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ただ君のために…
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1:
はづきち
君のいないこんな世界になんの意味があるの?
君のいないこんな世界に僕は必要なの?
君のいないこんな世界に僕は生きる意味はあるの?
ただ僕は君を愛した…
きっとこれが愛だったんだね…2007-05-13 15:01:00 -
2:
名無しさん
その日の営業終了後…
涼は代表に食事に誘われファミレスにいた。
「なぁ涼。おまえが売上あげてないのわざとだよな。あれだけお客さん呼べるのにこの売上はおかしいからな。」
涼は代表の言葉にこくりと頷いた。
「なんでだ?売上あげればそれだけ給料増えるんだぞ?勿体無いじゃないか。」「俺は今の給料で十分ですから。生活に必要な分だけあれば。」
「じゃなんでホストしてるんだ?稼ぐためじゃないのか?お前ももうホストして一年以上たつしホストしてるからには人並み以上の収入を得てほしいんだよ!」「楽しいからですよ。それだけです。自分の利益お客さんを利用するなんて出来ないんで。それに自分に一時間何万も払って貰えるような価値はないですから。」
「そうか。お前の考えだしな。まぁ涼は売上だけじゃなくヘルプとしてもみんなに好かれてるし後輩にも慕われてる。店にとって大事な存在だからな。これからも頑張ってくれ!」
その後代表と別れた涼は一人家へ帰っていった。
店にとって大事な存在…
おれは必要な存在…2007-05-13 15:09:00 -
3:
名無しさん
家に着いた涼はそのままベッドに倒れこんだ。
僅かな疲れが涼の心の隙間を埋めていた。
暗い部屋の中一人涼は傷だらけの左腕を見つめながら考えていた。
おれを必要としてくれる場所がある…
おれはまだ生きていていいんだよな…
後、何年も続けられる事じゃないのは解ってる…
その先に何もないのも解ってる…
でもその日までは生きてゆこう…
涼はそのまま目を閉じ眠りにつこうとした。
しかしすぐに涼は不安感や恐怖心に襲われた。
お前はいらない人間なんだよ…
お前に生きてる意味なんてないんだ…
お前を必要とする人間なんていないんだよ…
そんな声がどこからか聞こえてきた気がしていた。
「今日も無理か…。」
涼はそう呟きハルシオン(睡眠薬)を手にとった。
「残り少ないな…明日取りに行くか。」
ハルシオンを飲んだ涼はいつのまにか眠りについていた。2007-05-13 15:13:00 -
4:
名無しさん
次の日涼は早めに起きて病院に向かった。精神科の病院だ。
「最近調子はどうですか?」
「悪いです」
「最近辛い事とかありましたか?」
「毎日です」
「じゃいいことは?」
「ないです」
「よく寝れますか?」
「寝れません」
涼にとって医者のカウンセリングなど意味の無いものだった。
涼は薬を貰えればそれで良かったのだ。
涼に診断されている病名は自律神経失調症による躁鬱病、パニック症候群、睡眠障害である。
薬を受け取った涼は家に帰り出勤の準備を始めた。
そしてパキシルとデパス(精神安定剤)を飲み仕事に向かった。
涼は薬を飲まなければ家も出れないほどに病んでいたのだ…2007-05-13 15:16:00 -
5:
名無しさん
涼の両親は涼が三歳のころに離婚した。
もちろん涼に両親と暮らしていた頃の記憶はほとんどない。
涼の最も古い記憶は両親がケンカしてる横で必死に泣いている記憶だ。
そして母は涼を連れて家を出た。
母が涼を連れて行くと言った時の父の一言をいまでもしっかりと覚えていた。
「そんなガキいるか!!早く連れて出ていけ!!」
ねぇパパ僕はいらない子なの?2007-05-13 15:19:00 -
6:
名無しさん
涼の母は涼を連れて実家に向かった。
そこで祖父母と母との新たな生活が始まった。
「ねぇママ?僕はいらない子なの?」
涼の質問に母は答えた。
「涼はママにとってとっても大事な存在だよ。ずっとママの側にいてね。」
「うん!」
涼は満面の笑みで答えた。そんな普通の生活が半年ほど続いたある日…
朝、目覚めた涼は食卓に向かった。
隣にいない母を探すために。
しかしそこには祖父母の姿しかなかった。
「ねぇママどこ?」
「涼、ママはね遠くにお仕事しに行ったの。だからしばらく帰ってこれないの。だからいい子にしてママの事待ってようね。」
「嫌だ!嫌だ!ママ帰ってきてよぉ〜」
涼は泣き続けた。
それでも母はそこにはいない。
それから一年が過ぎても母が帰って来る事はなかった。
ねぇママやっぱり僕はいらない子なんだね…2007-05-13 15:22:00 -
7:
名無しさん
母が居なくなった時から涼は心を閉ざすようになっていた。
祖父母の努力も虚しく涼は心を閉ざしたままだった。涼はあまり口を開く事も無くただする事もイタズラぐらいのものだった。
そんな涼をそただてていくのに祖父母は限界を感じていた。
そして祖父母はある決断をする…
「涼、涼は明日から違う家の子になるんだよ。ごめんね。明日の朝に新しいパパとママが迎えに来るからその人達の元で幸せになるんだよ。」
「やっぱりおじいちゃんとおばあちゃんも僕の事いらないんだね。」
「涼違うの…私達も涼と離れたくないけどもう限界なの。涼のためにもこのほうがいいの。」
「いいよ。僕はいらない子なんだってわかってるから…」
祖母は自分のふがいなさに泣き崩れた。
心身ともに限界だった…
そして次の日の朝を迎えた…2007-05-13 15:23:00 -
8:
名無しさん
涼の家に四十代ぐらいの夫婦がやって来た。
涼を養子として迎えにきたのだ。
「君が涼くんだね?私達が新しいパパとママだよ。よろしくね。」
「うん。」
涼は愛想なく答えた。
夫婦は祖父母と軽く挨拶をかわし涼を連れて家に向かった。
その車の中、義父は涼に話しかけた…
「私達夫婦はずっと子供が欲しかったんだけどね全然できなかったんだ。どうしても子供が欲しくて、その時涼君の事を聞いて是非ひきとりたいと思ったんだ。だから私達の事を本当のパパとママと思ってね。」
「おじさん達は僕のこと必要なの?」
「当たり前じゃないか!」この人達は僕が必要なの?いらない子じゃないの?
信じていいの?2007-05-13 15:29:00 -
9:
名無しさん
しばらく車を走らせ家に着いた。
キレイでなかなか豪華な家だ。
「ほらここが涼君の部屋だよ。」
案内されて部屋には涼のために買った玩具や服などがたくさん置いてあった。
「これ僕の?ありがとう!」
涼は笑顔で言った。
「涼の笑顔はかわいいな。お昼ご飯できたら呼びにくるからここで遊んでなさい。」
「うん。」
涼は与えられた環境に満足していた。
玩具や服を与えられた事より自分のためにここまでしてくれた事をだ。
涼は楽しそうに与えられた玩具で遊んでいた。2007-05-13 15:32:00 -
10:
名無しさん
「涼ご飯の時間だよ。」
「はい。」
涼は義父に呼ばれ食卓に向かった。
涼は置いてあった料理に手をつけようとした。
「こら!涼!いただきますは!」
「いただきます…」
「よし…なんだ!その箸の持ち方は!こう持つんだ!わかったか!」
なれない持ち方をした涼はご飯をポロポロとこぼした。
「コラ!なんでこぼすんだ!しっかり持ちなさい!」「……。」
「なんだその目は!ごめんなさいだろ!」
ずっと心を閉ざしていた涼はろくな教育を受けていなかった。
ましてや怒られた事さえもなかったのだ。
「まぁいい!しかしうちの子になったんだからしっかりとした人間に育てるからな!」
それから義理の親達は涼をことある事に怒鳴りつけた…
なんでこの人達はこんなに怒るんだろ?
でもなんか嫌な感じだな…2007-05-13 15:33:00