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☆揚羽蝶☆
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1:
あげは
ひらひらと舞う揚羽蝶。
そんな揚羽蝶みたいだという理由で、あたしは『あげは』という名前をつけて貰った。
『あげは』19歳。
職業はデートクラブ嬢。2007-06-13 02:40:00 -
2:
あげは
東京のとある風俗街。
ここがあたしの働く場所。
『デートクラブ』っていっても、簡潔に言うと出張本番嬢。
そう。
もっと簡単に言えば『風俗嬢』2007-06-13 02:45:00 -
3:
あげは
この街に来たのは半年くらい前。
ホストクラブで作った借金に首が回らなくなって、あたしには『風俗』っていう道しか残ってなかった。
ガチガチの本営(彼女と信じこます営業の仕方。)に騙されてたと気付いた3ヶ月前。
気付いた理由は、ホストを辞めた彼氏には家庭があった。
情けないしみじめなあたしに残ったのは、『少しの借金』と『風俗嬢』という肩書。2007-06-13 02:55:00 -
4:
あげは
しばらく落ち込んだものの、流した涙が『時間の無駄』だと教えてくれた。
それからも、あたしは『風俗嬢』として働いている。
信じれる物は『お金』だけ。
悲しいけど、目に見える物しか信じる事ができない。
寂しい女。2007-06-13 03:01:00 -
5:
あげは
…AM11:00…
あげは「おはよーございまーす。」
とあるマンションの一室。
ここがあたしの職場である『パピオン』の事務所。
パソコンの前で電話番をしてるのが、社長と浅田さん。2007-06-13 03:07:00 -
6:
あげは
社長「おう。おはよー。もうあげはの予約埋まってるからな!」
浅野「おはよー!」
挨拶を返してくれるのは男性従業員だけ。
他の女の子は『ちらっ』とこっちを見るだけで無視。2007-06-13 03:12:00 -
7:
あげは
女の子の無視は気にならなくなった。
無視が始まったのは、あたしが『パピオン』で働きだして一週間が過ぎた頃だった。
関西から鞄ひとつで出てきたあたしに、社長が「デビュー祝いだぁ!」とか言って、生活用品を全部揃えてくれた。
それが女の子の気に障ったらしい。2007-06-13 03:19:00 -
8:
あげは
それだけじゃなく、あたしはなぜか一週間目にしてNo.1になっていた。
それも女の子達は気に食わなかったらしい。
「贔屓されてる。」「関西弁は下品。」「調子に乗ってる。」
女の子達だけでなく、男の従業員にも言われていた。
「どーせ最初だけでしょ。」2007-06-13 03:24:00 -
9:
あげは
そんな予想も外れ、あたし『あげは』は半年経った今も不動のNo.1。
男性従業員は、あたしを認めてくれた。
だけど女の子達は相変わらずな様子で、あたしを無視し続けている。
もともと一匹狼体質なあたしは、痛くも痒くもないけれど。
それ以前に、忙しいのもあってご飯を食べる暇も無いんだから、女の子と話をする暇なんて無かった。2007-06-13 03:33:00 -
10:
あげは
いつものように私物をロッカーにいれて、仕事用の鞄を引っ張り出す。
イソジンやら薬用ソープやら風俗7つ道具を確認して、髪の毛のセットをする。
そして準備が終わると、ブラックのアイスコーヒーをコップにいれてパソコンの前に座り一服。
これがいつものあたしの朝。2007-06-13 03:41:00 -
11:
あげは
あげは「今日の予約って誰なん?」
あたしの質問に浅田さんは紙を渡してきた。
浅田「今日は橋爪さんが貸し切りだって。この人よくお金続くよね。」
橋爪さんは、一ヶ月前からあたしに通ってくれてるお客さん。
何もしてこない楽なお客さん。2007-06-13 03:47:00 -
12:
あげは
あげは「ラッキー。じゃあ今日はこのまま直帰していいやんな?」
あたしと浅田さんが喋ってると、社長が会話に割って入ってきた。
社長「あ〜残念。今日はあげはに一緒に来てもらわなくちゃいけない場所があるんだよね。」
あげは「えぇ。じゃあ早めに切り上げてくるし。5時に事務所にしてな?」
社長「分かったよー。」2007-06-13 03:54:00 -
13:
あげは
そうこうしてるうちに時間になって、あたしは橋爪さんとの待ち合わせ場所に向かった。
あげは「いってきまーす」
浅田、社長「気をつけてね!」
ドアを閉めて、あたしは橋爪さんの元に急いだ。2007-06-13 03:59:00 -
14:
あげは
橋爪さんはいつも通り、『良いお客さん』だった。
二人でご飯を食べに行って、ゲームセンターに行ってプリクラを撮ったりした。
橋爪さんは30代半ばだったけど若く見えるし、はたからみても少し歳の離れたカップルがデートしてるように見えると思う。
だからホテルじゃない外でのデートも嫌じゃなかった。
お客さんはお客さんだけどね。2007-06-13 04:07:00 -
15:
あげは
あっというまに時間はPM05:00。
あげは「じゃあまたね!」
橋爪さんと別れ、事務所に戻る事に。
タクシーに乗り、行き先を告げてから事務所に電話をいれた。
あげは「今から帰るから、あと15分くらいで着くし!」2007-06-13 04:12:00 -
16:
あげは
あげは「帰りましたー。」
急いで事務所に戻ったものの、社長の姿が無い。
あげは「あれ?社長は?」
座ってた浅田さんが『クルッ』とこっちを向いて手招きをした。
浅田「新人講習中。」2007-06-13 04:16:00 -
17:
あげは
あげは「まじで?女の子かわいそー」
『パピオン』には講習は無い。
と、いうか必要無い。
だって『デートクラブ』だから、そっちは素人でいいんだから。
『講習』とは社長の『趣味』であって、仕事でもなんでも無い。2007-06-13 04:21:00 -
18:
あげは
実はあたしもその被害者。
初心者だし「そういうもんなんや。」と信じて疑わなかった。
しばらくしてから、あたしと同じ様に『新人講習』だと社長が女の子と出ていったあとに浅田さんに教えて貰った。
ただいま社長は、『新人味見中』2007-06-13 04:26:00 -
19:
あげは
ボーっとしてるのも暇なので、アイスコーヒーをいれてパソコンをイジイジ。
自分の写真データを修正したりして待つ事30分。
社長「ただいまー!」
元気に社長と女の子が帰ってきた。
あげは「遅いねん!」2007-06-13 04:31:00 -
20:
あげは
社長「ごめんごめん。」
謝るものの悪びれた様子の無い社長。
横に目をやるとかわいい女の子が『ペコリッ』。
社長「あっ!新人の翼ちゃん。仲良くしてあげてくれよ!」
ふ〜ん。確かに社長が好きそうなタイプやん。2007-06-13 04:37:00 -
21:
あげは
あげは「あたしはあげは。分からん事あったら浅田さんに聞きな?あたしよく分からんから。(苦笑)よろしく!」
あたしは笑顔で挨拶をした。
翼「よろしく。」
気のせいか翼ちゃんの視線が鋭くなったような気がしたけど、あたしは気にしてなかった。
あげは「ほんで社長の用事は?」2007-06-13 04:43:00 -
22:
あげは
社長「そうそう。俺の知り合いがあげはに会いたいって言っててね。駅前の焼肉屋で待ち合わせしてるんだった。」
人に会うのは苦手だけど、社長はよく分かってる。
あたしが焼肉に弱い事。
しかも駅前の焼肉屋は、一見ボロボロだけど味はピカイチ。
あたしは社長に駅前の焼肉屋に連れていかれた。2007-06-13 04:53:00 -
23:
あげは
…PM06:21…
あたしは焼肉屋に着いた瞬間、不機嫌になった。
せっかくの美味しいお肉も進まない。
ビールをぐびぐびと飲み干す。
あげは「おばちゃん!ビールおかわり!」2007-06-13 04:59:00 -
24:
あげは
焼肉屋で待っていたのは、スーツの男。
キラキラ、ギラギラ、ゴテゴテ。
頭をでっかくセットしたスーツの男。
あたしの嫌いな人種。
『ホスト』。2007-06-13 05:05:00 -
25:
あげは
ホストの男は『亮』というらしい。
歳は24歳。
亮「あげはちゃんはお酒強いんだね!あっ、沢山食べていいからね!」
一応、社長の知り合いだから愛想良くしてるけど、あたしは『ホスト』が大嫌い。
社長の知り合いじゃなかったらとっくに帰ってたと思う。2007-06-13 05:11:00 -
26:
あげは
その後も亮は一人で延々喋り続けた。
あたしは「うん」とかしか喋らなかったけど、社長が『あげはは人見知りする』って亮に言ってたらしい。
おかげであまり喋らなくてすんだ。
社長「番号とアドレス交換しとけよ!」
社長が言うから、嫌々ながらも亮と番号とアドレスを交換した。2007-06-13 05:17:00 -
27:
あげは
ビールでお腹がいっぱいになった所で、解散する事になった。
社長「じゃあな!亮!あげはは頼んだぞ!」
そう言い残して、社長は帰っていった。
あたしと亮を残して…。
亮「送ってくよ。」2007-06-13 05:21:00 -
28:
あげは
あげは「一人で帰れるしいいで。ほな。」
すたすたと歩くあたしの腕を、亮は掴んだ。
亮「待って!じゃあこれ。仕事キャンセルさせちゃったみたいだし。タクシー使って帰りな?ねっ?じゃあ!また連絡するわ。」
そう言って亮はタクシーを捕まえて帰って行った。
渡されたのはお金で、五万円もあった。2007-06-13 05:28:00 -
29:
あげは
あたしは渡されたお金を、『くしゃっ』と握りしめた。
ホストなんか大嫌い。
綺麗にセットされた髪の毛も、キラキラしているアクセサリーも。
全部全部大嫌い。
人を騙すような人間はいらない。2007-06-13 08:03:00 -
30:
あげは
翌日…AM11:08…
あげは「おはよう。」
あたしは不機嫌なまんま事務所に出勤した。
浅田「あれ?あげはちゃん今日休みだよね?」
あげは「うん。社長に用事あるねんけど、いてる?」2007-06-13 08:10:00 -
31:
あげは
あたしの問い掛けに浅田さんは、首を振った。
浅田「今日は昼過ぎまで来ないみたいだよ?どうする?待ってる?」
あたしは冷蔵庫からアイスコーヒーをカップに注いだ。
あげは「待つ。」
それだけ言うと『ドカッ』とパソコン前の椅子に腰掛けた。2007-06-13 08:15:00 -
32:
あげは
しばらくパソコンで女の子のデータを整理している時だった。
翼「あの、ちょっといいですか?」
振り返ると、例の新人の翼ちゃんが立っていた。
あげは「どうしたん?なんかあった?」
多分優しく、いや、間違いなく優しく返事をした時だった。2007-06-13 08:20:00 -
33:
名無しさん
どうしたん?何かあったん?気になる〜
2007-06-13 10:38:00 -
34:
名無しさん
めちゃ気になる???
更新まってます?2007-06-13 11:10:00 -
35:
名無しさん
なんかすでにファンかも?頑張って下さい??
2007-06-13 11:41:00 -
36:
名無しさん
面白いです?マイペースに頑張ってください??
2007-06-13 13:21:00 -
37:
リォ?
頑張ってくださぃ??
更新楽しみにしてます?2007-06-13 13:39:00 -
38:
あげは
みなさん?ありがとうございます?今から少し更新します?
2007-06-13 14:37:00 -
39:
あげは
翼「あたし、あげはさんの事認めませんから。調子乗ってんな。ブス!」
最後の『ブス』という言葉と同時ぐらいに、あたしの手の横ぎりぎりを何かが勢い良く刺さった。
しばらく呆気にとられているうちに、翼ちゃんはパタパタと事務所を出ていった。
ふと手元を見ると、カッターの刃が無残にも折れて転がっていた。
浅田「翼ちゃんって怖いね。」2007-06-13 14:48:00 -
40:
あげは
あげは「まったく意味分からん。」
あたしは折れた刃を片付けて、カッター君が元居たであろう場所に返しておいた。
なんでこんなに落ち着いていられるか?
今でこそ落ち着いたものの、この半年間の女の子達の虐めはもっともっと陰険だった。
それに比べれば、こっちのほうが正々堂々としている。2007-06-13 14:56:00 -
41:
あげは
前は、お気に入りの靴のストラップを切られたりだとか、私物を勝手に捨てられたりだとか、回りくどい虐めが殆どだった。
こうやって直接文句を言ってきたのは、翼とあの人ぐらいだ。
あの人はもうここの店を辞めて、他の店に移ってしまった。
それと同時に虐めは無くなったんだ。
一人思い出に浸っていると、携帯がポケットの中でブルブルと震え出した。2007-06-13 15:05:00 -
42:
あげは
【着信:なお】
あげは「どしたん?あんたから電話って、台風でも来るんちゃうか?」
なお「失礼だし!近く寄ったからさ、あんたにランチでも奢ってあげようと思って。」
時計の針はまだ昼の12時を回ったばかり。
あげは「分かった。ほないつもの所で!」2007-06-13 15:17:00 -
43:
あげは
あげは「あんたのタイミングってすごいわ。ちょうど考えてたら携帯鳴るんやもん。」
あたしの前で煙草をくわえて笑う女、彼女が『なお』。
同じ店で働いてた時に、唯一あたしに直接文句を言ってきた女。
なお「あげはの事だから、またなんかやらかしてんじゃないかと思ってね。」
そう言うと、なおは『くすっ』と笑った。2007-06-13 15:33:00 -
44:
名無しさん
翼ちゃん怖いな…刃物はあかんよ。
2007-06-13 22:15:00 -
45:
あげは
あげは「なんなん!?あたしは気違いか。(笑)」
とりあえず鞄を置いて、なおと向かい合う椅子に腰をおろした。
もともとは犬猿の仲だと言われていたあたし達。
今ではそんな雰囲気も無くなった。
なおはあたしの恩人だから。2007-06-14 00:05:00 -
46:
あげは
…二ヶ月前。
あたしはいつもの時間に出勤した。
あげは「おはようございます。」
いつもと同じ毎日。
ただ少し違っていたのは、あたしのロッカーの中身だった。2007-06-14 00:13:00 -
47:
あげは
あたしは出勤したらすぐにロッカーに向かう。
それを見ていた女の子達の『くすくす』という笑い声。
『?』と思いながらもロッカーをあけると、中身はからっぽ。
仕事道具だけじゃなく、服や靴なんかも全部もぬけの殻。
この日の為に用意しておいたのに…。2007-06-14 00:19:00 -
48:
あげは
さすがのあたしも『ヤバイ』と思った。
この日のお客さんは前々から社長にも『特に気を使え』と言われていたお得意様。
下手したらクビになりかねない。
それを見て静かに笑う女の子達。
我慢も限界だった。2007-06-14 00:24:00 -
49:
あげは
あたしがキレる寸前、先に口を開いたのがなおだった。
なお「あんた達くだらない事してんじゃねーよ!」
いつも静かでボス的存在のなお。
そのなおが女の子達にキレた。
それは意外すぎて、あたしを含めてその場にいたみんなが固まっていた。2007-06-14 00:35:00 -
50:
あげは
固まってるあたしに、なおは自分の服を渡してきた。
なお「あんたさ、何も言わないからナメられるんだよ?こんな事されても怒らないし。情けない女。」
変だと思われるかも知れないけど、この一言であたしは救われた。
なおの言葉はきつい一言だったけど、あたしは嬉しかった。
そのあとは、女の子達は直接的には嫌がらせをしなくなった。2007-06-14 00:46:00 -
51:
あげは
その事件のすぐ後に、なおは店を辞めた。
最後の日に、なおはあたしに一枚の紙を渡してきた。
なお「なんかあんた人付合い下手そうだし、あたしが友達になってあげる(笑)」
その上から目線に、あたしは笑った。
なおも釣られて笑った。2007-06-14 00:52:00 -
52:
あげは
あたしのクビが繋がってるのは、なおのフォローのおかげ。
あたしが入店するまでは、なおがNo.1だった。
人一倍プロ意識が強いなおは虐めのボスでもなんでもなく、ただ静かに何にも動じない心の広い女だった。
そんななおだから、あたしは仲良くなれたんだと思う。2007-06-14 01:02:00 -
53:
あげは
…現在『ジョナタン』
そんなこんなで、なおはこっちに来てから初めて出来た『友達』。
たまにお互いのあいた時間に、こうやってご飯を食べたりしている。
なお「どうしたの?その怪我。」
なおの言葉で自分の手の傷にこの時初めて気付いた。2007-06-14 01:12:00 -
54:
あげは
鋭く裂けた切り傷。
さっき翼ちゃんがカッターを振り落としてきた時の傷だ。
血は固まっていてかさぶたになっていた。
あげは「なんか新人がさ、『認めない』とか言ってカッターで脅しかけてきたねん。」
なおは目を真ん丸にしていた。2007-06-15 00:21:00 -
55:
あげは
なお「春は頭がおかしい子が増えるからねぇ。まっ、気にしない気にしない。」
相変わらず『くすくす』笑うなお。
あたしもあまり気にしない事にした。
その日はご飯を奢ってもらい近日報告なんかを話して、なおは『仕事あるから!』と去って行った。
あげは「さてと。事務所帰ろ。社長来てるといいけど。」2007-06-15 05:54:00 -
56:
名無しさん
??
2007-06-15 12:44:00 -
57:
名無しさん
待ってます?
2007-07-01 03:28:00