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Dearest LOVE

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  • 1:

    雪弥

    今まで愛した人は一人も居なかった。
    あなたに会えて変わった。愛する事を知った。
    あたしは汚れてますか・・・?

    2005-06-08 15:47:00
  • 51:

    京はセクの内容をもちろん知っていたし、何故私がキスを拒んだか分かっていた。
    だから無理矢理にでもキスをした。
    私は精一杯の笑顔で言った。
    「スキでもない人とお金の為にキスをしたよ・・・?」
    『だから?』
    京はキスをやめなかった。「京まで汚してしまう・・・。」
    私の目から涙が溢れた。

    2005-06-08 16:30:00
  • 52:

    『他人の為に動ける人間を汚いなんて思わん』

    朝を迎え、京が私の顔を見て言った。京はその日休みだった。
    お客さんからの電話も出ずメールも返さなかった。

    2005-06-08 16:31:00
  • 53:

    京はできる限りの時間を使い、私を支えてくれていた。
    風邪をひいた事を伝えると予定をすべてキャンセルし、仕事明けの疲れた体で私の看病をした。

    せめてもの恩返しにと私は“いい女”を目一杯演じた。

    2005-06-08 16:32:00
  • 54:

    昔の家庭環境のトラウマからか、精神的に弱かった私は夜の仕事のストレスから毎日食べては吐いてを繰り返した。

    京の仕事に対しての不安もあったから。

    セクに勤めてから1ヵ月が過ぎようとしていた。
    京からのメールだ
    『仕事が終わったらキャッチ場に来てほしい』

    私は迷走した。

    2005-06-08 16:33:00
  • 55:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 56:

    初めて行ったホストクラブ。
    イメージとは違い、シンプルで私にはキラキラして見えた。

    ワイワイ騒いだりする場ではなく、落ち着いて呑む雰囲気の場所だった。

    2005-06-08 16:35:00
  • 57:

    まだ早い時間だった為、従業員は出払っていて2人だけの空間になった。
    見る物すべてが新鮮で子供に戻ったようにはしゃいだ。
    二人で乾杯をし、ふざけたり真剣に向き合ったり。

    心のバランスはとても曖昧で、気を張っていないと崩れてしまいそうな中、信じたかった。
    私の選択は間違ってはいないと・・・。

    2005-06-08 16:36:00
  • 58:

    京には体の不調や毎日吐いている事、ホストという仕事への不安を私は一切口に出す事はなかった。

    でもそんな無理は限界が早かった。

    京はそんな気持ちを何も言わない私から感じたらしく
    『水を上がれ』と言った。

    2005-06-08 16:37:00
  • 59:

    私は
    「それだけは嫌だ」
    と言った。
    私が京の役にたたなくなった時の現実はまだ見たくはない。
    京は
    『夜行かなくてもいい。お前が精神的に潰れてしまうなら俺は一緒には居れない。でも、ずっと傍に居てほしいから、そうはなってほしくない。だから俺に合わせる事はないよ』
    と言った。

    2005-06-08 16:37:00
  • 60:

    この時初めて私はホストではなく“京”という一人の人間を信頼するという気持ちを知った。

    あの時の京の言葉は本心なのだろうと思えたからだ。
    昼の仕事をしたって、彼は私を必要としてくれると素直に信じた。

    2005-06-08 16:38:00
  • 61:

    京は何でも話してくれるようになった。京の心に
    “雪弥は裏切らない”
    という感情が生まれたのだろう。
    私は精一杯割り切っていたから。
    色カノが何人か居る事、その色カノ達が毎日稼いでいる額など様々だった。

    色カノの存在が後に私を苦しめる事になる。

    2005-06-08 16:39:00
  • 62:

    私と京は彼氏・彼女になって1ヵ月を迎えた。
    京は
    『雪弥は俺の都合の悪い部分に口を出さないで無償の愛情をくれるから、精神的に安心出来るし全てうまく行き始めてる』
    と言って私に花束とキスをくれた。
    私はその京の気持ちが嬉しくて、ある一つの決心をした。

    支える為なら何でもすると・・・。

    2005-06-08 16:40:00
  • 63:

    私が選んだ道は、
    ・・・ソープだった。
    他人からすれば理解出来ない考えかもしれない。
    分かっている。
    相手はホストだ。
    だけど私にとってはホストではなく一人の男だ。

    私は絶対的な信頼をしていた、母を慕うような感情に似ていた。
    そう…刷り込みのような感覚。

    2005-06-08 16:41:00
  • 64:

    仕事初日の朝、緊張と恐怖から吐き気が止まらなかった。
    出勤時間が迫る。
    時間をあんなに長く感じたのは初めて・・・。

    家を出る時間だ。
    出勤すれば、元の生活に戻れない。
    恋愛も京が最後になるだろう。そんな覚悟だった。

    2005-06-08 16:42:00
  • 65:

    部屋を出る瞬間、せきを切ったように涙が溢れた。
    “頑張るって決めたんだ”そう自分に言い聞かせ、涙を止めた。

    電車に乗る。仕事の事が頭から離れない。
    また涙がでそうになる。
    私は弱い・・・。

    “姫”
    それが私のもう一つの名前になった。

    2005-06-08 16:43:00
  • 66:

    プルルル・・・。
    個室で待機していると、コールがなった。
    口から心臓が飛び出そうな感覚。
    「…はい。」
    『お客さまが待ってるからスタンバイ宜しくね』
    「…わかりました。」
    初めてのお客さんだ。

    2005-06-08 16:44:00
  • 67:

    階段の前に正座をし、お客を迎える。

    ートントントン・・・ー

    足音が近づく。
    私は覚悟を決めた。
    この時の私はさっきまでの私とは別人のように、
    凛としていた。

    2005-06-08 16:44:00
  • 68:

    「いらっしゃいませ」

    指をついてお辞儀をした。

    2005-06-08 16:45:00
  • 69:

    部屋に入り、ひざを着いてお辞儀をした
    「初めまして・・・姫です」とても柔らかく穏やかな笑顔だったと言う。

    一人目の相手が終わると、私は初めて泡姫(風嬢)となった。

    ーもう恐い事などない。大丈夫。私ならやれるー

    2005-06-08 16:46:00
  • 70:

    まったく抵抗が無かった訳じゃない・・・。

    知らない男のモノを自分の中に受け入れるのだから。スキな人がいるのに・・。目を閉じると・・・、

    そこには京が居た…。

    涙がこぼれるのを必死に耐えた。
    私は笑顔で“姫”を演じた。

    2005-06-08 16:47:00
  • 71:

    感覚と言う物は麻痺する物で、“平気だと思えるようになるもんだな”
    そう思った

    身を削る思いで稼いだお金・・・。

    京に会いたい・・。

    2005-06-08 16:48:00
  • 72:

    そのまま終電で夜の梅田に出た。
    京と待ち合わせをし、店に向かった。

    『セクはちゃんと辞めて家でおとなしーしてたか?』「うん。」

    2005-06-08 16:49:00
  • 73:

    店が終わり送り出しの時がきた。
    タクシーに乗り込む直前
    覚悟を決めた。
    「京・・・」
    『うん?』
    「別れてほしいねん」
    私は精一杯笑った。

    2005-06-08 16:50:00
  • 74:

    『・・・は?何言いだすねん!!ずっと傍におる言うたやんけ!』
    タクシーのドアが閉まり、京が遠くなる。
    私は泣かなかった。

    私が伝えたかった言葉は別れなどではなかった筈だ。
    でも、他の男に抱かれながら彼女でいたいなど、願ってはいけない。

    2005-06-08 16:51:00
  • 75:

    04/8/2 13:41
    ☆少し内容を中断して、書きたい事と言うか、報告があります。京との事はノンフィクであり、現在進行形だったのですが。さっき別れを告げられました。私の真っすぐさが彼にとって辛くなる結果を招いたそうです。『俺と出会わなければ、もっと違う道があったはず』だと。引き止めても彼は別れる事を取り消さなかった。

    2005-06-08 16:52:00
  • 76:

    私自身、今どうしたらいいか分からなくなっています。ソープにいった事、彼に出会って恋をしたこと、全部後悔していません。
    むしろ感謝の気持ちでいっぱいです。辛いけど、時間をかけて小説を書きあげたいと思います。私は今、気が狂いそうですが、彼は彼なりに苦しんだ結果なので。受け入れました。

    2005-06-08 16:53:00
  • 77:

    私と彼の別れるまでの事もすべて最後まで書きます。別れた今、これから感情がどう変化するのかは分かりませんが、彼から貰った愛情や思い出をゆっくり形として残して行きます。
    自分事ですいません?
    私の顔は泣き過ぎて今、見れたもんじゃない笑。
    これからはもっと強くなります、彼を見返すくらいイイ女になります。絶対幸せになる!!って決めました。どうぞ暖かい目で見守って下さい?

    2005-06-08 16:54:00
  • 78:

    ウチに帰ると後悔が押し寄せた。
    “何やってんかな本間”

    自分自身を責めても何も変わらない事くらい分かっていたが
    “これで良かったのだ”
    と思うしかできなかった。 電話が鳴った。
    京からだ・・・。

    2005-06-08 16:55:00
  • 79:

    とにかく会って話そうと言われた。

    合わせる顔がなかったけど、京の為に頑張るって決めたんだから、ちゃんと気持ちを言わないと
    伝わらないし意味がない。

    2005-06-08 16:56:00
  • 80:

    節目を迎えていた。
    過去の事を話す日が来た。
    恐くはなかった。
    京を信じていたから。

    京が仕事明けに家にきた。『ちゃんと話してくれな分からん。』

    ーあぁ、この人は私をまだ理解しようとしてくれてるー

    2005-06-08 16:56:00
  • 81:

    ゆっくりと、言葉を選びながら私は切りだした。

    昔ホストに騙された事。友達に裏切られた事。
    自分には赤ちゃんが産めない事(省略したが私は子供が出来ない体らしい。)

    京はだまって聞いていた。

    2005-06-08 16:57:00
  • 82:

    「今、風俗で働いてるよ…」
    京は一瞬顔色が変わり、下を向いたまま私を見なかった。

    『何でそこまでするねん・・・何でや・・・。』

    京のつぶやいた言葉に、私は胸に何かが突き刺さった感覚がした。

    2005-06-08 16:58:00
  • 83:

    そして、18の頃の忌々しい出来事を話した。
    京は最後までだまって聞いてた。
    少し目が潤んだように見えた。
    「京…。私はっ…本命じゃなくていい…からねっ?……彼女作って…ほしいよ」私の目から大粒の涙がこぼれた。
    間髪入れず京が言った
    『彼女はお前じゃっ!!他の奴なんかどうでもええ!』
    力一杯抱き締めながら京がそう言った。

    「私はっ・・・苦しいよぉ」子供のように声をあげて泣いた。

    2005-06-08 16:59:00
  • 84:

    少し時間が経ち、大分落ち着いた。
    目が腫れてぱっちり二重は三重位になった笑。

    「京はママのように暖っかいっ☆」
    ぎゅう〜っとコアラのように京にへばりついてた。

    京はその日初めて笑った。そして21年間生きてきて、初めて
    『愛してる』
    と言われた。

    2005-06-08 17:00:00
  • 85:

    その日は本当に本当に幸せな日で、生まれて初めて体験する
    “愛し愛された日”
    になった。
    京は私を子供のように大切に抱き締め、
    『体しんどくないか?大丈夫なんか?・・・もう泣いたらあかんよ』
    と言っていっぱいキスをした。
    何度も何度も確かめ合った・・・。

    2005-06-08 17:01:00
  • 86:

    しばらくして私はサイトで一人の女の子と出会った。
    スレの内容は、悩みや大好きな気持ちを書き込みするモノだった。
    そこで、一人の女の子
    “のんちゃん”(もち仮名です☆)と出会う。
    のんちゃんは、彼の気持ちが分からないと迷い悩んででいた。
    私はその時、精神的なものから、他人に優しくできる状態では無かったが、
    その子をほっとけなかった。

    2005-06-08 17:02:00
  • 87:

    私は出来る限りの知識で、のんちゃんにアドバイスをした。
    そして、のんちゃんと直?を始めた。
    私達は写メでしか顔を知らなかったが、私が迷った時、京と喧嘩して別れると言った時、本気で話を聞いてくれた。
    私ものんちゃんが辛い時、悲しい時は励ました。

    2005-06-08 17:03:00
  • 88:

    嬉しかった。私みたいなちっぽけな人間でも、誰かを励まし導いてあげれるのだと・・・。
    しばらくして、のんちゃんが彼と両思いになったのだと聞いて、自分の事のように嬉しかった。
    のんちゃんは今、その彼と愛し愛された日々を送っているのだろう。

    私はのんちゃんに感謝している。省略して書けなかったが、私は彼女が居て救われた。

    ーこれも一つの愛のカタチー

    2005-06-08 17:04:00
  • 89:

    ソープで働きだした私は、精神的に辛くなる事もなく、安定していた。
    愛する人がたくさん出来たから・・・。
    京、のんちゃん、8年間毎日一緒に居た友達。

    私は家庭環境には恵まれず愛を知らなかったが、たくさんの愛のカタチを学んだ。
    一番幸せな時期だっただろう・・・。

    2005-06-08 17:04:00
  • 90:

    京とも順調だった。
    風嬢になっても京は私をとてもとても大事にしてくれた。
    お店に行った日は2時頃からラストまで居て、近くの喫茶店で待ち一緒に帰る。
    だけどいつからか私は、京のお客さんに罪悪感を持ち始めていた。

    2005-06-08 17:05:00
  • 91:

    仕事は順調だ。指名客も付き始め体力的にも辛くなくなってきた。
    ただ、お客のモノが入ってくる時だけは違和感が頭から離れず、私は京を想い目を閉じるのだった。
    京の顔、指の動き、吐息全て・・・。
    お客は京の代わり。
    そうじゃなきゃ私は私で居られない。
    ーせつない・・・苦しいー

    2005-06-08 17:06:00
  • 92:

    “京、苦しい・・。”
    私は京の前では必死に笑顔を作った。
    “心配かけちゃダメた”
    私はその思いで必死だった。
    私は京によくこう言っていた
    『例え騙されてたとしても私が騙されてないと思えばそれもまた真実』と。
    『ここまで人を愛する事が出来て私は幸せだ』と・・。

    2005-06-08 17:07:00
  • 93:

    私は仕事で出勤してから、終わる時間まで休憩なく働いていた。

    だけど、稼いでも稼いでもお金がない・・・。
    その頃には毎日仕事が終わると京のお店に行ってたから・・・。
    私は間違ってたのだろうか…?

    2005-06-08 17:08:00
  • 94:

    私には、勝手に自分の中で決めた暗黙のルールがあった。
    《出勤前には電話ではなく、メールをする。(寝てる時間だろうから)
    京が休みの日には自分からはメールも電話もしない。嫉妬心は出さない。
    干渉や束縛ももちろんしない。
    仕事の事には口出ししない・・・。》
    “いい女”でありたかった。

    2005-06-08 17:09:00
  • 95:

    そんな私でも幾度か別れを考えた事もあった。
    まだ私が京に不信感を持つ前の事…。

    京は休みの日の殆どを私に使った。
    お店で何十万とお金を落とす子ですら京と休みを一緒に過ごす事はない。
    連絡すらつかない。

    2005-06-08 17:10:00
  • 96:

    優越感など持てるはずもなく、
    私が居たら京はお客さんの為の時間を作れない。
    仕事の邪魔になっている気がして、
    離れるべきだろうと考え始めた。

    京はそんな私にいつも
    『お前が一番しんどい思いをしてるんやから』
    と頭を撫でてくれた。

    2005-06-08 17:11:00
  • 97:

    私は心の底から京を信じてた・・・。愛してた。
    だからこそ辛くなる時期もあった。

    Hをする度ソレは増す。
    自分が“風嬢”だから…。
    いつもそれが引け目に感じた。
    京にソレを言うと怒られるから必死に心の底に沈めた。

    2005-06-08 17:12:00
  • 98:

    私はいつもお客相手には濡れない。
    だけど京と居る時は一緒に居るだけで濡れてた。
    体は正直やわ。

    お店の中。いつも私と京は仲良し。
    誰にも見つからないように何度もキスもした。
    強引に甘く・・。
    京のいぢわる☆
    ドキドキする…。

    2005-06-08 17:13:00
  • 99:

    私の日課は出会ったばかりから現在までの、
    京からのメールを見返す事。
    “会いたい”とか
    “ゴハン作って待ってて”“雪弥これ以上可愛くならんといて”
    ー京・・・甘い言葉吐き過ぎっ?ー

    でも、幸せな時間の一つ。初めて家に来た日を思い出すから。

    2005-06-08 17:13:00
  • 100:

    それは出会ってから何日か経った時。
    お互いスキだって自覚済みだった。
    京からメール
    “仕事明けおうち行くね”
    やったぁ、会えるんだっ嬉しいな〜。
    私はくすぐったい気持ちでイッパイ。

    京が家に来た。私が作ったゴハンを一緒に食べて、時計を見ると昼の2時を回っていた。

    2005-06-08 17:14:00
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