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ピエロ
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1:
◆NedEI85Yxg
『ピエロみたいに笑ってたくない?ずーーっと!』
――――今でも、いつかのアイツの言葉を思い出す。2008-05-29 05:42:00 -
81:
『アヤ?』灯りも消えてたから、寝てるのかと思いリビングに入って電気をつけた瞬間、唖然とした。アヤの震える背中、手には注射器とハサミ、床に散らばる白い粉とビニール。一瞬、"やばい!!"そう思いビニールごと蹴飛ばすと、白い粉が床一面に散らばった。『え…』それを見て固まってしまった。『アヤ…それ…。』寒気がした。その"白い粉"の正体は"覚醒剤"ではなく、ただの"砂糖"で、その証拠に、すぐそばのテーブルの上に砂糖入れにしてた透明の箱が横たわっていた。『…ルイ、アヤ無理やねんけど…』そう言ってこっちを向いたアヤを凝視するアタシ。
…これは何かの間違いだ―――――――。2008-06-06 05:49:00 -
82:
アヤの顔。涙と鼻水でグッショグショの顔。その一面砂糖まみれで、腕には、注射器の跡が数十個――いや、無数にあって…ショックを隠し切れなかった。『なぁ…本物、どこに隠してるんよ?』『アヤ…ここにはないよ。辞めよゆうたやろ?』
落ち着こうと目線を下にやると、アヤの細い足から血がダラダラと垂れていた。『…あんた!足ッッ……』駆け寄るアタシの肩を掴み、アヤは言う――。ぐちゃぐちゃの顔で。
『…ルイがッッ!辞めよなんかゆうて隠すから…!アヤ…雄志んとこいかなおもてさ…でも…ハハッ!ルイ、アヤが雄志んとこ行ったら嫌がると…ッッ…思って。行ったらアカン思って――…ッッ!足が勝手にうごくんがうざいからさあッッ…!これ、こうしたんやけど……ぅッッ…グス―…』よく見ると、アヤの手にあるハサミに血がベットリついていた――。2008-06-06 06:05:00 -
83:
本当に何かの間違いだと思った。思いたかった。『――アヤッ、病院いこう…!』血の量で、傷が深いと思ってアヤを立たせよとする。―ドンッ―!!『――…ッ』悪い夢を見てるんだと思った――。『お願いルイ…!!アヤあれがないと無理やッ!!』一度アタシを突き飛ばし、近づいてきたと思ったらアタシの胸ぐらを掴んだ、アヤのカリカリの腕。
『なぁ、あるんやろ!?出してやルイッ…!!捨てたなんか嘘や!!……――辞めれるはずないやんけ!』『――………ッ。』そう怒鳴ったアヤの瞳は涙を溜めながら血走っていて、真っ直ぐ見つめ返すだけで自分までおかしくなりそうだった――…。2008-06-07 05:45:00 -
84:
でも…!『…アヤ!ほんまにないし、もうしたらアカンねん!約束したやろ!?アヤだってこのままじゃアカンってわかってるからあの時"頑張る"って言ったんじゃないん!?』黙り下を向くアヤ。血で滲むカーペットに涙がポツポツと落ちる。アタシまで泣いていた。『なぁアヤ?一緒に頑張ろやあ?今までだって二人で…無謀な事やってきたやんッ!?一人やったら無理やった事…一緒なら出来たやんッ…!アタシが辞めれてるんやからアヤに出来ひんハズ――』―――ブスッ――…
言葉が続かなかった。アヤが投げた注射器が、アタシの横を通ってすぐうしろの壁に刺さったから。。2008-06-07 05:57:00 -
85:
『お前に何がわかんねん!!…アヤとお前は違うねんッッ…!!ルイは英太がおるからやろ!?英太とまたいい感じになってるんか知らんけどッッ…!』『アヤ!それはちが―――』『何がやねん!!…辞めるなら一人で辞めろやッッ…アヤは…今更辞めれへん…!辞める気なんかないしな!アヤにはッッ……やっぱり雄志しかおらんねやわ…ッ』『―――……。』デッカイ石で胸ん中殴られた様な気分だった。逃げ出したかった過去。二人で作り上げた今。これからもそうだと信じていた"未来"。感情、快楽、忍耐、苦痛、愛情。
すべて味わってきただろう、今。アヤが必要とし、一番だと思うモノは―――。2008-06-08 05:17:00 -
86:
つくづく、タイミングが悪かったんだと思う――。一瞬、二人の間に沈黙が流れたその時―――。
〜♪♪♪♪〜アタシの携帯が鳴った。『…あッッ…』床の上。先にディスプレイを目にしたのはアヤで、すぐ様その携帯を掴んでアタシの方へ投げた。
『………行ったら?英太ンとこ。』言葉の意味がよくわからなかったが、着信は実好からだった。『アヤ、アタシはな――…』『うっさいねん!!…行ったらいーやん!!』アヤの怒鳴り声に身じろぐ。『……うざいねんッッ…!!ルイも…英太も!!アヤの事なんかほっといたらいいやん!!』『……――』泣きながら怒鳴るアヤ。アタシに話す隙さえ与えずに。2008-06-10 05:10:00 -
87:
『出て行ってや…ッッ!!アヤはあれを辞めへんし…』『――待ってやアヤ!!ルイはあんたと一緒に…』アヤに気持ちを伝えようとした瞬間、『…本ッッ気でうざいのわからんのか!!!』二人共、血相が変わった。アヤの手に握ってるのは、さっき自分自身を傷つけ血のついたハサミ。『………ぇ。』壁際に立ちすくんだまま動けないアタシに近寄ってくるアヤの目は、アタシを見ながら、違う何かを見てる様に冷たく、アタシは初めてこの時アヤの事を"怖い"と思ってしまった――。
2008-06-10 05:24:00 -
88:
名無しさん
面白い☆
頑張って下さい。
続き待ってます。2008-06-12 02:34:00 -
89:
☆彡
楽しみにしてます
2008-06-13 02:28:00 -
90:
名無しさん
ペットの主さんかな?似てる気がする?
2008-06-13 09:06:00