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あたし、キャバ嬢。
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1:
綾香
キャバ嬢だって
恋すんねん。
キャバ嬢だって
一人の人間やねんで。2007-12-05 13:36:00 -
221:
綾香
『何?夜中やしそんな何回も鳴らされたら迷惑やねんけど。』
やっぱりあたしは可愛くなれない。嬉しいはずなのに。
『開けて。』
『…嫌。あんた今仕事中やろ?早よ店戻りや。』『…えぇから。開けて』…海のあの瞳には、逆らえなかった。2007-12-08 01:32:00 -
222:
綾香
何だか顔を合わせずらくて、海が部屋に入って来ても顔も合わせずに、テレビを見ながら煙草を吸っていた。
部屋に漂うのは、お気に入りの1ミリのメンソールの煙と重い重い沈黙。
『綾香、ごめんな?最近ほんま忙しくて…俺無神経やったわ。』
後ろから抱きしめながら、海は耳元でそう呟いた。2007-12-08 01:37:00 -
223:
綾香
海は…ずるい。
あたしがどうすれば機嫌が良くなるのかを、全て知ってるみたいだ。
ううん、海が隣に居てくれるだけで全部がどうでもよくなる。
それぐらい…好きだった。
あたしは、海に弱い。2007-12-08 01:40:00 -
224:
綾香
『あたしも言い過ぎてごめんなさい。』
『えーで。でもな、ばいばいとか別れるとかは簡単にゆわんといてな?』『うん…』
ぎゅっと抱きしめられた体が熱い。
さっきまでの凍てつくような寒さが嘘みたいに。2007-12-08 01:43:00 -
225:
綾香
『…海さ、ほんまに実家なん?』
『実家やで。』
『そっか…枕とかする?』
『…昔はしてたけどなぁ。最近はしてない。枕しても客切れるだけやし』『わかった。信じるわ!』
本当に信じてた。海が言うことの全てを。2007-12-08 01:47:00 -
226:
綾香
『ほな俺そろそろ行くわ!早よ寝ろよぉ。今日仕事終わったらまた来るから。』
『うん!行ってらっしゃい。わざわざありがと』海を見送る頃には、すっかりご機嫌だった。
『ぽぽー!あのハゲ親父いつか見返したるねん』そんな事を言えるぐらぃに。…ちなみにハゲ親父とは例の将ちゃん。2007-12-08 02:17:00 -
227:
綾香
『海!塩取って塩!!』『んー。』
仕事を終えやって来た海のために、チャーハンを作る。
新婚さんみたい、と一人で喜ぶあたしをしり目にヤングマガジンを一心不乱に読んでいる海。
ご飯を食べ終え、ベッドで抱き合う。2007-12-08 02:25:00 -
228:
綾香
『なー海?』
『なに?』
『キスマークつけていい?』
『…俺酔ったら服脱ぐ癖あるからあかーん笑。心配せんでも浮気しやんから大丈夫やで。』
ちょっとむっとしながらも、やっぱり海の腕の中は心地いい。
大好き、大好きやで?海…2007-12-08 02:29:00 -
229:
綾香
あたしは恋愛が上手くいくと、自然と仕事も順調にいく。
キャバクラは自分のテンションが大事。
接客中は気が紛れるけどどうしても、仕事とプライベートを完璧に割り切れるぐらいのプロにあたしはなれない。
大好きな人に必要とされる。それがあたしの全てだったから。2007-12-08 02:34:00 -
230:
綾香
二週間後…
『綾香さん、お願いします』
ボーイに呼ばれ席に案内される。
『…将ちゃん!!』
そこには、あの暴言を吐き捨てて帰った日と何ら変わらぬ将ちゃんの姿があった。2007-12-08 02:43:00