクリと摘みだす。たまらずミワは声が大きくなり自分でクリトリスを山崎に突き出す。山崎はミワの赤く腫れたクリトリスを今度はジュパジュパと吸い出す。『山っぁ…ぁあぁ…ん…』ミワは山崎の頭を自分のクリトリスに抑え付けた。すると山崎はミワの固くなった乳首をギュッと強く摘む。『ぃッい…ぁあ…』痛みと快楽は紙一重なのかミワは『もっと…もっとしてぇ…ぁあ…ン』と山崎にねだった。

    IP強制表示中:124.146.174.16
    2010-08-10 04:01:00
  • 48:

    大阪花子

    山崎はミワの乳首をひねり強く摘んだ。それと同時にクリトリスを舐める速さを早めた。クチュクチュ…レロレロ…ジュパ…ミワは気が遠くなりそうだった。ミワは山崎の腕をギュッと握った『っいぃ…ぁっぁいっ…いくっ…ひっ…はぁ…いっちゃういっちゃう!!』その言葉を待っていたかの様に乳首を摘む指には更に力が入り、クリトリスを舐める舌は勢いを増す。『ぁああ…』ミワは悲鳴にも似た声を上げてイッタ。

    IP強制表示中:124.146.174.16
    2010-08-10 04:07:00
  • 49:

    大阪花子

    ビクンビクンと鼓動打つクリトリスを優しく舌先で舐める山崎。『っあン…山崎っさん…私もう…』ミワは息を整えるのでやっとのようだった。『ミワちゃん可愛い』山崎はそう言うとミワの胸から右手を離し割れ目へと持ってきた。ミワの割れ目は山崎のよだれとミワの愛液でぐちょぐちょに濡れていた。シーツにはまるでおねしょの後が出来ていた。

    IP強制表示中:124.146.174.15
    2010-08-10 04:12:00
  • 50:

    大阪花子

    そんなミワの割れ目に指が入るのは容易かった。山崎の指がミワの中に入る。『ンぁあ…』ミワはビクッとまたのけ反る。山崎はその指でミワの中を掻き交ぜた。『ぁぁあ…ン…』ミワの足がピンっと硬直する。山崎は舌先てクリをねぶった。ビチュビチュ…。そして片方の手でミワの乳首を優しく転がし、もう片方の手はミワの中を掻き交ぜる。グチュグチュと音を立てさせて。

    IP強制表示中:124.146.174.16
    2010-08-10 04:17:00
  • 51:

    大阪花子

    『っはぁ…もう…っもぅいくーだめぇーっ…』ミワははシーツを鷲掴みにし腰を山崎に突き付けイッタ。山崎はクリトリスを舐めるのを止め今度はミワの乳首を舐め回した。ミワの中がどんどん締まる。片方の手をミワの腰に回す。ミワは乳首を舐めながら甘噛みする山崎の頭を自分の胸に抱き寄せた。『っだめっ…ぁああ…出ちゃう…ンぁあ…』ミワの中が山崎の指の動きを制御するほど固く締まる。『いいよミワちゃん』山崎がミワの首筋を舐めた瞬間、ミワは愛液を噴いてイッタ。

    IP強制表示中:124.146.174.15
    2010-08-10 04:26:00
  • 52:

    大阪花子

    頭が白くなっていく感覚をミワは感じていた。全身が鼓動を打つ。股関節がガクガクするのが分かった。『ミワちゃん?』横に山崎が横たわった。ミワはトロンとした目で山崎を見つめた。『もう、寝よう。疲れたでしょ?』山崎がミワの頭を撫でる。『まだ…私…山崎さんを抱きしめてません』ミワはそう言うと山崎に抱き着いた。ミワを強く抱きしめる山崎。お互いの汗で身体が冷たくなっていた。山崎はミワを抱きしめたままミワの上に覆いかぶさった。優しくキスをして首筋の汗を舐め、乳首にもキスをした。

    IP強制表示中:124.146.174.15
    2010-08-10 04:32:00
  • 53:

    大阪花子

    乳首を舌で転がせながら山崎はズボンを脱いだ。ミワは山崎の頭をそっと撫でる。山崎がミワの膝下に腕を入れミワの足を上げる。山崎の固くて熱いモノがミワの割れ目に当たる。『来て…』ミワが両手を広げてーおいでーのポーズをした。山崎の固くて熱いモノがミワの中にゆっくり入る。『ン…ぁあ…』ミワの声が漏れる。山崎も『ぁ…』と声を漏らした。優しく腰を動かす山崎。それでもジュポジュポとやらしい音がした。『ぁあン…気持ちいい…』ミワが汗でビチャビチャの山崎の背中に手を回す。山崎もミワの足に腕を通したままミワの腰を掴む。『ミワちゃん締めすぎ…』山崎が苦笑いする。『だって気持ちいいもん。』そう言ってミワは中を締めては腰を突き上げた。『っぁあ…ン…我慢出来ないっ』ミワは腰を更に上に突き上げる。

    IP強制表示中:124.146.174.16
    2010-08-10 04:41:00
  • 54:

    大阪花子

    山崎はミワの中を楽しむように奥をグリグリと突いては先まで引き、また奥まで差し込んでは中をグリグリと突いた。そのたびに快楽に顔を歪ませるミワを愛おしく見つめた。『っぁあぁ…んっ…あぁっ…山崎っさん…』ミワの中がまたきつく締まり出した。山崎は勢いよく腰を振り、ミワの中を突いた。『っぃあ…ン…ぃっく…』ミワが足を山崎の背中に絡ませる。山崎はミワを抱きしめながら腰を振る。グチュクチャ…パンパン…『っぁあっ…いくっー』パンパン…山崎に突かれながらミワはイッタ。山崎の太ももはミワの愛液でビチャビチャになっていた。

    IP強制表示中:124.146.174.15
    2010-08-10 04:48:00
  • 55:

    大阪花子

    山崎はぐったりしたミワを抱き起こした。そしてミワの乳首を優しく舐め回す。そんな山崎を赤ん坊の様に愛おしくミワは思った。ミワのおしりを掴み上下に揺らす。ミワもそれに合わせて腰を振った。そのままミワは山崎の肩を後ろに倒した。山崎の固くて熱いモノが更に自分を突く感じがして『ぁんっ…』声が漏れた。

    IP強制表示中:124.146.174.16
    2010-08-10 04:52:00
  • 56:

    大阪花子

    ミワは腰を前後に振った。『…んっ…』クリトリスが擦れる。中がグチョグチョと音を立てるのが聞こえる。『ぁあ…んっ…』片手を後ろに回して山崎の袋をなぞった。『ミワちゃんエッチになってるよ』山崎はそう言ってミワの胸を揉みしだく。その山崎の手を上から握るミワ。『…んっ…ぁあ…』腰を更に動かす。頭がおかしくなりそうだった。『ミワちゃん気持ちいいよ』山崎の声にミワの身体がビクンビクン反応する。『もう…いっちゃう…』ミワは山崎の上に果てた。

    IP強制表示中:124.146.174.15
    2010-08-10 04:59:00
  • 57:

    大阪花子

    ミワを支えながら山崎は起き上がり。再びミワの足を持った。ミワは自分のクリトリスをいじりだす。『おかしくなっちゃう…』クチャクチャ…クチュクチュ…やらしい音にミワ快楽の絶頂だった。山崎もミワが壊れる程に突いた。パンパン…パンパン…『ぁあ…ん…っ…あっン…もっとぉ…山崎っさん…っ』パンパン…クリトリスをいじるミワの手が山崎の肩に伸びる。『…おかしくして…』ミワは意識が網羅としていく中で、ただ電流のように走る快楽に溺れていった。山崎は左手でミワの片方の足首を掴み、右手でクリトリスを摘んだ。『っぁあぁ…』ミワは足を硬直させ、腰を反らせ自分の乳房を鷲掴みにした。

    IP強制表示中:124.146.174.15
    2010-08-10 05:07:00
  • 58:

    大阪花子

    『…ぁあ…ぁんっ…いっ…』パンパン…パンパン…山崎はミワの身体を抱きしめ更に腰を突いた。『ミワちゃん…僕…もう』ミワは思いっきり強く山崎を抱きしめた。『ぁああ…ン…山崎っさん…いっちゃ…う…』ズボズボ…ミワは頭が一瞬白くなったのを感じた。山崎はイク寸前にミワから出してシーツに出していた。そのままミワの胸に顔を埋めて寝息を立てた。ミワは心地好い重さを感じながらカーテン越しに差し込む朝日を眺めていた。

    IP強制表示中:124.146.174.15
    2010-08-10 05:16:00
  • 59:

    大阪花子

    複雑な思いが頭を過ぎる。私はこのまま山崎さんの彼女になるのかな?あの時、確かに彼を愛おしく思った。でも、その感情的がいったい何なのか…。ただ一つ確かなこと。それは、今自分の胸ですやすや眠る山崎を見てホッとしている自分がいた。続く…
    もし読んでくれた人がいたなら、下手くそな文章を読んでくれて、ありがとうございました。暇で暇で一気に書いたので誤字とかあったらすみません。

    IP強制表示中:124.146.174.16
    2010-08-10 05:21:00
  • 60:

    名無しさん

    エロいわ〜
    読んでると、エッチしたくなる ってか、
    うちの彼氏にも同じようにしてほしい、見習ってほしいかも(笑)

    IP強制表示中:218.182.241.78
    2010-08-11 16:45:00
  • 61:

    名無しさん

    読んでます?
    続きが気になる?おもしろいです?

    IP強制表示中:124.146.175.103
    2010-08-15 19:59:00
  • 62:

    大阪花子

    『…ボソボソ……』目をそっと開けたミワ。ソファーの方から山崎の声がした。頭がボーッとしている。布団の中の自分の姿に今朝の事を思い出し、慌ててそこらへんに脱ぎっぱなしになっているだろう下着を探した。『ミワちゃん?』ベットの上でごそごそ仕出したミワに電話を終えた山崎が話し掛けた。

    IP強制表示中:210.136.161.67
    2010-08-17 11:15:00
  • 63:

    大阪花子

    『あっ!おはようございます』掛け布団で必死に自分をくるい裸を隠しながらミワは床に落ちたパンツに手を伸ばす。『はい』山崎がそれを拾ってミワに渡した。『今10時だけど、管理会社開いてるかな?』山崎がミワに聞く。『え?あっあぁ』ミワは慌ててパンツを受け取るとTシャツに手を伸ばした。『はい』これも山崎が拾って渡した。

    IP強制表示中:210.136.161.67
    2010-08-17 11:19:00
  • 64:

    大阪花子

    『開いてるはずだから電話します』パッとTシャツを受け取るとミワは山崎を見上げた。『?』山崎が不思議そうにミワを見下ろし『ごめん、ごめん』と言ってソファーに戻った。ミワは山崎がソファーに座る音を聞いてパンツをはき、Tシャツに勢いよく手を通した。(山崎さんが覗くわけないか…)少し自意識過剰な自分に恥ずかしかった。

    IP強制表示中:210.136.161.67
    2010-08-17 11:22:00
  • 65:

    大阪花子

    管理会社に電話をするとスペアキーは月曜になると言われた。月曜は9時には会社に行かなければならない。無理を言って8時にマンションの下に鍵を持ってきてもらう約束をとりつけ電話を切った。電話を終えるとベットの影に隠れるようにして着ていたドレスを着た。『山崎さん、ありがとう。助かりました。私、帰ります』ミワがソファーの方へ顔を出すと山崎は『それで帰るの?て、いうか何処に?』と尋ねた。『友達のとこに行きます』管理会社に連絡するついでにミナミに住んでいるカナに『今から行く』とだけ連絡をしておいた。『じゃあ、そこまで送るよ』そういうと山崎はテーブルにおいてあった車のキーを手にした。

    IP強制表示中:210.136.161.68
    2010-08-17 11:30:00
  • 66:

    大阪花子

    一人で平気だと断るミワに『どうせ、僕も家出るから』と山崎はミワをなだめた。カナの部屋は日曜日なら遊びに行けた。日曜日はカナの不倫相手が家族サービスの為にカナの部屋へは来ないからだ。山崎はミワをマンションに備え付けの立体駐車場へ案内した。車が出てくるのをミワは少し離れて待った。『ごめんね。三分待ってて』山崎が駐車場の管理画面を見ながらミワに話し掛ける。山崎はいつもどおりの山崎のようにミワには思えた。

    IP強制表示中:210.136.161.68
    2010-08-17 11:37:00
  • 67:

    大阪花子

    車を待っていると今朝電話をしていたミカから着信があった。『電話いいですか?』ミワは山崎に一言断りを入れて『酔っ払ってかけちゃったみたい。ごめん』と伝えて電話を切った。そうこうしていると車が下りてきた。山崎が立体駐車場の中に入り乗って出てきたのは黒いジャガーだった。

    IP強制表示中:210.136.161.68
    2010-08-17 11:40:00
  • 68:

    大阪花子

    カナの部屋はアメ村を少しいった所にある。そこまで特に何を話す訳でもなく。ただ道の説明だけを淡々としカナの部屋へ向かった。『これ好きなんだよね』そう言って山崎がかけた曲はミワにも聞き覚えがあった。『誰ですか?この曲唄ってる人』『ん?ビリー・ジョエル。おっさんって思ったでしょ!?』と山崎は笑った。『いや。違っ!こないだ行ったお寿司屋さんで…』とミワは山崎の事を今日初めて見た。横顔のままの山崎は『そうそう。あそこジャズとかかけてて一瞬で気に入ったもんね』と笑った。ミワもその横顔を見て思わず微笑んでしまった。

    IP強制表示中:210.136.161.67
    2010-08-17 11:48:00
  • 69:

    大阪花子

    カナのマンションにつくと深々とお礼をしてミワは山崎の車を降りた。『またお店行っていいかな?』と山崎が窓を開けてミワに聞いてきたので『はい』とだけ答えてミワはもう一度、頭を下げた。山崎の車が走り去って次の角を曲がったであろう音がするまでミワは頭を下げたままだった。どんな顔をして見送ればいいのかミワは解らなかった。

    IP強制表示中:210.136.161.67
    2010-08-17 11:51:00
  • 70:

    大阪花子

    部屋に入るとカナがタバコを加えながら掃除機をかけていた。『ごめんね』ミワが部屋に上がると『ええよ。てか何、その格好。どこおったんアンタ?』とカナが不思議そうに尋ねた。『え?お腹空いたし』とミワは掃除機の音で聞こえなかったフリをした。『パン食べや!キッチンにあるわ』とカナが言うのでミワはキッチンへ入った。『聞こえてんやん!』と笑いながらカナは掃除機をかけつづけた。ミワはカナに向かって下を出して見せた。

    IP強制表示中:210.136.161.68
    2010-08-17 11:56:00
  • 71:

    大阪花子

    カナはミワより3つ上の28才。ミワが今の会社に入社した時からミワを可愛がってくれている。先輩後半ではあるが屈託ないカナはミワにプライベートで敬語を使うなと言い、ミワにとっては着かず離れずのカナとの関係は心地好いものだった。カナの不倫相手は二人が働く会社の営業部の部長で子煩悩で有名な男だった。

    IP強制表示中:210.136.161.67
    2010-08-17 12:00:00
  • 72:

    大阪花子

    ミワはパンを食べながら昨日の出来事をカナに話した。とりあえずは“してしまった”事は伏せた。カナは何も言わず頷きながらタバコを吸って聞いていた。

    IP強制表示中:210.136.161.68
    2010-08-17 12:05:00
  • 73:

    大阪花子

    ミワはひとしきり話すとベットに足を組んで座るカナをヒラッと見た。『んで、やったんやろ?』とカナは何食わぬ顔で聞いてきた。ミワは顔を赤くしてコクンと頷いた。『気持ちよかったん?そこは付き合う上で大事やで』カナは新しいタバコに火をつけながら聞いてきた。『…うん』ミワは斜め下に転がるカナのブラジャーを眺めながら恥ずかしそうに答えた。

    IP強制表示中:210.136.161.67
    2010-08-17 12:37:00
  • 74:

    大阪花子

    『掃除機かけてて…これ?』ミワがそのブラジャーをつまみ上げながら聞く。『うるさい。ほな良かったやん。まぁこうなることは何となく分かっとったけどな』カナは煙をミワに吹き掛けながらニヤッと笑う。『なんでよ』と口を尖らすミワに『だってアンタどんどん大阪弁やなくなってるん気付いてへんの?まぁもともと親の影響かしてコテコテやなかったけど…』そうカナに言われたミワはさっぱり理解が出来ないと言った顔をカナに返した。

    IP強制表示中:210.136.161.68
    2010-08-17 12:41:00
  • 75:

    大阪花子

    『アンタが夜バイトするって言い出してから山崎さんの話し出して…どんどん大阪弁消えていったん見てて影響受けまくりやん!て思っとってん』とカナは自慢げに続けた。『最近ますますキレイなったって会社の男連中ん中では噂らしいで。男が言うてたわ』と笑うカナに『もともと私、なかってたし!』と、また口を尖らすミワ。『はいはい。ほんでどうするん?付き合うん?』とカナに聞かれ『それがさぁうちのお父さんがぶらくとか毛嫌いする人で…』とミワは答えた。

    IP強制表示中:210.136.161.67
    2010-08-17 12:47:00
  • 76:

    大阪花子

    『はい。いいわけ。もう気持ち決まってるやん』とカナはまた煙を吹いた。ミワはカナをふて腐れた顔で見ていた。確かに自分の気持ちじゃない理由を付き合わない理由に一番に上げた自分の気持ちを解らないわけではなかったが、あまりに突然過ぎた出来事に当事者の感覚を無くしていたというのが正直な気持ちであった。

    IP強制表示中:210.136.161.68
    2010-08-17 12:51:00
  • 77:

    大阪花子

    『まぁ素直が一番やで。一目気にして他人にとやかく言われながら恋愛なんか出来ひんから』そう言うカナの言葉はやけに説得力があった。『カナは部長と結婚とか考えてるの?』ミワは前々から気になっていた事をカナに尋ねた。カナはタバコを一口吸い、しばらく口に含むと長めに煙を出してから答えた。『したいけどせんよ。そろそろ終わりやわ。子供も中学上がるからな。そういうの敏感なるやろしな。向こうは向こうで子供が成人したらとか言うてるけど…子供好きなん知ってるから私は二号さんで終わり』二人で撮ったベットサイドの写真を見ながら答えたカナはいつもよりキレイに見えた。

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    2010-08-17 13:06:00
  • 78:

    大阪花子

    プルプル…ミワの携帯が鳴った。ママからだった。『もしもし…』『あっ!ミワちゃん?おはよう。アンタ鍵落としてへん?』『やっぱり〜落としましたぁ』『店のロッカーの下に落ちてたで。昨日大丈夫やったん?』そうママに聞かれて一瞬胸がきゅっと絞まる感覚がした。『友達んとこ泊まりました。ママ何時まで店います?』3時頃まではいると言うママにそれまでに取りに行くと伝えミワは電話を切った。

    IP強制表示中:210.136.161.67
    2010-08-17 13:10:00
  • 79:

    大阪花子

    ミワはカナにシャワーを借り、今朝の汗を流した。鏡越しに映る自分の姿を見て今朝の事を思い出した。山崎の顔、指先の感覚を思い出すと身体が熱くなるのを感じてシャワーの温度を少し下げた。『スケベかっ!』鏡に向かってミワは久しぶりに大阪弁で叫んだ。『なんか言った〜?』カナが大声で返事をするのが聞こえて『何でもなーい』と答えて髪をバシャバシャと洗った。

    IP強制表示中:210.136.161.67
    2010-08-17 13:14:00
  • 80:

    大阪花子

    カナに洋服を借りて、半乾きの髪をお団子に束ねてミワは店へと向かった。店に着くとママが面接をしていた。『おはようございます』ソロリと店に入って行くと『おはようミワちゃん!鍵はリストにあるから〜ちょっと待ってて〜』店の一番奥の席からママが答えた。『はーい』10分くらい入口ちかくの席に座って待っていると小さな店の面接は筒抜けだった。

    IP強制表示中:210.136.161.67
    2010-08-17 13:19:00
  • 81:

    大阪花子

    『ママあの子、いつから?』『ん?早速明日から来てもらうから宜しくね』とママはミワにウインクをしてタイムカードに“わかな”と書いた。ミワは変わった天井の照明をボーッと眺めていた。『ところで、ミワちゃん』いつもより真剣じみたママの口ぶりにミワは我に帰った。『昨日は本当に友達のところ?』不意打ちだったママの質問に動揺を隠すのがいっぱいいっぱいだったミワは『はい』とだけ答えた。『ママ、前にも話したけど山崎さんとは賛成よ。ただ中途半端にだけは止めてね。山崎さんにも失礼だし、何より貴女が辛くなるから絶対』ミワは『はい』とだけ答えた。

    IP強制表示中:210.136.161.68
    2010-08-17 13:34:00
  • 82:

    大阪花子

    エレベーターに乗り込むと『ミワちゃんは分かりやすいよね。ママは黙ってるから、他のお客様にだけは感づかれないようにしてね』と少しため息まじりにママが話した。ミワは『なんでそんなこと?…』と肯定も否定もせずママに聞き返した。するとママはミワの肩をポンっと叩いて『ママも若い時あったもん』と微笑んだ。

    IP強制表示中:210.136.161.68
    2010-08-17 13:38:00
  • 83:

    大阪花子

    帰りのタクシーでマンションの管理会社に鍵があったことを伝えた。部屋に付くと倒れ込む様にベットに入りそのまま眠り込んだ。ー何時間寝ただろうープルプルと電話がなっていた。ミワは鞄からゴソゴソと携帯を探した。眠い目を擦り携帯のディスプレイを見た。【山崎さん】ミワは一気に目が覚めた。

    IP強制表示中:210.136.161.68
    2010-08-17 13:46:00
  • 84:

    大阪花子

    『はいっっ』声が上擦ってしまった。山崎からの返事はない。(恥ずかしい…)その思いながら『もしもし?』と、今度は落ち着いて答えた。よく見ると電話は切れてきた。『セーフ…』ミワは大きなため息をしてから山崎に電話をかけ直した。『もしもしミワちゃん?』山崎はやはりいつもの山崎だった。『ミワちゃん時間あったらご飯どう?』そう言われて時計に目をやると8時だった。『はい』だけ答えて、ミワは嬉しさで顔がニヤけているのに自分で気付いて恥ずかしくなった。

    IP強制表示中:210.136.161.68
    2010-08-17 13:56:00
  • 85:

    大阪花子

    30分ほどして山崎から到着の連絡があり部屋を出た。車を降りて山崎は待っていた。『ミワちゃん』笑顔で迎えてくれた山崎にミワは笑顔で頷いた。車に乗り込むと『ミワちゃん薄化粧のが可愛いな〜』と山崎が呟いた。『え?あっありがとう』ミワは顔を赤くした。ボサボサだった髪をまとめ直して、服を着替えメイクをするのにいつも以上に時間がかかってしまった。

    IP強制表示中:210.136.161.68
    2010-08-17 14:01:00
  • 86:

    大阪花子

    山崎はハービスエント内にあるオイスターバーにミワを連れていった。たわいない話をしながら食事をした。今朝のことなどなかったかのようだった。そんな山崎にミワは少し淋しさを覚える自分を必死で隠しながら笑顔でその場を繕った。食事を済ませると『もう一軒いいかな?』と山崎がバーに誘った。車の事が気掛かりではあったがミワはバーに付き合うことにした。

    IP強制表示中:210.136.161.67
    2010-08-17 14:05:00
  • 87:

    大阪花子

    ミワはカシスソーダを、山崎はバーボンのロックを頼んだ。

    IP強制表示中:210.136.161.68
    2010-08-17 14:07:00
  • 88:

    大阪花子

    読んでくれている人、ありがとうございます。ちょっとづつ書いていきます?

    IP強制表示中:210.136.161.68
    2010-08-17 14:44:00
  • 89:

    名無しさん

    続きが楽しみです?
    完結させて下さいね?
    楽しみにしてまーす?

    IP強制表示中:210.136.161.76
    2010-08-17 16:58:00
  • 90:

    大阪花子

    ミワが一杯を飲み干すまでに山崎はバーボンを二杯飲んだ。『山崎さん車は?』ミワが心配そうに尋ねた。『代行呼ぶよ。ミワちゃんはタクシーで送るから安心してね』山崎はほろ酔いの様だった。『あの…』ミワが少し低めのトーンで話し出す。『昨日も酔ってましたか?』ミワの質問を聞くや否や、山崎は飲みかけていた三杯目のバーボンをテーブルに勢いよく置くと『んな、わけ!全部覚えてるから』とミワに向かって叫んだ。

    IP強制表示中:124.146.174.38
    2010-08-17 17:31:00
  • 91:

    大阪花子

    ビックリして目が点になっているミワに山崎は続けた。『大人げなかったと反省してる。お付き合いの返事も貰ってないのに。僕もいい歳だし、あんなことしたら遊び人だって誤解されても困るし…』言い終えてバーボンを一気に喉に流し込んだ。『いや、私は嫌じゃなかったです』ミワは何とも言えない返答をした。それでも山崎には十分過ぎた。『良かった〜』山崎は肩から力が抜けた様にカウンターにうなだれた。

    IP強制表示中:124.146.174.38
    2010-08-17 17:36:00
  • 92:

    大阪花子

    それからと言うもの、山崎から毎日の様に食事の誘いがあった。ミワは昼前に入っている、そのメールを楽しみに午前中の勤務に励んだ。山崎は自身が飲食店をしているせいで沢山の店を下見していたのであろう、色んなジャンルの美味しい店にミワを連れていった。金曜日になると決まった時間に店に飲みに来た。あの日以来、土曜日にも顔を出すようになっていた。そして決まって店の近所のバーでミワの上がりを待ち、ミワを家まで送り届けた。もちろんあの日以来、ミワに手を出すことはなかった。日曜日も変わらずミワを食事に誘った。そんな事をひと月程続けていた、ある金曜日の仕事終わり。

    IP強制表示中:124.146.174.38
    2010-08-17 17:44:00
  • 93:

    大阪花子

    その日も山崎はミワのバイト先に顔をだし、1時頃にチェックを出して近くのバーでミワを待った。3時になっても現れないミワ。3時半を過ぎた頃にバーのドアが開いた。ママの肩を借りたミワが入ってきた。『ママ?ミワちゃんどうしたの?』ミワの酔い様に驚くより先にママが連れてきた事に驚きを隠せない山崎は平常心を必死に装う。そんな山崎をよそにママは『山崎さん帰ってから団体さん来ちゃって。ミワちゃんのお客様でミワちゃんワインを大分飲んだのよ…山崎さんお願い出来ます?』とミワを山崎に渡した。

    IP強制表示中:124.146.174.38
    2010-08-17 17:50:00
  • 94:

    大阪花子

    『え?あっいや…』戸惑いながら山崎はミワを受け取る。『大事にしてくれないと困りますよ。』とだけ言ってママが笑顔で手を振り出て行った。『…知ってたんだ』そう呟いて山崎はミワを抱き抱えた。『ミワちゃん、お家帰るよ』自分の足で立つのがままならない程ミワは酔っていた。『ん?ぅーん…』山崎は倒れ込みそうなミワを抱きかかえながらバーの会計を済ませた。

    IP強制表示中:124.146.174.38
    2010-08-17 17:54:00
  • 95:

    大阪花子

    ミワをかかえながらタクシーに乗り込む。ミワの部屋までの道のりを説明しいる山崎にミワが絡んだ。『やまらきさん?』『ん?どうした?気持ち悪い?』『気持ち悪い…』『吐くの?』山崎も、それをバックミラー越しに眺めるタクシーの運転手もいつでも車を止める準備を仕出す。『あたひ…ねぇ?』ミワが俯いた顔を上げた。『はい。なんでしょう?』山崎が聞き返した。

    IP強制表示中:124.146.174.38
    2010-08-17 18:09:00
  • 96:

    大阪花子

    『やまらきさんのころ…すきぃ』そう言うと目を丸くしている山崎にミワはキスをした。『ちゅー』酔ったミワはコラコラと静止する山崎に口を尖らせ迫った。タクシーの運転手もバックミラーから事の成りを見守る。『ミワちゃん気持ち悪くないの?大丈夫?』ミワを止めながら山崎が尋ねる。

    IP強制表示中:124.146.174.38
    2010-08-17 18:12:00
  • 97:

    大阪花子

    『気持ひ悪いわぁ!』ミワは今にも閉じてしまいそうな程トロンとした目を山崎に向けた。『そりゃ大変だ』慌てて山崎が窓を開けようとする。すかさずタクシーの運転手が窓を開けた。ミワの方に寄り掛かって来ていた山崎の耳をミワが思いっきり噛んだ。『痛っ!』とっさに身を引く山崎にミワが叫んだ。

    IP強制表示中:124.146.174.37
    2010-08-17 18:16:00
  • 98:

    大阪花子

    『なんかモヤモヤ気持ひ悪いねん、お前ぇ!』『っ?!』山崎には一体なんのことか解らなかった。タクシーの運転手もバックミラーをチラチラ気にした。『ごめん。ミワちゃん…僕なんかした?』山崎は不思議そうに恐る恐るミワに尋ねた。薄ら目で山崎を見ていたミワは『なーんひもせんから気持ひ悪い言うとんねん!』と大声で返事をした。

    IP強制表示中:124.146.174.38
    2010-08-17 18:34:00
  • 99:

    大阪花子

    『あたひは魅力ないですかぁ?』山崎がミワの口を手で塞ごうとするがミワは話しつづけた。『一回したら終わりなの?もぅ飽きたか?』『何どうしたの?ミワちゃん…なんかコテコテの関西人になってるけど…』山崎はひたすらミワを止めようとする。『触るなボケ!気ぃ持たして終わりかいっ?!』山崎もだんだん状況を把握してきたが場所が場所だけにどうする事も出来ない。

    IP強制表示中:124.146.174.37
    2010-08-17 18:38:00
  • 100:

    大阪花子

    『だってミワのこと好きなんれひょ?』ミワが半ベソをかく。山崎は慌ててミワの頭を撫でる。タクシーの運転手とバックミラー越しに目が合った。『ミワぁやまらきさんのことぉ…好きになっひゃったじゃんバカぁ吐くーっ』タクシーは道脇に急停止をし、山崎が慌ててミワを外に出す。ミワは半分こけた様に地べたに倒れ込み、はいつくばって溝に向かった。『根性あるな…』タクシーの運転手が呟いた。『ミワちゃん大丈夫?』近寄ろうとする山崎に『来ないでぇ!見ないでぇ!あっち行け』ミワが言った。『プロやな〜』と、運転手は車の中から感心していた。

    IP強制表示中:124.146.174.37
    2010-08-17 18:45:00
  • 101:

    大阪花子

    吐き終えるとミワはてくてく歩き出した。山崎は慌ててタクシー代を払いミワの後を追った。『ミワちゃんどうしたの?タクシー乗って帰ろ?』山崎がミワの手を掴んだ。ミワはその手を払いのける。『ミワ、ゲーしたから汚いから一人で帰るからぁ』そう言ってつかつか歩くミワ。山崎はミワの手を強く引いてミワを抱き寄せキスをした。

    IP強制表示中:124.146.174.38
    2010-08-17 18:54:00
  • 102:

    大阪花子

    ミワが力一杯、山崎を押し離そうとするが山崎は力を緩めなかった。『ミワちゃんは汚くない』するとミワは山崎に泣くながら訴えた。『じゃあ、どうしてあれから何もしないの?Hどころかキスも、手さえ握らない?なんでよ?』すると山崎は少し困った顔をして答えた。『手を繋ぐとキスもしたくなるし、キスしたら全部ってなるからね。僕も男だから。でもミワちゃんはまだ僕の彼女になってないから、そんなんで身体の関係だけみたいになるのは嫌だから…』

    IP強制表示中:124.146.174.38
    2010-08-17 18:59:00
  • 103:

    大阪花子

    戻したせいか若干酔いが覚め出したミワは徐々に自分のめちゃくちゃ具合を理解した。キョトンとした顔とは反対に頭は恥ずかしさで一杯だった。山崎はそんなミワの腕を掴んで『ミワちゃん、僕とお付き合いして下さい。』と改めて告白をした。顔を真っ赤にしたミワは満面の笑みで『はい』と、答えた。

    IP強制表示中:124.146.174.38
    2010-08-17 19:02:00
  • 104:

    大阪花子

    それから二人はミワの部屋まで手を繋いで歩いた。マンションに着くと山崎は『お休み』と言ってミワのほっぺにキスをした。ミワも『おやすみなさい』と微笑み帰してマンションに入って言った。ミワがエレベーターを待っていると、『やったぁー』と叫ぶ山崎の声が微かに聞こえてミワは嬉しさの余り、エレベーターホールで一人クルリと回った。

    IP強制表示中:124.146.174.37
    2010-08-17 19:06:00
  • 105:

    大阪花子

    ミワがひと回りしてエレベーターの方に顔を向けると調度エレベーターが一階に着いた。着いたエレベーターを見てミワは硬直した。そこにはミワが半年前まで付き合っていたタケシが乗っていた。『…ミワ』エレベーターが開くとタケシはミワにそのまま倒れ込む様に抱き着いた。ミワはタケシを支えるだけで必死だった。

    IP強制表示中:124.146.174.37
    2010-08-17 19:10:00
  • 106:

    大阪花子

    『なに?今更。』ミワがタケシに聞く。『俺、お前じゃないとあかんわ。お前おらなあかんわ』タケシは疲れた様子で酔ってはいないようだった。タケシはミワの5つ上で自分でホストクラブを経営していた。ミワと付き合ったのは三年前。二年半の交際の末、二人は別れた。理由は妊娠だった。

    IP強制表示中:124.146.174.38
    2010-08-17 19:13:00
  • 107:

    大阪花子

    ミワが妊娠を知った頃のタケシの店は右腕としてタケシが可愛がっていた男が店のお金と店舗の権利書を持ち逃げし、その男が営業時間オーバーを警察に連絡するなどし、当日店にいた店長は警察に連れて行かれ、タケシ自身も事情聴取などを受ける羽目になっていた。大変な時期だった。ある程度は覚悟を決めていたミワだったが『ごめん。今、それどころじゃない』タケシのその一言はミワとタケシに大きな溝を作った。

    IP強制表示中:124.146.174.38
    2010-08-17 19:18:00
  • 108:

    大阪花子

    その頃は既に夜のバイトをしていた。ミワが夜のバイトを仕出したのもタケシの仕事を少しでも体感することで理解できるんじゃないか。と、言う思いからだった。タケシとはタケシが店を出す前のプレイヤー時代に知り合った。タケシは可愛らしい顔立ちで人気を博していた。昼間は実家のうどん屋を手伝い、夜はホスト。夢は実家のうどん屋を大きくチェーン展開することだと意気込むタケシに淡々と毎日を過ごしていたミワはどんどん惹かれていき、タケシの告白で二人は交際を始めた。

    IP強制表示中:124.146.174.37
    2010-08-17 19:25:00
  • 109:

    大阪花子

    タケシはバカ正直に彼女の話をお客さんにもしたため叩かれたり、客切れをした時期もあったがミワとの結婚を真剣に考えていたタケシには痛くもなかった。付き合い出して三ヶ月した頃いい物件があると先輩に誘われ共同出資で店をオープンさせた。半年もした頃、先輩は実家を継ぐと店をタケシに残して去った。

    IP強制表示中:124.146.174.37
    2010-08-17 19:29:00
  • 110:

    大阪花子

    仕事がらミワとの喧嘩が絶えない時期もあったがタケシの真剣な言葉にミワも納得をし、自分も夜のバイトを始めてみた。二人が互いの店に行き来することは一度もなかった。お互いの親にも挨拶に行き、交際は順調だった。

    IP強制表示中:124.146.174.38
    2010-08-17 19:31:00
  • 111:

    大阪花子

    ある日、珍しく営業時間内にタケシから着信が数件あった。バイトを終えてかけ直すと、明らかにいつもと違うタケシが電話に出た。話を聞きタケシの店の近くに行く。タケシと従業員がビルの当たりに立っていた。『タケシ…?』『ミワごめん。』従業員の話だと右腕だった男は稼いだお金を株に注ぎ込んできたらしく、大損をしていたらしい。タケシには平気だと話していたらしいが従業員の中にはお金をせびられたものもいた。

    IP強制表示中:124.146.174.3
    2010-08-17 19:39:00
  • 112:

    大阪花子

    この日の前日にタケシに連絡があり、一千万近くのお金を借りたいと言い出した男にタケシは二人の結婚資金に貯めていたお金から数百万渡し、今月一杯でのクビを伝えていた。理由はタケシの勘。最近の素行が悪くなっていたこと、悪い噂を耳に仕出したこと。可愛がっていたタケシにも苦渋の決断だったが店を大きくするためと男を切った。通報はその腹いせだろうとタケシは話した。

    IP強制表示中:124.146.174.4
    2010-08-17 19:44:00
  • 113:

    大阪花子

    時を同じくして、身体の異変に気づいたミワは病院へ行き妊娠を知った。この一連のことを知っているのはカナとママだけだった。ママがミワを気遣う理由はこれかもしれないとミワは自覚している。

    IP強制表示中:124.146.174.4
    2010-08-17 19:48:00
  • 114:

    大阪花子

    子供を下ろしてからのミワは自分を責める毎日だった。タケシは店の事で精一杯でミワを気遣う余裕がなかった。それでもカナやママの優しさが逆に辛くてミワは空元気を振りまいた。堕胎手術から一週間した、ある夜酔ったタケシがミワに覆いかぶさってきた。『?タケシ?酔ってる?』ミワの質問には一切答えずタケシはミワの服に手を入れてきた。

    IP強制表示中:124.146.174.3
    2010-08-17 19:52:00
  • 115:

    大阪花子

    『ちょっと…タケシ止めてよ』抵抗するミワに『我慢出来ない』タケシはそう言うとミワの両手をしっかり押さえて、服をめくり上げ乳首をなめ回した。『タケっ…ちょっと無理だってば』タケシはミワの腰に手を回し更に激しく乳首を舌で転がした。ペロペロ…クチュ…音を立てながらタケシはミワの乳首を貪る。

    IP強制表示中:124.146.174.3
    2010-08-17 19:56:00
  • 116:

    大阪花子

    『タケシってばぁ…ぁんっ』タケシは腰に回した手をミワのパンツに突っ込んで来た。『やだってばぁ!』ミワが足をジタバタしながら抵抗する。お構いなしとばかりにミワのパンツを一気にずらすとミワの足を両手でしっかり持ち上げ、ミワのクリトリスにしゃぶりついた。クチュクチュ…『っ!タケシ止めてぇ!』ミワは必死にタケシの顔を引っ張る。ジュルジュル…タケシはミワの股に顔を埋めてクリトリスに吸い付く。思わずミワが叫んだ。『赤ちゃん見てる』

    IP強制表示中:124.146.174.3
    2010-08-17 20:01:00
  • 117:

    大阪花子

    タケシはパッと顔をあげ『ごめん。なんか俺、なんか…無償に淋しくなって…俺…ごめん。ごめんミワ』とミワに抱き着いた。ミワはタケシの頭を撫でながら涙が止まらなかった。次の日ミワはタケシに別れを告げた。『二人でいたら二人とも駄目になる。どこかで私はタケシを責めてる。今までみたいに仕事の応援出来ない…』

    IP強制表示中:124.146.174.3
    2010-08-17 20:04:00
  • 118:

    大阪花子

    タケシはミワをしばらく見つめて『お前は俺とおるより、ええ男見つけて幸せなれ。俺は当分夜上がられへんしな』と歯を剥き出しにしてニカッと笑った。ミワはそんなタケシの優しさが嬉しくて、弱い自分が情けなくて泣き出しそうになるのを必死に堪えて部屋を出た。それ以来、同じミナミ。タケシのとこの従業員に会うことはあってもタケシに会うことはなかった。

    IP強制表示中:124.146.174.3
    2010-08-17 20:08:00
  • 119:

    大阪花子

    そのタケシが今、目の前にいる。『何?どうしたの?』ミワもさっきまで酔い潰れていたため床にへだりこんでしまった。タケシは相変わらずミワに抱きかかったままだった。『とりあえず部屋入ろう』ミワはタケシを連れて部屋へ向かった。『ねぇ誰に住所きいたの?』『ミカ』タケシがポツリと答えた。タケシをミワに紹介したのはミカだった。

    IP強制表示中:124.146.174.3
    2010-08-17 20:11:00
  • 120:

    大阪花子

    また続きは今度書きます。付き合ってくれている人、ありがとうございます?

    IP強制表示中:124.146.174.4
    2010-08-17 20:12:00
  • 121:

    名無しさん

    お疲れ様でした?
    リアルタイムで読めて嬉しかったで〜す?
    続きを楽しみにしてます?

    IP強制表示中:124.146.174.65
    2010-08-17 20:21:00
  • 122:

    名無しさん

    更新楽しみにしてます?
    山崎さん萌え?(笑)

    IP強制表示中:124.146.174.47
    2010-08-18 07:50:00
  • 123:

    名無しさん

    ド コ モ

    IP強制表示中:122.130.195.135
    2010-08-18 12:04:00
  • 124:

    大阪花子

    部屋に入り、ベットの横の小さなテーブルにお茶を出した。『どうぞ』玄関で立ち尽くすタケシにミワは声をかけた。『お邪魔します』靴を脱いで入ってきたタケシを見て、(少しやせたな)ミワは思った。

    IP強制表示中:124.146.174.33
    2010-08-19 09:23:00
  • 125:

    大阪花子

    このご時世、ホストクラブの経営は思う様にはいかない。それでもミワは他に理由があるように思えてならなかった。『ねぇ?本当はなんのようなの?』タケシはお茶の入ったグラスを見つめたまま黙っている。ミワがタケシの腕を引っ張った。『してないって!』タケシは吐き捨てる様に言った。

    IP強制表示中:124.146.174.33
    2010-08-19 09:32:00
  • 126:

    大阪花子

    『ごめん。なんかあんた痩せたから…』ばつが悪そうにミワは答えた。お茶を一口飲んでお菓子でもとミワが立ち上がろうとした時に、重い口をタケシは開いた。『…んだ』ミワは自分の耳を疑った。『おとん…死んだ』タケシはグラスを見つめたままだった。

    IP強制表示中:124.146.174.34
    2010-08-19 09:35:00
  • 127:

    大阪花子

    タケシのお父さんはミワとタケシが別れた後に肺にがんが見付かったらしい。がんは末期の状態で本人の以降で無理な治療はしなかったらしい。自分の店をでかくす!その一心で自分の給料も店の運営資金に回していたタケシは、あの金さえあれば…と悔いてならなかった。

    IP強制表示中:124.146.174.33
    2010-08-19 09:39:00
  • 128:

    大阪花子

    肺ガンは見付かった時には既に手遅れなことが多い。それでもそんなことはタケシに関係なかった。『おとんは俺に気ぃ使ってん。』ミワは何も言えなかった。『店無くなって、お前と別れて、店復活させようってやり始めたら、おとん死んで…細々うどん屋やりゃ良かってん。ちょっとでも贅沢したろって…ちょっとでも楽にってホストなんかしたから…こんなんなってもた』あぐらを組んだ膝の上に置いてあったタケシの拳がぎゅっと締まった。

    IP強制表示中:124.146.174.33
    2010-08-19 09:45:00
  • 129:

    大阪花子

    『なぁミワ、もっ回やり直そ?贅沢さしたられへんけど二人で暮らそう。ホストも辞める。貯金ならまだちょっとある。結婚式しよ?うどん屋二人でやってこや』ミワは胸が苦しくなった。付き合っていた頃、どんなにこの言葉を待ち望んだことか。それでも見栄というプライドが邪魔をしてタケシは決してそうはしなかった。

    IP強制表示中:124.146.174.33
    2010-08-19 09:49:00
  • 130:

    大阪花子

    『なぁミワ?』タケシがミワの方をみた。『私、今付き合ってる人がいる』ミワはタケシの首にかかっていたネックレスを眺めながら答えた。ミワが去年のタケシの誕生日にあげたネックレスだった。ドクンっと大きく鼓動が響いた。『ごめん。タケシ…』少しの間、沈黙が流れた。蝉の鳴き声だけが聞こえる。

    IP強制表示中:124.146.174.33
    2010-08-19 09:52:00
  • 131:

    大阪花子

    『客か?』タケシが呟く。ミワは小さく頷いた。『誰?』タケシが尋ねた。ミワは黙ったままだった。『佐伯か?』ミワは首を振った。『たーちゃんとかいう奴か?』ミワはもう一度、首を横に振り『誰でもいいじゃん』とタケシをみた。ミワはバイトをして以来、何を隠すでもなくタケシにお客さんの話をしていた。

    IP強制表示中:124.146.174.34
    2010-08-19 09:56:00
  • 132:

    大阪花子

    タケシがミワの目を見つかる。『山崎さんか?』ミワは心臓が痛くなった。首を動かさないミワに向かって『良かったやん』とタケシは言った。そう言うと、あの時のように歯を剥き出しにしてニカッと笑った。『帰るわ!何や酔ってもうたみたいやな俺。ごめんミワ』タケシは立ち上がり玄関に向かった。『え?いやっいいけど。あんた大丈夫なの?』とミワがタケシの背中に聞いた。

    IP強制表示中:124.146.174.33
    2010-08-19 10:00:00
  • 133:

    大阪花子

    クルっとミワの方を見て『ちょっと最近貯まってたから、昔の女が恋しなってん。でも男持ちとやったらややこしいだけやからな』とタケシは悪ぶってみせた。ミワはタケシの肩を叩いて『あほか』と笑った。靴を履き終えたタケシは清々しい顔をミワに見せて言った。

    IP強制表示中:124.146.174.33
    2010-08-19 10:04:00
  • 134:

    大阪花子

    『お前、幸せか?』ミワは目玉を斜め上に向けた後タケシを見つめて『幸せになる』と答えた。『そっか』と言い、玄関を開けたタケシが『そぅそぅ、いつから付き合ったんや?』と聞いてきた。『言っとくけど浮気してないよ。最近だから。むしろ…昨日から…てか今朝…さっき…』と恥ずかしそうにミワは答えた。

    IP強制表示中:124.146.174.34
    2010-08-19 10:07:00
  • 135:

    大阪花子

    タケシは少し驚いた顔をした後にフッと笑って『何じゃそりゃ』と言って手をミワに振り扉を閉めた。ミワは閉まった扉に向かって『ありがとうタケシ。頑張れ』と呟いた。それから部屋に戻って携帯を見ると山崎からメールが着ていた。

    IP強制表示中:124.146.174.33
    2010-08-19 10:09:00
  • 136:

    大阪花子

    【みわちゃん今日は沢山飲んだみたいだから、ゆっくり休むんだよ。今日もバイトでしょ?僕も行きます。それじゃあ、おやすみなさい?】『…ペンギン?』ミワは心が温かくなるのを感じた。【おやすみなさい?】と返事を返した。

    IP強制表示中:124.146.174.34
    2010-08-19 10:14:00
  • 137:

    大阪花子

    その日は目覚ましもかけないでミワは寝たが夕方4時頃に目が覚めた。携帯を見てみるとメールが三通入っていた。ママから【おはよう。ごめんなさい。今日8時に来て?】お客さんから【ミワ今日出勤か?】タケシから【今朝はごめんな。ミカにアドレス聞いた。今朝のことは気にせんとってな。お前が相変わらずベッピンで俺は嬉しかった(笑)またな!】ミワはタケシのメールにだけ返事をしてシャワーへ行った。【アンタも相変わらず男前で私も嬉しかったよ(笑)頑張れなんて偉そうな事は言わないけど、おっちゃんに負けんようなうどん作れたら連絡ちょうだい?食べにいってあげるから?またね?】

    IP強制表示中:124.146.174.34
    2010-08-19 10:22:00
  • 138:

    大阪花子

    『起きてました』『今日は何時にいくの?良かったらご飯どう?』ミワは時計を見た。『今日は8時にお店なんです…だから』食事に行けない事を伝えようとすると『何時に用意出来そう?僕は今からでも大丈夫だから』と山崎が嬉しそうに話した。今は4時半。『6時には絶対、大丈夫です』ミワがそう答えると『分かった。6時にお家に迎えに行くから着いたら連絡するね』と言って山崎は電話を切った。

    IP強制表示中:124.146.174.79
    2010-08-19 10:53:00
  • 139:

    大阪花子

    6時少し前に山崎から電話があった。ミワはもう一度鏡をチェックしてから玄関を出た。『ママには同伴って伝えたし、ハンカチ持ったし…お客様にも連絡したからマナーにしとくか』そう独り言を言いながらミワはエレベーターに乗った。エントランスに着くと自動ドアの前に立っている山崎がすぐ目に飛び込んできた。

    IP強制表示中:124.146.175.101
    2010-08-19 13:36:00
  • 140:

    大阪花子

    山崎もミワに気づき手を振った。『お待たせしました』自動ドアが開く今にも飛びつきそうな勢いでミワは山崎のもとへ駆け寄った。『ミワちゃん今日の髪型かわいいね。あっいつもかわいいけど』『ありがとう』ミワは満面の笑みを浮かべた。黒のホルターネックのワンピースにスワロフスキーが沢山着いたネックレスを着けて、髪は鎖骨当たりまである髪を緩く巻き、編み込みでカチューシャを作った。

    IP強制表示中:124.146.175.101
    2010-08-19 14:03:00
  • 141:

    大阪花子

    『何食べたい?』嬉しそうなミワに釣られて山崎も更に口元が緩んだ。『えっと鶏肉』『鶏肉ね。ミワちゃんは鶏肉が好きなの?』『いや、さっきテレビ付けたら焼鳥特集みたいなのしてて』はにかむミワに山崎は『いいね、そういうの。了解、了解。いいとこあるからそこでいいかな?』と尋ねた。『はい』ミワはまた満面の笑みで答えた。

    IP強制表示中:124.146.175.101
    2010-08-19 14:10:00
  • 142:

    名無しさん

    続きを楽しみにしていますね〜?

    IP強制表示中:124.146.174.71
    2010-08-19 23:23:00
  • 143:

    大阪花子

    山崎が連れて行ってくれたのはミワのバイト先から一本中に入った路地にあった。『あんまり綺麗じゃないけど、とにかく美味しいんだ』山崎は嬉しそうに話した。山崎が言った通りお世辞にも綺麗とは言えない内装ではあったが古いだけで掃除は行き届いていた。そこに60過ぎの白髪の大将が一人でカウンターに立っていた。

    IP強制表示中:124.146.175.202
    2010-08-20 03:51:00
  • 144:

    大阪花子

    ニコニコしながら大将が焼く焼鳥は小さめの串に小ぶりの具材が刺さっていて、あっさりとして食べやすかった。『昨日はそんなに飲んだの?』心配そうに山崎が尋ねた。『正直あんまり覚えてないや。』ミワは申し訳なさそうに答えた。『え?まさかと思いますけども』と疑いの目で山崎が見てきたので『タクシーあたりからはそれなりに…いえっ!はっきり…』だんだんと顔を赤らめるミワを見て『今日もかわいいな〜』山崎は呟いた。

    IP強制表示中:124.146.175.202
    2010-08-20 04:00:00
  • 145:

    大阪花子

    『ミワちゃんはお昼間の仕事は受付って言ってたけど受付業務だけ?』『うん…一階のロビーに座りっぱなし。会社って言っても法律事務所なの。叔父さんの会社だから』恥ずかしそうにミワが俯いた。『そう。やり甲斐感じない?』山崎が悲しそうに聞く。『うーん…そっかな。短大出る前に声かけてもらって、そのままずっとだからこのままでいいのかなって思ったりするかな』ミワは少し退屈そうな顔をした。

    IP強制表示中:124.146.175.202
    2010-08-20 04:38:00
  • 146:

    大阪花子

    そんなミワを見て山崎はある提案をしてきた。『僕ね、ミワちゃんは賢い人だと思っててね。良かったらうちで働かない?』ミワは突然のことで返答に困った。『もちろん下ってなると僕は身内には三倍厳しくがもっとうだから、ミワちゃんに辛くあたることもあると思うから嫌われちゃうと困るし、そうはしないけどね』とニッとミワを見た。『はぁ…』半信半疑なミワに『また、ゆっくり話すよ。新しい店を出す予定でスタッフを集めたくて、是非ミワちゃんにってね』

    IP強制表示中:124.146.175.198
    2010-08-20 12:07:00
  • 147:

    大阪花子

    『そうなんですね。また聞かせて下さい。』ミワは嬉しいよりも先に(困ったな)そんな感情が出てきて、山崎にばれまいと隠すので精一杯だった。8時少し前に二人は焼鳥屋を後にし、店へと向かった。店に着くと山崎の席が用意されており、この前面接に来ていた、わかなが二人を出迎えた。『いらっしゃいませ』あどけない笑顔。ミワは『わかなちゃんおはよ。こちら山崎さん』とわかなに山崎を紹介して、山崎にも『今週からウエイターで来てるワカナちゃん』とワカナを紹介した。

    IP強制表示中:124.146.175.69
    2010-08-20 13:13:00
  • 148:

    大阪花子

    ニコッと山崎に笑いかけワカナが山崎を席に案内する。ミワはその間に鞄をロッカーに入れ携帯をチェックした。着信が三件あった。すべてミカだった。留守番電話には何も残されていない。『後でいっか』ミワは一応リストに携帯を持って行くことにした。山崎は一番奥の席に座っていた。お客さんは山崎以外に一人、サヤの客がワインを卸して数人の女の子と談笑していた。山崎の席にはママが座っていた。『ミワちゃん美味しいものご馳走なってきた?』手を振りながらママがミワを迎えた。

    IP強制表示中:124.146.175.70
    2010-08-20 13:18:00
  • 149:

    大阪花子

    『ミワちゃん、今日の山崎さん変じゃない?なんか落ち着かない感じで…』ママが不思議そうにミワに尋ねた。『へ?そうですか?あれ、さっきまでそんな事なかった気が…』席に座りながらミワが返答する。左にいる山崎の顔を見てみると『いや、普通だよ。ママがなんか今日やけに可愛い格好だから』と話す山崎の表情は確かに強張って見えた。『ところでママ、あのワカナって子は紹介かなにか?』山崎がママに尋ねた。

    IP強制表示中:124.146.175.70
    2010-08-20 13:22:00
  • 150:

    大阪花子

    『いいえ。それが飛び込みだったの』とママが自慢げに答えた。『そうだったんですかぁ!?』ミワも驚いた。『へぇ』山崎は無表情に答える。『この前の日曜日に店に用事があったから来てみたらエレベーターで「どちらのお店の方ですか?」て聞かれて、「ウエイターとか募集ないですか」て突然でびっくりしたけど人手がいったし勢いで面接しちゃったの』ママが舌を出して惚けてみせた。『なんかすごいですね!ご縁だ!可愛いしラッキーでしたね』とママと一緒にミワははしゃいだ。

    IP強制表示中:124.146.175.70
    2010-08-20 13:49:00
  • 151:

    大阪花子

    『毎日?』山崎がママに聞く。『あら山崎さん。ミワちゃんという可愛い子が隣にいながら浮気者は許しませんよ』とママが冷やかしを入れると『僕がミワちゃん以外に目移りするわけないでしょうが!』と腕組みをしながら山崎は得意げに答えた。『はいはい。ご馳走さまです』ママはやれやれと肩をひょいと上げてリストに戻っていった。

    IP強制表示中:124.146.175.70
    2010-08-20 13:54:00
  • 152:

    大阪花子

    『山崎さん、疲れてます?』ミワは心配そうに山崎を見た。『全然。ミワちゃんが隣にいるのに疲れなんか感じるわけないよ』と優しい笑顔を浮かべる山崎だったが、どこか落ち着かない様子にミワは『何かあるなら話して下さいね。』と山崎の方を見ずにグラスにお酒を注ぎながら話した。

    IP強制表示中:124.146.175.70
    2010-08-20 14:08:00
  • 153:

    大阪花子

    ミワの顔を斜め後ろから眺めていた山崎は『はい』とグラスをコースターに置いたミワに意を決したといった様子で話を切り出した。『実はね、ミワちゃん』その様子にミワも肩を山崎の方に向け直した。『はい。なんでしょう山崎さん』ミワの柔らかな表情に山崎はホッと笑みを浮かべて『実はね、ミワちゃんと』山崎が話し出した時だったリストで携帯の鳴る音がして『ミワちゃん電話よ〜』とママがミワを呼んだ。

    IP強制表示中:124.146.175.70
    2010-08-20 14:17:00
  • 154:

    大阪花子

    『ごめん〜山崎さん。ちょっと待ってて』そう言ってミワはリストへ向かった。ママから手渡された携帯のディスプレイには【ミカ】という文字が浮かんでいた。留守番電話に切り替えようとしたミワだったが、さっきの不在着信が気になり『すみません』とママに声をかけてから電話に出た。『ごめんミカ。私、バイト…』ミワはすぐに電話を切るつもりで電話に出るや否やそう切り出した。そのミワをお構いなしにミカが話した。『今どこ?何で電話出ぇへんかったん!アンタ何したん?!』ミワは電話の向こうで泣き叫ぶミカに驚いた。

    IP強制表示中:124.146.175.69
    2010-08-20 14:23:00
  • 155:

    大阪花子

    『え?何?どういう…』電話を耳にしたまま、その場に立ち尽くすミワにママが『ミワちゃんそろそろ山崎武司さんとこ戻らないと失礼よ』と声をかけた。返事のないミワの方をママが見た。『ミワちゃん?!』ミワはポロポロ涙を流していた。『どうしたの?ミワちゃん?!』ママがミワの肩を軽く揺すって問いただした。ミワは丁寧に編み込んだ髪を片方の手でぐっと掴んで呟いた。『タケシが自殺しました』

    IP強制表示中:124.146.175.104
    2010-08-20 17:42:00
  • 156:

    大阪花子

    どれくらいの沈黙が流れたことか。『帰る支度なさい』ママがそれだけをミワに伝えると山崎の方へ向かった。ミワはまだ電話の向こうで泣きわめくミカに『おばちゃん何処にいるか知ってる?』と聞いた。

    IP強制表示中:124.146.175.103
    2010-08-20 17:47:00
  • 157:

    大阪花子

    ミワは裏に入り水をがぶがぶ飲んだ。口からこぼれてしまっても気にせず勢いよく飲んだ。洗い物をしていたワカナが慌てて『ミワさん?服濡れてますよ』とタオルでミワの胸元も拭こうとした。『大丈夫。ありがとう』そう言ってミワはタオルだけ受け取るとロッカーの鞄を取り外に出た。リストで心配そうな顔の山崎が立っていた。

    IP強制表示中:124.146.175.104
    2010-08-20 17:52:00
  • 158:

    大阪花子

    『ごめんなさい。ちょっと今日帰らなくちゃいけなくなって…』ミワは泣き出しそうな自分を必死に堪えて山崎に笑ってみせた。山崎は悲しそうに笑ってミワの頭にポンと手を乗せて『ママ僕、ミワちゃん送って帰っていい?』とママに聞いた。『すみません』とだけママが答えた。ミワはそのまま山崎に寄りかかる様に店を出た。

    IP強制表示中:124.146.175.103
    2010-08-20 17:57:00
  • 159:

    大阪花子

    『ミワさんって山崎と付き合ってるんですか?』無邪気な顔をしてワカナがママに尋ねた。『違うわよ。ただ山崎さんが可愛がってくださってるの。今日はちょっと、ミワちゃんの知り合いに不幸が…』と話している途中にママも込み上げるものをグッと堪えて黙って伝票を整理し出した。『そんな時に不謹慎な話をすみません』そう言って空いた山崎の席を片付けにワカナは向かった。

    IP強制表示中:124.146.175.104
    2010-08-20 18:01:00
  • 160:

    名無しさん

    続き待ってます?

    IP強制表示中:124.146.174.67
    2010-08-21 00:26:00
  • 161:

    大阪花子

    読んでくれてありがとうございます。のんびり書いて行きます?

    IP強制表示中:124.146.175.102
    2010-08-21 03:46:00
  • 162:

    大阪花子

    山崎はミワをタクシーに乗せて八尾へ向かった。ミワは黙って窓の外を眺めていた。山崎は何も言わず、ただミワの右手をしっかりと握りしめていた。『ミワちゃん、そろそろ着くと思うんだけど』山崎が沈黙を破る。ミワがタクシーに道順を案内してタケシの実家に着いた。店のシャッターはもちろん閉まっていたが、2階にある自宅の電気も消えていた。

    IP強制表示中:124.146.175.101
    2010-08-21 04:16:00
  • 163:

    大阪花子

    タクシーを降りて裏手の玄関に回る。インターホンを押すミワの指は震えていた。ピンポーン。『はい』インターホン越しに、か細く聞き覚えのある声がした。『ミワです』ミワは恐る恐るインターホンに話し掛ける。『あらミワちゃん?!今開けるね』ミワだと聞き少し懐かしそうに声を弾ませインターホンは切れた。ミワの隣で黙って立っていた山崎は『僕は行くから何かあれば連絡しなさい』とミワの頭を二、三と撫でてタクシーに戻って行った。

    IP強制表示中:124.146.175.205
    2010-08-21 08:00:00
  • 164:

    大阪花子

    玄関に明かりが付き、タケシのお母さんが出てきた。『おばちゃん…』以前から知っているタケシの母親とは似ても似つかない疲れ果てた姿にミワは言葉を失った。『ごめんね。ミワちゃん…気を遣わせて…わざわざ来てくれてありがとう』ミワを優しく招き入れ玄関を閉めた。家に上がるとほのかに線香の匂いがした。『私もおじちゃんにお線香いいですか?』ミワが尋ねると、タケシの母親はニコッと微笑んだ。

    IP強制表示中:124.146.175.206
    2010-08-21 08:07:00
  • 165:

    大阪花子

    玄関を入って直ぐの今に仏壇はあった。頑固そうだがそれでいて優しい笑顔のタケシの父親の写真がミワを出迎えた。タケシの写真はまだない。遺体も今は解剖に回されてしまっている。タケシの父親に線香をあげ奥からお茶を持って来たタケシの母親にミワは話した。『遅くにごめんなさい。私、突然で…なんか…時間とか考えなくて…ごめんね。おばちゃん』目を潤ませるミワに『いいんよ。ありがとう。ミワちゃんが相変わらずベッピンさんで何かおばちゃん嬉しいわ』とタケシの母親は気丈に笑った。

    IP強制表示中:124.146.175.205
    2010-08-21 08:12:00
  • 166:

    大阪花子

    ミワの頭にタケシからのメールが浮かんだ。ミワは流れる涙を止めれずにいた。『あの子もあれでくそ真面目なところあったから。自分ばっかり責めてね。何もお金があっても内の人は寿命に逆らったりしんかった思うんよ。それやのに馬鹿息子…なぁ?お父さん』タケシの母親はタケシの父親の写真に向かって話した。ミワはただ黙ってそれを聞いた。

    IP強制表示中:124.146.175.205
    2010-08-21 08:17:00
  • 167:

    大阪花子

    『おばちゃん』階段の方から声がして現れたのはタケシの地元の友達だった。タケシの母親の代わりにタケシの部屋を掃除していた。ミワを見つけると『あれ?ミワちゃん?!うわっ久しぶり!元気だった?』タケシの親友のケイイチが声をかけてきた。一緒にいた懐かしい顔ぶれの中にミカの姿を見つけた。『ミカも来て…』ミワがミカに声をかけた瞬間、室内にパンっという音が響いた。

    IP強制表示中:124.146.175.206
    2010-08-21 09:02:00
  • 168:

    大阪花子

    『あんた何でタケちゃんを支えてあげんかってんな!結婚まで考えてたくせに!何で助けんかってん!あんたがタケちゃん見捨てたからなぁ…タケちゃんは…』一緒にいたタケシの友達たちがミカを静止させる。わんわん泣きわめくミカにタケシの母親が『ミワちゃんが悪いわけないじゃない』とミカを宥めた。

    IP強制表示中:124.146.175.206
    2010-08-21 09:06:00
  • 169:

    大阪花子

    するとタケシの友達に抱き抑えられていたミカが続けた。『タケシ今日あんたんとこ行ったやろ?何でタケシのこと振ってん?許したれへんねん!タケシが貧乏なったら用無しなんか!店が大変な時にもタケシ見捨てて今回もそう!タケシが可哀相やわ』ミワは心のどこかで自分が祈っていた。どうか私のせいじゃありませんように…。どこかで感じていた罪悪感が一気に現実になったような気がした。

    IP強制表示中:124.146.175.206
    2010-08-21 09:12:00
  • 170:

    大阪花子

    『お前なに言ってんねん。タケシが振られたくらいで死ぬかボケ!あいつをそんな格好悪い奴にすんなよ!』とケイイチがミカを怒鳴る。放心状態のミワに『ミワちゃん今日は帰り?俺送るわ。』と話し掛けミワを立たせた。『ごめんなさい…ごめん私、一人で帰れるから』そう言ってミワは玄関までかけて行った。『ミワちゃん?!』タケシの母親が後を追った。

    IP強制表示中:124.146.175.205
    2010-08-21 09:18:00
  • 171:

    大阪花子

    バタバタと靴を履くミワに『ありがとうね。ミワちゃん。また遊びに来てな。おばちゃんミワちゃんに会えて嬉しいわ』とタケシの母親は言った。ミワは下を見たまま『お邪魔しました』とお辞儀して家を出た。どうしてもタケシの母親の顔を見ることが出来なかった。

    IP強制表示中:124.146.175.206
    2010-08-21 09:20:00
  • 172:

    大阪花子

    家を出ると大粒の涙がこぼれた。今朝の事が鮮明に蘇る。大好きだったタケシの思いっきり歯をむき出しにした笑顔が頭に浮かんでは心が苦しくて息が出来なくなった。(私は人を二人も殺した…)ミワは自分を責めた。(救えた命を二つ、私は殺した)昔、タケシと歩いた懐かしい道のりは、ミワが自己嫌悪に陥るには十分過ぎた。

    IP強制表示中:124.146.175.206
    2010-08-21 09:27:00
  • 173:

    大阪花子

    ミワとミカは短大が同じで当時はよく遊んでいた。ミカが持っていた写真に写るミワにタケシは一目惚れをした。タケシと別れてからもミカとは時々会っていた。ミカの口癖は『タケシが復活したらミワを絶対迎えに来るよ』だった。ミカはタケシが好きだった。そしてそれと同じくらいミワのことも大事に思っていた。だからこそ二人はミカに妊娠の話はしなかった。ミカが悲しむ顔を見たくなくて…。ミカはタケシの職業柄の問題と店のバタバタで喧嘩が絶えなくなり、お互いのために別れたと二人から説明を受けていた。

    IP強制表示中:124.146.175.205
    2010-08-21 09:33:00
  • 174:

    大阪花子

    タクシーを拾おうとミワは大通りに向かった。家を出て真っ直ぐ歩いていると見覚えのある人影を見つけた。ミワは吸い込まれるようにそこへ歩いていく。『ミワちゃん』山崎の優しい顔がそこにあった。『山崎さん…』ミワは山崎に抱き着き、わんわん泣きわめいた。『よしよし帰ろっか』山崎はミワの背中をさすった。

    IP強制表示中:124.146.175.206
    2010-08-21 09:42:00
  • 175:

    大阪花子

    『何となく心配で戻ってきたんだけど、さすがにうろうろしてると怪しいしさ』と山崎はミワの手を握って歩いた。『友達大変だったね』山崎の言葉にママがうまく話してくれたのだと分かった。それでも嘘は付きたくなくて『元カレです』とミワは答えた。一瞬、握っていた手を強く握り直したのがミワには分かった。(悪い気したよね…)ミワがそう思った。『そっかぁ』と山崎はあっけらかんとした返事をした。

    IP強制表示中:124.146.175.205
    2010-08-21 09:47:00
  • 176:

    大阪花子

    タクシーに乗り、ミワの部屋に向かった。その間、何を話すでもなくただひたすら握った手から伝わる山崎の体温にミワは心を休めた。山崎の手が“大丈夫、大丈夫”といってる気がした。ミワのマンションに着くと山崎はいつものようにタクシーを待たせてミワをマンション前まで送った。ミワはオートロックの鍵を開け山崎の方を振り返った。

    IP強制表示中:124.146.175.206
    2010-08-21 09:52:00
  • 177:

    大阪花子

    『どうした?』山崎が尋ねる。山崎のネクタイの結び目をミワはじっと見つめる。自動ドアが閉まりかけては開き、また閉まりかけては開きを二、三度繰り返した。何も言わないミワに山崎は『今日、ミワちゃんと一緒にいてもいい?』と聞いた。ミワは小さく頷く。『タクシー精算してくるから待ってて』そう言って山崎はタクシーに向かった。『ずるいな私…』山崎の後ろ姿にミワは呟いた。

    IP強制表示中:124.146.175.206
    2010-08-21 09:57:00
  • 178:

    大阪花子

    部屋に入ると今朝飲んだグラスが流しに置いたままだったことに気付いた。山崎の上着を預かり、座布団を渡した。『きれいにしてるね。やっぱり女の子だね』と言いながら山崎は座布団にあぐらをかいた。ミワは新しいグラスにお茶を注いでテーブルに置いた。『そう言えばミワちゃん、えらい格好で行ってたね』山崎が苦笑いして言った。

    IP強制表示中:124.146.175.206
    2010-08-21 10:02:00
  • 179:

    大阪花子

    ミワは髪のピンを一つづつ取りながら静かに今朝の出来事を話した。亡くなったのは自分が半年前まで付き合っていた男だということ。今朝よりを戻そうと会いに来たこと。その時、タケシと話したこと。そして、二人が別れた経緯。二人が別れた経緯を話し出すとミワはポロポロ涙を流した。そして自分を懲らしめるかの様に『私はタケシの赤ちゃんを殺して、タケシ自身も殺したの』と泣き崩れた。

    IP強制表示中:124.146.175.206
    2010-08-21 10:08:00
  • 180:

    大阪花子

    ミワの肩を掴んで山崎が言った。『悲劇のヒロインにでもなりたいの?ミワちゃん』真剣な顔の山崎にミワは驚いた。『君が子供を下ろした事も君がそんな風に思ってちゃ赤ちゃんだって報われない。タケシ君だって何も君にそんな風に思って欲しくての今回の事じゃないだろ?』ミワはヒクヒクと息を吸うのがやっとだった。

    IP強制表示中:124.146.174.35
    2010-08-21 18:58:00
  • 181:

    大阪花子

    『僕は男だし、僕だって借金抱えて商売してたし、今でもある。ミワちゃんには言ってないけど僕の父親も僕が商売を始めたばかりの頃に死んだ。金があればと何度も思った。だから個人的にタケシ君の行動をどうこう言うとミワちゃんには悪口になるかも知れないから言わないけど、君が自分を責めるのは何にもならない。君は君自身を殺す気か?』山崎の言葉はミワには痛かった。

    IP強制表示中:124.146.174.36
    2010-08-21 19:03:00
  • 182:

    大阪花子

    『自分の無力さを嘆くなら自分の努力の無さを恥じなさい。』山崎はそう言うとミワの頭をポンと撫でてニコッと笑った。今まで特に何不自由なく生きて、大した努力も苦労もないに等しいミワには、山崎の言葉は見ようとしないで逃げていた自分を突き付けられた様に感じた。

    IP強制表示中:124.146.174.36
    2010-08-21 19:07:00
  • 183:

    名無しさん

    山崎さんイイわ〜?

    IP強制表示中:124.146.175.197
    2010-08-22 00:02:00
  • 184:

    大阪花子

    『さっミワちゃん!今日はもう寝よ。明日はお休みでしょ?どこか行きたいとこある?ドライブとかしない?!』山崎はそう言って、ミワの出したお茶に手を合わせ“頂きます“をして喉を潤した。ミワは不思議と涙が止まった。そして急に自分が山崎には相応しくないのではないかという恐怖感に襲われた。(ダメ!そう思うなら、相応しい女になればいいんだから。私なんて何か思ってちゃ、また山崎さんに叱られる)山崎の横顔はいつもの通り優しかった。

    IP強制表示中:124.146.174.66
    2010-08-22 07:32:00
  • 185:

    大阪花子

    ミワはその横顔にそっとキスをした。『私、やってみます』山崎はキョトンとミワを見つめる。それでも、真っ赤に腫らした目で真剣に自分を見つめるミワに少し安心感を覚えた。『いい子。頑張り屋さんなのは知ってるし、無理しいなのも分かってるから、いつでも僕がいることは忘れないでね』山崎はそう言うとミワのおどこにキスをした。

    IP強制表示中:124.146.174.65
    2010-08-22 07:36:00
  • 186:

    大阪花子

    山崎はおでことおでこをコツンと合わせ鼻と鼻でキスをした。そのまま口づけを交わす。ミワは目を閉じたまま優しく触れる山崎の唇を感じながら心の中で(大丈夫。大丈夫。)何度も強く思った。そんなミワの張り詰めた思いを和らげるかの様に山崎はミワの唇にそっとキスを続けた。

    IP強制表示中:124.146.174.65
    2010-08-22 07:40:00
  • 187:

    大阪花子

    『おいで』そう言ってミワをあぐらをかいた自分の上に座らせる。ミワは自分の胸元にある山崎の顔をそっと両手で包んでキスをした。山崎は唇をスッと首筋に滑らせる。ミワは目を閉じ天を仰ぐ。『ぁっ…』甘い吐息が漏れた。山崎はミワの身体を強く抱き寄せながら首筋にキスをし、ミワのワンピースをまくりあげた。

    IP強制表示中:124.146.174.65
    2010-08-22 07:46:00
  • 188:

    大阪花子

    下着姿のミワに『僕の透し能力は抜群だ。想像していた通りに綺麗な身体をしてる』と山崎がミワを見上げて言った。『恥ずかしいし!スケベ』ミワは照れて山崎のおでこを軽く小突いた。『嘘じゃないよ。だから怖かったんだから』そう言って山崎はブラジャーの上からミワの胸に顔を埋めた。ミワは山崎の頭をそっと抱き寄せる。ブラジャーを外し両手でミワの胸を揉みながら山崎は乳首にキスをした。チュッチュ…『んっぁあ…』

    IP強制表示中:124.146.174.65
    2010-08-22 07:51:00
  • 189:

    大阪花子

    山崎は優しくミワの乳首を口に含み舌で転がす。ミワは山崎の頭を撫でながら感じるままに喘いだ。『っあ…んっぁあっ…』片方の手で山崎はミワのお尻をわしづかみにする。ミワは山崎の方へ自分を擦りつける。山崎はさらにお尻を強く握り胸を揉み乳首を甘噛みした。『っあン…』ミワは腰を振り山崎に更に擦りつけた。

    IP強制表示中:124.146.175.78
    2010-08-22 09:21:00
  • 190:

    大阪花子

    山崎のものが固くなっているのがズボンの上からでもしっかりと分かった。『ん…ぁン…』ジュパ…強く乳首を吸われる度に身体が熱くなった。『ミワちゃん立って』

    IP強制表示中:124.146.175.77
    2010-08-22 09:23:00
  • 191:

    大阪花子

    そう言って山崎はミワの両脇を持ちミワを立たせた。『えっ?』恥ずかしがるミワのパンツを下ろし『足開いて』と山崎はミワの足を肩幅くらいに開かせた。ミワのお尻に手を回し、ミワのクリトリスを自分の方へ引き寄せる。ペロペロ…クチュクチュ…クリトリスに舌を絡ませる。『ぁあっン…』ミワの膝がガクンと落ちるのを山崎は許さなかった。

    IP強制表示中:124.146.175.77
    2010-08-22 10:13:00
  • 192:

    大阪花子

    ミワの太ももに片腕をまわし、もう片方の腕でミワの乳首を摘んだ。『ん…ぁはぁ…ぁンッ』ミワは山崎の髪を掴む。山崎はミワのクリトリスをねぶり上げる。ジュルジュル…やらしい音を立てられる度にミワのクリトリスは大きく張れる。チュパチュパ…『…っあン…ダメ…』ミワは立っているのがやっとだった。

    IP強制表示中:124.146.175.97
    2010-08-22 10:58:00
  • 193:

    大阪花子

    ミワの太ももが一瞬硬直したのを山崎は見逃さなかった。『ん…っあっぁあン』山崎は舌を器用に上下させミワのクリトリスを勢いよく転がす。『っダメぇ…ぁあン…』ミワは言葉とは裏腹に山崎の顔にクリトリスを押し付け天井に向かって声をあげ果てた。『ぁあンっ…イクぅ!』

    IP強制表示中:124.146.175.98
    2010-08-22 11:04:00
  • 194:

    大阪花子

    ミワの太ももに回していた山崎の腕がぐっと重くなった。見上げるとトロンとした目のミワが山崎に微笑んだ。『よいしょっと』山崎はミワをそのまま肩に担いで立ち上がりベットへ寝かせた。ミワに覆いかぶさりキスをする。ミワは山崎のワイシャツのボタンを外す。全て外すと山崎がパパッとシャツを脱ぎ、ミワは山崎のベルトに手をかける。

    IP強制表示中:124.146.175.98
    2010-08-22 11:30:00
  • 195:

    大阪花子

    舌を絡ませながら山崎のベルトを外す。山崎はスルッとズボンを脱ぐとミワの足を持ち上げ、赤く輝くクリトリスを丁寧に舐めた。『山崎さんっ…もぅ…ぁっダメ…』ミワは腰を反らせて喘いだ。ミワの右胸に山崎の手が伸びる。ミワはその腕をしっかりと掴む。山崎はミワののけ反りを楽しむかの様に乳首を強く摘んだ。『いっぁあン…』痛みと快楽でミワの顔が歪む。

    IP強制表示中:124.146.175.98
    2010-08-22 11:36:00
  • 196:

    大阪花子

    山崎は右の指をミワの穴に沿わせた。ツーッと愛液が纏わり付く。そのまま愛液と自分のよだれとでグチョグチョになった穴に指を二本入れた。『んン…』グチュグチュ…ミワの中を掻き回す。『ぁあ…ン』ミワの腰が浮く。それを押さえ付ける様にクリトリスに舌を押し当てなめ回す。クチュクリト…ペロペロ…『ぁはぁ…ンっぁあ…』ミワのビンビンに固くなった乳首を更につまみ回す。

    IP強制表示中:124.146.175.98
    2010-08-22 11:43:00
  • 197:

    大阪花子

    『っダメ…出ちゃうっ』ミワはつま先を立て腰を浮かし、山崎の腕に爪を立てた。グチュクチュ…『ぁあン…イクぅ』ビクンっ!ミワの身体が大きく波打ち山崎の手に大量の愛液がかかった。『はぁはぁ…』息を荒くうなだれるミワの足を引っ張り上げ『ごめん。入れたい』山崎はパンツを脱ぐと自分の熱く硬いものをミワに差し込んだ。

    IP強制表示中:124.146.175.97
    2010-08-22 11:57:00
  • 198:

    大阪花子

    『ぁあンっ…』うなだれていたミワの身体に電流が走る。ミワの胸をわしづかみにして山崎は腰を前後に振る。パンパン…『っん…すごぃ…ぁああン…』山崎は一心に腰を振り続けた。グチュグチュパンパン…山崎からも吐息が漏れ出した。『ぁあ…んっ山崎さんっ』ミワは山崎の首に手を回した。山崎はまるで何かを振り切るかのように腰を振っていた。

    IP強制表示中:124.146.175.98
    2010-08-22 12:11:00
  • 199:

    大阪花子

    ミワの中がぎゅーっと締まる。『いっちゃう…』ミワの足がビクンっとなりミワはイッた。それでも山崎は止めようしない。クチャクチャ…パンパン…『ぁはぁ…はぁン…』ミワは意識が遠退く気がした。それでも身体はビクンビクンと反応をやめない。

    IP強制表示中:124.146.175.97
    2010-08-22 12:38:00
  • 200:

    大阪花子

    山崎はミワの胸から手を離しミワの膝を持って、さっきまでよりも更に強くミワを突いた。『もぅ…だめっイクぅぅ…』ミワは胸を突き出し腰を反らし、山崎は『っあ…』という息を漏らしてミワのお腹に果てた。ミワの上で四つん這いになり息を荒げる山崎の頬にミワは手を当てて微笑んだ。

    IP強制表示中:124.146.175.98
    2010-08-22 12:42:00
  • 201:

    大阪花子

    『ごめん…ミワちゃん痛くなかった?』額に汗を浮かべて山崎がミワに聞いた。『大丈夫。でも疲れました』ミワはニコッと微笑んだ。

    IP強制表示中:124.146.175.97
    2010-08-22 13:24:00
  • 202:

    大阪花子

    山崎はミワの笑顔に思わず照れ笑いをした。『えっと…あ!ティッシュどこかな?』『え?あっそこの棚の…』ミワは胸を片方の腕で隠しながら棚を指指した。『オッケー。ちょっと待ってて』山崎はティッシュを取るとミワのお腹を拭いた。『シャワーしましょ?山崎さん』『あぁ借りても大丈夫?』二人はそのままシャワーへ向かった。

    IP強制表示中:124.146.175.100
    2010-08-22 16:16:00
  • 203:

    大阪花子

    山崎はミワの身体にボディーソープ付け身体を洗った。『ありがとう。こういうとこ見たら山崎さんってお父さんだったんだなって思う』とミワは身体を洗われながらご機嫌で話す。『若干それ心痛いんですけど』山崎は肩を落とした。『あっ!違う違う。嫌味とかじゃないよ』ミワは慌てて山崎の方を見ると『大丈夫、大丈夫。事実お父さんだったし一応』『だってちょっと凹んでるもん』ミワがあまりに必死に場を繕おうとするので山崎は思わず声を出して笑った。

    IP強制表示中:124.146.175.100
    2010-08-22 16:40:00
  • 204:

    大阪花子

    裸のままベットに戻ったミワは山崎がシャワーからあがるのを待たずに寝入ってしまった。パンツだけ履いて出てきた山崎はすやすや眠るミワの寝顔に見取れた。『…今日は疲れたね』そう言ってシャツとズボンを着た。ジャケットを手にして山崎は足が止まった。『鍵かけらんないや…』ミワの方に目をやる。気持ち良さそうに眠り込んでいる。

    IP強制表示中:124.146.174.82
    2010-08-22 20:01:00
  • 205:

    大阪花子

    テーブルに置いていた腕時計を付けて時間を確認すると1時を回ったところだった。『まっいっか。明日遅かったしな』山崎はそう言うと上着をベットの背にそっと掛け、ベットの横に座ってミワの寝顔を見つめた。『…なんて言うかなぁ。』山崎はミワの手を握った。『嫌われたら正直キツイな〜』とミワの手をギュッと握り『明日話すかな…』と呟いた。

    IP強制表示中:124.146.174.81
    2010-08-22 20:12:00
  • 206:

    大阪花子

    『ん…山崎さん?』山崎はミワの手を握ったままベットの横に座り寝入ってしまっていた。寝ぼけ眼でミワは山崎を見つめる。『お尻痛かったんじゃないかな…?』山崎は座布団も敷かずにフローリングに座っていた。壁の時計に目をやると6時を回っていた。『山崎さん?』ミワは山崎を起こした。『ん?あっミワちゃん?おはよう』『おはよう山崎さん。ごめんなさい。私寝ちゃったから、帰るに帰れなかったんでしょ?何時に出れば間に合う?今更だけどベットで少し仮眠して下さい』

    IP強制表示中:124.146.174.82
    2010-08-22 20:23:00
  • 207:

    大阪花子

    『大丈夫。大丈夫。今日、昼一に店に顔出さないと駄目なんだけど、後は大して予定もないから昨日言ったみたいにドライブでもしようよ?』『はい』繋いだままの手がやけに嬉しくてミワは涙がこぼれそうになるのをあくびをしてごまかした。プルプル…ミワの携帯が鳴る。山崎は近くにあったミワの鞄を取って渡した。『すみません』携帯を見ると着信はミカからだった。

    IP強制表示中:124.146.174.81
    2010-08-22 20:30:00
  • 208:

    大阪花子

    ミワは少し戸惑いながら電話に出た。掛け布団で身体を隠しながら恐る恐る電話に出たミワを見て山崎も真剣な顔で成り行きを見つめる。『もしもし』ミワの声は少し震えていた。『あっミワちゃん?』電話の声はミカではなくケイイチだった。『えっ?うん…ミカは?』『いや、こいつ昨日は相当動揺しとって。あれからバリ自己嫌悪なっとんねん。笑うやろ?ははっ!ミワちゃんの事気にして寝れもせんかってなぁ〜朝早くにごめんやで』と、話す電話の向こうでミカがケイイチに『ベラベラ喋んな』と怒る声が聞こえた。

    IP強制表示中:124.146.175.205
    2010-08-22 21:35:00
  • 209:

    大阪花子

    肩を撫で下ろすようにホッとした顔のミワに山崎も一先ず安心した。『ごめんケイイチ君。ミカと代わってもらえる?』『ごめんごめん。ちょっと待ってな』そう言ってケイイチはミカに携帯を渡した。『もしもしミワ?』ミカが少しふて腐れた感じで電話に出た。

    IP強制表示中:124.146.175.206
    2010-08-22 21:56:00
  • 210:

    大阪花子

    『うん。昨日の…』ミワが話す事を遮るようにミカが話し出した。『昨日は言い過ぎてごめん。確かにタケシが死んだのはあんたのせいじゃないのは分かってる。それでも助けれたんはミワやったと思うし、タケシが最後に頼ったんは誰よりもミワやったから何か…悔しくて』話し出したミカの声が震えた。『うん』ミワは一言返事をした。『言い過ぎたのも分かってるし、八つ当たりしてるんも分かってる。それでも私はあんたと今まで通りの仲でおる自信ないねん。ごめん』そう言うとゴソゴソと言う音の後でケイイチの声に代わった。

    IP強制表示中:124.146.175.229
    2010-08-23 17:04:00
  • 211:

    大阪花子

    『ミワちゃん…こいつの気持ちはちょっとは知ってるんかな?』ケイイチが聞きにくそうにミワに尋ねる。『いつからかな?何となくだけど』ミワは答えた。『そうなんや。タケシと別れたこととかは関係ないやんな?』『それはない。そんなの逆にミカに悪いし、今回断ったことにもミカは関係ないよ』『わかった。ありがとう。ほな、それだけ。何かごめんやで?俺ミワちゃんの番号聞いてていい?タケシ今解剖に回ってるから葬式の日程とか決まったら連絡したいし』

    IP強制表示中:124.146.175.229
    2010-08-23 17:08:00
  • 212:

    大阪花子

    ミワは了承をして電話を切った。山崎はミワの手を握ったまま目をつむっていた。ミワはその顔を黙って眺めた。(ミカも怖かったんだよね)ミワは思った。ミカは自分の存在が二人を気まづくさせたのではないか。好きな人の幸せを邪魔したのではないか。強いては死にまで追いやる形になったのではと思い悩んでいたのだろう。そんな悩みを抱く自分の前にいたミワは今、新しい恋愛を始め出している。安心より先に憎悪が顔を出した。

    IP強制表示中:124.146.175.229
    2010-08-23 17:16:00
  • 213:

    大阪花子

    ミワは昨日の山崎の言葉を思い出していた。”自分の無力さを嘆くなら、努力の無さを恥じなさい“ 『ミワちゃん…どこ行きたい?』目をつむっていた山崎がミワに話し掛けた。『ごめんなさい。全然寝れなかったでしょ?』ミワは繋いだままの手をギュッギュッと握り返した。

    IP強制表示中:124.146.175.229
    2010-08-23 17:26:00
  • 214:

    大阪花子

    『じゃあ、ちょっと甘えていい?』山崎がミワを見つめる。ミワは少し緊張しながら答えた『はい。どうぞ』『店に顔出す時間まで横になりたいんだけどミワちゃん抱っこして』ミワはベットの奥に移動して笑ってベットの手前をポンポンと叩いてみせた。『ありがとう』山崎はそう言うと着ていたシャツとズボンを脱いでベットに横たわった。『おやすみなさい』ミワは声をかけると返事もせずに山崎は寝息を立てた。

    IP強制表示中:124.146.175.230
    2010-08-23 17:31:00
  • 215:

    大阪花子

    ピピピ…携帯が鳴る。山崎がゴソゴソと頭らへんに手を伸ばす。『山崎さんの?上着じゃない?』ミワが言うと山崎は目を擦りながら上着に入れていた携帯のアラームを切った。『一回家帰って着替えて行くかな。終わったら連絡するよ。多分2時過ぎくらい』山崎はそう言いながらシャツに手を通した。『わかった』ミワが返事をする。ミワもあのまま寝てしまっていた。

    IP強制表示中:124.146.175.230
    2010-08-23 17:36:00
  • 216:

    大阪花子

    山崎はパパッと着替えを済ますとミワの頭をポンポンと撫でて部屋を後にした。ミワは山崎を見送り部屋に戻った。『もう一寝入りしよっかな』そう言って携帯を見てみるとメールが届いていた。開いてみると山崎からだった。【言い忘れてたけど、やっぱりみわちゃんは昨日も今朝も可愛かったな?もう一寝入りしないと駄目だよ。それで今日も可愛い顔を見せてね?行ってきます?】『何でケーキ…?』ミワはぷっと笑い【いってらっしゃい?】と返信した。

    IP強制表示中:124.146.174.11
    2010-08-23 18:50:00
  • 217:

    大阪花子

    ミワが昼過ぎに起きるとママからメールが入っていた。【大丈夫だった?】【今は病院の方で色々調べられてます。お葬式はもう少し先になりそうです。私なら大丈夫です。ご心配かけました?】とミワは返事をしてシャワーを浴びた。山崎からは2時前に今から迎えに行くと連絡があり2時半前にマンションに帰って来た。

    IP強制表示中:124.146.174.12
    2010-08-23 18:53:00
  • 218:

    大阪花子

    『よし!ミワちゃん。どこ行きたい?』山崎がやけに明るく振る舞っているようにミワには見えた。『目的地なく行き当たりばったりのドライブとか駄目ですか?』『おっ!そういうのいいね』二人は目的地なく車を走らせた。

    IP強制表示中:124.146.174.11
    2010-08-23 18:57:00
  • 219:

    大阪花子

    『ミワちゃん飯食ったの?』『食べてないです』白いTシャツに明るめのデニムを履いた山崎が楽しそうに尋ねる。『じゃあ飯が先だね。7時間何食いたい?』『ん…パスタ!』『オッケー。じゃあ僕の好きなお店でもいい?』『もちろん』山崎がイタリアンを食べる時に大抵立ち寄るのが南堀江にあるレストランだった。石が敷き詰められた入り口を抜けると店内は落ち着いた雰囲気で厨房の窯が見える作りになっていた。

    IP強制表示中:124.146.174.12
    2010-08-23 23:50:00
  • 220:

    大阪花子

    『あそこ私も好きです』ミワが嬉しそうに答えた。『じゃあ決まりね』と山崎はアクセルを踏んだ。お店に着く間、他愛のない話を二人はしたが、ミワには山崎がどこかいつもと違う様に見えてならなかった。『山崎さん今日なんか変です。何かあったの?』『えっ?あぁ…ちょっとね。と、いうかミワちゃんに話したいことがあってソワソワしてるんだけどね実は』前を向いたまま山崎は苦笑いを浮かべた。

    IP強制表示中:124.146.174.11
    2010-08-24 00:00:00
  • 221:

    大阪花子

    『話って?』ミワは心配そうな顔で山崎をみた。『実は…』山崎が話し出すと同時にミワの携帯が鳴った。【ケイイチ君】ケイイチからだった。『あっ…』ミワが携帯を見たまま出ようとしないので山崎は『出ていいよ』と答えた。『すみません。もしもし?』『ミワちゃん!?大変やねん。タケシのおばちゃん倒れてん』『えっ?!』隣からただならぬ感覚を覚えた山崎はいったん車を停止させた。

    IP強制表示中:124.146.174.12
    2010-08-24 00:06:00
  • 222:

    大阪花子

    『それで、おばちゃんは?今どうしてるの?』昨日、気丈にもミワを気遣ってくれたタケシの母親の顔がミワの頭に浮かぶ。『何となく心配で家来たら倒れてて。とりあえず今、市民病院。』『…市民病院』ミワがぽつりと呟いた。それを聞いて山崎は車を走らせた。『来れない?おばちゃんが目が覚めた時に出来たら安心さしたりたいし。おばちゃんタケシとミワちゃんが別れた後もミワちゃんに会いたがってたから昨日は嬉しかったはずやから…無理?』『あっえっと…』ミワがチラッと山崎の方を見ると山崎は『今、向かってる』小声で答えた。

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    2010-08-24 00:12:00
  • 223:

    大阪花子

    病院に着くまでの間、山崎はずっと同意はしても同調しちゃ駄目だとしつこいくらいに言って聞かせた。『同情が一番お互い疲れるからミワちゃんがするべきはそっと側にいることで無理に元気付けようとか、まして可哀相なんて思っちゃ駄目だよ。相手にとって何がいいかは本当に難しいから』山崎の話はミワには少し難しく聞こえたがミワは頷いて聞いた。

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    2010-08-24 00:17:00
  • 224:

    大阪花子

    病院に着くと山崎は『また連絡して。迎えに来るから』と伝えミワは頷き病院に入って行った。タケシの母親は3月の内科病棟で点滴を受けながら眠っていた。『容態は?』ミワがケイイチに尋ねると『栄養失調による貧血やって。得にどこがどうって問題ちゃうって』『そう…』ミワはタケシの母親の顔をじっと見つめた。

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    2010-08-24 00:22:00
  • 225:

    大阪花子

    タケシの母親はミワの到着を待ち望んでいたかのように目を開け『あらぁミワちゃん』と嬉しそうに微笑んだ。『おばちゃん!』ミワの弾んだ声にボーッと外を眺めていたケイイチもベットに目をやる。『おばちゃん心配するやん!食わなあかんで?!ダイエットって歳ちゃうやんもう』とケイイチはおどけてみせた。『ごめんやで?』タケシの母親が優しく微笑んだ。

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    2010-08-24 00:26:00
  • 226:

    大阪花子

    『おばちゃん何か食べたいものない?』ミワが尋ねると『梨』とタケシの母親は答えた。ミワは一瞬胸が苦しくなるのを感じた。梨はタケシの大好物だった。『わかった。私買ってくるね。ケイイチ君おばちゃんよろしくね』そう言ってミワは部屋を出た。扉を閉めようとした時、タケシの母親の啜り泣く声が聞こえてミワはさっと扉を閉めた。

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    2010-08-24 00:32:00
  • 227:

    大阪花子

    『心配だな…』一人車を走らせる山崎は呟いた。『絶対ミワちゃん「私、おばちゃんに付き添いたいの」とか言い出すんだろなぁ。悪いことじゃないけど、今のミワちゃんには良くないよな、やっぱり。ちょっと自分の価値を悩んでる時に指命だとか勘違いするのはマズイし…なんかしそうだしな…あれで結構女の子だもんなミワちゃん…』山崎は何処に向かうでもない車内でずっと呟いていた。

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    2010-08-24 00:36:00
  • 228:

    大阪花子

    『僕がドライなのかな?でも、ミワちゃんにはミワちゃんの人生があるからなぁ深入りし過ぎるのはな…やたらと責任感じてたから、あれで遺族のケアなんかしたら共倒れしそうだよな。残った人間のするべきは傷の舐め合いじゃなくて、彼に恥ずかしくない生き方をだな…って僕、誰と話してるわけ?あはは』山崎は少し過保護な自分に恥ずかしくなった。

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    2010-08-24 00:41:00
  • 229:

    大阪花子

    気が着くと病院の回りをグルグルと走っていた。『あれ?ミワちゃん!?』目の前の交差点でミワが信号待ちをしていた。山崎は車を停めミワを呼んだ。『ミワちゃ〜ん』山崎が窓を開けて呼ぶ。『?!』俯いていたミワが顔を上げて当たりを見渡した。『こっちこっち』山崎は窓から身体を乗り出した。ミワは山崎の姿に気付き駆け寄った。『あれ?山崎さん何してるの?』『え?あっいや、ちょっと。ミワちゃんこそどうしたの?』山崎は動揺しながら答えた。

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    2010-08-24 00:47:00
  • 230:

    大阪花子

    『おばちゃんが梨食べたいって言うから。売店になくてスーパー行こうと思って』『だったら乗りなよ。送るから』『ありがとう』ミワは山崎の車に乗り込んだ。『山崎さん、私ね』山崎は嫌な予感がした。『なに?』『おばちゃんに付いててあげたい。少しの間、元気になるまで』山崎の予感は的中した。

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    2010-08-24 00:52:00
  • 231:

    大阪花子

    山崎は大きく一つ深呼吸をして『ミワちゃん、僕はあまり賛成しないよ』と答えた。あきらかにショックな顔で自分を見てるミワを無視して山崎は続ける。『ミワちゃんはタケシ君の彼女じゃない。どれだけ仲がよくても家族じゃない。ましてこれから結婚だってするでしょ?同情とか償いのつもりで側にいたって、お母さんが余計辛くならないかな?』と話した山崎にミワが強く反発した。

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    2010-08-24 00:57:00
  • 232:

    大阪花子

    『同情なんかじゃない!』山崎はミワの方を見ずに続ける。『ごめん言葉が悪かったね。君がいつまで居たらお母さんの心は和むの?』『そんなの…』『解らないんだよ誰にも。だから怖いんだよ。そろそろ元気になったとミワちゃんが判断したって、それはお母さんの気遣いかもしれない。その気遣いに、辛い思いをした人にそんな気を使わせるの?』『それは…』ミワが口ごもる。

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    2010-08-24 01:02:00
  • 233:

    大阪花子

    『たまに様子を見に会いに行ってあげるだけで十分なんじゃないかな?君にだって仕事があるし友達もいる。自分の時間がいる。これからは結婚だってする。やっぱり少しづつ疎遠になってしまうから…血の繋がった親子ですらなる。だからせめて落差のないように配慮してあげるべきなんじゃない?って僕は思う。それに人は期待しやすいし、その期待が外れると相手どうこうより単純に悲しいと思うから、お母さんにまた悲しい思いをさせたくないでしょ?』

    IP強制表示中:124.146.174.11
    2010-08-24 01:07:00
  • 234:

    大阪花子

    黙って聞いていたミワが口を開いた。『そんなの人じゃないみたい。なんか割り切った関係って感じがして嫌。なんか山崎さん、冷たいね』ミワの頬に涙が伝う。山崎はミワの方をみて悲しい顔をした。『おります。停めて。今は山崎さんと一緒にいたくない。停めて』山崎は車を停めた。ミワは何も言わず車を降りドアを閉める時に『ありがとう』とだけ伝えた。

    IP強制表示中:124.146.174.12
    2010-08-24 01:13:00
  • 235:

    大阪花子

    ツカツカ歩いていくミワの後ろ姿を見ながら山崎は『馬鹿か僕は』と座席に後頭部を二回ぶつけた。今のミワには出来るだけ客観的な目を持っててほしかった。それでも相手は一回り以上年下の女の子。まして部下でもなんでない。自分の未熟さに嫌気がさした。しばらく道端に車を停めたまま山崎は天井を見上げた。『ヤバいな…』

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    2010-08-24 07:02:00
  • 236:

    大阪花子

    それからというものミワは平日、仕事が終わると一目散にタケシの家へと向かった。帰りにスーパーへ寄り晩御飯の材料を買ってご飯を作る。一日、一日、日を追う毎にタケシの母親も元気になっていった。お葬式も無事済んだ。ミカは葬式の時ですらミワの顔をまともに見ようとはしなかったが、それでもミワはミカに出来るだけ普通に接した。それがミカの為でもあると考えたからだ。

    IP強制表示中:124.146.175.75
    2010-08-24 07:06:00
  • 237:

    大阪花子

    葬式の時もミワは親族の列に並び、タケシの母親をサポートした。山崎からの連絡は取らなかった。メールもミワを気遣う内容のものには一切返事をせず、【金曜日はアルバイト?】このメールにだけは【アルバイト】と返事をした。そんな金曜日の過ぎママから電話があった。ちょうど昼休憩だったミワは電話に出た。

    IP強制表示中:124.146.175.76
    2010-08-24 07:10:00
  • 238:

    大阪花子

    『もしもしママ?』『もしもしミワちゃん!?あんた今日大丈夫?出れるの?気持ち的にしんどかったら…』ママが言いかけると『大丈夫です。8時でいいですか?』ミワが割って話した。ママにはミワががむしゃらに何かを振り払おうと必死なことだけは理解出来た。『じゃあ8時によろしく。今日山崎さん来られるわよね?』『たぶん』『わかりました。じゃあまた後でね〜』電話を終えれと横にいたカナが口を開いた。

    IP強制表示中:124.146.175.75
    2010-08-24 07:14:00
  • 239:

    大阪花子

    『ミワさぁ、タケシ君とこまだ行ってんの?』ミワはカナの顔を見た。『行ってるよ』返事をすると目を背けた。『何がしたいの?あんたさ、自分がそこにいていい人間かどうかの確認におばちゃん使ってない?』ミワはカナを見た。その目はどこか攻撃的だった。『山崎の意見、私は反対せんよ。まぁミワの気持ちもわかるけどな』そう言うとカナはタバコに火を付けた。

    IP強制表示中:124.146.175.76
    2010-08-24 08:51:00
  • 240:

    大阪花子

    その日はタケシの母親に今日と明日は残業で遅くなるからと家へ行けない事を伝えた。店にいくとママとワカナが心配そうにミワを出迎えた。ミワは自分中で精一杯の普通を装った。この日は金曜日の割に忙しくなかった。いつもなら待ち遠しい12時が今日のミワには早く感じてならなかった。プルプル…ママの携帯がなる。お客さんの一人が『ミワちゃんダーリン来るよ』とミワを冷やかした。『違うってば』ミワは笑って、お客さんの肩をポンと叩いてごまかした。

    IP強制表示中:124.146.174.50
    2010-08-24 09:25:00
  • 241:

    大阪花子

    ミワがリストにいくと『山崎さん来るわよ。今日は一人じゃないみたい』とママがミワに声をかけた。『はい』とミワは笑顔を見せたが『喧嘩でもした?なんか今日は様子がへんよ?』とママはミワの様子に気づいていた。裏からワカナが洗ったグラスを持ってリストに顔を出した。『ミワさんも大変ですね。彼氏でもない人に気を使って』そのワカナの言葉に一瞬戸惑いながら『山崎さんはいい人だから一緒にいて楽しいよ』とミワは返事した。

    IP強制表示中:124.146.174.50
    2010-08-24 09:32:00
  • 242:

    名無しさん

    おもしろいでーす?

    IP強制表示中:124.146.175.226
    2010-08-25 17:16:00
  • 243:

    名無しさん

    見てるよ(^w^)面白い☆

    IP強制表示中:121.111.231.100
    2010-08-26 07:15:00
  • 244:

    大阪花子

    ↑ありがとうございます?誤字とかあってごめんなさい?嬉しいです。

    IP強制表示中:124.146.174.39
    2010-08-27 07:28:00
  • 245:

    大阪花子

    ミワがテーブルの上に溜まった灰皿を裏に持って行こうとすると山崎はミワの手首を掴んで言った。『ちょっとここにいて。謝らなくちゃダメだから』『謝るって?』ミワはこないだのやり取りを思い出した。『こないだは少し感情的になったけど、あれは僕がヤキモキを焼いたとかじゃなくてね。ミワちゃんにとってを考えた結果の僕の意見。ただ言い方に配慮が無くて嫌な思いをさせたことは僕の不注意だから…ごめんなさい』山崎がミワに頭を下げる。『ちょっと山崎さんっ頭上げてよ』焦ってミワが山崎を起こす。

    IP強制表示中:124.146.174.40
    2010-08-27 07:57:00
  • 246:

    大阪花子

    ミワがリストから炊事場に入ろうした時だった。ガッシャーン!中から出ようとしたワカナとぶつかった。ワカナが持っていたフルーツが床に散らばり、グラスが二、三個割れてしまった。『ごめんなさいミワさん!私両手塞がってたからカーテンめくらずに出ようとしちゃって…』『私は大丈夫!私もうっかりしてたからごめんね。ワカナちゃんこそ大丈夫?』『ちょっと大丈夫?』席にいたママが心配そうに様子を見にきた。『お騒がせしてすみません。大丈夫です』ミワが言うと『ガラス気を付けるのよ』とママは席に戻った。

    IP強制表示中:124.146.174.39
    2010-08-27 08:35:00
  • 247:

    大阪花子

    『あっ!』ワカナがフルーツを拾うミワのひざ当たりを指差した。『へ?』ミワが指差す当たりを見るとフルーツに添えて出すはずだったジャムとヨーグルトがベッタリとスカートに付いていた。『ごめんなさい!すぐに洗わなきゃ』慌てるワカナに『大丈夫、大丈夫。とりあえず拭くだけで』と言ってミワはおしぼりで汚れを拭き取った。白地に金のスパンコールのあしらわれたミワのお気に入りのワンピースには大きなシミが残った。

    IP強制表示中:124.146.174.40
    2010-08-27 08:43:00
  • 248:

    大阪花子

    悲しそうな顔をしていたワカナに『気にしないでよ?私の不注意だし。』ミワは声をかけた。『後、私しますから』とワカナは笑顔を見せた。『ごめんね。よろしく』ミワはガラスの破片を入れた灰皿をワカナに手渡した。ワカナはそれを受け取ると床に残った破片を拾いだした。『ワカナちゃん。ほうき使ったら?』ミワが声をかけた。『痛っ』

    IP強制表示中:124.146.174.39
    2010-08-27 09:21:00
  • 249:

    大阪花子

    『お願いしまーす』ママがワカナを呼んだ。ワカナはニッコリしながらこっちに来た。『あらワカちゃん指どうしたの!?』『さっきミワさんにガラスの破片渡されて受け取ったら…鈍臭いですよね』とハニカムとワカナはママが差し出した空のミネラルウォーターのペットボトルを受け取り奥へ戻った。

    IP強制表示中:124.146.175.195
    2010-08-27 11:18:00
  • 250:

    大阪花子

    結局、山崎とミワはカウンターに移った。『参ったな。ごめんねミワちゃん』山崎が申し訳なさそうにミワに話した。『いいえ。それより、この前はごめんなさい。私も山崎の話をまともに聞こうとしないで』ミワは目の前のグラスを両手で握りながら山崎に話した。『それはいいよ。ただミワちゃんが心配だ』『私なら平気です。おばちゃんも徐々に明るくなってきたし』ミワはそんな事を話しながら改めて山崎の温かさを知って胸がキュンとなるのを感じた。

    IP強制表示中:124.146.175.226
    2010-08-27 11:39:00
  • 251:

    大阪花子

    『なら良かった』ミワはほっとして山崎に満面の笑みを返した。山崎は目を丸くしてミワを見つめると『運転手さん行き先変更!』と自宅マンションの道順を話し始めた。『山崎さん?』ミワが山崎の顔を覗き込むと『ミワちゃんと一緒にいたい。明日は昼間の仕事休みでしょ?』と山崎が楽しそうに答えた。普段の色々気を回す山崎なら先にミワの都合を確認しただろう。だけど今日は自分の願望のままに行き先を変えた。そんな山崎にミワは子供の様な愛しさを覚えて『はい』と笑顔で答えた。

    IP強制表示中:210.153.86.38
    2010-08-27 12:04:00
  • 252:

    大阪花子

    山崎は部屋までの道のりをミワに寄り掛かるようにしながら歩いた。部屋の鍵を開け中に入るといきなりミワに抱き着いた。『山崎さん?!酔いすぎ!』笑うミワに山崎は『だって四日もミワちゃんの顔見てなかったから』そう言うとミワを強く抱きしめた。ミワは幸せそうな顔で山崎の胸に顔を埋めた。『さぁ中にはいりましょ?』ミワが山崎から離れようとすると山崎はミワの首に手を回しキスをした。

    IP強制表示中:124.146.175.193
    2010-08-27 12:09:00
  • 253:

    大阪花子

    山崎はミワの唇を覆いながらミワのベアトップのワンピースをそのままずり下がた。『やっ!ヌーブラぁ』ミワが慌てて胸元を隠そうとすると山崎は『取っていい?』と聞くや否やヌーブラに手をかけた。『無理無理!なんかへばり付いてるから恥ずかしいし。あっちむいてて自分で取るから!』そう言うとミワはクルリと山崎に背を向けた。

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    2010-08-27 12:46:00
  • 254:

    大阪花子

    背を向けたミワが不思議そうに山崎を振り返った。『お部屋入らないんですか?』玄関の感知機能付きの玄関灯が時間が来れば消え、また感知して付き、時間が来れば一旦消えを繰り返す。『いいの』山崎がミワの後ろから壁に手を当て背中に唇を這わせた。ミワは言われるがままにヌーブラを外すと胸元を隠して山崎の方を向き直した。『可愛い』

    IP強制表示中:124.146.174.69
    2010-08-27 13:09:00
  • 255:

    大阪花子

    そう言うとヌーブラを持ったままのミワの腕を掴むとミワを壁に押さえ付け柔らかな胸を貪った。『ぁあ…ン』ミワの身体がピクンと反応した。山崎がミワの背中にキスをしながらファスナーを下ろしていた為、ミワがもがくのに合わせてワンピースはスルリと床に落ちた。山崎は丁寧にミワの乳首を舐めた。ペロペロ…クチュクチュ…山崎の舌で乳首を転がされる度にミワの身体はびくびくと波打った。『ん…ンぁあ…』

    IP強制表示中:124.146.174.70
    2010-08-27 13:28:00
  • 256:

    大阪花子

    山崎は乳首、あばら、へそと、ゆっくりミワの身体に唇を這わせ、そのまま床に膝を着くとミワのパンツをずらした。ミワの片方の靴を脱がすと自分の肩に乗せた。『山崎さん恥ずかしい…』『可愛いよミワちゃん』そう言うと山崎はミワのクリトリスにチュッとキスをした。『ぁンっ』山崎は片方の腕でミワのお尻を掴み、もう片方で肩に乗せたたミワの内ももを掴んだ。ジュジュ…クチュ…山崎の唾液がミワのクリトリスに絡まる。『ぁあ…立ってらんないぃ…』クチュクチュ…ミワの足が小刻みに奮える。

    IP強制表示中:124.146.174.70
    2010-08-27 13:36:00
  • 257:

    大阪花子

    ミワはヌーブラを床に落とすと山崎の頭を掴んだ。『だめぇ…ぁあン…』床に着いているミワの膝が折れるのを山崎は支えながらクリトリスを舌で転がす。山崎のあごにミワの愛液が垂れる。ジュジュ…クチュ…『っいッ…ぁあ…ン…すごぃ』ミワは堪らなく自分の胸を揉みしだく。山崎は内ももの手を外しミワの中に指を入れた。『ぁあ…はぁ…』ミワはクリトリスを突き出した。肩に乗せた足は指の先まで力が入っていた。

    IP強制表示中:124.146.174.70
    2010-08-27 13:43:00
  • 258:

    大阪花子

    グチュグチュ…ジュパジュパ…山崎の舌で遊ばれたクリトリスはパンパンに膨れ愛液がとめどなく溢れる。『いっ…イクぅ…』ミワは両手で山崎の頭を抑えながら果てた。よろけてヘタリ込みそうなミワを山崎は立ち上がって支えた。

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    2010-08-27 13:47:00
  • 259:

    大阪花子

    ミワを壁側に向かせ、手を着かせた。カチャカチャとベルトを外す音がし、音が止むと山崎はミワの腰をぐいと自分の方に突き出させた。『ぁっあぁ…』ミワは身体を反らせた。山崎の暑いものが入る。パンパン…山崎はミワのお尻を鷲掴みにしながら腰を振った。『あン…ぁあン…』必死につま先立つ裸足の足を抱えて更に山崎は腰を振った。

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    2010-08-27 13:53:00
  • 260:

    大阪花子

    片足を持ち上げられて、余計に山崎のものがミワの奥を突く。『ぁあン…あン…』パンパン…パンパン…『ぃっ…いっちゃう…』『いいよ。いっぱいイッテ』息を乱した山崎の声にミワの身体も余計に反応をする。『ぁあ…イクぅ…』ミワの身体がビクンと大きく反り倒れ込みかけたのを山崎は後ろから胸を鷲掴みにし自分の方へ寄せた。『山崎さん…私、もぅ』

    IP強制表示中:124.146.174.69
    2010-08-27 13:59:00
  • 261:

    大阪花子

    山崎はミワのクリトリスに指を伸ばした。ヌル…『まだまだ、こんなに濡れてるのに?もっともっとって言われてるみたい』そう言うとミワが恥ずかしがる暇もなく山崎はクリトリスを指でいじりだした。クチュクチュ…クチュクチュ…『ぁあン!!』ミワの中が再び締まりだし、乳首もビンビンに立ってきた。山崎はゆっくりと腰を振りグチュグチュ…というやらしい音をミワに聞かせた。

    IP強制表示中:124.146.174.69
    2010-08-27 14:03:00
  • 262:

    大阪花子

    乳首をつまみ転がされながらクリトリスをいじられ奥を突かれたミワは自分がどんどん淫乱になっていく様で恥ずかしかった。しかし山崎の触れる全てが気持ち良くて、心地好くて、それに溺れた。『ぁあン…ぁはぁ…ン』ミワの中がギュッと締まる。山崎が声を漏らした。『ぁ…気持ちいい…』山崎はミワの腰骨に手を添えるとミワにお尻を突き出させ勢いよく腰を振った。

    IP強制表示中:124.146.174.70
    2010-08-27 14:08:00
  • 263:

    大阪花子

    パンパン…クチュクチュ…パンパン…壁に手を着いたミワの指にも力が入る。『ぁン…ぁあン…いいのぉ…ぃっちゃう…いく…いくぅ…ぁああ…』ミワの快楽が絶頂を迎えた時突き出していたお尻に暖かいものがかかった。ミワはその場に四つん這いに倒れ込んだ。『ごめん。ティッシュだねティッシュ』山崎が靴を履いたまま部屋の中にティッシュを取りに入った。

    IP強制表示中:124.146.174.69
    2010-08-27 14:13:00
  • 264:

    大阪花子

    戻った山崎は丁寧にミワのお尻に付いた精液を拭き取ると、落ちていたワンピースに目をやった。『うわっごめん!汚しちゃったね』『え!?あぁ違うの。これ今日、ワカナちゃんとリストでぶつかった時に付けちゃって…鈍臭いよね』とミワはワンピースを拾い胸元を隠す様にしてはにかんだ。『そうなんだ綺麗なワンピースなのに…クリーニングで落ちるといいけどね』『はい』

    IP強制表示中:124.146.174.70
    2010-08-27 14:20:00
  • 265:

    大阪花子

    そのまま二人はシャワーを浴びて裸のまま抱き合って眠った。山崎の腕に抱かれて眠ることがこんなにも安心するのはなぜだろう…ミワは薄れ行く意識の中思った。二人は昼過ぎまでぐっすり眠った。

    IP強制表示中:124.146.174.69
    2010-08-27 14:24:00
  • 266:

    大阪花子

    『ミワちゃん今日同伴の予定ないなら同伴しない?』『はい♪でも一度、家に帰らないと…お化粧しないと駄目だし服も着替えたいし』そう言ってミワは自分の携帯を見た。着信履歴58件。ミワは目を疑った。着信履歴を開くと全て【タケシ・母】だった。夜中の3時過ぎから明け方ににかけて着信が残っていた。ミワは恐る恐る留守電を聞いた。

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    2010-08-27 16:22:00
  • 267:

    大阪花子

    『ミワちゃん…やっぱり今日寄れたら寄ってほしいねんけど…おばさん起きてるから電話ちょうだい』『もう、おばさん生きてるん辛いわ。何もなくなった。ミワちゃんごめんな。ありがとう』『タケシに会いたいねん。おばさんタケシに会いたい…』『もう二度と家には来んとってくれへんか?!有り難迷惑やから。勘弁してや』『おばさん、どうかしてる。連絡ちょうだい。また顔見せてね〜』ミワは涙を流した。

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    2010-08-27 16:26:00
  • 268:

    大阪花子

    黙って携帯を耳に当てるミワを不思議に思った山崎がミワに近寄る。『どうしたの?!何?!何かあった?』おでこに手を当てて頭を抱える様にミワは言った。『余計に苦しめた…山崎さんの言った通りでした』そう言って涙を流すミワを見て山崎には事の成りが理解できた。『こればかりはどっちをどうとうと言えない。ただ本人が立ち直らないとどうにもならないし、支えるって本当に千差万別だから難しいね』

    IP強制表示中:124.146.175.107
    2010-08-27 16:31:00
  • 269:

    大阪花子

    ミワは山崎も父親を亡くしていたことを思い出した。何故もっと山崎の意見に耳を傾けなかったのか…何故もっと慎重に行動しなかったのか…悔やんでも悔やみ切れずに涙が溢れた。『また私のせいで人が一人死んじゃう…』『ミワ!』強い口調で山崎が制したがミワは続けた。『おばちゃんは生きてはいるけど、心が死にかけてる…私が…私が余計なことしたから…』パンッ…

    IP強制表示中:124.146.175.108
    2010-08-27 16:35:00
  • 270:

    大阪花子

    『ミワちゃん、僕が前に言った事覚えてる?今、君がすべき事は後悔に泣き崩れることじゃないね。失敗したって支え方を過ったと思うなら責任を取るべきなんじゃない?』『責任?』山崎はミワの肩をギュッと掴みながら続けた。『そう。まずは自分の被を認める。それがごめんなさい。そこから何故そうなったら、どうすればベストかの原因究明から対処法を導いて実行する』ミワが山崎を恐々見つめる。『ごめん。痛かったね。でも冷静じゃない君は直ぐに自己嫌悪に陥る。よくないよ。大丈夫、僕がいる。何か仕事っぽい話だけど満更外れてもないよ』とミワに笑いかけた。

    IP強制表示中:124.146.175.108
    2010-08-27 16:41:00
  • 271:

    名無しさん

    はまりました?頑張ってください!

    IP強制表示中:210.136.161.72
    2010-08-28 22:54:00
  • 272:

    大阪花子

    ありがとうございます?

    IP強制表示中:124.146.174.35
    2010-08-31 11:00:00
  • 273:

    大阪花子

    ミワは山崎の車でタケシの母親の家へ向かった。山崎は車で待っていると伝えミワは一人でインターホンを押した。誰もでない。もう一度押そうとした時、玄関に近付いてくる足音がした。ガラッ『ミワちゃん…』寝不足なのであろう目をむくませたタケシの母親が出てきた。

    IP強制表示中:124.146.174.36
    2010-08-31 11:06:00
  • 274:

    大阪花子

    居間に通されミワにはお茶が出された。『ミワちゃん…昨日はごめんなさいね。おばちゃん何か寝不足で頭がおかしいんよ』と苦笑いを浮かべた。ミワはそんなタケシの母親を見ていると胸が苦しくてたまらなかった。『おばちゃん…私…おばちゃんの事余計に苦しめちゃったよね』俯き加減で話し出すミワをじっとタケシの母親は見つめる。

    IP強制表示中:124.146.174.36
    2010-08-31 11:10:00
  • 275:

    大阪花子

    『私、何か罪悪感があって少しでも罪悪感減らしたくて…一番正直なのはそれかもしれない。おばちゃんが寂しいなら少しでも傍にって。ちょっとでも私といて気持ちが紛れるならって。自分の罪悪感が消えていく気がした。でも、それは違ったんだよね…おばちゃんを利用したんだよね…私。おばちゃん…ごめんなさい…ごめっ…』ミワは溢れる涙を止める事が出来なかった。

    IP強制表示中:124.146.174.35
    2010-08-31 11:14:00
  • 276:

    大阪花子

    『ミワちゃん?何もミワちゃん悪ないよ。私も少しでもって私を心配してくれるミワちゃんに、もしかしたらミワちゃん優しいしな、このまんま家の子になったらって…』タケシの母親は言葉を詰まらせた。『ミワちゃんが責任感感じてたのをおばちゃんも利用したんよ。お互い様やわ』そう言ってタケシの母親はミワに笑いかけた。

    IP強制表示中:124.146.174.35
    2010-08-31 11:19:00
  • 277:

    大阪花子

    お互いがお互いの優しさに甘え自分を正当化しようとした。その結果、生まれたものは更なる罪悪感と嫌悪感。ミワはそれからタケシに線香を上げた。(タケシ…ごめんね。でも私、貴方の変わりにおばちゃんを助けるから。もう勘違いしないよ。頼られても動じない人になるよ)『ミワちゃん?時々おばちゃんとお茶でもしてくれへん?美味しいケーキ食べよ』タケシの母親が恥ずかしそうにミワに笑いかけた。

    IP強制表示中:124.146.174.35
    2010-08-31 11:26:00
  • 278:

    大阪花子

    タケシの母親の優しさがミワには有り難くて『はい』満面の笑みで答えた。『おばちゃん?私ね週一くらいでジムに行こうと思ってるんだけど、良かったら行かない?二人だと入会金半額なの』『おばちゃんも運動せんからイラン事考えんねんな!行く行く。ありがとう』二人はメールアドレスを後悔し、ミワはタケシの家を後にした。

    IP強制表示中:124.146.174.36
    2010-08-31 11:38:00
  • 279:

    大阪花子

    山崎の車に乗り込むと早速タケシの母親からメールが入った。『山崎さん』ミワが山崎に話しかける。黙ってメールを見つめるミワに『さて、飯でも行きますか?』と笑顔を見せた。『はい』ミワは携帯を見たまま涙をこぼして笑った。【みわちゃん、ありがとね?おばちゃんも頑張ってジム行くよ?太って不細工なってたら天国から二人が笑うわ?それと、みわちゃんに何かあったらいつでも駆け付けるからね?みわちゃんがそうしてくれたみたいに。ほな来週〜】

    IP強制表示中:124.146.175.67
    2010-08-31 13:31:00
  • 280:

    大阪花子

    二人は近くの定食屋でお昼を済ませた。

    IP強制表示中:124.146.175.67
    2010-08-31 13:57:00
  • 281:

    ◆2hfjzdin5Y

    IP強制表示中:219.125.148.24
    2010-09-01 23:10:00
  • 282:

    名無しさん

    主さん?

    楽しみに待ってますね?

    IP強制表示中:210.136.161.81
    2010-09-02 00:18:00
  • 283:

    名無しさん

    フィクションですか?
    おもしろいです?
    楽しみにまっています?

    IP強制表示中:210.136.161.72
    2010-09-02 11:31:00
  • 284:

    大阪花子

    ありがとうございます?
    嬉しいです?
    誤字多くて、すみません?フィクションのような、ノンフィクションのような…そんなとこです?

    IP強制表示中:210.136.161.48
    2010-09-03 02:37:00
  • 285:

    大阪花子

    お昼を簡単に済ませた後、ミワは一度部屋に帰り、山崎は一旦、店に顔を出すと言って店に向かった。『ママに同伴言わなきゃ』そう言ってママにメールを打った。

    IP強制表示中:210.136.161.48
    2010-09-03 07:56:00
  • 286:

    大阪花子

    ミワは自分の不注意を申し訳なく思いながら、胸のどこかに違和感を覚えた。『まぁ、若いし可愛いから、そのうち言い出すとは思ってたけどね。そっかぁ。ありがとう。じゃあ今日9時にお願いします』『わかりました』電話を切ってからミワは一寝入りすることにした。

    IP強制表示中:124.146.174.74
    2010-09-03 17:49:00
  • 287:

    大阪花子

    夕方6時半に山崎がミワを迎えに来た。『今日もきれい』いつもと同じ優しい笑顔がミワを出迎えた。『ありがとうございます』山崎のその言葉でミワは元気に仕事が出来た。今日は黒のホルターネックの膝下タイトのワンピースに髪をアップにしたミワはお気に入りの大き目のピアスをした。

    IP強制表示中:124.146.174.74
    2010-09-03 17:54:00
  • 288:

    大阪花子

    『ていうか店員も言ってただろ』吐き捨てる様に山崎が言うと『ミワさんのせいじゃないですよ!店員さんも熱いって言ってたし』ワカナはニコニコ話した。ミワはどうにか場を和ませようと『今度からは私、土鍋担当ね!ははは!熱いものは熱い内に!ね?食べよ』そう言って取り分けた。

    IP強制表示中:124.146.174.74
    2010-09-03 18:33:00
  • 289:

    大阪花子

    『土曜だし、良かったじゃないですか』ミワがママを宥める様に言うと『夜は全く初めてで…なんて言ってたけど、何かまだまだ隠してそうね』とママは跳び回るワカナを見つめた。その日ワカナの席は定期的にシャンパンがおり、結局皆が皆オープンラストをした。誰もが1時間に一度くらいのペースでシャンパンをおろす上に、初回客ばかりでママもチェックのタイミングを見合わせずらそうにしていた。

    IP強制表示中:210.153.86.139
    2010-09-03 19:05:00
  • 290:

    名無しさん

    気になる?

    IP強制表示中:124.146.174.67
    2010-09-03 20:13:00
  • 291:

    名無しさん

    ハラハラ?

    IP強制表示中:210.136.161.65
    2010-09-03 20:33:00
  • 292:

    大阪花子

    その日も山崎はいつも通り近くのバーでミワを待った。山崎が店を出て小1時間程してミワから電話があった。『山崎さん?ママも一緒にいい?』山崎は一瞬答えに詰まったが『ごめん。今日は大事な話があるから君に…』『それがね、ママも大事な話があるみたい』山崎は渋々ママとの合流を承諾した。

    IP強制表示中:124.146.175.100
    2010-09-03 20:52:00
  • 293:

    大阪花子

    『全くひどかったわよ』ママはバーに着くや否や、ビールを頼み山崎に言った。ミワはレッドアイを頼んで山崎とママの間に座った。『お疲れ様でした〜』乾杯を済ますとママはまた言った。『ほんと、ひどかったわよ』二人は薄々ママの怒りの矛先を知りながら何も言わずにママの話に耳を傾けた。

    IP強制表示中:124.146.175.100
    2010-09-03 20:55:00
  • 294:

    大阪花子

    『どうしても、不思議でならないし私もミナミ長いから色々聞いたのよ、すぐに。そしたら新地の蓮花にいたらしいんだけど…』ママが言い終えるのを待たずに山崎が割って入った。『やっぱり』『やっぱりって山崎さん知ってるの?』ミワが驚いて山崎を見た。『三年くらい前だし化粧も違ったから…でも今日わかった』

    IP強制表示中:124.146.175.99
    2010-09-03 21:01:00
  • 295:

    大阪花子

    『知り合いだったの?』ミワが山崎に尋ねた。山崎は一瞬ためらう様に水割りを口にし返事をした。『遊んでた子…』ミワはその意味を勘違いしたくなかった。ただ怖くて聞き返せなかった。するとミワの気持ちを察したのかママが山崎に質問した。『山崎さん、遊んでたってどういう意味?ミワちゃんが勘違いするわよ』

    IP強制表示中:124.146.175.234
    2010-09-04 14:28:00
  • 296:

    大阪花子

    『三年前…』山崎は説明を始めた。『親に勧められるがまま結婚したものの二年もしたら口を聞かなくなってね。それでも子供が一人いたから離婚は避けてたけど中学三年になった時、娘に言われたんだ。「仮面家族はもう沢山…」って。それがきっかけで離婚したのが三年前。それから飲み歩く様になった。知り合いに誘われて蓮花に行って、そこで初めて着いたのがワカナ…あの時はリノだったけど』

    IP強制表示中:124.146.175.234
    2010-09-04 14:42:00
  • 297:

    大阪花子

    ミワはただ黙って聞いていた。ママはミワの方に少し席を動かし山崎の話に耳を傾けた。『こないだ見た時は驚いた。似ていたから…もしかして他人の空似かもって。だったらいいなって思ったけど違った。彼女とはよくご飯に行ったし同伴がいると言われれば手伝った。特別な感情は正直なかった』ミワは気持ちが少し楽になった気がした。

    IP強制表示中:124.146.175.234
    2010-09-04 14:47:00
  • 298:

    大阪花子

    『それで?』ママが山崎を急かす。その言葉にミワが願った、ただの知り合いではないことをミワは覚悟する。『付き合う…恋人としてね。それはなかった。ただ身体の関係はあった』ミワは身体が熱くなるのを感じた。山崎はカウンターを見つめながら話を続けた。『プライベートで特に遊んだりもしなかったけど、店の前後でよく会ってたから自然とそうなった。半年くらいしてかな?彼女に聞いたんだ「君は僕との関係をどう考えてるの?」って』

    IP強制表示中:124.146.175.234
    2010-09-04 14:57:00
  • 299:

    大阪花子

    『じゃあ何て?』ママが聞く。『「ただの客」だって。正直、肩の荷がおりたし、ほっとしたよ。ただ空しくなったね。勝手な話だけど。』山崎は苦笑いを浮かべた。『真剣につきあってるってワカナちゃんがもし言ってたら?』ミワが口を開いた。声が震えていた。山崎は水割りを口にいれ音を立てて喉に流した。

    IP強制表示中:124.146.175.233
    2010-09-04 15:01:00
  • 300:

    大阪花子

    『謝ったかな…』山崎がポツリと答えた。『まぁ男と女だしね。寂しくて…なんてよくある話よ山崎さん。別に向こうも向こうで割り切った関係を承知だったんだしね?』ママがあっけらかんと話すのをミワは複雑な気持ちで聞いた。

    IP強制表示中:124.146.175.234
    2010-09-04 15:05:00
  • 301:

    大阪花子

    頭では充分理解出来た。ただ今、好きな人の口からは聞きたくなかった。『それでその日を最後にリノとはそういう関係を止めた』『あら真面目』ママが笑った。ミワも少し安心し、山崎の顔をみた。山崎は気まずそうにミワを見つめていた。『その後は?』ママがイケずそうな顔をして山崎に問うと、山崎は大きなため息をついて『その日以来、店に行くのは止めたよ。リノも承諾したし。でも、ある日電話があって「妊娠した」て。結局、連れの口座の子が調べてくれたら嘘だったんだけど、それ以来連絡も取ってない』

    IP強制表示中:124.146.175.233
    2010-09-04 15:22:00
  • 302:

    名無しさん

    ドキドキしてます?

    IP強制表示中:124.146.174.39
    2010-09-04 16:05:00
  • 303:

    名無しさん

    気になる?

    IP強制表示中:124.146.174.2
    2010-09-04 19:18:00
  • 304:

    名無しさん

    あー気になる?

    IP強制表示中:124.146.174.50
    2010-09-04 20:55:00
  • 305:

    名無しさん

    楽しみにしていますよ?

    IP強制表示中:210.136.161.139
    2010-09-06 00:49:00
  • 306:

    大阪花子

    コメントありがとうございます?
    やる気でます?

    IP強制表示中:210.136.161.84
    2010-09-06 09:13:00
  • 307:

    大阪花子

    “妊娠”そのフレーズにミワは鼓動が早まるのを感じた。『どうやって調べたの?』ミワは聞きづらそうに山崎に質問した。

    IP強制表示中:210.136.161.84
    2010-09-06 09:17:00
  • 308:

    大阪花子

    『連れの口座は連れの嫁さんだったから。内緒だったけど。俺が心配してるから、いい病院紹介してあげるとか何とかカマかけてくれてね。すぐに嘘だって本人が言ったんだ』『分かって直ぐにおろしたとかは?』山崎が寂しそうに笑った様に見えてミワは心が苦しくなった。それでも、曖昧にしておきたくないとミワは思った。

    IP強制表示中:124.146.175.101
    2010-09-06 09:42:00
  • 309:

    大阪花子

    『連絡もらった、その日に店で聞いてくれたし。何より僕以外にも、そういう相手はいたみたいだから』そう答えた山崎に『いたから何?誰の子か解らないって言いたいの!?』少し強くなった口調にミワ自身も驚いた。『そうじゃないよ』山崎も口調がきつくなっていた。するとママが『妊娠って言うのは嘘のはずよ。あの子、子供生めないらしいから。』二人を宥めるかの様に口を挟んだ。

    IP強制表示中:124.146.175.102
    2010-09-06 09:47:00
  • 310:

    大阪花子

    ミワと山崎がママを見つかる。『蓮花ってママが三人いるんだけど、その一人と昔一緒に働いてたことがあったから電話したのよ。そもそも蓮花に入ってきた理由も不妊治療のお金が必要だったみたいよ。面接で言ってたらしいわ。ただ当時の彼氏と別れてから枕しまくってたみたいだけど…』『それ山崎さん知らなかったの?』ミワは不思議に思って山崎に尋ねると山崎は飲みかけの水割りをテーブルに戻して答えた。『知ってたよ。ただ枕してるなんて、証拠はないから本人が違うと言えばそれまでだから』

    IP強制表示中:124.146.174.72
    2010-09-06 16:16:00
  • 311:

    大阪花子

    確かに特別な感情を抱いていた訳ではない山崎にとっては深く詮索をするまでもないことだった。それでもミワは山崎に距離を置こうとする自分を隠せずにいた。『まぁ、山崎さんには今や唯一無二な大事な大事なミワちゃんがいるからね。あんなバカなことはしようとも思わないでしょうけど傷心癒す相手は確実に間違えたわね』ママはまた、意地悪そうな顔をして山崎をチクリと刺した。

    IP強制表示中:124.146.174.72
    2010-09-06 16:20:00
  • 312:

    大阪花子

    『勘弁してよ』山崎は苦笑いをして水割りを飲み干した。『でも、山崎さんが蓮花行かなくなって、しばらくしたらリノ…あっワカナちゃんも辞めたみたいよ。ただパパは山盛り連れてったみたいだけど。今日来てたお客は多分全員そうね』ママがほお杖をついて言った。

    IP強制表示中:124.146.174.71
    2010-09-06 16:26:00
  • 313:

    大阪花子

    『売上上がっていいんじゃないの?』山崎が問うと『あんなの毎日されたら元々のお客さんが来れないわよ…』ママがため息をつく。『毎日なんてないない。今日は復活祝いだよママ』山崎が宥めると『山崎さん!私がわざわざ来た意味わかってないの?』ママが真剣な眼差しで山崎を見つめた。

    IP強制表示中:124.146.174.71
    2010-09-06 16:29:00
  • 314:

    名無しさん

    続きや〜?おもしろい?

    IP強制表示中:124.146.174.82
    2010-09-06 16:45:00
  • 315:

    大阪花子

    『もしかして?』見つめられている山崎より先にミワが反応をした。ママはミワと山崎を交互に見ると『山崎さんを探してたみたいよ』ミワは心臓が締め付けられる感覚を覚えて胸に手を当てた。『んなわけ…』山崎もあからさまな動揺を顔ににじませる。『蓮花辞めて、ちょっとしてからあちこち行っては直ぐに辞めてを繰り返してたみたいよ。半年前にも私の仲いいママの店にも来たみたいで、酔ったワカナちゃんが人を探してるって言ってたんだって。誰?て聞いたら山崎さんって答えたらしいのよ。本当に今日は電話しまくったわよ』

    IP強制表示中:124.146.174.71
    2010-09-06 17:07:00
  • 316:

    大阪花子

    『気になったらいてもたってもいられなくて』そう言って笑うママの横でミワは無理矢理な笑顔を作った。『ママ僕の席にはつけないでよね』山崎が言った。『もちろんよ!なんなら辞めてもらうかも考えてるの。』『え?!』ミワはママを見た。ママはニコッと笑ってから『客をとるのに手段は選ばない!そういうタイプみたいなの』と真顔で話した。

    IP強制表示中:124.146.174.72
    2010-09-06 17:12:00
  • 317:

    大阪花子

    その後、もう一杯カクテルを飲んだママは二人に手を振って店を出た。気まづい空気に普段は無口なマスターが新しく仕入れたとホワイトチョコを二粒、二人に出した。『いただきます』ミワがチョコを口に含むと山崎は勢いよく頭を下げた。『ごめん!』

    IP強制表示中:124.146.174.71
    2010-09-06 17:15:00
  • 318:

    大阪花子

    ミワは、もぐもぐ口を動かしながら『そんなのいいです…昔のことだし』と山崎の肩を持って山崎を起こさせた。『そうじゃない!後手に回ってしまったこと。ママより先に気付いた時点でウダウダせずに話すべきだったんだ。ただ話すとなると自分の軽率な行動も言わなきゃいけないから…ごめん!嫌われたくなかったんだ。でも、こんな風に耳にされるより良かったはずだよ…本当にごめん!』

    IP強制表示中:124.146.174.72
    2010-09-06 17:21:00
  • 319:

    名無しさん

    山崎さんに恋しちゃった〜

    IP強制表示中:124.146.174.82
    2010-09-06 23:09:00
  • 320:

    大阪花子

    ありがとうございます?

    IP強制表示中:124.146.174.73
    2010-09-06 23:21:00
  • 321:

    名無しさん

    気になる??

    IP強制表示中:210.153.84.168
    2010-09-06 23:23:00
  • 322:

    大阪花子

    ミワは苦笑いんした。『でも嫌いになられると困るな』山崎はまるですねた子供の様に呟いた。ミワは思わずカウンターに置いていた山崎の腕に手を当てた。『いや…正直ね、あの頃は真面目に恋愛なんてする気になれなくてね。でも人恋しいのは消せなくて、酔い潰れるまで飲んだし、そういう事も事実したしね。でも、あれ以来は飲みつぶれるまでなんか飲まなくなったし、もちろん軽率な行動もしてないよ。それは、はい!神に誓う』山崎はミワに向けて右手を上げた。

    IP強制表示中:124.146.175.227
    2010-09-06 23:54:00
  • 323:

    大阪花子

    ミワはその右の手の平をじっと見つめていた。山崎の腕を握る手に自然と力が入った。『山崎さん』『はい…』心配そうな目をミワに向ける山崎をよそに、ミワは手の平を見つめながら続けた。『…生命線、短くないですか?』『えっ!?』慌てて手の平を見る山崎に『これからもずっと一緒に痛いから、元気でいてもらわないと困ります』そう言うとミワはニコッと笑った。

    IP強制表示中:124.146.175.228
    2010-09-06 23:59:00
  • 324:

    大阪花子

    『僕、そこそこいい歳だからね』と山崎は眉毛を動かしてみせた。あはは、と声をあげて笑うミワを見て山崎は胸を撫で下ろした。『本当にごめん!でも、やましい事なんて今は何もないよ。携帯だってみてくれても全然平気だし、部屋も捜査されても困るものなんて…』必死に潔白を訴える山崎をみてミワは温かい気持ちになって堪えた笑いを吹き出してしまった。

    IP強制表示中:124.146.175.227
    2010-09-07 00:15:00
  • 325:

    大阪花子

    『あの〜僕は真剣なんですけど?』山崎が横目でミワを睨んだ。『あぁごめん。ごめんなさい。ついね、山崎さんが可愛くて』ミワは涙目で山崎に言った。『なんじゃそりゃ』山崎も釣られて笑顔を取り戻した。『正直ね、ショックでしたよ。やっぱり。』笑いすぎて潤んだ目元を指で拭いながらミワは話した。『ごめん』『ううん、違う違う。軽率がどうとか、ママより先に話してくれなかったとか、そんなんじゃなくて。やっぱり、昔話でも好きな人の他の人とのそういう話は喜んで聞けなかったな』

    IP強制表示中:124.146.175.227
    2010-09-07 00:21:00
  • 326:

    大阪花子

    おどけて舌を出したミワに山崎は『もう一回!もう一回言って』とせがんだ。『え?だから正直ショック…』不思議そうな目を山崎に向けてミワが話すと『違う違う。そのあと』『え?…ママより先に話して?』『うんうん!そのあと!』無邪気にせがむ山崎にミワは再び吹き出した。

    IP強制表示中:124.146.175.227
    2010-09-07 00:26:00
  • 327:

    大阪花子

    『好きな人?』ミワが大きな瞳を山崎に向けると山崎は『やばっ』そう言って椅子の背にもたれ天井に向かって『いい響き』と呟いた。ミワはそんな山崎をみて更に笑いを吹き出した。

    IP強制表示中:124.146.175.227
    2010-09-07 00:35:00
  • 328:

    大阪花子

    『今日も泊まりにおいでよ』山崎がミワを誘った。『うん』ミワはその一言で身体が熱くなる自分を必死に隠そうと他愛ない話をしてごまかした。

    IP強制表示中:124.146.175.227
    2010-09-07 00:40:00
  • 329:

    名無しさん

    ハマってしまった?

    IP強制表示中:124.146.175.69
    2010-09-07 02:21:00
  • 330:

    大阪花子

    ありがとうございます。やっぱり誤字多くてすみません?

    IP強制表示中:210.153.86.134
    2010-09-07 11:33:00
  • 331:

    大阪花子

    山崎の部屋に着くとスリッパが二つ並んでいた。『これ…?』ミワがスリッパを眺めていると『お揃い!』山崎は得意げに答えた。ミワは少しでも山崎を遠ざけかけた自分を反省した。『ソファーにかけてて』山崎にそう言われてミワは腰を下ろした。お茶を持って戻ってきた山崎はミワの隣に腰をかけた。『ありがとう』そう言ってお茶を飲むミワを山崎はずっと見つめていた。

    IP強制表示中:210.153.86.47
    2010-09-07 11:39:00
  • 332:

    大阪花子

    『何?』ミワが聞く。『今日もやっぱり可愛いな』山崎は嬉しそうに答えた。ミワは照れ臭そうに笑い『山崎さんも可愛かったよ』と答えた。『僕、これでも昔はアイドルだったからね』と自慢げに話す山崎にミワはニコッと笑いキスをした。唇が離れるとミワが山崎に言った。『もっと…』

    IP強制表示中:124.146.175.196
    2010-09-07 11:46:00
  • 333:

    大阪花子

    山崎はソファーに膝を立てミワの上に覆いかぶさった。ミワも顔を上げ山崎の首に手を回した。時間など気にせず二人は長い長いキスをした。『ベット行こう』そう行って山崎はミワを抱き抱えた。プルプル…ミワの携帯が鳴った。二人は目を合わせ、再びキスをし始めた。電話は切れた。『では参りましょ…』山崎が向かおうとするとプルプル…また電話が鳴った。

    IP強制表示中:210.153.86.129
    2010-09-07 11:54:00
  • 334:

    大阪花子

    『止めてくる』ミワがそう言うので山崎はミワを抱き抱えたまま鞄の置いてある入口までミワを運んだ。電話は切れたがまたすぐに鳴った。プルプル…着信を見て二人は身構えた。【ワカナ】…『ほっとけ』山崎が言った。いつもと違って冷たい山崎の言葉にミワは驚いた。プルプル…間髪入れずにかかる電話にミワはサイレントにすることが出来ずにいた。『ごめん。うるさくて』

    IP強制表示中:124.146.175.195
    2010-09-07 11:58:00
  • 335:

    大阪花子

    『ミワちゃんのせいじゃないから謝らないで』それからも電話は鳴りつづけた。『パッと出て切るね?』『もし聞かれても、僕らの関係は黙っておいた方がいいかもね。』

    IP強制表示中:124.146.175.194
    2010-09-07 12:10:00
  • 336:

    大阪花子

    ミワもそんな気がしていた。『はい。もしもし?』ミワは恐る恐る電話に出た。『ミワさんですか?遅くにごめんなさい』可愛い声が返ってきた。『どうしたの?』『どうしても、相談したいことがあって…』ミワはちらっと山崎を見て『相談?』と聞き返した。すると悩んでるなど嘘としか思えない程、悩みない早さで返事がきた。『私、山崎さんに一目惚れしてしまったんです』ミワは今度は山崎をしっかり見つめた。

    IP強制表示中:124.146.174.78
    2010-09-07 13:05:00
  • 337:

    大阪花子

    ミワは顔を真っ赤にした。『こうなったら指輪買わなくちゃ』無邪気に話す山崎にミワは照れ笑いするのがやっとだった。嬉しさが言葉にならないほどだった。それでも手放しで喜べない自分がそこにいることをミワは感じていた。『まぁミワちゃんがママんとこで働くの結構好きなのも知ってるから今すぐどうこうなんて言わないけどね』と山崎はニコッと笑った。

    IP強制表示中:124.146.174.77
    2010-09-07 13:44:00
  • 338:

    大阪花子

    ミワは心を見透かされた様な気がして『でも嬉しい』と返事をした。『さてと、リノになんて言うかな…折り返すって言ってたもんねミワちゃん』山崎がちらっとミワを見る。『ごめん…』『よし作戦会議だ』そう言って山崎はミワを抱き抱えた。『会議?』『そうそう。でも先ずは敵に挑む前に味方同士が一致団結しなきゃダメだからね』『一致団結?』『そう!』そう言ってミワをベットへ運んだ。

    IP強制表示中:124.146.174.77
    2010-09-07 13:52:00
  • 339:

    大阪花子

    ミワをベットに座らせると山崎はミワにキスをして服を脱がせた。『横になろっか』そう言ってミワをベットに横たわらせた。ミワは恥ずかしそうに胸元を隠す。山崎は横たわるミワの身体に優しくキスを始めた。『ぁ…』ミワからは心地好い吐息が漏れた。

    IP強制表示中:124.146.174.77
    2010-09-07 14:32:00
  • 340:

    大阪花子

    唇、首筋、胸元、乳首、お腹…『腰あげて?』ミワは言われるがままに腰を上げ山崎はミワのパンツを脱がせた。『ぁン…』山崎は優しくミワのクリトリスを舌で撫でる。プルプル…ミワの電話が鳴った。『もういい』山崎はそう言うと自分の服を脱いでミワに覆いかぶさった。

    IP強制表示中:124.146.174.77
    2010-09-07 14:40:00
  • 341:

    大阪花子

    もう一度、頭が朦朧とするほどに長いキスをした。『ん…ン…』キスをしながら山崎は両手でミワの胸をもみしだく。鳴りつづける電話を掻き消すようにミワは喘いだ。『ぁン…ぁあ…ン』両手で胸をもみしだかれながら乳首を舌でころがされる度に身体がビクンっと波打ち、愛液がお尻に伝うのを感じる。『おかしくなる…』身体を走る快感と耳につく電話のコールの中でミワは自分が淫らになっていく様に思った。

    IP強制表示中:124.146.174.78
    2010-09-07 14:49:00
  • 342:

    大阪花子

    『山崎さん寝て?』ミワは半ば強引に山崎を横たわらせると山崎の硬くなったモノを口に拭くんだ。『あぁ…』山崎から吐息が漏れるとミワは舌を絡ませ一生懸命山崎に奉仕した。山崎は優しくミワの髪を撫でながら時折、腰をビクンと反応させた。

    IP強制表示中:124.146.174.77
    2010-09-07 15:02:00
  • 343:

    名無しさん

    ワカナ何するんやろ?
    続き待ってます?

    IP強制表示中:124.146.174.13
    2010-09-07 16:27:00
  • 344:

    大阪花子

    『ミワちゃん…入れたい』そう言うと山崎はミワを横たわらせミワの足を持ち上げた。『ずっとしてないな』山崎がミワの中に入ってきた。『ぁあン…』山崎はミワの上に覆いかぶさるとミワを強く抱きしめた。『私も山崎さ…んと…ずっとずっと…ぁン…してたいよ』パンパン…グチュグチュ…山崎が腰を振る度にミワの愛液が溢れ出した。

    IP強制表示中:124.146.175.105
    2010-09-07 17:44:00
  • 345:

    大阪花子

    抱きしめられて息が苦しくなる中でミワは快楽に溺れる。山崎の背中を力一杯抱き寄せ喘ぐ。ひたすら鳴り止まない携帯が余計に二人を無我夢中にさせた。『ぁんっ…いっちゃう…』『いいよ』ぐりぐりと腰を回し、山崎がミワの中を掻き回す。どんどんミワの中の締まりがよくなっていく。『ダメぇ…』腰を反らせてミワは果てた。

    IP強制表示中:124.146.175.106
    2010-09-07 17:48:00
  • 346:

    大阪花子

    山崎はミワの膝を持ち腰を前後させた。『ぁン…はぁ…ぁあン…』ミワは虚ろな目で身体に走る快感だけに溺れる。薄目で山崎を見上げる。『気持ちいい?』ミワが山崎の頬に手を当てる。山崎は額に汗をにじませながらニコリと微笑んだ。パンパン…パンパン…腰の動きと共に揺れる胸を山崎が鷲掴みにする。『もっとしていい?』山崎が問う。『もっとして…ぁあン…いっぱいしてぇ…』

    IP強制表示中:124.146.175.106
    2010-09-07 17:54:00
  • 347:

    大阪花子

    『やばっ…』思わず山崎が言った。ミワの胸を鷲掴みにし、乳首をつねり上げるとミワはシーツを握りしめ山崎を締め付けた。『出ちゃう…ぁあン…ぁン…あンっ…』山崎が右の親指をミワの口に入れた。『んン…』ミワは必死に山崎の指を舐め回した。乳首の痛みが快感に変わる。ミワの中は締まり続ける。『ミワちゃん…可愛いよ』『イクぅ…ぁあン』ミワの愛液が山崎の太ももを濡らす。

    IP強制表示中:124.146.175.105
    2010-09-07 18:01:00
  • 348:

    大阪花子

    ミワのお腹に山崎は吐き出し、そのままミワにキスをした。『ったく、うるさいな』山崎はティッシュを取りにソファーの方へ行った。『ごめん!私、さっき電話切った時にマナーにするの忘れてた』 『いや、ミワちゃんを責めたんじゃないよ。ごめん!ほんと、しつこいなと思って』

    IP強制表示中:124.146.175.105
    2010-09-07 18:04:00
  • 349:

    大阪花子

    30分くらい鳴りっぱなしの携帯とティッシュを持って山崎がミワの元へ戻ってきた。『山崎さん怒ってみて』ミワが携帯を開いて山崎に見せると山崎はミワのお腹を拭きながら『うるさーい』と携帯に叫んだ。プルプルプ…すると携帯は鳴りやんだ。二人は驚いて目を合わせた。『うそ?止まった…』ミワはその隙にとマナーモードに設定した。

    IP強制表示中:124.146.174.17
    2010-09-07 18:13:00
  • 350:

    大阪花子

    『まさか盗聴?!』意外に真剣な山崎の顔にミワは吹き出してしまった。『まさかぁ』それから着信履歴を見ると案の定履歴欄はワカナでいっぱい。着信数もギネスに申請したい程になっていた。それからは電話はかかってこなかった。

    IP強制表示中:124.146.174.17
    2010-09-07 18:16:00
  • 351:

    大阪花子

    日曜日、二人が目を覚ましたのは山崎の携帯の着信音だった。『今日はオフって言っておいたのに…』ブツブツ言いながら山崎はソファーの上に転がっていた自分の携帯を見た。『…?出ていいよ』ミワがベットの方から声をかけた。『何か嫌な予感がするな』山崎がそう言っている間に電話が切れた。

    IP強制表示中:124.146.174.17
    2010-09-07 18:20:00
  • 352:

    大阪花子

    『ミワちゃんリノの番号って?』『え?』ミワは枕元に転がっていた携帯を開けた。『080△△△△▲▲▲▲だけど…ワカナちゃんから?』『解らない。とりあえずその番号じゃないな』それからはワカナからも知らない番号からもかかってこなかった。『ワカナちゃんに何て言おう…折り返すって言っちゃったのに』『友達の家にいて充電なくなったとか適当でいいんじゃない?』ミワはワカナに電話をかけた。

    IP強制表示中:124.146.174.18
    2010-09-07 18:41:00
  • 353:

    大阪花子

    ドキドキしながら電話をかけたがワカナは出なかった。留守番電話に山崎に言われた通りの言い訳を残しておいた。

    IP強制表示中:124.146.174.17
    2010-09-07 18:57:00
  • 354:

    大阪花子

    月曜日、会社に行くとカナが先に着替えていた。『おはよう』『おはよう』『私、部長と別れてん』不意打ちにミワは声が出なかった。『昨日別れてん。なんか…変な感じやわ。受付なんかしてたら毎日見なあかんしな』カナは制服を整えながら言った。『なんで?急じゃない?』『急ちゃうよ。子供も年頃なるしなって前に言わんかったっけ?』『聞いたけど…』『今日はご飯付き合ってな』そう言ってカナはロッカールームを出ていった。

    IP強制表示中:124.146.174.18
    2010-09-07 19:21:00
  • 355:

    大阪花子

    ミワは着替えを済ませてロビーに向かった。ミワの叔父が経営する法律事務所は近畿圏内でも五本の指に入るほどのマンモス事務所でテレビ出演や雑誌取材等を対応するための営業部まで構えるほどだった。受付に座ると次から次へと出社する人に挨拶をする。その中に部長の姿を見つけ、ミワはカナを見た。カナは顔色一つ変えずに『おはようございます』と頭を下げた。

    IP強制表示中:124.146.174.17
    2010-09-07 19:28:00
  • 356:

    大阪花子

    ミワも習って頭を下げる。出勤時間が過ぎれば来客の対応に追われた。お昼休憩に山崎へ【ワカナちゃんからは連絡ないよ?あと、今日はカナとご飯食べて帰ります?】とメールを入れた。【ガーン?僕もミワちゃんとご飯行きたい…?楽しんで来てね?】と、すぐに返事がきた。

    IP強制表示中:124.146.174.18
    2010-09-07 19:39:00
  • 357:

    大阪花子

    先に店に来ていたミワに『山崎さん?』カナが声をかけた。『カナ!ごめん!ごめん!違うよ。友達』慌てて携帯を閉じるミワに『わっかりやすいなアンタ。ええよ。気使わんとってや。それにアンタの顔デレデレしとったから直ぐにわかったわ』『あぁ…ごめん』特にカナの話には触れず二人はランチを済ませた。

    IP強制表示中:124.146.174.17
    2010-09-07 19:43:00
  • 358:

    大阪花子

    午後の仕事も普段通り済ませるとカナが『山崎さんの店行きたいわ!どこにあんね?』と聞いてきたのでミワは山崎に電話をかけた。山崎は梅田のタワーマンションの一室をプライベートレストランとして持っていたので、そこを手配してくれた。『私も山崎さんの店には行ったことないから緊張するな〜』とミワは話した。『何店舗かあんねやろ?すごいな〜』

    IP強制表示中:124.146.175.201
    2010-09-07 22:48:00
  • 359:

    名無しさん

    ワクワク?

    IP強制表示中:124.146.175.201
    2010-09-07 23:14:00
  • 360:

    名無しさん

    山崎さん?

    IP強制表示中:124.146.175.97
    2010-09-08 00:13:00
  • 361:

    名無しさん

    毎回、セックスの内容が細か過ぎへん( ̄□ ̄;)!!
    もぅちょい省略してもぃいと思うでぇ?

    IP強制表示中:124.146.174.41
    2010-09-08 08:44:00
  • 362:

    名無しさん

    細かい方がリアルな感じでいいけどなぁ〜(>_

    IP強制表示中:124.146.175.196
    2010-09-08 09:56:00
  • 363:

    名無しさん

    セックスの内容から山崎さんとかミワの感情とか表現してるとこもあるし必要やと思う!

    IP強制表示中:124.146.174.45
    2010-09-08 10:47:00
  • 364:

    大阪花子

    始めに細かく書いたので、後半につれて省略するのもな〜なんて思いながら?ご意見ありがとうございます?

    IP強制表示中:124.146.174.76
    2010-09-08 11:10:00
  • 365:

    大阪花子

    二人がマンションはマンションに着いた。インターホンを押すと落ち着いた男性の声が返事をした。42階へはロビーのインターホン、エレベーターのインターホン、フロアのインターホン。三つもインターホンがあった。『なぁなぁ各階にこんな門みたいなんあんの?』カナがミワに聞いた。『だから始めてだって』二人は42階のフロアゲージの前で呆気に取られていた。

    IP強制表示中:124.146.174.75
    2010-09-08 11:16:00
  • 366:

    大阪花子

    『ここ人も住んでんねやんな?』『うん…たぶん』『忘れもんしたら面倒なマンションやな』『あはは。そうだね…てか私らこんな格好で良かったかな?』ミワはTシャツにスキニーをはき、カナはデニムのオールインワンを着ていた。『え?今更どうしようもないからミワ、ピンポン押してや』『はいはい』ミワはインターホンを鳴らした。

    IP強制表示中:124.146.174.75
    2010-09-08 11:21:00
  • 367:

    大阪花子

    また、落ち着いた声の男性が対応をしてくれた。部屋の方へ歩いていくと部屋の前でコック姿の男性が出迎えてくれた。『いらっしゃいませ。ミワ様とカナ様でお間違えございませんか?』『はい』『お待ちしておりました。どうぞ中へ』部屋に入ると、やたらと広い大理石の玄関が二人を出迎えた。

    IP強制表示中:124.146.174.76
    2010-09-08 11:25:00
  • 368:

    大阪花子

    『お料理はオーナーの方から連絡がございましたので、そちらでご用意させて頂きます。何か苦手な食材等はございますか?』インターホンで会話した時に想像していた人物像と全く同じ人がそこにいた。長いコック帽に白い調理服、優しそうな顔には白髪混じりの口髭が生えていた。

    IP強制表示中:124.146.174.76
    2010-09-08 11:33:00
  • 369:

    大阪花子

    二人が席につくと食前酒にシャンパンが注がれた。『オーナーのお気に入りなんですよ』と注がれた、そのシャンパンは甘くて飲みやすく二人はそれで喉の渇きを潤した。『山崎さん、すごいな』カナはテーブルに頬杖を付いた。『うん…』ミワには、いつも一緒にいる山崎が遠い存在に思えた。

    IP強制表示中:124.146.174.75
    2010-09-08 11:36:00
  • 370:

    大阪花子

    『オーナーか…』ぼそっと呟いたミワにカナが『だから何なん?』とニコッと笑いかけた。『だよね』ミワも笑顔を返す。(そう!そう!無力を悔やむ前に、努力の無さを恥じなさいだったよね。今の自分と山崎さんを比べること自体失礼よ。)

    IP強制表示中:124.146.174.76
    2010-09-08 11:39:00
  • 371:

    大阪花子

    二人の食べるスピードに合わせて料理は運ばれてきた。『一人やのに、何か余裕やな』カナがミワにこっそり話す。『全部美味しいね』そんな他愛のない話をしていると突然カナが『昨日久々泣いたわ』と話し出した。ミワは食事の手を止めた。『もうさ子供も理解しちゃう年頃やったし、私も結婚に憧れあったりもするやん?!これから先一緒にいたところで今が続くだけやからな。好きな人出来たって言ってん。じゃあ、そっかぁ良かったな。やってさ。出て行った後、一気に涙出たわ』

    IP強制表示中:124.146.174.75
    2010-09-08 12:01:00
  • 372:

    大阪花子

    ミワはひたすら食べつづけるカナを見つめた。カナは姐御肌でサバサバしているように見えるが実は甘えたなのをミワは知っている。割り切ったモノの言い方をしていても部長が大好きで仕方ないのもミワは重々理解していた。きっと沢山悩んだろう。タケシやタケシの母親の事でいっぱいいっぱいで気付いてやれなかった事をミワは申し訳なく思った。『よく頑張りました』ミワにはその言葉が適切かどうか解らなかった。それでもカナはその言葉を聞くとポロポロと涙を流した。

    IP強制表示中:124.146.174.76
    2010-09-08 12:11:00
  • 373:

    大阪花子

    『何が頑張りましたやねん!』泣き笑いするカナを『不細工なってるよ』とミワはからかった。食事を済ませ、デザートの準備がされ出した時だった。玄関が開く音がした。(山崎さん…)ミワは鼓動が早まるのを感じた。カナは慌てて鏡で自分の顔を確認した。

    IP強制表示中:124.146.174.76
    2010-09-08 12:14:00
  • 374:

    大阪花子

    『いらっしゃい』そこが寿司屋にでも変わってしまう程の元気よさで山崎がリビングに顔を出した。『山崎さん』ミワは自然と笑顔がこぼれる自分が少し不謹慎に思えた。『お邪魔してます』カナが席を立ち挨拶すると『初めまして。山崎です。カナさんだよね?いつもミワがお世話になってます』と山崎が頭を下げた。

    IP強制表示中:124.146.174.75
    2010-09-08 12:18:00
  • 375:

    大阪花子

    山崎の言葉に顔を赤らめたミワは手元のワインを一気に飲んだ。『わっかりやす』カナが呆れた顔でミワを見て笑った。状況が掴めない山崎は『あれ?ミワちゃん何?やけ酒?』と不思議がっている。『オーナーご無沙汰しております』そんなやり取りをしているとキッチンからシェフが挨拶に来た。『あっ!国さん。ごめんね。無理言って』山崎はまるで親戚の叔父さんに話す子供のように無邪気に笑う。

    IP強制表示中:124.146.174.75
    2010-09-08 12:23:00
  • 376:

    大阪花子

    『いえいえ。素敵なガールフレンドで。料理のしがいがありました』そう言うと国さんと呼ばれるシェフはキッチンに戻って行った。『国さんは、あぁ見えてもフランスの三ツ星レストランで若くして総料理長にまでなった人でね。僕がレストランを始める時に通いに通って口説きに口説いて来て貰ったんだ。店も落ち着いたし、国さんの夢だったプライベートレストランを二年前にオープンさしたんだ。さすがに店を空には出来ないから、ここは予約制で毎日してないけど、結構評判いいよ』山崎は嬉しそうに話した。

    IP強制表示中:124.146.174.76
    2010-09-08 12:30:00
  • 377:

    大阪花子

    『どれも美味しかったよ。ね?カナ』『はい。本当に』二人の反応に山崎は更に嬉しそうに笑った。『べろべろの二人は僕が責任持って送るから、たんと飲んでいいよ』『はぁーい』

    IP強制表示中:124.146.174.75
    2010-09-08 12:32:00
  • 378:

    名無しさん

    山崎サンいいわ〜?
    こんなレストラン行きたい?

    IP強制表示中:124.146.174.45
    2010-09-08 13:36:00
  • 379:

    名無しさん

    ほんま山崎さんやばいわぁ〜こんな人に愛されたら幸せやろなぁ〜

    IP強制表示中:210.153.86.131
    2010-09-08 13:45:00
  • 380:

    大阪花子

    ありがとうございます?そう思ってもらえたら嬉しいです!

    IP強制表示中:124.146.175.109
    2010-09-08 18:14:00
  • 381:

    大阪花子

    デザートまでを済ませると国さんは新地の店に顔を出すと言って、マンションを後にした。山崎は国さんを見送ると『僕も席を外すから後で連絡して。迎えにくるから』そう言う山崎にカナが『山崎さん!気使わんとって下さい。オチのない話ですけど聞かれてマズイ話じゃないから』と山崎を引き止めた。

    IP強制表示中:124.146.175.203
    2010-09-08 18:23:00
  • 382:

    大阪花子

    山崎はミワを見た。『カナもこう言ってるから』とミワは山崎を手招きした。それから2時間くらい、カナは部長との出会いから別れを延々と語った。その間にワインは二本空いた。『まだ月曜やし帰るで』語り疲れたカナは立ち上がると二人に帰る支度をするよう急かした。

    IP強制表示中:210.153.86.33
    2010-09-08 18:30:00
  • 383:

    大阪花子

    素面の山崎とほろ酔いのミワは泥酔のカナを担いで車へ乗り込んだ。『部長〜部長』カナは後部座席に座りミワに抱き着きながら泣いた。カナを部屋に運ぶと山崎は玄関の外でミワを待った。『カナ寝た』そう思ってミワが出てきた。『帰ろっか?』『はい』ミワの家へと向かう間、ワカナの事を二人は話した。

    IP強制表示中:124.146.175.193
    2010-09-08 18:45:00
  • 384:

    大阪花子

    『あれから電話ないの?』『うん。全く。私から何回もかけるのもな〜て思ってほったらかしになってる』『ミワちゃんの人の良さに付け込もうとしたんだろけどな』『うーん』『とりあえず様子見なきゃ解らないね。何しだすか予想もつかない』『うーん』ミワはどこかでワカナを悪く思えずにいた。

    IP強制表示中:124.146.175.195
    2010-09-08 18:51:00
  • 385:

    大阪花子

    金曜日、ミワが出勤すると店はワカナのお客さんでいっぱいだった。『今日は言うわよ』ママはリストでタバコを吹かして言った。ミワはかかってくる電話すべてに『今、満席なの。チェック出たら電話します』と謝った。ワカナの席にミワが着くと決まってシャンパンが追加された。

    IP強制表示中:210.153.86.43
    2010-09-08 18:54:00
  • 386:

    大阪花子

    『ワカナ、ミワさん大好きなの』そうお客さんに嬉しそうにワカナが話すと『ワカナが可愛がってもらってるんなら奮発しなきゃな』お客さんは決まってそう言った。ひと席、ふた席…三席目をヘルプで回った時にミワは気付いた。(狙われてる)それでもミワは『ありがとうございます。頂きます』とシャンパンを飲んだ。

    IP強制表示中:124.146.175.193
    2010-09-08 18:57:00
  • 387:

    大阪花子

    ワカナが席を立った時だった。『君、今日アフター行かない?』50前くらいのサラリーマンがミワを誘った。『すみません。せっかくですけど…それにワカナちゃんに声かけないと』ミワが笑顔で交わそうとすると『お酒足りないの?』とサラリーマンは聞いてきた。『え?もう結構酔ってますよ?あはは』するとミワの太ももに手を当てて『先約かな?アフターいつならいいの?』

    IP強制表示中:124.146.175.194
    2010-09-08 19:02:00
  • 388:

    大阪花子

    12時を過ぎてもワカナのお客さんは帰ろうとしない。見兼ねたママがワカナに声をかけた。

    IP強制表示中:124.146.174.49
    2010-09-08 19:39:00
  • 389:

    大阪花子

    『ワカナちゃん、ごめんね。明日もあるし、今日のところはチェック出ないかしら?他のお客様が利用出来ないから。席数少なくて申し訳ないけど』ワカナは少しキョトンとして『せっかく楽しんでるお客様にそんなこと言えません』目に涙を浮かべてワカナはママに反論した。

    IP強制表示中:124.146.175.225
    2010-09-08 21:21:00
  • 390:

    大阪花子

    呆れたママは『貴女が言えないなら私が言うわ。お客様は今いる方々だけじゃないでしょ?皆様に楽しんでもらってこそ、ここはあるのよ』と、ワカナを律した。『ごめんなさい…』そういうとワカナは数名のチェックを出した。

    IP強制表示中:124.146.174.38
    2010-09-08 21:36:00
  • 391:

    大阪花子

    それを待ちわびていたかの様に、すぐに席は埋まった。『ママ、儲かってしゃーないやろ』お客さんが口々に言う。ママもお客さんの手前、笑顔でワカナをたてた。ミワがトイレに行くとワカナがリストから声をかけた。『私のお客さんに変な事言わないで下さい』ミワは自分の耳を疑った。

    IP強制表示中:124.146.174.37
    2010-09-08 21:40:00
  • 392:

    大阪花子

    『何が?』ミワは口調がきつくなってしまった。『私、何もしてないのに』ワカナがいきなり泣き崩れた。小さい店にワカナの声が響いた。ママが慌てて飛んできた。『なんなの?一体どうしたの?』ミワは足元でうずくまるワカナをただ呆然と見つめた。(この子、何がしたいの?)

    IP強制表示中:124.146.174.37
    2010-09-08 21:46:00
  • 393:

    名無しさん

    わ、ワカナー???

    IP強制表示中:124.146.175.97
    2010-09-08 23:39:00
  • 394:

    大阪花子

    ママはワカナを立ち上がらせると炊事場の中へ連れて行った。ミワはそのままトイレに入った。(なんなの今日…意味が解らない)自分に起きている出来事が理解出来ず腹立たしさだけが先行した。プルプル…ママの携帯が鳴っているのが聞こえた。『山崎さんだ…』ミワは思わず泣きそうになったのを堪えて外に出た。

    IP強制表示中:124.146.174.36
    2010-09-09 00:18:00
  • 395:

    大阪花子

    常連席にミワは着いた。『新人いびったったらアカンやんミワちゃん』お客さんはミワをからかった。『ミワちゃんがそんなことするわけないやん!ねぇ?何かの勘違いちがう?』店の女の子はその場を繋ぐ。ミワはただ笑ってごまかすしか出来なかった。ただ、ひたすら突き刺さるワカナのお客さんの視線がミワには腹立たしくてならなかった。

    IP強制表示中:124.146.174.35
    2010-09-09 00:21:00
  • 396:

    名無しさん

    主さん、マメに書いてくれて、ありがとうございます。いつも楽しみに読んでます?

    IP強制表示中:124.146.175.231
    2010-09-09 00:30:00
  • 397:

    大阪花子

    ありがとうございます?そう言ってもらえたら自己満足が報われる感じします(笑)

    IP強制表示中:124.146.174.35
    2010-09-09 00:31:00
  • 398:

    名無しさん

    ワカナ腹たって寝られへん!

    IP強制表示中:124.146.175.103
    2010-09-09 01:05:00
  • 399:

    大阪花子

    ありがとうございます?楽しんで貰えてたら書き甲斐あります。

    IP強制表示中:124.146.175.73
    2010-09-09 11:14:00
  • 400:

    大阪花子

    『はじめて四人でアフターに行った日。ワカナ、一人で先に帰ったやろ?あれ、自宅やなくて、俺の家にやねん。恥ずかしいから別々に帰ろってとワカナが言ってな。家に母親おんねんけど病気してもてな。ワカナその日以来、毎日のように家に来てはご飯作って母親の相手してくれたんや。そんな中でミワちゃんの事も相談された。俺も初めてミワちゃん見た時に受けた感じとワカナの話にギャップ感じてんけど…』

    IP強制表示中:124.146.175.74
    2010-09-09 11:59:00
  • 401:

    名無しさん

    これホンマはまった?
    主さん、楽しみしてます?

    IP強制表示中:124.146.174.34
    2010-09-09 12:59:00
  • 402:

    名無しさん

    ワカナにガツンとミワ言うて欲しいわ〜

    IP強制表示中:124.146.175.206
    2010-09-09 14:13:00
  • 403:

    大阪花子

    ありがとうございます?嬉しいです?

    IP強制表示中:124.146.174.70
    2010-09-09 16:09:00
  • 404:

    大阪花子

    その日、ミワは自分のマンションに帰った。タクシーを降りてマンション前まで送ってくれた山崎はミワに『無理矢理に辞めさすつもりはないけど、頑張り過ぎなくていいんじゃないかな?』と話した。ミワは俯いて『考える』とだけ答えた。

    IP強制表示中:124.146.174.70
    2010-09-09 16:13:00
  • 405:

    大阪花子

    もともと友達に誘われて始めたアルバイト。どっぷりはまることもなく、自分では気楽に働いてるつもりだった。そこで山崎とも知り合えた。本当なら知り合う事のない人だった。山崎といて、好きになればなるほど自分のちっぽけさが恥ずかしくなった。何か変えたい…変わりたい。いつしかミワはそう思う様になっていた。ここ最近、普段あまりしなかった客電や、新規客へのアプローチも自然とするようになっていた。

    IP強制表示中:124.146.174.69
    2010-09-09 16:17:00
  • 406:

    大阪花子

    『そりゃ、嫌だよね』ミワはベットに倒れ込み呟いた。『頑張るって何?』そのまま寝入ってしまった。この日の土曜日は、タケシの母親とジムに行く約束をしていた。ミワは髪を軽く束ねると化粧もせずに家を出た。都会に出なきゃ!という、タケシの母親の意向でジムはミワの家の近所の所に決めた。

    IP強制表示中:124.146.174.69
    2010-09-09 16:22:00
  • 407:

    大阪花子

    二人は申し込みを済ませるとヨガレッスンに参加した。気合い十分のタケシの母親はミワよりも身体が柔らかく、聞けば自主トレをしてきたらしい。ミワは元気なタケシの母親の姿にホッとした。1時間半程、ジムで汗を流した後、二人は近くの喫茶店でお茶をした。『動いてすぐは食べたアカンらしいわ!太りやすなるねんて』『おばちゃん予習もバッチリね』楽しそうなタケシの母親を見てミワは自然と元気が出てきた。

    IP強制表示中:124.146.174.69
    2010-09-09 16:26:00
  • 408:

    大阪花子

    『なぁミワちゃん?何かあったら相談してや?』タケシの母親の言葉にミワは驚いた。『何も力になれんけど話してスッキリすることもあるんちがう?』ミワはタケシの母親の言葉に導かれ少しづつ話し出した。『私ね、仕事もコネで入ったでしょ?それなりに働いて、そのうち結婚して…て夢なんてないの。でもね、近くに自分ってものをちゃんと持って頑張ってる人がいると憧れる反面、辛くなる。自分の小ささを思い知る感じで。じゃあ何かしようってなっても何がしたいってないから私…ダメダメだな〜て』

    IP強制表示中:124.146.174.69
    2010-09-09 16:31:00
  • 409:

    大阪花子

    『素敵な彼氏と一緒になったんやね?ちょっと安心したわ』『え?』ミワは不思議そうにタケシの母親を見た。『昔、それこそタケシとまだ居ててくれた時にタケシがよう言うてたんよ。「ミワは人当たりいいし、賢いからな、もっと自分ってものを信じてほしいねんけど俺が気付かしてやれてないんやな〜」て酔っ払ったタケシの口癖やってんよ』ミワは心が熱くなった。『手当たり次第なんでも挑戦してみたら?失敗したかて若いやない!仕事じゃなくても趣味でも何でも、何かに一生懸命な人は誰が見たかて輝いて見えるで?』そんなタケシの母親がミワには眩しい程、輝いて見えた。『ありがとう。おばちゃん』

    IP強制表示中:124.146.174.69
    2010-09-09 16:37:00
  • 410:

    大阪花子

    タケシは自分よりもずっと先に気付いてくれていた。いつか自分の小ささにミワが悩む事を。ミワは改めてタケシに『ありがとう』と心から思った。そして、自分を見直すきっかけとなった山崎に心から思った。『ありがとう。私、あなたが誇れるパートナーになりたい』

    IP強制表示中:124.146.174.70
    2010-09-09 16:41:00
  • 411:

    大阪花子

    夕方、山崎から同伴しようと連絡があったがミワは断った。その日、店に着くとミワを可愛がってくれている根本が久々に店に来ていた。『根本さん』ミワは荷物をロッカーに入れると根本のもとに喜んで駆け寄った。『元気しとったんか?相変わらずベッピンやのぉ男でも出来たか?はっはっはっ』根本は貿易会社をしていて、そのほとんどを海外で過ごしていた。『お帰りなさい。いつ中国からお戻りですか?』

    IP強制表示中:124.146.174.70
    2010-09-09 16:46:00
  • 412:

    大阪花子

    『チンティェン』根本が答えると『シーマー?!』ミワは嬉しそうに返事をした。席にいたママも嬉しそうに『二人の中国語、久しぶりに聞いたわね』と話した。《なんや忘れてへんかったんか?》《もちろん今でもたまに頂いたCD聞きますよ》二人はその後も中国語で会話をした。『もう、中国パブちゃうよ〜』ママがおどけて二人に突っ込んだ。『すねんなママ!はっはっはっ』ミワが初めて根本にあったのはアルバイト初日だった。その日、たまたま中国帰りだった根本はミワに中国語会話のCDをあげた。なんとなく会社の行き帰りにミワはそれを聞き、簡単な会話が出来るまでになった。

    IP強制表示中:124.146.174.69
    2010-09-09 16:53:00
  • 413:

    大阪花子

    そんな懐かしい話をしていると根本が突然ママに言った。『せやけど、なんや飲みにくなったな〜この店』ママは驚いて根本に聞く『え!?何か粗相ありました?』『ちゃうちゃう!何やサラっと飲んでパッと楽しんでが良かったのに抜きものバンバン下りるは客に色目使うわ。どないなっとんねん』ママは気まずそうに『すみません…』と答えた。

    IP強制表示中:124.146.174.69
    2010-09-09 16:57:00
  • 414:

    大阪花子

    豪快を絵に描いた様な根本は『はっはっはっ』と笑った。ママは『誰がババーよ!』と根本に突っ込んだ後、『すみません。ありがとうございます』と頭を下げた。ミワは言われた通り退屈そうに飲む馴染みのお客さんの席にグラスを持って顔を出した。『いらっしゃいませ〜』

    IP強制表示中:124.146.174.70
    2010-09-09 17:04:00
  • 415:

    大阪花子

    その時、いつもは電話をかけてから来る山崎が連絡もなく店に現れた。入口近くにいた女の子が対応する。ミワは『いらっしゃいませ』と声をかけ、馴染み客の相手を続けた。『なんや今日は着いてくれんのんか?いつも彼氏しか相手せんくせにぃ』お客さんがミワをからかう。『彼氏なんていっぱいいてて誰の事か分からないや』ミワは舌を出してはにかんだ。『あはは!こりゃ怖いな。俺らも気を付けな』その席が一気に華やいだ。

    IP強制表示中:124.146.174.69
    2010-09-09 17:10:00
  • 416:

    大阪花子

    山崎は入口近くの席に腰をかけ、奥にいるミワの後ろ姿を眺めた。その隣でママが根本の席から山崎に挨拶をした。そんなママに『ミワはええよ。花がある。何ってなくてもおるだけで、回りが明るなる』と根本が話した。『そうですね』そんな会話を聞いてか聞かずか、『やっぱりいっぱい男おんねんな…』どこかでそんな声がした。ミワは聞こえない振りをし自分の席に集中しようとした。

    IP強制表示中:124.146.174.70
    2010-09-09 17:14:00
  • 417:

    大阪花子

    小さい店だ、気にしたら隣の会話など丸聞こえだった。山崎は店内を見渡しワカナの席を睨んだ。その時だった、根本がワカナの席の前に立ち『飲み方しらんのやったら、飲みにくんな馬鹿者』と五万円をテーブルに置いて席に戻った。ワカナのお客さんは気まずくなったのか、それからすぐにチェックを出した。

    IP強制表示中:124.146.174.70
    2010-09-09 17:18:00
  • 418:

    大阪花子

    それから店は何事もなかったかのように賑わいを取り戻した。静まり返っていた馴染み客の席も賑やかに飲みだし、ミワは根本の席に戻った。『根本さんったら、あんなのいいのに』ミワは根本にそう言うと『わしだけちゃうわ。皆、気悪いやろが、あんなん。ママかて言いにくいやろし、付いてる女は気が利かんし。わしたまにしか来えへんし』と根本は大声で笑った。

    IP強制表示中:124.146.174.69
    2010-09-09 17:21:00
  • 419:

    大阪花子

    『ありがとう』ミワが笑顔で答えると根本は『行ったらんと心配しよるで』と山崎の方に目を動かした。ミワがびっくりすると『わしが行かんかったら、あっこの兄ちゃんが行っとった思うで?はっはっはっ』と笑った。

    IP強制表示中:124.146.174.69
    2010-09-09 17:24:00
  • 420:

    大阪花子

    ミワが山崎の席に着くと山崎は珍しくビールを飲んでいた。『山崎さん、ビールってめずらしいね?』ミワが笑顔でお酌をする。『僕も酔いたい時があるの。たまにはね』そう言って山崎は注がれたビールを一気に喉に流し込んだ。根本の席にチェックが出たのでミワは山崎に声をかけ、根本の席に戻った。

    IP強制表示中:124.146.174.15
    2010-09-09 17:51:00
  • 421:

    大阪花子

    その日、山崎は慣れないビールを飲んだせいで酔うのが早かった。『山崎さん、お水にする?』『しない』『何かあったの?』『今日は誰かと同伴だったの?』『違うけど…』『じゃあなんで?』山崎がこういう質問をするのは珍しかった。『何か私の都合で働いてるのに、山崎さんに無理させたくなくて…』ミワは申し訳なさそうに言った。

    IP強制表示中:124.146.174.16
    2010-09-09 18:17:00
  • 422:

    大阪花子

    『僕は金づるにされてる訳じゃないから。ミワちゃんに会いたいから会いに来てるし、ご飯を一緒に食べたいから誘うの。それが店があるから無理ってなれば店に来たらいいだけの話だろ?』少し熱くなりかけた山崎はミワの注いでくれた水を飲んだ。ミワは何も言わずに山崎を見た。『ミワちゃん守ったのも僕じゃなくて、さっきのおじさんだし』山崎がぼやくのを聞いてミワは笑った。

    IP強制表示中:124.146.174.16
    2010-09-09 18:29:00
  • 423:

    大阪花子

    ミワは根本の話を思い出した。“わしが行かんかったら、あっこの兄ちゃんが行っとった思うで”『ありがとう』ミワは山崎の横顔にお礼を言った。土曜日はお客さんの引きも早くワカナは案の定、アフターに出た。珍しく最後までいた山崎はママをアフターに誘った。

    IP強制表示中:124.146.174.15
    2010-09-09 18:33:00
  • 424:

    大阪花子

    いつものバーに三人は向かった。席に着くとママはミワに頭を下げた。『嫌な思いしたでしょ?ごめんなさい。ワカナちゃんには辞めてもらおうと思ってるから』『ママのせいじゃないし。頭上げてよ?』ミワはママを宥めた。そんなやり取りを聞きながら山崎が口を開いた。『店にとっての本当の利益を見失ってない?ママ。ちょっとはワカナの売上に心躍らせるのも解るけどね』『ちょっと山崎さん!』ミワは山崎の腕を掴んだ。

    IP強制表示中:124.146.174.16
    2010-09-09 18:38:00
  • 425:

    大阪花子

    『そうね。根本さんにも似た事言われたわ。もうろくババアになるとこだったね』ママはため息をついた。『まぁワカナがあそこまで明らさまに嫌がらせするとは思わないけどね普通…』山崎もため息をついた。ミワは黙ってワカナの気持ちを考えた。(私がいなくなったところで振り向いて貰えるかさえ分からない相手のために、なんでそこまで?)

    IP強制表示中:124.146.174.16
    2010-09-09 18:43:00
  • 426:

    大阪花子

    1時間ほど飲んだ後でママは先にバーを出た。ミワと山崎は酔いを冷ますために少し歩く事にした。『そう言えば、この近くに綺麗なラブホテルが出来たってカナが言ってたな〜』ミワが何も考えずに言うと『誘ってるんですかミワ様』と山崎にからかわれた。『あれじゃない?ちょっと前までなかったし…』山崎が指指す方へ二人は目をやり言葉を失った。

    IP強制表示中:124.146.174.15
    2010-09-09 18:47:00
  • 427:

    大阪花子

    この前とよく似た光景がそこにはあった。ホテルの入口から出てきたワカナと、そのお客さんは少し離れた所にいる二人に全く気づくことなく反対へと歩いて行った。ワカナのお客さんが前を歩くワカナの手を引きワカナを抱き寄せた時だった。お客さんの肩からワカナの大きな目がこちらを見た。人通りの少ない路地でそのお客さんはワカナの首筋に吸い付きながら胸を揉む姿が離れた所からでも、よく分かった。

    IP強制表示中:124.146.174.16
    2010-09-09 18:52:00
  • 428:

    大阪花子

    『もぅ今日はたくさんしたでしょ…』ワカナは目線を反らすことなく、お客さんに言った。ミワはワカナの目線が確かに山崎を見つめているのが分かって、山崎の手を掴んで道を引き返した。ツカツカ歩くミワの頭にお客さんにもてあそばれながらも、無表情なワカナの顔が浮かぶ。『おかしいよ』思わず叫んだ自分に驚いて足を止めた。

    IP強制表示中:124.146.174.15
    2010-09-09 18:56:00
  • 429:

    大阪花子

    『山崎さん、ここにいて』そう言うとミワは走って引き返した。山崎は驚きながらもミワを追った。お客さんに手を引かれ再びホテルに入ろうとするワカナにミワは声をかけた。『ワカナちゃん!』お客さんはびっくりした顔でミワを見た後で、そのままホテルに入ろうとした。ミワは慌ててワカナの手を引っ張って『お客さん!私、この子に話あるの』と言った。『ミワちゃん?!』山崎がミワを呼ぶ。

    IP強制表示中:124.146.174.16
    2010-09-09 19:00:00
  • 430:

    大阪花子

    ワカナはそんなミワに『邪魔しないで下さい』と言い手を掃った。ホテルに入ろうとするワカナの手を山崎が引っ張り、お客さんに『ちょっと借りますね』とワカナを連れて行った。ミワはそのお客さんにお辞儀をし二人の後に着いて歩いた。ワカナの手を引く山崎の姿を見ると少し心が痛かった。少し歩くと山崎は足を止めた。

    IP強制表示中:124.146.174.15
    2010-09-09 19:03:00
  • 431:

    大阪花子

    『君を助けたわけじゃない。ミワちゃんを助けたんだ。勘違いしないでほしい』山崎はワカナに言った。ワカナはミワの方を振り返ると『嘘つき…』と呟いた。『ごめんね隠してて。店の人にも変な気を使わせたくなくて、ママ以外には黙ってるの』ミワはワカナに謝った。『私が山崎さんのこと好きって聞いて笑ったんでしょ』ワカナは無表情のままだった。

    IP強制表示中:124.146.174.15
    2010-09-09 19:07:00
  • 432:

    大阪花子

    『そんなこと…』ミワが説明するのを遮ってワカナは言った。『私、諦めませんから。どうしても山崎さんと別れないって言うなら店にいられなくなっても私、あなたを追い詰めるから』山崎が口を開く。『おいおい!君都合もいいとこだな。例えミワちゃんと別れても君とどうこうならないよ僕は』それを聞いてワカナはクスリと笑った。

    IP強制表示中:124.146.174.16
    2010-09-09 19:12:00
  • 433:

    大阪花子

    『私、諦めませんから』ワカナはそれだけ言うと二人を無視して電話をかけ出した。二人は呆然と立ち尽くし、ワカナを見ていた。『もしもし?ヤス君?今どこ?今日会えない?ううん。大丈夫な日よ。うん。じゃあ行くね』電話を切るとワカナは二人を見て『貴方さえいたら、こんなことにならなかった』そう言うと走ってタクシーを拾いに行った。

    IP強制表示中:124.146.174.15
    2010-09-09 19:17:00
  • 434:

    名無しさん

    どうなるん?

    IP強制表示中:124.146.175.201
    2010-09-09 20:38:00
  • 435:

    名無しさん

    主サンいつも更新ありがとです?
    ドキドキしながら読んでます?続きまた待ってます?

    IP強制表示中:210.136.161.76
    2010-09-10 01:11:00
  • 436:

    大阪花子

    ありがとうございます?

    IP強制表示中:124.146.175.202
    2010-09-10 06:24:00
  • 437:

    大阪花子

    あまりに衝撃的な夜を過ごしたミワは、その日も一人で部屋に帰った。『なんか一睡も出来なかったな…』ベットに横たわったまま朝を迎えた。ミワはのそっと起き上がると、部屋の掃除を始めた。何かしてないと頭がワカナのことでいっぱいになる自分が嫌だった。『山崎さんも…かな?』自分と同様、どんな形であれ山崎の思考を他人が埋めることにミワはヤキモキをやいた。それと同時にそんな自分が嫌になった。

    IP強制表示中:124.146.175.202
    2010-09-10 06:28:00
  • 438:

    大阪花子

    ミワの携帯が鳴った。『山崎さんかな?』鞄に入れっぱなしだった携帯を取り出すと着信は【ワカナ】だった。ミワは先週の鬼の様な着信履歴を思い出した。『もしもし?』電話の向こうでワカナは泣いていた。助けて…ミワはとっさに場所を聞きワカナの元へ向かった。向かう途中、タクシーの中であまりに無防備な自分の姿に気付いたが、ワカナがいるという難波のタワーマンションまでタクシーを飛ばした。

    IP強制表示中:124.146.174.66
    2010-09-10 10:19:00
  • 439:

    大阪花子

    Tシャツに短パン。すっぴんにお団子頭のミワはマンション前でワカナに電話をした。何度かけてもワカナは出なかった。マンションに入りたくてもオートロックが邪魔して入れない。『どうしよう…』ワカナの助けては何かの罠かも知れない。でも、電話のワカナは確かに怯え泣いていた様に思えた。ミワは念の為に山崎に電話をかけた。

    IP強制表示中:124.146.174.66
    2010-09-10 10:23:00
  • 440:

    大阪花子

    『10時か…仕事中かな?』山崎は電話に出なかった。【ワカナちゃんから連絡がありました。助けてって泣いてたから、彼女のところへ行ってみます?場所は難波の○○マンション3205です。連絡くれたら嬉しいです?】ミワがメールを打っているとマンションの住人がコンビニ袋を持ってマンションに帰ってきた。

    IP強制表示中:124.146.174.65
    2010-09-10 10:27:00
  • 441:

    大阪花子

    ミワはその人と一緒にマンションへ入りエレベーターに乗り込んだ。部屋の前まで来て携帯を見たが山崎からの連絡はなかった。『大丈夫、大丈夫…』ミワは恐る恐るインターホンに指を伸ばした。ピピピ…メールの着信音にミワは喜び携帯を見た。『楽天…』ミワは肩を落とした。『期待させないでよバカ!何回、配信停止しても来るんだから!』怒りそのままにインターホンを押す。

    IP強制表示中:124.146.174.66
    2010-09-10 10:31:00
  • 442:

    大阪花子

    誰も出ない。ミワは扉を開けてみた。すると扉は開いた。『あの〜』中に声をかけてみるが返答がない。『誰かいますか?』ワカナにからかわれただけなのかなと思った、その時だった『あぁ…』ワカナの悲鳴にも似た声がしてミワはとっさに中へと入った。靴のまま慌てて玄関を抜け部屋へ入ったミワは言葉をなくした。

    IP強制表示中:124.146.174.66
    2010-09-10 10:35:00
  • 443:

    大阪花子

    目の前に確かにワカナはいた。けれどミワはガク然として動けずにいた。手足をロープで縛られカーテンの前に貼付けられた裸のワカナの陰部にはおもちゃが刺さっていて、ワカナは半笑いを浮かべながら身体をビクビク反応させていた。ワカナの足元は水溜まりが出来ていた。ミワに気付いたワカナが顔を上げた。『もう…死んじゃう…』

    IP強制表示中:124.146.174.65
    2010-09-10 10:46:00
  • 444:

    大阪花子

    ミワは全く状況が理解できないままワカナの陰部のおもちゃを抜き、手足に結ばれていたロープを解いた。『大丈夫?』ミワが聞くと床にぐったり倒れこんだワカナがミワを見上げて『電話したお仕置きです』と言った。『人ん家、土足は勘弁してや?』しゃがれた男の声にミワは心臓が飛び出す程驚いた。振り返ると奥の寝室に若い男が座っていた。

    IP強制表示中:124.146.174.66
    2010-09-10 10:51:00
  • 445:

    大阪花子

    『あなた一体ワカナちゃんに何したのよ』ミワは怖いのを堪えて男に叫んだ。『勘弁してよ。俺はそこの女に頼まれてしてんねんから。ほら、見てみや?』ブーンブーン…ミワは隣でうずくまるワカナを見て言葉を失った。ワカナは自らおもちゃを陰部に当て身体を波打たせていた。『ワカナちゃん?!』『気持ちいいの…ぁあン…ぁはぁン』うずくまったままワカナは身体をビクビクさせた。

    IP強制表示中:124.146.174.65
    2010-09-10 10:57:00
  • 446:

    大阪花子

    『ワカナちゃん何してるの?!』ミワがワカナを止めようとすると、男は『無駄無駄!一回スイッチ入ると気絶するまでいかないと止まんないから。いいもん見せたるわ』と言ってミワを寝室に手招きした。ミワが恐る恐る寝室に入ると男はミワの少し右を指を差した。男の指差すほうへミワが振り返ると、テレビの中でワカナが悶える姿が映っていた。

    IP強制表示中:124.146.174.65
    2010-09-10 11:02:00
  • 447:

    大阪花子

    無音のそれでも、ワカナが喘ぎ悶える様は異様な様子だった。『何これ…?』 男は『ハメ撮り』と言うとリモコンで違う映像を映した。手を頭の上で縛られ、大きく開くワカナの陰部をおもちゃが刺激していた。無音の映像でもワカナの口が『もっと、もっと』と言っているのが分かった。『もういい!』ミワが男にそう言うと男はテレビを消した。

    IP強制表示中:124.146.174.65
    2010-09-10 11:08:00
  • 448:

    大阪花子

    怒りと、絶望、恐怖と軽蔑感。全てを受け入れることが出来ずミワは涙をこぼした。『あいつ壊れてもうてるから』男は言った。『どういう意味?』ミワが男を睨みつけると、男は再びテレビをつけた。その瞬間、ミワは鳥肌が立った。再びつけられたテレビは無音ではなく音声が流れていた。その中でワカナはひたすらに喘ぎ悶えていた。『山崎さん!ぁあン…山崎っさぁん!もっとしてぇ……山崎っさぁん!もっともっとぉ…山崎っさぁん…ぁあン』

    IP強制表示中:124.146.174.66
    2010-09-10 11:13:00
  • 449:

    大阪花子

    ミワはテレビの主電源を切った。隣の部屋からテレビと同じ声がした。ミワはその場にへたりこんだ。『セックス依存症…山崎依存症ってとこかな』と、男は言った。ミワは座りこんだ、その場でワカナの声を聞いていた。『山崎さん!山崎さん!』何度も山崎を呼び、果てるワカナの声がピタリと止んだ。『終わったで』男はそう言って、隣の部屋で気絶していたワカナを抱えて寝室のベットに横たわらせた。

    IP強制表示中:124.146.174.66
    2010-09-10 11:18:00
  • 450:

    大阪花子

    『こいつ客ともやりまくってるやろ?流石に客に山崎とは言えんのかして、たまにこんなんなりよるねん。セックスして快楽は感じれてもストレス貯まんのかしてな。あんた山崎って男知ってんの?』『え?』ミワは返答出来なかった。『山崎の女か…』男はため息をついて『なんで、あんた呼んだんやろな?こいつ』そう言ってワカナを見つめた。

    IP強制表示中:124.146.174.65
    2010-09-10 11:22:00
  • 451:

    大阪花子

    『あなたは?』ミワが男を見上げると『あ?俺?こいつのセフレ。クラブでナンパして…二年くらいなるかな?始めてやってる最中に他の男の名前言われた時はビビったけどな』そう言って男は笑った。『好きなの?』そうミワが聞くと『嫌いやったら、こんないかれた女と付き合いせんで』と男は言った。

    IP強制表示中:124.146.174.65
    2010-09-10 11:28:00
  • 452:

    大阪花子

    ミワは部屋を出た。ワカナが何のためにミワを呼んだのか?ミワには予想がつかなかった。(私にどれだけ山崎さんが好きかを見せたかったのかな?)とぼとぼと歩いていると携帯がなった。プルプル…【山崎さん】ミワは着信が止むのを待った。『なんて言おう…あんな姿、ワカナちゃんだって知られたくないよね…でもからかわれただけなんて嘘はワカナちゃんを悪者にするし…いなかった何て言ったら山崎さんだって心配するだろうしな』

    IP強制表示中:210.136.161.72
    2010-09-10 14:20:00
  • 453:

    大阪花子

    それからも山崎からの着信があったがミワは出なかった。【今どこ?】メールにも何て返せばいいのか分からず返事をしないでいた。ミワはそのまま心斎橋まで歩いた。『あっ』いつか来た占いの館の前まで来ていた。ミワは何となく中へ吸い込まれる様に入っていった。

    IP強制表示中:210.136.161.71
    2010-09-10 14:23:00
  • 454:

    大阪花子

    受付でヨシワを指名した。『お客さんラッキーですよ!今、キャンセル出たばかりでキャンセルなかったら予約完済だったんですよ』ミワはいつかの事を思い出した。(そういう風に売り込む作戦なのかな?)そうこうしているとミワの番が回って来た。部屋に入ると『お久しぶりね』とヨシワが声をかけた。

    IP強制表示中:210.136.161.72
    2010-09-10 14:30:00
  • 455:

    大阪花子

    『お久しぶりです』そう言ってミワはヨシワに手の平を差し出した。するとヨシワは以前と同じ調子で淡々と話し出した。『あらまぁ苦労したわね。でも大丈夫!貴女を思って空から見守ってくれてるから』(タケシのことだ)ミワは思った。『ただ今、貴女が首を突っ込んでることは貴女の力じゃ解決しないわ。当人同士でもう一度話し合わせなさい。ただ一筋縄じゃ済まないわよ。多分、貴女傷つくかもしれないけど、貴女の大事な人を信じなさい。それから、貴女もう少し肩の力抜きなさい。今でも十分輝いてますよ。頑張るのと意地を張るのは違います』ミワは黙って聞いていた。ヨシワには霊視能力でもあるのかな何てミワは思った。

    IP強制表示中:210.136.161.71
    2010-09-10 14:38:00
  • 456:

    大阪花子

    店を出て携帯をみると山崎から大量に着信が残されていた。留守番電話を聞くと『リノは僕が連れて帰るよ。事情は彼から聞いた。連絡くれないかな?待ってます』と山崎からのメッセージがあった。ミワは山崎にワカナの居場所を連絡しておいた事を後悔した。『どこまで、あの男は話したんだろ…ワカナちゃん傷ついたよね。ごめん』

    IP強制表示中:210.136.161.72
    2010-09-10 14:42:00
  • 457:

    大阪花子

    山崎に電話をかけると直ぐに山崎は電話に出た。『ミワちゃん今どこ?迎えに行くから』『ワカナちゃんは?』『僕の部屋にいる。僕は車にいるから一緒にはいないよ。寝てる』『そうなんだ。今は心斎橋です』『分かった』山崎は15分ほどしてミワの前に現れた。

    IP強制表示中:124.146.174.81
    2010-09-10 15:22:00
  • 458:

    大阪花子

    ミワは車に乗り込み山崎を見た。『ごめんなさい。勝手なことして』山崎は深いため息を一つついた。『君が僕に連絡しなかったのだって何となく想像はつくよ。彼に全部聞いたから。ワカナを気遣ったんだね?でもね、連絡が付かなかった間は生きた心地がしなかったよ本当に。少しは自分の事も…』山崎は声を詰まらせた。『ごめんなさい』『無事でよかった。電話出れなくてすまなかった。マナーにしていて』

    IP強制表示中:124.146.174.82
    2010-09-10 15:28:00
  • 459:

    大阪花子

    『ワカナちゃんは?』『一応、リノが寝ていると言うから彼からは部屋の外で話を聞いて一度話し合ってくれと頼まれたよ。部屋に帰るとリノは目を覚ましていて、ゆっくり話をしようと言ったら部屋がいいと。ミワちゃんも交えてって…二人きりでは何だから彼女に鍵を渡して僕は車にいた』『じゃあ、これから?』『大丈夫?』『はい。まだちょっとパニックですけど』

    IP強制表示中:124.146.174.81
    2010-09-10 15:35:00
  • 460:

    大阪花子

    二人が部屋に着くとワカナはベットに横たわっていた。『ワカナちゃん…』ミワがワカナに声をかけるとワカナは顔も上げずに話し出した。『忘れれない。山崎さんの事。誰と寝ても無理。私は子供が生めないからって言うと皆、安心して中に出したわ。色んな男の吐き出す弱さを身体に入れる度に誰かの為に生きてる気がした。大好きだった彼氏の子が欲しくてお金貯めて不妊治療もして…なのによそで子供作ったのよ、そいつ』

    IP強制表示中:124.146.174.81
    2010-09-10 15:40:00
  • 461:

    大阪花子

    山崎は黙ってソファーに腰を下ろした。ミワはベットの方でワカナの話を聞いた。『もういいわって思って客やら色んな男とした。そしたら皆私を求めた。子供が出来ない事がこんなに求められることなんだって嬉しくなった。ただ山崎さんに出会って、そういう関係になった時…』ワカナは黙ってしまった。

    IP強制表示中:124.146.174.82
    2010-09-10 15:43:00
  • 462:

    大阪花子

    沈黙が流れる。『ねぇミワさん?』『ん?』『このベットで何回したの?』『え?!』『何回も何回もいったの?私は山崎さんとヤル度に心が満たされた…でもいつしか思っちゃったの。山崎さんの子がほしいって』ミワは心が締め付けられる様に苦しくなって山崎をちらっと見た。山崎はソファーに腰をかけ俯いていた。

    IP強制表示中:124.146.174.81
    2010-09-10 15:57:00
  • 463:

    大阪花子

    『分かってたよ。山崎さんもやりたいだけって。ただ他の人と少しも違ったのは傷ついた心をごまかしてるのが私には分かったから。淋しさを共有してる気がした。』ミワは涙を止められなかった。『ミワさん。貴女が悪い人じゃないのは分かってる。会ったその時に感じた。でもね、山崎さんの愛を一身に受けてると思うと憎くて仕方なかった。惨めな自分を笑われてる気さえした。付き合ってるのは何となく分かってた。でもそれを隠す貴女を見てたら山崎さんと、秘密を共有してると思うと…』ワカナはムクッと起き上がりミワに言った。

    IP強制表示中:124.146.174.81
    2010-09-10 16:02:00
  • 464:

    名無しさん

    アララ〜?
    何か凄い事に?
    また楽しみに待ってます?

    IP強制表示中:124.146.175.226
    2010-09-10 18:41:00
  • 465:

    名無しさん

    ドキドキ?

    IP強制表示中:124.146.175.197
    2010-09-10 20:01:00
  • 466:

    名無しさん

    話作るのすごく上手くて引き込まれます?
    頑張って下さい?

    IP強制表示中:124.146.174.50
    2010-09-10 20:26:00
  • 467:

    名無しさん

    夜遊びで一番好きかも?

    IP強制表示中:210.153.84.66
    2010-09-11 02:16:00
  • 468:

    大阪花子

    ありがとうございます?未だに誤字多くてすみません?コメントすごく嬉しく読んでます!

    IP強制表示中:210.136.161.71
    2010-09-11 14:33:00
  • 469:

    大阪花子

    ワカナはミワはを真顔で見つめ『山崎さんを一日貸してほしいの』と言った。あまりに身勝手なワカナの発言に山崎はソファーを立ち『いい加減にしなさい。君の気持ちにも気付いてやれずにいた僕に責任があるのは理解する。この通りだ』山崎は膝をつきワカナに頭を下げた。『でも僕は君と昔みたいに出来ない。それにこれ以上、彼女を…ミワを傷つけるなら君を許さない』ミワはただ山崎を見つめた。

    IP強制表示中:210.136.161.72
    2010-09-11 14:37:00
  • 470:

    大阪花子

    クスクスとワカナは山崎を見て笑った。『嫌です』山崎は真っすぐワカナを睨みつけた。ミワは俯き黙り込んだ。どれくらい沈黙が流れただろう。『いいよ』ミワが呟いた。『ミワちゃん?!』山崎がミワを見た。『私ならいいよ。山崎さんさえ良ければ』『何言って…』『考えたんです私。ワカナちゃんから電話があって助けに行った時。何で私に連絡したのかな?って』

    IP強制表示中:210.136.161.71
    2010-09-11 14:47:00
  • 471:

    大阪花子

    『君何言ってるか分かってるの?それにねミワちゃん?!』山崎がミワの腕を掴んだがミワはやめようとしない。『きっと辛いのよって言いたかったんだと思う。私への当てつけ何かじゃなくて、本当に助けて欲しかったんじゃないかって。きっと山崎さんに言ってもダメだから、だから私だったんだろなって…』

    IP強制表示中:210.136.161.71
    2010-09-11 14:50:00
  • 472:

    大阪花子

    『貴女から説得して下さいって…貴女からも頼んで下さいって。すがる場所が私しかなかったんだと思う。間違ってたらごめんなさい。おこがまし話だけど』『だからって』山崎がミワに言おうとするとワカナがベットから山崎に飛びついた。山崎はワカナを引き離す。『お願い!お願い山崎さん!私、貴方の一番じゃなくていいの。ミワさんが忙しい時の変わりでもいい!私を受け入れてぇ』泣きわめきながら山崎にすがるワカナを山崎は悲しい顔で引き離す。

    IP強制表示中:210.136.161.72
    2010-09-11 14:59:00
  • 473:

    名無しさん

    ミワお人好しすぎるわ〜

    IP強制表示中:210.153.86.37
    2010-09-11 16:37:00
  • 474:

    大阪花子

    そんな子供のようなワカナの泣き声を聞き、ミワは涙があふれた。(私はこんなに人を愛したことがない…私は山崎をこんなにも愛せてるのかな?)『リノ!申し訳ないが君の気持ちには答えられない。ミワちゃんが何と言おうが僕はミワちゃん以外を抱く気になれないよ』ワカナの肩をしっかり握り引き離す山崎がミワの目を見た。

    IP強制表示中:124.146.174.18
    2010-09-11 17:41:00
  • 475:

    大阪花子

    ただ涙を流すミワに山崎は続けた。『こんな形で僕としてリノ?君は本当に幸せなね?』ワカナは泣き崩れた。

    IP強制表示中:124.146.174.17
    2010-09-11 17:43:00
  • 476:

    大阪花子

    『お願いして?!山崎さん!私、夜も寝れないの!何も手に着かないの!助けて山崎さん!』嗚咽混じりにワカナは叫んだ。山崎はしがみついてくるワカナに抵抗せず、揺さぶられるがままに身体を揺らした。『ねぇ?ねぇ?』山崎を揺さぶりながらワカナはねだった。その時だった。ミワはワカナの後ろからワカナと山崎を抱きしめた。

    IP強制表示中:124.146.175.103
    2010-09-11 17:50:00
  • 477:

    大阪花子

    山崎の胸元に顔を埋められたワカナは『痛っ』と一言発してから叫ぶのを辞めた。山崎は成されるがまま、ただワカナの後ろからしっかり抱きしめるミワの顔を眺めた。山崎の肩をしっかり掴むミワの手に山崎は手を添えた。ミワは山崎の胸に顔を埋めたまま次第に泣き止むワカナにそっと寄り添ったまま言った。

    IP強制表示中:124.146.175.104
    2010-09-11 17:57:00
  • 478:

    大阪花子

    『ワカナちゃん。一緒に治そう。カウンセリングでも何でも私、付き合うよ』それを聞いたワカナは山崎から離れた。自然とミワも二人から離れた。ワカナはミワの方を振り向くと『同情ですか?』と聞いた。ミワはためらう事なく『そうかもしれない』と答えた。少し驚いた顔をしたワカナに続けた。

    IP強制表示中:124.146.175.103
    2010-09-11 18:03:00
  • 479:

    大阪花子

    『ワカナちゃんの辛さは私には計り知れなさすぎて分からない。それでもやっぱり今のまま山崎ともし、してもきっと眠れないのは変わらないと思うから…よく分からないけど何とかしたいって思っちゃったから』とミワは笑った。ワカナは不思議そうにミワを見つめた後、山崎を振り返り『ミワさんをしばらく独占するかも知れません』と言った。

    IP強制表示中:124.146.175.103
    2010-09-11 18:08:00
  • 480:

    大阪花子

    山崎は少しキョトンとした顔をしたあとで『僕が止めても、これでミワちゃんは頑固なんで』と答えた。二人のやり取りを不思議そうに見ていたミワも状況を理解したのか『ワカナちゃん』とワカナに抱き着いた。『君って人は…』山崎は少し呆れた風にミワを見て微笑んだ。

    IP強制表示中:124.146.175.104
    2010-09-11 18:11:00
  • 481:

    大阪花子

    それから、ミワは週に一度ワカナの心理カウンセリングに付き合った。ワカナはウエイターに戻った。携帯を変え、お客さんとの連絡は取らない様に勤めた。どうしても寝れない時はミワの部屋に遊びに来たりもした。

    IP強制表示中:124.146.175.104
    2010-09-11 18:16:00
  • 482:

    大阪花子

    『なぁリノ。ちょっとミワちゃんに懐きすぎだろ?』ミワの部屋に山崎が来るということを知れば必ずワカナも来た。山崎に会いに…ではなく、ミワを取られない様に…。『山崎さんと私はライバルですから!ミワさんが私を恋愛対象で見ないのは重々分かってますけどミワさんがいいって言うんです。私が来ても』

    IP強制表示中:124.146.174.76
    2010-09-11 18:51:00
  • 483:

    大阪花子

    『ミワちゃん君ねぇ』山崎は拗ねた顔でミワを見た。『ワカナちゃんいると楽しいよ』くったくなく笑うミワに山崎はため息をついた。『あれ以来、ろくにさぁ』山崎は思わずいいかけた言葉を飲んだ。ミワは山崎の顔を覗き込むと『スケベ』と言った。ワカナはそんな二人を見て『私、振り向きませんから。どうぞ』と背を向けた。『あほか!』山崎の顔を見てミワは笑った。

    IP強制表示中:124.146.174.75
    2010-09-11 18:58:00
  • 484:

    名無しさん

    ミワの気持ちが理解できひん?

    IP強制表示中:210.153.86.132
    2010-09-11 20:16:00
  • 485:

    名無しさん

    私がワカナやったらこんなすぐにミワになつけない?けど山崎さんをとられなくてよかった

    IP強制表示中:210.136.161.84
    2010-09-11 21:10:00
  • 486:

    名無しさん

    めっっっちゃ面白いです?ファンになりました笑
    頑張って話書いてくださいね〜?

    IP強制表示中:124.146.174.46
    2010-09-12 01:37:00
  • 487:

    名無しさん

    『あんた何考えてん?』カナは痺れをきらしてミワに突っ掛かった。『声大きいよ』ランチ時、満員の店の中でカナは目だってしまった。『ごめん…せやけどお人よしもいいとこやで?』ミワは何も言わずにみそ汁をすすった。カナは続けた。『第一、山崎さんにも失礼やし。ワカナって子だって本心分からんで』ミワは黙って、みそ汁を飲み干した。

    IP強制表示中:124.146.174.71
    2010-09-12 23:28:00
  • 488:

    名無しさん

    ん?アナタ誰やね〜ん?
    主サン楽しみに待ってますね〜?

    IP強制表示中:124.146.174.65
    2010-09-12 23:47:00
  • 489:

    名無しさん

    主さんじゃないのかな?

    IP強制表示中:210.136.161.68
    2010-09-13 00:20:00
  • 490:

    名無しさん

    名前ないし、名前何か違うし急にみそ汁て?
    ちょっとおもろかったケドね?

    IP強制表示中:124.146.175.206
    2010-09-13 00:46:00
  • 491:

    大阪花子

    すみません。名無しは私です?続き書きます?

    IP強制表示中:124.146.175.67
    2010-09-13 11:20:00
  • 492:

    大阪花子

    『ごちそうさまでした』ミワは手を合わせて箸をおいた。何も答えないミワにカナは続けた。『あんたがそこまでやる義理ないやん』するとミワはやっと喋った。『分かってる。でも、私なんかよりワカナちゃんの方が山崎さんを強く思ってる気がして、山崎さんにとって私といることよりもって考えたら自信なくて』カナは哀しそうにミワを見つめた。

    IP強制表示中:124.146.175.68
    2010-09-13 11:24:00
  • 493:

    大阪花子

    『いつまであんたはそんなん言うとんの?いつになったら自信持つのん?仕事だってよう出来てるし、お人よし過ぎやけどいい子や思うで。だから一緒におんのちゃう?私も山崎さんも!あんたがそんなんやったら、あんたを自慢に思う人を否定することなるで?』ミワは目を潤ませてカナをみた。『何がそんなに不安やの?』そんなカナの質問にミワは涙を堪えて下唇を噛んだ。

    IP強制表示中:124.146.175.67
    2010-09-13 12:43:00
  • 494:

    大阪花子

    『山崎さんを好きになればなるほど私には勿体ないって…そんなこと考えるくらいなら自分磨かなくちゃって!自信持てる人にならなくちゃって…でも、考えれば考えるほど自信なくなってきて。一緒にいて辛い時がある』そう話したミワにカナは『それ山崎さんも一緒ちゃう?自信満々なことない思うよ?こないだ会った時思ったわ。ミワの為にミワの為にってしてはるやん。皆、好きな人に対してはそうなんちゃう?相手思ってする行動が、直接相手の為でも、間接的なもんでも。素敵な関係やろ?』

    IP強制表示中:124.146.175.67
    2010-09-13 12:51:00
  • 495:

    大阪花子

    ミワはこぼれそうな涙を指で拭った。『私のこと好きになって当たり前やわって言う様な女、うっとうしいて仕方ないやろ?』と言ってカナは笑った。『あんたの存在に山崎さんは救われてるんやろから、無理して自分変えんでいいやん!何か興味あることとか、頑張りたいことが見つかった時に一生懸命したらいいやん。習い事やらなんやらもいいけど、今は山崎に向き合うのが一番ちゃう?この話してないやろ?山崎さんには。』カナに言われ頷くミワ。『話してみる。謝らないとダメだし。』

    IP強制表示中:124.146.175.67
    2010-09-13 12:56:00
  • 496:

    大阪花子

    休憩終わりにミワは山崎にメールを打った。【今日あえますか?】それからワカナにもメールをした。【今日は山崎さんと会って帰ろうと思ってるから、遊びに来るつもりだったならゴメンね?】夕方の中休憩に携帯を開くと二人から返事があった。

    IP強制表示中:124.146.175.68
    2010-09-13 12:59:00
  • 497:

    名無しさん

    カナちゃん良い人?

    IP強制表示中:124.146.174.73
    2010-09-13 15:32:00
  • 498:

    大阪花子

    ワカナのメールを開くと【分かりました。今日はバイト後に行ったりしないです。】いつもなら、一緒に!とせがむワカナが珍しくミワの要求を受け入れてくれた。ただ一つ気掛かりがあった。『怒ったかな?絵文字大好きな子なのに』このメールにいたってはワカナは一切絵文字を使っていなかった。

    IP強制表示中:210.153.86.50
    2010-09-13 17:11:00
  • 499:

    大阪花子

    それから山崎のメールを開く。【僕にミワちゃんに会えない日なんて一日だってないよ?時間と場所をご指定下さい。お迎えにあがります?】ミワは会社の近くの公園を指定した。なんとなく食事をしながらや、互いの家でくつろぎながらなどは避けたかった。6時になるとカナが『あと、しておくから上がり?!』と言ってくれた。ミワは言葉に甘えて定時丁度に帰る事が出来た。

    IP強制表示中:124.146.175.194
    2010-09-13 17:25:00
  • 500:

    大阪花子

    公園へ向かうと道端に見覚えのあるジャガーが停まっていた。中を覗いてみると後ろから山崎の声がした。『ミワちゃん!』振り返るとコーヒーを二つ持った山崎がこちらに歩いてきていた。『ごめんね急に』ミワが謝ると『どっちかと言うと、ありがとうって言って貰えたら僕はテンションあがるけど』そう言って山崎はニコリとミワにコーヒーを差し出した。

    IP強制表示中:124.146.175.193
    2010-09-13 17:32:00
  • 501:

    大阪花子

    『ありがとう…』『よし。ミワちゃんは、ごめんねとすみませんが多い気がして。僕は嫌々会いに来たりしてないんだから謝らないでよ』ミワに微笑みかけて車に乗ろうとする山崎に『公園で話したい』とミワは行った。二人は公園のベンチへ向かった。

    IP強制表示中:124.146.175.226
    2010-09-13 17:37:00
  • 502:

    大阪花子

    ベンチに山崎が腰を下ろすとミワは山崎の前に立ち頭を下げた。『ごめんなさい。この前は本当にひどいことをしちゃって…』少し考えて山崎は返事をした。『僕何かされたかな?』ミワは顔を上げ説明した。『ワカナちゃんの事。山崎さんさえ良かったらとか…まるで私は山崎さんのこと、どうとも思ってないみたいな事言って…』目線合わせず話すミワに『だって本心でしょ!?仕方ないよ』と笑った。

    IP強制表示中:124.146.175.196
    2010-09-13 17:43:00
  • 503:

    大阪花子

    『違うっ!そんなこと思ってない!』ミワが焦って弁解しようとすると『嘘うそ。意地悪言っただけだよ。だってあれは正直きつかったからね。凄い寂しい気持ちになった。その仕返し!これで、お合いこ』そう言って山崎はベンチをトントンと手の平で叩いてみせた。ミワは『寂しい気持ちにさせてごめんなさい』そう言ってベンチに腰を下ろした。

    IP強制表示中:210.153.86.134
    2010-09-13 17:47:00
  • 504:

    大阪花子

    『で、もって話って?』山崎が問うと一拍あけてミワは話し出した。『私、すごく自分に自信がないの。なんで、そんな私を山崎が好きなのか分からない。だからワカナが現れた時、取られたくないって思いと同じくらい私よりもワカナちゃんの方がいいんじゃないかな?って思った。だから私、答えを山崎さんに委ねたんだと思う』

    IP強制表示中:124.146.175.194
    2010-09-13 17:52:00
  • 505:

    大阪花子

    山崎は黙って聞いていた。『タケシの一件で山崎さんが私に言ったでしょ?「無力を嘆くなら、努力の無さを恥じなさい」って。私、ここ数ヶ月で無力を嘆くことが沢山ありました。努力の無さを恥じても、正直、努力の仕方が分からなくて…ちっぽけで何もない私に山崎さんは余りに勿体ない人だと思った。好きになればなるほど辛い。嫌われない様にって真っ先に自信なく思う私も嫌。何かに自信持ちたくて…私にはコレがある!みたいな?!でも直ぐに見付かったりしないし…何言ってるか…話、下手でごめんね』

    IP強制表示中:124.146.175.194
    2010-09-13 18:07:00
  • 506:

    大阪花子

    ミワが山崎の方を向くと山崎は真っすぐにミワを見つめていた。ミワは少し戸惑ったが、また前を向いて続けた。『いつの頃からか、自分の意見に自信がなくなって人に合わす様になった。でも何か譲れないところが小さく残って結局、人を傷つけたりして。芯のある人になりたいと思う。でも具体的なことなんて分からないままで…ほったらかして生きてきたら、山崎さんに出会って。山崎さんといると落ち着く反面で凄く焦る自分がいて、ドンドン大きくなって…』

    IP強制表示中:124.146.175.226
    2010-09-13 18:34:00
  • 507:

    大阪花子

    『うじうじしてる私を山崎さんに見られたくなくて…今まで言えずにいた』もう一度山崎の方を見ると山崎は正面を向いていた。ミワも正面を向き直した。『ねぇミワちゃん。』

    IP強制表示中:124.146.175.225
    2010-09-13 20:40:00
  • 508:

    大阪花子

    山崎は正面を向いたまま話続けた。『そうやって自分を見直そうと出来る子だから僕は一緒にいてたいし、黙ってたら自分を押し殺す癖を君が持ってるから僕は傍にいたい。でも、何で好きかなんて聞かれたら…やっぱり好きなものは好きだから。朝起きてミワちゃんに会いたくて、寝る前も顔が見たくなる』

    IP強制表示中:124.146.175.74
    2010-09-13 22:58:00
  • 509:

    大阪花子

    ミワは納得のいかないような返事を返した。『はぁ〜』『それにね、君くらいの歳の子が何かにがむしゃらになれないのは僕らおっさん達に責任があるよ。多かれ少なかれ、人は人から影響を受ける。カッコイイ大人が減ってるんだと思う。少し前に僕の店で働いてみない?って誘ったでしょ?』『はい』『僕も一応ビジネスマンの端くれだから、誰彼構わず誘わないよ。いくら大好きなミワちゃんでも例外はない』

    IP強制表示中:124.146.174.2
    2010-09-14 00:21:00
  • 510:

    大阪花子

    『もし、ミワちゃんさえ良ければ新店立ち上げに手を貸してほしいと思ってる。君の“何か”に繋がれば僕も嬉しいよ』そう言って山崎はミワの方を向いて微笑んで『まぁ考えてて』と言った。『うん…』ミワは歯切れの悪い返事を返した。『ミワちゃんのことだから僕に頼らずにって思ってるだろうけど』そう言って山崎は口を尖らせた。

    IP強制表示中:124.146.174.2
    2010-09-14 00:34:00
  • 511:

    大阪花子

    『そんなこと!…ない…こともない…かも』ミワは否定仕切れず山崎の尖らせた口を見て『でもね、タコさん。私はタコさんがいてくれて今の自分を考え直せたし、色んな意味で刺激と癒しを貰ってるの。いつも本当にありがとう』と話した。山崎は尖らせた口を元に戻すと『ミワちゃんのよりどころになれてるなら僕は満足だよ』と話した。

    IP強制表示中:124.146.174.2
    2010-09-14 00:38:00
  • 512:

    大阪花子

    『ねぇ山崎さん?お腹空きませんか?家の近くに美味しい小籠包屋さんが出来たの。テイクアウトのみなんだけど…うちでたべませんか?』ミワが山崎を誘うと『リノいるでしょ?何かあいついると…』と山崎が苦笑いをした。『今日はいないの』ミワは少し顔を赤らめて答えた。

    IP強制表示中:124.146.174.1
    2010-09-14 00:41:00
  • 513:

    大阪花子

    二人はコンビニでお酒を買い、小籠包をテイクアウトしてミワの部屋に帰った。部屋に着きミワが電気を付けるとテーブルの前で立ち尽くした。靴を脱いで部屋に上がった山崎がミワに声をかけた。『お邪魔します…どうしたの?』何も答えないミワを覗き込むとミワはメモ紙を手にして固まっていた。

    IP強制表示中:124.146.174.2
    2010-09-14 00:45:00
  • 514:

    大阪花子

    [ミワさんへ。ここへは二度と来ません。それから貴女の前に顔を出す事ももうないと思います。山崎さんのことは諦めます。カウンセリングについて来てくれて、ありがとう。それと、ごめんなさい。私、ミワさんに嘘ついてました。ミワさんになつくフリをしてミワさんの事を探ってました。もしかしたら何か山崎さんに隠し事があるんじゃないか?って。もし無くても男の影、それが例え友達でも山崎さんに誤解させれるネタがあればいいって。

    IP強制表示中:124.146.174.1
    2010-09-14 00:53:00
  • 515:

    大阪花子

    でも、何もなかった。それどころか酷い事した私に本当に優しくて。正直、腹さえ立ちました。でも、そんなミワさんと居れば居るほど悔しいけど本当にミワさんの事が好きになっていきました。変な意味じゃないですよ(笑)だんだん自分のしてることが嫌になってきて…ミワさんの家に初めてきた日に私、盗聴器をつけました。客に詳しい人がいてテーブルの裏につけました。

    IP強制表示中:124.146.174.2
    2010-09-14 01:07:00
  • 516:

    大阪花子

    自分で付けた癖に気になってミワさんの家に行ったりして。付けた意味なくて…私って馬鹿ですね。でも、本当にごめんなさい。お蔭様で依存症はだいぶとマシです。以前ミワさんが来てくれた難波のマンション覚えてますか?先日、その子に告白されました。一緒に治そうって。頑張ってみようと思います。盗聴器の事で訴えられても自業自得なので、ミワさんに委ねます。どうかお元気で。もしも、いつかまた会えたら。その時は友達になりたいです。ワカナより。〜追伸〜鍵はポストに入れてます。]山崎は慌ててテーブルの下を見た。『あいつっ!』小さな盗聴器が付いていた。

    IP強制表示中:124.146.174.1
    2010-09-14 01:12:00
  • 517:

    大阪花子

    ミワは床にへたり込んだ。『ミワちゃん一応、部屋を全部調べよう。知り合いにそういうの詳しい奴が…ミワちゃん?!』へたり込んだミワに山崎が声をかけるとミワは『きっと大丈夫です』そう言ってテーブルの上に置いてあったネックレスを手に取った。『ミワちゃんの?』山崎が尋ねるとミワは『ワカナちゃんの』と答えた。

    IP強制表示中:124.146.174.2
    2010-09-14 01:16:00
  • 518:

    大阪花子

    ミワは思い出していた。ワカナが初めてカウンセリングに言った日のことを。カウンセリングの帰り道、まだぎこちない二人は他愛のない話をした。ワカナの胸元にいつもあったその赤い石の付いたネックレスをミワが褒めるとワカナは真っすぐな目でこう答えた。

    IP強制表示中:124.146.174.1
    2010-09-14 01:18:00
  • 519:

    大阪花子

    『これは欲しいものが何一つ手に入らなかった私への私からのご褒美です。好きな人の子供も、好きな人までも…何一つ。それでも生きろって自分に言い聞かす為につけてます。いつか欲しいものが一つでも手に入れば、やっと取れるの』とワカナは笑った。ミワはその時ワカナの胸元で輝くネックレスを見て、ワカナの壊れそうな心をワカナ自信が気遣う為のみせしめに思えて心が痛くなったのを今でも覚えている。

    IP強制表示中:124.146.174.1
    2010-09-14 01:24:00
  • 520:

    大阪花子

    それが今、ここにある。『やっと幸せのきっかけを手にしたんだ』とミワは呟いた。結局、次の日に山崎に説得され盗聴器の探知をしてもらったが、他には見付からなかった。ワカナはその日を最後にアルバイトを辞めた。ワカナから突然、今日で辞めますと電話がかかってきたらしい。ママは『嵐の様な子だったわよね』と言っていた。

    IP強制表示中:124.146.174.1
    2010-09-14 01:28:00
  • 521:

    大阪花子

    『てか、頭いってるね!その子!』カナはサブウェイのサンドイッチを頬張りながら言った。『カナ、いっぱい口から出たし』ミワは笑いながらパンかすを集める。『いやいや、盗聴器て!あるんだねマジで。盗撮とかないの?』『調べてもらったけど大丈夫。それにね、あのあと知らない番号から数回電話があって、出てみたの』

    IP強制表示中:210.136.161.77
    2010-09-14 11:56:00
  • 522:

    大阪花子

    電話の相手はヤス(難波のタワーマンションに住む男)からだった。ワカナのしたことを許してほしいとミワに連絡をしてきた。本当なら家までお願いに上がりたいとまで、その男は言った。自分がワカナを責任持って公正させると電話口から聞こえる男の声は泣いているようだった。ミワは男に『ワカナちゃんにいたずらするのも考えものだと思う。優しくしてあげて下さい』と恥ずかしながらもお願いした。

    IP強制表示中:210.136.161.77
    2010-09-14 12:00:00
  • 523:

    大阪花子

    『へ〜でもまぁ自分の一番恥ずかしい姿を知っても傍にいてくれる男がいるなんてワカナって子も救われたわよね』『うん。本当にそうだと思う』『ところでさ、セックス依存症になるくらい山崎さんてウマイわけ?』それを聞いて今度はミワが口からパンかすを吹いた。『なんなのいきなり』『だって、そうそうなるものじゃないでしょが』カナにはマンションでの光景を話していない。ただセックス依存症で不眠だったワカナを男が介抱していたと話をオブラートに包みに包んで伝えた。

    IP強制表示中:210.136.161.78
    2010-09-14 12:05:00
  • 524:

    大阪花子

    『照れない照れない』とからかうカナをよそにミワは(もしかしたら山崎さんて、凄い性癖あったりするのかな…)とワカナが山崎の名前を呼びながら果てる姿を思い出し、『あーもぅ!カナが変な事言うから!』『言うからなんやのよ?想像したん?ミワも可愛い顔して変態やね』顔を赤くして怒るミワをワカナはからかった。

    IP強制表示中:210.136.161.78
    2010-09-14 12:10:00
  • 525:

    大阪花子

    ↑訂正です。顔を赤くして怒るミワをカナはからかった。

    IP強制表示中:124.146.175.69
    2010-09-14 13:27:00
  • 526:

    大阪花子

    その週末、いつもの時間に山崎は店に現れた。団体客の相手で少し酔っ払ってるミワを違う席から優しく見守る。山崎の席にはママが付いた。『ごめんなさいね。ミワちゃん、もう少ししたら付けますから』『いいよ。金曜日に一人で来てミワちゃん独り占めなんかしたら怒られるよ』『助かります。ねぇ山崎さん。ミワちゃんを上げるおつもりなんですか?』突然のママの質問に山崎は驚いた。

    IP強制表示中:124.146.175.69
    2010-09-14 13:33:00
  • 527:

    大阪花子

    『いや…』『いえね。私、ミワちゃんには出来れば店を継いでほしいと考えた時もあったんですよ』『そうなの?!』山崎は更に驚いた。『でもね、いい人に見初められて私も本当に嬉しいんです。私がこんなこと言うのは可笑しいし、水商売上はNGなんですけど。山崎さんがどこまで考えてらっしゃるのか気になって』山崎は考えた。ママがミワをどこまで本心で思っているかは山崎には計り知れなかった。

    IP強制表示中:124.146.175.70
    2010-09-14 13:49:00
  • 528:

    大阪花子

    本音を話すべきか否か。『お嫁さんにしたいと思っているよ』山崎は本音を答えた。するとママは意を決した様に『そうですか。安心しました』と言った。『何かあった?』山崎がママに聞くと『いつまでも悩める乙女ですよ』とママは笑った。そんなママに山崎は『ただの客の僕が口出しすることではないけど、難しいと思うよ。店の行く末考えて自分自身の生き方と照らし合わせて…何せママはいつまでも乙女なんだから』と微笑んだ。『そうですね』少し疲れた顔をしたママを山崎は見逃さなかった。

    IP強制表示中:124.146.175.69
    2010-09-14 13:57:00
  • 529:

    大阪花子

    その日も山崎はミワをバーで待った。1時間もしない内にミワが顔をだした。『お疲れ様です』ニコッと微笑んだミワを見て山崎は呟いた。『ママの気持ちわかるな』『え?!なんて?』『ん?独り言』『へんな山崎さん』そう言って隣に座るミワを見て(この子を見ていると利己的な考えなんて吹っ飛んで、ただただこの子の幸せを願いたくなるな)と山崎は思った。

    IP強制表示中:124.146.175.69
    2010-09-14 14:03:00
  • 530:

    名無しさん

    頑張って書いてね〜

    IP強制表示中:124.146.174.20
    2010-09-14 14:38:00
  • 531:

    大阪花子

    ありがとうございます?頑張ります。

    IP強制表示中:210.136.161.45
    2010-09-14 14:41:00
  • 532:

    大阪花子

    山崎はミワの手を取ると優しく手の甲にキスをした。そんな山崎をミワは愛おしそうに見つめて言った。『久しぶりにお泊りしていいですか?』恥ずかしそうに話すミワを見て山崎は無性に抱きしめたくなる気持ちを必死に堪えた。タクシーに乗り込むとミワは山崎にもたれた。山崎はミワの腰に手を回して身体を寄せた。

    IP強制表示中:210.136.161.143
    2010-09-14 14:44:00
  • 533:

    大阪花子

    バックミラー越しに山崎は運転手と目が合った。『あっどうも』そう言った山崎の首もとにミワは顔を埋めながら『お知り合い?』と聞いた。『まぁね』いつかのミワが泥酔して山崎に絡んだ日のタクシーと同じだった。山崎は『いつも酔わせてるわけじゃないっすよ』と笑った。運転手も『いえいえ。愛されてますな〜』と笑った。だんだんと酔いの回って来たミワは二人の会話の聞きながら山崎の胸で眠ってしまった。

    IP強制表示中:210.136.161.44
    2010-09-14 14:49:00
  • 534:

    大阪花子

    ミワが目を覚ますとベットの上だった。『山崎さん?』寝ぼけながら山崎を探すとTシャツに着替えた山崎がベットに来た。『起きちゃった?シャワーする?』するとミワはムクッと起き上がり、服を脱いだ。下着姿になったミワは朦朧とする意識の中で『私を山崎さんでいっぱいにしてください。依存症になるくらい』と山崎に言った。

    IP強制表示中:210.136.161.143
    2010-09-14 14:54:00
  • 535:

    大阪花子

    『ミワちゃん…』『本当は嫌でした。もしかしたら私にしてないことをワカナちゃんにはしたのかなって。ワカナちゃんの方が気持ち良かったとか思われてないかなって。沢山ヤキモキ焼きました。いい人ぶって物分かりのいいフリしてたけど本当は山崎さんを誰にも渡したくなかったです』ミワは泣き出した。そんなミワを山崎は抱きしめて『全部教えてほしいな』と言った。

    IP強制表示中:210.136.161.43
    2010-09-14 14:57:00
  • 536:

    大阪花子

    戸惑うミワにキスをするとブラを外した。胸を隠そうとしたミワに『全部見せて』と山崎は言ってパンツを脱がせた。『山崎さん…恥ずかしい』俯くミワに山崎は『壁にもたれて足を広げて僕に全部見せて?』と言った。ミワは少し戸惑いながら言われた通りの格好をした。『いい子だね。次はミワちゃんを全部教えてもらおっかな』そう言って山崎はミワの内ももをそっと撫でた。ビクンと反応するミワに『気持ちいい?』と山崎は声をかけた。

    IP強制表示中:210.136.161.46
    2010-09-14 15:03:00
  • 537:

    大阪花子

    『はい』ため息混じりにミワは答えた。山崎は指先でミワの身体を丁寧になぞった。『はぁ…』ミワは目をつむって山崎の指先の感覚を敏感に感じた。『ミワちゃんのここ濡れてるよ』山崎はミワを挑発する。『ここも食べてほしそう』そう言ってミワの胸元に指を沿わせた。『ぁぁン…』『自分でしてごらん』ミワは言われるがまま自分の胸に手をやり乳首を指で転がした。『ぁあン…はぁ』

    IP強制表示中:210.136.161.139
    2010-09-14 15:09:00
  • 538:

    大阪花子

    『気持ちいいね?こっちはいいの?』山崎に言われミワはクリトリスに指をなぞらせた。『あン…』腰を反らせたミワを見ながら山崎は服を脱いだ。クチャクチャ…音を立てて自らをもてあそぶミワの口に山崎は下を絡ませた。ミワの息遣いがドンドン荒くなる。山崎はミワを抱き抱えベットに横たわらせるとミワの手を取り『こすりつけてみて』と自分のモノを掴ませた。

    IP強制表示中:210.136.161.139
    2010-09-14 15:14:00
  • 539:

    大阪花子

    ミワはびしょ濡れになっている自分のクリトリスに山崎のモノをこすりつけた。『可愛いよミワちゃん』山崎の声がミワを更に熱くさせた。『ぁぁン…』山崎はミワの首筋にキスをしながら胸をもんだ。ミワは山崎の背中に手をまわす。『ミワちゃんもっと強く』山崎に挑発されるがままミワは山崎のモノを強く強くこすりつけた。『ダメッいっちゃう…』『いいよ』ミワは言葉とは裏腹にクリトリスに快感を覚えながら果てた。

    IP強制表示中:210.136.161.141
    2010-09-14 15:45:00
  • 540:

    大阪花子

    そのまま山崎の硬くなったモノをミワは自分の中に入れた。『ぁはぁ…ン』『ミワちゃん、エロくなってるよ』『ぁン…』山崎はミワを強く抱きしめ腰を回した。ミワは快楽に溺れながら必死に山崎にしがみついた。自分の身体に山崎を刻み込むように…山崎の身体に自分を刻み込むように…。

    IP強制表示中:210.136.161.146
    2010-09-14 15:50:00
  • 541:

    大阪花子

    『もっと…もっと…』ミワは何度も山崎にしがみついては果て、山崎に下から突かれると天井を仰いで山崎の上に果てた。ミワのお尻を握る山崎の手をミワは上から握り、我を忘れて腰を振った。グチュグチュ…『ミワちゃん僕もう…』山崎がミワを退かそうと抱き上げるのをミワはしがみついて拒んだ。とっさに腰を引いて果てた山崎は『ミワちゃんが大事だから』と言った。ミワは汗ばんだ身体のまま山崎にしがみついた。『私は山崎さんの悲しみも苦しみも全て受け入れたいです…山崎さんが吐き出す淋しさを私が受け止めてたいんです』

    IP強制表示中:210.136.161.48
    2010-09-14 15:59:00
  • 542:

    大阪花子

    『ミワちゃん…』しがみつくミワのおでこにキスをした。『あれ?』自分の肩に顔を当てたまま寝息を立てるミワを山崎は横たわらせて布団をかけて、もう一度キスをした。『おやすみ』ソファーに戻りタバコに火を付けた。『色々我慢させてんだな…ダメじゃん僕』ため息をタバコの煙でごまかした。

    IP強制表示中:210.136.161.145
    2010-09-14 16:04:00
  • 543:

    大阪花子

    ミワは夢を見た。…『嫌よ!嫌っ!独りにしないで』雲の上で独り泣いているミワの元に白いシャツにチャコールグレーのストライプのスーツを羽織った山崎が駆け寄って来て『大丈夫だよ。ミワちゃん。僕がいるからね』と手を差し延べた…目を覚ますと山崎の後ろ姿が目に入った。『起こしちゃった?ごめん』ベットルームにある姿見の前でネクタイをしめる山崎を見てミワはドキッとした。白いシャツにチャコールグレーのストライプのスーツ。『正夢だったらいいな』ミワは呟いた。

    IP強制表示中:210.136.161.45
    2010-09-14 16:11:00
  • 544:

    しおり

    いつも読ませてもらってます☆彡彼氏が欲しくなりました笑。これからも楽しみにしてます☆★

    IP強制表示中:210.136.161.70
    2010-09-14 16:54:00
  • 545:

    名無しさん

    山崎さんて存在するんですか?こんな40歳いけてますね?

    IP強制表示中:124.146.174.3
    2010-09-14 18:46:00
  • 546:

    大阪花子

    コメントありがとうございます?実在するかしないかはご想像に任せますが、全くのフィクションではないですよ?

    IP強制表示中:124.146.174.5
    2010-09-15 02:19:00
  • 547:

    名無しさん

    山崎さんに出会いたーいw

    IP強制表示中:124.146.174.227
    2010-09-15 03:00:00
  • 548:

    大阪花子

    季節は秋になろうかとしている。ミワは少しづつではあるが山崎に対して素直に甘えれる様になっていた。何故、あの時。無理矢理、山崎を中で果てさせようとしたのか自分でも上手く説明が出来ずにいたが、山崎はその事に触れてはこなかった。そんな山崎は、ミワの中にある束縛心を垣間見た気がして消えずにあった独りよがりという不安がなくなっていた。

    IP強制表示中:124.146.175.66
    2010-09-15 14:25:00
  • 549:

    大阪花子

    『ほんま仲いいな。人に男でも紹介したろか?とは思わんの?』楽しそうに旅行に行った時の写真をファイリングするミワにカナは言った。『え?あぁごめん。でもカナの好みは私には理解出来ないし』『悪かったわね』部長と別れてから何人かの男がカナに交際を求めたがカナは首を立てにふらなかった。『弁護士さんなんて普通の女の子なら飛び付くんじゃない?!』ミワが言った。『あんただって断ってたじゃない?』『まぁ…でも、長谷川君なんてウチの若きエースだよ?事務の皆、ビックリしてたよ?!あの長谷川を振ったって』

    IP強制表示中:124.146.175.65
    2010-09-15 14:34:00
  • 550:

    大阪花子

    長谷川はミワより五つ歳は上で名門大学を卒業後、司法試験を一発で合格した後、司法修生としてミワのいる事務所に来た。若いだけでなく頭もよく、女子社員の憧れの的だった。顔はあどけなさの残る、どこか山崎に似ていてミワは(若い頃の山崎さんはきっと、こんな風だったんだろな)とよく思っていた。

    IP強制表示中:124.146.175.66
    2010-09-15 14:39:00
  • 551:

    大阪花子

    『おはよう』噂をすればの長谷川が笑顔で二人に声をかけた。『おはようございます』ミワとカナは他の社員にする挨拶となんだ変わらず対応する。その後を部長が通りすぎて行った。(部長はカナのこと、もうなんともないのかな…)ミワはふと、そんな事を思った。

    IP強制表示中:124.146.175.101
    2010-09-15 18:15:00
  • 552:

    大阪花子

    そんな、ある日のこと。その日もミワは山崎と食事をしていた。プルプル…『カナからだ』『出ていいよ』『もしもし?…え?!うそ?!すぐに行く』ーーー『最近変な奴多いもんな』カナから変な男が付けて来て家の前にいると連絡を受けて二人はカナのマンションへ急いだ。『あの辺、物騒だもん』『ミワちゃんだって一言じゃないよ』

    IP強制表示中:124.146.175.101
    2010-09-15 18:24:00
  • 553:

    大阪花子

    ミワ達はカナのマンションの前に車を停めた。『ミワちゃんはカナちゃんの所に行ってあげて?僕はマンションの回りをちょっと見てくるから』そう言って山崎が車を降りようとした時だった。

    IP強制表示中:124.146.175.101
    2010-09-15 18:34:00
  • 554:

    大阪花子

    『あれ?!部長?』マンションとマンションの間からひょっこり顔を出した男はこの前までカナと付き合っていた棚橋部長だった。『ストーカーって…』ミワは慌てて車を降りて部長に声をかけた。『部長っ?!』ミワの後を追って山崎も車を降りた。ミワに声をかけられた部長は明らかに動揺していて、いつもの物静かな雰囲気とは掛け離れていた。

    IP強制表示中:124.146.175.102
    2010-09-15 18:39:00
  • 555:

    大阪花子

    『あっあぁ相田(ミワのコト)さん?!』『部長…こんな所で会うなんて奇遇ですね』ミワは部長の自尊心を気遣った。『いや、本当にね…あっ…えっと、そちらは?』部長の目線の先には山崎がいた。『どうも。はじめまして。山崎と言います』山崎は会釈をした。『私が今お付き合いしてる人なんです』とミワが説明すると『これはこれはお恥ずかしい所を…』と、部長はばつ悪そうに笑った。

    IP強制表示中:124.146.175.101
    2010-09-15 18:46:00
  • 556:

    大阪花子

    『ミワちゃん、とりあえずカナちゃんに連絡してあげないと心配するよ』山崎に言われてミワは『ちょっとマンションの回りをパトロールしてから行くから。戸締まりして待ってて』と連絡を入れた。『部長、お時間宜しければ一杯いかがですか?』ミワの誘いに部長は苦笑いを浮かべて頷いた。

    IP強制表示中:124.146.175.102
    2010-09-15 18:49:00
  • 557:

    大阪花子

    三人は近くのダイニングバーに入った。席を外すと言った山崎に棚橋は『相田と二人っきりの方が気まずいな』と答えた。なかなか誰も棚橋の不審な行動には触れずにいると、棚橋がミワに『村上は長谷川と付き合ってるのかな?』と、唐突に聞いてきた。『付き合ってませんよ』とミワが答えると棚橋は安心したのか大きなため息をついた。

    IP強制表示中:124.146.175.76
    2010-09-15 20:25:00
  • 558:

    大阪花子

    『部長もしかして?』ミワが聞こうとすると棚橋は自ら事情を説明仕出した。『実は…』棚橋が言うには自分を振ったカナに長谷川はどうにか屈辱を味わせたいと男子トイレで話していたのを聞いてしまい、いてもたってもいれずカナの様子を見にきたというのだ。ミワと山崎は半ば半信半疑で部長の話を聞いていた。

    IP強制表示中:124.146.175.75
    2010-09-15 20:35:00
  • 559:

    大阪花子

    最近、長谷川は若手のアイドル弁護士として雑誌の取材などを受ける様になっていた。それら一切を取り仕切る部所のトップである棚橋の耳には長谷川の数々の浮名が入ると話した。売り出し前のアイドルや、モデルなんかを取っ替え引っ替えしては『俺の女になるのはお前みたいな女じゃない』と吐き捨てるため、女の子から長谷川へ繋いでくれと言う電話が絶えないらしい。

    IP強制表示中:124.146.175.76
    2010-09-15 20:42:00
  • 560:

    大阪花子

    『そんな噂、聞いたことなかったです』そう答えたミワに『会社としては弁護依頼以外にもマスコミ報酬が利益の後押しをしているから長谷川は大事にしたいんだよ。長谷川への取り次ぎを私が任されているのも問題が起きた時に事勿れで済ましやすいからだよ』と棚橋は説明した。山崎は黙ったまま二人のやり取りを聞いていた。

    IP強制表示中:124.146.175.76
    2010-09-15 20:48:00
  • 561:

    大阪花子

    『ねぇ山崎さん』『ん?』『さっきの部長の話、どう思います?』『ん〜どうとも言えないな今は。本当だとしたら長谷川って男を避ける必要はあるし、最悪は今まで長谷川って男が泣かせた女の子たちと手を組んで彼を大人しくさせようと思えば何とかなりそうだし。でも部長の話が本当かどうか誰にも解らないからね』『嘘つくような人じゃないと思うんだけどな〜』『人は見掛けによらないよ』そう言って微笑んだ山崎に『やけに疑うんですね』と、ミワは少し不満を抱いた。

    IP強制表示中:124.146.174.38
    2010-09-15 23:40:00
  • 562:

    大阪花子

    『あーっ!カナを忘れてた!!』『あっ』ミワが慌てて携帯を出すとカナから着信の嵐があった。かけ直すとカナは泣きながら怒った。『いつまで一人にさせんねんなぁぁ』ミワがカナの部屋に着くとカナはクイックルワイパーの棒を握りしめていた。思わず笑うミワにカナは更に激怒をしたが安心したのか床にへたりこんだ。

    IP強制表示中:124.146.174.38
    2010-09-15 23:46:00
  • 563:

    大阪花子

    『カナを付けてたの部長だったよ。最近、この辺りで変な事件あったみたいで一人暮らしのカナを心配して接待のついでに近くを見回ってたみたい』山崎に言われた通りにミワは説明した。…『カナちゃんに変な人は居なかったと言えば不安は消えないし、気のせいだとごまかして、もしまた部長が今日みたいな事をすれば余計な恐怖心を与えるし。だからといって今日の話は出来ないな。とりあえず今から言う様に言ってね。カナちゃんの事だから部長に直接お礼は言わないと思うから。ミワちゃんの話を聞く上では彼女は変に強がりみたいだから』…

    IP強制表示中:124.146.174.38
    2010-09-15 23:54:00
  • 564:

    大阪花子

    それを聞いたカナは『そうなんや…何か部長らしいな』と笑った。次の日の夜もミワは山崎と食事をしていた。プルプル…『カナちゃんじゃない?』山崎の予想は当たっていた。『もしもし?』『今日も部長来てるみたいやねん。私なら平気やからってミワ今度、部長に言ってくれへん?』『うん…』

    IP強制表示中:124.146.174.37
    2010-09-15 23:59:00
  • 565:

    名無しさん

    部長あやし…笑

    IP強制表示中:124.146.174.77
    2010-09-16 00:33:00
  • 566:

    大阪花子

    その次の日も、そのまた次の日も部長はカナのマンションの近くをうろついていた。流石にカナも我慢の限界にきていた、ある日のことだった。ミワとカナが仕事終わりに女子トイレに行くとパウダースペースで事務の女子社員が話し込んでいた。その女子社員は二人に気付くことなくペラペラと話した。

    IP強制表示中:124.146.174.1
    2010-09-16 00:51:00
  • 567:

    大阪花子

    『受付の村上さんって棚橋部長と不倫してたらしいよ』『うそ?!』『長谷川振った子やん?!理由って不倫?』『不倫は昔らしいねんけど、長谷川君と棚橋部長って仲悪いんやって!だから長谷川君は棚橋部長への当てつけで村上さんに告白したらしいよ』『そうなんや〜でも長谷川君の作戦失敗やん』『でもな、うちの彼氏、長谷川君とチームなんやけど長谷川君はあんな女、楽勝やって言ってるみたい』『あはは!長谷川君ってそんなキャラなんや』『不倫したら痛い目合うな』『ちょっと…』そのうちの一人がミワ達に気付いた。

    IP強制表示中:124.146.174.2
    2010-09-16 00:58:00
  • 568:

    大阪花子

    『あほ面さげて人の噂話ばっかしてるから事務の女は使えん尻軽やって言われるんやで』カナはそう言い捨てて、そのままトイレに入っていった。噂話をしていた三人組はミワを睨みつけて出ていった。『カナ〜?』トイレの中からカナが泣く声がしてミワは隣のトイレの音センサーを付けた。

    IP強制表示中:124.146.174.1
    2010-09-16 01:02:00
  • 569:

    大阪花子

    『あ〜むかつく!何やねん、あのブス三人』カナはタバコを吹かしながらぼやいた。『まぁまぁあの人達はあれで自分の価値下げてるのを気付いてないんだから』『あんたのがキツイな』そんなことを話しながらもミワの頭の中は、棚橋の話していた内容との照らし合わせに忙しかった。プルプル…ミワの携帯が鳴った。『どうせ山崎さんやろ?』カナが冷やかす。『うるさいよカナ〜』携帯を見ると知らない番号からだった。

    IP強制表示中:124.146.174.1
    2010-09-16 01:59:00
  • 570:

    大阪花子

    ミワは恐る恐る電話に出た。『もしもし?』すると聞き覚えのある大きな声が返事をした。『おぉ!みわか?ママに番号聞いたんや?今何しとんねんや?!』『え?あれ!?根本さん?』『おぉ!よう分かったのぅ。ちょっと話あんねん!金曜日同伴出来るか?』『え?はい。大丈夫ですよ』『ほな、7時に店前でな!』『はい。分かりました』『ほなな〜』『あっは〜い』

    IP強制表示中:124.146.174.2
    2010-09-16 02:06:00
  • 571:

    大阪花子

    たじたじと電話に対応するミワにカナが声をかけた。『えらいデカイ声やな』『え?あぁ〜お客さん。ほら中国語の…』『あ〜なんだっけ?関根?山根…?』『根本さん!』『そだそだ!根本さん』プルプル…『パワフル根本さんちゃうか?』『なんちゅう、あだ名つけんのよ』携帯を見ると山根からだった。

    IP強制表示中:124.146.174.1
    2010-09-16 02:11:00
  • 572:

    大阪花子

    ↑訂正。携帯を見ると山崎からだった。

    IP強制表示中:124.146.174.2
    2010-09-16 02:12:00
  • 573:

    大阪花子

    カナを誘ったが邪魔は出来ないとカナは一人で帰って行った。山崎を待っていたミワに誰かが声をかけてきた。『相田さん?』振り返ると長谷川が立っていた。『あっお疲れ様です』『ちょっといいかな?』『え?あぁ…待ち合わせしてて…』ミワは真相が知りたいと思った。『だからって三人で食事?ないないないよ…』ぶつぶつ呟くミワを不思議な顔で見つめ長谷川の目が一点に止まる。『待ち合わせって男の人?』

    IP強制表示中:124.146.174.1
    2010-09-16 02:30:00
  • 574:

    名無しさん

    楽しみ楽しみ?

    IP強制表示中:210.136.161.194
    2010-09-16 05:31:00
  • 575:

    名無しさん

    クオリティー低い

    IP強制表示中:124.146.175.105
    2010-09-16 10:49:00
  • 576:

    大阪花子

    すみません?とりあえずは目を通してくれはったんなら、自己満足にお付き合い下さってありがとうございました?

    IP強制表示中:210.153.86.37
    2010-09-16 11:15:00
  • 577:

    大阪花子

    長谷川の見ている方を振り向くと山崎が立っていた。『あの人と…だから長谷川さん、すみません。またの機会に』ミワは長谷川にお辞儀をして山崎の方へとかけて行った。『あの人?長谷川君って』と山崎がミワに聞く。『うん』そう答えて、車に乗り込む前にミワはもう一度頭を下げた。長谷川はニコリと微笑んでから頭を下げた。

    IP強制表示中:210.153.86.47
    2010-09-16 11:22:00
  • 578:

    大阪花子

    ミワは車の中で今日トイレで聞いた話を山崎にした。山崎はただ黙って、それを聞くと『女の子の井戸端会議だからね』と言った。『当てにならない?』ミワが尋ねると『あんまり』と山崎は答えた。『ミワちゃん、カナちゃんの事だから気になるのも解るけど変なことにあまり深入りしちゃダメだよ?ミワちゃんは結構無鉄砲だから』ミワはいつもの様に釘を刺された。

    IP強制表示中:210.153.86.145
    2010-09-16 11:25:00
  • 579:

    大阪花子

    『口尖ってるよ』山崎に言われて、少し不服に思った事が態度に出ていた自分にミワは驚いた。『あっ!違っ』『いいの。いいの。だんだん素が出て来て楽しいよ』と山崎は笑った。

    IP強制表示中:124.146.175.194
    2010-09-16 11:31:00
  • 580:

    名無しさん

    だんだん小説ぽくなってきましたね

    IP強制表示中:124.146.174.4
    2010-09-16 11:44:00
  • 581:

    大阪花子

    ありがとうございます??

    IP強制表示中:124.146.175.78
    2010-09-16 14:33:00
  • 582:

    名無しさん

    嫌味じゃないですよ?初めはノンフィクションぽさがあって、登場する方もリアルな感じで今は小説ぽい物語になってきたなて感じました?とても大好きなお話なので、頑張って下さいね?長文スミマセン!

    IP強制表示中:210.153.86.48
    2010-09-16 14:56:00
  • 583:

    大阪花子

    ありがとうございます?もうしばらく、お付き合いしてもらえたら嬉しいです?

    IP強制表示中:210.153.86.40
    2010-09-16 15:04:00
  • 584:

    大阪花子

    金曜日の朝。ミワは根本との同伴のために帰ってすぐに着替えれる様にワンピースを出して家を出た。ミワが駅に着くと前の駅で人身事故があったらしくダイヤが大幅にずれ込んでいた。(会社に連絡しないと…それから遅延証明もらわなきゃ)ミワが駅長室に向かおうとすると『相田さん?』振り返ると長谷川がいた。『長谷川さんもこの辺にお住まいですか?』『そうなんだ相田さんも?』『はい』ミワは真相を掴めると浮足立つ自分を必死に抑えた。

    IP強制表示中:124.146.175.194
    2010-09-16 15:11:00
  • 585:

    大阪花子

    でも、チャンスは向こうからやってきた。『村上さんて棚橋部長と付き合ってたのって本当なの?』長谷川は突然切り出してきた。『え?』ミワが返答に困ると『実は僕、いや僕の学生じぶんの先輩が市内で弁護士しててね』と長谷川が言いにくそうに話し出した。『それが何か?』ミワが尋ねると『そこに棚橋部長の奥さんが離婚の事で相談に来てるんだ』と話した。

    IP強制表示中:124.146.175.225
    2010-09-16 15:15:00
  • 586:

    大阪花子

    『仕事上、人に話すのはNGなんだけど先輩も相手が僕の会社の人間だって聞いて示談で済むなら、その方がいいだろうって。理由を聞いたら社内で不倫したって。相手は村上さんだって聞いて驚いたよ』と話す長谷川からは嘘を感じれずミワは困惑した。『それで…?』『詳しくは話せないんだ。ごめんね。ただ僕は村上さんと付き合いたいと思ってるから個人的に気になって』と長谷川ははにかんでみせた。

    IP強制表示中:124.146.175.196
    2010-09-16 15:19:00
  • 587:

    大阪花子

    『そうなんですか…あの〜長谷川に聞きたいことがあって…』ミワは長谷川にトイレで聞いた事を思い切って話した。すると長谷川は『それ村上さんも聞いたの?!』と血相を変えた。『その場にいました…』と、ミワが答えると『最悪だ』と長谷川はうなだれた。

    IP強制表示中:124.146.175.196
    2010-09-16 15:22:00
  • 588:

    大阪花子

    『それに不倫の話は社内では誰も知らないはずだし、長谷川さんが言いふらしたんですか?』ミワが聞くと『そんなわけない!あるわけない!部長だよ』と弁解した。『部長?!』ミワは理解に苦しんだ。『部長は村上さんを誰にも取られたくないか知らないけど、酒の席で村上は俺の女だって言いふらしてるよ!皆、始めは真面目を絵に描いた様な部長にしては冗談キツイって笑ってたけどね』長谷川の言葉にミワは唖然とした。

    IP強制表示中:124.146.174.70
    2010-09-16 18:00:00
  • 589:

    大阪花子

    『確かに周りに冷やかされて村上さんを落としてみせるって言ったことはあるよ?!楽勝とも…ごめん言ったな。でも、先月内輪の飲み会でまた冗談を言う部長を見て僕は部長に宣言したんだ。村上さんに交際を申し込みます!って…それからだよ。社内に僕の変な噂が回ったのも。申し訳ないが部長の仕業だと思っている』ミワは返す言葉がなかった。しばらくすると電車が来た。(カナに言わなきゃ)

    IP強制表示中:124.146.174.70
    2010-09-16 18:04:00
  • 590:

    大阪花子

    ミワが出社するとカナはすでに勤務についていた。『遅くなりました』ミワが席につくと『ねぇミワ…私、今日部長とご飯に行こうと思うねん』とカナが切り出してきた。『え?なんで?』『昨日、久しぶりに連絡あって…長谷川君が私を陥れようとしてるから心配やって言うねん。大丈夫やって言うても、あれで過保護なとこあるから…一回ゆっくり話すわ。いつまでも家の周りウロウロされるのも…。せっかくふっ切れかけてたし』とカナは苦笑いを浮かべた。『実はね…』ミワが今朝の話をしようとすると来客者が現れ、タイミングを失った。(ランチの時に言おう)ミワは思った。

    IP強制表示中:124.146.174.69
    2010-09-16 18:10:00
  • 591:

    大阪花子

    昼休暇になるとカナは『ミワごめん!今日、学生の時の友達と約束あって』とそそくさと出ていってしまった。(何かタイミング合わないな〜)ミワは昼休暇に山崎に連絡をした。今朝の話を山崎にすると『だから若手の弁護士が馬鹿にされるんだよ』と一言言ってから本題に入った。(確かに依頼事項を話しすぎだよね)とミワも思った。

    IP強制表示中:124.146.174.69
    2010-09-16 18:21:00
  • 592:

    大阪花子

    『僕は長谷川って子の方が信憑性ある気がするよ』と山崎が言った。『だって依頼事項を他人に話すなんてタブーをしたことをわざわざ言ってまで、嘘つく必要あるのかな?て思うからね。ただ長谷川って男がよっぽどの捻くれ野郎なら別だけど。それに…あの日、部長が僕を交えさせたのは腑に落ちないしね』『なんで?』『全くの第三者に話したい内容かな?』『私の彼氏だから二人っきりは気まずいって部長…』『なら僕ならそもそも飲みにも行かない』『行かなさそうだけど』

    IP強制表示中:124.146.174.70
    2010-09-16 18:26:00
  • 593:

    大阪花子

    ミワは最近抱いていた気持ちを山崎にぶつけた。『何か最近、冷たい気がするな山崎さん』少し黙って『僕以外で頭いっぱいな上に僕以外の男の話。変な感情がないにしても、ちょっとジェラシー』『ジェラシーって!』とミワは電話口で吹き出した。『あのね〜笑いすぎ』『だってだってジェラシーって…あはははは』『失礼しちゃうな〜』

    IP強制表示中:124.146.174.70
    2010-09-16 18:29:00
  • 594:

    大阪花子

    ミワは自分のデリカシーの無さを反省した。今日の根本との同伴はどうしても言えなかった。(黙ってるのは、何か悪いことするみたいで嫌だけど…)昼休暇を終えて持ち場に戻るとカナが先にいた。『何食べてきたの?』とミワが聞くと『モナコ…』とカナが答えて気まずそうな顔をした。モナコは棚橋部長とカナが密会する時によく使っていた喫茶店の名前だった。ミワは何も言わずに席についた。

    IP強制表示中:124.146.174.49
    2010-09-17 13:45:00
  • 595:

    大阪花子

    『ごめんな…隠すつもりやなかったんやけど、夜も会うのに昼もって変やん?!別れたのに…何か言いにくかってん』『ううん。何話したの?』ミワは嫌な予感がした。『ヨリ戻したいって言われた』カナは少し照れながらそう話した。『戻るの?』『考えるって言うた』『そっかぁ』

    IP強制表示中:124.146.174.49
    2010-09-17 14:15:00
  • 596:

    名無しさん

    一気に読みました。ハマりました!
    続き楽しみにしてます☆がんばってください。

    IP強制表示中:210.153.86.49
    2010-09-18 01:51:00
  • 597:

    大阪花子

    ありがとうございます?頑張ります?

    IP強制表示中:210.153.86.137
    2010-09-18 10:10:00
  • 598:

    大阪花子

    ミワは考えた。もし部長の言い分が本当なら離婚が成立さえすればカナは晴れて“不倫”から卒業出来る。もしも、長谷川の言う事が本当でもカナが今なお棚橋を思っているなら、棚橋の離婚が成立してしまえば棚橋がした事もカナは知らずにいた方がいい。ミワはそう思いながらも、長谷川説が本当だったならカナが何としても死守してきた不倫の事実を人に言い触らし、長谷川のありもしない噂を流す部長を軽蔑せずにはいれなかった。

    IP強制表示中:210.153.86.34
    2010-09-18 10:19:00
  • 599:

    大阪花子

    その日、同伴だったミワは仕事を終えると急いで家に帰った。カナにはカナの気持ちを優先させようと余計な話はしないことにした。待ち合わせ前にミワは携帯をマナーにして根本を待った。根本はすぐに現れ、店の近くの寿司屋に連れて行かれた。席に着くと日本酒を頼み、一気にネタをオーダーした。『用件あるからパッパと頼んだで』根本は今日も豪快だった。

    IP強制表示中:210.153.86.145
    2010-09-18 10:29:00
  • 600:

    大阪花子

    『ところでな』用件は唐突に言い渡され、転機は突然現れた。『お前、中国で仕事せんか?』『はい?』ミワは突き出しの酢の物を吹き出しそうになった。『今なんて?』ミワが根本の方を見ると、根本はまっすぐミワを見て『だ〜か〜ら!中国来てみんか?ゆうてん』と笑った。ミワは突然のことすぎて返答に困った。

    IP強制表示中:124.146.175.226
    2010-09-18 14:22:00
  • 601:

    大阪花子

    『今度な上海に支店作ることになったんやけど、現地スタッフはちょっとで大半を日本から出すつもりやねん。せやけど一人もんでとか、融通聞いて仕事出来る奴に限って中国語がイマイチでな〜せやけど中国語出来るからって誰でもいいわけちゃうからな』と根本は話した。『だからって何で私なんですか?』『そんな嫌がんなて!お前は顔はいい顔しとんねん。これからもっと伸びる!ちょっと試してみぃひんか?自分を』

    IP強制表示中:124.146.175.196
    2010-09-18 14:26:00
  • 602:

    大阪花子

    『急過ぎて…』困惑するミワに『そらそやな。せやけどチャンスはそうそう来んぞ?!返事は一週間後にくれ。こっちも準備あるし、お前も会社に言わなあかんやろ?』『一週間?!』『せや!時は金なりや!一分一秒無駄に出来んのやビジネスはな』『はぁ…』あまり乗り気になれず、適当な返事をしたミワに根本は『まぁええ返事が来んのはわかっとるけどな』と言って笑った。

    IP強制表示中:124.146.174.75
    2010-09-18 14:30:00
  • 603:

    大阪花子

    その後、根本は仕事の話を一切しなかった。店に入っても、いつもの様にママとミワを両手に置いて豪快に飲んだ。珍しく、この日は12時頃まで飲んでいた。『そろそろやな』根本が呟く。『何がですか?』不思議がるミワが根本に尋ねた時だったママの携帯が音を立てた。『山崎さんかしら?』そう言ってママが席を立つと『今日は彼にも会いたかってん』と根本が言った。『えっ!?』ミワは訳がわからなかった。

    IP強制表示中:124.146.174.76
    2010-09-18 14:36:00
  • 604:

    大阪花子

    ママが電話を受けて、しばらくすると山崎が現れた。『こっちやこっち〜』根本が山崎を手招きする。困惑しているのはミワだけだった。ママは事前に根本から山崎と飲んでみたいと聞いていた様で、山崎はママからそのことをさっきの電話で告げられていたらしく頭を下げて根本の席に着いた。『いや、何か僕なんか呼んでもらって。ご馳走なります!』と山崎は根本とグラスを合わせた。

    IP強制表示中:124.146.174.75
    2010-09-18 14:39:00
  • 605:

    大阪花子

    『無理ゆうたな』根本は誰がみてもご機嫌だった。『いえ。正直驚きましたけど』と山崎は言い、ミワは一人動揺していた。そして、その動揺は更に大きくなる。根本が突然、ミワに中国勤務の打診をしたことを山崎とママに告げた。二人は目を丸くしてミワを見た。『まだ返事はしてないです。突然過ぎて…混乱してるというか』とミワは口ごもった。

    IP強制表示中:210.136.161.65
    2010-09-18 16:19:00
  • 606:

    大阪花子

    『僕が口出しすることじゃないけど詳しく聞かせてもらえますか?』と山崎が言うと、根本は『口出すとこやろ?あんたは…なんせミワのこれやろ?』と親指を立てた。『ちょっともう』と呆れるママをよそに根本は豪快に笑った。ミワは他の席をキョロキョロと見渡し根本の肩をポンと叩いて『もう声大きいですから』と小声で怒った。

    IP強制表示中:210.136.161.65
    2010-09-18 16:38:00
  • 607:

    名無しさん

    山崎さんて×1ですよね?ぶらくで相手側の親に反対されて駆け落ちで結婚したけど奥さん親と縁切れたのとかで離婚したて最初の方書いてたのにワカナが出てきたらへんで離婚理由が親の紹介でなんとなく結婚したけど冷めた夫婦になって離婚て書いてあったから?

    IP強制表示中:124.146.175.78
    2010-09-18 23:33:00
  • 608:

    名無しさん

    私も気になってました
    あなたの子供は産めないていって去っていったのに子供にもぅ仮面夫婦はやめてみたいなこといわれたてかいてたので。

    IP強制表示中:210.136.161.75
    2010-09-19 06:54:00
  • 609:

    大阪花子

    奥さんのくだりはもう一度あるので、もうしばらくお待ちいただけると嬉しいです。ややこしい書き方で、すみません?でも、ちゃんと読んでくれてはって凄い嬉しいです?

    IP強制表示中:124.146.175.103
    2010-09-19 11:43:00
  • 610:

    大阪花子

    この日もミワと山崎はバーで待ち合わせをして一緒に帰った。ただ山崎はいつもと様子が違った。タクシーに乗り込むとミワは思い切って山崎に尋ねた。『山崎さん?何か怒ってる?』『…』『怒ってるよね?同伴黙ってて、ごめんなさい』山崎は外を見ながら『行くの?中国…』とミワに聞いた。『え?あれは根本さんが勝手にっ』『でも、返事保留したんでしょ?』ミワは黙り込んでしまった。『僕、ミワちゃんが中国語話せるの知らなかったな』『いや、流暢じゃないし』『君にチャンスを与えれるのが僕であればと思ってたんだよね』と山崎は悲しそうに笑った。

    IP強制表示中:124.146.175.234
    2010-09-19 14:05:00
  • 611:

    大阪花子

    ミワを部屋に送り届けると山崎は自分のマンションへ帰って行った。

    IP強制表示中:124.146.175.234
    2010-09-19 14:30:00
  • 612:

    大阪花子

    この日ミワは着信音で目が覚めた。眠い目を擦り携帯を見てミワは飛び起きる。『え?!なんで』電話は叔父からだった。叔父はミワの会社の社長でもある。ミワは恐る恐る電話に出た。ミワの勘が当たってしまう。『はい。お疲れ様です』ミワが電話に出ると挨拶もなく叔父は話出した。『ミワか?お前、夜バイトしてるんか?』『はい』『すぐに辞めなさい』『…』『アルバイトは禁止している。まして親類となると示しもつかん。分かるだろ?』『はい…』『すぐに対応してくれな?頼むよ』

    IP強制表示中:124.146.175.100
    2010-09-19 15:41:00
  • 613:

    大阪花子

    『どうしてもダメ?だよね』『いくら姪でも辞めてもらわんとあかんなるからな。シフトやなんやあるんやろけど、お前はうちの正社員や』『はい』『あぁ、それから兄さんが心配してたぞ。連絡しても返事もなんも来ないって。変なのと付き合ってないか?って』『大丈夫だから。お父さんにはバイトのこと言わないでね』『わかってる』

    IP強制表示中:124.146.175.100
    2010-09-19 16:07:00
  • 614:

    大阪花子

    電話を切ってミワはベットに横たわった。『辞めたことにしたらいっか…ダメかな〜』プルプル…カナからだった。『もしもし?』『ミワ…今な、部長から電話あって部長な、離婚すんねやって』やはり長谷川の言った通り離婚の話は本当だった。『それで?』ミワが尋ねると『落ち着いたら結婚しよって言われてん』電話口でカナが声を震わせたのが分かった。

    IP強制表示中:210.136.161.71
    2010-09-19 23:54:00
  • 615:

    大阪花子

    ミワは長谷川から聞いた事は黙っておくことにした。『良かったねカナ』『いいんやんな?私…もう我慢せんでいいんやんな?』『うん』電話を切ってしばらくミワはぼーっとしていた。知らない幸せは本当に幸せなのかと…そんな事を考えていると、ふと根本の話を思い出した。『知らない幸せかぁ〜でも知らずにいるのは何か嫌だな。…せっかくのチャンスを試さず終わるの?私…』

    IP強制表示中:210.153.86.133
    2010-09-20 12:16:00
  • 616:

    大阪花子

    いつの間にか根本の話を考えてる自分に驚きミワは頭をくしゃくしゃっとしてシャワーを浴びた。『断らなきゃ』シャワーを浴び終えて出てくるとママから留守番電話が入っていた。『ミワちゃん…ちょっと店に用事で来たらミワちゃんのお父さんって人から電話があってね…娘はアルバイト辞めますからって…どういう事?連絡ちょうだい』ミワは唖然とし、すぐにママに電話をした。

    IP強制表示中:210.153.86.41
    2010-09-20 12:25:00
  • 617:

    大阪花子

    やはり父親からのようだったので、ミワはママに事情を話した。するとママは一旦お休みして落ち着いたら働くか?と提案を出した。ミワはとりあえず父親に連絡をすると電話を切ったがママの一言が何故か空しさを覚えさせた。『そうだよね…アルバイトだもんね』それからすぐにミワは実家に電話をした。

    IP強制表示中:210.153.86.35
    2010-09-20 12:29:00
  • 618:

    大阪花子

    実家に連絡を入れるのは年末に帰れないと電話した時以来だった。『もしもし相田でございます』『お母さん?ミワ…お父さんいる?』『ミワちゃん?!お父さん今、道場やわ〜繋ぐから待ってて?』『お稽古ならいいよ』『生徒さん違う違う。一人やから』そう言って相変わらずフランク母親は父親に電話を代わるべく部屋を駆けた。『お母さん!走らなくていいから』ミワの声など聞かずに受話器越しにタタタタッと言う駆け足の音だけが響いた。

    IP強制表示中:210.153.86.143
    2010-09-20 12:34:00
  • 619:

    大阪花子

    駆け足の音が止んで、会話する声がした。『ミワか?!お前何のバイトしとんねん!誠二に聞いたぞ!すぐに辞めろよ?!』父親も父親で相変わらずだとミワは思った。『お父さんが怒ってるのは誠二叔父さんのとこで働いてるのにアルバイトをしたから?それともアルバイトの内容が飲み屋だから?』ミワは頭ごなしの父親が昔から苦手だった。『どっちもや!飲み屋には今日お父さんが電話した!誠二にはお前からも謝れ!この恩知らずが!』

    IP強制表示中:210.153.86.136
    2010-09-20 12:39:00
  • 620:

    大阪花子

    隣で父親をなだめる母親の声がした。『いいか?ミワ!誠二のとこで働けてんのも、お前が姪やからやぞ?それをお前はぁ』『わかってる!もう分かったから!勝手なことしないで!!』ミワは叫ぶ様に言い放ち電話を切った。『昔からそう…ずっと』そう呟き床にへたり込むミワの中で何かが音を立てて崩れた。

    IP強制表示中:210.153.86.33
    2010-09-20 12:43:00
  • 621:

    大阪花子

    ミワの実家は空手の道場をしていた。刑事だった父親が早くに足を怪我し退職しミワが中学生の頃から営んでいた。刑事上がりの父親は誠一といい、名前の如く誠実だけが取り柄の様な男だったが、あまりに頑固で型にはまらないことには断固反対をする人間だった。その為、ミワは小さい頃から自分を押し殺し人に合わせるといったことがよくあった。

    IP強制表示中:210.153.86.41
    2010-09-20 12:48:00
  • 622:

    大阪花子

    それでも、いざ部屋が決まると父親が反対をしたため半ば家出状態で一人暮らしは始まった。それでもミワは達成感に満ちていた。アルバイトを始めた時も始めて自分で決めた何かを成しているという実感に喜びを覚えた。小さい頃から自分の居場所が欲しかった。だから自分という者を強烈に持っていた山崎に惹かれたのだろう。

    IP強制表示中:210.153.86.35
    2010-09-20 12:56:00
  • 623:

    大阪花子

    『もういい…』ミワはある決意を固めた。それでも一人、ちゃんと話さなければいけない人がいる。ミワは山崎に電話をかけた。『もっしもーし』元気な声が返事をした。『もしもし?山崎さん?元気だね』『だってミワちゃんからの電話だからね』と山崎が答えた。『昨日はごめんなさい。何か…』『なんで?謝ることないよ。考えてるんでしょ?真剣に…断る理由を探してる感じがしたけどな〜』と話す山崎の声がやけに優しくてミワは涙が出た。

    IP強制表示中:124.146.175.225
    2010-09-20 13:00:00
  • 624:

    大阪花子

    『私ね…山崎さん?』話し出そうとするミワに『そっち行っていい?』と山崎が聞いた。少しためらったが『うん』とミワは答えた。顔を見たら決意がちぶりそうなきがした。

    IP強制表示中:124.146.175.196
    2010-09-20 13:01:00
  • 625:

    大阪花子

    1時間もしない内に山崎が部屋に来た。クッションにあぐらをかく山崎にミワはお茶を出し、山崎の前に座った。『山崎さん…私…』山崎は黙ってミワが話すのを待っていた。

    IP強制表示中:210.153.86.43
    2010-09-20 13:07:00
  • 626:

    大阪花子

    山崎は膝の上で握りしめていたミワの手を取って、そっとキスをした。不思議とミワは緊張が解けた様な気がして、ゆっくりと話し出した。『私、小さい頃からお父さんに言われるがまま生きて来た気がするの。大金持ちでも何でもないよ?ただ、それが家の暗黙のルールだったから。私、一人っ子だしルールにはまるのは意外とすんなりでね。でもいつも満たされなくて…』

    IP強制表示中:124.146.175.194
    2010-09-20 13:13:00
  • 627:

    大阪花子

    『うん』山崎は優しく相槌を打った。『山崎さんに出会って…こないだも言ったけど強烈に自分を持っていた貴方にどんどん惹かれる自分とだんだん自分を嫌いになる自分がいて…山崎さんのお店で働かないか!?て言われた時も嬉しかったよ?私を色恋抜きで必要としてくれてるって一人の人間として見てくれてる気がしたから。でも、山崎さんにおんぶに抱っこな感じがして、やっぱり何か嫌でね』

    IP強制表示中:210.153.86.33
    2010-09-20 13:16:00
  • 628:

    大阪花子

    山崎は黙って頷く。『そんな時に根本さんの話があって、正直驚いたけど何か無償にワクワクしたの。何でだろう…全く未知の世界なのに正直やってみたいって思ってね?自分の唯一かもしれない特技が生かせれて必要とされてって…何か嬉しくて』『分かるよ』と山崎は優しく返事した。『今日、叔父さん…会社の社長から電話あってアルバイトが見付かってね。辞めろって言われた』『そっかぁ』

    IP強制表示中:210.153.86.144
    2010-09-20 13:20:00
  • 629:

    大阪花子

    『アルバイトは私の中では今までの自分に対する逆襲的な?上手く言えないけど反逆の行為で…叔父さんに黙っててって言ったのに父親に話してたみたいで、父親は店に電話して…ママには落ち着くまで休んだらって言われた。何か、何か私がいなくても世間は動くんだなって改めて実感しちゃって』と苦笑いをミワは浮かべた。『そういう意味じゃないと思うよ?ったく余計な気を回すからママも…』と山崎はぼやいた。

    IP強制表示中:124.146.175.226
    2010-09-20 13:25:00
  • 630:

    大阪花子

    『その事でさっき実家の父に文句言おうとしたら、やっぱりまともに何ていえなかった。だって私はお父さんがいなきゃ何にも出来ない人生だったから…』ミワの頬を大粒の涙が流れた。『このままじゃ今度は山崎さんがいなきゃ何にも出来ない人間になるから…それは嫌だから…だから…』ミワはしゃくりあげるのを必死に堪えようとしたが、すればするほど涙が後から後から出てきた。そんなミワを山崎がそっと抱き寄せ頭を撫でながら『そっか、そっかぁ〜』と言った。

    IP強制表示中:210.153.86.35
    2010-09-20 13:30:00
  • 631:

    大阪花子

    『私…だから…私…中国に行く』言い終えると山崎はミワを強く抱きしめた。ミワは声を上げて子供の様に泣いた。今までの空しさやもどかしさ、これからの不安…そして何より山崎への色んな想いが言葉の代わりに涙となって溢れた。山崎はただ黙ってミワを抱きしめ続けた。

    IP強制表示中:210.153.86.50
    2010-09-20 13:34:00
  • 632:

    大阪花子

    この日、ミワは始めてアルバイトをズル休みした。出勤時間には大量の着信があった。山崎の携帯にも、おそらくママからだろう。着信が絶えなかった。二人は着信音が鳴り響く中で何度も何度も身体を合わせた。互いに言葉に出来ない淋しさを互いの身体の中に吐き捨てる様に。始めて肌を合わせた、あの夜の日の様に…

    IP強制表示中:124.146.175.195
    2010-09-20 13:39:00
  • 633:

    大阪花子

    ミワが目を覚ますと山崎の姿はもうなかった。テーブルには[ママの店に顔出してきます。起きたらメールして?]とメモが置いてあった。『なんで…温泉?』ミワはクスリと笑って山崎にメールをした。【今起きました?ママ怒ってない?】しばらくするとメールが届いた。メールを開くと山崎からではなくママからだった。

    IP強制表示中:124.146.175.194
    2010-09-20 15:01:00
  • 634:

    大阪花子

    【ミワちゃん、おはよー。電話はそういう意味じゃなかったの。ごめんなさいね?ミワちゃんがいてママは本当に助かってます?】『ママ…ありがとう』ミワは心が救われた様に感じた。【おはようございます。連絡せずに休んじゃってごめんなさい。謝るのは私です。何か後押しが欲しかったんです。ママとの電話をきっかけにした私は少しズルイですね?ママに罪悪感感じさせてしまって、ごめんなさい。一度ゆっくりご飯に付き合ってもらえたら嬉しいです?】

    IP強制表示中:210.136.161.81
    2010-09-20 15:12:00
  • 635:

    大阪花子

    『だって…山崎さんの言った通りの返事がきたわ。ほら?本当に山崎さんはミワちゃんのことは何でもお見通しね』とママがミワからのメールを山崎に見せながら言った。『いや〜まだまだ解らない事だらけだよ』『ミワちゃんが辞めたら寂しくなるわ〜私のミスね』『ママのせいじゃないよ?彼女はほってても、いつかはそうしたよ。それに根本さんの件がなければ…』少し黙った山崎に『なければ?』と意味深に質問した。

    IP強制表示中:210.136.161.81
    2010-09-20 15:27:00
  • 636:

    大阪花子

    すると山崎はソファーにもたれて、ため息混じりに『お嫁さんにしたから、どっちみちここも辞めてたよ』と言った。『あらま』とママは嬉しそうに笑った。『いらっしゃいませ〜』誰かが来店した。『山崎さん…こられましたよ』とママが言うと山崎はソファーに浅く腰をかけ直した。『どうも』と山崎が立ち上がり頭を下げると『相変わらず堅い男やな〜』と豪快な笑い声が返事した。『根本さん、こういう人大好きよね』とママが楽しそうに笑った。

    IP強制表示中:210.136.161.82
    2010-09-20 15:32:00
  • 637:

    大阪花子

    『あんたとは二人で飲みたい思っとってな。ママに前々から言うとったんや〜今日は何やミワが休んだらしいからな。こっちとしては願ったり叶ったりやったわ』そう言って根本は腰を下ろした。水割りを一口飲むと真面目な顔をして、根本は山崎に頭を下げた。『一年!一年が勝負や思うてます。理解もらえたら助かります』山崎は慌てて『根本さん!頭上げて下さい!それを決めるのは僕じゃないから!彼女自身なんで』と根本に頭を上げてもらった。

    IP強制表示中:210.136.161.81
    2010-09-20 15:48:00
  • 638:

    大阪花子

    『いやな、あんたにお願いしたいのは待っとってやってほしいんや。一年。この一年で勝負したい思ってる。もしミワが承諾したんやったら、山崎さん?あんたにミワを待っとってやってほしいんや。それから先はミワ次第やけど、始めの一年は中国に行きっぱなしになる。あの子は行くと決めたら我慢しよる思う。せやけど辛い一年になるんは間違いない。だから…あんたには』そう話す根本に『何でミワちゃんだったんですか?』と山崎は尋ねた。

    IP強制表示中:210.136.161.81
    2010-09-20 15:52:00
  • 639:

    大阪花子

    しばらくしてからミワに山崎からメールが入った。【ゆっくり眠れたみたいだね?もし良かったら顔が見たいんだけど。起きてたら電話下さい?】ミワはすぐに電話をかけた。30分ほどすると山崎はミワの部屋に着いた。『お帰りなさい』『ただいま』山崎はお土産にケーキを買ってきてくれていた。ミワは紅茶をいれた。『今日ね、根本さんと飲んだんだ』山崎が言った。驚いたミワは返す言葉が見付からなかった。

    IP強制表示中:210.136.161.81
    2010-09-20 16:51:00
  • 640:

    大阪花子

    『根本さんに。もしミワちゃんが中国行きを決意しても、待っとってやってほしいんや〜てお願いされたよ』それを聞いてミワは目頭が熱くなった。『私は本当に人に恵まれてると思う。皆、私にとってはお父さんでお母さんでお兄ちゃんでお姉ちゃんで…』『僕はミワちゃんのお父さんとお兄ちゃんは御免だよ』ケーキをつまみながら山崎が言った。『え?』ミワが山崎をキョトンと見つめると山崎はミワを真っすぐに見直して『僕はミワちゃんの伴侶になりたいからね』とニコッと笑った。『山崎さん!』ミワが照れ臭そうに笑った。

    IP強制表示中:210.136.161.82
    2010-09-20 16:59:00
  • 641:

    大阪花子

    そんなミワの頭にポンと手を当て『頑張っておいで。僕もミワちゃんが中国で頑張ってる間、のんびりなんてしないよ。もっともっと頑張って会社をでかくする』『はい』『ミワちゃん…日本に帰って来たら結婚しよう』ミワは目を丸くして固まってしまった。山崎も返事がないことに動揺しケーキを口にした。ミワも黙ってケーキを食べ出す。

    IP強制表示中:210.136.161.82
    2010-09-20 17:04:00
  • 642:

    大阪花子

    ケーキを食べ終えた二人は紅茶を飲んだ。『あの〜ミワちゃん?』山崎がちらっとミワを見ると真っ赤な顔をしたミワがそこにいた。『山崎さん…』『はい?』『私、何かタイミング…外しちゃったから…あの…その…もう一度言ってもらえます?今の』と真っ赤な顔を隠すようにミワは俯きながら言った。そんなミワを愛おしいと思いながらも『いや…結構、勇気いるからね』と山崎は笑ってミワを自分の方へと向き直させた。

    IP強制表示中:210.136.161.81
    2010-09-20 17:08:00
  • 643:

    大阪花子

    膝を突き合わせて二人は向き合った。『相田ミワさん!』『はい』『僕と結婚して下さい』山崎は真っすぐミワを見つめた。ミワは自分の顔が自然と緩むのを感じながら『はい』と返事をした。『ヤッター!』ミワの返事を聞き子供の様に山崎はガッツポーズをして喜んだ。そんな山崎をミワは愛おしいと思った。自分勝手な自分をどこまでも受け止めて導いてくれる山崎の存在がミワの掛け替えのないもとなっていた。『山崎さん夜中だから〜』『今日は特別だよ!あっ!指輪買わなくちゃ!婚約指輪!』『え!?いいよ〜』『中国野郎が恐れ退く様なヤツ買うっ!』『どんな指輪よ?』

    IP強制表示中:210.136.161.82
    2010-09-20 17:15:00
  • 644:

    大阪花子

    次の日、ミワは根本に連絡をした。すると善は急げだと言う事でミワは根本と近くの喫茶店で会った。契約期間は一年間。中国へは11月に入ると下見とスタッフの顔合わせを兼ねて一度行き、本格的には年明け早々という話だった。その後の契約更新は仕事の出来とミワの結婚事情次第だと根本は笑った。根本に会った、その足でミワは久しぶりに実家に帰った。

    IP強制表示中:210.136.161.81
    2010-09-20 17:26:00
  • 645:

    大阪花子

    『許さん!』ミワの予想通りの返事が誠一からは返ってきたが、この日のミワは怯まなかった。『今まで、お父さんの言うこと聞いて生きてきた。でも私、全然生きた心地がしなかった。どうしても自分を試してみたい。失敗するかもしれないけど、今のままだと私は私を好きになれないから…お父さんを恨んでしまうと思う。だからお願い…お願いします。中国行きを応援して下さい』そう言ってミワは畳におでこを何度も擦った。『許さんと言ったら許さん!それにお前もええ歳やろ!結婚だってな〜』

    IP強制表示中:210.136.161.81
    2010-09-20 17:31:00
  • 646:

    大阪花子

    必死に止める父親に対してミワは留めのように話した。『結婚したい人ならいます。その人がいるから私は中国で一年、頑張ろうと思えたの』『ならん!どこの馬の骨かも分からん輩にな〜』『挨拶ならちゃんと来るわよ!今日は中国の話がしたかっただけだから!でも本当に素敵な人だから。お父さんが何と言おうと私は中国で頑張るし、山崎さんとも結婚します』もうミワは今までの我慢が蓋を開け、止まらなくなっていた。それでも父親も頑固で『そんな勝手は許さん!』の一点張りだった。

    IP強制表示中:210.136.161.81
    2010-09-20 17:35:00
  • 647:

    大阪花子

    『…と、言うわけなの』ミワは食事をしながら山崎に今日の事を話した。『あ〜あぁ』山崎はうなだれた。『ごめん…だって…でも…』ミワが罰悪そうに真っ正面に座る山崎を見つめると『いや、いいんだけどね…ただほら…僕の素性はお父さんには言わなきゃいけないと思うしね?何かちょっと言いづらい雰囲気になったくさいなって…まぁいつでも言いやすい話じゃないけどね』と山崎は苦笑いを浮かべた。『バツイチのこと?』ミワが尋ねると山崎は『だけならいいんだけど』と淋しそうに笑った。

    IP強制表示中:210.136.161.81
    2010-09-20 17:40:00
  • 648:

    大阪花子

    『あっ!』ミワはすっかり忘れていた。『山崎さん!そんなの関係ないよ?山崎さんの…その…出身というか何ていうか…その話でしょ?』とミワが話すと山崎は箸を置いて呟いた。『デジャヴュ見てるみたいだ』『え?』山崎は昔を思い出していた。―――――父親の働く会社にいた遥。それが山崎の妻となる女性の名前だった。

    IP強制表示中:210.136.161.81
    2010-09-20 17:50:00
  • 649:

    大阪花子

    『はるちゃん良い子やぞ?お父さん、はるちゃんがお前の彼女やったら自慢や』これが山崎の父親の口癖だっ。しばらくして山崎は遥と付き合った。遥が山崎に惚れきっているのは誰がどう見ても一目瞭然だった。それでも、どこか煮え切れずにいる自分を感じながらも遥の裏表ない笑顔と父親の強い進めもあって、山崎も心を決めた。『大学を卒業したら結婚しよう』山崎は遥にプロポーズをした。もちろん、返事は決まっていた。山崎の父親も心底二人の結婚を喜んでくれた。山崎は父親孝行が出来た!そう思った。しかし、二人の結婚はそう上手くはいかなかった。

    IP強制表示中:210.136.161.82
    2010-09-20 18:09:00
  • 650:

    大阪花子

    遥の実家は南泉州にある旧家で、山崎が挨拶に行くと毎回門前払いを喰らった。『うちの娘をぶらくの人間にくれてやる訳ないやろ!』山崎は次第に考えるようになっていた。(俺は本当に遥が好きなのか?誰の為の結婚だよ?親父のため?遥のため?…本当にこの結婚が誰かの為なのか?)山崎は結婚を諦めることにした。『遥…結婚はやめよ?』それを聞いて遥は泣いて山崎にすがった。

    IP強制表示中:210.136.161.81
    2010-09-20 18:21:00
  • 651:

    大阪花子

    『タカヤ!(山崎の名前)そんなの関係ないやん?…その…身分とかそういうの…私、タカヤがおったらそんでいいんやもん!』山崎の中で何かが切れた。自分のコンプレックスを受け止めてくれる場所が見つかったと思えた。山崎は勢いそのままに遥と結婚をした。しかし幸せはそう長くは続かなかった。家族と絶縁状態になった遥にとって仕事、仕事で家庭を省みない山崎への不満は次第に恨みに変わっていった。

    IP強制表示中:210.136.161.81
    2010-09-20 18:27:00
  • 652:

    大阪花子

    そんな中、山崎の父親が山崎夫婦に養子縁組の話を持ってきた。山崎の実の姉の所に五人目が生まれたからだった。子宝に恵まれなかった二人のかすがいになればと、山崎も半ばワラをも掴む思いで姪を養女にもらった。遥は我が子の様に養女を可愛がり育てた。しかし、ある日のこと。『サチも妹か弟ほしいだろな』山崎が遥に言うと遥は真顔で山崎に答えた。『貴方の子供なんて産めない』山崎の支えが崩れ落ちた夜だった。

    IP強制表示中:210.136.161.82
    2010-09-20 18:33:00
  • 653:

    大阪花子

    お互い、ギリギリの所にいたのかも知れない。山崎は一心にサチの為に働いた。働きながら遥にいつも心で詫びた。(僕があの時、自分に負けたから彼女を巻き込んだ。僕はあの日、彼女と別れるつもりで会ったのに、自分の弱さに負けた。ごめん遥…)次第に山崎は絵に描いた仕事人間になっていた。せめてもの報いにと山崎は遥に出来る限りの贅沢をさせた。ぶらくの嫁と言う負い目を一ミリも感じさせまいと…。

    IP強制表示中:210.136.161.81
    2010-09-20 18:41:00
  • 654:

    大阪花子

    そんな中、独立寸前の父親の死。遥は葬式にすら出席しなかった。仮面夫婦は子供のサチには窮屈だったのだろう。サチは優しい子だった。優し過ぎるほどに。知らぬ顔で作文に理想通りの父親と母親だと書いてあるのを山崎は寝顔を見に入った机の上に、そのノートを見つけた。最後はそのサチが決めてくれた。中学三年生最後の日。娘は山崎より遥より大人になっていた。『もう仮面家族はやめようよ…』

    IP強制表示中:210.136.161.81
    2010-09-20 18:46:00
  • 655:

    大阪花子

    ―――――『関係ないことは決してないよ?ミワちゃん。受け入れて貰えるか貰えないかだからね?』山崎の言葉がやけに重く感じた。『何がそんなに悪いの?』ミワは無知な自分が恥ずかしかった。『難しいよね…今じゃ逆に差別ビジネスなんてのもあるしね』と山崎は苦笑いを浮かべた。『…』『僕にもちょっとはコンプレックスってあるんだよ』山崎はニコッと笑ってみせた。ここが外じゃなければ確実に抱きしめたとミワは思った。

    IP強制表示中:210.136.161.82
    2010-09-20 18:59:00
  • 656:

    大阪花子

    『会ってないの?娘さんには…』ミワは申し訳なさそうに山崎に聞いた。『会ってないな…今は感受性も豊かな時だしね』と山崎は答えた。『奥さんとは?』ミワは恐る恐る聞いてみた。『会ってないよ』『そうですか…娘さんは奥さんが?』『いいや…姉さんが育ててるよ。嫁んとこは親がね…僕が引き取るって言ったらサチが自分で叔母さんとこがいいって言ってね…気付いてたのかな?』と淋しそうに笑った。』

    IP強制表示中:210.136.161.81
    2010-09-20 19:10:00
  • 657:

    大阪花子

    『明日、誕生日なんだ…』『ん?娘さん?!』『うん…』言いづらそうに山崎が言った。『プレゼントは?プレゼント!』『いいよ!』『まだ7時半だから急いだら間に合うから〜ほら!貰ってもらえなくてもいいじゃない?いつか分かってくれるよ。だって山崎さんサチちゃんのこと大好きなんでしょ?』山崎はミワに手を引かれて百貨店に入った。『こういうのよく分からないし…』乗り気でない山崎にミワが鋭く突っ込んだ。

    IP強制表示中:210.136.161.82
    2010-09-20 19:17:00
  • 658:

    大阪花子

    『前にママに18.9才の女の子って何欲しがるんだろって聞いてたんでしょ?ママから聞いてたよ?毎年悩んでるんでしょ!?ワカナちゃんからも一緒に買いに行ったことあるって聞いてるもん。それとも、もう買っちゃったの?』『…まだ』『なら、ほら!』ミワは半ば強引に山崎を化粧品売場に連れて行った。『リップグロスなんてどうかな?服の好みなんて分からないけどグロスなら最近の子でも使うだろし。ちょっと大人になる頃だしね』とミワは山崎に笑いかけた。『大人…ねぇ』少しふて腐れた様に見えた山崎の顔には父親の顔が見えかくれしている様に感じてミワは何だか嬉しかった。

    IP強制表示中:210.136.161.81
    2010-09-20 19:22:00
  • 659:

    大阪花子

    ミワはディオールのリップグロスを選んだ。『これなら口紅の上からでも、そのままでも平気だからね…ところでいつも、どうやって渡すの?』『え?…郵送』山崎は言いづらそうに答えた。『味気な〜』ミワが横目で山崎を見ると『いやだってね…そんなフランクに会えないって!』手を振り否定する山崎に『そっかぁ』とミワも諦めた。

    IP強制表示中:210.136.161.81
    2010-09-20 19:34:00
  • 660:

    大阪花子

    山崎はその足でコンビニに荷物を出しに行った。『南堀江?』ミワが山崎が書いた住所を読むと『ミワちゃん!行っちゃダメだよ!』と、山崎は釘を刺した。『変わってるよ』と答えたミワは次の日、会社に退職届を出し、その足で山崎の書いた住所らへんへ向かった。『で?何で私もなんよ?』とカナが面倒臭そうにぼやいた。『え?何か一人だとさ…あ!ここだ』表札を見ると山崎とあった。

    IP強制表示中:210.136.161.82
    2010-09-20 19:45:00
  • 661:

    大阪花子

    『山崎さんのお姉さん家って美容院なんだ…』とミワが呟くと『あれ?私来たことあんで?!』と、カナが言った。『うそ!?』驚くミワに『ホットペッパー載っててん』とカナが話した。そうこうしていると中からお客さんと店員が出てきた。30過ぎくらいの、その女性のお客さんが帰り際に『お誕生日おめでとうね』と店員に笑いかけた。『ありがとうございます』と笑顔で頭を下げた店員にミワは釘付けになっていた。

    IP強制表示中:210.136.161.81
    2010-09-20 19:56:00
  • 662:

    大阪花子

    頭をあげて店に入ろうとした、その店員がミワたちに気付いて会釈した。『空いてますか?』ミワは思わず叫んでいた。隣で驚くカナをよそにミワは『また連絡する』と言って店に入っていった。『おいおい…何か色々吹っ切れすぎやろ』と呟くカナの携帯が鳴った。『え?会社?』

    IP強制表示中:210.136.161.82
    2010-09-20 20:01:00
  • 663:

    大阪花子

    『ご両親に会ったりするの?』『え?』不思議な顔をされてミワは思わず『うちも両親が離婚してるからさ』とごまかした。『あぁ…会ってないです。でも父親からは毎年プレゼントが届きます。何でか今年はなくて…あはは!でも、養育費をたんまり貰った分を貯金してるんで、いつかお父さんに会える位立派な人間になったら父親孝行に旅行でも行きたいです。あとは、お父さんがボケたら老人ホームにも入れてあげないといけないし』と彼女は笑った。


    IP強制表示中:124.146.175.67
    2010-09-20 21:03:00
  • 664:

    大阪花子

    『そっかぁ』ミワはこの話を山崎にしてやりたいと思った。『出来ないけど…』『え!?何か?』『いえいえ!あ〜いい色!』そうごまかしたミワに『まだ塗ってる最中ですよ』と彼女はまた笑顔で答えた。帰り際、入口まで見送りに出てきた彼女とカットを担当してくれた女性にミワは『ありがとうございました』と頭を下げて去った。少し歩いて振り返ると、彼女はまだ道にいて当たりを見回していた。ミワにはそれが何を意味するかすぐに分かってミワは居ても立ってもいれず気づけば、彼女の元へ駆けていた。

    IP強制表示中:124.146.175.67
    2010-09-20 21:08:00
  • 665:

    大阪花子

    『山崎家のDNAって勘が鋭過ぎだわ』駅に着いたミワはそう呟いて携帯を見た。『誠二叔父さんからと…お父さんからと…カナから三回も電話だ。なんだろ?メールもないし』そう言ってミワはカナに電話をかけた。電話に出たカナはいつもと様子が違った。『ミワ…私会社辞めなきゃいけないかも…』『なんで?』

    IP強制表示中:124.146.175.67
    2010-09-20 21:22:00
  • 666:

    大阪花子

    ミワはカナの電話を切ると慌てて叔父に電話した。『はい。相田です』『叔父さん!なんでカナをクビにすんの?』『カナ?』『村上カナ!』聞いたのか…』『聞いたって、やっぱり…何でよ』『彼女…不倫してるだろ?棚橋と』ミワは返す言葉がなかった。『棚橋に奥さん側の弁護士から離婚裁判の内容証明が送られてきてな。何を思ったかうちに依頼したいって棚橋がいうからな…そうなると多かれ少なかれ彼女とのことを知る人も出てくるだろ。そうなると彼女は会社にいずらくなるんやないか?』『でも依頼は他人に話さないでしょ?なんで?』『ミワ!』『本当にそれが理由?だったら二人共辞めさせたらいいじゃない』

    IP強制表示中:124.146.175.68
    2010-09-20 21:38:00
  • 667:

    大阪花子

    ミワは納得がいかなかった。電話を切ってからミワは同僚に片っ端から電話をかけた。『長谷川くんの番号しらない?』同期入社の人間から長谷川の番号がきけた。『はい。長谷川ですが』『突然すみません!相田です。今いいですか?』『え?相田さん?!大丈夫だけど、どうしたの?』

    IP強制表示中:124.146.175.98
    2010-09-20 23:44:00
  • 668:

    名無しさん

    続き気になります?

    IP強制表示中:124.146.175.107
    2010-09-21 01:13:00
  • 669:

    大阪花子

    ミワは、何も知らないと言う長谷川にしつこくすがった。すると長谷川はしぶしぶ真相を話してくれた。『奥さんは村上さんを解雇して部長と金輪際関わらない事を約束させれたら離婚の訴訟は取下げると言ってるんだ』ミワは頭が混乱した。『部長はカナにプロポーズしたのよ?』『え?』長谷川もあまりの驚きに一瞬、言葉を無くしたようだったが話を続けた。

    IP強制表示中:124.146.174.82
    2010-09-21 13:45:00
  • 670:

    大阪花子

    『僕も部長の心境の変化までは分からないけど、ただ部長もそれなりの給料を貰ってるから慰謝料は相当なものだろうし、何より奥さんは代議士か何かの娘らしくて…うちの会社としても揉めたくないんだと思う』『何それ?!』『あと…』長谷川は言いづらそうに続けた。『部長の自宅のパソコンから不倫に関する写真とかを奥さんは見付けてて、これが大事になると会社的にも大打撃になるからね』『写真って?』『僕は直接見てないけど…その…いわゆる現場的な…』『裸とか?』『まぁそういうの』

    IP強制表示中:124.146.174.82
    2010-09-21 13:52:00
  • 671:

    大阪花子

    『信じらんない!』ミワは長谷川に礼を言い叔父に電話をかけようとした。だが、長谷川の立場を考えると出来なかった。『カナがかわいそう…何でよ』部長と叔父に対しての怒りで涙が溢れた。プルプル…ミワが携帯を見ると山崎からだった。『山崎さん!』『え?どうしたの?今どこ?!』山崎は30分程でミワの所に現れた。ミワを見るなり『あ〜あ、ベッピンさんが台なしだね』と泣いているミワを車に乗せた。

    IP強制表示中:124.146.174.81
    2010-09-21 13:57:00
  • 672:

    大阪花子

    事情を全て聞いた山崎からは意外な言葉が返ってきた。『それで例えば、カナちゃんが会社や部長を訴えたとしてカナちゃんは会社にどの道いずらいだろうし、会社的にも大事にしたくないならカナちゃんに多額の退職金を払って部長からも慰謝料貰ってカナちゃんは次の人生を…』『ひどいっ!』

    IP強制表示中:124.146.174.81
    2010-09-21 14:24:00
  • 673:

    名無しさん

    ミワは思わず叫んでいた。『結局、結局カナがかわいそうなだけじゃない!』山崎はあの時と同じ顔をミワに向けた。タケシの母親の一件で口論になった時と同じ顔だった。ミワは自分が客観的に見れていないのだと直ぐに悟ったが、止めることが出来なかった。『部長はカナに結婚しようって言ったんだよ?』山崎は黙って聞いていた。『離婚するからって言ってたんだよ?』プルプル…ミワの携帯が鳴った。電話はカナからだった。

    IP強制表示中:210.136.161.78
    2010-09-22 16:51:00
  • 674:

    名無しさん

    『もしもし?』ミワは出来る限りの平常心を心掛けて電話に出た。電話の向こうで啜り泣く声だけが聞こえた。『カナ?』しばらくしてカナは話し出した。『さっき部長からも連絡があってね…奥さんに不倫のことバレて、すんなり離婚出来へんかもって。お前に迷惑かかるし、しんどい思いさすから会社辞めて知り合いの所行かんか?って。で、結婚は落ち着いてからに…て言うねんやん?』ミワは愕然とした。思い描いた最悪のシナリオが目の前で始まっていた。

    IP強制表示中:210.136.161.78
    2010-09-22 16:57:00
  • 675:

    名無しさん

    『もう部長のことなんか忘れ?!部長といたってカナ幸せなれんよ?泣いてばっかりやもん』ミワは思わずそう言ってしまった。こぼれる涙も止めることが出来なかった。電話の向こうでカナがしゃくりあげて泣くのが分かって、ミワは悔しさともどかしさに歯を食いしばって泣いた。山崎も頭を座席に当て、大きなため息をついた。

    IP強制表示中:210.136.161.77
    2010-09-22 17:01:00
  • 676:

    名無しさん

    山崎は車を走らせた。カナとの電話を切り、一段落した頃またミワの電話が鳴った。『今日はなんか私、人気者だね』ミワは山崎に苦笑いを見せた。『なんじゃそりゃ』山崎も悲しい笑顔を浮かべた様にミワには見えた。電話は長谷川からだった。ミワは山崎に携帯を見せて電話に出た。『もしもし?』『相田さん?ごめんね急に!もしもの話だけど村上さんが頑張るなら部長を精神的苦痛を理由に訴えれるし、会社の解雇にも何らかの慰謝料を請求出来ると思うんだよね!』そう長谷川は言った。山崎からさっき聞いたな…ミワはそう思った。

    IP強制表示中:210.136.161.77
    2010-09-22 17:10:00
  • 677:

    名無しさん

    そのことはカナにすぐに連絡をした。カナは『少し考えるわ』そう言って電話を切った。『ねぇ?山崎さん…』『ん?』『お腹空かない?』ミワが弱々しい笑顔を山崎に向けると、山崎はミワの頭にポンと手を当て『腹が減っては戦は出来ませんからね!お姫様』と笑った。もう11時を回っていた。『では、お姫!もう遅いし、バーでも寄って軽く何か作ってもらおっか?!』『はい』

    IP強制表示中:210.136.161.78
    2010-09-22 17:18:00
  • 678:

    名無しさん

    次の日からカナは体調不良という名目で会社を休んだ。受付の電話が鳴った。『はい。フロントの相田です』『あぁ相田さん?ちょっと席外せる?』叔父からの内線だった。『今日はフロントが一人なので…すみません』ミワは嫌味を込めて返事をした。『事務から人をよこすから、上がって来なさい』叔父は無愛想にそう言い放った。

    IP強制表示中:210.136.161.78
    2010-09-22 17:25:00
  • 679:

    名無しさん

    コンコンコン…『どうぞ』『失礼致します』ミワが社長室に入ると叔父はソファーに腰掛けていた。『座りなさい』叔父が指指す所にミワは腰を下ろした。『何か?』ミワは悪びれることなく叔父に言い放った。『何かじゃないわ。退職ってなんや?兄さんからも連絡あったわ。どういうことや?』『今までお世話になってて何の相談もしないまま勝手言ってるのは分かってます。でも、せっかくのチャンス逃したくないの。分かってほしい。それに退職に関しては…』ミワが法的な話をしようとすると『そんなんはいいねん!』と叔父に止められた。

    IP強制表示中:210.136.161.78
    2010-09-22 17:32:00
  • 680:

    名無しさん

    『ほんまに行くんか?』『行く』ミワは即答した。叔父は顔色を変えずに続けた。『兄さんには説得せんと行くんか?』『お父さんは頑固だから…そりゃ時間の限りは説明するよ?』『結婚するってほんまか?』『そんな事まで聞いたの?!』『あぁ…しかもお前…そいつ…』ミワはゾッとした。『調べたの?!』『そら一応な…』だんだんミワは身体が熱くなるのを感じて思わず声を荒げていた。『だから何なの?!』『落ち着け…古いんかもしらん。せやけどアカンもんわアカン』

    IP強制表示中:210.136.161.77
    2010-09-22 17:42:00
  • 681:

    名無しさん

    ミワは昨日のカナの件もあり冷静でいることは出来なかった。『叔父さんもお父さんも、山崎さんのこと知らないでしょ?!なんにも!会った事ないじゃない?話したこともないし!何がダメなの?ぶらくの出身だから?山崎さんは何も悪い事なんてしてないわ!それなのに…皆、最低よ。カナの事もそう!何が弱い人の声を拾いたいよ!スローガンが聞いて呆れる』ミワは言い終えると部屋を飛び出た。

    IP強制表示中:210.136.161.78
    2010-09-22 17:46:00
  • 682:

    名無しさん

    『全く…頑固な所だけは父親似やな』と叩き閉められた扉を見つめて叔父は呟いた。ミワが女子トイレに入ろうとすると後ろから声を掛けられた。『相田さん!』『あっ!長谷川さん…』『村上さんは?』そう聞かれてミワは首を横に振った。

    IP強制表示中:210.136.161.77
    2010-09-22 17:49:00
  • 683:

    名無しさん

    『そっかぁ…』それから丸一週間、カナは会社に来なかった。長谷川も他の依頼などで連絡がうまく取れず状況が掴めぬまま、カナからも連絡が途絶えていた。ミワ自身、根本との打ち合わせに時間を取られていた。

    IP強制表示中:124.146.174.37
    2010-09-22 19:49:00
  • 684:

    名無しさん

    気になる

    IP強制表示中:202.229.176.129
    2010-09-24 12:48:00
  • 685:

    名無しさん

    続きまだ?

    IP強制表示中:124.146.175.225
    2010-09-24 14:45:00
  • 686:

    大阪花子

    なかなか続き書けなくてすみません?

    IP強制表示中:124.146.175.233
    2010-09-24 18:32:00
  • 687:

    大阪花子

    『そう…寂しくなるな〜』デニムを履いた足を組み替えながらママは言った。『すみません。急で…』ミワは11月いっぱいで店を辞めたいとママに伝えた。 『まぁ後、きれいにふた月あるし!残り二ヶ月よろしくね』『はい』久しぶりにママと行ったランチは何だか切ない味がした。

    IP強制表示中:124.146.175.234
    2010-09-24 18:38:00
  • 688:

    大阪花子

    仮眠を取りやめ、ミワはカナの家へ向かった。途中、長谷川に電話の内容を伝えると長谷川は『そっかぁ』と落胆の声をあげた。皆が皆、自分を守ることを省みてまで他人の不幸に手を貸そうとはしない世の中。腹を立てて、それでも誰と変わらず何も出来ない自分に、ミワは苛立った。(せめて、次の仕事くらい日本にいる間くらい一緒に探そう)

    IP強制表示中:124.146.175.233
    2010-09-24 18:46:00
  • 689:

    大阪花子

    ミワがカナの部屋に着くとカナはいつもと変わらずベットに腰を下ろしてタバコを吸っていた。『ヤッホー』手をあげたカナは何かを吹っ切った様子で綺麗に見えた。『意外と元気そうだね』『まぁね』『明日付けでって月曜日はもうこないの?』『退職の書類とか書きにだけ行くわ』『そっかぁ』『あの人来てん。おとつい』『部長?』カナは苦笑いを浮かべて頷いた。

    IP強制表示中:124.146.174.40
    2010-09-24 18:56:00
  • 690:

    大阪花子

    『慰謝料やら養育費やら…大変やから、とりあえずほとぼり冷めるまで待ってくれへんか?て』ミワは心臓が締め付けられる感覚を堪えながら話を聞いた。『一回、別れたと見せかけて。私が会社も辞めて奥さんが冷静なった頃に別の事由で示談離婚に持っていく…って。どんな嘘やねんなぁ?』カナは呆れた様な口調で話した。『もう情けなかったわ〜自分が…』『カナ…』

    IP強制表示中:124.146.174.40
    2010-09-24 19:00:00
  • 691:

    大阪花子

    『あんな奴に大事な結婚適齢期を費やしたんかと思ったらアホくさくて情けなくて…一気に冷めたわ。イラッて来たら、あれ投げてもうたわ』カナが指さす方をみると部屋の隅に二人で撮った写真の入った写真立てが転がっていた。『ミワごめんやねんけど…捨てとって?』ミワはそれを拾うとキッチンのごみ箱に捨てた。『疲れたね』ミワがそう言うとカナは煙を吹きながら涙を流した。ピンポーン…『誰?』カナがインターホンを見て固まった。

    IP強制表示中:124.146.174.39
    2010-09-24 19:05:00
  • 692:

    大阪花子

    『噂をすれば?』ミワがそう言ってインターホン画面を見ると、そこには長谷川が立っていた。『なんで?』理解が出来ずカナは通話を切ってしまった。『こら!出てやんなよ?』ミワとカナがあたふたしているとインターホンがもう一度鳴った。『はい…』『あ!長谷川です…』『え?何?』『えっと、相田さんから事情聞いて…いてもたってもいれなくて…』それを聞いたカナがミワを睨んだ。ミワははにかみながら鍵の解除ボタンを押した。

    IP強制表示中:124.146.174.40
    2010-09-24 19:09:00
  • 693:

    大阪花子

    『何も住所まで教えるかぁ?』カナは顔を真っ赤にしていた。『住所は私言ってないよ?』

    IP強制表示中:124.146.174.40
    2010-09-24 19:46:00
  • 694:

    名無しさん

    どきどき??

    IP強制表示中:202.229.176.131
    2010-09-25 03:23:00
  • 695:

    名無しさん

    気になります

    IP強制表示中:124.146.174.194
    2010-09-25 13:53:00
  • 696:

    名無しさん

    テーブルを挟んでミワと長谷川、カナはベットに三角座りをしてミワを見つめた。『ごめん。相田さんに退職の話聞いて…住所は社員名簿で。勝手にごめん』長谷川がカナを見て話すとカナは顔を赤くして目をそらした。『カナを心配して来てくれたんだ』とミワがちゃちゃを入れると長谷川は真剣な眼差しをミワに向け『もちろん』と答えた。ミワはそんな長谷川の顔を見てカナへと目線を移した。

    IP強制表示中:124.146.174.49
    2010-09-27 01:49:00
  • 697:

    名無しさん

    カナは顔を赤らめて黙っていた。(気まずい…何か喋らなくちゃ)ミワが会話を探していると長谷川が勢いよくカナの方を向き直した。カナは驚いた顔を見せたが、それより先に長谷川の言葉がミワの耳に飛び込んできた。『村上さん!僕と付き合ってほしい』カナは目を丸くして返事出来ずにいた。『色々掛け合ったけど君を守ってあげれなかった。ごめん』長谷川の言葉にカナがようやく返答した。『いや…長谷川君のせいちゃうから』

    IP強制表示中:124.146.175.106
    2010-09-27 18:42:00
  • 698:

    名無しさん

    『僕も退職届けを出してきた』『えーっ!』言葉を無くすカナの代わりにミワが声をあげた。『君のためなんてカッコイイことは言わないよ。前々から誘いがあったんだ。ただ今回の事で踏ん切りがついた。会社に未練はないけど、君には未練がある。もう一度考えてもらえないかな?』長谷川の真剣なアプローチにカナは動揺を隠せずにいた。ミワは『後は二人で話し合って?』と言い残すと部屋を出た。『ちょっとぉ!』引き取るカナに『甘えるのも大事よ?思われる幸せも悪くないと思われますよ?嫌ならアンタ即答してると思うけど?』と微笑みを返した。

    IP強制表示中:124.146.175.105
    2010-09-27 18:52:00
  • 699:

    名無しさん

    『と、言うわけなの〜』ミワは水割りを作りながらにやけ顔を山崎に見せた。『何か嬉しそうだね。昨日は小学生みたいな顔して泣いてたのに』『うるさい』『で、それからカナちゃんからは連絡ないの?』ミワの手が止まり、目を丸くして山崎をみた。『いいよ。携帯見ておいでよ』『ありがとう』ミワはあの後、お客さんとの同伴が入ったため、ろくに携帯を見れずにいた。リストに置いたままの携帯はマナーにしたままだったがランプが光っているのに気付き、ミワは勢いよく携帯を開いた。新着メールが一件。カナからだった。

    IP強制表示中:124.146.175.105
    2010-09-27 19:05:00
  • 700:

    名無しさん

    【今日はありがとう?長谷川君とは、やっぱりいきなりは付き合えんわ?でも、ご飯行ったりして少しづつお互いをしろうと思う!長谷川君も気長に待ってくれるって?】ミワは満面の笑みで携帯を握りしめ山崎の席に戻った。『朗報?』『何で分かるの?』『そりゃその顔見りゃ分かるよ。ねぇ?』山崎がヘルプについていた女の子に話をふると『ミワさん、顔にやけてますよ』とミワは言われた。

    IP強制表示中:124.146.174.38
    2010-09-27 20:28:00
  • 701:

    名無しさん

    この日は、バーで待ち合わせせずアフターに行くふりをしてミワと山崎は一緒に帰った。

    IP強制表示中:124.146.175.200
    2010-09-28 01:06:00
  • 702:

    大阪花子

    ↑名前、名無しになってました?すみません?

    IP強制表示中:124.146.174.14
    2010-09-28 01:15:00
  • 703:

    名無しさん

    おもしろい?
    一気に読んでハマりました?頑張ってください?楽しみにしてます

    IP強制表示中:124.146.175.97
    2010-09-28 02:01:00
  • 704:

    大阪花子

    タクシーに乗ると山崎は握ったミワの手にキスをした。『なに?』ミワが照れ臭そうに山崎に尋ねると『最近、ミワちゃんとゆっくり居れること少なかったからね。今日はニコニコなミワちゃんを見れて幸せだったんだ』少し酔った山崎は子供の様に笑って答えた。『山崎さん明日は?』『明日はミワちゃん用に空いてるよ』ミワは満面の笑みを浮かべた。

    IP強制表示中:124.146.174.13
    2010-09-28 03:12:00
  • 705:

    大阪花子

    山崎の部屋に二人は帰った。部屋に着くとひんやりとした風が通り抜けた。『もう、夜は冷えるね』山崎の部屋は39階にあった。何故39階かというと、入居当初の歳が39歳だったからだと山崎はいつか話していた。『最近は窓開けてると涼しいからね。換気換気!』ミワが窓から景色を眺めていると山崎が後ろからミワを抱きしめた。『山崎さん?』何となくいつもと違う雰囲気をミワは覚えた。『中国やめなよ…』山崎がぽつりと呟いた。

    IP強制表示中:124.146.175.196
    2010-09-28 03:18:00
  • 706:

    大阪花子

    『山崎さん?!』ミワが振り返ろうとすると山崎は抱きしめる腕の力を更に強めた。何も出来ずにいるミワに山崎は『ここにいらたいい。何かやり甲斐が欲しいなら何だってやってみたいことやればいい。店の一つや二つ、会社だって作ってあげるよ。ミワちゃんが全部プロデュースしていい。だからここにいなさい。一日だって好きな人の顔が見れないのは、いくらいい大人になっても辛いよ?一年なんて気が狂う。中国なんて行くなよ』一気に本音をぶちまけた。

    IP強制表示中:124.146.175.196
    2010-09-28 03:23:00
  • 707:

    大阪花子

    ミワは山崎の腕を解こうとするが解けなかった。『山崎さん…私、わがまま言ってるの分かってるよ。山崎さんならダメって言わないの知ってて相談だってした』『知ってる』耳元で山崎の声が返事をする。『ごめんなさい。でも、今までずっとモヤモヤしてた。自分って何だろ?て。何の為にいるんだろ?って』ミワは山崎の腕を握り返した。『僕のそばで僕の為に生きればいい』

    IP強制表示中:124.146.175.194
    2010-09-28 03:27:00
  • 708:

    大阪花子

    それを聞いたミワは言葉が続かなかった。『…山崎さん…』二人の間に長い沈黙が続いた。その間、山崎のミワを抱きしめる力はそのままだった。『…ごめんなさい…私…中国行きたい…』ミワは声を震わせた。『私…』『うーそっ!』『へ?』ミワはガラス越しに映る山崎の顔を見た。山崎は優しい笑顔でガラス窓に映るミワを見ていた。『僕が弱音吐いたくらいで揺らぐ決意なら本気で止めようと思ったけど、やっぱり僕の大好きなミワちゃんは意志が強い子で安心したよ。頑張るんだよ』ガラス窓に映る、ニコッと微笑んだ山崎の顔をミワはそっと撫でて『山崎さん…』涙を流した。

    IP強制表示中:210.153.86.145
    2010-09-28 03:37:00
  • 709:

    大阪花子

    山崎の優しさに包まれながら、また山崎には敵わないなと山崎の大きさをミワは感じながら山崎の腕をギュッと包んだ。『でも、寂しいのは本当だからね。毎日一緒にいたいのもね?一人で寝る時なんて、隣に小さいのいなくて、あれ?って感じだしね』と山崎はミワを抱きしめ身体を左右に揺らした。『私毎日、電話する』『本当に?』『絶対に。時差だって1時間だし』『文通でもしますか?』『文通?何かいいね。そういうのも』いつのまにかミワに笑顔が戻っていた。

    IP強制表示中:210.153.86.36
    2010-09-28 03:42:00
  • 710:

    大阪花子

    こんなに自分を愛してくれている人を置いて、自分を通すんだから今よりもっと素敵に輝ける人間になって帰って来よう。自分のために。山崎のために。二人のために。ミワは山崎の腕の中で強く強く思った。

    IP強制表示中:124.146.175.195
    2010-09-28 03:45:00
  • 711:

    名無しさん

    いよいよ最終回なのかなぁ?

    IP強制表示中:124.146.175.101
    2010-09-28 05:25:00
  • 712:

    大阪花子

    コメントありがとうございます?楽しんで読んでもらえて何よりです!

    IP強制表示中:124.146.174.9
    2010-09-28 05:54:00
  • 713:

    大阪花子

    『くすぐったいんですけど〜』ミワは笑い声を堪えながら山崎に言った。『え?いいからいいから』山崎はミワの首筋に唇を擦りつけた。『山崎さんがヒゲあるの珍しいね』『今日は一日オフにしてたからね』山崎はそう話すと口回りにうっすら伸びたヒゲをミワの首筋や背筋になぞらせた。『山崎さん、ヒゲ薄いもんねってか!くすぐったいってば』ミワは堪らず足をバタバタさせた。

    IP強制表示中:124.146.174.68
    2010-09-28 06:03:00
  • 714:

    大阪花子

    『むりむり!』くすぐったがるミワをガラス窓に押し付けながら山崎はミワの服を脱がせた。『ミワちゃん、ちゃんと見せて』山崎はそう言うと下着姿になったミワを自分の方へ向かせた。ミワは顔をほんのり赤らめながら山崎の方を振り返った。『うん。きれい。本当にかわいいな』山崎はそう言うとミワを抱き抱えベットに横たわらせた。『これからは時間の許す限り、ミワちゃんといたい。会えない間の分、ミワちゃんを全身全霊で覚えてたいからね』山崎はそう言うと服を脱ぎ、ミワの下着を外した。

    IP強制表示中:124.146.174.67
    2010-09-28 06:09:00
  • 715:

    大阪花子

    それから少しの隙間さえ無い様な程、ミワを抱きしめた。『山崎さん』ミワも力一杯、山崎を抱きしめた。ペロッ…『ぁン』山崎はゆっくりとミワの耳に舌を這わせた。耳から首筋、首筋から鎖骨…山崎が触れる場所に火が灯ったかの様な感覚をミワは感じながら心地好さに目をつむった。『ぁっ…』ミワの胸を揉みながら山崎が口に乳首を含んだ。ミワの身体がのけ反る。いつもより長い間、山崎はミワの胸をまさぐり続けた。山崎の肩に置くミワの手に次第に力が入る。『ぁっ…頭が…ボーっとしてきた…ぁあン…』

    IP強制表示中:124.146.174.67
    2010-09-28 06:20:00
  • 716:

    大阪花子

    ミワの頭が朦朧と仕出した頃。山崎はミワの膝裏に腕を入れミワのクリトリスに優しくキスをした。『ぁあン…』少ししか触れられていないのにミワの身体には電流が走った。自分でも恥ずかしくなるほど、ミワはもう濡れていた。『ミワちゃん美味しい』山崎の言葉がミワを余計に興奮させた。『恥ずかしい…んン…ぁあ』山崎の手がミワの胸に伸びる。乳首を摘まれる度にミワは腰を浮かせた。

    IP強制表示中:124.146.174.67
    2010-09-28 06:26:00
  • 717:

    大阪花子

    山崎と一つになるまでにミワは何度も果てた。頭がボーっとする中で山崎の匂いと体温がやけに心地好かった。クチュクチュ…パンパン…『山崎っさん…ぁあン』滴る山崎の汗を身体に受けながらミワは何度も何度もいった。いつもと同じ幸せの時間。いつもと少し違ったのは、ミワを抱きしめる山崎の力が心なしか強かった様にミワには思えた。ミワが目を覚ますと隣で山崎が寝ていた。『大好き』ミワは寝息を立てる山崎の肩にそっとキスをした。

    IP強制表示中:124.146.174.67
    2010-09-28 06:34:00
  • 718:

    大阪花子

    ミワは不思議な夢を見た。占い師のヨシワがミワに赤子を手渡した。『この子は?』ミワがそう尋ねるとヨシワは優しく微笑み指を鳴らす。パチン!その音と共に赤子は消え、ミワのお腹に吸い込まれるかの様に光が入って行った。ミワがお腹を見ていると遠くから声がした。『頑張るんだよ。頑張るんだよ』どこかで聞いた心地好い声に耳を澄ませた。『僕の大好きなミワちゃん…』(この声は山崎さん?!)

    IP強制表示中:124.146.174.68
    2010-09-28 06:40:00
  • 719:

    大阪花子

    ミワが目を開けると、そこにはビックリした顔をしている山崎がいた。『ごめん!起こしたね』『大丈夫』『つい可愛いからって頭撫でちゃって。もうちょっと寝てな?』山崎はそういうとミワの頭にあった手を引っ込めた。ミワはそんな山崎の手を握り『よしよししてて?眠るから』と言った。ミワはまた魔法にでもかかった様に眠ってしまったが、もう夢は見れなかった。

    IP強制表示中:124.146.174.68
    2010-09-28 06:44:00
  • 720:

    名無しさん

    ひょっとして妊娠?

    IP強制表示中:124.146.174.65
    2010-09-28 07:52:00
  • 721:

    大阪花子

    次の日、目を覚ますと山崎はスーツ姿だった。『あれ?今日仕事?』ミワが尋ねると山崎は『ミワちゃんのご両親に挨拶に行きたいんだ…』と答えた。ミワはビックリして声が出なかった。『君が日本にいる間に君との結婚にご理解を頂かないとって考えてたんだけど、ここんとこ僕も時間なかったし。ちょっと急だけど。ミワちゃんに連絡入れてもらって…』『ちょっと待って…何も今日じゃなくても!』ミワは必死に止めた。止めるなんて、どう考えてもおかしいと解りながらミワは日にちをずらそうと山崎に提案した。

    IP強制表示中:210.136.161.74
    2010-09-28 12:16:00
  • 722:

    大阪花子

    『ミワちゃん…ごめんね。でも、嫌なことを後回しにしてたら前に進めないよ?』ミワは山崎の優しい笑顔に胸が締め付けられた。『山崎さん…』『大丈夫。君が悲しい顔することじゃない。僕は慣れっこだよ?でも君だけは誰にも渡したくないから。誰に何と言われようと!だって大好きだからね!仕方ないじゃん』そう言って山崎はニコッと微笑んだ。山崎は誰より自分の事を理解していた。『ちょっと待ってて?実家に連絡してみるね?』ミワは携帯を取り出した。

    IP強制表示中:210.136.161.74
    2010-09-28 12:23:00
  • 723:

    大阪花子

    『分からず屋!』ミワは思わず叫んで電話を切ってしまった。『ごめん…』恐る恐る山崎の方を振り返ると『なかなかミワちゃんも口がたつね』と山崎は笑った。ミワの父親は予想通り山崎に会うことはおろか、ミワに交際を止めろの一点張りだった。始めは冷静だったミワも次第に血が上り口論となってしまった。手招きする山崎の元へミワは行った。山崎の膝に座り『ごめんなさい。また日を改めて連絡してみる』とミワはすねた口調で言った。

    IP強制表示中:210.136.161.73
    2010-09-28 12:29:00
  • 724:

    大阪花子

    『うん。ありがとう。でもね、ミワちゃん。例えお父さんに僕の出身の話をされても怒っちゃダメだよ?お父さんは事実を言ってて言い掛かりじゃない。だから理解してもらう事が大事だと思う』『はい』ミワは山崎に抱き着いた。『よし!まぁ僕も何かせかせかスーツなんて着ちゃってね?!どこか食事でも行く?』いつもと変わらない山崎の笑顔がそこにあった。

    IP強制表示中:210.136.161.73
    2010-09-28 12:33:00
  • 725:

    大阪花子

    次の日にカナは退職の手続きをしに久々の出社をした。人事管理の人間のもとから帰ってきたカナはビックリした顔でミワに言った。『退職金ヤバいって…しかも帰り際にたまたま社長に会ったらな、いきなり謝られてん』『嘘?!』ミワも目を丸くした。『ほんで、部長の離婚裁判で私には迷惑は帰りかからないから安心しなさいって言いはるねん!』ミワは直感した。『長谷川くん?』カナもそう思っていた様だったが、あいにく長谷川は不在で確かめれなかった。カナはミワに食事に行こうね。と言い残すと清々しい顔で社を後にした。それからというもの、平日は会社に根本との打ち合わせにとミワは時間を割いた。毎週末になるとミワは実家に連絡を入れた。父親は頑として意見を曲げなかった。たまに会社で叔父に会うと『似た者親子だな』と半ば呆れた風にからかわれた。

    IP強制表示中:210.136.161.74
    2010-09-28 12:42:00
  • 726:

    大阪花子

    『こうなったら突撃したら?』そう言ったのはタケシの母親だった。『え?!』思いもよらないタケシの母親の発言にミワは驚きを隠せなかった。真面目にジムに通い、シェイプアップしたタケシの母親は最近誰が見てもきれいになっていた。それを勢いづかせる様にジム仲間とお茶をしたり、旅行したりと独りを満喫できる様になっていた。『ミワちゃんのお父さん頑固やしね。いきなり行かな、お伺い立てるだけ無駄な気がするわ』

    IP強制表示中:210.136.161.74
    2010-09-28 12:48:00
  • 727:

    大阪花子

    ミワは確かにタケシの母親の言う通りだと思った。ミワがタケシを紹介しようとした時も父親は『ホストなんざ!』の一点張りで会ってはくれなかった。『そやね!おばちゃんありがとう。そうしてみるよ』ミワはタケシの母親に満面の笑みを返した。『それでもダメなら、おばちゃんだって手伝うで!何でも言うて?』『ありがとう』ジムを終えて家に帰る途中でミワの携帯が鳴った。根本からだった。

    IP強制表示中:210.136.161.74
    2010-09-28 12:53:00
  • 728:

    大阪花子

    『ミワ!すまんのやけど来月の予定が早まりそうでな。来週の10月最後の月曜に中国行かれへんか?』その電話を受けて、すぐにミワは会社に有給休暇の申請の問い合わせをした。それから山崎に電話をかけた。タケシの母親の助言通りの作戦をミワが提案すると、流石に山崎は乗り気ではなさそうだった。しかし中国に行く前にミワ自身、中国行きの説得もしなければならなかった為、山崎は渋々了承してくれた。

    IP強制表示中:210.136.161.74
    2010-09-28 12:58:00
  • 729:

    大阪花子

    その週末に二人はミワの実家の前にいた。ミワは母親にだけはあらかじめ伝えておいた。インターホンを鳴らすと、『はいはい』と何の問題もなく母親が玄関を開けてくれた。『あら。あなたが山崎さんですね?』母親はニコニコと山崎を出迎えた。『突然申し訳ありません。山崎と申します』山崎が深々頭を下げると『うちの人、無駄に頑固なんよ…頑張ってね』と母親は楽しそうに笑った。『はぁ』愛想笑いをした山崎に『お母さん天然なの。ごめんね』とミワが言った。『お父さん居間だからね!お茶持ってくから先に行ってて』母親は何故か妙にウキウキしてるようだった。『ったく。お母さんは…』ミワはため息をついた。

    IP強制表示中:210.136.161.74
    2010-09-28 13:04:00
  • 730:

    大阪花子

    『お父さん、入るね』ミワが居間に入ると父親は新聞を読んでいた。『何や急に…』目線をミワに向けた父親の顔が見る見る内に豹変した。『誰が連れてきていい言うた!』一瞬ミワはびくりとした。すかさず山崎は『山崎と言います。ご無礼お許し下さい。どうかお話だけでも』と頭を下げた。『聞く話なんかない!帰ってくれ』その父親の言葉に『こっちは話したいこと山ほどあるの。こうでもしなきゃ会ってくれないじゃない』とミワが口を挟んだ。『帰りなさい』父親も頑固だった。『お父さんの許しがなくても…』ミワが言いかけた時だった。『ミワちゃん』山崎が止めた。

    IP強制表示中:210.136.161.74
    2010-09-28 13:11:00
  • 731:

    大阪花子

    『こちらの都合ばかり押し付ける真似をして、申し訳ありません。ただ、一つ僕は彼女を誰が何と言おうと幸せにしたいんです。許してくれとは言いません!チャンスをいただけませんか?』父親は少し怯んだ様に見えたが『そんなものあんたと私の間に要らん』と突っぱねた。『もういい!分からず屋!勝手にダメダメ言ってれば?!山崎さんのこと見もしない人が偉そうに。道場で人を教える立場でそれなら子供だって育つもんも育たないわよ!帰ろ!山崎さん?!』ミワが立ち上がろうとすると山崎がミワの手を引いてミワを座らせた。『何?』ビックリするミワに山崎は意外な言葉をあてた。

    IP強制表示中:210.136.161.73
    2010-09-28 13:18:00
  • 732:

    大阪花子

    『ミワちゃん。謝るんだ』『え?!』『君の一途な気持ちは僕は好きだし、僕を思った行動だと重々承知してるよ?それでも、お父さんに言う台詞じゃない』ミワは何だか取り残された気持ちになっていた。父親の方を向き直すとミワは涙を流して言った。『山崎さんにこんなことまで言わせるなんて情けない。私も…お父さんも…』そう言うと山崎のてを払ってミワは家を出た。『今日は失礼致しました。ただ、チャンスを頂けるまで何度も足を運ぶ覚悟です』山崎はそう言って、深々と頭を下げてミワを追った。『お父さんより頑固かもよ?』母親が運んできたお茶を父親に差し出した。『ミワか?』父親が呟くと『いえいえ。山崎さんですよ』と母親は笑顔で答えた。

    IP強制表示中:210.136.161.73
    2010-09-28 13:25:00
  • 733:

    名無しさん

    まだまだ続きそうで楽しみです?

    IP強制表示中:124.146.175.206
    2010-09-28 13:28:00
  • 734:

    大阪花子

    車の横で俯きながら泣くミワの頭を山崎はそっと撫でた。『山崎さん…ごめんね』『なんで?こんくらい普通だよ。僕の出身関係なく大事な娘をバツイチにはやりたくないって誰でも思うよ?』山崎はこんな時でも優しい笑顔をミワに向けた。『さぁ今日は帰ろ』山崎に言われミワは車に乗った。運転する山崎が苦笑いを浮かべた。『どうしたの?』『君は大事にされてるよ』そう呟いた山崎の見つめるバックミラーには門に隠れる様にして車を見つめる父親の姿が写っていた。(今は戻らない方が良さそうだな)ふて腐れながら泣くミワを見て、山崎はそう思った。

    IP強制表示中:210.136.161.74
    2010-09-28 13:32:00
  • 735:

    大阪花子

    半ば強引に有給休暇を取ったミワは関西空港にいた。山崎は仕事の都合で見送りには来れなかった。『ほな、行くか?』根本に言われミワはゲートをくぐった。これから一週間、ミワの挑戦の第一歩が始まる。ブーブーミワの携帯がなった。開くと山崎からのメールだった。【君なら大丈夫!帰りは必ず迎えに行くから。また連絡します?】

    IP強制表示中:210.136.161.73
    2010-09-28 13:36:00
  • 736:

    大阪花子

    中国につくとミワは上海市内にある根本の新事務所へ向かった。ミワの予想以上に車がごった返し、人が溢れていた。『なんか、凄い』『ひるんだら負けやぞミワ。弱いものは潰される国や』と根本は行った。上海のメインストリートからすぐに事務所はあった。事務所につくと一人の女性が座っていた。『社長、お久しぶりです。』少しなまりのある話し方をした、その女性はワンインと名乗った。『ミワ!お前と同じ歳や。二人でここを盛り上げてってくれよ?』根本はミワとワンインの肩を叩いた。

    IP強制表示中:124.146.175.206
    2010-09-28 17:41:00
  • 737:

    大阪花子

    驚くミワに『今日着くのサンプルは、今日のOCSにないね。工事はいつもしますから、私は何か…怒るします』どうやらサンプルが予定通りに着かないことに怒鳴っていた様だった。扉を開け豪快に笑いながら根本が入ってきた。『中国の女は負けん気が強いからな。しかしなミワ、ミスを素早く対処するだけじゃ中国ではアカン。対処しながらケジメを必要以上に見せんと、対処してくれてありがとうやのうて、何や対処出来るんやんけとなるわけや!まぁ食え』そう行って根本はサンドイッチを差し出した。何となく不思議な味のサンドイッチだった。

    IP強制表示中:124.146.175.206
    2010-09-28 17:51:00
  • 738:

    名無しさん

    タイトルのミワの秘密がいつ絡んでくるんやろ?毎日読みにきてしまう?

    IP強制表示中:210.153.84.168
    2010-09-29 15:38:00
  • 739:

    大阪花子

    午後も得意先からの電話や契約の問い合わせなど、事務所に電話の音が鳴り響いていた。ミワも電話対応に終われた。疲れただろうと食事は後日にして今日はホテルに帰った。(もう、自分のサインで契約を交わせてるんだよね…ワンインは…)ミワは自分とワンインとの差を思い知り凹んでいた。プルプル…ミワは飛びつく様に電話に出た。『山崎さん?!』

    IP強制表示中:124.146.175.198
    2010-09-29 15:51:00
  • 740:

    大阪花子

    『あれ?何か元気ないんじゃない?』そう言う山崎の声にも元気がなかった。『山崎さんこそ』ミワが言うと『ミワちゃんの顔見れないんだから、そりゃ元気も出ないよ』と山崎は言った。『あのね…』ミワは山崎に今日の一日の出来事を始めから全て、まるで日報のように話した。『そっかぁ日本じゃ担当者レベルの印鑑だけで大きな契約が動くことはないからね。そう考えると中国は個人の責任が露骨に仕事に影響するね』

    IP強制表示中:124.146.175.197
    2010-09-29 15:56:00
  • 741:

    名無しさん

    これは上手いね?文章の切れ目も考えてある?

    IP強制表示中:210.136.161.73
    2010-09-30 17:48:00
  • 742:

    名無しさん

    書いて?

    IP強制表示中:202.229.178.141
    2010-10-01 00:24:00
  • 743:

    名無しさん

    だいすき!

    IP強制表示中:202.229.176.136
    2010-10-01 03:50:00
  • 744:

    名無しさん

    コメントありがとうございます?更新率悪くなっててすみません?

    IP強制表示中:124.146.174.12
    2010-10-01 18:22:00
  • 745:

    大阪花子

    ミワは改めて自分の未熟さを知る。次の日も根本が契約を考える工事の視察にミワは同行させてもらった。その時も、ワンインが交渉する内容を把握するのがやっとで、それをどう効率よく動かすかなんて具体的なことまで会話中に判断するなどミワには到底無理な話だった。ミワは仕事を終えてホテルに戻ると、山崎に電話をかけ、その後は分厚い貿易本を明け方まで目を通した。

    IP強制表示中:124.146.174.11
    2010-10-01 18:27:00
  • 746:

    大阪花子

    そんな日を一週間過ごした、中国最後の夜。根本の計らいでワンインと後から駆け付けた日本人のスタッフと総勢六人で食事をした。『しっかし、相田さんは機転が効くね』ビールを片手に日本人スタッフの一人がミワに話しかけた。『え?私なんて何も…皆さんの仕事の邪魔しないのがやっとです』とミワが謙遜をするとワンインが口を挟んだ。『中国は一人が一人です。チームで仕事するは、仕事はもっといいです。何かスムーズとなります。私が交渉します。相田さんは電話の中で私の話を聞いてます。電話終わるの時、資料が用意されてます。これは仕事が早くなります』ワンインが話す独特の口調も、時折ズレている表現もミワにはよく理解出来た。だからこそ、ワンインの言葉が嬉しかった。

    IP強制表示中:202.229.178.133
    2010-10-02 04:05:00
  • 747:

    大阪花子

    『ありがとうワンイン』ミワが照れ臭そうに答えると『ほらな!目に狂いはなかったわ!』と根本が言った。『ミワはな、会社を先頭立ってガンガン引っ張るタイプちゃうんやけどな、必要不可欠な人間や。事務の仕事は簡単に見られがちやけどな、一番地味やけど、一番会社の面倒見てる部分や。事務処理の出来てない会社にろくな会社ないで。事務は営業の足やない。営業の監視員や』と続けて豪快に笑った。

    IP強制表示中:202.229.178.134
    2010-10-02 04:23:00
  • 748:

    大阪花子

    ミワは自分が役に立っていた事が嬉しかった。中国に来てから更に自分の無力さを思い知る毎日だったミワにとって山崎に言われた言葉だけが励みだった。悔しさをバネに勉強をした、たった一週間が早くも評価をされる。ミワはやり甲斐と同時に誘ってくれた根本や回りのスタッフ。そして応援し日本で待つ山崎に感謝を感じずにはいられなかった。

    IP強制表示中:202.229.178.134
    2010-10-02 04:28:00
  • 749:

    大阪花子

    少し遅くなったがミワはこの日も山崎に電話をかけた。『もしもし?ミワちゃん!』山崎が元気よく電話に出た。『山崎さん?!何か今日元気だね。昨日まで元気なかったのに』ミワが言うと『元気なくはないよ。昨日も元気は元気だったんだけど、今日は確かに飛び切り元気だよ』と山崎の明るい声が返事をした。『何かあったの?』ミワはさっきの嬉しさが山崎の元気そうな声を聞いて、輪をかけて大きくなる感覚がした。

    IP強制表示中:202.229.178.134
    2010-10-02 04:32:00
  • 750:

    大阪花子

    『実は…』山崎の言葉を聞いてミワは驚きのあまり、言葉が出なかった。『ミワちゃんのお父さんが今度会って話をしてくれるんだ!だからミワちゃん、帰ってきたら、ご実家に行くよ』

    IP強制表示中:202.229.178.134
    2010-10-02 04:35:00
  • 751:

    大阪花子

    関空に着き、到着ゲートを出ると一番に山崎の笑顔が飛び込んできた。『ミワちゃん』『山崎さん』大きく手を振りながらミワの元に満面の笑みを浮かべて山崎は歩いて来た。『お帰りミワちゃん』『ただいま。山崎さん』二人は照れ臭そうに見つめ合った。すると山崎が回りをキョロキョロと見回しミワに向かって『やっぱり関空一かわいい』と耳打ちした。ミワは今にも抱き着きたい気持ちを我慢して『山崎さんも関空一男前よ』と返事をした。

    IP強制表示中:210.136.161.46
    2010-10-02 17:15:00
  • 752:

    大阪花子

    車に乗り込むと山崎は『よし!ミワ家に行くぞ』と声を上げた。『ほんとなの?!』ミワは念のため、むしろ心の準備が出来ていない自分のために山崎に確認した。『行くよ!だってミワちゃんのお父さんの気が変わったら偉いことだからね』山崎の目は真剣だった。『でも何で?お父さんと話したの?』ミワが何度尋ねても山崎は『いいから、いいから』と言って経緯を話そうとしなかった。

    IP強制表示中:210.153.86.140
    2010-10-02 18:48:00
  • 753:

    大阪花子

    ミワは今にも逃げ出したい気持ちを抑えて実家へと向かった。家につくまでの1時間程がミワには数分に思えた。山崎と交わした会話も全くと言っていいほど覚えていなかった。『押すよ?』『どうぞミワさん』インターホンを前にさすがに山崎も緊張してきたようだった。『ミワさんて何?』ミワが笑うと『ちゃん。なんて馴れ馴れしくておこられちゃうかもしれないし』そうこうしていると『あら、早かったわね』ミワの母親がゴミ出しに玄関を開けた。『お母さん!』驚くミワをよそに『あら、山崎さん。ついにですね』と母親はやけに山崎に親しげに接した。(はい?)ミワは不思議に思いながらも口を開けると出て来そうな心臓のせいで疑問を聞けずに家に入った。

    IP強制表示中:210.153.86.139
    2010-10-02 19:03:00
  • 754:

    大阪花子

    『お父さんなら居間で待ってるから』と母親に言われ、二人は居間に向かった。『お父さん、はいるね』ミワはそう言って居間の扉を開けた。『何?!』何故かそこにはスーツを着た父親の姿があった。『座りなさい』ミワの驚く顔を無視して父親は言った。『失礼致します』ミワより先に山崎が正座をした。(え?なんで?お父さんまでスーツなのよ)ミワが状況を理解出来ないでいると母親がお茶を持って居間に来た。

    IP強制表示中:124.146.175.196
    2010-10-02 19:30:00
  • 755:

    大阪花子

    ミワはやたらと用意のいい両親を不信に思いながらも座布団の上に正座した。置かれたお茶を父親がすすると『頂きます』と言って山崎も口をつけた。一口飲むと山崎は口を開いた。『お父さん、お母さん。僕はご存知の通りぶらくの生まれです。離婚歴もあります。子供も一人いて、今は姉の家で世話になっております。歳もミワさんとは15も違います。ですが、ミワさんに恥をかかすような生き方をするつもりはありません。僕はミワさんと一緒になりたいと思っています。どうか結婚を前提とした、お付き合いを認めて頂く事はできませんか?お願いします』ミワは思わずお茶を口にした。

    IP強制表示中:210.153.86.47
    2010-10-02 19:39:00
  • 756:

    大阪花子

    ゴクリ。お茶が喉を通る音が部屋中に響き渡ったようにミワには思えた。『山崎さん。わたしはぶらくの人間を差別などはせんよ。ただ区別はしたい。それは君も理解するだろう理由からだ』父親がやや俯き気味に話し出した。『はい。ぶらくというものを逆利用する人間がいることは理解します』と山崎は返事をした。ミワは俯き目を閉じた。

    IP強制表示中:210.153.86.134
    2010-10-02 19:46:00
  • 757:

    大阪花子

    『君の離婚とお子さんの件は、はっきり言ってミワには関係ない』『はい』ミワは二人の会話を祈る思いで聞いていた。(許してなんて言わないから山崎さんを悪く言わないで)『わたしはミワに離婚歴を作らせたくはない』『はい』『一度失敗している君が次は大丈夫だと言ったところで、信用に欠ける』『はい。言われる事は十分に理解します。信じて下さいとしか言えません。ただ正直に言わせてもらえるなら僕は彼女の毎日毎日変わる少しの変化も目に焼き付けて生きていきたいんです。歳は離れています。きっと僕の方が先に死ぬと思います。その後も彼女が彼女らしく生きていける様にこれからの日々を過ごしたいと思ってます』

    IP強制表示中:210.153.86.136
    2010-10-02 20:01:00
  • 758:

    大阪花子

    真っすぐ父親を見つめて話す山崎が目をつむるミワには容易に想像出来た。父親も山崎も黙ったままだった。ミワは俯いていた頭を上げた。父親は目をつめったまま黙っていた。隣に座る母親は顔を上げたミワに気付きニコッと笑顔を見せた。(脳天気なんだから)ミワは心の中で母親に文句をつけた。

    IP強制表示中:210.153.86.33
    2010-10-02 20:22:00
  • 759:

    名無しさん

    占い師の話じゃミワは一年ご専業主婦になってるていうてたけど、このままいけば仕事をしてるんかな?
    続き楽しみにしてます

    IP強制表示中:124.146.174.79
    2010-10-02 23:47:00
  • 760:

    大阪花子

    ありがとうございます?

    IP強制表示中:124.146.175.106
    2010-10-03 02:23:00
  • 761:

    大阪花子

    『でも、まぁ私は山崎さん好きですよ』と沈黙を破ったのはミワの母親だった。ミワは驚きの目で母親を見つめた。山崎が膝の上に置いていた拳をギュッと握り直すのが隣に見えた。『ミワ…あんたが中国に行ってる間ね、山崎さんずっとうちに来はってんよ。インターホン越しに何度も断ってんけどね、お話だけでもって。雨の日も来てんから!ねぇお父さん』母親が父親に話を振ると父親は目線を反らして『あぁ』とだけ返事をした。ミワは山崎の顔を見たが山崎は少し気まずそうな顔をしていた。

    IP強制表示中:124.146.175.105
    2010-10-03 02:36:00
  • 762:

    大阪花子

    『たまたまね、近所の寄り合いに私が出た時にばったり山崎に会って、ちょっと話したら良い人やない!てなってね。まぁお父さんも何やかんや言うて毎日きはる山崎を悪くは思ってなかったもんね?』母親が茶化すと父親は『話は聞いた!これでいいやろ?帰ってくれ』と席を立とうとした。『お父さん!待って!』ミワが父親を止めようとすると母親が『お父さん素直やないんよ』と言った。『え?』とミワが母親に目線を移すと、父親は黙って居間を出た。山崎は父親の背に深々と頭を下げた。

    IP強制表示中:124.146.175.105
    2010-10-03 02:42:00
  • 763:

    大阪花子

    『ミワ、良かったね。あんた山崎さんやなかったら、例えバツ無しでも、お父さん納得しなかったはずよ』ミワはきょとんとしていた。『ミワちゃん、お父さんのとこに』山崎に言われてミワは徐々に状況を把握した。『はい』ミワは山崎に返事をし、台所の方へ出た父親のもとへ向かった。

    IP強制表示中:124.146.175.106
    2010-10-03 03:14:00
  • 764:

    大阪花子

    父親は台所にある換気扇の下でタバコに火を付け様としていた。『お父さん』ミワが声をかけると父親は前を向いたまま『お父さんは一ヶ月かけたで。山崎君より三週間多い』と呟いた。ミワは小さい頃聞いた、母親の話を思い出した。…『お父さんね、刑事だったから危ない仕事をしてる男に娘はやれんっておじいちゃんが言うて。仕事の合間をぬっては毎日おじいちゃんを説得しに来たんよ』…ミワは父親の背中に頭を下げて『ありがとう』と言った。『ミワ…お前、中国はほんまに行くんか?』父親はタバコの煙を長く吹いた。『うん』ミワが答えると『山崎君に甘え過ぎちゃうか?』と父親は言った。

    IP強制表示中:202.229.178.138
    2010-10-03 04:18:00
  • 765:

    大阪花子

    ミワは山崎が本音を漏らした、あの日のことを思い出した。でも、もう後には引けない。ミワはそう思った。『山崎さんが許してくれた事を無駄にしないように頑張ってくるつもりです』ミワがそう答えると、父親はミワの方を向き直した。

    IP強制表示中:202.229.178.137
    2010-10-03 14:57:00
  • 766:

    大阪花子

    『中国行きは、山崎君は快く送り出してくれるんか?』ミワは少し戸惑った。すると父親は『一緒におらなアカン時ってあんねや』と続けた。『でもね…』ミワが反論しようとした時だったミワは水屋に駆けた。えずき咳込むミワに父親が動揺した。『おいミワ!』その声に驚き、今から母親と山崎が現れた。ミワはそのまま床にへたり込んだ。母親がミワの元へ行き『ミワ…ちょっとおいで』とミワを連れて台所を後にした。

    IP強制表示中:124.146.174.36
    2010-10-04 01:29:00
  • 767:

    大阪花子

    狐に摘まれた様な顔をした父親と山崎は目を合わせて互いに状況を把握しようと必死だった。そんな二人の耳に渇いた音が飛び込んできた。パンッ!母親がミワの頬を打った音だった。普段、あっけらかんとした性格の母親にミワはあまり怒られた記憶がなかった。『ミワ!自分の軽率さを知りなさい』ミワには母親の言葉が瞬時に理解出来た。ミワの母親はミワが以前中絶したことを知っていた。だからこそ、ミワをきつく叱った。『ごめんなさい』ミワが呟いた。

    IP強制表示中:124.146.174.35
    2010-10-04 01:40:00
  • 768:

    大阪花子

    『明日、きちんと病院に行きなさい』『はい』女同士が緊迫感に包まれる中、扉を挟んで男達は抱き合って喜んでいた。山崎は大好きなミワとの間に芽生えた新しい命を心から喜び、父親は孫が出来るということに単純に喜んでいた。『山崎君!』『お父さん!』そんな二人を扉を開けた母親はため息混じりに『まだわかりませんよ。お父さんもお父さんやわ!さっきまで頑固な父親しとったやない?何を手を取り合って喜んではんの!山崎さんも大人として軽率です』と吐き捨てた。

    IP強制表示中:124.146.174.35
    2010-10-04 01:45:00
  • 769:

    大阪花子

    それを聞いて山崎はミワの父親と母親に『すみませんでした』と頭を下げ、父親は白々しく『嫁入り前の娘に手を出すなんて』と山崎を叱った。それでも父親の顔が緩んでいたのは一目瞭然だった。

    IP強制表示中:124.146.174.36
    2010-10-04 01:46:00
  • 770:

    大阪花子

    『ミワさんは?』山崎が母親に尋ねると『二階の一番手前の部屋にいます。行ってやってもらえる?』と母親は答えた。『はい』山崎がミワの部屋をノックするとミワのか細い声が返事をした。『はい』『入るね』山崎が部屋に入るとミワはベットに腰を下ろしてボーッと天井を見上げていた。

    IP強制表示中:124.146.174.35
    2010-10-04 02:09:00
  • 771:

    大阪花子

    『山崎さん…ごめんなさい』ミワの声が震えた。山崎はミワの前に膝をついてミワの手を取った。『なんで?謝ることじゃないよ!僕は正直、めちゃくちゃ嬉しいんだから』そう話した山崎にミワはポツリと呟いた。『私、一番最初に嬉しいって思えなかった…困るって思っちゃった』ミワはそう言うとポロポロと涙を流した。そんなミワに山崎は『そりゃそうだよ。まだ正式に入籍だってしてない。まして今君は仕事で新しい一歩を踏み出した所なんだから!どうしようってなって当たり前なんじゃない?これで単純に喜んだなら仕事の事はその程度だったのか?て話になるしね?何?また自分責めてるなら僕怒るよ?』と、言って手を強く握り締めた。

    IP強制表示中:202.229.178.133
    2010-10-04 02:29:00
  • 772:

    大阪花子

    ミワはしばらく上を見たままだった。山崎はそんなミワの手を握ったまま黙ってミワのそばにいた。『根本さんに連絡しなきゃ』ミワが呟いた。『とりあえず明日病院に行こう。話はそれからだ。もしかしたら機内食の食べ過ぎかもしれないし』と山崎はミワを励ますかの様に笑いかけた。『うん』二人が居間に顔を出すとにやけ顔を必死に堪える父親といつもと変わらぬ母親が座っていた。二人も座布団に正座をした。『山崎君!ミワ!いい大人が呆れる!』父親が話し出した。しかし、その顔にはもう貫禄がなくなっていた。

    IP強制表示中:202.229.178.133
    2010-10-04 02:34:00
  • 773:

    大阪花子

    父親は緩む唇を無理矢理ヘの字にし、黙ってお茶を飲んでいた。頭を上げた母親がミワに『とりあえず明日病院に行くのよ』とにこりと微笑んだ。その顔はミワがよく知る母親の顔に戻っていた。この日ミワは実家に泊まることにした。山崎も母親の強い勧めでミワの実家に泊まる事となった。夜、食事をする時には父親はすでに山崎に酒を注ぎ上機嫌になっていた。『お父さん、息子ほしがってたもんなぁ』と料理する母親がポツリと呟いた。ミワは料理を並べながら上機嫌に山崎と酒を酌み交わす父親を見て自然と笑みがこぼれた。

    IP強制表示中:202.229.178.133
    2010-10-04 02:45:00
  • 774:

    大阪花子

    この日、父親と山崎はは二人で一升瓶を三本空けた。酔った父親は『初めて山崎君見た時にな、ええ顔した男やな〜思うてな』とポロッと本音を滑らせていた。山崎はそんな酔っ払いの父親が潰れるまで『ありがとうございます』と『そうなんですか』を連呼し続けた。『山崎さん、ごめんなさいね。付き合わせて』そう言って母親がお茶をだした時には既に12時を回っていた。『いえ、色々とお話出来て光栄でした』そう言ってお茶を飲んだ山崎の顔もさすがに疲れていた。『お風呂どうぞ』ミワが奥から山崎を呼ぶと山崎の代わりに母親が顔を出し『ばたんきゅうやわ』と言った。居間を覗くと山崎と父親は同じ様なポーズで眠ってしまっていた。

    IP強制表示中:202.229.178.133
    2010-10-04 02:52:00
  • 775:

    大阪花子

    次の日、ミワは会社を欠勤して梅田にある婦人科で有名な病院へ山崎と向かった。実家の近所がいいと話すミワと母親に対して、これだけは!と父親が譲らず渋々その病院へと向かった。有名なだけあり、予約のないミワ達はかなりの時間を待たされた。診察室へはミワ一人が入った。出てきたミワは山崎に苦笑いを浮かべて『二ヶ月だって』と言った。すると、一瞬の間を空け山崎は『ヤッター』と言いながら手を上げた。『ここは病院ですよ!お静かに!』看護師に怒られて頭を下げる山崎を見てミワは心が和んだ。『私…幸せものだったんだな』

    IP強制表示中:124.146.174.14
    2010-10-04 16:03:00
  • 776:

    大阪花子

    ミワは改めて自分の幸せを実感した。会計を済ます間にミワは根本に連絡をした。『…と、言う訳でして。本当に申し訳ありません』根本は黙ってミワの話を聞いていたが『よっしゃ!わかった!』と声を上げ『出来る女ほどな、結婚したり妊娠したりサプライズ起こしてまいよんのや』と豪快に笑った。根本はミワの体調が許す限り中国に送る仕様書の翻訳のアルバイトをミワに頼んできた。根本の心遣いが嬉しくて、ミワは涙を流して礼を言った。

    IP強制表示中:124.146.174.13
    2010-10-04 16:09:00
  • 777:

    大阪花子

    『元気な子、生まんとしばくぞ!』根本らしい労いの言葉にミワは『ありがとうございます』と言い電話を切った。その後、ママにも連絡を入れるとママは泣いて喜んだ。『お式はいつ?』ママに聞かれてミワは結婚式の事を忘れていた自分に気が付いた。『あぁ忘れてました』『ダメよ!一生に一度なんだから!ちゃんと山崎に上げて頂かなくちゃ!あの人は経験あるかしらないけど、ミワちゃんにとっては初めてなんだから』ミワは思わず吹き出していた。『あはは…ありがとうママ。ちゃんとしてもらいます』

    IP強制表示中:124.146.174.13
    2010-10-04 16:19:00
  • 778:

    大阪花子

    ミワが電話を終え、待合室に戻ると山崎が雑誌を見ていた。ミワは山崎の手元を見てまた吹き出してしまった。『何、見てるの?』ミワが笑いながら話しかけると山崎は真顔で『ゼクシー』と答えた。待ってる間に売店で購入したらしい。ミワは真剣な顔でゼクシーに目を通す山崎の横顔を見て心が温かく、優しい気持ちになるのが分かった。

    IP強制表示中:124.146.174.13
    2010-10-04 16:24:00
  • 779:

    大阪花子

    『あれ?山崎さん…お知り合い?』ミワに聞かれて山崎はミワの目線を追った。『なんか、さっきから山崎さんのこと見てるような…』山崎の横顔越しに、髪の長い上品な女性の姿にミワは気付いた。山崎はミワと反対側の端に腰掛ける女性を見たまま固まっていた。『山崎さん?』ミワに呼ばれて山崎は雑誌を閉じて、真っ正面を見つめた。『元嫁…』山崎の言葉にミワは思わずお腹を押さえた。

    IP強制表示中:124.146.174.14
    2010-10-04 16:29:00
  • 780:

    大阪花子

    山崎が元嫁だと話した女は二人の方へと近づいた。ミワにはない大人の雰囲気をまとった綺麗な人だった。『タカヤ…久しぶりやね』女はそう話しかけた。山崎は目線を正面に立つ元嫁の顔に移し『あぁ』と答えた。『そちらは?』元嫁の質問に山崎は『嫁さん』と即答した。ミワは元嫁にお辞儀をした。『かわいい、お嬢さんやね。再婚してたんや?』『いや、入籍はこれからだよ。正式に決まれば一応連絡は入れるつもりではいたけど』山崎は明らかにいつもと違っていた。

    IP強制表示中:124.146.174.14
    2010-10-04 16:46:00
  • 781:

    大阪花子

    『いいわよ。連絡なんて。もらうものは毎月頂いてるし。連絡って、支払えないとかじゃないんでしょ?』『あぁ』二人は離婚の際、慰謝料とは別に生活費として月々30万を遥に払うことを条件に離婚をしていた。ミワは黙って山崎の膝の上のゼクシーを見つめた。『おめでたなの?』ミワが顔を上げると元嫁はミワを見詰めていた。ミワは一瞬ひるんだが『はい』と答えた。『もういいだろ。行こうミワちゃん』山崎がミワの手を取り席を立とうとすると元嫁は『おめでとう』と微笑んだ。

    IP強制表示中:124.146.174.13
    2010-10-04 16:55:00
  • 782:

    大阪花子

    山崎は元嫁の方を見ようともせず、その場を去った。山崎に手を引かれながらミワは軽く頭を下げた。その時見た元嫁の顔が悲しそうでミワはまたお腹を押さえた。『山崎さん…山崎さんってば!』『あっ!ごめん』山崎が足を止めミワを振り返った。お腹を押さえるミワを見て『ごめん!お腹痛むの?大丈夫?』と慌てた。『え?違っ!違う。これはなんとなく…』ミワは手をお腹から離した。『お金払ってないから』ミワがそう言うと山崎は『あっ!ごめん』と今度は優しくミワの手を取り、ゆっくり歩いて待合室に戻った。もう元嫁の姿はなかった。

    IP強制表示中:124.146.174.13
    2010-10-04 17:01:00
  • 783:

    名無しさん

    帰りの車はやけに静かだった。『安全運転、安全運転』山崎は嬉しそうに呟きながら運転をしていた。ミワはそんな山崎を見て幸せを感じる反面、元嫁の事が気掛かりでならなかった。『山崎さん…奥さんと連絡取ったりしてないの?』ミワが尋ねると『奥さんじゃないよ』と山崎は答えた。『あっごめん。元奥さん…』『本当に取ったりしてない。毎月振込みはするから銀行口座は知ってるけど、携帯番号も自宅の番号も今は知らない。消したから』山崎はひょうひょうと答えた。『そっかぁ変な事聞いてごめんなさい』

    IP強制表示中:202.229.178.143
    2010-10-05 18:41:00
  • 784:

    大阪花子

    ↑主です。名前書くの忘れてました。

    IP強制表示中:202.229.178.144
    2010-10-05 18:47:00
  • 785:

    大阪花子

    『ありがとう』初めて会ったばかりの自分に優しく接してくれる柳瀬にミワは本当に感謝した。『相田さん』フロントに長谷川が来て、『村上さんに聞いたよ!おめでとう』とミワに話しかけてきた。長谷川とカナは未だ正式に付き合ってはいないものの、新しい職場に移ったカナにとって長谷川の存在が支えになっていることをミワはカナから電話で聞いていた。『ありがとう長谷川君。長谷川君が辞める話…聞いたよ』

    IP強制表示中:202.229.178.144
    2010-10-05 18:59:00
  • 786:

    大阪花子

    『あぁ…ちょっと揉めたけどね』長谷川は苦笑いを浮かべた。長谷川はカナと棚橋との一件を機に本当に会社に見切りをつけた。前々からこのかかっていた個人事務所に移る事を決意し、おいおいは独立を視野に今後は動くらしい。『頑張ってね』ミワがそういうと『また飯でも誘ってやってね』と長谷川は言った。『もう、付き合っちゃえばいいのに』ミワが呟くと『誕生日に言うつもり』と長谷川ははにかんだ。カナの誕生日は一週間後だった。『そっかぁ』ミワは嬉しくて仕方なかった。

    IP強制表示中:202.229.178.143
    2010-10-05 19:41:00
  • 787:

    大阪花子

    定時になるとミワは柳瀬と一緒にロッカールームに戻った。『あんまり無理しないで下さいね』柳瀬はそう言って先に会社を出た。ミワは山崎に連絡をし、迎えに来てもらうことにした。山崎から会社前に着いたと連絡を受け会社を出ると、偶然にも長谷川に会った。長谷川が言うには、これからカナに会うというので三人はカナに内緒で少し早い誕生日会をすることにした。

    IP強制表示中:202.229.178.131
    2010-10-06 14:33:00
  • 788:

    大阪花子

    『お店は僕に任せて』と山崎は自分の店に連絡を入れた。カナを迎えに行くためミワと山崎は一度長谷川と別れ店へと向かった。火曜日だったこともあり早い時間は客足もあまり多くなく『喜ばしくはないけど、僕たちには好都合だね』と山崎は笑った。山崎とミワは奥に隠れて、カナと長谷川が席に着いた後、ドリンクを持って驚かすことにした。『なんかワクワクするね』ミワと山崎は子供ようにはしゃいでいた。連絡を受けて国さんも予定より早く店に顔を出してくれた。『国さんごめんね。無理言って』山崎がそう言うと、国さんは『腕によりをかけて作らせてもらいます』と優しく笑った。

    IP強制表示中:202.229.178.131
    2010-10-06 14:39:00
  • 789:

    大阪花子

    そうこうしているとカナを連れて長谷川が来店してきた。窓辺の席に通された二人は始めにグラスシャンパンを頼んだ。カナは厨房の出入りには背を向ける格好で座っていた。『ハッピーバースデー』ミワは二人が頼んだ飲み物を山崎は花束を、テーブルスタッフは音のみのクラッカーを手に二人の席を囲んだ。

    IP強制表示中:202.229.178.131
    2010-10-06 15:00:00
  • 790:

    大阪花子

    カナが驚いていると店内の照明が消され、ケーキが運ばれてきた。回りの客も事を理解し温かい笑顔を浮かべた。『あれ?国さん?って、ここ山崎さんの店?』カナは更に驚いた。皆でバースデーソングを唄いカナがロウソクを消すと温かい拍手が巻き起こった。カナは目を潤ませて喜んだ。『もう!ほんまにびっくりしたわ』食事の間、カナは何度もこの言葉を言った。

    IP強制表示中:202.229.178.142
    2010-10-06 20:22:00
  • 791:

    大阪花子

    『カナ喜んでくれて良かった〜』帰りの車でミワはいっぱいになったお腹を押さえて嬉しそうに話した。そんなミワを見て山崎は優しい気持ちになるのを感じた。『ちょっと車停めるね』『え?』驚くミワをよそに山崎は車を道の脇に停めた。『どうかしたの?』ミワが不思議そうに山崎の方を振り向くと山崎は真剣な顔をミワに向けていた。『え?だから…どうかしたの?ってば』戸惑うミワに山崎は真剣な眼差しで『結婚しよう』と言った。

    IP強制表示中:202.229.178.147
    2010-10-08 20:21:00
  • 792:

    大阪花子

    『え?はい。私はそのつもりだよ?二回もプロポーズしてくれるの!?』と、ミワが笑顔で答えると山崎はジャケットの内ポケットに手を入れ、小さな箱を取りだしミワにさしだした。『これって…』ミワが戸惑いながら受け取ると『本当は前にプロポーズした時に渡せれば良かったんだけど…』と山崎は照れ臭そうに話した。『開けていい?』『どうぞ』ミワがそっと箱を開けると、シンプルで綺麗なリングが顔を出した。ミワは何かを噛み締める様にじっと黙った。

    IP強制表示中:202.229.178.148
    2010-10-08 20:29:00
  • 793:

    大阪花子

    『ミワちゃん?気に入らなかったらね、すぐに変えに行くからね!店のお姉ちゃんにも一応そう言っておいたしね!』あたふたする山崎に向かってミワは抱き着いた。『ありがとう山崎さん。一生大事にする』嬉しさに涙を流しながらミワは言った。

    IP強制表示中:202.229.178.148
    2010-10-08 21:12:00
  • 794:

    名無しさん

    久しぶりに話が続いて嬉しいです。

    IP強制表示中:202.229.178.2
    2010-10-09 10:28:00
  • 795:

    名無しさん

    いつもみてます??

    IP強制表示中:210.136.161.66
    2010-10-09 15:58:00
  • 796:

    大阪花子

    ↑コメントありがとうございます?嬉しいです!

    IP強制表示中:210.136.161.68
    2010-10-09 18:41:00
  • 797:

    大阪花子

    二人はそのまま山崎の部屋に向かった。『今日はいらんなことしないからね』何度も何度も山崎が言うので『もう分かったってば』ミワは呆れ半分で山崎を突っ込みながら、それでも幸せな気持ちに変わりはなかった。車を車庫に直すと二人は近くのコンビニに向かった。『ミワちゃん!パンツあったよ』真剣な顔をパンツの売場を教える山崎に『もう!声大きいから』ミワはたじたじしながら化粧品と下着を買った。『ミワちゃんは明日、午後からだったよね?送るから』『うん』そんなやり取りをしながらマンションに戻った。

    IP強制表示中:210.136.161.68
    2010-10-09 18:52:00
  • 798:

    大阪花子

    二人が手を繋いでマンションに入ろうとした時だった。『タカヤ』山崎を呼ぶ声がした。手を繋ぐ山崎の力が強くなった気がして、ミワは後ろを振り向いた。『山崎さん…』ミワの後から振り向いた山崎から冷たい空気をミワは感じた。『何しに来た』冷たくいい放った山崎の手をミワはギュッと握った。『どうしても会って話したくて』そこに立っていたのは山崎の元嫁の遥だった。

    IP強制表示中:202.229.178.132
    2010-10-09 23:08:00
  • 799:

    大阪花子

    『話なら明日、会社に連絡くれればいい』山崎がそういうと遥は髪を軽くかきあげニコッと笑い『そうやね。ごめん。遅くに』と言った。『山崎さん…今日は帰ろうか?』ミワが気を回すと『いや、大丈夫だよ。むしろ一緒にいてほしいな』とミワに笑いかけマンションの中に手を引いた。ミワは遥にお辞儀をし、山崎に連れられて中に入って行った。無言のまま部屋につくと靴を脱ぐミワに『ごめん。勘違いしないでほしい。何をしに来たかも何で家がばれたかも解らない…ただ嫌な思いさせてごめん』と山崎は言った。

    IP強制表示中:210.153.86.135
    2010-10-09 23:45:00
  • 800:

    名無しさん

    楽しみ?

    IP強制表示中:210.136.161.75
    2010-10-11 01:08:00
  • 801:

    名無しさん

    カフスを受けとった山崎の顔はどこか浮かなかった。『あぁ…もう要らないヤツだったから、ありがとう』『うん』ミワはちょっと違和感を感じたが、山崎が『あ!指輪』とミワの指に光る指輪を見つけ嬉しそうに笑うので、ミワはその違和感をすぐに忘れた。『付けてくれてる!ありがとう』『何で山崎さんが、ありがとうなの?もらった私がありがとうだよ』ミワは山崎に送られて職場に向かった。

    IP強制表示中:124.146.174.40
    2010-10-12 17:05:00
  • 802:

    名無しさん

    昼間休憩を終えて、ミワが持ち場に戻るとミワに来客があると柳瀬が教えてくれた。ミワが来客室に行くとそこには見覚えのある顔がミワを笑顔で出迎えた。ワンインだった。『うそ?!どうしたの?』驚きを隠せないミワにワンインは『根本さんは一度、日本に来るがいいと言いますので、出張ということです。相田さんは嬉しいね。でも少し寂しいになります』と悲しそうに笑ってみせた。『ワンイン…』ミワは胸が熱くなった。

    IP強制表示中:210.136.161.43
    2010-10-12 18:51:00
  • 803:

    名無しさん

    『ごめんね。こんなことになって…ワンイン』ミワがそう続けるとワンインは、ミワの結婚を祝福した上で、自宅で出来る仕事を手伝うという事を根本から聞いていたらしくミワとの縁がこれで絶えることがないようにしたいと話した。『それでは、アポがあります。今日は何か…急でした。すみません。また連絡してください』そう言ってワンインは次のアポイント先へと向かった。

    IP強制表示中:124.146.175.229
    2010-10-12 21:51:00
  • 804:

    名無しさん

    ミワが清々しい気持ちで持ち場に戻った頃、山崎の事務所に電話が入った。『社長…お電話です』『え?誰から』『なんか電波が悪いのか聞き取れなくて…女性なんですけど。すみません』山崎は一瞬考えてから『無効に回して』と応接室に内線を回すよう指示をした。『はい山崎です』『…遥です』山崎の予想通り、電話は遥からだった。『話って何かな?』『迷惑やったかな?そりゃそうやね』連れない態度の山崎に遥はそう返事をした。『金ならこれからも変わらず振り込むつもりだけど、それ以外に何かあるの?』遥は少し間を空けてから話し出した。

    IP強制表示中:124.146.174.8
    2010-10-13 14:20:00
  • 805:

    名無しさん

    疲れた?

    IP強制表示中:202.229.178.137
    2010-10-13 16:35:00
  • 806:

    名無しさん

    楽しみ?

    IP強制表示中:124.146.174.76
    2010-10-13 21:41:00
  • 807:

    名無しさん

    ミワの秘密って一体なんなんやろぉ?気になる?

    IP強制表示中:124.146.175.71
    2010-10-13 23:35:00
  • 808:

    名無しさん

    続き気になる?

    IP強制表示中:202.229.176.153
    2010-10-14 01:04:00
  • 809:

    名無しさん

    『よりを戻せないやろか?』山崎は一瞬耳を疑った。『は?いや…僕には嫁がいるから』そう答える山崎の返事に被すように『籍はまだなんでしょ?この前、病院で違う苗字を呼ばれてたし』声が大きくなった遥をよそに山崎は淡々と答えた。『現実的にどうこうじゃなくて、僕は彼女を伴侶だと思っているし、何より君とはもう終わった話だ』そう話す山崎に遥がぽつりと答えた。『私…子供欲しかったわ』

    IP強制表示中:210.136.161.76
    2010-10-14 11:58:00
  • 810:

    名無しさん

    『…君がほしくないって』山崎が言いかけると『そう言わんとやってれんかったんよ!全部誰かのせいにしたかったん!自分が生めない身体やって認めたくなかったんよ』電話の向こうで遥は泣いていた。山崎は返す言葉が見つからなかった。一瞬にして遥との記憶が頭を駆け巡った。『ごめん。気付かなくて…でも、ごめん』そして、山崎はこう答えて電話を切った。

    IP強制表示中:210.136.161.76
    2010-10-14 12:02:00
  • 811:

    名無しさん

    プルプル…仕事を終えて着替えていたミワの携帯が鳴った。『山崎さんかな?』携帯を開くと知らない番号からの着信だった。『もしもし?』ミワが恐る恐る電話にでた。

    IP強制表示中:210.136.161.76
    2010-10-14 13:00:00
  • 812:

    大阪花子

    ↑返事がずれちゃいましたが、コメントありがとうございます?

    IP強制表示中:124.146.174.10
    2010-10-15 02:57:00
  • 813:

    大阪花子

    電話の向こうから聞き覚えのあるかわいい声がした。『ミワさん?!ご無沙汰してます』ミワは一瞬戸惑ったが、声の主が誰かすぐに理解した。『え?もしかしてワカナちゃん?!』『はい』『わーびっくりした!どうしたの?てか、どうしてたの?!』ミワが尋ねると、ワカナはミワの前から姿を消してからの事を色々と話し出した。そして、メンタルケアと平行して不妊治療も行っていたとワカナは話した。『そっかぁ…頑張ってたんだね』ミワがそう言うとワカナは嬉しそうに答えた。

    IP強制表示中:124.146.174.9
    2010-10-15 03:04:00
  • 814:

    大阪花子

    『その甲斐あって、この度妊娠したんです!ミワさんのお陰です』『うそ?!』ミワは更衣室で一人、歓喜の声をあげていた。『ワカナちゃん、おめでとう!えらい!頑張ったね。例の彼と?』『はい。本当にありがとうございます。本当にミワさんのお陰です。それから…色々ごめんなさい。』ワカナの声が少し震えた様に聞こえた。『え?もう昔話だし!それより、本当に良かった。おめでとう。うちの子と同級生だね』とミワは恥ずかしそうに言った。

    IP強制表示中:124.146.174.10
    2010-10-15 03:10:00
  • 815:

    大阪花子

    『えー!』ワカナのこんな声を聞いたのは初めてだった。『信じらんない!本当に?え?山崎さんとは?』『うん。結婚することになったの』そう答えるミワを今度はワカナが祝福した。『すごい!すごい!!なんか嬉しいです!本当におめでとう!』それから二人は30分程電話で話した。

    IP強制表示中:124.146.174.9
    2010-10-15 03:16:00
  • 816:

    大阪花子

    偶然にも二人の通院する病院は同じだった。経過はひと月ほどワカナの方が先だった。ワカナの話しによると二人の通う病院は近年、不妊治療に力を入れているらしい。『そうなんだ…』ミワは心に違和感を感じた。『今度の検診いつですか?』ワカナは治療のストレスで過度に痩せた為、ミワよりも定期的な検診を余儀なくされているとワカナは話した。『じゃあ、今度久しぶりに会えるね』ミワは次回の検診をワカナと行く事を約束した。

    IP強制表示中:124.146.175.195
    2010-10-15 15:34:00
  • 817:

    大阪花子

    『えっ?!あっ…そうなんだ』山崎は嬉しい様な、それでいて喜び切れないといった顔をした。『何?その顔』ミワがからかった。『いやっえ?なんか…正直ちょっとだけ安心した』そう言うと山崎はホッとした顔をミワに向けた。『うん。私も』ミワも山崎に笑顔を向けた。『でも、あんまり関わらないでほしいけどな』と山崎はポツリと呟いた。『山崎さん…』ミワは山崎の手に手を添えた。『つまんないこと言ったね。まぁ、でも用心はしてね』と山崎はふて腐れた。

    IP強制表示中:124.146.175.195
    2010-10-15 15:50:00
  • 818:

    大阪花子

    『また、そんな顔して』そう言ってミワは山崎の頬を摘んで笑った。『そうだ!山崎さん…なんかね、ワカナちゃんから聞いたんだけど私の行ってる病院って不妊治療に強いんだって。間違ってたら…あれなんだけどね』ミワが言いにくそうにしていると『ミワちゃんは本当に勘がいいよね〜参ったよ』と山崎は口を挟んだ。『ごめんね。でも、やっぱり何か気になって』そう話すミワの顔が少しふて腐れていたのを見て山崎は微笑ましさを覚えた。

    IP強制表示中:210.153.86.47
    2010-10-15 16:07:00
  • 819:

    大阪花子

    『ごめんね、余計な心配させて』『ううん』ミワは遥が不妊治療で病院へ訪れていたのではないかと考えていた。ミワの直感は当たっいた。山崎はよりを戻したいと言ってきた部分を伏せて、遥が不妊症であったことを明かした。『今、治療を頑張ってるみたいだよ』山崎がそう話すと『話があるって何だったの?治療費のこと?』とミワは聞いた。『そうなんだ。ちょっとかかるみたいでね』と山崎は言いにくそうに話した。『そっかぁ。でも、大変だろうしね。奥さんのこれからを考えたら、協力出来る範囲でねぇ』とミワは笑顔をみせた。その笑顔がどこか無理をしている事を山崎は十分に理解していた。『ありがとう。ごめんね。でも今までに少し足すくらいでミワちゃんや、子供に苦労はさせないし。もう会うこともないから安心してほしい』と山崎は話した。『うん。大丈夫』そう言ってミワは右手の薬指にはまっている指輪をギュッと握った。

    IP強制表示中:202.229.178.129
    2010-10-15 17:55:00
  • 820:

    名無しさん

    しおり?

    IP強制表示中:202.229.178.131
    2010-10-17 12:54:00
  • 821:

    名無しさん

    『ミワさーんっ!』嬉しそうにワカナが駆けてきた。『ワカナちゃん!走ったら危ないよ?』久しぶりに会ったワカナは心なしか、ふっくらしていてミワは少しホッとした。『幸せそうで何よりね』とミワが微笑むとワカナは深々と頭を下げて、以前のことを謝罪した。ミワは山崎の台詞を思い浮かべながらも、幸せそうな顔のワカナを悪くは思いきれなかった。『もういいよ。それより、不妊治療の効果が出て良かったよね』とミワが話すと『私の場合、ストレス性なものだったみたいで…だからミワさんのお陰だと思ってます。不妊症が解決したの』『そんなわけないない!ワカナちゃん頑張ったからだよ』そんな話しをしながら二人は病院へ入って行った。

    IP強制表示中:124.146.175.199
    2010-10-18 11:05:00
  • 822:

    名無しさん

    いつも楽しみに見てます。更新してくれて、ありがとう!これからも、がんばって下さい。

    IP強制表示中:210.153.84.84
    2010-10-18 14:29:00
  • 823:

    大阪花子

    ↑ありがとうございます?頑張ります?

    IP強制表示中:210.136.161.80
    2010-10-18 16:31:00
  • 824:

    大阪花子

    二人は検診を終え近くのカフェに入った。『もう寒くなってきたね』ミワがそう話すと『ミワさん!毛糸のパンツ履いてないんですか?!』とワカナは目を丸くして言った。『え?…うん』のけ反って驚くミワにワカナは毛糸のパンツの大事さを熱弁した。『分かった。分かった!買うから』ミワはワカナの意外な一面に驚きながらも楽しくて仕方なかった。お茶を楽しむ二人に声をかけてくる者がいた。『あの〜』ワカナはミワの後ろに立つ、その人を見て顔色を変えた。『知り合い?』ミワはそう言って後ろを振り向いた。『あっ…』

    IP強制表示中:210.136.161.79
    2010-10-18 16:40:00
  • 825:

    大阪花子

    『あ!やっぱり』そう声を弾ませたのは遥だった。『どうも…』ミワはぎこちなくお辞儀をした。『お友達?もし良かったらご一緒いいですか?』遥がそう言うとワカナがすかさず『私たち、もう出るんで』と答えた。ミワもそれに便乗して『すみません。また』と席を立った。『そうやったんですね。じゃあまた』と遥は笑顔を浮かべ別の席に着いた。

    IP強制表示中:210.136.161.80
    2010-10-18 16:46:00
  • 826:

    大阪花子

    会計を済ませ外に出るとワカナがミワに『あれって山崎さんの?』と聞いてきた。ミワは驚きながら『なんで?知り合い?』と聞き返した。

    IP強制表示中:210.136.161.79
    2010-10-18 16:50:00
  • 827:

    大阪花子

    『え!?えっと…』ワカナは言いづらそうに続けた。『山崎さんと遊んでた頃にどうしても気になって調べた事があります…』ミワはキョトンとした目をワカナに向けて吹き出した。『ちょっと本当に?!ほんとにワカナちゃんってぶっ飛んでるね?あはは。あっ悪く取らないでね。私、けっこうツボだから』『私、昔から思い込みひどくて…でも最近はましですから』ワカナは必死に否定した。

    IP強制表示中:124.146.175.109
    2010-10-18 19:02:00
  • 828:

    大阪花子

    検診の帰り、山崎が迎えに来た。久々に会うワカナに山崎は警戒をしていた。『山崎さん!もう私、頼まれたって山崎さんのこと好きになったりしませんから安心して下さいよ』とワカナは笑った。『僕だってミスユニバースに告白されても一ミクロも気持ちは揺れないから』と山崎は意味不明な返答をした。『はいはい。のろけてて下さい。私は後ろから山崎さんが、ミワさんを襲わないか見張ってますから』と後部席からワカナが話すと『襲うか!運転中だ』と山崎は反論した。二人のやり取りを楽しそうに見ていたミワも『運転中じゃなければ襲うの?』と山崎をからかった。『勘弁してよ。ミワちゃんまで…』

    IP強制表示中:124.146.174.17
    2010-10-19 11:27:00
  • 829:

    大阪花子

    ワカナは妊娠をきっかけに彼氏の実家がある港区に越していた。『また、来月も一緒に行きましょうね』とワカナはルンルンで車を降りて行った。『バイバイ』ミワと山崎が手を振り、山崎がアクセルを踏みかけると『待って!』とワカナが叫んだ。『どうしたの?』『君、そんなに力んだら出るぞ』とからかった山崎にワカナは耳を貸せとジェスチャーをし、こそこそと耳打ちをした。山崎は一瞬顔色を変えワカナに『ありがとう』と伝えた。改めて車を走らせた山崎はミワの手をずっと握っていた。

    IP強制表示中:124.146.174.18
    2010-10-19 11:32:00
  • 830:

    大阪花子

    『ねぇ、さっきワカナちゃん何話したの?』ミワが尋ねると山崎は『もう元嫁に話しかけられても無視してね』と山崎は悲しそうに笑った。ミワはやっぱりといったため息を一つした。『分かってる。でも、ミワに関わるな!とかって電話しないでね?』ミワがそう言うと山崎は図星を突かれた顔をして『分かってる』と答えた。繋いだ手を強く握りしめミワは『私のためでも、やっぱり元奥さんと連絡を取られるのは嫌。ヤキモチやく』と恥ずかしそうに言った。『ちょっと無理』山崎はそう言って車を脇に停めた。

    IP強制表示中:124.146.174.17
    2010-10-19 11:38:00
  • 831:

    大阪花子

    『どうしたの?』驚くミワに山崎は抱きしめて『可愛すぎて我慢出来なかっただけ』と話した。ミワは吹き出しながら山崎を強く抱きしめ返し『山崎さん大好き』と答えた。『なんかもう死んでもいいくらいだ』『止めてよ?パパになるだよ』ミワは笑いながら話した。もう11月も半ばを過ぎていた。ミワは山崎の腕の中で早かった半年を思い返していた。

    IP強制表示中:124.146.174.17
    2010-10-19 12:06:00
  • 832:

    大阪花子

    次々と色んなことが起きた、この半年。いつも傍にいてくれた山崎。『これからも色々あるかもしれないけど、いつも傍にいて下さい』思わずミワは山崎にそう話していた。山崎はミワを強く抱きしめて『もちろん。ミワ…愛してる』と答えて、その響きに自分で吹き出した。『何か愛してるって臭いな』そう話す山崎にミワは『私、山崎から加齢臭出ても愛せる自信あるよ?』と冗談を返した。

    IP強制表示中:124.146.174.18
    2010-10-19 12:12:00
  • 833:

    大阪花子

    週明けからミワは柳瀬に細々した仕事から大きな仕事までを丁寧に教えて行った。『相田さんが本当に辞めちゃうのかと思ったら、ほんまに寂しいです』柳瀬は一生懸命にメモをとりながらも少し間が空くとそう話した。『ありがとう。何かあれば電話くれたらいいから。有給休暇中はたいがい家にいるから』『はい』有給休暇を消化していなかったミワは12月に入ると殆ど出勤しないこととなっていた。

    IP強制表示中:124.146.174.17
    2010-10-19 12:20:00
  • 834:

    大阪花子

    事実上11月いっぱいの勤務だった。『ランチ行こっか?』ミワが柳瀬をランチに誘うと柳瀬は喜んで付いて来た。ミワはまるで妹が出来た気分だった。話していると柳瀬の実家が吹田市で産婦人科を営んでいることが分かった。規模は小さいながらもアットホームな雰囲気で医院は大盛況しているらしい。『もし良かったら私、そこに通わせて貰えないかな?』ミワが柳瀬に尋ねると柳瀬は二つ返事で承諾をしてくれた。『もちろんです!是非』ミワは遥に少しでも会いたくなかった。(少し遠くなるけど、まぁいいや)

    IP強制表示中:202.229.178.134
    2010-10-19 12:37:00
  • 835:

    大阪花子

    この日、ミワは久しぶりにママと会うことにしていた。待ち合わせに現れたママは少し疲れている様子だった。『ママ…仕事前にごめんなさい。何か痩せました?』とミワが聞くと『クラブ上がりのお嬢さんがやんちゃでね』とママは苦笑いを浮かべた。ふとミワの指に目をやると一気に笑顔を浮かべ『あら!ステキな指輪!本当にいよいよね。細かい日程は決まってないの!?お式とか。そもそも籍はどうしてるの?』

    IP強制表示中:202.229.178.133
    2010-10-19 12:42:00
  • 836:

    大阪花子

    『籍は、来月に入れて式は年明けにしようと思ってます』『そうなのね』『招待状を送りたいから住所教えて下さいね』久しぶりにママに会ったミワは懐かしさを感じた。どちらともなく自然とミワが働き出した頃から今までを二人で振り返りながら昔話に花が咲いた。ミワはママを店前まで送るとよく行ったドレス屋や、山崎と待ち合わせたバー、同伴で使っていたお店などの前を一人で散歩して歩いた。『何かすごい昔のことみたい』ミワがトボトボ歩いていると、アフターでたまに寄っていたスナックのママが声をかけてきた。

    IP強制表示中:202.229.178.138
    2010-10-20 04:20:00
  • 837:

    大阪花子

    『あら!あんた妊娠したんやて?おめでとうね。山崎さん、よっぽど嬉しいんやろね。そこら中で子供が出来た〜出来た〜って大騒ぎしてるで』と笑顔で話しかけてくるママにミワは返す言葉が見つからず『あっ…ありがとうございます』と頭を下げて、その場を去った。『もう!山崎さん何してんのよ』そうブツブツ言いながらミワは山崎に電話をかけた。何も知らない山崎はご機嫌に電話に出た。『あっミワちゃん?どうしたの?ママとのご飯…』『山崎さん!さっきサラのママに聞いたよ!』ミワの態度とサラのママと言うキーワードで山崎はすべてを察しミワに謝った。『ごめん。だって、めちゃくちゃ嬉しくて…出来れば回り回ってミワちゃんを贔屓にしてた客の耳に入れば尚のこといいな〜みたいな…』

    IP強制表示中:124.146.175.228
    2010-10-20 22:42:00
  • 838:

    大阪花子

    『別にいいけど…でもね』『ごめん!もう言わない!』まるで子供の様な山崎にミワは愛おしさを感じてしまい『怒る気なくした』と言って、今日あった話を山崎にした。『ところで今どこ?べっぴんの妊婦が夜道を一人で歩いてたら危険だから、迎えに行くよ。僕、今堀江の店にいるから!すぐ行くから。いつものバーにでも避難してて?』『避難て…』ミワはクスッと笑うと言われた通りにバーへと向かった。しばらくすると山崎が店に顔を出した。『ジャーン!』勢いよく扉を開いた山崎の手には婚姻届が握られていた。

    IP強制表示中:124.146.175.228
    2010-10-20 22:48:00
  • 839:

    大阪花子

    『マスター!僕とミワちゃんの記念すべき婚姻届記入式を見学させてあげるよ』山崎はそう言うといつもの水割りをオーダーした。いつも物静かなマスターも、この時ばかりは楽しそうにしているように見えた。『ここで書くの?』びっくりしているミワに『もちろん!この足で出しに行くからね』山崎は楽しそうに婚姻届に記入をし始めた。『私、印鑑持ってない…』そうミワが言いかけると山崎は得意げに印鑑を見せた。

    IP強制表示中:124.146.174.36
    2010-10-21 00:10:00
  • 840:

    大阪花子

    『でも、来月にって?』戸惑うミワに山崎は続けた。『去年の今日、僕はミワちゃんに一目惚れしたんだよ?ママに店を出したから来てって言われてて、なかなか行けなくて、やっと行ったその日に君に会った。ちょうど堀江店のオープン日だから、よく覚えてるんだ。ミワちゃんは働きだして半年くらいになるって言ってたかな?ミワちゃんを見た瞬間に電撃が走ったよ』そう話すと山崎は照れ笑いをした。

    IP強制表示中:124.146.174.36
    2010-10-21 00:33:00
  • 841:

    大阪花子

    『私も覚えてるよ。ママのお友達だって山崎さんの席に着いたんだよね。山崎さんはスタッフの人と来てて…何か懐かしい。もう一年になるんだね。そっかぁ…私、夜のバイト二年近くもしてたんだね』ミワはカウンターにほお杖をついて目をうっとりさせた。

    IP強制表示中:124.146.174.36
    2010-10-21 00:45:00
  • 842:

    名無しさん

    もぅ完結近そうですね!頑張ってください?

    IP強制表示中:124.146.175.109
    2010-10-22 07:42:00
  • 843:

    大阪花子

    ↑ありがとうございます?頑張ります!

    IP強制表示中:202.229.178.10
    2010-10-22 14:49:00
  • 844:

    大阪花子

    記入を終えた山崎がミワに『来月のミワちゃんの誕生日は相田美和ではなくて、山崎美和として迎える一歳のお誕生日になるってこと』と、言ってペンを手渡した。『うん』ミワは笑顔でペンを受け取ると緊張した面持ちで記入をしていった。『リラックス、リラックス』と隣でニコニコしている山崎に『だって初めてだから』とミワは緊張した顔を山崎に見せた。『どうせ、僕は二回目だけどね』と山崎がすねてみせたので、ミワは少し緊張が解けた。

    IP強制表示中:202.229.178.9
    2010-10-22 14:54:00
  • 845:

    大阪花子

    『じゃっマスター!僕たち急ぐから』山崎はそう言うとミワの手を取り区役所へと向かった。『こんな時間もしてるの?』『婚姻届は24時間だからね』そんな話をしながらタクシーに乗り込んだ。『あ!カメラ』山崎が突然叫んだ。『カメラ?』ミワが不思議そうに山崎を見つめると『記念すべき婚姻届提出式を写真に収めようと思って使い捨てカメラ買って来たのに…』と山崎はうなだれた。『バーに忘れたの?』『ううん、家』

    IP強制表示中:202.229.178.10
    2010-10-22 14:58:00
  • 846:

    大阪花子

    山崎があまりにも残念がるので二人はカメラを取りに一度、山崎のマンションへ立ち寄った。『ごめんね何か』そう話す山崎はカメラを取りに行けることにご満悦の様子だった。

    IP強制表示中:124.146.175.77
    2010-10-22 18:00:00
  • 847:

    大阪花子

    ミワ達が山崎の部屋に着くと山崎の携帯が鳴り出した。出ようとしない山崎にミワは『いいよ出てね?』と声をかけた。『いや、後でかけるよ』と山崎は返事をし、棚の上に置いてあった新しい使い捨てカメラの袋を破いた。ミワは少し違和感を覚えながらも山崎の背中越しに見えたマグカップに心を奪われた。『山崎さん!それ!?』

    IP強制表示中:210.136.161.84
    2010-10-23 13:39:00
  • 848:

    名無しさん

    毎回すんごく楽しみにしてます?

    IP強制表示中:202.229.178.138
    2010-10-23 15:07:00
  • 849:

    大阪花子

    ありがとうございます?

    IP強制表示中:124.146.174.78
    2010-10-23 19:14:00
  • 850:

    大阪花子

    『あっ!』山崎はしくじったとばかりに気まずそうな顔をして『本当は婚姻届出してから僕の部屋でお茶でもして、その時に出そうと思ってたんだけど…うかつだった』と頭をかいた。ミワは笑顔を浮かべ山崎のもとへ行き『ありがとう』と言って山崎に抱き着いた。『これで毎朝、コーヒー飲むの?』とミワが山崎を見上げて言うと『ミワちゃんが火傷しないように、お湯は僕が注ぐからね!』と山崎はニコッと笑った。

    IP強制表示中:124.146.174.77
    2010-10-23 19:19:00
  • 851:

    大阪花子

    『前祝いにこれでコーヒー飲もうよ?』とミワが提案すると『もう見付かっちゃったし。いっかぁ』と山崎も納得したのかミワのおでこにキスをしてから、キッチンに入った。ミワはカウンターに置かれたカップを見て優しい笑みを浮かべた。その二つのカップには、それぞれ“PAPA”“MAMA”とコミカルな似顔絵が書いてあった。

    IP強制表示中:124.146.174.78
    2010-10-23 19:23:00
  • 852:

    大阪花子

    『お姫様には僕が美味しいコーヒーを作ってあげるからね。ちょっと待ってて?インスタントだけど』山崎は不慣れな手つきでインスタントコーヒーをカップに入れた。『山崎さん?』『ん?』『この子、男の子かな?女の子かな?』そう言ってミワはお腹を撫でた。『どうだろう…間違いないのは、相当かわいい子ってことだけどね』山崎は満足げに笑った。『山崎さん似の男前君が生まれると思うな』とミワも満足げに笑った。『僕、男前じゃないよ?』『私には世界一の男前に見えますよ』

    IP強制表示中:202.229.178.6
    2010-10-24 00:06:00
  • 853:

    大阪花子

    コーヒーを飲み終えると『そろそろ行こうか?』と山崎がミワを誘った。時計の針が9時半を指していた。立ち上がると山崎はミワの前にひざまずき、まだぺっちゃんこのミワのお腹に顔を埋めて『今から、お父さんとお母さんは夫婦になるからね。お前が第一目撃者だぞ』と言った。ミワは山崎の頭を優しく撫でて『だぞ〜』と呟いた。

    IP強制表示中:202.229.178.5
    2010-10-24 00:11:00
  • 854:

    大阪花子

    『つわりも思ってたより楽で、お腹もまだ全然膨らんでなくて…それでもココにいるんだもんね。何か変な感じ。でも、すっごく愛おしい…早く会いたいな』ミワがそう言うと『この子も、そう思ってるって』と山崎は話した。『無事に元気な赤ちゃんを産むために健康第一!無理しちゃダメだよ?ミワちゃん意外と無茶するからな』

    IP強制表示中:202.229.178.6
    2010-10-24 00:15:00
  • 855:

    大阪花子

    エレベーターに乗りながらミワは病院を移りたいと山崎に話した。山崎はミワの気持ちを察したのか『ごめんね』とだけいい『遠くなるんだから僕が送るから』と続けた。『ワカナちゃんも一度行ってみたいって言ってたから一緒にね?』とミワが微笑むと『えー』と山崎はふて腐れて見せた。『意外と仲良くやってたじゃん』『んなわけ!』そんな会話をしながら二人はマンションを出て駐車場に入った。『タカヤ』

    IP強制表示中:202.229.178.6
    2010-10-24 00:20:00
  • 856:

    大阪花子

    ミワは体が強張るのを感じた。振り替えると駐車場の入り口には遥が立っていた。『ミワちゃん、ちょっとむこうにでもいて?』山崎はそう言うと遥の方へ向かっていった。ミワは山崎の言うとおりに駐車場横の地下駐輪場へ下りる階段に腰を下ろした。気にはなったがミワは極力、会話を聞かない様に心掛けた。鞄から婚姻届を取りだし一人でそれを眺めた。

    IP強制表示中:202.229.178.6
    2010-10-24 00:25:00
  • 857:

    大阪花子

    『去年の今日か…ん?』とっさにミワが携帯を取り出した。『10時!そうだ10時に初めて山崎に会ったんだ〜思い出した』ミワは独り言を呟いた。ミワがその日出勤をすると山崎はスタッフを連れて既に来店していた。当時のウエイターと裏で挨拶がてら話していると、ママに『ミワちゃん早く来て〜ママの知り合いの席に着いてほしいの』と呼ばれ、直ぐにタイムカードを押して席に着いた。タイムカードには10:00と打たれていた。珍しくギリギリだったのでミワは覚えていた。

    IP強制表示中:202.229.178.5
    2010-10-24 00:34:00
  • 858:

    大阪花子

    『去年の、あと20分後…にはじめましてってしたんだ』ミワはそう呟いて向こうで話す二人を覗いた。山崎は腕を組みミワの場所からでも無愛想さがよくわかった。遥の姿は柱の影に隠れてよく見えなかったが、時々見え隠れする手と内容こそ解らないものの、ぼんやり響く遥の声に必死さだけは読み取れて、ミワはまた婚姻届に目を戻した。

    IP強制表示中:202.229.178.5
    2010-10-24 00:40:00
  • 859:

    大阪花子

    『何度、来られても僕の気持ちは変わらない。悪いが帰ってくれないか?』冷たく山崎は遥を突き放した。『私、どうしても言えんかったんよ?分かってよ?一人で辛かって…もう一度だけ考えてくれへん?子供なら私らで引き取ればいいやん?』遥も必死だった。『あほなこと言うな』『私が必死に病院通ってる時に何の不自由もなく妊娠してる若い子をめっちゃ見てきた。もしも、私が子供産めれてたらって今でも毎日考える!忘れようってしたけど、タカヤに会った日、無理って思った』遥は大粒の涙を流した。山崎はぼんやり昔を思い出していた。

    IP強制表示中:202.229.178.5
    2010-10-24 00:47:00
  • 860:

    大阪花子

    『ねぇ?ねぇ?ってば!タカヤ!?』そう声にならない声を山崎にぶつけながら遥は山崎の体を揺すった。『…遥。すまん。でも、もう戻れないよ』山崎は優しく、そして悲しい笑顔を遥に見せた。遥は山崎から手を話した。『遥に別れを切り出した日、あの時もお前今みたいに泣いてた…それ見て僕もせっかく悩み抜いた答えを頭からぶっ飛ばしてな…勢いのまま結婚して、その結果が今。なぁ遥、僕らはもう終わったんだ』山崎は優しく遥に話した。遥は俯き肩を震わせた。

    IP強制表示中:202.229.178.5
    2010-10-24 00:53:00
  • 861:

    大阪花子

    『遥…ごめん。君の辛さを夫として分かってやれてなくて。ごめん。君とは戻れない』俯いたままの遥が山崎に尋ねた。『彼女のこと好きなんやね?』山崎は迷わず『うん』と答えた。『分かった…』遥はそう言うといきなりミワの方へ駆け出した。『おいっ!』

    IP強制表示中:202.229.178.5
    2010-10-24 00:57:00
  • 862:

    大阪花子

    携帯で一人、時刻案内を聞いていたミワは山崎のその声に立ち上がり山崎達の方を覗こうとした。すると、目の前に遥が立っていた。『え?』ミワは何をする間もなかった。ドンッ――――――『ミワちゃんっ!』一瞬、ミワの耳に山崎の叫び声が聞こえた。(山崎さん…)『キャー!』自転車を出そうとしていた女性の叫び声が駐車場内に響き渡った。

    IP強制表示中:202.229.178.5
    2010-10-24 01:03:00
  • 863:

    大阪花子

    薄れ行く意識の中で階段を駆け降りてくる山崎の姿が見えた。ミワの耳元に転がった携帯が時刻をアナウンスした。《午後10時ちょうどをお知らせします。ピッピッピッピー》山崎は倒れたミワを抱き抱え、そこに居合わせた女性に『救急車を!救急車を呼んで下さい』と叫んだ。山崎の声に掻き消されながら、ミワは『はじめまして…』と呟き頬に手を伸ばした。『ん?なんてミワちゃん?直ぐに救急車来るからね?大丈夫だからね』山崎の頬に手を当てミワは微笑み目を閉じた。『ミワちゃん!ミワちゃん』山崎の叫び声をまるで子守歌にでもしたかの様にミワは安心した顔をしていた。

    IP強制表示中:124.146.174.39
    2010-10-24 01:12:00
  • 864:

    名無しさん

    板一枚じゃ足りひんっぽいですね?続き気になる?ミワの秘密もなんなんやろ

    IP強制表示中:124.146.174.232
    2010-10-24 03:49:00
  • 865:

    大阪花子

    ミーン…ミーン…蝉の声が響き渡る中、カナと長谷川の姿がそこにあった。『カナ…線香は?』『ちょっと待って車に忘れちゃった』カナは駆け足で墓場の横に停めてあった車へと向かった。プップー…

    IP強制表示中:202.229.178.134
    2010-10-24 15:42:00
  • 866:

    大阪花子

    クラクションの音がしてカナが振り替えると見覚えのある車が入ってきていた。『あっ山崎さん』車の中で山崎はカナに向かって軽く手を上げた。車を降りた山崎は『久しぶり!そだ!結婚おめでとう。いよいよ明日だね?…ミワも来れたら良かったのに』と話した。

    IP強制表示中:124.146.174.17
    2010-10-24 16:41:00
  • 867:

    大阪花子

    『ううん』そう言ってカナは苦笑いをした。向こうで長谷川がカナを呼んだ。『おーい!まだかぁ!?』『あっすぐ行く!』カナは線香を取り山崎とお墓に戻った。

    IP強制表示中:124.146.174.17
    2010-10-24 16:45:00
  • 868:

    名無しさん

    ミワちゃんどうなったの?続きがめちゃ気になります?

    IP強制表示中:202.229.178.146
    2010-10-24 16:46:00
  • 869:

    名無しさん

    えっ?誰の墓?

    IP強制表示中:124.146.175.101
    2010-10-24 17:52:00
  • 870:

    名無しさん

    作り話?

    IP強制表示中:210.136.161.76
    2010-10-24 20:57:00
  • 871:

    大阪花子

    ↑コメントありがとうございます?

    IP強制表示中:124.146.174.16
    2010-10-25 12:15:00
  • 872:

    名無しさん

    『もう一年かぁ』お墓に手を合わせてカナが呟いた。『何?マリッジブルー?』山崎が冷やかしながらカナに話した。『そんなんちゃいますよ!ただ…ちょっと、色々振り替えるとね』そう話すとカナはお墓に手を合わせた。山崎と、長谷川も続いて手を合わせた。

    IP強制表示中:124.146.174.16
    2010-10-27 03:09:00
  • 873:

    名無しさん

    『今から病院ですか?』目を開けたカナが山崎に尋ねた。『うん。さっきまで居たんだけど』山崎がそう答えると『あら?タケシのお友達ですか?』と声がした。『あっ!おばさん!?』その声に一番に反応したのはカナだった。『あれ?カナちゃん?!』嬉しそうに驚いたのはタケシの母親だった。

    IP強制表示中:124.146.174.15
    2010-10-27 03:14:00
  • 874:

    大阪花子

    ↑名前、名無しになってました?

    IP強制表示中:202.229.178.12
    2010-10-27 10:35:00
  • 875:

    大阪花子

    『あらあら、懐かしい顔に会えて…タケシあんた幸せもんやな』そう言ってタケシの母親はお墓をポンポンとまるで頭を撫でるかのように摩った。振り替えり『こちらさんは?』と山崎と長谷川を不思議そうに眺めた。『あぁ…おばさん紹介するね!私の旦那!それとミワの旦那さんの山崎さん。こちらタケシ君のお母さん。』とカナが紹介をした。『そうなん?!』と嬉しそうにタケシの母親は続けた。『ミワちゃんから山崎さんの話しはよう聞いてましたよ?会えて嬉しいわ〜男前やない?!それに噂の敏腕弁護士さんまで!おばちゃん鼻血出そうやわ』とおちゃらけた。

    IP強制表示中:202.229.178.11
    2010-10-27 10:43:00
  • 876:

    大阪花子

    『おばちゃんこそ!ミワとジムとか行ってるんは聞いてたけど…なんか若なってません?』とカナが驚きながら話すとタケシの母親は楽しそうにダイエットの武勇伝を話した。『なんか、おばちゃんばっかり喋ってごめんね。また来たってね』タケシの母親に別れを告げ三人はお墓を後にした。『山崎さん、お昼一緒にどうですか?』カナ達が誘うと山崎は『いや、向こうで食べるよ。ありがとう』と一人車を走らせた。

    IP強制表示中:202.229.178.12
    2010-10-27 10:51:00
  • 877:

    大阪花子

    車の中から『じゃあ、また明日』とカナ達に手を振る山崎に『山崎さん大変だな』と長谷川が呟いた。『うん…』カナも悲しそうに返事をした。

    IP強制表示中:202.229.178.12
    2010-10-27 10:54:00
  • 878:

    大阪花子

    『ミワちゃん!お墓参り行ってきたよ?』山崎は巨峰を手土産に病室の扉を開いた。『あっ!山崎さん!』化粧をしていない、幼い顔のミワが笑顔で山崎を出迎えた。『山崎さんごめんなさいね』ミワの母親が山崎に声をかけた。『いえ。ミワちゃん、今大事な時だもんね?僕で良ければ何度だって。これ巨峰です』と山崎はニコッと笑った。ミワの母親は複雑な顔を隠す様に『巨峰、洗ってくるわ』と病室を出た。

    IP強制表示中:202.229.178.11
    2010-10-27 10:59:00
  • 879:

    大阪花子

    『またメール?』山崎が子供をあやす様にミワに尋ねると『うん』とミワは楽しそうに答えた。『山崎さん、本当にありがとうね。見ず知らずの私に優しくしてくれて、旦那のお墓参りまで行ってくれて。山崎さんの奥さん…早く善くなるといいですね?』そう笑顔を見せたミワに山崎は『うん』と悲しそうに笑った。『山崎のお兄ちゃんにありがとうってね?』とミワは大きくなった、お腹を摩りながら嬉しそうにしていた。

    IP強制表示中:124.146.174.35
    2010-10-27 11:15:00
  • 880:

    大阪花子

    『また来ていいかな?』山崎がミワに尋ねると『はい。是非』とミワは満面の笑みで答えた。病室を出るとミワの母親が目を腫らして立っていた。『お母さん…そろそろ慣れて下さいよ』と山崎はおどけてみせた。―――――救急車で病院に運ばれたミワは一命を取り留めた。お腹の子供も奇跡的に無事だった。誰もが安堵した、その時だった。目を覚ましたミワは手を握っていた山崎の顔を見て『誰?』と声をかけた。唖然とする山崎をよそに、周りを見渡したミワは父親と母親を見付けると『お父さん…お母さん…あれ?タケシは?』と話した。

    IP強制表示中:124.146.174.35
    2010-10-27 11:38:00
  • 881:

    大阪花子

    脳を調べても、特別異常は見付からなかった。落下の衝撃とその際に受けた極度の緊張、ストレスから一時的な記憶障害が起きている…それが医者の見解だった。ミワはタケシが亡くなった事も忘れていた。事実を知り、失意の底にいたミワを山崎は“第一発見者…命の恩人”として側で支えた。胎教への影響を考慮して山崎はミワの記憶に沿う事を決めた。

    IP強制表示中:124.146.174.35
    2010-10-27 11:44:00
  • 882:

    大阪花子

    子供はタケシの子。タケシは子供が出来た頃に死んだ。山崎は命の恩人さん。『また、降り出しか…』屋上で山崎は一人、ため息をついていた。『山崎くん』声をかけられ振り向くとミワの父親が立っていた。『お父さん…なんか今日もまた一段と暑い…お父さん?!』山崎が慌てる中、ミワの父親は山崎に頭を下げ『申し訳ありません』と言った。当初、『お前のせいで!ミワは!』と山崎を責めた父親だったがミワが目を覚まし、こうなった今、それでも献身的にミワの側にいる山崎に頭を下げずにいられなかった。

    IP強制表示中:124.146.174.36
    2010-10-27 11:50:00
  • 883:

    大阪花子

    『ミワがいくら混乱をしてもホンマの事、ミワに告げるべきや思う!これから先、山崎君にまた惚れてくれたらええけど…そればっかりは解らん!頑固やから頑なにタケシ君の子供を一人で育て抜く!なんて言い出したら…君は一体どうなるんや?』ミワの父親の声が震えた。山崎は父親の肩を握り頭を上げさすと『何度だってミワさんにプロポーズし続けますから安心して下さい!僕、101回目のプロポーズ世代ですよ?』と笑った。『山崎くん…』父親の目が潤んでいた。『今日、明日には赤ん坊が生まれます。今は無事に生んでくれることが一番です』山崎は自分に言い聞かせるかの様に強く父親に語った。

    IP強制表示中:124.146.174.35
    2010-10-27 11:57:00
  • 884:

    大阪花子

    カチカチ…『ミワ…また携帯?』ミワの母親がミワに聞くとミワは上の空で返事を返した。『うん』『何をそんなに必死に打ってんの?』『内緒』目を覚ましてからというものミワは暇があると携帯を手にしては凄い勢いでメールを打っていた。今まで携帯には無頓着な方だった為、周りは驚き尋ねるがミワは何をしているのか決して話しはしなかった。

    IP強制表示中:124.146.174.36
    2010-10-27 12:02:00
  • 885:

    大阪花子

    山崎とミワの父親が病室に戻るとミワの病室が慌ただしくなっていた。『もしかして?!』ミワの元へ急ぐと産気付いたミワの姿がそこにあった。『陣痛が急に始まってもうて』と母親から聞き山崎がミワの元へ駆け寄ると顔をしかめたミワは『タケシ…』と歯を食いしばっていた。そんなミワの手を山崎は握り『大丈夫。大丈夫だからね』とミワを励ました。

    IP強制表示中:124.146.174.36
    2010-10-27 12:08:00
  • 886:

    大阪花子

    分娩室に行く間も山崎はミワに付き添った。苦しむミワの手を握り額を優しく撫でた。ミワはおもむろに額にある山崎の手を握りニコッと微笑み『山崎さん』と言って分娩室に入って行った。山崎はどきっとした。ここ半年、ミワが記憶障害が起こしてから今まで聞けなかった懐かしいミワの呼びかけに山崎は(ミワの記憶は戻る)そう核心した。『ちょっと!お父さん?!』ミワの母親の声に振り替えるとミワの父親が慣れない様子で駆けていっていた。『こんな時にどこ行くんよ…もう』ミワの母親がため息をついた。

    IP強制表示中:202.229.178.141
    2010-10-27 12:35:00
  • 887:

    名無しさん

    早く続きが読みたぁい☆(笑)気になって仕方ないです?

    IP強制表示中:219.108.157.25
    2010-10-28 08:12:00
  • 888:

    名無しさん

    ミワは痛みをこらえながら必死に呼吸をした。『お母さん頑張って〜ひーひーふー』看護師に合わせて呼吸をする。―――ドクン―――ミワの頭に一瞬、誰かの顔が浮かんだ。(タケシ…?違う…誰?)『ん…ひっひっふー』ミワの声が室内に響く。『長引くぞ』医師の声に看護師たちも顔色が変わる。『相田さん、頑張りましょうね〜はい!ひっひっふー』ミワはまた看護師に合わせて呼吸を整える。―――ドクン―――またミワの頭に誰かの顔が浮かんだ。次ははっきり誰だか分かった。(山崎さん?!)『いっ!』ミワは陣痛の痛みに顔を歪ませた。

    IP強制表示中:124.146.175.99
    2010-10-28 13:52:00
  • 889:

    名無しさん

    『出産ってどれくらいかかるんですか?』山崎がミワの母親に尋ねた。『人によりけりやわ…私なんてミワ生むのに半日かかったし。早い人は一瞬言うしね〜』『そうですか…』山崎は落ち着かない様子で分娩室前を行ったり来たりしていた。『うちの人といい、山崎さんといい…うちの男連中はホンマ落ち着きないわね〜』とミワの母親が山崎をからかった。『あっ!すみません』山崎は自分がウロウロしていたことにその時気づき、やけに恥ずかしくなった。

    IP強制表示中:124.146.175.99
    2010-10-28 13:57:00
  • 890:

    名無しさん

    ―――ドクン―――波の様に押し寄せてくる痛みの中でミワは不思議な体験をしていた。目をつむると脳裏に浮かぶのは山崎の顔ばかりだった。(夢と同じだ)タンブラーを片手に笑顔で挨拶をする山崎。楽しそうに酒を飲む山崎。嬉しそうに寿司を頬張る山崎。悲しそうに笑う山崎。ミワを真剣に怒る山崎。色んな山崎の顔がミワの頭にスライドショーの様に駆け巡った。(どれも夢で見たことがある)ミワはそんな事を思いながら次第に和らいでいくお腹の痛みに堪えていた。

    IP強制表示中:124.146.175.99
    2010-10-28 14:04:00
  • 891:

    名無しさん

    『山崎さん!』ソフィーに腰掛ける山崎に声をかけてきたのはカナだった。『カナちゃん?!』『最後の打ち合わせが早く終わったからミワのお見舞い来たら分娩室だって聞いて…あっ!おばさん!?こんにちは』カナが長谷川と一緒にお辞儀をした。『結婚おめでとうね。ありがとうね。来てくれて』ミワの母親がカナの腕を優しく摩った。『いえ。もう長いんですか?』『今で1時間くらいになるんかな?』ミワの母親も心配そうに答え分娩室を振り返った。

    IP強制表示中:124.146.175.99
    2010-10-28 14:09:00
  • 892:

    名無しさん

    『山崎さん!いよいよパパやん』カナが声をかけると『う…うん』山崎は嬉しいような、それでいて悲しいような声で答えた。カナは自分の軽率さを詫びた上で山崎に尋ねた。『ごめんなさい。でも、お父さんは山崎さんになるんでしょ?そこんとこどうなってんの?』山崎もミワの母親も苦笑いを浮かべた。『カナ…戸籍の上で子供は山崎さんの実子になれないんだ』と長谷川が話した。『なんで!?』驚くカナに長谷川は続けた。

    IP強制表示中:124.146.175.99
    2010-10-28 14:14:00
  • 893:

    名無しさん

    『山崎さんが認知しても戸籍上夫婦でない山崎さんとミワちゃんの子供はミワちゃんの子としか認識されなくて…もし、おいおいミワちゃんと山崎さんが籍を入れても山崎さんの養子として戸籍上は管理されるんだよ。いくら実の子供でも』『そんなぁ…』落胆するカナに『ただ事情が事情だから裁判所に掛け合う事も出来なくはないと思うけど…』あの日、婚姻届を出す間もなく病院に運ばれた為、二人はまだ婚姻届を出していなかった。

    IP強制表示中:124.146.175.100
    2010-10-28 14:19:00
  • 894:

    名無しさん

    ガラッ―――分娩室の扉が開き中から看護師が出てきた。『こちらに山崎さんはおいでですか?』『山崎は僕ですが』『こちらに』そう看護師に言われるがまま山崎は分娩室に連れていかれた。事情を知った柳瀬が実家の病院に事情を説明しミワを受け入れてくれていた。山崎が分娩室に入る支度をしていると看護師が『さっきから貴方の名前を呼んでてね』と山崎に話しかけた。『えっ?』山崎は驚きを隠せなかった。

    IP強制表示中:124.146.175.99
    2010-10-28 14:26:00
  • 895:

    名無しさん

    分娩室に入ると額に汗をかいたミワが息荒く痛みに堪えていた。『旦那さんは手を握ってあげて下さいね』と他の看護師が山崎に声をかけた。(まさか?!)山崎は期待に胸を膨らませるミワの手を取った。『山崎さん…ごめんなさいね。はぁ…はぁ…こんなこと山崎さんに頼むなんて…』ミワは苦しそうにそう山崎に話しかけた。『いや…そんなのいいから。大丈夫だから』山崎はミワの手を強く握り看護師と共にミワを励ました。

    IP強制表示中:124.146.175.99
    2010-10-28 14:31:00
  • 896:

    大阪花子:↑名前忘れてました

    ミワは山崎の手をギュッと握り、必死に力んだ。その度に脳裏に浮かぶ山崎の顔や仕草、見覚えのあるシチュエーションに半ば混乱しながら不思議と握った手がやけに懐かしい様な、そんな事を思った。『相田さん!頭出てきましたよ〜もうちょっとですからね!頑張って〜』医師の声にミワの手を握る山崎の力がより強くなった。『ひっひっふーはい!力んで!』『ん〜…』看護師の合図でミワは必死に山崎の手を握り力んだ。

    IP強制表示中:124.146.175.100
    2010-10-28 14:36:00
  • 897:

    大阪花子:↑名前忘れてました

    『オンギャー』元気な産声が分娩室内に響き渡った。力の抜けたミワが山崎の顔を見ると山崎は目を潤ませていた。『なんで山崎さんが泣くの?ありがとうございました』ミワがクスッと山崎に笑いかけると山崎はミワを力強く抱きしめた。―――ドクン―――ミワは咄嗟に山崎を突き放した。『あ…ごめんなさい』動揺するミワに『元気な男の子ですよ』と看護師が赤ちゃんを抱いてミワの元へやって来た。『わぁ…よく頑張ったね』ミワは緊張しながら、その赤ん坊を抱きしめた。ミワは元気に泣き叫ぶ赤ん坊の顔が涙でよく見えなかった。山崎はそんな二人を優しい笑顔で見つめ分娩室を出た。

    IP強制表示中:124.146.175.100
    2010-10-28 14:44:00
  • 898:

    大阪花子:↑名前忘れてました

    『どっち?!』『おめでとう!』『ミワは?!』ミワの母親もカナも長谷川も口々に山崎に質問を浴びせた。『男の子だったよ。ミワちゃんも赤ん坊も二人共、元気にしてる』山崎がそう言い終えると分娩室からベットに寝たミワが出て来た。『ミワ?!』『お母さん…カナ?来てたの?!』そんな会話を聞きながら山崎はその場を立ち去った。『あれ?山崎さんは?』ミワがそう尋ねると『さっきまで居たんだけど…』とカナが答えた。『なんかさぁ…まっいいや』ミワは言いかけて話を止めてしまった。

    IP強制表示中:124.146.175.100
    2010-10-28 14:50:00
  • 899:

    大阪花子:↑名前忘れてました

    『あれ?お父さんは?』『なんか、落ち着かないみたいで、出てったのよ…メール入れたから直に戻ってくると思うわ』『そっかぁ』ミワの母親が病院の医師と話をしに行っている間、ミワはどうしても聞きたかった事をカナに尋ねた。『ねぇ?カナ…私、記憶喪失とかじゃないよね!?』笑いながら尋ねるミワにカナは返答に困って長谷川を見た。『なんでそんなこと急に?』長谷川がミワに聞くとミワは言いづらそうに『お産中ね…タケシじゃなくて山崎さんの顔ばっかり浮かんで…でも何か懐かしいというか…それは夢で見たことあるからとかなんだけど…ほら!私、鈍臭いから階段から落ちたじゃない?その時もしかしてって…考え過ぎだよね?ははは』と答えた。長谷川は意を決してミワに話し出した。『ミワちゃん…』ガラッ!『先輩!おめでとうございます』『あっ!柳瀬さん』たまたま実家に戻っていた柳瀬がミワの事を聞き見舞いに現れ、長谷川はタイミングを逃した。そのままカナ達は帰宅し、柳瀬も長居は失礼だとカナ達の帰宅後、しばらくして病室を出て行った。

    IP強制表示中:124.146.175.100
    2010-10-28 15:01:00
  • 900:

    大阪花子:↑名前忘れてました

    一人になったミワは携帯を取り出し、いつものようにメールを打ち出した。『これが現実だったら…?って何言ってんだか私』ミワがメールをうちながら独り言を言っていると、コンコンと扉が鳴り山崎が入ってきた。なぜだからいつもより緊張している自分自身にミワは驚いた。『さっきはありがとうございました。山崎さんのお陰で無事…』ミワがお礼を言うと山崎が突然ミワを強く抱きしめた。驚きながらも決して嫌と思えない自分に(タケシに悪いじゃない?!)とミワは必死に言い聞かせ腕を払いのけようとした。『少しだけ!』山崎の言葉にミワは動けなくなった。『少しだけ、このままで』

    IP強制表示中:124.146.175.99
    2010-10-28 15:09:00
  • 901:

    大阪花子:↑名前忘れてました

    『山崎さん…』『ミワちゃん…大好きだよ。今までも、今も、これからも誰よりも。大好き過ぎて辛い…』山崎の声が震えていた。『僕は思っていたより弱い人間だったみたいだ…笑うよね。どうにかしてでも、もう一度君を僕の…ミワちゃん…何か困った時はいつでも連絡をくれたら飛んで行くから。元気でね。ありがとう』そう言うと一度ミワをギュッと抱きしめ山崎はミワから離れた。『山崎さん?』ミワに背を向けたまま山崎は『嫁が元気になったから、ここへはもう来ないんだ』と言い病室を出て行った。カチャン…扉が閉まると同時にミワの目から大粒の涙が勢いよくこぼれ落ちた。『なんで?変なの…おかしいな…なんで?…さん…山崎さん…山崎っさん…山崎さん!』ミワはまるで迷子の子供が母親を探すかの様に山崎の名前を布団にうずくまり叫んだ。

    IP強制表示中:124.146.175.100
    2010-10-28 15:19:00
  • 902:

    大阪花子:↑名前忘れてました

    『山崎くん!』バスを待つ山崎の元へ今にもこけそうなミワの父親が駆け寄ってきた。『急いで戻るぞ病院!』山崎の腕を引こうとする父親に『すみません。お父さん…僕もう…』山崎がいいかけると『夫たるもん!父親たるもん!打たれ強なかったらアカンで!』とミワの父親は強引に山崎の腕を引っ張り病院へ戻った。『お父さん?!僕さっき』拒む山崎をよそに父親が病室の扉を開けて山崎を中に入れた。暗い顔を上げた山崎は目を点にした。そこにはいつも側にあった懐かしい笑顔が山崎を愛おしそうに見つめていた。

    IP強制表示中:124.146.175.100
    2010-10-28 15:41:00
  • 903:

    大阪花子

    『ミワ…ちゃん?』山崎が恐る恐る近づき声をかけると『ただいま』とミワが優しく微笑んだ。山崎は一瞬、動かなくなったが次の瞬間大声で叫んでいた。『ヤッター!!』ミワの父親も母親も目を潤ませた。『山崎さん、色々心配かけてごめんなさい。嫌な思いもしたよね?本当にごめんなさい』ミワは深々と頭を下げた。『今ので全部帳消し!何か全部忘れたよ!お帰りミワちゃん!お帰りー!』そう言って山崎はミワを抱きしめた。『山崎さん、赤ちゃんですよ』優しい笑顔の看護師が赤ん坊を抱いて病室に顔を出した。『僕、抱いていいの?』戸惑う山崎にミワは『当たり前よ!お父さんでしょ?』と肩を叩いた。

    IP強制表示中:124.146.175.100
    2010-10-28 15:48:00
  • 904:

    大阪花子

    そっと赤ん坊を受け取ると山崎が赤ん坊の手に負かれているバンドの名前に気づいた。『これ?!』バンドにはカタカナで“ヤマザキ”と書かれていた。『コホン』自慢げな咳を白々しくした父親の横でミワの母親が『この子が生まれる前に、慌てて二人の婚姻届出して来たんよ。ねぇ?お父さん?』と父親をちゃかすと父親は照れ臭そうに目線を反らした。『この子は本当に親孝行やわ!時間かけて、ジージが婚姻届届け出すまで時間稼ぎしてくれたんやもんね?』と母親は赤ん坊のほっぺを突いた。『それで』と山崎は父親を見たあとミワを振り返ると『正真正銘、どっからどう見ても調べても貴方の子です。山崎さん』とミワは笑顔で山崎に答えた。『ヤッター!』あまりに山崎が大きな声を出したので驚いた赤ん坊が目を覚まし、泣き叫んだが山崎もミワも幸せそのままに『お前も喜んでるんか?』と赤ん坊に話しかけた。

    IP強制表示中:124.146.175.99
    2010-10-28 15:57:00
  • 905:

    大阪花子

    『先が思いやられるわね』と嬉しいため息をついた母親の横で父親が男泣きしていた。山崎は首の座らない赤ん坊を不慣れな手つきで看護師に注意されながらあやし、ミワはその光景を嬉しそうに見つめた。

    IP強制表示中:124.146.175.100
    2010-10-28 16:23:00
  • 906:

    大阪花子

    ゴーン…ゴーン…鐘の音が鳴り響く中、カナと長谷川の挙式は行われた。『カナ、おめでとう』『もうええの体!?』ミワは病院に無理を言いカナの結婚式に出席した。『もちろん!だって私、キューピッドやもん』とミワは得意げに笑った。『ミワに渡したいもんあるから、楽しみにしとって!』とカナが耳打ちすると『こら!言うたらダメだって』と長谷川がカナを注意した。『いい感じだね』山崎も二人の仲睦まじい姿に目を潤ませた。そんな山崎を『山崎さん、涙腺ゆるんできたんじゃない?!』とミワはからかった。

    IP強制表示中:202.229.178.2
    2010-10-28 16:50:00
  • 907:

    大阪花子

    教会の階段の上にカナと長谷川が幸せそうに立って最後の挨拶をした。『本来ならブーケトスを行いたいところですが、花嫁たっての希望で親友の山崎美和さんにプレゼントとなります。山崎美和さん前にどうぞ』驚くミワの元へカナが裾をまくって駆け寄ってきた。『もう嫁に行ったからアレだけど、今度式をするのはあんたの番よのブーケ』とカナはミワに言い笑った。『カナぁ!?ありがとう』

    IP強制表示中:202.229.178.1
    2010-10-28 16:54:00
  • 908:

    大阪花子

    『ミワちゃんさぁ…さっきから何打ってるの?』病室で山崎がゼクシーを片手にミワに尋ねた。『え?内緒!ねぇ〜?タカシ♪』ベットの中でタカシが楽しそうに笑顔で答えた。『何だそれ』少しすねた山崎は『じゃあ、そろそろ打ち合わせあるから行くね』と席を立った。そんな山崎に『山崎さん、ちょっと…』と声をかけた。山崎がミワの元へ行くとミワは山崎にそっと寄り添い『私、貴方のお嫁さんになれて、貴方の子供を生めて本当に幸せ。なんて言い表していいか分からないくらい幸せ!ありがとう山崎さん。愛してる』山崎はミワをギュッと抱きしめ頭にそっとキスをした。

    IP強制表示中:202.229.178.2
    2010-10-28 17:06:00
  • 909:

    大阪花子

    『ねぇタカシ…お母さんね、頭打ってから毎日夢見たんだよパパの。それが可笑しいの!今思えば全部、パパとママの思い出ばっかり夢になっててね…逆正夢かな?ママ、何か分からないけど夢で見たままをずっと携帯に納めてたの。時間経って日記付け直してる感じ?ねぇタカシ…パパには内緒だよ?』ピッ…

    IP強制表示中:202.229.178.2
    2010-10-28 17:17:00
  • 910:

    大阪花子

    『きゃっきゃ』タカシは手と足をバタバタさせた。『何〜?喜んでるの?タカシも悪戯っ子だな〜』ミワはタカシの小さな手をトントンと突いた。タカシは小さな手でミワの人差し指をギュッと握り楽しそうに笑った。『今日パパ夕方にもう一回、タカシの顔見に来るって!嬉しいね♪ 』―――ミワの秘密…それは、ここにミワが山崎との思い出を書き込んでいることはミワとタカシだけの内緒事。〜おしまい〜

    IP強制表示中:202.229.178.1
    2010-10-28 17:22:00
  • 911:

    大阪花子

    最後まで読んでくれた方々、自己満足なものに付き合って下さってありがとうございました!コメント下さった方々、本当に嬉しかったです。ありがとうございました?

    IP強制表示中:202.229.178.2
    2010-10-28 17:25:00
  • 912:

    名無しさん

    完結、お疲れさまです?
    毎日、楽しみに見てたので少し淋しい気もします?すごく面白くてハマりました?私も山崎さんみたいな人に出会いたいです?ミワの秘密を書いてくれて、ありがとうございました?

    IP強制表示中:210.153.84.80
    2010-10-28 17:40:00
  • 913:

    名無しさん

    あたしもずっと読んでました。ほんまに上手く書けてたし、泣いたり笑ったり起こったり。楽しかったです

    IP強制表示中:121.111.231.17
    2010-10-28 18:49:00
  • 914:

    名無しさん

    あたしもずっと読んでました(^-^)ぶらくという壁を乗り越えられる)…うらやましい限りです?みわちゃんみたいな女性には憧れます

    ほんまにお疲れ様でした

    IP強制表示中:61.204.93.41
    2010-10-28 20:29:00
  • 915:

    名無しさん

    山崎さんの奥さんはどうなったんですか?捕まったのかな?

    IP強制表示中:202.229.178.6
    2010-10-28 20:43:00
  • 916:

    名無しさん

    めっちゃおもしろかったです???
    これは主さんの実話やったんですか??

    IP強制表示中:124.146.174.69
    2010-10-28 21:24:00
  • 917:

    名無しさん

    何日か振りに見たら急展開でびっくりしました。とっても面白かったです。この「ミワの秘密」を読む楽しみがなくなったのは寂しいですが…また新しい小説にチャレンジしてくれたらなぁと願ってます。

    IP強制表示中:202.229.178.138
    2010-10-28 21:39:00
  • 918:

    名無しさん

    主さんお疲れさまでした??これから読む楽しみがなくなるのが悲しいですが(;_;)私の中ではほんとに名作です?続編を是非ともお願いします?

    IP強制表示中:124.146.175.205
    2010-10-28 21:58:00
  • 919:

    名無しさん

    主さんお疲れ様でした…この小説の更新チェックが日課になってました(^ー^)
    すごくハッピーエンドで良かったです?

    IP強制表示中:222.5.63.88
    2010-10-29 01:32:00
  • 920:

    大阪花子

    ↑ありがとうございました?実はかどうかは、想像に任せます。続編は書けたら書いてみたいと思います。最後の最後まで、温かいコメントありがとうございました。

    IP強制表示中:202.229.178.136
    2010-10-29 10:33:00
  • 921:

    名無しさん

    おもしろかった?
    サブキャラを主人公にしたやつとかも読んでみたい?

    IP強制表示中:124.146.175.199
    2010-10-29 13:48:00
  • 922:

    名無しさん

    終わってしまったん凄く寂しい(/_;)毎日更新されてるか楽しみにしてたし楽しみが減ったよ?けど主さん?ありがとう?そしてお疲れ様でした?もし続編書くならば応援します?お疲れ様でした?

    IP強制表示中:210.136.161.78
    2010-10-29 21:00:00
  • 923:

    名無しさん

    埋めたい

    IP強制表示中:118.152.214.203
    2010-10-30 04:27:00
  • 924:

    名無しさん

    ?1000なら皆が幸せに暮らせる?

    IP強制表示中:118.152.214.203
    2010-10-30 04:31:00

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