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終わりゆく世界の中で

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  • 1:

    ―ドクン、ドクン。

    この腕の中で弱々しく脈打つ鼓動も、あと何度か瞬きをする間に消えてしまうのだろう。
    そんなの理解したくないので、見たくないので、
    暖かい血の中で、僕は目を閉じる事にした。

    2007-06-10 03:28:00
  • 2:

    *


    2010年 4月

    2007-06-10 03:30:00
  • 3:

    朝。
    眠い目を擦りながらも無意識に携帯を開いて着信・受信などをチェックするのは、もはや習慣になっていた。

    『おはよう☆』
    という、ごく短い文章に目を通したいが為の習慣。

    2007-06-10 03:36:00
  • 4:

    毎日届く同じ言葉。
    しかし、僕はそのメールを見るとなんだかニヤニヤしてしまう。
    そのニヤニヤしている時の気分が好きで、やはり毎日同じ行動をとってしまう。

    それはきっと、送り主が由紀であるから。

    2007-06-10 03:42:00
  • 5:

    由紀というのは、付き合って2年になる恋人のことである。

    僕たちはこれまで大きな喧嘩をすることもなく、他に気持を移すこともなく、この2年間順調に愛を育て続けてきた、
    ・・・と思う。

    2007-06-10 03:47:00
  • 6:

    結局の所、彼女の事は彼女自身にしか分からないし、僕の事は僕自身にしか分からない。

    だから『愛してる』だとか、プレゼントだとか、相手を思いやった行動なんかを使って、人間は少しでもその見えない部分の距離を縮めようと努力するのだ。

    根本的には何の解決にもならないんだけど、理解したいし理解されたい動物だからそうするんだろうなぁ。

    2007-06-10 03:56:00
  • 7:





    ――『英知。早く支度しなさい。』

    2007-06-10 04:04:00
  • 8:





    『・・・・はい。』

    2007-06-10 04:05:00
  • 9:

    《我が家には、血が通っていない。》



    そう告白したら、由紀はなんて答えるかなぁ。

    2007-06-10 04:08:00
  • 10:





    *

    2007-06-10 04:09:00
  • 11:

    教室に着くと、由紀は楽しそうに数人の女子とお喋りしていた。
    『おはよ。』
    後ろから声をかけると、可愛い八重歯をのぞかせながら
    『おはよう!!英知聞いて〜あのね〜』
    と、いつもの様に多数に伸ばした情報網から仕入れた世間話を繰り広げるのだった。

    2007-06-10 04:13:00
  • 12:

    大抵朝のHRは聞役に徹して終了する。
    昼は一緒にご飯。
    帰りは、その日によるけど時間が合えばそのままデートしたり、家に呼んだり。

    そんな感じ。

    2007-06-10 04:18:00
  • 13:

    でも、それは少し疲れる場合もある訳で。


    多少なりとも[合わせる]ことをしないと、浮いちゃう訳で。

    2007-06-10 04:27:00
  • 14:

    暖かい家庭なんてもんはないんだけど、
    この家が、
    汚い空間が、
    冷たい部屋が、
    やっぱり一番落ち着いたりする。

    2007-06-10 04:29:00
  • 15:

    子供は、生まれた環境ですぐに適応しちゃうんだって。

    綺麗な毛布にくるまれて産まれた子は、勿論泥の中では生きられない。

    その子が初めて感じた幸せが、そこには少しもないから。

    2007-06-10 04:37:00
  • 16:

    でも


    泥の中で産まれた子供は何故か
    綺麗な毛布の中じゃ生きられない。生きられない。

    2007-06-10 04:40:00
  • 17:




    どうしてかな・・・・

    2007-06-10 04:42:00
  • 18:

    いつも、そこで考える事を止めた。


    ・・・いや、この仮面を外す際にはもうそんな事どうだって良くなるのだ。
    生じる摩擦によって、いくつかの感覚が削ぎ落とされるように感じられる。

    2007-06-10 04:47:00
  • 19:



    それは、お帰りも言わずに自らをせっせと着飾り、何処かへでかける準備をする母や、
    もう何年もまともに会話すらしていない父、
    そして、いつも僕を何か汚い虫でも見るかのような目で見下す兄も同じなのだろうか。

    2007-06-10 04:53:00
  • 20:

    幸せや、確実な愛なんてない。



    そう育った僕は、愛や幸せに執着する。

    2007-06-10 04:58:00
  • 21:

    無いものを求める。

    滑稽だと思う。

    でも、心の歪んだ部分や、欠損した箇所をどうにかしたかった。

    2007-06-10 05:00:00
  • 22:

    外に出れば自分は違うニンゲンだと思いしらされるので、辛い。

    でも、此処にずっといればニンゲンですらなくなる。

    だから、仮面がいる。

    2007-06-10 05:03:00
  • 23:

    それなのに僕は時折仮面を脱ぎたがる。

    本当の自分に戻りたがる。

    戻れる場所は、此処しかない。

    2007-06-10 05:05:00
  • 24:

    この循環はもうずっと昔から続いており、先の見えない螺旋となって僕の足下から頭上へと伸びている。


    僕は、毎晩祈るしかなかった。

    2007-06-10 05:10:00
  • 25:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 26:




    *

    2007-06-10 05:12:00
  • 27:

    『ねぇ英知、昨日のニュース見た?すごかったねぇ!』

    由紀がサンドイッチのフィルムを開けながら言った。

    『ん〜?なんかあったっけ?』

    2007-06-10 05:15:00
  • 28:

    コーヒー牛乳のパックにストローを刺しながら答える僕に、彼女は『知らないの!??』と、とんでもなく大きな声で目を丸くさせた。

    『え?え?なに?マジで分かんないっす・・・』

    2007-06-10 05:19:00
  • 29:

    『東南アジアのちっちゃい島が、なんかしらんけど消えちゃったらしいよ?』

    と、金髪のツンツン頭をいじくりながら隣でマンガを読んでいるのは、透という小学校からの友人である。

    『マジで?透が知ってるってことは結構放送されてたんだな〜そのニュース。』

    2007-06-10 15:13:00
  • 30:

    『どーゆう意味かね。』

    『どーゆう意味だろね。・・てか消えちゃったってのはどういう意味?島がまるごとあぼーん?』

    そりゃねぇわな。と、付け足そうとした時、由紀が口をもごもごさせたまま割って入った。

    2007-06-10 15:23:00
  • 31:

    『んとね、島がなくなったってゆうかね、島じゃなくなったんだよ!』

    瞳をキラキラさせる彼女。
    僕のハテナは増える一方。

    2007-06-10 15:26:00
  • 32:

    『もともと本島から随分離れた100人も住んでないようなちーっちゃい孤島だったから、わざわざ観光なんかでそこへ行く人もいなかったし、詳しい事は分かってないらしいんだけど。』


    ごくん、と口の中のものを急いで飲み込むと、由紀はにっこりと笑って言った。

    2007-06-10 15:34:00
  • 33:

    『一晩で島民、動物、皆消えちゃったんだって。
    すごく大きな岩の塊みたいなものが、島があったとされる中心にぽつんと残ってたって。それだけが。
    ん〜・・・・・まぁ要は島が一晩のうちになんか大きな岩に変わっちゃってたぁ〜っていうオカルティックな話よ!』

    2007-06-10 15:42:00
  • 34:





    えぇえ・・・・。

    2007-06-10 15:48:00
  • 35:

    物理的にそれは無いでしょ。

    なに?津波?地震?
    何にせよ岩になったってどういう事よ?
    いくら孤島といっても、島一個消えちゃうくらいの災害に一晩気付かないって、そりゃないっしょ。

    2007-06-10 15:51:00
  • 36:

    とか脳内で否定しまくる僕をよそに、透と由紀は、やれ宇宙人の仕業だ。北朝鮮の核攻撃だと真剣に討論している。


    ・・あぁ、なんて平和な昼下がり。

    2007-06-10 15:54:00
  • 37:

    どこか遠い国での戦争とか、災害とか、可哀想だとは思うんだけどイマイチ実感がわかない。
    実際この国で・・・いや、この町でも事故ったり死んだりしてる人は毎日いるのに、そんな身近な不幸にさえ鈍感なのだから仕様がないか。
    自分や、自分を取り巻くものにしか関心がないと言ったらそれまでだけど、そんなもんなんだと思う。
    僕達は。

    2007-06-12 00:03:00
  • 38:

    朝。道でネコが死んでいたとしても、きっと眠る頃には忘れているだろう。

    しかし、ブラウン菅から流れる大袈裟な不幸は、しばらくの間好奇心と共に脳の大部分を支配する。

    無意識に価値をつけているのだ。

    2007-06-12 00:10:00
  • 39:

    熱弁を交わす二人を横目でちらりと見ながら、もはや話の重点が命の尊さなんかには置かれておらず、宇宙人侵略かどうかについてになっている事に、僕は深い溜め息をもらしながらデザートのシュークリームにかぶりついた。

    2007-06-12 00:18:00
  • 40:





    *

    2007-06-12 00:19:00
  • 41:


    2010年 5月


    *

    2007-06-12 00:20:00
  • 42:

    あれから一ヶ月。


    結構他人事ではなくなってきている。
    かも・・・。

    2007-06-12 00:27:00
  • 43:

    名無しさん

    あげる

    2007-06-12 17:52:00
  • 44:

    名無しさん

    見てます?なんかおもしろそ??

    2007-06-12 23:27:00
  • 45:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
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