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君が笑ってくれるなら。

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  • 1:

    ◆qKVw/6MKg6

      
    君が笑ってくれるなら  なんだって出来る。     

    少なくともあたしは   あの頃―
    本気でそう思っていた。

    2007-09-12 00:38:00
  • 18:

    ◆qKVw/6MKg6

    ホストか…。あたしは、ホストクラブはあまり好きじゃない。アフターや、付き合い程度に何度か足を運んだことはあるけれど、恐らくあの独特な空間は性に合わない。
    『…んー、今日はやめとくわ。ごめんね。昨日あんまり寝てなくてさっ。』  「そっか〜。残念!!じゃあ、また行きましょ。偵察結果報告するんで〜(笑)」『あいあい。よろしく。』笑顔で、麻弥達に一声かけあたしは待機室を後にした。  

    いくら苦手だからといえ "ホストには行きたくない"とは言えないのだ。誘ってくれるうちが華と言えば変だけど、女の子同士のコミュニケーションもこの世界には必要不可欠だから。

    2007-09-12 21:52:00
  • 19:

    ◆qKVw/6MKg6

    「あれ?葉月帰るん?今日送りは?」  
    まだリストで売り上げ精算をしていた店長が、帰ろうとするあたしに聞く。  『や、今日はいらない。帰りに寄るとこあるからさ』「ほいほい、了解。じゃあ有瀬に言っといて。エレベータ前にいると思うから」『あいよ。お疲れ〜』

    店長に挨拶をして、あたしはそのまま店を後にした。

    2007-09-12 21:57:00
  • 20:

    ◆qKVw/6MKg6

      
    ガチャンッ―。 
    『・・・あ、お疲れ。』 これまた困った。ドアを開けたエレベータ前では、 黒服くん有瀬と、沙織がキスをしている最中だった。「あっ…葉月さん。お疲れ様です。あれ?送りは…」慌てた様子で尋ねる有瀬。    
    あたし、とんでもないお邪魔虫のご様子。…あらら。『今日いらないから。店長にも言ってるからさ。んじゃ、お疲れー。』    そそくさとその場を後にしようとするあたし。   「葉…月ちゃん!!今、見たこと内緒にしといて下さいねっ…☆」
    頬を真っ赤にしながら、下を俯きつぶやく沙織。なんて可愛らしいんだ君は。

    2007-09-12 22:08:00
  • 21:

    ◆qKVw/6MKg6

    『了解、了解。』 
    と、適当に返事をしてあたしは退散。内緒にしたいなら、接客中のあのあからさまな態度はどうかと思うんだけどね。…うんうん。 なんて1人で考えながら、あたしは止まっていたタクシーに乗り込んだ。

    着いた先は、某レンタルビデオ店。借りていたDVDを返してから、また一通り店内を見渡して適当にいくつか新たなDVDを借りる。 土曜日の夜の、もう恒例化してしまったあたしの過ごし方。店員さんも、見慣れた顔ぶればかりだ。   「あ…!お疲れさまです。」『あ、ども…こんばんは。これお願いします。』     
    "いらっしゃいませ"じゃなく、"お疲れさまです。"と言われてしまうところが、少し気恥ずかしかったり。

    2007-09-12 22:16:00
  • 22:

    ◆qKVw/6MKg6

    家に帰って、メイクを落とすととりあえず携帯をチェックする。正吾からメールるがきていた。
    【受信:正吾】 
    {土曜の夜に1人でDVD鑑賞とか淋しいことだけはやめろよ(笑)おやすみ。}  超能力者かい。…なんて、突っ込みたいところだけど長年付き合ってたらパターンなんて読めるのね。  {今、家帰ってきた。ご馳走様でした〜。いつも本当にありがとう!ちなみに、今日ビデオ屋のポイントカードがいっぱいになった。…おやすみなさーい☆} こんな感じで返信をして、他のお客様にもメールをしてからDVDをセットする。

    どれだけ疲れていようが、どれだけ酔っ払っていようがその日のうちに《お礼メール》だけは、必ずする。そう心がけていた。

    2007-09-12 22:40:00
  • 23:

    ◆qKVw/6MKg6

    水商売に最も必要なのは、器量の大きさと、マメさだと―。あたしは思う。それを備えていれば、きっと周りは認めてくれるんだと。


    今の店に入ったきっかけはスカウトだった。たまたま前の店を辞めたばかりで、あたし自身困っていた時に声をかけられ入店した。 なんだかんだで一年ほど続いているけど、これといった未練も感情もなかった。

    2007-09-13 03:53:00
  • 24:

    ◆qKVw/6MKg6

    「…ってな、感じやねんけどな。俺としては残ってもらいたいねん。でも、上からの話やから…決めるんは葉月自身やからなー。」 だから、こんな急な引き抜きの話にだって特別驚きも微動だにしなかった。  

    『んー、まぁ姉妹店なわけでしょ?そこって。』  「おう。うちの系列の、一番大きい箱やで。名前くらい聞いたことあるやろ?」『うん、普通に。アフターで来られたりもするし』 「…そやな。で、どうする?実際お前に抜けられるんはほんま痛いで。だけど、お前が上をめざすなら絶好のチャンスやからな。」 

    確かにそうだ。○○と言えば、この辺りじゃ一番争いをする有名店。そこから声がかかるなんて、恐れ多い話なんだろう。

    2007-09-13 04:01:00
  • 25:

    ◆qKVw/6MKg6

    『うーん、あたし行くわ。せっかくの話やし…やるからには上目指したいから』「そう言うと思ってた(笑)ほんま淋しくなるけど、あっちでいじめられたら…いつでも戻ってこいよ!」 『いじめられたら、しっぽ巻いて帰ってくるわ〜。』「おう、待ってるわ(笑)」

    そう言って、店長は少し寂しげに笑った。この店で、唯一信頼を置いていた彼と離れるのは少しだけあたしも寂しかった気がする。

    彼も気付いていたんだろう。あたしがここにはもう二度と戻ってこないことを。

    2007-09-13 04:09:00
  • 26:

    ◆qKVw/6MKg6

    あたしの希望で女の子達には、何も言わずに辞めることに決めた。店を辞めるとはいえ、系列店に移動するためとなれば、少なからずいい顔をしない子達だっているだろうから…。

    「葉月ちゃん!!またいつでも連絡下さいねっ…☆本当に寂しい〜(泣)また相談にものって下さい!!」 唯一、沙織を除いては。 沙織だけには、当日辞める事と辞める理由を伝えた。理由は、特にない。ただ、なんとなく彼女には言っておいてもいいと思ったから。 
    『うん、また連絡するね。沙織も頑張りなよー。いつでも相談のるからさ。』 そう言って、彼女とお店のスタッフに別れを告げ、あたしは店を後にした。

    2007-09-13 04:16:00
  • 27:

    ◆qKVw/6MKg6

      
    大型店で、新たなスタートを切ることに、正直不安と期待が半分半分だった。

    この世界のことを一通り理解したと思っていたあたしは、これから数多くの衝撃を受けることになる。

    2007-09-13 04:19:00
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