小説掲示板君のとなりのスレッド詳細｜夜遊びweb関西版

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君のとなり

• 1:

  kaco

  君のとなりで笑うことが、私の一番の幸せ。
  あなたの笑顔を見るだけで、声を聞くだけで、心が温かくなる。
  
  君は、君の幸せは、なんなのだろう。
  

  2007-04-22 16:46:00
• 2:

  kaco

  「ども！よろしく〜」
  
  今日は私の21回目の誕生日。なのに、周りには知らない人だらけ。誕生日なのに祝ってくれる彼氏なんていなくて、誕生日パーティーなんてものを開いてくれる程の友達なんていなくて、男友達に飲み会を開いてもらった。
  やっぱり誕生日を一人で過ごすのは、寂しすぎる。別に一人が嫌いでもないし、彼氏という存在はいてもいなくてもどっちでもいいけど、さすがに誕生日は一人でいたくなかった。

  2007-04-22 16:53:00
• 3:

  kaco

  飲み会といってもコンパみたいなもん。
  女側の主催者が私だから盛り上げるのに必死。まぁ、コンパに行くと、主催だろうがなかろうが結局盛り上げ役になってしまう私。毒舌っぷりがどうしてもそういうキャラになってしまう。
  

  2007-04-22 16:58:00
• 4:

  kaco

  『美幸！次お前の番。』
  私は美幸。大学生。ボーリングに来ている。夏休みに入ってBBQしたかったけど雨だからしかたがない。
  「へーい、サンキューわたっち」
  彼は渡部。今日を開いてもらった私の兄的存在であり良き理解者。可愛がってくれてる男友達の一人。

  2007-04-23 10:42:00
• 5:

  kaco

  女友達よりも男友達の方が多い。だって楽だし、自分を作らなくてもいい。言いたい放題言ったって、しょうがねぇなぁの一言で終わる関係が好き。
  それが気にくわない人は離れてく。同い年が多いかな。怖いんだと。
  そのおかげで周りの男は年上ばかり。でも、そのほうが楽しい。

  2007-04-25 20:37:00
• 6:

  kaco

  「美幸ちゃん？」
  横を見ると、にこっと笑った彼。
  「次俺らがチームだって」
  そうしてまた、にこっと笑う。これが慶吾との出会い。笑うとくしゃっとして、目が細くなる。犬みたいでかわいいな。そう思った。このときは本当にただこれだけ。

  2007-04-25 20:44:00
• 7:

  kaco

  慶吾の存在は大分前から知っていた。顔と存在だけ。お互い接点はたくさんあったのに、今のいままで会うことはなかった。
  彼もそう。私は彼の同じ学校の人と付き合っていたし、彼も私の同じ学校の子と付き合っていた。お互い時効になるようなぐらい昔のことだけど。だから彼のよくない噂は聞いたことがあった。
  『軽くて浮気魔』
  実際のところはわからないし、なんでこんな奴連れてきたんだとは言わなかった。ただ、深入りしないように壁を作ってはいた。

  2007-04-25 20:53:00
• 8:

  kaco

  でも、それは慶吾にだけじゃない。私はどんな人にでもまず、壁を作る。もう、癖になってしまっている。
  どんな人かを見ていって、相手への接し方を決める。
  
  もう、傷つきたくないから。。。

  2007-04-25 20:59:00
• 9:

  kaco

  「・・・やったー！」
  ストライクをとって喜んで彼の元へ駆け寄る。タバコがかかっているから喜びはいつもの倍。
  一緒にはしゃいで笑って。久しぶりに心から楽しいと感じた。
  突然慶吾の動きが止まって、やさしい笑顔で私の頭をポンポンっと撫でた。変な感覚だった。

  2007-04-25 21:30:00
• 10:

  kaco

  内緒にしてるけど、本当はこの時ちょっと、ほんのちょっとだけドキドキしたんだ。
  
  
  でもこの時は、その感情を感じたのが久しぶりで、分からなかった。

  2007-04-25 21:36:00
• 11:

  kaco

  「そろそろいい時間じゃん。飯食いに行こっか」
  なべっちが声をかける。みんなそれぞれの車で来てるからご飯屋さんで再度集合になった。私は友達を一人乗せてそこへ向かう。
  車に乗った途端、なんだか、どっと疲れがきた。気を使いながらはしゃいで、精神的に少しまいった感じ。一人で過ごした方がよかったかな〜なんて思ってみたり。

  2007-04-28 23:36:00
• 12:

  kaco

  でも、店に着いてから、やっぱり今日を開いてもらってよかったと心から思った。
  
  
  友達っていいなって、今日を迎えられてよかったって、本当に思った。

  2007-04-28 23:38:00
• 13:

  kaco

  「おめでとー！」
  一番最後に着いて、謝りながら個室に入っていった私に向けられた最初の言葉。放心状態の私の目に飛びこんできたのは大きなホールのイチゴケーキだった。
  アミはしてやったりと、舌を出して笑っている。
  やられた〜って言いながら、涙が出てきた。本当に嬉しかったんだ。

  2007-04-28 23:50:00
• 14:

  kaco

  21歳になったと同時に、友達に対しての気持ちというものが、ちょっと変われたと思う。
  それは、この日に祝ってくれたみんなのおかげ。
  
  「ありがとう」を何回言っても足りないな。

  2007-04-28 23:53:00
• 15:

  kaco

  それからは飲んで食べて騒いだ。なぜか慶吾の隣が空いていたから私の隣は慶吾。
  反対側にはシャイな良樹。度が超えるぐらいに女の子としゃべれないらしい。私はそんな良樹をからかって楽しんだ。
  私の前は詠二。お酒が全く飲めずずっとコーラ。でも、コーラで酔えるらしい。
  このときも私の毒舌は快調。酔っ払えば更にすごくなる。

  2007-04-29 23:56:00
• 16:

  kaco

  でもこうなったのは１年前から。前の彼氏と別れてから強くなった。
  
  
  もう、傷つきたくない。もう、男で泣きたくない。そう心に決めたから。

  2007-04-30 15:43:00
• 17:

  kaco

  慶吾とはたくさん話した。笑うツボが一緒で、いっぱい笑った。楽しい奴だなぁって思った。
  
  そろそろ解散という時、また遊ぼうねって約束した。でも番号は交換しなかった。なんかしたくなかった。こわかったんだ。

  2007-04-30 15:47:00
• 18:

  kaco

  「またね。今日はほんとにありがとう」
  
  そう言ってバイバイした。慶吾に何か話しかけられそうだったから逃げるように帰った。
  慶吾の瞳に吸い込まれそうだったから。何か辛そうだったから。

  2007-04-30 15:57:00
• 19:

  kaco

  気付けばもうテスト前。テストが終わって夏休み。本当は誕生日〜なんて浮かれてる場合じゃないんだよね。
  家で進まない勉強を眺めながらボーっとしてた時、携帯が鳴った。
  

  2007-04-30 16:03:00
• 20:

  kaco

  ディスプレイには知らない番号。
  「もしもし？」
  『美幸ちゃん？えっと、この間はお疲れ。』
  「えーっと、誰？この間とは？」

  2007-04-30 16:07:00
• 21:

  kaco

  『あ、ごめん。慶吾だけど、今大丈夫？番号渡部に聞いてさ。なんか電話しろって言われて』
  「え？慶吾？わざわざごめんね。お礼言いたかったんだ」
  わたっちにお礼したいなって言ってた私。でも次あった時にって思ってたからまさか電話をくれるなんて思わなくて驚きは半端なかった。
  でも、正直なところ嬉しかった。

  2007-04-30 16:14:00
• 22:

  kaco

  会話が途切れることなく弾んで、気付けば１時間以上しゃべってた。くだらない話だったけど、楽しかったのを覚えてる。ずっと笑ってたな。
  
  電話を切るとき「バイバイ」って言いたくなくて「またね」って言ったんだ。慶吾も「じゃあ、またね」って言った。
  次もあるって思いたかったんだ。

  2007-05-01 22:19:00
• 23:

  kaco

  
  
  今思えば、この時から君のことが気になっていたんだね。

  2007-05-01 22:23:00
• 24:

  kaco

  テストが無事終わって夏休み。私はネイルサロンでバイトをしている。平日はほとんどバイトで忙しい毎日だった。
  慶吾とは一回電話しただけで、たまたまみんなで遊んでる時に会ったり、わたっちに電話してそこにいたから少し話したりと、その程度だった。
  でも、なんとも思わなかったし、男友達の一人な感覚。
  ホントにその程度だった。

  2007-05-01 22:29:00