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いつもあの場所で…

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  • 1:

    優希

    冷たい風、体全体を冷やしてく。
    もう冬はすぐそこまできていた━━━━

    2007-07-19 20:14:00
  • 2:

    優希

    彼女はいつもそこにいた。 何をする訳でもなく、ただそこにしゃがりこんでいた。

    初めて彼女を見たのは暑い夏が始まろうとしている6月の事だった。

    2007-07-19 20:17:00
  • 3:

    優希

    いつもの仕事帰り、あいにくの雨。改札を出てタクシー乗り場に向かおうとしたとき、一人の女性を見つけた。
    じっと、改札から出てくる人を見ている。
    誰か待っているんだろう。  その時はさほど気にしなかった。

    2007-07-19 20:20:00
  • 4:

    優希

    次の日━
    仕事帰り、改札を抜け何となくあの場所を見た。━居た━  昨日と同じ場所で。同じ様に改札から出てくる人を見ている。全く動かず、ただじっと、波のように出てくる人を見ている。時間は帰宅ラッシュの時間。 彼氏でも迎えにきているんだろうか…?
    次の日も次の日も…
    毎日彼女はそこに居た。   どんなに遅い時間でも。雨が降っていても傘も持たずに。  まあ改札前なら屋根があるし、濡れる事はないが……

    2007-07-19 20:27:00
  • 5:

    優希

    それから、僕は仕事帰り必ず彼女を目で探していた。不思議と彼女を見つけると安心するのだ。「ちゃんと居る」
    僕を待っている訳じゃないのに何故かそう思っている自分がいた。毎日の雨にイラつくが、彼女を見ると落ち着くのだ。  ━声をかけてみようか━
    そんな事を考えだしたのは、梅雨も終わりかけの時。彼女を見つけ3週間ほど経った時だった。毎日飽きずにそこに居る彼女。

    2007-07-19 20:33:00
  • 6:

    優希

    ━誰を待ってるの??━

    毎日、遠くから見ているだけ。それがもどかしく感じ、僕は決めた。声をかけてみよう……

    2007-07-19 20:36:00
  • 7:

    優希

    が、言葉を飲み込んだ。そして彼女から目が離せなくなった。彼女が…彼女の目がとても悲しそうだったから…改札をじっと見つめる姿がとても悲しかったから……。
    安易に声をかけれるような、そんな雰囲気ではなかった。

    僕はその日、声をかけず帰宅した。家までの道のりも、家についてからも彼女のあの目が忘れられなかった。

    2007-07-19 20:51:00
  • 8:

    優希

    どうしてそんな目をしてるの?そこで誰を待っているの?? 何がそんなに悲しいの??
    一人で何を抱え込んでるの??

    2007-07-19 20:53:00
  • 9:

    優希

    ……………………………………

    2007-07-19 20:55:00
  • 10:

    優希

    次の日━
    改札を抜け、あの場所に目をやった。やっぱり居る。ここからだと見えないが、きっと悲しい目をしているんだろう。
    僕は時間を忘れ、彼女を見ていた。帰宅する人でたまに彼女を見失う。一瞬でも目を離すと消えてなくなりそうで、見えなくなる度、彼女を必死で探した。

    2007-07-19 21:02:00
  • 11:

    優希

    君を悲しませているものを取り除きたい。
    君の笑顔を見てみたい。
    悲しまないで、僕まで悲しくなる……。

    話した事もないのに彼女を見つめながら僕は自然に思っていた。

    2007-07-19 21:05:00
  • 12:

    優希

    終電の時間もすぎ、人気のない改札前には僕と彼女だけになっていた。
    きっと彼女は僕の存在に気づいてる。……当たり前か、こんな狭い空間に二人しかいないんだ。変質者と思われているだろうか…?それでもいい。彼女から目が話せない。昨日のあの目を見てしまったからなねかわからない。ただ彼女から目が反らせない。

    2007-07-19 21:09:00
  • 13:

    優希

    どれくらいの時間が経っただろうか…?きっと大分経っているだろう。彼女が立ち上がった。何処に行くのだろうと、僕も思わず立ち上がった。
    すると彼女はこちらを向き、足を動かせた。一歩一歩近づいてくる。僕は凍ったように体が動かない。鼓動が早くなる。  目が合う。更に鼓動は早くなる。とうとう彼女は僕の目の前まで来た。そこでピタっと足をとめた。僕は彼女を直視できず、下を向いた。沈黙が流れる。 僕の視界には彼女の足がうつっている。
    何を言われるのかとドキドキしていると透き通った声が耳に入った。

    2007-07-19 21:15:00
  • 14:

    優希

    「貴方は誰を待ってるの??」

    2007-07-19 21:16:00
  • 15:

    優希

    えっ…?
    その質問に思わず顔を上げた。目に入った彼女の顔。僕の中で時が止まった。
    白い肌に大きな目。鼻筋が通っていて、薄い唇。胸まである漆黒の髪は今まで一度も染めた事がないようにしなやか。
    整いすぎた彼女に釘付けになり、一瞬僕は声をなくした。 「ねえ?聞いてる?」
    「あっいやっ…俺は…その……」動揺しすぎて言葉が出てこない。それに、「君を見てた」なんて言ったら嫌われるかもしれない。どうしようと混乱していると彼女は小さく悲しく笑った。 「貴方も帰らない人を待っているのね……」

    2007-07-19 21:23:00
  • 16:

    優希

    悲しいその言葉は僕に重くのしかかった。
    ━貴方も…━

    僕は違う…いや、違ってはいない。僕は…君を待っていた。 君の笑顔を見れる日をずっと待ってるんだ…。

    2007-07-19 21:25:00
  • 17:

    優希

    「君は帰らない人を待ってるの?」僕の口は勝手に動いていた。その質問に彼女は一瞬悲しげな顔になったが、またすぐ笑顔になり僕の質問に答えた。  「そうなの…帰ってこないってわかってるのに毎日ここに来てしまう…」
    顔は笑っているが、目は今にも泣き出しそうなほどだ。   「よかったら聞かせてくれないか??…君は誰を待っているのか…」
    初対面なのに失礼かもしれない。それでも聞きたかった。それで僕にできる事があれば…と。彼女はそんな僕を不審に思わず、重い口を開けてくれた…… 「まだ最近の話なんだけどね……」

    2007-07-19 21:31:00
  • 18:

    優希

    ……………………………………

    2007-07-19 21:32:00
  • 19:

    優希

    まだ寒さが残る3月。
    彼女は幸せの絶頂にいた。  生まれて初めて心から愛せる人に出会えたのだ。そして婚約まで話が進んでいた。毎日がキラキラ輝いていて、何ともない毎日が幸せだった。
    彼が仕事から帰ってくる時間には改札前まで迎えに行き、家までの道のりをゆっくり歩いて帰った。
    二人は本当に幸せだった。  彼女にとって彼は自分の中の一つになっていた。また、彼にとっても彼女は自分の中の一つだった。たまに喧嘩はあったもの、仲がよかった。本当に誰が見ても仲がよかった…。

    2007-07-19 21:39:00
  • 20:

    優希

    どんな事があっても二人は離れない。
    そう固く誓いあって体を重なり合った。
    そう、どんな事があっても離れないはずだった……。

    2007-07-19 21:41:00
  • 21:

    優希

    神とは残酷なもので、
    5月。彼女から彼を奪った━━

    2007-07-19 21:42:00
  • 22:

    優希

    帰宅途中に信号無視の車に跳ねられ、すぐに病院に運ばれたが間もなく亡くなった……。  彼女は彼に守られ、かすり傷ですんだとゆう。

    2007-07-19 21:44:00
  • 23:

    優希

    彼女は病院でも、お葬式の時もそして今でも…泣けずにいた。寂しいのに、悲しいのに涙は出ず、ただ心にポッカリと大きな穴ができ、埋まる事もない。 悲しさをまぎらわす為にか、彼の死を受け止められずにか、 いつも彼が帰ってくる時間になると改札まで来てしまう。  帰ってくるはずないとわかっていても自然に足が動くのだ。 彼が帰ってくる。
    そう思わずにいられない。  こんな事をしても意味がないのもわかっているのだが……  彼の存在は想像以上に大きかった……。
    約3ヶ月経った今も彼女はココに来てしまうのだと……

    2007-07-19 21:50:00
  • 24:

    優希

    ……………………………………

    2007-07-19 21:52:00
  • 25:

    優希

    彼女は最後まで僕の目を見て話してくれた。僕は気付けば涙を流していた………。
    「どうして貴方が泣くの…??」わからない。だけど何故か彼女の気持ちが手にとるようにわかった。そんな経験などないのに、不思議と、彼女の気持ちが流れ込んでくるように……。  「不思議ね、どうしてこんな話を会ったばかりの人に話しちゃうんだろう…きっと、ずっと誰かに聞いてほしかったのかも」 そう言いながら、僕の涙を拭ってくれた。

    2007-07-19 21:57:00
  • 26:

    優希

    「…てて」「えっ??」
    「これからは僕の帰りを待ってて…」
    僕は泣きながら彼女に言った。何故こんなことを言ったのか…彼の変わりになるため…?? 違う。僕はせめて彼女に帰ってくる人を待たせてあげたかった。そして一つ一つを思い出し、思い出にできたらと……   余計なお世話かもしれない。 そっとしといた方がいいのかもしれない。だけど彼女を放っとけない。
    彼女を見ると困った顔をしてる。当然か……
    でも僕は負けじと彼女に頼みこんだ
    お願い…どうか…

    2007-07-19 22:04:00
  • 27:

    優希

    略部分
    お願い…どうか…

    2007-07-19 22:05:00
  • 28:

    優希

    「……そこまで言うのなら……」
    素直に嬉しかった。自分勝手でも、今の僕にはこんな事しか思いつかない。
    だから約束するよ…
    君を必ず泣かせてあげる。
    そして本当の、心からの笑顔ができるように……

    2007-07-19 22:08:00
  • 29:

    優希

    次の日━
    改札を抜け、彼女を探した。 見つけるのに時間はかからない。いつもと同じように改札を見つめていたから……
    僕はできるだけ平然を装い彼女の肩をトントンとたたく。 「ただいま……」
    笑顔で言ったつもりだが、笑えていたのか自分でもわからない。「……おかえりなさい」 力のない笑顔で笑う彼女。とても痛々しく、泣きそうになる。彼女の家までの道のり、何度か話かけたが続くはずもない。 気まづい雰囲気までも流れる。「じゃあ、家ここだから……」 「うん…又明日」「…おやすみなさい」
    彼女は振り返る事なく家に入っていった。

    2007-07-19 22:16:00
  • 30:

    優希

    やはり、酷だったか…
    いやでも、まだ1日だ。
    また明日頑張ろう。

    2007-07-23 20:09:00
  • 31:

    優希

    次の日も、次の日も……
    僕はくじけず、待ち合わせを続けた。だが、彼女に変化はない。そんなにすぐ変化はないとわかっていても、毎日あの目を見ると切なくて、心臓を握りつぶされるような感覚に陥る。
    諦めた方がいいのか……   ダメだ。僕まで諦めたらそこで終わりだ。
    何度も何度も自分と戦い、打ち勝って彼女と待ち合わせを続けた。

    2007-07-23 20:13:00
  • 32:

    優希

    ある日。
    いつものように彼女と帰っているとき。
    「あの…」めずらしく彼女から声をかけてきた。
    「どうしたの?「…もう私の為に待ち合わせはやめましょう」 突然。ではなかったか……  いつか言われるであろうと思っていた。
    もう限界か……
    1ヶ月続いたのがすごいかもしれない。

    2007-07-23 20:17:00
  • 33:

    優希

    略部分
    1ヶ月続いたのがすごいかもしれない。

    2007-07-23 20:18:00
  • 34:

    優希

    僕はわかったと呟き、最後の彼女の家まで道を無言のまま歩いた。
    家に着き、彼女はそっと呟いた。「今までありがとう…貴方の気持ちは嬉しかった。もう私を見かけてもそっとしてて…」 それだけ言うと家に入っていってしまった。
    僕は何も言えず、立ちすくむ事しかできなかった……

    2007-07-23 20:21:00
  • 35:

    優希

    足を来た道に戻し、自宅まで歩いた。
    僕は無力だ。結局彼女に辛い思いをさせただけではないか。 この1ヶ月何をしていたんだ…僕の自分勝手に彼女を連れまわしただけだ。彼女には何も残らない…
    涙がとめどなく流れてくる。 涙で道がにじみ、もう歩く事さえできなかった。
    道端にうずくまり、声を出して泣いた。何度も謝りながら…

    2007-07-23 20:25:00
  • 36:

    優希

    ……………………………………

    2007-07-23 20:27:00
  • 37:

    優希

    あれから、僕は降りる駅を変えた。駅と駅の間にある僕の家。どちらで降りても対して変わらない。むしろこっちの駅の方が近いのだ。
    ……そう自分に言い聞かせながら毎日を送ってる。彼女の事は一度たりとも忘れた事はない。気づくと彼女の事を考えてる。きっと彼女は今も改札前のあの場所にいる。悲しい目をして、じっと帰らぬ人を待っている。

    2007-07-23 20:32:00
  • 38:

    優希

    まだ悲しい目をしているねか…まだ待っているのか…
    あれから2週間。きっとまだいるだろう。

    彼女の力ない笑顔を思い出す。違う。僕が見たかったのは“本当の笑顔”
    そんな笑顔じゃないんだ。  僕は、僕は……

    2007-07-23 20:34:00
  • 39:

    優希

    ━君に恋してるんだ━

    2007-07-23 20:35:00
  • 40:

    優希

    僕は家を飛び出し、走った。 あの改札まで。彼女のいるあの改札へ……
    僕は君の求めてる人じやない。君の求めてる事をしていない。だけど、ダメなんだ。逃げちゃダメなんだ。
    あの日約束したじゃないか、 君を泣かせてあげる。そして、本当の笑顔ができるようにと…

    2007-07-23 20:39:00
  • 41:

    優希

    あの改札に着き、時間を確認する。時刻は11時。きっと彼女はいるはずだ。
    息を整え、汗を拭い、彼女のいる場所にゆっくり歩み寄る。 居た。前と何も変わらず、同じ格好で。
    一瞬、心が痛んだが、抑え、彼女にいつものあの言葉を発した。

    2007-07-23 20:44:00
  • 42:

    優希

    「ただいま」

    2007-07-23 20:45:00
  • 43:

    優希

    僕の声に驚き、見上げる彼女。「どうして?だって…」
    「約束したじゃないか、君が本当の笑顔ができるようにって」 「でも…」
    「僕はもう逃げない。君が笑えるまで、君が思い出にできるまで、僕は君の待ち人になる。辛いかもしれない、だけど逃げないで。」「……」
    君が笑えるまで。君が思い出にできるまで……
    君は僕の待ち人。僕は君の待ち人。決して彼の変わりじゃない。乗り越えよう。

    2007-07-23 20:50:00
  • 44:

    優希

    「どうして私の為にそんなに必死になってくれるの…??」 「……君が好きだから」
    ━君の笑顔が見たいから━

    2007-07-23 20:52:00
  • 45:

    優希

    その時、彼女に頬に一滴の涙が流れた。「あ…れ…?」
    涙は止まる事なく、次々と流れていく。そのうち、彼女の顔はくしゃくしゃになり声を出して泣き出した。
    僕は彼女を強く、強く抱き締めた。「やっと泣けたんだね…よかった…よかっ…」
    彼女は僕の胸でいつまでも泣き続けた。僕も彼女を抱き締めながら泣いた。
    周りなど気にせず、ただひたすらに泣き続けた。

    2007-07-23 20:57:00
  • 46:

    優希

    何時間泣いただろうか…?? 気づけば周りに人気はなかった。まるで初めて話した時のように静か。聞こえるのは彼女のひきつく泣き声だけ。
    しばらくすると彼女は我に返り僕の胸から離れた。
    「ごめんなさい…」僕は少し微笑み、彼女に話しかける。「やっと泣けたね……」
    彼女は小さく頷き、また少し泣いた。

    2007-07-23 21:13:00
  • 47:

    優希

    何時間泣いただろうか…?? 気づけば周りに人気はなかった。まるで初めて話した時のように静か。聞こえるのは彼女のひきつく泣き声だけ。
    しばらくすると彼女は我に返り僕の胸から離れた。
    「ごめんなさい…」僕は少し微笑み、彼女に話しかける。「やっと泣けたね……」
    彼女は小さく頷き、また少し泣いた。

    2007-07-23 21:14:00
  • 48:

    優希

    何時間泣いただろうか…?? 気づけば周りに人気はなかった。まるで初めて話した時のように静か。聞こえるのは彼女のひきつく泣き声だけ。
    しばらくすると彼女は我に返り僕の胸から離れた。
    「ごめんなさい…」僕は少し微笑み、彼女に話しかける。「やっと泣けたね……」
    彼女は小さく頷き、また少し泣いた。

    2007-07-23 21:15:00
  • 49:

    優希

    何時間泣いただろうか…?? 気づけば周りに人気はなかった。まるで初めて話した時のように静か。聞こえるのは彼女のひきつく泣き声だけ。
    しばらくすると彼女は我に返り僕の胸から離れた。
    「ごめんなさい…」僕は少し微笑み、彼女に話しかける。「やっと泣けたね……」
    彼女は小さく頷き、また少し泣いた。

    2007-07-23 21:17:00
  • 50:

    優希

    彼女の家までの道、彼女はずっと鼻をすすっていた。
    家に着き、しばらく沈黙が続く。先に口を開いたのは彼女だった。
    「それじゃ、また明日」
    彼女のその言葉は僕をまた泣かせた。「また…明日」
    その瞬間、彼女が笑ったように見えた…━

    2007-07-23 21:30:00
  • 51:

    優希

    その日、僕は嬉しくてなかなか眠れず、目を閉じたのは朝方だった。

    2007-07-23 21:31:00
  • 52:

    名無しさん

    読んでます。頑張って!

    2007-07-24 00:07:00
  • 53:

    優希

    あリがとおございます??
    完結させるので最後までお付き合いお願いします?

    2007-07-25 12:40:00
  • 54:

    優希

    次の日からの彼女は、いつもと少し様子が違って見えた。  現実を…彼の死を受け止めつつあるように見えた。
    会話は相変わらずないが何か考えてる、いや思い出していた。僕は何も言わず、ただ彼女の事を見守っていた。

    2007-07-25 12:46:00
  • 55:

    優希

    彼女は自分から話し掛けてくれるようになった。きっと誰かに話す事で現実を受け止めようとしているんだと思う。
    時折涙を見せ、現実を受け止めているんだと痛いほど感じる。

    2007-07-25 12:52:00
  • 56:

    優希

    いつも通りに改札を抜け、彼女のいる場所まで足を動かす。 改札を見つめる彼女。でも僕が近付くと気付いてくれる。それだけでも最初の頃とは大分違う。泣いていたのか…目が少し赤い。それでも笑う彼女。前のあの笑顔ではない、陰りはあるがちゃんと笑っている。その笑顔でも僕は安心できた。

    2007-07-25 13:05:00
  • 57:

    優希

    少ないですが今日はここまでです?

    2007-07-25 13:07:00
  • 58:

    優希

    待ち合わせをするようになってどれくらいだろう…?? まだ暑かったのに今はもう夜になると肌寒い。
    彼女と今日も待ち合わせをしている。いつものあの場所で。 彼女の笑顔はまだ陰りがある。それでも幸せを感じれる僕。 そんな時、彼女はここから卒業した……

    2007-07-28 23:09:00
  • 59:

    優希

    いつもと同じように帰る時、彼女は全く話さなかった。まるで最初の頃のように。
    家の前まで来ても沈黙。かといって家に入ろうともしなかった。「どうしたの?」僕の問いに彼女は少し戸惑いながらも口を開けた。「…今まで本当にありがとう。貴方がいなかったら今の私はいなかったと思う…本当に」「急にどうしたの?まるでお別れみたいじゃないか」
    「……お別れなの」
    言葉の意味がしばらくわからなった。いや、わかりたくなかった。「えっ…」「明日引っ越すの。ここを卒業しようと思って」「卒業…?」「そう、卒業。ここには思い出が多すぎるの…逃げてる訳じゃないんだよ?新しい場所で新しい私で生きていきたいの……逃げてる事になるのかな」
    少し困ったように笑う彼女。

    2007-07-28 23:26:00
  • 60:

    優希

    苦笑いをする彼女に何も言えず、僕はただ彼女を見る事しかできなかった。頭の中では“もう会えない”という事しか頭になかった。
    「本当にありがとう…貴方の事は絶対に忘れない。言い尽くせないほど貴方にありがとうを言いたい…」「……」
    彼女のありがとうが僕の胸を締め付ける。本当にさよならなんだと痛いほど思い知らされる。僕は混乱する頭で必死に考え、やっとの思いで言葉を発した。「そっか…君が決めた事なら僕は何も言えないな…僕の方こそありがとう、君といれた時間は僕の中で幸せな時間だった。君を心から応援するよ…頑張って」僕の本心であり、本心じゃない台詞。これでよかったのだと自分に言い聞かせる。

    2007-07-28 23:35:00
  • 61:

    優希

    「ありがとう…それじゃ、さよなら」「さよなら」
    彼女が去って行く、家に入ってしまう、
    ━もう会えなくなってしまう━

    2007-07-28 23:46:00
  • 62:

    優希

    「えりか…!!」
    気づけば彼女の名前を呼び、腕をつかんでいた。
    そして最初で最後のキスをした。強く抱きしめながら…

    2007-07-28 23:49:00
  • 63:

    優希

    彼女はそっと離れ、泣きながら今まで見た事のない満面の笑みを見せた。
    「ありがとう…ありがとう!!」 そう言って彼女は家に入って行った……

    2007-07-28 23:54:00
  • 64:

    優希

    どうやって帰ったか覚えてない。
    ただ嬉しくて、悲しくてずっと泣いていた……━━

    2007-07-28 23:55:00
  • 65:

    優希

    ……………………………………

    2007-07-29 00:00:00
  • 66:

    優希

    あれから1年。
    彼女がここを卒業した季節になった。僕は彼女が去った後も彼女の事を忘れなかった。
    いや、忘れられなかった。
    だけど逃げも隠れもせず、今もあの駅を使い、あの改札を通っている。

    2007-07-29 00:04:00
  • 67:

    優希

    冷たい風が吹くなか僕は一人、空き地になってしまった彼女の家までの道を歩いた。
    彼女は今どうしているだろうか…わからない。
    連絡先なんて知る訳もない。
    僕と彼女のつながりはあの場所だけだったから。

    2007-07-29 00:07:00
  • 68:

    優希

    どう過ごしているかなんてわからない。
    けど、これだけは言える。
    きっと新しい場所で輝いたように笑いながら過ごしているだろう………━━━

    2007-07-29 00:10:00
  • 69:

    優希

    ━━━━━━END━━━━━━

    2007-07-29 00:11:00
  • 70:

    優希

    読んでいてくださった方、ありがとうございました??
    途中文章や言葉、ストーリー等がおかしくなってしまって申し訳ないです?それでも少ないと思いますが、読んでくれていて嬉しく思います?
    ありがとうございました?

    2007-07-29 00:14:00
  • 71:

    名無しさん

    よかった?

    2007-07-31 21:42:00
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