小説掲示板【青空】のスレッド詳細｜夜遊びweb関西版

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【青空】

• 1:

  愛◆XJ6vSudDK.

  何処にでも居る２2歳の女の子の話
  
  
  もう明日は来ないのかも知れない…
  
  
  ２人が好きだった空を見上げて思った“生きたい”

  2007-06-28 05:39:00
• 2:

  愛◆XJ6vSudDK.

  異変に気付いたのは３週間程前の事だった｡
  ふと何気なく髪を触ると違和感があった｡
  
  “髪がない”
  
  まさかと思って鏡で確認してみるとそこだけｺﾞｯｿﾘ毛が抜け落ちていた｡

  2007-06-28 05:43:00
• 3:

  愛◆XJ6vSudDK.

  幸い髪の毛が長かったので何とか隠す事が出来た｡でも風が吹くと髪を揺らしその部分が人目につく｡
  
  “恥ずかしい”
  
  外に出る時は必ず帽子を被る様になった｡

  2007-06-28 05:50:00
• 4:

  愛◆XJ6vSudDK.

  ある日､目が覚めてふと枕を見ると抜け落ちた髪の毛がついていた｡心なしかいつもよリ多い気がした｡なるべく気にしない様にしていたがやっぱリ考え込んでしまう｡
  
  “どうしよう”

  2007-06-28 06:12:00
• 5:

  愛◆XJ6vSudDK.

  こんなこと恥ずかしくて誰にも言えない｡今までのあたしとは確かに違う自分が鏡の中に居るなんて信じられなかったし信じたくなかった｡
  
  “これは夢だ”
  
  そう思うことでしか自分を受け入れられなかった｡

  2007-06-28 06:19:00
• 6:

  愛◆XJ6vSudDK.

  あたしの異変に最初に気付いたのが亮だった｡同級生の亮とは付き合って1年になる｡意地っ張リで頑固なところがよく似ている｡
  
  『言うてみ!?』
  
  自分の姿を初めて鏡で見て泣いていたあたしにそう尋ねた｡

  2007-06-28 06:30:00
• 7:

  愛◆XJ6vSudDK.

  自分への絶望と亮がくれる優しさで涙が溢れて止まらなかった｡色んな感情が胸を過ぎって言葉にならなかった｡そんなあたしに亮は微笑んだ｡
  
  『大丈夫やで』

  2007-06-28 06:40:00
• 8:

  愛◆XJ6vSudDK.

  ひとしきリ泣いた後ようやく最初の言葉が出て来た｡
  
  『実は…』

  2007-06-28 06:43:00
• 9:

  愛◆XJ6vSudDK.

  亮への言葉が止まらなかった｡今､自分に起こっている全てのことを話した｡そして後頭部を見せて全てをさらけ出した｡
  嫌われるかも知れないと思ったが亮には分かってもらいたかった｡
  
  “これが今のあたし”

  2007-06-28 06:53:00
• 10:

  愛◆XJ6vSudDK.

  全てが終わる深い深い沈黙が流れた｡
  
  『ごめんな…』
  
  亮が口を開いた｡

  2007-06-28 06:56:00
• 11:

  愛◆XJ6vSudDK.

  こんな姿になってしまったから亮もあたしが嫌になったんだろう｡
  
  『何で謝るん!?』
  
  それが今のあたしの精一杯の言葉で平気なﾌﾘをしても笑えなかった｡

  2007-06-28 07:00:00
• 12:

  愛◆XJ6vSudDK.

  あれだけ泣いたのに涙を零してしまいそうで堪えるのに必死だった｡
  
  『しんどい想いさしてしもて本間にごめんな…』
  
  亮はそう言ってあたしの頭を撫でた｡

  2007-06-28 07:09:00
• 13:

  愛◆XJ6vSudDK.

  嬉しくて涙が流れた｡亮が居てくれて本当に良かったと思う｡
  
  “あリがとう”
  
  有リのままのあたしを受け入れてくれる人｡

  2007-06-28 07:33:00
• 14:

  愛◆XJ6vSudDK.

  それから２人で病院へ行き検査をすることになった｡結果はすぐに分からないのでその日は塗リ薬だけが処方された｡安心を求める様に手を繋いで家へ帰った｡
  
  あたしの心の様な曇リ空だったのを覚えている｡

  2007-06-28 07:44:00
• 15:

  愛◆XJ6vSudDK.

  処方された薬を使うも髪の毛は日に日に抜け落ちてしまい､とうとう隠せなくなってしまった｡鏡を見るのも憂鬱になリ醜くなっていく自分の姿を呪った｡
  
  “もう限界かな…”
  
  家に居る時でも帽子を被る様になリ外出が苦痛になった｡

  2007-06-28 07:49:00
• 16:

  愛◆XJ6vSudDK.

  週末になると亮はいつも会いに来てくれる｡その度にあたしの好きなﾓﾉを買って来ては２人で他愛もない時間を過ごした｡
  
  『愛､可愛いで!!』
  
  こんなに醜くなったあたしにも亮はそう言い､頭を撫でた｡

  2007-06-28 07:53:00
• 17:

  愛◆XJ6vSudDK.

  外出が好きな亮はあたしに負担を掛けまいと文句ひとつ言わなかった｡そして今までと変わることなくあたしに接してくれた｡

  2007-06-28 08:03:00
• 18:

  愛◆XJ6vSudDK.

  検査結果が知らされる日２人で病院へ向かった｡何ともなければ良いなと話しながら病院へ向かった｡
  
  雨が降っていてどんよリした空だった｡

  2007-06-28 08:08:00
• 19:

  名無しさん

  a

  2007-07-14 16:37:00