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  • 1:

    私は全てにおいてトップに立ちたい…
     
    恋も‥
    仕事も…。

    2005-08-16 21:01:00
  • 201:

    『メールっ・・??』
    携帯を開き カチカチと何度かボタンを押し 唯が画面を開き私の前に置いた。 
    昨日の日付。
    送信元━━━━ミカ・・
    【チーママに彼氏盗られたから当分店には出ないです。チーママは客とも寝てるし最低やのに彼氏まで盗られて‥本間にムカツク】

    2005-08-17 02:01:00
  • 202:

    一括送信のメールは見て分かった。
    送信元の下に他のスタッフのアドレスも載っていた。
    彼氏盗られた?!
    客とも寝てる?!
    どちらも全く覚えなんてない‥

    2005-08-17 02:02:00
  • 203:

    『唯は‥唯はそんなん信じてないですよっ・・』
    何故か唯は目に涙をためていた。
    『何で唯ちゃんが泣きそうなん?私、別にこんなん気にせんよっ!!事実じゃないし‥一輝とはねっ・・』
    私は淡々とでも感情もふまえながら一輝との経緯を話した。

    2005-08-17 02:04:00
  • 204:

    そしてホストという仕事の事も・・・
    【色】や【枕】営業もあるという事。
    ピュアな 唯は少しショックそうだった。
    彼女の営業に色なんて全くない‥
    だから なおさら酷だったかも知れない。

    2005-08-17 02:05:00
  • 205:

    『でも、チーママ嫌じゃないんですか?浮気と一緒でしょ!?』
    『う〜ん…。嫌じゃないって言ったら嘘になるかな…でも諦めじゃないけど、一輝が他の女と寝ようが何しようが今私は一輝といたいから・・・』
     
    『何か強いですね。。』

    2005-08-17 02:06:00
  • 206:

    唯の頬を伝う涙‥
    本当は強くなんかない‥
    強いフリをしてるだけ。
    誰よりも孤独が恐い私の精一杯の強がり‥。

    2005-08-17 02:07:00
  • 207:

    『何で唯ちゃん泣いてるん??泣きな―!!』
    『だって‥自分が辛い時でも唯の話聞いてくれて‥年下やのに、しっかりしてて‥唯はいつも頼ってばかりで・・・』
    唯の言葉に考える間まなく私の目からは大量の涙が流れた。
    しっかりなんかしてない‥ただの強がりなのに…。
    それでもそんな私を頼ってくれている唯の存在は大きかった。

    2005-08-17 02:08:00
  • 208:

    『もぅ泣いたらあかん!目腫れるから‥』
    二人してティッシュで涙を拭っていると 賑やかな声でか一輝が目をこすりながら起きてきた。
    タバコに火をつけ 三人でテレビを見て討論をしていると 部屋のインターホンが鳴った。
    『誰やろ・・・』
    一瞬浮かんだミカの顔。

    2005-08-17 02:09:00
  • 209:

    受話器を取る前にモニターのスイッチを押した。
    そこに映っていたのはまさしく予想的中‥ミカだった 
    『ミカやっ・・』
    ぼそっと呟いた私‥
    すぐに反応したのは唯の方だった。

    2005-08-17 02:10:00
  • 210:

    『チーママ‥??』
    どうしよ‥どうしよう・・・
    心配そうに私にかけよる唯 
    『一輝?!家ばれてない?』 
    一輝には意味が分からない様子で 不思議そうな顔で私を見る。

    2005-08-17 02:11:00
  • 211:

    『ミカが来た・・・家つけられたりしてない?!』
    『はぁ?!』
    吸いかけの長いタバコを灰皿に押しつけ 私に近ずきオートロックのモニターに目をやる一輝。
    ミカは私の家を知らない筈・・・
    だいたいの場所は知っていても部屋までは知らない。

    2005-08-17 02:13:00
  • 212:

    一輝の家と知って来たのか‥
    私の家と知って来たのか‥それすら分からない私達はどうする事も出来ない。
    焦り‥不安‥心配‥
    どれに当たるかは分からないけど 私にはどうする事も出来ず一輝の顔を伺うしか出来なかった。
    『出んでいいやん。ほっとけ!!』

    2005-08-17 02:14:00
  • 213:

    少し怒ったように言う一輝 
    『どっちかに用事あったら電話くるやろ』
    確かにそうだ・・・
    『瞳は何も心配せんでええ‥何かあった時は俺が守るから!!』
    グイグイ手を引っ張り無理矢理ソファに座らされ 耳元で囁くように言われた言葉‥。

    2005-08-17 02:15:00
  • 214:

    一輝に出会って、一輝を愛して、一輝を必要として、私は変わった。
    【可愛い女】になりたい私が【可愛い女】になれない私を守る為、一生懸命作ってた【大人の女】という偽物の私‥
    その偽りの壁を一輝は初めて壊してくれた人。
    【愛してる】
    というたった一言が 心地よかったり、人を愛するという事を教えてくれた人。

    2005-08-17 02:17:00
  • 215:

    『唯ちゃんも座りっ!!』
    一輝が優しく話す。
    『じゃ、今日は俺が何か作ったろ!!二人とも何食べたい?』
    腕をまくりながら気合いを入れた一輝が言う。
     『パスタっ!!』

    2005-08-17 02:18:00
  • 216:

    そうとうお腹が空いていたのか唯は速答だった。
    『よっしゃ!!今日は瞳の大好きなカルボナーラにしよかっ!なっ?!』
    ニコっとこちらを向き笑顔で言う一輝に私は小さく頷いた。
    ♪♪♪〜
    みんな一瞬目が合う‥

    2005-08-17 02:19:00
  • 217:

    すぐに自分の携帯を探した。
    光ってない・・・
    私じゃなかった。。
    少し安心して 一輝を見ると首を横に振る。
    『友達からですっ!!』

    2005-08-17 02:20:00
  • 218:

    苦笑いしながら唯が電話に出る。
     
    一瞬 はりつめた空気‥
    ミカが恐い訳じゃない。
    この幸せを壊されるのが恐いんだ・・・

    2005-08-17 02:21:00
  • 219:

    『なぁ瞳…俺等、大丈夫やんなっ?!』
    『ん?!何が?』
    『いや‥だからさっ、俺とずっと・・・』
    ♪♪♪〜
    一輝の前で光る携帯‥

    2005-08-17 02:22:00
  • 220:

    『誰やねん。こんな時に‥ちょいごめんなっ。』  
    私が頷いたと同時に一輝は携帯を開いた。
    『俺やったんかっ‥』
    『えっ?!』
    『ミカから・・・』

    2005-08-17 02:23:00
  • 221:

    私の前に差し出された携帯には はっきりと【美香】という名前が出ていた。
    携帯を持ったまま何か考えている一輝。
    『出んの?』
    あまりにもひつこく流れる着信音は 一輝も私も大好きな曲だった。
    『ひつこいなぁ‥』

    2005-08-17 02:24:00
  • 222:

    切れてはすぐに音楽が流れ、切れては流れ…まるで生きてるかのようにしつこく 鳴り止まない、一輝の携帯。
    『だるいなぁ‥』
    通話ボタンを押す前に寝室に向かった一輝の服を私はグイっと引っ張った。
    『瞳どした?』
    『ここじゃ、あかん?』

    2005-08-17 02:25:00
  • 223:

    『えっ?!』
    二人の約束‥。
    お互い営業電話は聞こえない所でする。
    聞きたくない事は聞かない 
    でも今回は違う‥どうしても聞きたい。

    2005-08-17 02:27:00
  • 224:

    『ここで話して!?私、静かにしとくから‥』
    『ええけど‥気、悪くせんかっ?!』
    『うん。』
    話てる間も携帯は鳴り続けた。
    『もしもし‥?』

    2005-08-17 02:27:00
  • 225:

    静まり返った部屋にはミカの声が携帯から漏れて聞こえた。
    『一輝‥今から会えないかな?!』
    電話の向こうで泣きながら話すミカの声‥
    少し 胸が痛んだ。
    何も悪いことなんてしてない‥

    2005-08-17 02:28:00
  • 226:

    いつも私の前や他の女の子の前では気の強いミカが見せる女な部分。
    同じ女として 涙ながらに訴える彼女の気持ちは痛いほど分かる。
    『今から‥??ちょっと無理やなぁ‥。ごめん。』
     
    一輝はミカが泣いている事に気付いていながら あえて触れなかった。

    2005-08-17 02:29:00
  • 227:

    『どうしても、少しでいい…会いたいの。』
     
    『本間ごめん。体調悪いから‥まじで勘弁して?!』
     
    ミカは 嫌がるかも知れないけれど 私は少しミカに同情した。

    2005-08-17 02:31:00
  • 228:

    ミカも私もたまたま 同じ人を好きになっただけ‥
    たまたま私のが早く一輝と知り合って‥
    ミカより少し早く 体を重ねて‥
    ミカより少し早く【彼女】という肩書きを貰っただけ・・・
    逆の可能性だってあった。

    2005-08-17 02:32:00
  • 229:

    私が一輝の隣で眠ってる時もミカは一輝を思いながら一人で寝ているのかも知れない。
    ミカだって ただ一輝が好きなだけ。
    ただ それだけ‥
    『わかった‥』
    『ごめんなっ。又連絡するから‥じゃ。。』

    2005-08-17 02:33:00
  • 230:

    一輝が電話を切ったと思ったらすぐに私の携帯が鳴った。
    ♪♪♪〜【着信:ミカ】
    迷わず押した通話ボタン。 
    『はい‥』
    『チーママ今何処ですか?!』

    2005-08-17 02:34:00
  • 231:

    さっきまでの涙声ではなく、いつも通りのミカの声。 
    冷たく‥低く…何でも見透かしたようなミカの声。

    『家だけど何?』
    『単刀直入に言います。チーママの一番は何ですか?仕事でしょ?!私の一番は、一輝なんです!!仕事でも自分でもなく一輝なんです。だから‥お願いします。一輝を返して下さい!!』

    2005-08-17 02:35:00
  • 232:

    真っすぐなミカ‥
    私の一番?!
    そんなの決めれない。
    欲張りな私は仕事も、恋愛も、全て手に入れる!
    どれか一つなんて‥どれが一番なんて‥

    2005-08-17 02:36:00
  • 233:

    私は全部が一番!!

    『何言ってるの!?一輝は物じゃない‥返してとか、そんな風に言われても困る。。』
    『じゃ、一輝に決めてもらいましょ!!今日の夜、一輝の店に来てください。待ってます』
    一方的に切られた電話‥

    2005-08-17 02:37:00
  • 234:

    『ごめん‥。』
    一輝にわざわざ話しなくても全て聞こえていた。
    『何で瞳が謝るねん。ミカぐらい切れたって、たいした事ない。』
    今まで隠してきた秘密の恋愛‥。
    ミカに『一輝を返して』と言われた時‥私は何も否定しなかった。

    2005-08-17 02:38:00
  • 235:

    今まで一生懸命 隠してきた二人の秘密。
    ミカが一輝の客だと知った時、一輝に言われた言葉…『俺等の事、ミカには内緒なっ‥?!』
    私のせいか‥
    一輝のせいかは分からないけれど 結果的にばれた事には変わりない。
    私達の仕事は ある意味、芸能人と同じ。。

    2005-08-17 02:39:00
  • 236:

    『で、今日来るん?』
    一輝は全く私を責めたりはしなかった。
    ミカが切れても大丈夫と言うのは一輝の優しい嘘。
    一輝にとってミカは、かなりの太客。
    平気な筈はない。

    2005-08-17 02:41:00
  • 237:

    『多分、行く・・・』
    『ほんまか。もーここまでバレたら開き直るしかないなっ!。』
    笑ってる一輝…
    でも目は笑ってなかった。 
    夜までの時間はあまりにも早かった。

    2005-08-17 02:42:00
  • 238:

    普段の倍以上のタバコを吸い、せっかく一輝が作ってくれたカルボナーラも半分くらい残してしまった。
     
    『一緒に行くか?』
     
    あまりにも様子がおかしい私に一輝が気を使って言ってくれる。

    2005-08-17 02:43:00
  • 239:

    『それはまずくない‥?』 
    もし一輝と一緒に入った時に ミカが居たら‥
    冷静に話すら出来なくなるかも知れない。
    私がミカの立場で 好きな人と相手の女が一緒にいるのを目撃したら 間違いなく正気ではなくなる。
    『私・・一緒について行ったらダメですか?』

    2005-08-17 02:44:00
  • 240:

    心配そうな目で私を見る唯 
    『大丈夫‥ありがと!!』
    本当は一緒にいて欲しい。でもミカと唯の関係は壊したくない‥
    『さっ!!用意しよーっと・・・!!』
    重い腰を上げ 化粧をして服を着替える。

    2005-08-17 02:44:00
  • 241:

    みるみる内に自分でも驚く程変わる鏡に映る自分‥
    髪に沢山のカーラーを巻き、マスカラは三本も使う‥ 
    私は美人でも可愛くもない。。
    でも化粧映えはする。
    普段より薄めの化粧‥。

    2005-08-17 02:45:00
  • 242:

    仕事じゃない。

    チーママとしてではなく、一人の女としてミカに会う・・・。

    2005-08-17 02:46:00
  • 243:

    コンコン・・・━
    『瞳?入るぞぉー!!』
    『うん。』
    スーツ姿の一輝が部屋に入ると共にきつい香水の匂いが部屋中をうめつくす。
    『俺‥店辞めてもいいから。お前もぅ無理すんなっ!!仕事なんか、いくらでもあるしホストだって山程あるんやから!』

    2005-08-17 02:47:00
  • 244:

    『ありがと‥』
     『じゃ、俺先行くわ!』
    そっと優しく 私の頭を自分の胸に抱き寄せ髪の毛を撫でる一輝が耳元で一言‥ 
    『俺の一番は瞳‥』と‥。
    嬉しかった。。

    2005-08-17 02:48:00
  • 245:

    私は知ってる‥
    一輝が今まで どれだけ努力したか・・・。
    知り合った頃の一輝は 下から数えた方が早いくらい売れてなかった。
    イロを売って、客と寝て たった数ヵ月でトップに上り詰めた。
    色営業が汚いなんて思わない。。

    2005-08-17 02:49:00
  • 246:

    そこに【愛】が無ければ‥ 
    私は平気‥。
     
    男は愛のないセックスが出来る。
    他の女と寝ても一瞬でも私の事が頭に浮かべば それで私はその女に勝ったという事・・・。

    2005-08-17 02:50:00
  • 247:

    そんな話を友達にすると『冷めてる』とか『そんなんで幸せ?』
    とか言われるけど 客と体を重ねずに トップにいけるホストは、ほんの僅か‥
    体を重ねる事は誰でも出来る‥。
    そこから いかに店に呼ぶかが問題。

    2005-08-17 02:52:00
  • 248:

    一輝はいつも携帯ばかり触ってた。
    数えきれないメールが来ても寝る時間がなくても 絶対に自分からメールを終わらすような事は しなかった。
    電話も同じ‥
    【じゃ、またかけるね】
    相手がこの言葉を言うまで彼は話続ける。

    2005-08-17 02:53:00
  • 249:

    『俺、いつかナンバー1なって金貯めて、いい車乗って店持ちたいねん!!』
    いつだったか一輝が私に話してくれた。
    今、少しずつ夢に近ずいてる途中。。

    せっかく今の店で役職につき、客もつき 順調なのに店辞めてもいいと言う程、私は一輝に全てを押しつけてしまっていたのだろうか‥

    2005-08-17 02:54:00
  • 250:

    一輝にとって今の私は重荷になっているのかも知れない。。
    今日 私が一輝と別れたら全てが丸く納まるかも知れない。
    一輝と別れるのは嫌‥
    でも それが彼の為なら 私は別れを選べる。。
    それが一輝への私の愛情‥

    2005-08-17 02:54:00
  • 251:

    『唯ちゃん、行ってくるね‥寝てていいから。』
    唯は何も答えなかった。
    ただ笑みを少し浮かべただけ‥
    家の下にタクシーを呼び 一輝の店に向かう。
    そんなに近くない一輝の店がいつより早くついた気がした。

    2005-08-17 02:55:00
  • 252:

    エレベーターに乗り 手慣れたようにボタンを押す。

    自分の鼓動が早くなるのが自分でも分かる。
     
    カバンを持つ手は汗をかき一輝から貰った指輪に目をやると指が小刻みに震えている‥

    2005-08-17 02:57:00
  • 253:

    『緊張とか、かっこ悪っ!!』
    一人呟き、何だか色々悩んで考えてるのがバカらしくなった。
    私だって一輝を想う気持ちは負けてない。
    ただ 表に出さないだけ‥

    2005-08-17 02:58:00
  • 254:

    店のドアに手をかける‥。 
    ただドアを引くだけ・・
    それが出来ない。。
    足がすくんで動かない。  
    心臓は飛び出そうなくらいドキドキしてる‥

    2005-08-17 02:58:00
  • 255:

    『瞳・・・さん!?』
    一瞬 一輝かと思い振り返ると、そこにはコンビニの袋を下げた春が立っていた 
    『何してるんですか?入らないんですか??』
    『あっ・・うん。今入ろうと思ってて‥』
    変に思われたよね‥

    2005-08-17 02:59:00
  • 256:

    ドアの前で立って動かないんだもん。。
    『春は??今から!?』
    『俺はお使い‥チャーム足りなくって‥』
    笑いながらコンビニの袋を少し持ち上げ私に見せる春 
    春のおかげで少し気持ちが楽になった‥

    2005-08-17 03:00:00
  • 257:

    『一輝さんばっかりじゃなくて、たまには俺の相手もして下さいねっ!!』
    私が答える間もなく 春は片手で私の手を握り もう片方の手でドアを開いた。 
    【いらっしゃいませ!!】
     
    すぐに目に入った二人の姿

    2005-08-17 03:01:00
  • 258:

    ミカの隣に座る一輝・・・ 
    『ここでいいですか?!』
    春が案内してくれた席は ちょうどミカ達の姿が見えない席。
    『あっ‥うん。』
    春の気遣いを無駄にしたくなくて 取り合えず座ろうとした時、スーツを着た男が私に近づいて来た。

    2005-08-17 03:04:00
  • 259:

    『瞳?!あっち‥』
    言いにくそうに一輝が言う 
    『うん…。』

    春は不思議そうに私達を見ていた。

    2005-08-17 03:05:00
  • 260:

    そりゃ不思議だよね‥
    一輝と私が一緒に住んでる事を知ってる春‥
    一輝のエースがミカだと知ってる春‥
    私とミカが同じ店だと知ってる春‥。
    春は買ってきたチャームを持ったまま私の後をついてきた。

    2005-08-17 03:06:00
  • 261:

    『ごめん。待った?』
    沢山のボトルに空いたシャンパンの瓶‥
    たくさん使ってるんだ‥。 
    『そんなに待ってないです‥』
    私は少しミカと距離を置き座った。

    2005-08-17 03:08:00
  • 262:

    正面の二人のちょうど間に一輝は座った。
    まさしく三角・・・
    一番避けたかった三角関係 
    私からもミカからも 矢印は一輝へ‥。
    問題は 一輝が誰を好きなのか‥

    2005-08-17 03:09:00
  • 263:

    『春、ビールちょうだい。ほんで良かったら春も座り‥』
    『あっ、はい!』
    誰かいた方が冷静になれる
    コンビニの袋を下げて 立っていた春がグラスとビールを取りに行く。

    2005-08-17 03:10:00
  • 264:

    『瞳‥さん‥春ついてもいいんですか?』
    白々しく一輝が聞く。
    『聞かれて困る話なんてないですから‥』
     
    少しムッとした私がいた。

    2005-08-17 03:11:00
  • 265:

    『すいません。失礼します‥』
    手にビールの瓶を持った春が私の前で片膝をつけてビールをつぐ。
    『春もビールでいい?』
    『あっ!!はい!いただきます。』
    グラスが揃い、取り合えずグラスを手に持ち一番にグラスを傍に持っていった相手はミカだった。

    2005-08-17 03:12:00
  • 266:

    ミカのグラスより少し下げた位置でミカがグラスを手に取るのを待った。
    気付いたミカが急いで グラスを持つ。
    『乾杯…』
    チン━・・・グラスが当たると私はすぐに一輝にグラスを向けた。 
    『いただきます‥』

    2005-08-17 03:13:00
  • 267:

    あえて私の位置より下にあるグラスを下から手を添えて 持ち上げ 私のグラスの位置が下にあるように乾杯した。
    『今日は客じゃない‥』
    そんな意味を込めた。
    春とも乾杯して私は一口ビールを口に含む‥
    喉が乾いた‥緊張のせいか私の喉は渇ききっていた。

    2005-08-17 03:14:00
  • 268:

    もう一口 ビールを飲み タバコに手をかける。
    すばやく出てきた二つの炎 
    『ありがとう』
    私は迷わず春の手に少し手を添えてタバコを吸った。 
    スーっと煙を吐き 一呼吸おき 私は覚悟を決めた。

    2005-08-17 03:15:00
  • 269:

    『で、話って何?』
    こちらを向くミカ・・・
    『話あるんだよね?!』
    冷たく 言う私‥。
    真っすぐミカを見る。

    2005-08-17 03:17:00
  • 270:

    あなたを責めたりはしないけれど 貴女には負けない 
    『一輝と付き合ってるんですか?』
    ミカも負けじと私を見る。

    『一輝君に聞けば?』

    2005-08-17 03:18:00
  • 271:

    『私はチーママに聞いてるんです!!』
    『私が付き合ってると思ってても一輝君は思ってないかも知れないし‥でも私は一輝君の事好き。それは言える‥』
    ドン━・・・
    ミカが飲んでいたグラスをテーブルに思いっきり置く

    2005-08-17 03:20:00
  • 272:

    『・・棒‥』
    『えっ?』
    呟くように言ったミカの言葉を聞きなおす。
    『泥棒って言ったのよ!人のモノ盗って楽しい?仕事でもチーママってちやほやされてプライベートでも私の邪魔するん?!』
    『邪魔って何?』

    2005-08-17 03:20:00
  • 273:

    感情剥き出しで話すミカに対して私は冷静に話した。 
    『あんたがいなかったら私がチーママやった!!』
    『それに‥一輝だって・・・一輝の事いくらで買ったんですか!?いくら払って寝たんですか!?私があんたに負けるはずない!!』
    バシっ━・・・
    考えるより、言葉より先に手が出てしまった。

    2005-08-17 03:21:00
  • 274:

    『瞳っ!!』
    『瞳さん!!』
    二人が慌てて私を止めようとする。
    しっかり私の手を握る春‥ 私を侮辱したっていい、責めたっていい‥
    でも 一輝の事を侮辱されるのは どうしても許せなかった‥

    2005-08-17 03:23:00
  • 275:

    『買ったって何!?一輝は物じゃない!!自分の好きな人やろ?そんな言い方なくない?私は一輝を買った覚えもお金を払った覚えもないから!そんな風に言うって事は自分がそうなんじゃないの?!』
    バシっ━・・・
    頬が熱くなる。。
    『ちょっとミカちゃん、落ち着いて‥』
    一輝がミカを宥めようとする。

    2005-08-17 03:25:00
  • 276:

    私の頬は真っ黒な液体が流れていた。
    悲しいんじゃない‥悔し涙・・・。
    私の手を握る春の手に力が入る。
    泣いてたまるか‥涙なんて見せたくない。。 
    『チーママしたいなら、すればいい。肩書きぐらい、ミカちゃんにあげる。』

    2005-08-17 03:26:00
  • 277:

    だから‥一輝は私にちょうだい。。
    言おうとした言葉は飲み込んだ‥。
    『そんな事言ってるんじゃない!!チーママの一番は仕事だって前言ってたでしょ?何で‥一輝なん?!私が一輝の彼女なのに!!』
    『そう‥』
    もう彼女とか どうでも いい‥。

    2005-08-17 03:27:00
  • 278:

    周りの客と たまに目が合う‥
    ホストにはまった馬鹿な女って思われてるのかな。
    やっぱり人目は気になる‥ 少し冷静さを戻した私がいるのが自分でもわかった。 
    ヒリヒリする頬‥
    叩いて、叩かれて‥ガキみたいな私たち。。

    2005-08-17 03:28:00
  • 279:

    『もう一輝と連絡取らないで!!次は許さない!』
    私を睨みながら言うミカ‥ 『許さないって何?決めるのは貴女じゃない。一輝でしょ?!一輝が取らないって言うなら私は取らない‥』 
    嘘じゃない‥
    一輝が言うなら私は あっさりと身を引く。
    『一輝?私達、付き合ってるよね?もうチーママと連絡とらんといて!!ねっ?!』

    2005-08-17 03:29:00
  • 280:

    一輝の顔を覗きながら言うミカ‥
    『ミカちゃん。ごめん‥それは無理やわ・・・』
    『何でなん!?』
    目に涙が浮かぶミカ‥
    『ミカちゃん、勘違いしてるみたいやから言うけど俺等、付き合ってたん?後、瞳と知り合ったのはミカちゃんより大分前やで‥。』

    2005-08-17 03:30:00
  • 281:

    『私の事好きって言うたやん!!』
    『ミカちゃんの事、好きだよ。でもこんなミカちゃんは好きじゃない‥』
    『こんなって‥?!』
    『俺、縛られるの嫌なんだよね。言ったよね‥俺が誰と連絡取ろうが、それは俺が決める事だから‥』
    冷たい一輝の目‥。優しい口調でも 突き刺さる言葉。。

    2005-08-17 03:31:00
  • 282:

    『この人のせい?!』
    何故か矛先は私に向けられた‥。
    『だから、瞳は関係ないやん。』
    呆れたように言いタバコに火をつけた一輝。
    『私には一輝が必要なの‥何でこの人なの‥?私のが可愛いのに!!』

    2005-08-17 03:32:00
  • 283:

    確かに、自他認める。
    ミカの顔は可愛い。。
    私もタバコを手に取った。 
    火をつける為にやっと手を離した春。
    私の手は汗ばんでいた‥

    2005-08-17 03:33:00
  • 284:

    『だから、そんな風に言うミカちゃんは嫌だって‥』 
    『何でこの人なん?』
    言葉と共に私を指差したミカの手が私の手元に当たりタバコは私の太ももに落下した。
    『あっっ・・・!!』
    すぐに春が冷たいお絞りを取りに走る‥。

    2005-08-17 03:35:00
  • 285:

    『瞳大丈夫かぁ?!火傷した?ミカちゃん謝って‥』 
    あまりにも一輝が過保護に私の太ももに手をやるのがムカツイたのか ミカからお詫びの言葉はなかった。

    2005-08-17 03:38:00
  • 286:

    『一輝‥大丈夫やから‥』 
    心配そうに私の足を見る一輝を見ているミカが あまりにも恐くて私は一輝を 突き放した。
    『色目ばっかり使って気持ち悪い‥そんなに熱いなら冷やしてあげる!』
    『えっ?!』
    私がミカを見た時には 既に遅かった。

    2005-08-17 03:39:00
  • 287:

    バシャっっ━・・・
    額から 頬へ‥
    そして髪の毛からしたたり落ちる雫。。
    可愛くグラスをかけられたならまだ笑える。。
    相当私の事が気に食わないらしい・・・水差し事流された水の量は思ったより多かった。

    2005-08-17 03:40:00
  • 288:

    『ミカっ!!』
    驚いた一輝が私の髪の毛を自分のスーツで拭きながらミカの方を見る。
    『この女が悪い!人のを盗るから!!』
    カバンを持ち 出口に向かうミカ‥。
    『ちょっと待てって‥』

    2005-08-17 03:41:00
  • 289:

    『春っ!!春斗っ!!』
    一輝が必死に春を呼ぶ‥  
    『はいっ!!』
    冷シボを持った春が私達の元に向かって走ってくる。 
    『えっ!?瞳さんどしたんですか?』

    2005-08-17 03:43:00
  • 290:

    春がビックリしながら言う 
    『瞳はいいから‥ミカ追い掛けて!!』
    一輝が出口を指差す。
    『早く行けっ!!』
    一輝が少し大きな声を出し 春をあおる。

    2005-08-17 03:46:00
  • 291:

    『春、待って‥』私の手は春のスーツの裾に
    『春がいっても無駄やから一輝が行き!!私なら大丈夫やから‥。』
    春のスーツを無理矢理引っ張り私の隣に座らせる‥。 
    本当は一輝にいて欲しい。 側にいて欲しい・・・
    私だって そんなに強くない。。

    2005-08-17 03:48:00
  • 292:

    でも少なくとも今‥
    惨めな想いをしたのは私じゃない。
    ミカの方だから・・・
    ミカは一輝に来てほしい筈‥きっと何度も後ろを振り返ってる筈‥何度も後ろを向き、一輝が追い掛けてきていないか確認してる筈‥
    『一輝!早く行き・・』

    2005-08-17 03:50:00
  • 293:

    『でも・・俺は瞳のが大切やから‥あいつは…もぅ、ええねん。』
    『私はその言葉だけでいいから。早く行って!』
    『春!!頼んだで!!』
    悩む様子もなく、スーツを脱ぎ、私の肩にかけて急いでミカを追い掛けた一輝を私はかっこいいと思った。

    2005-08-17 03:51:00
  • 294:

    後ろから 追い掛けてきた一輝を見てミカは何と言うのだろう・・・
    抱きついて泣くのだろうか…。
    一輝をミカの元に行かせたのは 私の優しさなんかじゃない・・・
    汚い…キタナイ‥
    ━━━━━同情心・・・。

    2005-08-17 03:52:00
  • 295:

    『チーママ、大丈夫ですか?!温いおしぼり持ってきますねっ!!』
    春が席を立った瞬間‥。  
    私の中で張り詰めていた糸が一瞬にして切れた。
    行かないで・・・一人にしないで・・・
    ポタポタとスカートに流れ落ちる自分の涙をボーっとただ眺めていた。

    2005-08-17 03:53:00
  • 296:

    コピペ本日ここまで、また明日の夜。

    2005-08-17 03:57:00
  • 297:

    『えっ!?瞳さん、どしたんですか‥!?』
    春が慌てて私の元に駆け寄って来る。
    『何も・・ない‥ご・べん・・・』
    私の顔はたぶん 見れたものじゃなかった‥びしょびしょに濡れた髪の毛に服・・。
    これ以上落ちようがない化粧‥

    2005-08-17 07:22:00
  • 298:

    『俺!!何も見てないですからっ!はいっ!!』
    差し出された湯気のたつ おしぼり‥
    私は迷わず顔を拭いた。
    目の周りはマスカラが覆いパンダという可愛い表現なんて出来ない‥
    『ひどい顔・・』

    2005-08-17 07:23:00
  • 299:

    鏡を見ながら自分の顔を見ると勝手に言葉が出てきた 
    『そんな事ないですよ‥瞳さんは綺麗ですよ!』
    間違っても綺麗筈なんてない・・・。
    春の目が相当悪いか‥。かなり酔っているのか‥。 
    『さっ!頭拭きましょかぁ・・・』春が大きなタオルを私の頭にかけ 美容師のように丁寧に拭いてくれた。

    2005-08-17 07:26:00
  • 300:

    『そうなんですか‥。なら良かったです!でも泣きたくなったら俺の所に来てくださいね!』
    ニコっと微笑む春‥
    何だか照れ臭くて 話を変えてしまった。 
    でも その言葉は本当に嬉しかった。
    泣きたくなった時、居場所が あるというだけで‥泣かせてくれる相手がいるだけで私はきっと泣かないで済む・・・。

    2005-08-17 07:33:00
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