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  • 1:

    杏◆oF7jQiuTqs

    あれから三年。
    あたしは今あの日と同じ場所に立っている。
    思い出の町は今もそこにあり目を閉じればあなたの声が聞こえる気がする。
    そして今、あなたじゃなく彼があたしの名を呼んでいる。太陽のような笑顔で。

    2007-08-29 05:50:00
  • 2:

    杏◆oF7jQiuTqs

    十七歳の春。
    あたしの人生はかわりだした。
    朝起きて学校に行って適当に遊んで帰って寝て。くだらない毎日。
    そんな毎日に突然現れたのがみちくんやった。

    2007-08-29 05:59:00
  • 3:

    「かずき???」
    驚いた顔のみちくん。出会った日のことまだ覚えてる。
    友達のそのまた友達のたまり場に遊びに行ってってゆうよくあるパターンでみちくんと遭遇した。
    名前を聞かれたから答えたらみちくんやたら食いついてきたよね。
    「本間に言うてん?男みたいやん!」

    2007-08-29 06:04:00
  • 4:

    杏◆oF7jQiuTqs

    『せやろ↓けどみんなにはかっちゃんて呼ばれてるからそぉよんでや!』
    あたしは幼稚園のころからかっちゃんて呼ばれてた。あんまり気に入ってなかったけど。
    「かっちゃん??どっちにしても男みたいやん。 …みんなかっちゃんて呼ぶんやったら俺かずきってよぶし!俺だけ特別な!」
    そー言って笑うみちくんにみんな笑った。

    2007-08-29 06:09:00
  • 5:

    杏◆oF7jQiuTqs

    「おまえ等笑いすぎ!かずきってどんな漢字?」
    『平和の和に糸辺の紀やで。』
    「いとへんのき?」
    みちくんはわからへんみたいやから地面に指で書いてあげた。

    2007-08-29 06:14:00
  • 6:

    杏◆oF7jQiuTqs

    「和紀かぁ!」
    納得したかおのみちくんにあたしが聞いた。
    『みちくんのみちはどんな字?』

    そう聞いたときのあのみちくんの顔。ほんまにおもろかった。

    2007-08-29 06:17:00
  • 7:

    杏◆oF7jQiuTqs

    「なんなんおまえ笑きしょいでな。もしかしておまえも俺を特別に呼びたいんかぁ〜?」
    どうも、みちくんはみんなから"みち"って呼び捨てにされてるらしかった。
    「まぁええわ笑ふつうに道路とかの道やで。」
    なんとなくみちくんを"みち"って呼ぶのが恥ずかしくて呼べなかった。

    2007-08-29 06:21:00
  • 8:

    杏◆oF7jQiuTqs

    "道"かあ。
    珍しい名前。
    そう思ってたら道くんのツレが口々に言い出した。
    「道に近づいたらあかんでー笑こいつやばいぐらい女好きやでなあ!いっぱいおる女の一人にされてまうわぁ笑」

    2007-08-29 16:27:00
  • 9:

    杏◆oF7jQiuTqs

    「ほんまそれ!」
    みんな大笑い。

    ねえ道くん?あの頃やっぱりあたしはたくさんいる女の一人でしかなかったのかな?あたしにはそれ以下に感じられたんだけど。道くんの気持ちは道君にしかわからないから。

    2007-08-29 16:31:00
  • 10:

    杏◆oF7jQiuTqs

    〜♪
    道君の携帯がなった。
    「おうっ!行くわ」
    道君はツレに変えると言った。みんなはいつものことのように"じゃあな"って言った。

    2007-08-29 16:34:00
  • 11:

    杏◆oF7jQiuTqs

    「またなっ和紀。あっ!携帯かしてみ」
     あたしの手に戻った携帯の画面には?み?ち?。登録してあった。
    「次は二人でなっ!」
     道君は帰っていった。

    2007-08-29 18:48:00
  • 12:

    杏◆oF7jQiuTqs

     道君?きっと今道君の携帯のメモリーにはあたしの名前はないよね。道君はそーゆーひとやから。あたしの携帯にはね…道君の名前だけのこっているよ。それだけが支えやった。あの日番号もアドレスも消したから。

    2007-08-30 01:02:00
  • 13:

    杏◆oF7jQiuTqs

    「しゃべろーや。」
    そう言って隣に座ったのは鈴君やった。鈴君は名字が鈴木で鈴君と呼ばれていた。
    「かっちゃん?やっけ。悪い事言わんから本間に道だけにははまったらあかんで。まだ十七やろ?俺らと同期の女でも道に遊ばれてずたぼろなりよる。若いんやし純粋に恋しぃ!」

    2007-08-30 01:17:00
  • 14:

    杏◆oF7jQiuTqs

    純粋な恋。
    あたしはまだ本気の恋をしたことがなかった。
    つき合ったことはあっても真剣さはなかったし、誰かを愛してると感じたこともなかった。

    2007-08-31 20:09:00
  • 15:

    杏◆oF7jQiuTqs

    鈴君はいろいろ教えてくれた。
    道とは本間に友達。あいつは熱い奴やしおもろいし。いいとこはたくさんある。でも女にしたら…ツレってだけの関係以外の女にしたら辛い奴かも知らん。あいつをそばでみてるとたまにこいつ鬼やなって想うときがある。
    そんな風なことを教えてくれた。

    2007-08-31 20:17:00
  • 16:

    杏◆oF7jQiuTqs

    鈴君と道君は同い年で今年25歳。
    鈴君は現場で働いている。てゆうか道君の連れ周りは現場の子が多くて見た感じもいかにも現場って人ばっかりやった。
    道くんの仕事は…
    よくわからんかった。

    2007-08-31 20:40:00
  • 17:

    杏◆oF7jQiuTqs

    鈴君はしばらくはなした後ツレの輪に戻っていった。

    あの日鈴君が言ってたことは全部ほんまやった。ねぇ。道君?道君はなんであたしを側に置いてくれてたん?あんなたくさん喧嘩してさんざん出て行けってあたしに言うてたやん。側にいられて幸せやったよ。でも少し気になる。なんでおいてくれてたんかなって。

    2007-09-02 04:42:00
  • 18:

    杏◆oF7jQiuTqs

    道君から連絡がきたのはその日からしばらくたってからやった。
    「よっ!遊ぼーやぁ」
    めっちゃいきなり。
    『今日は予定あるわー』

    2007-09-02 05:20:00
  • 19:

    杏◆oF7jQiuTqs

    あたしは言うた。
    でも心の隅っこで予定つぶして遊びたい気持ちがあった。
    「何時から?それ行く前でええやん。今すぐ来いやぁ!」
    あたしはすぐに用意して道君の地元の駅まで行った。

    2007-09-02 05:24:00
  • 20:

    杏◆oF7jQiuTqs

    「おぅ!久しぶりやんけ!」
    道君は出かけていたのか、手にショップの袋をぶら下げて現れた。

    道君やぁー…
    そんな感じやった。

    2007-09-02 05:27:00
  • 21:

    杏◆oF7jQiuTqs

    どこに行くもなく喫茶店にはいった。
    「おまえたばこ吸ってたっけ?」
    たばこに火をつけたあたしに道君が言った。
    『うん。』
    道君に出会った日吸ってなかったからかな?

    2007-09-02 05:30:00
  • 22:

    杏◆oF7jQiuTqs

    なぜかめっちゃ緊張した。普通に目を見てしゃべるのが恥ずかしいと感じるなんか何年ぶりかと思った。
    「でよかぁ。」
    道君が席を立った。
    どこいくんやろ。

    2007-09-02 05:35:00
  • 23:

    杏◆oF7jQiuTqs

    『どこ行くん?』
    店を出てから道君に聞いた。
    「行くとこないし家でいいんちゃうん?」
    言いながら歩きだした。

    2007-09-02 05:37:00
  • 24:

    杏◆oF7jQiuTqs

    道君は一人暮らしやった。家の中は男の人の一人暮らしってのがすごい漂ってたけどなんとなくほかに誰かがいた感じもした。
    「元カノ。」
    道君はちょっと前までつき合ってた子と同棲してたらしい。

    2007-09-02 05:40:00
  • 25:

    杏◆oF7jQiuTqs

    そら女できたら住ますやろな。

    ゆうほど話すこともなく適当にテレビとか見てたら道君は寝た。
    だから
    『あたし帰るわ。』

    2007-09-02 05:43:00
  • 26:

    杏◆oF7jQiuTqs

    そう言って鞄をとった。
    「なんでよ。行かんでえーやん。」

    えー…わがまま。

    2007-09-02 05:45:00
  • 27:

    杏◆oF7jQiuTqs

    『無理やって?行かなあかんし。』
    めっちゃ大事な約束やったから。
    「なんでよ!無理無理無理むり!」

    あの日はさんざん無理って言うてたけど、日が経つにつれて道君ははやく出かけてほしがってたね。めっちゃ悲しかったな。自分の邪魔さが道くんの目の雰囲気でわかるから。

    2007-09-02 20:31:00
  • 28:

    杏◆oF7jQiuTqs

    結局約束を断ってその上道君の家に泊まることになった。


    「俺について来いや」

    2007-09-02 20:42:00
  • 29:

    杏◆oF7jQiuTqs

    道君は後悔してる?
    たぶんその場の雰囲気で言うたんやんね?俺の女でえーやんて。
    あたしはたぶんそう長くないと思ったからなんとなくいいよって言うた。
    道君とつき合うことになった。

    2007-09-02 20:46:00
  • 30:

    杏◆oF7jQiuTqs

    道君に恋愛感情があるのかどうかよくわからなかったけど、一緒にいると本間に楽しかった。

    一緒におるときはね。

    道君は三日ぐらい帰ってこないことが多かった。帰ってきたと思ったらすぐに出ていったり。

    2007-09-02 20:54:00
  • 31:

    杏◆oF7jQiuTqs


    なんで帰ってこんの?
    会いたい
    さみしい。

    2007-09-02 20:55:00
  • 32:

    杏◆oF7jQiuTqs

    ひとりぼっちで道君の布団の中で帰りを待つときが本間に寂しかった。

    このときすでに道君が好きやったんやろな。

    大切な彼女がいる道君のことを。

    2007-09-02 20:59:00
  • 33:

    杏◆oF7jQiuTqs

    しばらくたって不特定多数の女の子と連絡を取る道君に特定の女ができたのに気付いた。
    わからん振りしてたけど。

    道君は"俺に何人女おってもおまえが俺を好きなら関係なくない?"そーゆー考えの人やった。

    2007-09-03 12:26:00
  • 34:

    杏◆oF7jQiuTqs

    友達に言うたら早く別れた方がいいって言われた。あたしの生活を知っている友達は少なかったけれど。

    誰に何を言われてもめっちゃ好きやってんで?たとえ友達がいなくなっても、それでもあたしはすきやったはず。

    愛してたからな。

    2007-09-03 12:30:00
  • 35:

    杏◆oF7jQiuTqs

    一緒に住んでるとき、何回か道君が帰ってくる度に喧嘩になる時期があった。毎回道君はかなりキレてあたしはかなり泣いた。
    "泣く女はきもい"
    道君の性格。

    泣きたくて泣いてるんじゃないねんで?勝手に涙が出てくるねん。

    2007-09-03 12:34:00
  • 36:

    杏◆oF7jQiuTqs

    道君は本間に口が悪い。数えきれんくらい最低なことを言われた。それでも離れたくなかった。

    カス。

    本気で言われたことある。ショック通り越して真剣に消えてしまいたくなった。

    2007-09-04 18:42:00
  • 37:

    杏◆oF7jQiuTqs

    はっきり言ってストレスもたまってた。
    道君はたいがい嘘つきやし、嘘に無理ができだしたら肯定して認めさせる。

    ずるいで。

    2007-09-04 18:45:00
  • 38:

    杏◆oF7jQiuTqs

    ずるいずるい。

    全部ずるい。

    嘘ばっかなとこも

    2007-09-04 18:50:00
  • 39:

    杏◆oF7jQiuTqs

    なんでも許されるとこも
    いっぱいずるい。

    でも好きやねん。

    2007-09-04 18:52:00
  • 40:

    杏◆oF7jQiuTqs

    愛しくて

    愛しくて

    仕方なかった。

    2007-09-04 18:53:00
  • 41:

    杏◆oF7jQiuTqs

    道君がいなくなったら何をするために生きていけばいいかわからん。
    そのぐらい大切やった。

    もしも道君に出会わなかったら…優しくて大切にしてくれる誰かに出会って幸せに過ごせたかも知らへん。ふとおもったこともあるけどやっぱりあたしには道君が全てやった。

    2007-09-04 18:58:00
  • 42:

    杏◆oF7jQiuTqs

    かずきー?

    あたしを呼ぶ道君の声。本間に、信じられへんぐらいあたしのこと名前で呼ぶのは道君だけやった。

    ―――今でもね。特別愛したあなたにしかあたしの名前は呼ばせない。

    2007-09-04 19:01:00
  • 43:

    杏◆oF7jQiuTqs

    あたし道君に言うたやんね?初めて人を本気で好きになったって。和紀の初恋やな♪って道君笑ったよね。
    本間に初めてやった。もちろん愛したのも。
    今まで何人かとつき合ったけど正直なんとなくやったし、チューもエッチもしたくないくらいやった。
    でも道君は違ってん。抱きしめられたくて、キスしてほしくて、抱いてほしくて。

    2007-09-04 19:06:00
  • 44:

    杏◆oF7jQiuTqs

    道君は値打ちこきやから(笑)どれもあんまりしてくれなかったけどね。

    でも幸せやったよ。
    一緒にいるだけで。
    同じ布団で眠る時が。

    2007-09-04 19:24:00
  • 45:

    杏◆oF7jQiuTqs

    道君は自分の考えが全てってゆう考えの人で、それですごく悩んだ。ありえんくらい泣いたしそれで心に余裕がなくなって友達にあたったりもしてもた。挙げ句の果てに壁に当たって手がパンパンになってもて病院に行った。

    "辛いんやったら出ていけ"
    辛くて辛くて辛くて、ほんまにしんどかったけど出ていったら全部おしまいってわかってた。

    2007-09-05 15:38:00
  • 46:

    杏◆oF7jQiuTqs

    ―――道君?何を考えてたん?もお全部教えてよ?なにも隠さずに教えてくれない?いいないようじゃないやろけど知りたいねん。道君にとったら好きな女でもなくツレの女でもなく、ただの存在が邪魔なだけの女やったんよね?

    はたからみたら被害妄想激しい子になるけど、あたしの人生ほんまどこ行っても邪魔者扱いやわ。まぢで何しに生きてるんやろな。まわり不幸にして。

    2007-09-05 15:48:00
  • 47:

    杏◆oF7jQiuTqs

    「すぐ死にたいとかゆうやつ本間嫌い。俺から離れて。」

    何回か言われた。
    あたしが死にたいって言うたからな。

    2007-09-05 15:50:00
  • 48:

    杏◆oF7jQiuTqs

    でも口に出して道君に言った死にたいは、しんどくて死にたいの"死にたい"じゃないねんで?

    道君が好きで好きで、道君と一緒にいて笑っておちゃらけて。"今幸せ"って感じた瞬間に死にたかってん。何もかも忘れて死んでしまってもいいくらい幸せやってん。道君の隣が。

    2007-09-05 15:55:00
  • 49:

    名無しさん

    切ない…あげ?

    2007-09-05 17:52:00
  • 50:

    名無しさん

    あげ

    2007-09-06 20:58:00
  • 51:

    杏◆oF7jQiuTqs

    変換ミスとか多いし読みにくくてごめんね?

    2007-09-07 13:00:00
  • 52:

    杏◆oF7jQiuTqs

    "すぐ死にたい言う奴嫌い"って言う道君はよくあたしに"死ね"って言う。確かに笑ってる場やし言い方も冗談やで?でもめっちゃ悲しかった。
    今生きてる意味になってる道君に言われる死ねはすごい重かった。

    死ねとまで行かんくてもきっと道君はあたしにいなくなってほしいよね?うざいもんね。あたしの存在が。言ったやんね?人間て以外と本音がでてまうやん?

    2007-09-07 13:06:00
  • 53:

    杏◆oF7jQiuTqs

    めっちゃマイナス思考。あたしの悪いところ。なんでも悪い方向にしか考えられへん。

    道君はあたしのマイナス思考なとこや落ち込んだとこが本間に嫌いやった。"なんでそんなマイナス思考なん?"それはね?道君が不安しかくれへんかったからやで。
    それでも頑張ったのは好きやったから。

    2007-09-07 13:12:00
  • 54:

    杏◆oF7jQiuTqs

    「泣くなや。落ち込むなや。俺和紀の笑った顔好きやで?」

    なんであんなん言うてくれたん?もう言うてくれんくなったけど。初めの頃の道君は優しい言葉いっぱいくれた。

    あたしも道君の笑った顔好きやで。あたしもっていう言い方があってるかはわからへんけど。

    2007-09-07 13:24:00
  • 55:

    杏◆oF7jQiuTqs

    道君の笑った顔は本間に好きやった。ずっと笑っていてほしかった。
    でも。その笑った顔が怒った顔ばっかりになっていったのは、おもしろくなさそうな顔になっていったのは、あたしが道君の望むことを全てできなかったからやんね。

    2007-09-07 13:27:00
  • 56:

    ―――笑った顔がどことなく道君に似てるあなた。愛してるよ。心の底から。あたしがこの世で愛した男は道君とあなただけ。―――" " "07/09/07 13:33

    2007-09-07 13:33:00
  • 57:

    杏◆oF7jQiuTqs


     あなたは太陽
     あたしは月
     太陽の笑顔が
     こぼれるたび

    2007-09-07 13:47:00
  • 58:

    杏◆oF7jQiuTqs

     月も輝く
     今では考えられない
     あなたのいない
     場所なんて

    2007-09-07 13:49:00
  • 59:

    杏◆oF7jQiuTqs

     これからも
     包み込んでほしい
     
    倖田來未の月と太陽。めっちゃ好きな歌。
    道君が太陽であたしが月。道君がいなくなったら、太陽がなくなってしまったら、月のあたしはどうすればいい?

    2007-09-07 13:57:00
  • 60:

    杏◆oF7jQiuTqs

    「早く出ていきいよ」

    久しぶりに地元の友達と遊んだとき道君の話になった。
    あたしが道君の家に住んでることはそんなにたくさんの子には言ってなかった。

    2007-09-07 14:21:00
  • 61:

    杏◆oF7jQiuTqs

    地元はなにげにいろんなとこでみんなつながってるし道君もそれなりに有名やったから言わへんかった。

    『うーん。イヤや。』
    「イヤやちゃうやん。」

    2007-09-07 14:24:00
  • 62:

    杏◆oF7jQiuTqs

    あたしと道君の関係や生活に友達はあきれぎみやった。
    「あたしはかっちゃんに幸せになってほしいねんで?しんどいこととか早くやめえや。」

    友達はあたしにとって宝物。いなかったら生きていけない。自分が困ったとき友達が絶対たすけてくれるなんか限らんてお母さんは言うけどそんなんきれいごとやん。心とか気持ちがある時点で人は一人で生きていけんって。

    2007-09-07 14:30:00
  • 63:

    杏◆oF7jQiuTqs

    そんくらい大切な友達ですら道君には負けるくらいやった。
    友達があたしの為に涙まで流しても道君から離れられなかった。

    離れたら何もかも終わってしまうのがわかっていたから。

    2007-09-07 22:31:00
  • 64:

    名無しさん

    あげ

    2007-09-10 10:17:00
  • 65:

    杏◆oF7jQiuTqs

    道君のことで悩んでるときにまたひとつ悩みが増えた。
    家出同然で電話も拒否してたのに道ばたで見つかってしまった。

    お母さんに。

    2007-09-10 21:19:00
  • 66:

    杏◆oF7jQiuTqs

    「あんたぁ!まちい!」

    そこからはもう死にものぐるいの戦いやった。

    生まれてこの方こんなにはしったのは初めてくらい。

    2007-09-10 21:29:00
  • 67:

    杏◆oF7jQiuTqs

    右手に鞄、左手にピンヒール。崩れた前髪に汗で濡れる首筋。
    細道駆け抜け、スーパー一周、本屋で休憩、道君の家に向かって全力疾走。
    初めはやっぱり若さからあたしは差を開いていた。けどあのばばぁ!ごっつい頑張るやん…

    2007-09-10 21:38:00
  • 68:

    杏◆oF7jQiuTqs

    どんくさいあたしがこけた瞬間あきらめが頭に浮かんだ。
    あっさりお母さんに腕捕まれてとりあえず側にあった喫茶店に入った。
    めっちゃきまづい空気やん…。
    膝から血でてるし、すねには青たん。うでもジンジンしてくる。ぼろぼろやん。

    2007-09-10 21:58:00
  • 69:

    名無しさん

    続き気になる!

    2007-09-11 03:37:00
  • 70:

    杏◆oF7jQiuTqs

    コンビニの角を曲がる時にこすってしまった右の肘の血をぬぐっているときお母さんが口を開いた。
    「よぉ裸足で走れるなぁ!さすがの若さやなぁ。」

    …そこっ?

    2007-09-12 00:55:00
  • 71:

    杏◆oF7jQiuTqs

    数ヶ月ぶりに会った音信不通の娘とぼろぼろになるまで追いかけてやっと捕まえて一言めがそれかよ…。
    『まぁ…おばちゃんには負けんわなぁ…』
    とりあえず返してみた。

    2007-09-12 01:12:00
  • 72:

    杏◆oF7jQiuTqs

    「よぉゆうわ!結局捕まってるやん!」

    ちょっと場が和んだ。

    「それにしても連絡もしてこんと…いったいどこに住んでるん?」

    2007-09-12 01:15:00
  • 73:

    杏◆oF7jQiuTqs

    『…そのへん?』

    親のネットワークはなにげにすごいしなんとなく言いたくなかった。

    「そんなんで通ると思ってんの?」

    2007-09-12 01:18:00
  • 74:

    杏◆oF7jQiuTqs

    『…男の人の家。』
    どうせ予測してるやろぅと思ってそう言った。なぜか"彼氏の家"というフレーズは出てこなかった。
    「どうせそーやろうと思ったわ。」
    やっぱりわかってる。

    2007-09-12 05:17:00
  • 75:

    杏◆oF7jQiuTqs

    「どんな人?」
    冷静に聞かれたから適当に道君のこと話した。
     
    「ああそう。まぁ思うようにやり?ほんで避妊はちゃんとね。」
    道君にはまっておかしな生活をしてるあたしを気違いと思ったのか、お母さんはそれだけ言った。

    2007-09-12 05:27:00
  • 76:

    杏◆oF7jQiuTqs

    ―避妊だけは―

    道君が避妊することなんてなかった。常に生で常に中だし。
    でも妊娠なんてしなかった。
    よっぽど相性悪かったんかなぁ?

    2007-09-12 05:30:00
  • 77:

    杏◆oF7jQiuTqs

    道君は誰とヤるときも中だししてたん?

    あたしはたまに、もし誰かが道君の子供できたって言うて現れたらって考えた。
    そのたびにめっちゃ悲しくなってもてこっそり泣いた。

    2007-09-14 00:38:00
  • 78:

    杏◆oF7jQiuTqs

    お母さんとはたまに連絡するからって適当に言うて別れた。

    昔からなんとなく家族と孤立してたし下に兄弟がいるしあたしがいないほうがうまくいくやろうなぁって都合よく考えた。

    2007-09-14 00:41:00
  • 79:

    杏◆oF7jQiuTqs

    そんな考えになるほど家族と過ごす時間は楽しくなくてあたしには苦痛やった。
    冷たい家族、つい喧嘩してしまうから減るばっかりの友達、頭悪くて理解できない授業、不細工な顔、最悪なスタイル、かわいそうな胸、せこい性格、ほんで全部ひっくるめておもんない人生。

    2007-09-14 00:46:00
  • 80:

    杏◆oF7jQiuTqs

    頭の中八割マイナス思考。道君の嫌いなネガティブなあたし。

    でもね?苦しいぐらい頑張ってたんやで。嫌われたくないからプラス思考になろうって。道君の前で流してしまった涙も本当は何倍ももっと泣きたかった。のどが痛くなって、それでも目を閉じて唇噛んで泣かないように。泣かないように。
    道君あたしを嫌いにならないで。

    2007-09-14 00:52:00
  • 81:

    杏◆oF7jQiuTqs

    お願い嫌いにならないで。
    おもしろくない毎日にあらわれてあたしの毎日を道君でいっぱいにしたあなたに嫌われたらあたしはなにを求めて生きてくん?
    愛してしまったあなたを嫌いになるなんてあたしにはできない。

    2007-09-14 00:57:00
  • 82:

    杏◆oF7jQiuTqs

    家に帰ったらやっぱり道君の姿はなかった。
    あたしは鞄をおいて財布と携帯だけ持って駅前のコンビニに向かった。
    何食べよう。

    2007-09-14 01:01:00
  • 83:

    名無しさん

    主さん…なんか考え方とかがめっちゃ2私と似てるトコ有って共感しまくりです…泣(馴れ馴れしくスミマセン?)
    応援してます☆頑張ってください♪♪

    2007-09-14 01:33:00
  • 84:

    杏◆oF7jQiuTqs

    ありがとう?
    またよかったら見てね??

    2007-09-14 02:40:00
  • 85:

    杏◆oF7jQiuTqs

    悩んでも辛くても悲しくてもおなかはへる。そう思ったらなんとなく笑ってしまった。

    アイスティーとクロワッサン、ティラミスとプリンとポッキーにクッキー。…おかしばっかりやん。
    お金を払ってコンビニを出た。

    2007-09-14 02:50:00
  • 86:

    杏◆oF7jQiuTqs

    目の端に若いっぽい男をとらえたけど気にせずに歩いてたらそいつがあたしを呼んだ。
    「かんちゃん?」
    かっちゃんの次に多いあだなはかんちゃん。年が行くにつれてかんちゃんの方が多くなった。どっちかとゆうとかんちゃんのほうがお気に入り♪

    2007-09-14 03:06:00
  • 87:

    杏◆oF7jQiuTqs

    『…あっ!ひ…ひさしぶり!』
    昔つき合った人やった。相変わらずのその人はあたしに変わったなぁと言った。

    たぶん見た目のことやろね。でも違うで。化粧や髪型、服装とか目に見えるものじゃない。心が変わったんやで。

    2007-09-14 03:18:00
  • 88:

    杏◆oF7jQiuTqs

    ちょっとだけ話をしてすぐに別れた。ほんのちょっと、たった数分話しただけでまた道君を愛する気持ちが強まった。
    その人とつき合っているときはその人を好きやと思っていたけど今会ってみると二度と好きになることすらないやろうと感じた。
    あたりまえの感情なのかもしれないけど道君と出会ってからなにもかもが初めての感情やったからあたしにはそう感じた。もっともっと、あたしは道君しか愛せないと確信した。

    2007-09-14 16:22:00
  • 89:

    ―あの日あたしは信じきっていた。この先愛する人は道君一人やって。でもそーじゃなかった。あの頃道君に向けられていた精一杯のあたしの愛は今彼に注がれているよ。彼はあたしの愛を素直に受け止めて笑顔で返してくれる。幸せでいっぱいのあたし。そろそろかな?いつまでも背を向けられない。自分の気持ちに。―" " "07/09/14 16:38

    2007-09-14 16:38:00
  • 90:

    杏◆oF7jQiuTqs

    マンションの下につくと偶然道君にあった。
    「どこ行ってたん?」

    すっぴんにジャージに健サン、片手にコンビニの袋。この姿見てお出かけしてたと思う人おらんやろ…と思ったけど普通に答えといた。

    2007-09-14 17:03:00
  • 91:

    杏◆oF7jQiuTqs

    『コンビニやで』
    「ふうん。」

    どことなく機嫌悪かった。機嫌悪い道君は嫌い。いやな予感がした。
    発言には気をつけよ…。

    2007-09-14 17:07:00
  • 92:

    杏◆oF7jQiuTqs

    青信号わたってても事故に遭うときってあるやん?それと一緒。注意してたはずやのに道君のかんに障る言葉言うてもて道君はカチきれた。

    「おまえ勘違いしすぎな!ほんまうっとい!真剣出ていって。まぢで無理」

    2007-09-14 17:13:00
  • 93:

    名無しさん

    .

    2007-09-14 17:17:00
  • 94:

    杏◆oF7jQiuTqs

    そんなん言われたらやっぱり泣いてまうやん?ほんでもっとキレられるやん。

    "勘違いしすぎ"
    よく言われたけどあたしがなにを勘違いしてるん?あたしは道君が自分のこと好きやなんて勘違いしてないよ?わかってるつもりやで?いろんなこと。何が勘違いなん?
    勘違いって言葉を道君に言われるのがすごくいやになった。

    2007-09-14 17:19:00
  • 95:

    杏◆oF7jQiuTqs

    さんざんキレられて傷つく事言われてどつかれてなんとなく喧嘩はおわった。

    あたしはある意味気違いやった。何言われても何されても道君がよかった。
    道君はいいなあ。いろんな女の子に、いろんな仲間に、いろんな人たちに愛されて。あたしのこと愛してる人なんかおる気せんわ。

    2007-09-14 17:23:00
  • 96:

    杏◆oF7jQiuTqs

    あたしは愛してる人に愛されたいと望んだらだめなんかな?


    道君は寝てるときあたしを抱きしめてくれる。ほかの女の名前を呼ぶことも少なくなくてすごく心が痛んだけどこの腕のなかにずっといたいと思った。

    2007-09-15 03:22:00
  • 97:

    杏◆oF7jQiuTqs

    ある日あたしは夢を見た。すごいリアルで怖い夢やった。夢を見ているときは現実やと思った。怖くなって気付いたときに目の前に寝ている道君がいた。
    ―よかった…夢や―
    おもわず道君に抱きついた。
    普段はできないけど。

    2007-09-16 03:59:00
  • 98:

    杏◆oF7jQiuTqs

    道君は…寝たままやったけど抱きついたあたしを抱きしめ返してくれた。道君の大きな背中と力強い腕に抱かれてなんでか泣いてしまった。
    うれしくて、切なくて、暖かくて、泣けてしまった。時がとまればいいのに。
    男の人に抱きしめられて幸せを感じたのは道君が初めてやった。

    2007-09-16 04:18:00
  • 99:

    杏◆oF7jQiuTqs

    道君以外の人に抱きしめられても何も感じひん。道君以外の人にいやな事言われても悲しくない。道君以外の人にどつかれたら腹立つだけ。道君以外の人に好かれてもうれしくない。
    道君じゃないとあかんねん。

    2007-09-16 04:21:00
  • 100:

    杏◆oF7jQiuTqs

    「俺は和紀の初恋やな♪」
    笑って道君言うた日あったよね?本間にそーやで。あたしの初恋やねん。どーしたらいいん?初めてって自分の知らへん世界やもん。
    でもそれやったらなにもかも道君がよかった。
    後悔ばっかり。
    けど。思い描いてたような理想の初恋相手像じゃなかったけど!道君に出会えてよかった。

    2007-09-16 04:40:00
  • 101:

    杏◆oF7jQiuTqs

     あなたに逢えて
     本当によかった
     うれしくて
     うれしくて

    2007-09-16 04:43:00
  • 102:

    杏◆oF7jQiuTqs


     言葉にできない

    言葉にできないよ。道君が言葉なんか必要としてないこと知ってる。
    それも悲しいねんけど。悲しいけど好き。苦しいけど好き。ありがとうやで。

    2007-09-16 04:46:00
  • 103:

    杏◆oF7jQiuTqs

    ありがとう?
    ありがとうでいいんかなぁ?ありがとうの言葉であってるん?
    ありがとう。

    2007-09-16 04:49:00
  • 104:

    杏◆oF7jQiuTqs

    いっぱいいっぱいありがとう。人を愛す気持ちを教えてくれてありがとう。おまえは俺の女やろって言うてくれた日ありがとう。こいつええおんなやでって人に言うてくれた日ありがとう。しょうもない話につきあってくれてありがとう。疲れてるのに時間ないのに怒ってくれてありがとう。いろんな話聞かせてくれてありがとう。

    2007-09-16 04:57:00
  • 105:

    杏◆oF7jQiuTqs

    抱きしめてくれてありがとう。おいしくないごはん食べてくれてありがとう。相談乗ってくれてありがとう。忘れてると思うけどはじめの頃にくれたおまけのライターありがとう。笑った顔見せてくれてありがとう。そばにいさせてくれてありがとう。あたしの前にあらわれてくれてありがとう。すきやでありがとう。

    2007-09-16 05:04:00
  • 106:

    杏◆oF7jQiuTqs

    ありがとうとおなじだけごめんねやで。
    あたしこんなんでごめん。暗い顔ばっかりしてごめん。怒らしてばっかりでごめん。料理できなくてごめん。おもんなくてごめん。いわれたことできなくてごめん。好きになってごめん。愛してしまってごめん。側にいたのがあたしでごめん。幸せ奪ってごめん。

    2007-09-16 05:09:00
  • 107:

    杏◆oF7jQiuTqs

    しんどい思いさしてもてごめん。離れてあげんくてごめん。どじばっかりでごめん。泣いてばっかでごめん。ごめんしか言えんくてごめん。関係ないことであたってしまってごめん。頭悪くてごめん。好きになってしまった。本間にごめんね。あたしで

    2007-09-16 05:33:00
  • 108:

    杏◆oF7jQiuTqs

    伝えたいこといっぱい。道君はあたしに何が言いたい?言いたいことなんか何もない?それとも本当の気持ち教えてくれる?

    知らなくて幸せなこともある。だから教えてほしくない気がする。これって逃げなんかなあ?

    2007-09-17 00:18:00
  • 109:

    杏◆oF7jQiuTqs

    「彼氏とかおるん?」

    楽しそうに聞いてきた。やっぱりこの年代の話題の中心は恋愛話。

    2007-09-17 22:23:00
  • 110:

    あき

    ?いいです

    2007-09-18 00:23:00
  • 111:

    杏◆oF7jQiuTqs

    またよかったら見てね?

    2007-09-18 15:20:00
  • 112:

    杏◆oF7jQiuTqs

    彼氏…。
    何ヶ月かまえは道君が彼氏やってはっきりしてたけど最近は…。
    今の状態がどうゆう関係なのかよくわからなかった。でもただひとつ胸を張って言えること。

    『好きな人はおるよ♪』

    2007-09-18 15:25:00
  • 113:

    杏◆oF7jQiuTqs

    あたしは昔から自分の恋愛話をまわりにするほうじゃなく、友達は少し驚いた顔をした。
    けど恥ずかしさを隠そうと必死に髪の毛をさわるあたしに笑って言ってくれた。
    「話して?聞いてあげるから。」

    2007-09-18 15:29:00
  • 114:

    杏◆oF7jQiuTqs

    あたしはたくさん話した。話してる間、あたしはいろんな所で言葉に詰まって、早口になって、たばこを吸って、泣いて笑って。
    そんな話を真剣に聞いてくれた。相づちを打って、ときに優しい声で質問をしてくれて。

    2007-09-21 04:17:00
  • 115:

    杏◆oF7jQiuTqs

    あたしがどれだけ道君を愛しているかとか道君の好きなところとか道君の嫌なところ、道君のあたしの扱い。
    どれだけ伝わったかわからないけど聞いてくれたことがうれしかった。

    ちょっとした沈黙の後言われた。

    2007-09-21 04:21:00
  • 116:

    杏◆oF7jQiuTqs

    「香水何つけてるん?めっちゃいいにおいやん。」

    いきなり話題変わって少し驚いたけどあたしは話した。
    『…あっ、これは…』

    2007-09-21 04:26:00
  • 117:

    杏◆oF7jQiuTqs

     
    ―――
    「のどかわいたー!」

    懐かしさとうれしさと後ろめたさに立ち止まりぼーっとしているあたしに彼は言った。

    2007-09-21 04:28:00
  • 118:

    杏◆oF7jQiuTqs

    『ごめんごめん。どっかはいろかぁ。』

    さすがに三年もたてば少しは景色も変わる。それでもあたしはまるで毎日通る道のように迷うことなく昔よく行った喫茶店に向かった。
    変わってないな…。

    2007-09-21 04:32:00
  • 119:

    杏◆oF7jQiuTqs

    いつもならたばこが嫌いな彼のために禁煙席を選ぶけどあたりまえのように喫煙席を選んでしまった。慣れかな。平日の昼と夕方の間だってゆう微妙な時間やからか、あまり人がいなくそのまま喫煙席に鞄をおいた。

    2007-09-21 04:36:00
  • 120:

    杏◆oF7jQiuTqs

    あたしはアイスティー。彼はミックスジュース。道君もたまに飲んでたミックスジュース。子供みたいやん。

    たばこを手に取り火をつける。相変わらずの銘柄。この町を離れてから一年半くらいかな?ほとんどたばこを吸わずに生活したけどいつの間にか喫煙者に戻っていた。

    2007-09-21 04:43:00
  • 121:

    杏◆oF7jQiuTqs

    「臭い!」

    家ではキッチンでしか吸わないけど。

    『うるさいなぁ〜。』

    2007-09-21 04:46:00
  • 122:

    杏◆oF7jQiuTqs

    彼は犬かと思うくらいにおいに敏感。…なんやと思う。前に一回好きなにおいと嫌いなにおいについてきいてみたことがある。
    「嫌いなにおいはー…キッチン!臭い。」
    きっとあたしがたばこを吸った後のキッチンのこと。

    2007-09-21 04:51:00
  • 123:

    杏◆oF7jQiuTqs

    「でもかずきのにおい好きやで?」

    「あっ!かずきの布団のにおいはあんまりすきじゃないかもー。」

    悩んでいるのか眉毛をハの字にしながら言ってたのを覚えている。

    2007-09-21 04:54:00
  • 124:

    杏◆oF7jQiuTqs

    あたしのにおいって香水のことかな?四年くらい前からなくなれば同じ物を買い愛用してきた香水。やっぱり道君と好みが似てるのかな?
    道君が気に入ったにおいの香水。

    でも変なの。彼が嫌ってるあたしの布団には道君の香水のにおいがする。

    2007-09-21 04:57:00
  • 125:

    杏◆oF7jQiuTqs

    未練たらしいのはわかってる。でもあたしはあのにおいがないと眠れなくなってん。思いこみやったとしても。
    あたしの部屋のドレッサーには香水の瓶がいくつかある。なくなれば買いに行く。同じ物を何度でも。
    においに敏感なのはあたしなのかもしれへん。どれだけ時間がたっても喫茶店で隣の席から道君と同じたばこのにおいがしたら見てしまう。見ても道君はいないけど。

    2007-09-21 05:02:00
  • 126:

    あたしは彼のにおいが好き。まるくて柔らかい甘いにおいですごく落ち着く。
    ―――" " "07/09/22 00:43

    2007-09-22 00:43:00
  • 127:

    杏◆oF7jQiuTqs

    一通り香水の話をすると彼女は口を開いた。
    「今日は恋してるかんちゃん見れてよかった。」

    2007-09-22 00:45:00
  • 128:

    杏◆oF7jQiuTqs

    なんか恥ずかしくなって目をそらしてしまった。顔が赤くなるのがわかる。
    「顔赤いで〜」
    『うるさいわぁ!』
    笑って終わった。

    2007-09-22 00:48:00
  • 129:

    杏◆oF7jQiuTqs

    『ただいまあ』

    家に帰ったけど道君はいなかった。
    最近あんまり帰ってこない。もしかしたら家にいるかもと期待しながら帰る分ショックは大きい。いないと思っていていたときの喜びの方が大きいけどね。

    2007-09-22 00:52:00
  • 130:

    杏◆oF7jQiuTqs

    少し片づけたりしてたら眠くなってきた。
    最近すごく眠い。疲れてるんかな…
    無性に眠いのがなぜか自分でもわからんのに道君は軽く「ほんま寝くそやな。」って笑いもせずに言う。けっこう傷つくんよなー…。

    2007-09-22 00:56:00
  • 131:

    杏◆oF7jQiuTqs

    いつのまにか寝ていて誰かに抱きしめられて目が覚めた。もちろん相手は道君やけど。まぁ道君の家やしあたりまえか。
    みちくんの顔を見てみると爆睡やった。
    あたしも道君を抱きしめてみた。

    2007-09-22 01:01:00
  • 132:

    杏◆oF7jQiuTqs

    道君は覚えてないと思うけど初めて道君に抱きしめられた日、あたしは心の底から離してほしいと思ってん。やのに今は心の底のもっと深いところから離してほしくないと願ってる。人間わからんもんやね。

    2007-09-22 01:03:00
  • 133:

    杏◆oF7jQiuTqs

    次に目が覚めたときに道君はいなかった。
    次会えるんいつやろ。

    まだ幸せやんね。もー会えないに変わるまでは。会えなくなる日が来るなんか信じたくない。太陽に見放された月はどこにいくん?

    2007-09-22 03:10:00
  • 134:

    杏◆oF7jQiuTqs

    「飯食いに行く?」

    ある晩道君が言った。

    『うん!』

    2007-09-22 03:12:00
  • 135:

    杏◆oF7jQiuTqs

    夜に道君がご飯行こって言うのは珍しかった。
    普段たいてい家にいないしいても出かけて誰か女の人と食べる。

    気まぐれ道君。

    2007-09-22 03:14:00
  • 136:

    杏◆oF7jQiuTqs

    気まぐれで気分屋の道君と気違い女のあたし。
    偶然であって惚れたのはすぐに不安になる女和紀でそんなくっつき虫みたいな女に好かれてるのがもてもて道君。
    変な二人はタクシーに乗って街にでる。
    あっ…"変な二人"なんかいっしょくたにしたら道君怒るね。間違い間違い。

    2007-09-22 03:19:00
  • 137:

    杏◆oF7jQiuTqs

    時間も遅くて店にはあんまりお客さんはいなかった。
    いろんな話をして食べて、すごく楽しかった。
    時間が止まればいいのにな。
    叶わない願いを抱きながらウーロン茶の入ったグラスの水滴を見つめた。

    2007-09-22 03:22:00
  • 138:

    杏◆oF7jQiuTqs

    気がつけばデザートを口に運んでいた。
    帰りたくないな…
    ずっといたい。
    まるで最後のお別れみたい。ご飯食べに来ただけやのにね。

    2007-10-03 04:45:00
  • 139:

    杏◆oF7jQiuTqs

    最近よくこんな気持ちになる。もう会えないような気持ち。
    そんなきもちはきっと、どんどん道君の気持ちが離れる気がすることに原因があるんやと思う。

    嘘でもいいから好きって言うて。

    2007-10-03 05:13:00
  • 140:

    名無しさん

    age!

    2007-10-12 15:51:00
  • 141:

    杏◆oF7jQiuTqs

    「出よか。」
    時間が止まるわけもなくあたし達は席を立った。前を歩く道君。忘れ物を確認するあたし。

    [ありがとうございましたー。]
    店員さんの言葉にあたまを下げ店を出る。

    2007-10-18 19:08:00
  • 142:

    杏◆oF7jQiuTqs

    『ごちそうさまっ』

    「おぅ。」

    そのままコンビニに行った。

    2007-10-18 19:15:00
  • 143:

    杏◆oF7jQiuTqs

    雑誌を立ち読みしてたら道君が言った。
    「おまえシャンプーとか洗剤とかちゃんと買い足しあるんか?」

    『あっ…ないかも…』
    道君のお気に入りのシャンプー。あたしのお気に入りの柔軟剤。あたしにとってのあたりまえの"匂い"。同じシャンプーの匂いになって、同じ匂いの服を着る。同じじゃない香水をつければ匂いは変わってしまうけどほんのちょっとの"おそろい"があたしにとっての幸せになる。

    2007-10-18 19:24:00
  • 144:

    杏◆oF7jQiuTqs

    「明日買いに行っとけよ?俺家のことちゃんとしろ言うてるよな?切らさんようになんこか買うとけや。」

    『わかったぁ。』

    「あほぉ♪わかっとんかぁい。」

    2007-10-18 19:28:00
  • 145:

    杏◆oF7jQiuTqs

    どんっっ!!

    笑いながら道君はあたしにけりを入れた。

    いつどこでも誰が見ててもけりを入れてくる道君。
    『いったぁぁあ!!』

    2007-10-18 19:34:00
  • 146:

    杏◆oF7jQiuTqs

    ほんまに痛い。
    がっつり入る。
    おもわず倒れる。
    てか痛すぎるねん!

    2007-10-18 19:37:00
  • 147:

    杏◆oF7jQiuTqs

    「そんな言うほど痛ないやろが。」

    蹴られたふとももを押さえるあたしにいつも言うセリフ。

    『いやいや痛いって。』

    2007-10-18 19:40:00
  • 148:

    杏◆oF7jQiuTqs

    ジュースとおかしをちょっと買ってコンビニを出た。
    「ちょっと行ってくるわ。」

    予想はしてた。
    楽しい時間は続かない。

    2007-10-18 20:26:00
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