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  • 1:

    みく

    なぁ、いつか誰かが言ってた。
    ほんまに好きな人とは結ばれへんって。
    あたしにとって それは
    あんたの事やったんかな…?

    2007-06-06 15:42:00
  • 2:

    みく

    『段々暑くなってきたなぁ。』
    みく、二十歳。
    キャバクラで働いてもう三年目になる。
    今日も仕事が終わって二個一の沙耶とまだ暗い街へ繰り出した。

    2007-06-06 15:45:00
  • 3:

    みく

    あたしは一番になれない女。
    17の時、初めて足を踏み入れた夜の世界は
    あたしには眩しすぎて
    すべてが輝いて見えた。

    2007-06-06 15:52:00
  • 4:

    みく

    何となくで始まった店の代表との恋。
    いつしかあたしの方が熱を上げ、幼いなりに真剣だった。
    それが“色恋管理”だとも知らずに…

    2007-06-06 15:58:00
  • 5:

    みく

    今思えば、彼の言動は疑わしいところばかり。
    でも当時のあたしは
    彼を信じきっていた。
    どんなにしんどくても毎日出勤して、お客さんへの営業電話やメール、顧客ノートの管理は怠らなかった。
    彼の『頑張ったな』のたった一言が聞きたくて…

    2007-06-06 16:06:00
  • 6:

    みく

    そんなあたしを不幸のどん底に突き落とした、一本の電話。

    プルルルル……
    時間はちょうど昼頃だったと思う。知らない番号からの着信。
    眠い目をこすりながら電話に出た。

    2007-06-06 16:09:00
  • 7:

    みく

    『…もしもし?』
    『あんた?みくとか言うぶっさいくな女。』
    『えっ…?』
    『私あんたが彼氏と思いこんでる男の嫁やけど。何勘違いしてるん?うちの旦那があんたみたいな安いキャバ嬢なんかに惚れる訳ないやん!気持ち悪い。』

    2007-06-06 16:12:00
  • 8:

    みく

    訳がわからなかった。
    奥さん?結婚してたんや…?
    電話口の奥から聞こえるのは、赤ちゃんの鳴き声。
    その女の人は、あたしに浴びせれるだけの暴言を吐き捨て、電話を一方的に切った。

    2007-06-06 16:15:00
  • 9:

    みく

    彼に電話して確かめる勇気なんてなかった。
    結局再び眠りにつく事も出来ず、出勤時間になった。
    “どうしよう…でもまだ彼自身の口から聞いた訳じゃない”
    悩んだ末、少しの望みを持って出勤する事にした。

    2007-06-06 16:19:00
  • 10:

    みく

    『おはようございます…』
    『おーおはよー。』
    いつもの様に応える彼。でも…その眼はあたしの方を一切見ようとしない。
    たまらず切り出した。

    2007-06-06 16:22:00
  • 11:

    みく

    『今日のお昼に…奥さんから電話あってんけど…』
    『………。』
    『なぁ!何かゆってや?』
    『はは…ほんまあいつもいらん事すんなー。ごめんな。でもどうせお前も本気ちゃうかったやろ?』

    2007-06-06 16:25:00
  • 12:

    みく

    “本気ちゃうかったやろ……?”
    大好きやでってゆってくれたやん?
    ずっと一緒におろなって…結婚出来たらいいなぁとか…子供の名前は何にしたいとか……
    全部…嘘やったん……?

    2007-06-06 16:28:00
  • 13:

    みく

    たった一言でいいから…違うってゆって欲しかった。
    違うってゆってくれてたら…あたしはそれを信じてた。
    でも…もう終わりや。

    2007-06-06 16:32:00
  • 14:

    みく

    『…ばいばい。』
    『おい!!みく!!』
    気がついたらあたしは店を飛び出してた。
    走って…走って…沙耶の家まで来ていた。沙耶の家は店から15分程のところにある。

    2007-06-06 16:36:00
  • 15:

    みく

    インターホンを押す手が、震えてる。
    『みくっどしたん!?』
    慌てて出てきてくれた沙耶は泣いてるあたしを力いっぱい抱きしめてくれた。

    2007-06-06 16:39:00
  • 16:

    みく

    『とりあえず中入り?なっ?』
    沙耶も系列店で働いていて、一人暮らしをしている。
    家の中に入っても泣き止まないあたしの隣に座りただ、ただ抱きしめてくれていた。

    2007-06-06 16:42:00
  • 17:

    みく

    『結婚て…ほんまなん!?』
    あたしは沙耶に一部始終を話した。
    『なんなんそれ?ほんまあいつ最低やな。みく!沙耶ももう18やし一緒に店辞めよや!んでめちゃ有名なって見返したろ!』

    2007-06-06 17:03:00
  • 18:

    名無しさん

    頑張って?

    2007-06-06 20:00:00
  • 19:

    みく

    20さんありがとうございます?忙しくて更新不定期ですが頑張ります?

    2007-06-14 20:50:00
  • 20:

    みく

    とりあえずお客さんに謝りの連絡を入れ、日にちをずらしてもらった。
    後は店探し。
    『どうせやったらでっかいとこ行きたいよなぁ?』
    『でもノルマとか厳しくないかな?あっスカウト電話してみよか!』

    2007-06-14 20:58:00
  • 21:

    みく

    あたしは以前声をかけられ、18になったら連絡してと言われていたスカウトに電話した。
    『もし?みくやけど覚えてる?』
    『おー!ミテコのキャバ嬢!笑』
    『もー今日でミテコ卒業したからかけてみた笑』

    2007-06-14 21:04:00
  • 22:

    みく

    色々話をして、せっかく髪の毛もセットしているので今から面接に行く事にした。
    『ちょーめちゃ緊張すんねんけど!』
    『沙耶達ゆぅても安キャバでしか働いた事ないもんなぁ。客もめちゃ熱い人とか何人かやし…』
    スカウトと待ち合わせをし、ある系列の店に行く事になった。

    2007-06-14 21:09:00
  • 23:

    みく

    『ははっ何でそんなどもってるん笑』
    奥から笑いながら出てきたのは、二十代後半ぐらいの幸の薄そうな人だった。
    『とりあえず奥座ってぇ。んでこれ書いてな。』面接用紙を渡され、あまりの細かさにうんざりしながらも全て書き終えた。

    2007-06-14 21:20:00
  • 24:

    みく

    『みくちゃんと沙耶ちゃんね。初めまして、部長の白石です。さっそくやけどお客さんとか持ってんのかな?』
    『一応居ますけど安いとこに居たんでこうゆう店に連れてこれるかってゆったらちょっと心配です…。』
    『ほんまかぁ。まぁお客さんはここで掴んでくれたらいいし。』

    2007-06-14 21:25:00
  • 25:

    みく

    スカウトも交えて交渉をして時給五千五百円のノルマ無し、バックありと言う事に決まった。
    とりあえず体験入店する事になり、更衣室で着替えるように言われた。
    『店の人らもいい人っぽいし沙耶気に入ったかも!』
    『やなぁ。まぁ1日働いてみて決めよか。』

    2007-06-14 21:33:00
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