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霊感体質
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1:
菫
―痛いよ…。淋しい…。
いつもの帰り道。消えかかった街頭の下に、いつもならいないものが、そこにはいた。ツインテールの髪型に、フリルがついた服を着て、その子は泣いていた。年は10才にも、満たないといった感じだ。
2007-09-26 23:59:00 -
75:
菫
「……あ!」
今思えば、確かにそぅかも知れない。
「もー菫君のバカ!ホント、バカ!」
小泉は、やたら俺を責めてくる。バカなのは、百も承知だが、小泉にバカと言われるのは、何故かムカつく。俺より成績、悪いくせに。2007-10-03 11:54:00 -
76:
菫
「まぁ過ぎた事は仕方ないね。それよりさ、会わすったってホント、どーやればいぃのかな?何か…あ!」
と、言うなり小泉は立ち上がった。
「な、なんだよ!?急に立つなよ!」
俺がビックリしていると、小泉はニコッと笑った。2007-10-03 11:59:00 -
77:
菫
「多分そのお母さんは、もぅ一回事故のあった場所に来ると思うんだよね。」
「だから?」
「だから、その事故現場で、お母さんが来るまで待つってのはどぅ?」
自信満々に言う小泉を、俺は鼻で笑ってやった。2007-10-03 12:01:00 -
78:
菫
「待つったって、いつくるか分からない人間をか?俺達だって、そこまで暇じゃないだろ。第一、学校どーすんだよ?」
「ダメか…。」
と、しょんぼりする小泉を横目に、俺は心底困りはてた。本当に会わせられんのかよ。2007-10-03 12:04:00 -
79:
菫
帰り道、いつもと同じよぅにあの街灯の下を通ると、ミサが立っていた。
「ミサちゃん。」
―あ、お兄ちゃん!
ミサは、俺に気付くと、手を振った。軽く俺も振り返し、ミサの前にしゃがみ込む。ミサは、大きな目を、俺に向けながらきょとんとしている。2007-10-03 12:08:00 -
80:
菫
―お兄ちゃん、ミサね。
と、ミサが話出す。
―ひとつだけ、思い出した事があるの。
「何?」
―ママにね、プレゼントを買ったの。
「プレゼント?」
―そぅ。ママね、誕生日だったの。2007-10-03 12:11:00 -
81:
菫
【略】
「プレゼント?」
―そぅ。ママにプレゼントを、買ったの。2007-10-03 12:12:00 -
82:
菫
―だけどね、それをどこかに無くしてしまったの。
「そっかぁ。」
―ママに、プレゼントを渡して、ごめんなさいって言いたい。
ミサは、下を向いて口を閉じてしまった。そんなミサの頭を撫でて俺は言った。2007-10-03 12:15:00 -
83:
菫
「ミサちゃん、プレゼントはどんな形?」
―探してくれるの?
「あぁ。」
俺が頷くと、ミサの暗かった顔はみるみるうちに、明るくなり、最後には笑顔になった。2007-10-03 12:16:00 -
84:
菫
ミサに、プレゼントはどんな形、どこで無くしたのかを聞き、その日は家に帰った。家に帰り、私服に着替え、ミサがプレゼントを無くしたと言っていた場所まで、自転車で行ってみる。そこは事故現場から、そんなに離れてはいない、大きな公園だった。空も薄暗いというのもあり、人は殆んどいない。
2007-10-03 12:22:00