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∞午前3時の運転手∞
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2:
『フゥー。´_`。)えー、新北野からJR線梅田駅前まで、と』
──さっさかさっさかと手慣れた手付きでペンを走らせる。
これが俺の仕事。
タクシードライバー。2006-03-04 14:47:00 -
3:
元々、広島の奥の方から都会に憧れて
今から3年前、19歳の頃に大阪ミナミの街に友達と上京。
する事なんて特になく、
夢なんてもっとなくて。
友達となんとなく夜のお仕事についた。2006-03-04 14:48:00 -
4:
ホストなんて、大層な男前な坊ちゃまや、
ラジオが内蔵された位のお喋り上手な男がやるんだと思っていた、3年前。
なんとなく仕事になれて、
まぁそこそこな売れっ子にもなった、2年前。
気がつけば、なし崩しのような状態で。何が善で何が悪なのかも見失って、本気で惚れた大切な人まで失ったのは、1年前。2006-03-04 14:49:00 -
5:
こんなままじゃね、
肝臓いわして死ぬか
いつの間にか婚期逃して一生ひとりぼっちで墓入るか。
なんて将来に不安抱いてミナミの街からさようなら。
それが半年位前。2006-03-04 14:50:00 -
6:
名前は由仁田。
友達は俺の事【うに】ってよんでます。
慣れない事と言えば、
キレた時の大阪弁とお好み焼きで白飯のランチセット。
どっちが主食ですか。今だに慣れない。2006-03-04 14:51:00 -
7:
----タクシー運転手。
意外だって友達は笑ってた。
でも元々あんまりお喋り苦手な俺には見事な位に
適職。
会社の決めた道理にも最近ようやく慣れてきた。2006-03-04 14:52:00 -
10:
『えっとォォ〜。トガノまでー。急いでなぁ』
----見た目は20歳行かない位のド派手なギャル。
座ると共に、HERMESのガーデンパーティーからこれまたド派手な携帯を取り出す。2006-03-04 14:56:00 -
11:
ド派手過ぎて、原型すら失いかけた、哀れな携帯電話を耳に当てるとオナゴは
『お兄さんタバコない?』
━━━まぁ、なんてオマセなオナゴだこと(。゚v゚。)
『メンソールですヶド、』
『いーいー。頂戴!!・・・・あ、もっしユリ〜!?うん今梅田ァァ』2006-03-04 14:57:00 -
12:
後部座席のオマセオナゴは、
【ユリ】と称する、これまたきっとオマセだろうオナゴと楽しげに談笑している。
手には持ち憎そうに摘まれた俺のセブンスターメンソールが静かに煙をくゆしている。2006-03-04 14:57:00 -
13:
『えっまじで〜!!てかァァ、ミィなぁ流くんと喧嘩したねんかぁまじ流ウザいし!!』
オマセオナゴは【ミィ】と言うらしい。
『んー、ぶっちゃけ流もホストやん!?信じ憎いしぃ・・』
ホストに恋・・・
切ないネ(。´_`。)ノ2006-03-04 14:59:00 -
14:
『んー。まぁーとりまトガノのapで待ってるわぁ☆うん、はいはぁい☆』・・・ピッッッ
ミィチャンは続いて大きな鏡をおもむろに取り出すと、テカテカした紅を唇になぞり出した。
『・・・お兄さんー』
ミィチャンは、鏡から顔をヒョロリと出して運転席を見つめる。
『はい。』2006-03-04 15:00:00 -
16:
『でも〜なにげ男前ャン☆もてるやろォォ☆』
。・v・)ノ{お世辞なんて言ったってメーターおまけなんてしないぞコノヤロゥ☆
でもにやける、うに。
だって一端の健全な男の子ですもの(。´v`。)ェヘ2006-03-04 15:02:00 -
17:
『あたしがダァにフラれたら彼女にしてやぁ☆』
。´v`。)嗚呼、若いってエクセレント。素晴らしい。
----『あ、もう着きますよ。千円でいーです』
結局おまけする馬鹿な運転手。うに。クドイが健全な男の子。2006-03-04 15:03:00 -
18:
『ありがとォォ☆』
----そう言って、茶色い柄柄な財布から千円を取り出し置いてオナゴはおりる。
つかの間の甘酸っぱく幸せな一時を過ごした
うにであった。2006-03-04 15:04:00 -
19:
『ハッ(゚Θ゚・書かなきゃ』
うには助手席に放置していた紙を持ち上げる。
『天六からトガノまでと。』
サラサラとペンを紙に滑らせると、カチッとペンを鳴らす。
乗車のたびに、表記するのも立派なお仕事。2006-03-04 15:05:00 -
20:
一段落して、料金の受け皿に置かれたセブンスターメンソールを掴む。
『フゥ。´Θ`。)疲れた』
一服しながら、キラキラチカチカと電飾の輝く街を眺める。
ちょっと前までの自分が沢山歩いているような真夜中の梅田。2006-03-04 15:06:00 -
21:
『あの人、ネクタイ曲がりようで。』
独り言が増えた。
何てったって、会話なんてないに等しいお仕事。
性に合ってる分、淋しい時も結構ある。
孤独なお仕事、タクシードライバー。2006-03-04 15:09:00 -
24:
『御堂筋の道頓堀まで行って欲しいんすヶド、えっ…と。んーと何て言うんやろ』
『橋を越えた靴屋さんの辺りですか?』
『あ!!それそれ!!そこです☆お願いします』
『畏まりました、ありがとうございます』
━━━お客様をのっけた車は走り出す。今度の目的地は、繁華街ミナミ(。・v・。)2006-03-04 15:11:00 -
25:
シィ────ン・・・
━━━静まり返った車内は、お客様の香水だろうバニラのような甘い香りが充満している。
。´v`。){あ、アイスクリーム食いたいけぇ、この人おりたら買いに行こっと。
----お客様のイイ香りは、運転手うにの気持ちまで甘く侵食しだしていた。うに、イイ香りに、かなりご満悦なご様子。2006-03-04 15:12:00 -
26:
♪♪ピロ♪♪ピロ♪♪ピロ♪
後部座席からなにやら音楽が聞こえ出す。
──ピッ・・・!!
『はい。あぁ。わかってる。うん。今日仕事終わったら行くからって。』2006-03-04 15:13:00 -
27:
ピッ・・・・
『ハァァァ。』
緩んだ口元から、薄っぺらいため息がこぼれ落ちた。
もちろん聞かないふりをするのだ。仕事だから。
----タクシードライバーは、ただ運転していれば良い。逆に言えば何があろうと、平常心を絶やす事なく運転と言う職務を松任しなくてはならない。2006-03-04 15:15:00 -
28:
黙ってハンドルを握る。それがお仕事。
・・・・・でもね、
『運転手さん。ちょっと聞いてくれますー(。´ゞ`。)』
こんな事も有るんです。
こんな場合はもちろんです。2006-03-04 15:15:00 -
30:
『最近結構売れてきてね。こーやってタクシーなんか乗れる位に。』
『ハハッ。はい。』
『でもねー。彼女が居るんすよね。』
『はい。』
『…辞めて欲しいって。』2006-03-04 15:17:00 -
31:
『んー。はい。』
『でもね、やっと慣れて来て、楽しくなってきたんすよ』
『はい。』
『ぶっちゃけ色も使うようになって。あ、色って、お客さんと付き合うみたいなやり方なんですヶド』
『はい、わかります。…なんとなくですヶド。』2006-03-04 15:18:00 -
32:
----甘い匂いが漂う車は夜の街を走っている。
『彼女が厄介で。色カノは切れってね。でもエースなんすよ。色カノってのが。』
『はい。』
『最低すよね。わかってんすヶドね。何て言うか…』
『辞めたくないんですよね』2006-03-04 15:19:00 -
33:
『ハハッ。そう。今しかないんすよ。今辞めたらきっと二度と戻れない。ハハハ俺何言ってんやろ。すいませんね。忘れて下さい』
『…はい。』
*+*お客様は神様です。
お客様が終わりと言えば、それ以上は口を開かない。これも鉄則である。2006-03-04 15:20:00 -
34:
『あの靴屋さんの辺りで良いでしょうか。』
----後部座席から漂う異様に暗い空気を尻目に運転手、業務にまっとうする。
車が止まる。
『あ、はいはい。えーっと、千六百…円ですね』
『はい。では二千円お預かりで四百円お返しです。ありがとうございました。』2006-03-04 15:21:00 -
35:
お客様がドアから足を出し、聞こえないようにため息をはく、うに。
『あ、運転手さん。』
ビクッッ?(゚Д゚・)バレタ??
『名刺ないっすか?良かったら毎日乗るし、運転手さんおかかいにしたいんすヶド』
━━━ご指名いただきました☆☆タララッタラ〜ン☆★2006-03-04 15:22:00 -
36:
たまに有るんです。
特にホステスさんなんかが多いんですがね。
毎日ご利用なさるお客様は、気心しれた運転手をご指名なさいます。
この方もその様です。
----『畏まりました。こちらの番号が直通致しますので。またよろしくお願いいたします』2006-03-04 15:23:00 -
37:
『あ、ありがとう。じゃあコレ、俺の名刺なんで一応渡しときます☆』
【叶 雄也】と書かれた黒い名刺を受け取る、うに。
。・v・){ん何々??【ホールアドバイザー】??何ですかそれは(。´v`。)
よく解らないポジションの雄也様。ですがきっちり受け取りました。2006-03-04 15:24:00 -
38:
・・・パタ…ン!!
『フゥ。´v`。)あ、アイスクリーム買いに行くんじゃった』
----またもや独り言を呟いてみる、うに。
『ホールアドバイザーっちゅうんは偉いんやろうか。変わった役もあるんやのぉ』2006-03-04 15:25:00 -
39:
♪♪リンコロ♪♪♪リンコロ♪♪♪
『?(゚Θ゚・あ、俺の電話か』
----夜のお仕事を辞めてからと言うものの、めっきり鳴る機会の減ったうにの電話。久しぶりに鳴っております。2006-03-04 15:26:00 -
40:
『はい』
『はっろーゥゥ!!うにたん☆俺俺俺俺俺俺☆』
『ジンちゃん。どーしたん』
『飯食い行こ(。゚∀゚。)』
『んー。今仕事中やけぇなぁ』2006-03-04 15:27:00 -
41:
『いやーん!!リアチャンとユウもおるんやで〜(。゚∀゚。)早く来いちょ☆』
『んー、っと2時か。わかった行くわ。どこ?』
『素敵。´v`。)心斎橋におるから〜』
『わかったわかった。すぐ着くけ待ってて』
『ホイホ〜イホイ☆』2006-03-04 15:28:00 -
42:
うにの勤めるタクシー会社は、小さい会社なので一日のノルマも少ないのです。
既にノルマを達したので、うにはちょっとサボる様です。
『あ(゚Θ゚・)行くメシ屋ってアイスあるかな』
━━うに、どうしてもアイスクリームが食べたい様です。2006-03-04 15:29:00 -
43:
『リアとユウとか。久しぶりやね。でも相変わらずうるさいんやろうなぁ。´_`。)』
*+*+プチプチと独り言。
でもハンドル切るのはさすがにお上手。
だってタクシードライバーですもの。
----ブイーンと煙たい音を立て、行燈の灯火の消えたタクシーが走って行きます。2006-03-04 15:30:00 -
44:
*+*+車がキキキッっと到着。
ガチャ───!!
----助手席のドアが勢いよく開いた瞬間。
『ヒャ(*゚Д゚)』
うに、びっくりです。2006-03-04 15:31:00 -
45:
『あッッ!ウニタン〜!!久っしぶりィィ!!きゃぁ☆相変わらず男前やん〜!!!』
座り込んだのはユウだった。
※この方は、でらべっぴんのオカマです。
『ちょっと待ってユウ、お前後ろ座ってよ』
迷惑そうに顔をしかめて笑う、うに。2006-03-04 15:32:00 -
46:
『やぁよ〜!!!あら相変わらず肌もスベスベだわぁ(。゚∀゚。)食っちゃいたい☆』
──カチャ・・・!!!!!
『うに久しぶり〜』
『あ、リア。久しぶり。ちょっとこのオカマ後ろ座らしてよ』
*+*後部座席にはリアとジンチャンが乗り込んだ様です。2006-03-04 15:33:00 -
47:
『ウニタン久しぶり☆』
『ジンチャン(。゚∀゚。)丁度、真後ろに座っとるけぇ見えんヶド久しぶりじゃなぁ』
──久しぶりの友との再会にうっとりするもつかの間。
『あたし腹減った。うに、鍋屋いって〜』
『相変わらずワガママな女じゃな。´v`。)鍋義でいいな』2006-03-04 15:33:00 -
48:
『鍋義とか(。゚∀゚。)やたら久々やん!!てか他開いてないかぁ。腹減った〜』
『ジンチャン鍋義好きやったもんね。特にあんこう鍋』
『さすがウニタン☆俺ほんと好きなん☆あんこう☆キャ』
『あたしも好き。唐揚げ』
『リアは唐揚げばっかり食べるのよねぇ。あたしはフグが好きよ』2006-03-04 15:34:00 -
49:
ボッポコボッポコ・・・・
4人を乗せたタクシーが心斎橋を走ります。
みんなそれぞれ違う道を生きてる毎日、
今日さよならしたら、またみんなそれぞれの場所へ戻り、
全く違った道を行く。2006-03-04 15:35:00 -
50:
『大人になったね。』
誰かが鍋をつつきながら言いました。
みんなは、少し寂しげに笑いました。
気がつくと、みんな大人になりました。
気がつくと、少し寂しくなった、うにでした。2006-03-04 15:36:00