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あの頃。

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  • 1:

    ? ◆aNcczJY1pQ

    携帯の受信フォルダを開く。あの人からの嬉しいメールは全部保護してある。それを見るたび涙が溢れる。あの人からの指定着信音はもう鳴らない。
    失って初めて気付いた事。
    幸せやった。

    2005-12-21 02:45:00
  • 47:

    ? ◆aNcczJY1pQ

    私にとってキスはセックスより大事。今もずっと。エレチュウもうまく交わす。ホストとはセックスしてもキスはしない。私がキスの重みを知ったのがこの日。あいつとの一年ぶりのキス以来私は客とのキスをやめた。それで来なくなるならいい。絶対売らない物が二つになった。心とキス。キスをしない風俗嬢になった。

    2005-12-22 06:38:00
  • 48:

    ? ◆aNcczJY1pQ

    あいつは次の日も店に来た。その次の日も。来ても脱がない。キスをして抱き合うだけ。離れてた時間をうめるかのように強く抱き合う。あいつが買った時間内だけ。あいつが帰ればキスをしない風俗嬢に戻る。あいつはいつも悲しい笑顔で帰る。

    2005-12-22 06:43:00
  • 49:

    ? ◆aNcczJY1pQ

    5回目の来店であいつは私を貸し切った。7時間をお金で買った。今はいつでも家で帰りを待ってる私じゃない。呼ばれればすぐ行く私じゃない。あいつはそれをわかりきっていた。「俺めっちゃエースやん!お前の太客やん。何もしやんでいいし楽やろ?」「あんたがおらんくても指名でうまりますぅ!貸し切れただけありがたく思ってよ!やけど何がしたいん?私もうあんたの店いかんで?エースにはならんよ。」聞く私にあいつは「俺、信用ないなぁ。まだ疑うか?俺も一応ナンバー1やねん。ひとりの客の為にこんなに時間使うかぁ!俺はな、お前が他の男を接客すんの嫌やねん。お前の存在が今より遠くなりそうやねん。手の届かんとこにいくのが嫌やねん。これ以上自分作って風俗嬢になりきらせたくないねん。お前、よく笑うし笑顔かわいいけど、目、笑ってないやん。昔の笑顔と違うねん。お前のほんまの笑顔を奪ったんは俺やわ。やからお前をほんまに笑わすのも俺やねん。お前があん時みたいに笑うまで俺はここに来るから。」

    2005-12-22 06:56:00
  • 50:

    ? ◆aNcczJY1pQ

    42さん?ありがとぉ?嬉しい?いっぱい書くから最後までよろしくね?

    2005-12-22 07:01:00
  • 51:

    ? ◆aNcczJY1pQ

    「バカじゃないん?私、笑ってるし。あんたが毎日来たら他のお客さん困るやん!だいたい何でそこまでするん?一年たてば人間は成長するねん。過去は気にせんとこよ。いい思い出やし。惚れたら負けやん、恋愛は。あんたは悪くないよ」「じゃあ、俺、今、負けやな」えっ?笑いながら言われてもわからんやん。「俺、お前が好きやわ。絶対に好き。愛してる。もう離したくない。失いたくない。俺にとってお前が運命の女やねん。やり直して欲しい。それから風俗やめて。お金ならなんぼでもやるわ。やから、もう体売るな。売る必要ないから。」

    2005-12-22 07:11:00
  • 52:

    ? ◆aNcczJY1pQ

    かりにもあいつはナンバー1ホスト。不動のナンバー1。私が体を売って稼いだお金でその地位を維持していた事もある男。そのあいつが仕事を辞めてと言っている。私を好きだと言っている。負けず嫌いが負けを認めた。私は正直困った。私はあいつと別れてから頑張って今の私を築き上げた。ナンバー1の座。そんなに簡単に捨てたくない。プライドだってある。何よりこの仕事を辞めたら存在価値に認識する場所がなくなる。

    2005-12-22 07:29:00
  • 53:

    ? ◆aNcczJY1pQ

    色んな思いが交錯して戸惑う私にあいつはとどめを刺す。「俺はお前が必要やねん。お前がこの世におる事の大切さは誰より知ってるわ。お前の客の誰より知ってるわ。俺は風俗嬢のお前も元のお前も知ってるねん。二人のお前を知ってる奴俺以外におるか?全部受け入れるから。お前の傷ついた心も笑い方忘れた目も、売り続けた体も、作られたお前も全部。もちろん昔の嫉妬に狂ってたお前もな。全部全部わかって好きやねん。お前を幸せにできるのは俺だけや。お前の言う事なら何でもきいたる。望む事は何でもしたる。やから、風俗あがってくれ。俺のとこ帰ってこい。俺を好きじゃなくていい。時間がかかってもいいから。だから、もう体を売るな。俺がお前を買う。」

    2005-12-22 09:00:00
  • 54:

    ? ◆aNcczJY1pQ

    2年半の月日が流れた。
    何不自由ない生活。あいつは私を世間でゆう幸せな女にしてくれた。目が笑うようにもなった。作る必要もなかった。平凡な毎日が当たり前に過ぎていく。あいつは浮気なんかしない。仕事以外で女と関わる事もない。誰もが羨ましがる夫婦だった。不満なんかない。
    けど私は
    離婚した。

    2005-12-22 09:48:00
  • 55:

    ? ◆aNcczJY1pQ

    離婚で人生の歯車が狂う事も気付かずに。
    不幸になる事も気付かずに。
    私はわからない。なぜ離婚したのか。今、よく考えてもわからない。あの時の自分に聞きたい。何で?
    あの時の自分に言いたい。アホやろ?

    2005-12-22 09:51:00
  • 56:

    ? ◆aNcczJY1pQ

    離婚してしばらくは遊んだ。ホストもいっぱい行った。楽しくなかった。中身のない男を相手に喋るのは疲れる。あげくにルックスがいまいちだと叫びたくなる。やっぱり自分の存在価値が知りたくなった。戻るところはただひとつ。
    風俗。
    私はソープデビューした。雑誌に顔出しする事に決めた。失う物は何もない。売るのは自分。私は商品。ならおおいに宣伝しよう。同じ商品だ。完売する方が価値がある。私はソープでナンバー1になる。そう決めた。離婚で何かがふっきれた。あんなに断り続けた、本番行為を当たり前にする。だってソープだから。女の武器をあますとこなく使ってお金にするところ。それがソープ。

    2005-12-22 10:01:00
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