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たった一つの物語。
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1:
蘭
あたしは、あなたが全てだった。
あたしには、あなたしかいなかった。
2007-10-19 01:49:00 -
19:
蘭
あたしは話しながら、何か情けなくなり、目の前に置いてあったハルヒのビールを、一気に飲み干した。
「ちょ、何してんの?」
慌てるハルヒを無視し、店員に「生おかわり!」と言った。
「もぅいぃねん!どーせあたしは、風嬢やし!あんな奴らいらんわ!」2007-10-20 03:04:00 -
20:
蘭
そして、店員が持ってきたビールをまた一気したとこで、あたしの記憶はなくなった。
「―……どこやここ?」2007-10-20 03:06:00 -
21:
蘭
目が覚めると、知らない部屋のベッドに寝かされていた。
「あ、目覚めた?」
寝室らしきドアが開き、入ってきたのは、栗色の髪を胸らへんまで伸ばした綺麗な女の人やった。
「……あの、ここ?」
2007-10-20 03:09:00 -
22:
蘭
「あぁ、覚えてへん?昨日、ハルヒがいきなり連れて帰ってきたんやで。自分めっちゃ酔って、泣きじゃくってたから。」
それを聞いた瞬間、あたしは顔から血の気が引いた。「え、あ、すいません!すぐ帰ります!」
慌ててベッドから出ようとすると、頭に激痛が走った。
「あかんって、まだ寝ときぃな。」
と、女の人は、あたしをゆっくりベッドに寝かした。2007-10-20 03:13:00 -
23:
蘭
「あの、ハルヒ…君の、彼女サン、ですよね…?」
あたしが、おそるおそる聞くと、彼女は笑った。
「一応な。てか大丈夫?今、薬持ってくるから待っててや!」
そぅ言って、彼女は部屋から出て行った。あたしは、なんか悪い気がして、痛い頭をおさえながら、寝室を出た。2007-10-20 03:16:00 -
24:
蘭
「もー、無理したあかんって!」
手に薬と水を持ちながら、彼女が言った。
「あの、ハルヒ君は?」
「ハルヒなら自分連れてきてすぐ仕事戻ったで。てか名前なんて言うん?あたし、光。」2007-10-20 03:19:00 -
25:
蘭
あたしは、彼女の名前を聞いてビックリした。
「あたしも、ヒカルって言うんです。」
そぅ言うと、彼女は「一緒やん!ほなひーちゃんやな☆」と、笑った。
「ほらこれ飲んで、横なっとき。」2007-10-20 03:21:00 -
26:
蘭
あたしは、薬を飲み、申し訳ないと思いながら、またベッドに横になった。光さんは、ベッドの横にある、ソファに腰かけながら、あたしに色々、質問したりしてきた。
「ひーちゃんは、何才なん?」
「あ、えっと22です。」
「22!?若ッ!羨ましい!」2007-10-20 03:24:00 -
27:
蘭
無邪気な光さん。ハルヒが、光さんを何故、好きになったのか、なんとなく分かったよぅな気がした。光さんと、ハルヒは付き合って5年だとか、光さんは、今年26だとか、色々あたしに話してくれた。そして、ふとあたしに言った。
「ごめんな、昨日ハルヒに聞いてしまったわ。ひーちゃんの事。」
「あ、いえ、いぃんです!あたしの方こそ、迷惑かけてもてすみせん。」
「あはは、えぇよ、えぇよ。ハルヒが血相かえて連れて来たから最初は、ビックリしたけどな!」2007-10-20 03:28:00 -
28:
蘭
「…すみません。でも、嫌とかじゃなかったんですか?彼氏がみずしらずの女連れて来て?」
あたしは、思ってた事を聞いてみた。
「嫌も何も、ひーちゃんはめちゃ泣いてるし、ハルヒは焦ってるしで、それどころじゃなかったわ!」
と、笑う光さん。2007-10-20 03:32:00