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あの頃。

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  • 1:

    ? ◆aNcczJY1pQ

    携帯の受信フォルダを開く。あの人からの嬉しいメールは全部保護してある。それを見るたび涙が溢れる。あの人からの指定着信音はもう鳴らない。
    失って初めて気付いた事。
    幸せやった。

    2005-12-21 02:45:00
  • 37:

    ? ◆aNcczJY1pQ

    「帰るわ。チエックして。来てよかったわ。ありがとう。あんた頑張りね!お互い引退までナンバー1やで!」リズムにのって言った私にあいつが一言。「俺も帰るわ。」「はぁ?何ゆってんな?お客さんおるやろ?」「今、接客できる精神状態ちゃうねん。俺かなり動揺してるねん。お前が遠いねん。あんなに俺に惚れ込んでたお前がごっつい遠いねん。この1年、お前への後悔とお前からの愛にすがって頑張ってきたのに、突然現れて、あっさり楽なったわってふっきられて、俺明日から何を支えに頑張るねん?めっちゃ頭うったやんけ。お前泣かせた罰やな。お金はいらんわ。こんぐらい安いもんやわ。あと携帯教えてや。」「今は別々の人生やろ?電話とかいらんよ。送り出しもいらんで。さて明日からはもっと指名とれそやわぁ」私は席を立ってドアに向かった。一緒に出てきたあいつにここでいいって手で合図してエレベーターのボタンを押す。

    2005-12-22 03:30:00
  • 38:

    ? ◆aNcczJY1pQ

    ドアがあいてのった瞬間あいつも乗り込んできた。 「びっくりした!いいよ。お客さんとこ戻りって」「今やっと昔のお前の顔したわ。今もきれいやけど俺は昔の顔が好きやな。」
    涙が出そうになった。あいつが、見苦しい私を見てきたあいつが過去の私を誉めた。消し去ろうとしていた過去の私の方がいいって言ってくれた。顔の事だけかもしれない。だけど私は嬉しかった。大好きだったあいつに大嫌いだった自分を誉められた事が。

    2005-12-22 03:37:00
  • 39:

    りん?

    ぉまめ?トコのスレ見て飛んで来たょ??
    おもしろいし、頑張って完結してね??応援してます??又?来るね???

    2005-12-22 05:33:00
  • 40:

    ? ◆aNcczJY1pQ

    りん?ちゃん?ありがとね?長くなりそうやけどお付き合いお願いします?

    2005-12-22 05:38:00
  • 41:

    ? ◆aNcczJY1pQ

    サングラスかけててよかった。本当の涙は誰にも見せない。あいつと離れた時に決めた事。あいつが手を握った。忘れてはない、体が覚えていたぬくもりと感触。完全に本当の自分に戻った気がした。だけど頭は素の私でいる事を許さなかった。「離して。私、タダじゃないねん。お金もらって触らせてる体やねん。商品やねん」体を売る事で、体をお金に変える事で存在価値を確認しすぎた私の口から勝手に出た言葉。あいつは悲しそうな顔をした。

    2005-12-22 05:50:00
  • 42:

    名無しさん

    めたぉもろぃ?はゃく読みたいな?頑張ってね?

    2005-12-22 06:00:00
  • 43:

    ? ◆aNcczJY1pQ

    もう元の私には戻れない。過去を受け入れても、私は変わってしまった。だけど涙は溢れた。とめどなく溢れた。自分で自分がわからない。泣く事を忘れて生きてきた一年間。あいつの一言で、一瞬で泣いた。やのに体が拒否反応を起こす。あいつは私を抱き締めた。謝りながら強く抱き締めた。懐かしいにおいがした。私が好きだと言ってた香水のにおい。でも私は抱きつく事はしなかった。「今の私、そんなに安くないから。」腕を擦り抜けあいつから離れた。エレベーター止まったままや。1のボタンを押す。いつもの冷静な私に戻る。エレベーターが1階についた。「ちゃんとご飯食べるんよ!帰るな。堺筋でタク乗るからここでバイバイ!おやすみ!」完全に風俗嬢に戻っていた。作った笑顔。作った声。タクの中で考えた。出した答え。〈一生作られた今の自分で生きていこう。過去を認めても自分には戻れないってわかったんだから〉

    2005-12-22 06:07:00
  • 44:

    ? ◆aNcczJY1pQ

    開き直ったら、なおさら楽になって爆睡した。目覚めは壮快。いつものようにシャワーを浴びて準備をする。今日も仕事頑張ろう。いつものように店に行く。予約の確認をする為にリストに入る。「今日は予約電話いつもより凄かったぞ。ラストまできっちり受付開始5分で埋まりましたよ!ナンバー1!」マネージャーが微笑む。こいつは女の子をおだてりゃいいと思ってるからたまにうざい。今日は金曜日。埋まって当たり前。「頑張るわ。」それだけ言って私の専用の部屋に行く。いつものようにセット完了してコールする。今日の1本目は誰やろ?作られた笑顔で客を待つ。私の前に、風俗嬢〇〇の前に現れたのはあいつだった。

    2005-12-22 06:18:00
  • 45:

    ? ◆aNcczJY1pQ

    「きのう来てくれたから来た。めっちゃ電話したわ。一番に予約とれてよかった。俺、ちゃんとお金払ってる客やからな。」あいつは部屋に入るなり寝転んだ。「俺お前帰ってからすぐ早退してんやん。色々考えてんけどな、悩んでもしゃーないから、会いにきてん。」天井を見つめて言う。ここは店。あいつは今お客様。私はこの店のナンバー1。仕事。「ありがとう。でもミズキに見られたらどうするんよ?気をつけてよ。」言いながら寄り添う。

    2005-12-22 06:26:00
  • 46:

    ? ◆aNcczJY1pQ

    「なぁ、腕まくらしながら抱き締めてや。お金払ってるからいいやろ?久しぶりに女に甘えたいねん。」そういや、よく腕まくらしたな。覚えてるんや。私は言われた通りする。きつくあいつを抱き締めた。きのうと同じにおいがする。ギャル男だったあいつもキレイ目と呼ばれる服装に変わってた。「相変わらずスーツしか似合わんな」おちょくる私にあいつはキスをした。何度も何度も唇を重ねた。

    2005-12-22 06:32:00
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