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たった一つの物語。

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  • 1:


    あたしは、あなたが全てだった。
    あたしには、あなたしかいなかった。

    2007-10-19 01:49:00
  • 2:

    「いらっしゃい!」
    店に入るなり、一人のホストがあたしに笑いかける。
    ―彼の名前は【カケル】
    笑顔が、とても可愛い新人ホストだ。

    2007-10-19 02:00:00
  • 3:

    あたしの名前は【ヒカル】。そこそこ売れてる風俗嬢。今日も、いつものよぅに、仕事が終わり、行き着けの店【ブルーム】に来た。
    「ハルヒいる?」
    「今接客中だから少し待ってて。」
    カケルに席に案内され、あたしは達は軽く乾杯をし、世間話をする。

    2007-10-19 02:05:00
  • 4:

    ふと、店の奥の方で、接客をしているハルヒの姿が目に入った。
    お客は20代前半といった感じの女の子。
    明るめの髪を、綺麗に巻いた大きな目が、印象深い可愛い子だった。

    2007-10-19 02:25:00
  • 5:

    「初めて見る子やな。」
    「あぁ、あの子?新規やで。」
    と、横でチビチビ酒を飲んでいたカケルが言った。
    あたしは、頭の中で、思っていた事が、口に出ていたらしい。

    2007-10-19 02:27:00
  • 6:

    「…フーン。」
    そっけなく返すあたし。
    それを見て、カケルが、「ヤキモチ?」と言った。
    「はぁ?ヤキモチとかないし。何言ってん、あんた。」

    2007-10-19 02:29:00
  • 7:

    嘘。内心は嫉妬が凄い。
    風俗嬢が、ホストに恋をする。
    良くある事。
    そして、とてもバカな事。

    2007-10-19 02:30:00
  • 8:

    あたしは、バカだ。
    だけど、好きなものは仕方がない。
    あの日、ハルヒと出会ったから、今あたしは笑える。
    じゃなきゃ、あたしはきっと死んでいたんだ。

    2007-10-19 02:33:00
  • 9:

    ―その日のあたしは、自分が世界で一番不幸な人間だと思える程、堕ちていた。「何してんの?」
    今にも、川に身投げしそうだったあたしに、誰かが声をかけてきた。
    「うっさい。死ぬねん。ほっとけ。」
    堕ちていたせいで、やたらフテこかったあたし。

    2007-10-19 02:36:00
  • 10:

    「死ぬとかきっしょ!」
    いきなりそぅ言われ、あたしは頭にきて、振り返ると、そこにいたのがハルヒだった。
    「きっしょとか、お前みたいなホストに言われたないわ。つか、ほっとけや。」
    イライラして、暴言をはくあたしに、ハルヒは負けじと言った。

    2007-10-19 02:39:00
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