小説掲示板この夢に終わりをのスレッド詳細｜夜遊びweb関西版

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この夢に終わりを

• 1:

  岬◆0VqeGnmcCY

  人間と吸血鬼が共存する世界。彼等は工夫を凝らし平和に暮らしていた。二つの種族が入り混じる世界。恐怖の潜む世界。空に作った工夫はそれをしっかりと包み込んでいた。しかしその恐怖は、ある日突然人間を襲う。

  2007-10-16 02:56:00
• 2:

  岬◆0VqeGnmcCY

  
  
  piece1:世
  
  

  2007-10-16 02:58:00
• 3:

  岬◆0VqeGnmcCY

  僕等が生きるこの世界は
  　　　
  二つの種族が共に生きる世界
  

  2007-10-16 03:03:00
• 4:

  岬◆0VqeGnmcCY

  「ユト！」
  大声で僕の名前を呼びながら、友達のレンが走りよってきた。
  真っ青な瞳が真っ直ぐ僕を見る。
  僕の金色の瞳を。

  2007-10-16 03:06:00
• 5:

  岬◆0VqeGnmcCY

  「どうしたのレン？」
  「いや…どうしたってわけじゃないんだけど…大丈夫？」
  「大丈夫って…何が？」
  「え、と…もうすぐ…満月だから…」

  2007-10-16 03:10:00
• 6:

  岬◆0VqeGnmcCY

  満月、という言葉を聞いてレンが何を心配してるのかわかった。
  　　　
  僕が暴走しないか不安なんだ。

  2007-10-16 03:13:00
• 7:

  岬◆0VqeGnmcCY

  「大丈夫だよ。僕は完全な吸血鬼じゃないんだって何度も言ってるじゃない。」
  「うん…わかってるんだけど不安で…ユトは大切な友達だからさ、そんな風に別れたくないんだ。」

  2007-10-16 03:18:00
• 8:

  岬◆0VqeGnmcCY

  　　
  　　　
  □□□□□□□　　　
  　　　
  
  

  2007-10-16 03:21:00
• 9:

  岬◆0VqeGnmcCY

  携帯電話やパソコン、冷蔵庫なんていう電化製品が出回っていたのが数百年前にもなる世界。
  僕達はこの世界で暮らしていた。

  2007-10-16 03:24:00
• 10:

  岬◆0VqeGnmcCY

  この世界は、二つの種族が入り混じった世界。
  一つは人間、一つは吸血鬼。
  どの時代からそうなったのかはわからない。
  もしかしたら携帯電話が出回っていた時代から吸血鬼は少し混ざっていたのかもしれない。

  2007-10-16 03:28:00
• 11:

  岬◆0VqeGnmcCY

  そうなのかはともかくとして、僕達は種族の差別もなく、平和に暮らしていた。
  とはいえやっぱり問題はあった。
  それは、吸血鬼の暴走。

  2007-10-16 03:32:00
• 12:

  岬◆0VqeGnmcCY

  何百年も前に発見された本に、『吸血鬼は月が満ちる夜悪魔へと姿を変える』と書いてあった。
  これは、この世界じゃ常識。
  つまり、満月の夜に吸血鬼が暴走するってことで。

  2007-10-16 03:36:00
• 13:

  岬◆0VqeGnmcCY

  満月は時が来れば必ず空に姿を現す。
  その度に吸血鬼が暴走したらこんな世界は存在しない。
  そこで人間は考えた。

  2007-10-16 03:39:00
• 14:

  岬◆0VqeGnmcCY

  　　　
  吸血鬼に満月を見せなければいい。
  　　　
  

  2007-10-16 03:42:00
• 15:

  岬◆0VqeGnmcCY

  人間ってのは凄い生き物だ。
  解決策を見つけたら、どんなに時間をかけてでも作りあげる。
  空に貼るフィルターなんかよく作ったものだ。
  満月の夜だけ空にフィルターを貼って、月の光が届かないように。

  2007-10-16 03:45:00
• 16:

  岬◆0VqeGnmcCY

  それは、僕が産まれた時からそうなっていた。
  だから僕や僕の世代の人間と吸血鬼は吸血鬼の暴走というのがどんなものか知らない。
  知らない方が当然幸せなのだろうけど。

  2007-10-16 03:48:00
• 17:

  岬◆0VqeGnmcCY

  　　　
  その辺りを見回せば、人間と吸血鬼は普通に会話をしている。
  種族の違いなんて忘れてしまうほど自然に。
  　　　
  

  2007-10-16 03:51:00
• 18:

  岬◆0VqeGnmcCY

  それでもやっぱり人間は恐いんだろう。
  カレンダーには全て満月になる夜が記載され、毎日のニュースではあと何日で満月か放送される。
  　　　
  まぁ吸血鬼が暴走なんかしたら命が危ないってわかってるから当たり前なんだろうけど。

  2007-10-16 03:54:00
• 19:

  岬◆0VqeGnmcCY

  　　
  　　　
  □□□□□□□　　　
  　　　
  

  2007-10-16 03:57:00
• 20:

  岬◆0VqeGnmcCY

  「ユト…？」
  「え、ああ、大丈夫。」
  「うん…」

  2007-10-16 04:02:00
• 21:

  岬◆0VqeGnmcCY

  レンは人間だ。
  見分け方は簡単。
  瞳の色が青か金か。ただそれだけ。

  2007-10-16 04:06:00
• 22:

  岬◆0VqeGnmcCY

  僕の瞳は金色。
  だけど僕は吸血鬼じゃない。
  吸血鬼と人間のハーフ。
  だから、満月でも暴走しない。

  2007-10-16 04:10:00
• 23:

  岬◆0VqeGnmcCY

  それはちゃんと証明されてる。
  それでもレンは毎回満月の前には僕に確認してくる。
  レンは僕にとっての親友で、きっとレンもそう思ってくれてるはず。
  だから不安になるんだろうな。

  2007-10-16 04:14:00
• 24:

  岬◆0VqeGnmcCY

  　　　
  「大丈夫だよ。それに満月になってもフィルターがあるんだし。…一緒に帰ろう。」
  「うん！」
  　　　
  

  2007-10-16 04:24:00
• 25:

  岬◆0VqeGnmcCY

  そう。大丈夫。
  たとえ吸血鬼が暴走しても、僕がレンを守る。

  2007-10-16 04:28:00
• 26:

  岬◆0VqeGnmcCY

  
  
  piece2:愛
  
  

  2007-10-16 04:31:00
• 27:

  岬◆0VqeGnmcCY

  ねぇ母さん。
  母さんはどうして父さんと結婚したの？

  2007-10-16 04:34:00
• 28:

  岬◆0VqeGnmcCY

  　　　
  それはね、父さんを愛していたから。
  　　　
  

  2007-10-16 04:37:00
• 29:

  岬◆0VqeGnmcCY

  でも、父さんは吸血鬼だよ？
  恐くなかった？

  2007-10-16 04:41:00
• 30:

  岬◆0VqeGnmcCY

  ええ。大丈夫。
  だって愛していたんだもの。
  恐くなんてなかったわ。

  2007-10-16 04:44:00
• 31:

  岬◆0VqeGnmcCY

  　　　
  満月の夜も恐くない？
  　　　
  

  2007-10-16 04:47:00
• 32:

  岬◆0VqeGnmcCY

  　　　
  恐くない。父さんはね、言ってくれたの。もしも他の吸血鬼が暴走しても、自分は君を守るって。
  　　　
  

  2007-10-16 04:50:00
• 33:

  岬◆0VqeGnmcCY

  そうなんだ。
  父さんは優しいもんね。
  

  2007-10-16 04:53:00
• 34:

  岬◆0VqeGnmcCY

  そうよ。
  ユトは父さんが恐い？

  2007-10-16 04:56:00
• 35:

  岬◆0VqeGnmcCY

  恐くなんてないよ。
  だって優しいもん。
  

  2007-10-16 04:59:00
• 36:

  岬◆0VqeGnmcCY

  　　　
  吸血鬼だけど恐くない？
  　　　

  2007-10-16 05:12:00
• 37:

  岬◆0VqeGnmcCY

  　　　
  うん。父さんなら大丈夫。
  　

  2007-10-16 05:15:00
• 38:

  岬◆0VqeGnmcCY

  それはね、ユトが父さんを愛しているからよ。
  父さんが、大好きだから。

  2007-10-16 05:19:00
• 39:

  岬◆0VqeGnmcCY

  　　　
  そっか。愛って凄いね。
  　　

  2007-10-16 05:22:00
• 40:

  岬◆0VqeGnmcCY

  　　　
  そうね。ユトはまだ小さいけれど、大きくなれば誰かを愛せるようになるわ。
  　　　
  

  2007-10-16 05:25:00
• 41:

  岬◆0VqeGnmcCY

  　　　
  誰かを？誰かな？
  　　　
  

  2007-10-16 05:28:00
• 42:

  岬◆0VqeGnmcCY

  誰かしら。
  見つかったら父さんや母さんに教えてね。

  2007-10-16 05:32:00
• 43:

  岬◆0VqeGnmcCY

  　　　
  うん。
  　　

  2007-10-16 05:35:00
• 44:

  岬◆0VqeGnmcCY

  さあ、もう寝なさい。
  愛しているわ、ユト。

  2007-10-16 05:38:00
• 45:

  岬◆0VqeGnmcCY

  　　　
  僕も。おやすみなさい母さん。
  　

  2007-10-16 05:48:00
• 46:

  岬◆0VqeGnmcCY

  母さんは父さんを愛していた。
  父さんも母さんを愛していた。
  　　　　　　　　　
  でも母さんは父さんに殺された。

  2007-10-16 05:51:00
• 47:

  岬◆0VqeGnmcCY

  父さんは言っていた。
  　　　　　　
  愛していたから殺したんだよ。
  他の誰かに殺されるくらいなら、父さんに殺された方が母さんも幸せだよ。

  2007-10-16 05:55:00
• 48:

  岬◆0VqeGnmcCY

  僕には　わからなかった。
  　　　
  不安になった。
  　　　
  僕も、自分の愛した誰かを殺すときがくるのかと。

  2007-10-16 05:58:00
• 49:

  岬◆0VqeGnmcCY

  
  
  piece3:常
  
  

  2007-10-16 06:02:00
• 50:

  岬◆0VqeGnmcCY

  「ユト学校行こう！」
  　　　
  ぼうっと宙を見ていた僕の耳に、レンの明るい声が届いた。

  2007-10-16 06:09:00
• 51:

  岬◆0VqeGnmcCY

  窓の外を見れば、レンがぴょんぴょんと飛び跳ねてこっちに手を振っている。
  レンって少し子供っぽいんだよなぁ…。
  純粋で素直だから誰にでも好かれるんだろうけど。

  2007-10-16 06:12:00
• 52:

  岬◆0VqeGnmcCY

  「ユト早く〜！」
  「ごめん、すぐ行く。」

  2007-10-16 06:15:00
• 53:

  岬◆0VqeGnmcCY

  レンに急かされて、玄関を開けた。
  空を見て　思う。
  　　　　　　
  もうすぐ満月だ。

  2007-10-16 06:18:00
• 54:

  岬◆0VqeGnmcCY

  外気に晒された僕の掌をぐいと引く暖かいもの。
  レンの体温。

  2007-10-16 06:21:00
• 55:

  岬◆0VqeGnmcCY

  「早く！」
  「…うん。」
  「あっ。…おはよう。」　　　
  おはようをいい忘れたことに気付いて、レンは恥ずかしそうに笑った。

  2007-10-16 06:24:00
• 56:

  岬◆0VqeGnmcCY

  今日もいつもと変わらない朝。
  レンと一緒に学校へ向かって、そこに着けば沢山の友達がいて。
  何気無い日常。

  2007-10-16 06:27:00
• 57:

  岬◆0VqeGnmcCY

  僕はこの日常が好きだ。
  毎日そんなに変わらないけれど、このままでいたい。

  2007-10-16 06:30:00
• 58:

  岬◆0VqeGnmcCY

  「もうすぐ満月だね。」
  　　　
  誰かが言った。

  2007-10-16 06:33:00
• 59:

  岬◆0VqeGnmcCY

  多分今誰もが思っていること。
  けれど皆レンほどは心配していないみたいだ。
  フィルターがあるから。

  2007-10-16 06:36:00
• 60:

  岬◆0VqeGnmcCY

  吸血鬼が暴走することは、無い。
  何年も平和が続いているのがその証拠。
  満月を意識しても不安に思う人は少なかった。

  2007-10-16 06:39:00
• 61:

  岬◆0VqeGnmcCY

  「あと二日だな。」
  　　　
  街で人々がそんな話を始めた。
  満月前には必ず見られる光景。

  2007-10-16 06:42:00
• 62:

  岬◆0VqeGnmcCY

  ただひとつだけいつもの満月前と違うことがあった。
  それは、天気。

  2007-10-16 06:45:00
• 63:

  岬◆0VqeGnmcCY

  満月になる前の一週間は決まって晴れていた。
  それなのに昨日も今日も空は重そうな雲に覆われていた。
  それがよけいにレンを不安にさせたようで、ずっと塞ぎこんだままだった。

  2007-10-16 06:48:00
• 64:

  岬◆0VqeGnmcCY

  
  
  piece4:夜
  
  

  2007-10-16 06:51:00
• 65:

  岬◆0VqeGnmcCY

  　　　
  母さん、満月だね。
  　　　
  

  2007-10-16 06:54:00
• 66:

  岬◆0VqeGnmcCY

  　　　
  そうね。
  　　　
  

  2007-10-16 06:57:00
• 67:

  岬◆0VqeGnmcCY

  　　　
  でも空は真っ暗だね。
  　　　
  

  2007-10-16 07:00:00
• 68:

  岬◆0VqeGnmcCY

  　　　
  そうね。
  
  

  2007-10-16 07:04:00
• 69:

  岬◆0VqeGnmcCY

  
  ねぇ母さん、父さんはまだ帰ってこない？
  
  

  2007-10-16 07:07:00
• 70:

  岬◆0VqeGnmcCY

  
  そうね。きっともうすぐ帰ってくるわ。
  
  

  2007-10-16 07:10:00
• 71:

  岬◆0VqeGnmcCY

  
  ただいま
  
  

  2007-10-16 07:13:00
• 72:

  岬◆0VqeGnmcCY

  
  ほら帰ってきた。
  
  

  2007-10-16 07:16:00
• 73:

  岬◆0VqeGnmcCY

  
  ただいまユト。
  
  

  2007-10-16 07:19:00
• 74:

  岬◆0VqeGnmcCY

  
  おかえりなさい父さん。
  
  

  2007-10-16 07:22:00
• 75:

  岬◆0VqeGnmcCY

  
  おかえり貴方。さぁ、ユトはもう寝なさい。
  
  

  2007-10-16 07:25:00
• 76:

  岬◆0VqeGnmcCY

  
  うん。おやすみ父さん、母さん。
  
  

  2007-10-16 07:28:00
• 77:

  岬◆0VqeGnmcCY

  
  
  どうして？私は貴方を愛してる。
  
  

  2007-10-16 07:34:00
• 78:

  岬◆0VqeGnmcCY

  
  俺も愛している。けれどもう…
  
  

  2007-10-16 07:39:00
• 79:

  岬◆0VqeGnmcCY

  
  …父さん？母さん？
  
  

  2007-10-16 08:01:00
• 80:

  名無しさん

  これもｸﾞｸﾞｯたらﾊﾟｸりやった。岬=ゆうき先生？完全なﾊﾟｸり？

  2007-10-16 17:11:00
• 81:

  名無しさん

  曝しあげ

  2007-10-19 02:12:00
• 82:

  名無しさん

  80のせいで書いてくれんなったやん。
  いちいちしょうもない事ぬかすなや。
  面倒くさい女やの。
  おまえ病んでるやろ？

  2007-10-19 13:00:00
• 83:

  名無しさん

  いやいや…普通にパクったらあかんから?悪いことはしてないやろ?

  2007-10-19 13:48:00
• 84:

  名無しさん

  続き読みたいんやったら本チャン読めや。全く一緒やねんから非常識なこと言うなよ

  2007-10-19 13:52:00
• 85:

  名無しさん

  82気持ち悪い

  2007-10-20 00:26:00