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★ルックス----番外編(祐君)-----

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  • 1:

    主から

    【歌を歌ってなければ 出会ってなかったかもしれない〜♪
    君の帰る姿 ずっと見てたんだ〜♪ 冷たい風 手がかじかんで〜♪
    君はホットコーヒーをくれた〜 君の優しさが今僕を温めてくれた〜♪ 】

    2007-03-31 00:50:00
  • 2:

    気がつけば、俺はベットに座りギターを弾きながら歌っていた…
    5年前 あの子と出会った日の事を…

    2007-03-31 00:55:00
  • 3:

    忘れもしない、春の夜 灘波駅 俺はギター1本 
    寒さに震え歌っていた。

    2007-03-31 01:01:00
  • 4:

    主から

    お風呂〜

    2007-03-31 01:04:00
  • 5:

    そんな俺に、温かいコーヒーを差し入れた彼女が好きになった。

    2007-03-31 01:44:00
  • 6:

    「もう…合わす顔無い…」
    「は?意味分からん…。」
    突然、彼女との別れはやってきた…その変わり、俺は彼女から 相当厄介な物をいただいてしまった様だ…。

    2007-03-31 01:53:00
  • 7:

    「うち…ウチな…今月の売り上げ悪くて…お客さんが1回本番やらせてくれたら…お金くれるって言うから…」
    「もういい!聞きたくない!」
    「待って!切らんといて!」
    「…。」

    2007-03-31 01:58:00
  • 8:

    彼女はよっぽど俺に伝えたい事が有るのか、泣きながら必死で話してきた。
    「2,3日前から風邪気味で病院行ったねん。気になってエイズの検査してもらったねん…。でも…発症するまで」

    2007-03-31 02:03:00
  • 9:

    電話を切った。
    突きつけられた事実…
    (エイズ?…俺エイズ?)
    脳ミソの血が無くなった様に 俺の頭は真っ白になった

    2007-03-31 02:07:00
  • 10:

    「あははっ…あはっ…嘘やろ…、エイズとか嘘やろって!!」
    拳を握り絞めてベットの足を 手が腫れ上がるほど殴った…。
    シーンと静まりかえった部屋 今さっき告げられた「エイズ」という不気味な名前に
    俺は声を殺し、涙を堪えた。

    2007-03-31 02:20:00
  • 11:

    朝が来て…夜が来て また朝が来る
    ベットに寝たまま何日過ぎただろう…
    飯も食う気にならない 顔を洗うのも 携帯に出る事も

    2007-03-31 02:25:00
  • 12:

    名無しさん

    りぁるっ がんばれ??

    2007-03-31 02:25:00
  • 13:

    どうせなら、このまま「飢え死に」してもイイと思った。
    どうせ死ぬんだから…

    2007-03-31 02:30:00
  • 14:

    そして、瞬きさえもする気が無くなった俺は ゆっくりと目蓋を合わせた。
    何も考えず、真っ暗な世界に吸い込まれる…

    2007-03-31 02:37:00
  • 15:

    12さん
    うん、がんばる。よかったら「★ルックス」を見ていただくとより楽しんでいただけると思います。ヨロシク。

    2007-03-31 02:41:00
  • 16:

    グ〜ゥ…
    突然、静まりかえった部屋に鳴り響いた音…俺の腹が鳴る音
    そういえば、電話をとったその日から何も口にしていない。
    俺の体は、食べ物を欲しがり 必死に生きようと頑張っている様だ…

    2007-03-31 02:47:00
  • 17:

    (ぁあ…腹、減ったな…。)
    目を開き、辺りを見渡した
    次の瞬間 俺の黒目はテーブルに置いたポテトチップスの袋に移っていた

    2007-03-31 02:51:00
  • 18:

    ゴクッ…
    唾が喉を通る
    (食いたい…)
    俺の体はポテトチップスを求めた。確かに欲求している 生きたい!生きたい!…と。

    2007-03-31 02:54:00
  • 19:

    名無しさん

    12です 全部みてましたよ?初めてかきこさせていただきました

    2007-03-31 02:57:00
  • 20:

    ノソノソと ベットから抜け出し、ポテトチップスに手を延ばす…
    黄色い袋を手にした瞬間 無性に食欲がわいてきた
    パンッ
    袋を勢い良く開け 夢中でほうばる 下に溜まった粉まで

    2007-03-31 03:00:00
  • 21:

    主から

    19サン
    ありがたいです本当に!これからも応援お願いします!

    2007-03-31 03:03:00
  • 22:

    ポテトチップスだけでは治まらない
    台所にあったカップラーメンに湯を注ぎ入れ 麺がふやける前に口に突っ込む
    犬の様に汁をそこら中に捲き散らしながら…

    2007-03-31 03:07:00
  • 23:

    「ぷはっ…ゲプッ!」
    俺の体に命が入る。 ゆっくりと、ゆっくりと… 
    乾ききったスポンジに水を注ぐ様に。

    2007-03-31 03:10:00
  • 24:

    「生きたいんや…俺は生きたいんや。死にたくない!」
    驚いた 生きる為の源、食べ物の威力…
    そして自分の生命力

    2007-03-31 03:15:00
  • 25:

    後ろにあったベットの下の木にもたれ掛かり、天井を見つめる
    (そうやん、別に死ぬなら今死なんでもイイんやん!)
    「ははっ…そうやんな、生きれる所まで生きたらいいねんな。それだけの事やんな!」

    2007-03-31 03:20:00
  • 26:

    壁に掛けてあった日捲りカレンダーはあの日のまま、…
    (ちょ…今日なんにちよ…)
    右手を机に置いた携帯に延ばし開いた
    パカッ

    2007-03-31 03:29:00
  • 27:

    (17日?)
    カレンダーにもう一度目をやる
    12日
    「はぁ?5日も寝てたんかよ!」

    2007-03-31 03:32:00
  • 28:

    (もったいなっ5日も無駄に生きてしまったわぁ、何かアホらしいなって来た 笑)
    「あぁ〜あ!もう病むの飽きたわ〜!」
    俺は、完璧に開き直った どうせいつか死ぬんやから自分の生きたい様に生きようと決めた。

    2007-03-31 03:37:00
  • 29:

    「あぁ!カズヤ?電話くれてたみたいやな、どないしたん?」
    『どないしてたん?はお前じゃよ!メールも返ってけーへんし、電話しても出ぇーへんしダルイよ〜』
    「ちょっと…病んどってな〜出る気しーひんかったねん。ゴメンやでっ!」
    『そうかよ、もう大丈夫なん?』

    2007-03-31 03:44:00
  • 30:

    「おぉ、もうなんとかイケそう。」
    『お前運いいな〜!笑 今日さ〜アヤちゃんっていう俺のツレがな〜合コンしよう!言うてさ〜丁度あと1人足りへんねんよ〜お前来いよ〜!』

    2007-03-31 03:48:00
  • 31:

    「そうなん?行こうかな 笑」
    ヤケクソだった、楽しい空気に身を置かないと、またベットで過ごしそうだったから…。
    そんなつまらない生活でいつまで続くか分からない人生を終わらせるのが勿体無くなった

    2007-03-31 03:52:00
  • 32:

    電話を切った。
    クンクン…
    (何か…汗くさっ!5日も布団被ってたからな…取り合えず風呂はいろっ。)
    スエットとパンツを、その場で脱ぎ捨て裸のまま風呂場に向かう   俺の普段の生活に戻った。

    2007-03-31 03:57:00
  • 33:

    「あっつい!」
    シャワーから物凄い温度の水が頭から降って来た
    肌が真っ赤に色を変える

    2007-03-31 04:01:00
  • 34:

    名無しさん

    どんだけ〜ワラ?

    2007-03-31 04:06:00
  • 35:

    (でも、この温度を感じられるのは…この体があるから。赤くなったのは…俺が生きてるから。)
    そう思うと…この肌の熱さと、ヒリヒリ感も 何だか嬉しかった。

    2007-03-31 04:07:00
  • 36:

    主から

    34さん
    祐君は寝ぼけてたんでしょう。笑 「どんだけ〜!」に主は笑いました。
    失礼ですが…オカマさんじゃ無いですよね?・ 

    2007-03-31 04:10:00
  • 37:

    髪をタオルで拭い、ドライヤーで乾かせる。
    (はっ、スッキリした。服どないしよ?まっええか、どうせ人数合わせやし。気合入れてカワイイ子お持ち帰りしてもH出きひんもんな。)
    クローゼットを開き一番上にあった服を適当に選んだ。
    「コレでええわ。」

    2007-03-31 04:18:00
  • 38:

    Gパンに足を入れながら新たな事実を思い知った。
    (そっか…俺。惚れた女ともH出けへんのや…。)
    些細な事だが…大きな屈辱だった。
    自分の欲望を満たすために、無神経な事は出来ない。

    2007-03-31 04:26:00
  • 39:

    もも

    何かしらん間にめっちゃ書いてますやあん??
    頑張って下さい??

    2007-03-31 04:29:00
  • 40:

    中には、自分がエイズと知りながら幾らでも女を犯す男も居るみたいだが…俺はそんな事だけはしまいと心に決めた。
    「よっしゃ!行こ」
    俺は病んだ空気が渦巻いた部屋の鍵を閉めた。

    2007-03-31 04:30:00
  • 41:

    主から

    ももさんへ
    見てくれて、いつもありがとう。

    2007-03-31 04:34:00
  • 42:

    「生中!」
    『ユウスケ〜!お前今日飲みすぎ!』
    「エエやんけ〜!楽しんでるんやから。」
    『ヤケ酒かよ〜チンコ付けとるくせに女々しいのぉ〜』

    2007-03-31 04:39:00
  • 43:

    「居酒屋で酒飲んで何が悪いんよ」
    『そっかそっか、飲め飲め!じゃんじゃん飲んで、さっさと忘れてまえっ!』
    「酒飲んだ位で 忘れられたらいいんやけどな…。」
    『なんなよ〜!何病んでんねんっ言うてみいや〜!』

    2007-03-31 04:46:00
  • 44:

    「ウブッ……何か…気持ちワリィ…」
    『おい!頼むからココでゲロだけはすんなよ!』
    「…ウッ…無理…もう出そう…。」
    『ちょ!お前らそこドケ!ユウスケがゲロ吐きそうって』

    2007-03-31 04:50:00
  • 45:

    カズヤに支えられフラフラになりながらトイレで吐いた。
    (気持ち悪〜酒に頼った俺が悪かった…)
    「うっ…オエッ…」

    2007-03-31 04:54:00
  • 46:

    胸悪さは治まったが、この後合コンの席に着くのが恥ずかしい
    地面が波打つ中、1人でヨロヨロよろけながら部屋に帰り
    倒れ込む様にベットに寝た 
    すぐに睡魔が襲い、何も考える暇もなく意識はとおのいた。

    2007-03-31 05:00:00
  • 47:

    主から

    主にも睡魔は襲いかかっているようです。
    だから、寝る。

    2007-03-31 05:03:00
  • 48:

    名無しさん

    すッッごい更新早いね!

    2007-03-31 09:56:00
  • 49:

    〜♪〜〜♪〜♪
    朝目覚めて1番にすることがある  ギターを弾く
    両手で弦を弾いていると無心でいられる…
    「そろそろ行くか…。」

    2007-03-31 11:35:00
  • 50:

    昼過ぎの電車は混んでいる、ギターを床に置き つり革に摑まる
    窓の風景は、徐々に瓦の屋根は無くなり、コンクリートとネオン
    (また今日も来てしまった…。)

    2007-03-31 11:41:00
  • 51:

    改札をくぐり、人込の中に飛び込んだ
    あの子にあった場所に陣取り、荷物を降ろす 普通なら場所を変えたりするのかもしれない…
    最初はそうしようと思った、でも現実を受け止めた今、俺は彼女に会うのは恐くなかった。

    2007-03-31 11:47:00
  • 52:

    座り込んで まずはチューニング
    〜♪  〜♪
    「ニイチャン 何ちてんの?」
    「笑 兄ちゃんか?今からお歌うたおうかな〜って思ってんねん!」

    2007-03-31 11:51:00
  • 53:

    買い物の途中だろうか、母親に手をひかれ1人の女の子が話しかけてきた。
    「何か歌ってよぉ」
    「おお!じゃあ団子三兄弟知ってるか?」
    「知ってる〜」

    2007-03-31 11:54:00
  • 54:

    〜団子三兄弟〜♪ 団子三兄弟 団子!
    パチパチパチ…
    小さな手の平を叩いて喜ぶ女の子。
    「じゃあねぇ〜」

    2007-03-31 11:59:00
  • 55:

    母親に手をひかれながら後ろを向いて手を振っていた。
    (可愛いな…俺も子供欲しいわ… そんなん無理って分かってるけど…。)
    〜♪〜〜〜♪〜〜♪
    無心でギターを奏でる 何時間も… 空に散らばった星に届けとばかりに…

    2007-03-31 12:06:00
  • 56:

    ふと気づくと、ブラウス1枚の制服で中学生くらいの女の子が1人
    立ったまま歌う俺の足元に座り込んでいた。
    (そんなに真剣に 聴いてもらわんでもイインやけどな…。)
    人の流れは彼女と俺を避けて動いていた。

    2007-03-31 12:18:00
  • 57:

    (今日は、そろそろ片付けよう…ちょっと邪魔やな…この子。)
    「下手くそやけど…何か癒された。」
    (こんな時間に制服で何してるねん?!)
    「家出でもしてきたんか?」

    2007-03-31 12:28:00
  • 58:

    ピックを口に挟んでギターをケースに入れる。
    「そんな格好で…犯されるぞ!」
    (こんな女が電車とかでチカンされた〜!言うて騒ぐんやろうな…チカンが可愛そう…)
    「それでもイイかなっ!」

    2007-03-31 12:33:00
  • 59:

    (何考えてんねん…クソ女!)
    彼女よりも俺の方が人目を気にして、ジャケットを彼女に投げた。
    「…ありがとう。」
    「行くぞ。ハヨ立て!」

    2007-03-31 12:36:00
  • 60:

    (行くぞ 言うたものの何処行こう…何も考えて無かったわ。)
    横断歩道を渡ると『ジャンボカラオケ広場』
    (もう、あっこでいいわ…寒い!)
    ジャンカラに急いだ。

    2007-03-31 12:39:00
  • 61:

    4畳半ほどの狭い個室に捨て猫を拾ってきたような感覚。
    (ぁあ〜流石に今日は疲れた…。)
    ソファーにうつ伏せになる、ツルツルとした冷たいソファーの生地。
    顔を付けるとひんやり気持ちいい。

    2007-03-31 12:43:00
  • 62:

    (このまま寝よう…。)
    ジュワッ ジュワッ
    向かいに座った制服を着た捨て猫が ライターを着けたり消したり。
    (なんなよ!このパンコ女 着けるん消すんかどっちやねん!イライラする〜)

    2007-03-31 12:47:00
  • 63:

    「なっ!名前は?」
    (教えたくも無いし。)
    「人に名前聞くときは〜自分からまず名乗るもんちゃうか?」
    「…ちえ。」

    2007-03-31 12:53:00
  • 64:

    (なんや…案外素直やん。でも援交とか平気でしてそう…。)
    「あぁ〜チエチャンね、そうですか。」
    「ちょ、待ってよ!自分は?」
    (ダルゥ〜。)「ユウスケ。」

    2007-03-31 12:57:00
  • 65:

    (しっかし、遊びまわってそう…。おいっ!動くな!スカート穿いてるんなら足くらい大人しく閉じとけよ!)
    目のやり場に困りソファーの背もたれに顔を向ける。
    (我がの体もっと大事にしろよ…。後悔すんのんは自分やのに早く気づけ!)

    2007-03-31 13:13:00
  • 66:

    チエは、俺の事はお構い無しで一式話続ける。
    彼女の言葉は耳に入れず目を閉じる
    (エイズなってしまってからやったら もう遅いんやって…。)
    俺に相手にされなくて、ふて腐れたのか チエはいきなり静かになった。

    2007-03-31 13:49:00
  • 67:

    「チエって言ったっけ?いくらバカしてても良いけど自分の体位自分で守れよ。」
    背中越しにチエに言った。
    「いいやん!あんたにどうこう言われる筋合い無いやん!」
    (こいつ…本間に頭悪い…)

    2007-03-31 13:53:00
  • 68:

    「最後にババ見るのも自分やぞ!!」

    つい感情的になって怒鳴ってしまった。
    (何キレてんねん…俺。)

    2007-03-31 13:57:00
  • 69:

    チエの話を横になったまま聞く…やっぱり男遊びがこの歳にしたら派手らしい。
    「結局…股開けば何でも言う事きくヤンか!」
    彼女は吐き捨てる。

    2007-03-31 14:04:00
  • 70:

    その言葉に…俺はある人の顔が思い浮かんだ。響いてきた声…
    【もう…合わせる顔が無い…】【お客さんに1回本番やらせてくれたら…お金くれるって】
    【エイズの検査してもらったねん】【そしたら反応があって…でも】

    2007-03-31 14:11:00
  • 71:

    「かわいそうな子やな〜としか思えん」
    「勝手に同情しといて!」
    「お前の為に言うてんやんけ!調子のんなよ!」
    この後、俺は会ったばかりの憎まれ口を叩くチエがあの子に重なって仕方ない。

    2007-03-31 14:30:00
  • 72:

    「俺の知り合いは…それでエイズなったんや…。たった1回ヤッタだけで…お前知ってるか?エイズって治れへんねんぞ!発病したらもう終わりや…もう死ぬのん待つしかないねん。 うつされた相手が、惚れた男でも無かったら悔しくないんか!俺やったら死んでも死にきれんけどな〜!」

    2007-03-31 14:41:00
  • 73:

    彼女の無神経な言葉に腹が立ち怒鳴ってしまった。
    (ぁあ〜あ…泣かしちゃった。)
    チエは背中を震わせる。
    (でも、この子 泣くって事は自分が悪い事してるって 気づいてるからやん。)

    2007-03-31 14:46:00
  • 74:

    「泣く位なら、平気で犯されてもイイとか言うなや バカ女!」
    テーブルを挟んで無心で泣きじゃくる…
    (そんなに泣かんでも…。俺メッチャ悪者?!)
    …自分の言葉に涙を流したチエに、俺と同じ運命を辿らせたくない。

    2007-03-31 15:00:00
  • 75:

    腕をだらんと、小指を立てて 空中に突き出す
    「約束!」
    テーブルの下俺は、チエの小指を繋ぎ 『お願いやから…そんな考えは早くすててくれ』 と、心の中で呟いた。

    2007-03-31 15:07:00
  • 76:

    どうやらチエは考えを改めたようだ…もう好きな人意外との交わりを止めると約束してくれた。
    反省した様子を見せる。
    でも、俺は「反省」なんてものは求めていない。
    ただ…こんな現実がその先に有るかも知れないという事を 知って欲しかっただけ。

    2007-03-31 15:31:00
  • 77:

    (まぁ…いつか理解する日も来るか…まだ子供や、今すぐ全てを知らんでもいい…。)
    「おやすみ…」
    「おぉ。」
    カラオケの薄い壁の向こう 客の歌う聞いた事も無い演歌が聞こえる チエと俺 ゆっくり今日を終わらせる。

    2007-03-31 15:38:00
  • 78:

    トゥルルルル〜 トゥルルル〜
    『お客様、お時間5分前となりました。』
    「はい、もう出ます。」
    もう朝か…。

    2007-03-31 16:07:00
  • 79:

    『そういえば祐、君泉州弁喋るけど家ドコなん?』
    「貝塚シティー。」
    『そうなんや〜ウチ隣の岸和田〜!』
    「さようですか」

    2007-03-31 16:15:00
  • 80:

    空席が目立つ南海電車 朝日を後ろに 俺とチエは長椅子に座っていた。
    (朝から元気やな〜こいつ。)
    「〜メアド!教えてっ(ハート)」

    2007-03-31 16:18:00
  • 81:

    (おいっ!メアド聞いてどうするつもりやねん!俺にアッシーなれってか!笑
    でも…考えようによっては、他の男に付いていくよか俺の方が安全かもな…
    これも、何かの縁や…しゃーなしやぞ!)

    2007-03-31 16:22:00
  • 82:

    ケツのポケットに入れていた携帯を取り出し、自分の番号とメルアドを表示させる
    チエにそれをよこした。
    (やっぱ俺って女好き…。ぶりっ子されたら…コロッと落ちるわ…)

    2007-03-31 16:27:00
  • 83:

    【岸和田 岸和田です 関西空港に御用のお客様は】
    「ほら、ついたぞ!」
    プシュー
    「バイバイ」

    2007-03-31 16:30:00
  • 84:

    チエは朝の岸和田駅に出てゆく
    席を立って一歩ずつ歩み始める彼女の横顔は少し俺との別れを惜しんだ顔に見えた。
    俺は、あえて窓ガラス越しに手を振り顔を見なかった。
    彼女の気持ちが薄っすら見えたから…。

    2007-03-31 16:34:00
  • 85:

    ------3ヶ月後-------
    朝からギターを抱えていた俺の携帯が、机の上でブーブーと音を立てて暴れた
    その日、俺が最後に愛する女が現われるなんて よにも思わなかった…

    2007-03-31 16:42:00
  • 86:

    画面を見ると【 チエちゃん☆ 】
    あいつ、俺のんにも入れとったな…忘れてた…。
    「はい、なんなよ。」
    電話の内容は チエの友達5人がカラオケに行くのの運転手 ○○ビルに居るから来い とのことだ。

    2007-03-31 16:51:00
  • 87:

    (早速アッシー君かよ!情けない。)
    でも…内心それほどイヤでも無かった 俺はチエの頼みに了解
    生きているからこそ人と出会えて 楽しかったり 悲しかったり 怒ったり出来るんだから。
    チエと会ったあの日から、前以上に1日1日を大切に生きる様になっていた。

    2007-03-31 17:02:00
  • 88:

    ギターを置いて財布を持った。
    それからカズヤに電話
    「ちょ、お前暇やろ〜あそぼや!」
    『え〜!俺寝てるし…』

    2007-03-31 17:06:00
  • 89:

    「女の子いっぱい来るのにいいんけ?」
    『マジで!可愛い? 行く行く!』
    「じゃ、カラオケ連れてって欲しいみたいやから 俺等〜先に行っとくわな。」
    『おぉ!じゃ誰か他に誘っていくわぁ〜!』

    2007-03-31 17:10:00
  • 90:

    (ただのアッシーでたまるかっ 笑 今日は俺も楽しも〜)
    携帯を切って 玄関ノブを掴む。
    少し前にもこんな状態があった気がする…
    でも今日は違う 病んだ空気などドコにも無く 足取り軽く玄関を出た。

    2007-03-31 17:15:00
  • 91:

    ギラギラと照りつける太陽
    肌を撫でる熱風
    蝉の声 日差しを浴びて遊ぶ子供の声
    命が有る物 無い物も、活き活きと躍動し 季節はもう夏だった…

    2007-03-31 17:20:00
  • 92:

    この長い〜長い 下り坂を〜君を自転車の後ろに乗せて〜♪
    (しっかし暑いな〜!クーラーMAXやのに…。)
    鼻歌を歌いながらチエの待つ○○ビルに車を走らせる。
    平日の真夏の昼間ちかく 歩道を歩く人の影は短く後ろに張り付いていた。

    2007-03-31 17:49:00
  • 93:

    ゆっくり〜ゆっくり〜下ってく〜♪
    (やっとクーラー効いて来た思ったらもう着いたし…)
    プップッー
    煙草を持った手で、手の平の下をハンドルの真ん中に 2回叩いた

    2007-03-31 17:55:00
  • 94:

    ビルの隙間から何人か女の子が走ってきた
    シャーーー
    「お前、学校さぼんなよ!」
    「だって…祐君に会いたくなったから…」

    2007-03-31 18:00:00
  • 95:

    駆け寄ってきたチエよりも…
    俺は隣で立っている女の子が気になった
    特別可愛かったからではない、顔では必死に笑顔を作っているが
    その子の目は完全に死んでいた いつか俺がしていた目…感情が無くて、空洞…

    2007-03-31 18:07:00
  • 96:

    ガチャ ガチャ ガチャ
    ぞくぞくと車に乗り込んで来る
    死んだ瞳はバックミラーに写り込む
    適当に質問に答えていたが…ハンドルを握りながらミラーに写りこんだ彼女の顔を確かめていた。

    2007-03-31 18:11:00
  • 97:

    「着いたディ〜!」
    ガチャ バン ガチャ ガチャ バン バン
    駐車場に降り立つ、カズヤの車はまだ見えない
    (あの子…何であんな目してるねん)

    2007-03-31 18:14:00
  • 98:

    主から

    休憩〜

    2007-03-31 18:18:00
  • 99:

    主から

    カズヤ達が到着し、個室に入る俺は、さり気に彼女の横に座る。
    部屋は盛り上がっているのに…彼女は枯れきった花の様に俺の目には映る

    2007-03-31 18:58:00
  • 100:

    「なんか、つまらなさそうやな…大丈夫?」
    「私、男の子と喋ったり、そういうのん苦手で…緊張してるんかも。」
    俺には分かってた、聞いても嘘つくって、こんな目をするほどこの子 まいってるんやって
    初対面の俺なんかに易々と話してくれるはずが無い事を…

    2007-03-31 19:06:00
  • 101:

    「何でそんな目してるの?」
    「あっ、まだ目腫れてる?昨日の夜恐い夢見て寝れんくて…」
    「そうなんちゃう、何かごっつい寂しい目してる 会ってからずっと」
    嘘を隠している彼女の黒目が 痛々しかった…

    2007-03-31 19:10:00
  • 102:

    俺に何か歌えと外野が言うので 俺は何を選曲しようかと迷う
    チラチラと視界に入る彼女の眼がこの曲を選択させた。
    この歌を 気持ちを…この子に伝えたい。

    2007-03-31 19:17:00
  • 103:

    泣いたりしないで こっちへおいでよ あなたの全部を抱きしめるよ
    一人ぼっちって 怯えたりしないで あなたの心に触ってるから
    悲しみを分かりたいんだ 温もりを届けたいんだ〜♪

    2007-03-31 19:21:00
  • 104:

    「やっぱり上手やな〜ちょっとびっくりした〜」
    「いつまで歌い続けれるんやろうな…俺」
    急に暗い気分になってしまった。 彼女の為に歌ったはずなのに
    自分の心もキュンキュンして… 自分が自分に歌ってあげている様だった。

    2007-03-31 19:34:00
  • 105:

    トゥルルルル〜トゥルルルル
    「はい。分かりました。延長する〜?」
    「お腹減った〜」
    その後、俺たちはそろってマクドナルドに向かう。

    2007-03-31 19:37:00
  • 106:

    廊下に出る。
    「私、トイレ行って来る〜」
    「ウチも〜」
    ハルカとチエはでる前にトイレに向かい なかなか出て来なかった。

    2007-03-31 19:40:00
  • 107:

    「…じゃあ、俺ハルカがいい。」
    『ええよ〜ええよ〜!俺ユキちゃんがイイもん♪』
    「クーラーかけて来よう。」
    『じゃ!また後で〜』

    2007-03-31 19:47:00
  • 108:

    ガチャン
    ブオーーー
    (あっついよ〜!サウナやな…クーラーの風も熱風…。)
    1人、焼けたシートに座った。

    2007-03-31 19:50:00
  • 109:

    しばらくすると、車の横にハルカが来きた
    「ちょい待ちや〜2時間停めてたから、メッサ暑なってるわ〜」
    「大丈夫やで〜私どんな暑くてもクーラー無しで寝れるし!」
    (変な子 笑 普通に暑すぎ!)

    2007-03-31 19:57:00
  • 110:

    ふとハルカを見るとやっぱり黙り込んでいた。
    彼女の悲しい目を見たくなかったのでサングラスをかける
    隣が気になって仕方ない…。

    2007-03-31 20:02:00
  • 111:

    「なぁ!」
    「え?」
    「何にも無い〜」
    信号でたまたま停まったのでサングラスを少しずらして、振り返ったハルカの目をちょっと見た。

    2007-03-31 20:06:00
  • 112:

    (よかった…いい顔してるやん♪そのほうが可愛い。)
    「お前気づいてないん?」
    「何のことかサッパリ…」
    「目。」

    2007-03-31 20:09:00
  • 113:

    「めぇ?!」
    「目が活き活きしてる。2時間前まで死人みたいな目しとったぞ!」
    ハルカは不思議そうな顔をしていたが 嬉しかった。

    2007-03-31 20:12:00
  • 114:

    道は混雑して信号で何度もひっかかった。
    「到〜着〜!」
    クーラーのガンガンに効いた車内から2人は降りた 地面は焼けるように暑い
    (あちぃ〜ハヨ店入ろう…)Tシャツを仰ぎながら小走り

    2007-03-31 20:17:00
  • 115:

    バシン!
    車のドアを強く閉じる音 後ろを振り返り
    「おいおい!もうちょっと車を労わってやってよ!」
    (女って 男がどんだけ車大事に思ってるか 分かってないなんよな〜)

    2007-03-31 20:20:00
  • 116:

    マクドに入ると奥にみんな集まっていた
    ハルカと俺も注文を済ませる
    マサキとヒトミちゃんはメルアドを交換し始め、野郎どもは一斉に女の子にアドレス交換をせがむ
    (俺も…この流れに乗っかっとこう 笑)

    2007-03-31 20:24:00
  • 117:

    「メアド教えて!」
    「…。」
    (えっ?無理なん?いい感じやったやん!)
    「ハルカな〜こないだ家来た時に洗面所に携帯水没させたねんな〜?」

    2007-03-31 20:30:00
  • 118:

    ハルカの隣のシズカちゃんが言った
    (なんや、そんならそう言えよ!)
    「そーなん?お前どんくさいな〜笑 ほんじゃまた携帯出来たら…」
    テーブルの隅にあったアンケートのペンで ポテトの下の白い紙にアドレスと番号を書いて渡した。

    2007-03-31 20:38:00
  • 119:

    ゆっくり〜ゆっくり〜くだってく〜♪
    カズヤの提案で何処かに場所を移す事になり 俺等は二色の浜へ車を走らせる。
    隣のハルカも海が近づくとテンションが上がっていた なかなか車が進まない中…
    キラキラ笑うハルカの笑顔に、目を奪われていた…

    2007-03-31 20:50:00
  • 120:

    主から

    休憩〜!

    2007-03-31 20:53:00
  • 121:

    名無しさん

    おもしろーい?

    2007-03-31 21:02:00
  • 122:

    浜に着く頃には待ちくたびれたのか、ハルカは飽き飽きしている様子
    「何今からテンション下げてるねん!」
    俺は走って海岸へと誘う。ハルカは後ろからテケテケ走って隣に立った。

    2007-03-31 21:15:00
  • 123:

    オレンジの夕日に照らされるハルカは海を見つめている
    (ずっと…こうしてたい…コイツ2人で。何もしなくてイイ、ただ…こいつが側で笑っててくれたら…それでいい。)
    俺の心はハルカを欲しがった

    2007-03-31 21:20:00
  • 124:

    -----全員集まった-----
    少し涼しい風が吹く中 俺たちは夕日色1色に染められ、1列に並んでアイスを舐めた
    ザバーンザバーンと波が打ち寄せる音 オレンジのマルは瞬きするごとに海に沈んで行く様で
    少しの時間だったかもしれないが 俺にはとても長く感じた

    2007-03-31 21:29:00
  • 125:

    「日も落ちたことやし☆花火でもしよっか〜!」
    カズヤの声で花火が始まった。
    ヒュー パッ パラパラパラ〜
    夜空に散った花火は 咲いては消え 咲いてはまた消えた。

    2007-03-31 21:33:00
  • 126:

    主から

    122さん
    ありがと!

    2007-03-31 21:36:00
  • 127:

    主から

    夜空を見上げて笑うハルカの横顔 花火が消えるとフッと消える
    ずっとずっと見ていたいから…花火を両手に何本も持って
    ギャ〜ギャ〜と叫びながら逃げ回るハルカの笑顔を追いかけた

    2007-03-31 21:47:00
  • 128:

    花火を全部やり終えた
    「私、水汲んでくる〜!」
    ハルカは近くに落ちていたバケツを手に浜辺に駆け出した。
    「お前!こけんなよ〜!」そう言って送り出した。

    2007-03-31 21:51:00
  • 129:

    またしゃがんで、靴についた砂をはらっていると チエが隣にしゃがみこんだ
    「ハルカ、祐君のこと気に入ってるみたいやで…。」
    ドキッとした、チエの一言に…そして胸がほんの少し温かくなった。
    「…そうなんや。」 にやける頬の筋肉がどうも上手く引き締められない…

    2007-03-31 22:00:00
  • 130:

    「さっき言うとった…」
    そう言ったチエの声はいつもと違い少し暗い チエの目は暗闇にキラキラして
    また胸がドキッとした。

    2007-03-31 22:04:00
  • 131:

    「あいつ、何か俺に似てるねん。」
    「笑 どこがよ!ハルカそんな男臭く無いし!」
    チエは必死で笑っている様だった…。
    (ゴメン…、でもお前の気持ちには答えられへんわ…。)

    2007-03-31 22:07:00
  • 132:

    「アホ!顔とかちゃうんじゃ!自分の分身みたいで…一緒におらなアカン気がする…」
    「祐君が一緒に居りたいって思ってるからちがう?」
    「そうなんかもな…。」
    (あいつ見てると…何か癒される…)

    2007-03-31 22:10:00
  • 133:

    「そっか…ハルカはいいな〜祐君みたいな人に一緒に居りたいって思われるんやもん!」
    (悪い…。チエ、ハルカの事しか今は思われへん…)
    「ごめんな。」
    「えっ!?何が?」

    2007-03-31 22:16:00
  • 134:

    「お前が言いたい事は分かってるよ、だからゴメン!」
    「…。」
    「あいつ、遅いな。溺れてんちゃうか?俺ちょっと見てくるわ!」
    チエの涙が流れる事が予想できたから…俺は逃げる様に立ち上がり、暗い浜辺に歩き出した。

    2007-03-31 22:21:00
  • 135:

    「やかましいわっ!」 ザバッ
    こんな音が砂浜を歩くジャリッジャリッという音の隙間に耳に飛び込んで来た
    (??)
    声の方に目を凝らすと3人の影がズルズルと何かを引きずり、1人がバケツでそれに水をかけた

    2007-03-31 22:26:00
  • 136:

    名無しさん

    見てます?

    2007-03-31 22:28:00
  • 137:

    (あのバケツ…もしかして…。)
    嫌な予感が頭を過ぎる…次の瞬間俺は大声で叫びながら3つの影に掴みかかっていた。
    「おどれら〜何しとんねん!」

    2007-03-31 22:29:00
  • 138:

    「お前何モンやねん!」
    「シバかれに来たんか こらぁ!!」
    後ろから1人に腕を摑まれ身動きがとれない、前の男が固く冷たい何かで思いっきり額の辺りを殴りつけ
    もう一人が腹に飛び蹴りを入れた

    2007-03-31 22:35:00
  • 139:

    主から

    137さん
    ありがとう。
    あの、誰でも結構なんですが…「つか」と入れると&♯25681って出るんですけど…
    何ででしょうか?分かる方、教えてください。

    2007-03-31 22:39:00
  • 140:

    ギヤーーー という叫び声が遠くで聞こえて 向こうからシャカシャカ音を立て物凄い勢いで走る影
    その影は3人に殴りかかりバットを取り上げて 袋叩きにした。
    浜辺には はぁはぁと、荒い息が聞こえる。
    (ハルカは?!)振り向くと砂浜に倒れこみ気を失っている。

    2007-03-31 22:46:00
  • 141:

    3人は怖気着いたのか飛んで逃げていった。
    「ハルカ!ハルカ!」
    ハルカの友達がハルカを抱きかかえ必死で呼びかける。

    2007-03-31 22:50:00
  • 142:

    「おい!ユウスケ大丈夫か?」
    「おぉ、俺はいける。お前ら怪我してへんか?」
    「俺等〜全然いけるよぉ〜お前ボッコボコされとったやろ!あいつら覚えとけよ〜!」
    「それよりハルカ…。」

    2007-03-31 22:54:00
  • 143:

    「私…気絶してたん?」
    ハルカの小さな声が聞こえた
    『大丈夫やで!俺等がボッコボコにいわしといたったからな!』
    ハルカの視線は俺に向けられた。

    2007-03-31 22:58:00
  • 144:

    「血〜血ぃ出てる!」
    (そういえば気づかんかったけど…何かデコ痛い!)
    額に手をやるとネットリと血が指先に着いた。

    2007-03-31 23:01:00
  • 145:

    「あっ、1発バットでやられた時やな…。お前血とかゆうからイタなってきたやんけぇ〜!」
    (ヤバイな…俺の血触られん様に離れとこう…。)
    『…もう、かえろっか…何か遊ぶ気無くなった…』
    「そやな…もう遅いし、さっきの奴ら まだこの辺居るやろうしな…」

    2007-03-31 23:08:00
  • 146:

    俺等はそうして 夜の海に背を向けた。
    (ホンマに久しぶりに喧嘩したらボロボロなったわぁ…3、1やから負けるん当たり前やけど…。早く、血 乾かんかな〜)
    俺とハルカは車に戻った。

    2007-03-31 23:12:00
  • 147:

    ガチャン ガチャン バン バン  ギッ
    サイドを引いてエンジンをかけた
    「家、何処よ?」
    車の中には「ゆず」がかかる。

    2007-03-31 23:18:00
  • 148:

    「家なんか  無いよ…。」
    「はぁ?さてはお前、昨日親と喧嘩して家帰り辛いとかやろ〜?そんでカラオケん時、落ちた目してたんやな〜?そうやろ?」
    ハルカの顔はみるみる曇る…。
    (何でそんな顔すんねん! お前は俺の隣で笑っとけよ…いつでも。)

    2007-03-31 23:23:00
  • 149:

    「家なき子!」
    「…。」
    「…ドライブでも行くか?」
    「うんっ」

    2007-03-31 23:26:00
  • 150:

    うんっ。 と、言って振り向いたハルカは小さく微笑んでくれた。
    俺はそれを待っていたんだ…。
    車は、夜の二色浜を抜け和歌山方向に走り出す。

    2007-03-31 23:30:00
  • 151:

    ------夜景の見える丘------
    地元じゃちょっと名の知れた「夜景スポット」に車を停めた
    ナゼ夜景を見に来たか分からなかった…でも車を走らせていると、いつの間にかココに吸い寄せられてた。

    2007-03-31 23:35:00
  • 152:

    前の窓からではよく見えない…
    「外出てみ〜」
    俺たち2人は光り輝く光に包まれていた
    夜景など興味が無い俺はふと、空を見上げた。

    2007-03-31 23:38:00
  • 153:

    (星か〜あいつ等毎日暇なんやろうな〜ただ、ジーっと下の世界見て何かおもろい事でもあるんかな…。
    死んだ婆ちゃんがよう言うとったな〜人は死んだら星になって天国にいけるんやって…。
    ばぁちゃん、本間に星になったんか?俺もいつか星になるんか…?それとも…死んだら人はそれで消えて無くなるん?
    消えるだけなんやったら…やる事なくても…俺は星になりたいな…。)

    2007-03-31 23:45:00
  • 154:

    ?

    もしやリアルタィム??
    ずっと読んでますッッ??
    主サン頑張って????

    2007-03-31 23:46:00
  • 155:

    主から

    155さん
    長いお付き合いになりそうです…ありがとう。

    2007-03-31 23:51:00
  • 156:

    「人ってさ…死んだら星になれるんかな?」
    「…ん〜死んだこと無いから分からんわ〜」
    「ははっ…そやな!そうやよな!」
    (俺は、何ショウモ無い事 聞いてんねん!)

    2007-03-31 23:54:00
  • 157:

    「はくしょん!」
    「その格好やと風邪ひくな〜車は入ろう!」
    ガチャン バン ガチャ バン
    車は2人を乗せて帰りの坂をゆっくりと下って行く。

    2007-03-31 23:59:00
  • 158:

    静かになったな〜と思い、横目で見ると旨そうに 行きしに寄ったコンビニの「メロンパン」をかじっていた。
    (パンに夢中ってわけね。何か喋ろうよ…)
    「おっ!いいもん食ってるやん!1口おくれ〜」

    2007-04-01 00:08:00
  • 159:

    「うまっ!」
    「あ〜!1口デカイって!」
    そう言って口を尖らせたハルカが愛しく思えた…
    (全部食ったったら良かった…。)

    2007-04-01 00:17:00
  • 160:

    車内はユズの爽やかな音楽が流れ 
    ハルカは俺に食われたのがよっぽど悔しかったのか、ちびちびと前歯でメロンパンをかじっていた。

    2007-04-01 00:23:00
  • 161:

    「家来る?」
    (ホンマは家かえさなアカンよな…でも今日は何かコイツと居りたいな…)
    「うんっ。」
    ちょっとだけ…気恥ずかしい…。

    2007-04-01 00:26:00
  • 162:

    「スー…スー…」
    (疲れて寝てもうたわぁ…寝顔…化粧してても、やっぱ子供やな! 笑)
    静かになると眠たくなったが、隣で眠るハルカが気になって、運転にも集中出来なかった…。

    2007-04-01 00:31:00
  • 163:

    「おい、起きろ!着いたぞ!」
    家の駐車場に車を停め、ハルカを起こした。
    (そら疲れて寝たくも成るわな…レイプされかけとってんもん。)

    2007-04-01 00:34:00
  • 164:

    ----家に着いた-----
    「体、冷えたやろ?風呂入って来いよ。」
    (なんかさっきからダルイな…シバかれたから俺も疲れたんやわ…ちょっとゆっくりしよう…)
    体に違和感を感じた俺はソファーに座って、テレビの深夜放送を見た。

    2007-04-01 00:42:00
  • 165:

    (アカン…、何か寒気する…熱?風邪ひいたんかな?)
    深夜放送とシャワーの音を聞きながら、意識が遠のいていった…。
    ビリッ ビリッ
    何かを剥がすような音が耳元で聞こえる…

    2007-04-01 00:46:00
  • 166:

    額の辺りに温かい手があるのを感じた
    (え!そこは…!)
    ハッとして目を開く

    2007-04-01 00:50:00
  • 167:

    「やめろ!触んな!」
    ハルカの細い指を振り払った。
    「…ごめん、切った所痛そうやったから 貼ろうとして…起こしてゴメン。」
    (それどころちゃうねん!)

    2007-04-01 00:56:00
  • 168:

    「お前!血触って無いか!?」
    はるかの指に傷が無いか、逆剥けが無いか 手首を持って目を凝らす…
    どうやらそんな傷は見当たらない。

    2007-04-01 01:00:00
  • 169:

    「触ってないよ、毛かき上げたら起きたから。」
    (セーフ!!)
    「はぁ〜 よかった」
    冷蔵庫の水を1口だけ含み 風呂に入った。

    2007-04-01 01:05:00
  • 170:

    (危なかった〜!本間にヤバかったわ〜!ナイスタイミングで起きれた俺 ミラクル!)
    熱っぽいからサッとシャワーを浴びて風呂を出た。
    「お前〜アイス食う?」
    冷凍室のアイスをハルカに手渡した

    2007-04-01 01:14:00
  • 171:

    夜中のつまらない番組がテレビからワンワン聞こえる。
    「親に連絡せんでいいん?」
    「ん…携帯無いし…」
    「あ、そうだったね、キミ。」

    2007-04-01 01:17:00
  • 172:

    ソファーに座りハルカに尋ねた。
    「何で、親と喧嘩したん?」
    「大した事じゃないんやけど…ごちゃごちゃうるさくて…頭に来たねん。」

    2007-04-01 01:31:00
  • 173:

    ハルカの口ぶりとキョロキョロした目 俺は気づいた嘘やって…。

    2007-04-01 01:36:00
  • 174:

    嘘でも別に良かった…彼女にもよっぽど話したくない現実が有るんだろうと思った。
    俺も、誰にもいえない現実があるから…。
    それから 自分の生い立ちや、昔の話をした。
    俺がこの部屋で住む事になった理由も全部…。

    2007-04-01 01:42:00
  • 175:

    熱っぽくソファーに寝ながらは話していた俺はハルカが泣き始めたのに驚いた。
    「ヒグ…ヒグ…。」
    急に泣き出し 肩を震わせたハルカを、俺は抱きしめずには居られなかった。
    (よっぽど…帰りたくない理由でもあるんやろうな…。)

    2007-04-01 01:48:00
  • 176:

    しばらくの間ハルカを胸に抱いた 
    (このまま時間が止まってくれたらいいのにな…)
    「気すんだか?」
    「うん。」

    2007-04-01 01:51:00
  • 177:

    最後まで大切にハルカの背中を抱きしめた
    (落ち着いたみたいやな…。そろそろ寝よ…。)
    ベットに入ってハルカを待った。
    別に何も求めていない…ただ、隣でハルカの温度をずっと感じていたかった。

    2007-04-01 01:56:00
  • 178:

    真夜中  俺はとても恐ろしい夢を見てめを覚ました…
    ハルカと抱き合っていると…誰かが俺の腕を捕まえて 暗い世界に連れ込まれる
    どんなに扉を蹴っても開かない扉…周りには、沢山の花 何処か分からない…
    たった1人の狭い空間… 恐い…

    2007-04-01 02:01:00
  • 179:

    目を開けると、幸せそうに寝息を立てるハルカ…
    (なんや…夢か…アレ何処なんや?すごい悲しい気分やった…。)
    ハルカの寝顔を眺めた…
    (ずっと…ずっと…俺の隣で居って欲しい 1人は恐い…。)

    2007-04-01 02:07:00
  • 180:

    早くに目覚めた俺は、散らかった部屋に驚いた。
    (ちょっと…散らかし過ぎたな…。)
    早々に積み上げたDVDタワーをテレビ台にしまう。
    ガラガラガラ〜  (あぁ〜あ、やっちゃった…。)

    2007-04-01 02:11:00
  • 181:

    物音に気付いてハルカが目覚めた
    一緒になってDVDとCDを片付けていると、急に妙な咳に襲われた
    (まさか…まだやよな…ただの風邪やよな…   エイズ違うよな…。)

    2007-04-01 02:22:00
  • 182:

    俺の頭は「エイズ」という言葉に不安になった…
    この咳、それと昨日の微熱…
    心の中では受け入れていたはずなのに…
    やっぱり無理…

    2007-04-01 02:26:00
  • 183:

    掃除が終わって 2人の姿はベランダにあった。
    昼過ぎの夏の日 太陽は容赦なく降り注ぐ 俺の隣には温かな太陽がもう一つ…
    「祐君ギター弾いて歌ってよ!」
    隣の太陽は…無邪気な顔をして俺に話しかけた。

    2007-04-01 02:31:00
  • 184:

    どうせなら…思いっきり大声で歌いたい…
    ギターを片手に外に飛び出した。
    【ずっと側にいて〜 俺の隣で笑う顔が好きだから〜泣かないで〜お前の辛い過去を包み込むから〜♪】

    2007-04-01 02:34:00
  • 185:

    メロディーも歌詞もハルカの顔を見ていると勝手に口からこぼれた
    この歌詞は今の俺の心の叫び 魂の歌だった
    ベランダを見上げると、ハルカのこぼれんばかりの笑み
    その顔を見ると…さっきまでの不安は何処かにすっ飛んで行った…

    2007-04-01 02:38:00
  • 186:

    でも、体調は優れない…食欲も無く、体力も落ちた…
    大好物のハンバーグも半分近く残してしまい ハルカの作る飯さえも、口に入れるのが辛い…
    自転車の2人乗りも以前は全然出来ていたのに…息が上がって仕方ない…
    (何で?何でやねん!俺は死にたくない!)

    2007-04-01 02:47:00
  • 187:

    夕方むくっと目を覚ました  はるかの姿が無い
    (アイツ、何処いったんなよ…。帰ったらまた腹空いた〜いうんやろうな…カレーでも作るか…。)
    じゃが芋を切って たまねぎを切って カレーが炊きあがった頃外は真っ暗
    (家帰ったんかな?オカンに怒られて家出られへんなって無いやろうな…アイツ携帯無いし…)

    2007-04-01 03:01:00
  • 188:

    ガチャッとドアが開きハルカが帰って来た。
    手には大荷物
    「お前荷物まとめて出てきたんかい!」
    「ほらっ」ハルカが荷物を指差す。

    2007-04-01 03:06:00
  • 189:

    ここで甘やかすとずっと家に帰らなくなるんじゃないかと思ったが 心の中で俺はガッツポーズしていた。
    「お前のそう言うところ 好き。」
    これが俺の本心… 
    真っ赤になってカレーを食べるハルカが、ほんとに可愛かった…

    2007-04-01 03:11:00
  • 190:

    カレーを食い終わったハルカはナイロン袋からショートケーキを取り出す
    2日後ハルカの誕生日らしい  心から贈りたかったものがある  合鍵
    鍵を手渡すと嬉しそうにジッと鍵を眺めていた。
    プレゼントを貰ったのは 自分なのかも知れないと ウットリするハルカの横顔を見て思った。

    2007-04-01 03:17:00
  • 191:

    そして、検索欄に【エイズ】と3文字を入力した。

    2007-04-01 03:28:00
  • 192:

    目に飛び込んで来たのは
    5〜10年で発症 免疫不全ウイルス HIV 倦怠感 不明熱 咳 息切れ 抵抗力の低下
    現在の医学では治療の方法は見つかっていません。

    2007-04-01 03:41:00
  • 193:

    パソコンの蓋を勢いよく閉め パソコンで検索してしまった自分を責めた
    (この症状…全く俺やん…。)
    文明の機器が突きつけた現実は、今の俺には、あまりに残酷な答えを出した。

    2007-04-01 03:46:00
  • 194:

    スッカラカンになった…
    寿命がソコまで迫っているのが分かる…
    それでもギターは俺を呼んだ、熱で頭がボーっとする中ふらっと立ち上がってギターの柄を掴む
    弦に触れると歌詞がこぼれた

    2007-04-01 03:51:00
  • 195:

    切ない思いが溢れ出す…いつか自分も星になってハルカの笑顔に会えなくなる
    夜景を見に行ったあの景色を思い浮かべた…

    2007-04-01 04:03:00
  • 196:

    (後、どんだけの時間アイツと過ごせるんやろう…もっともっと、俺の体が弱っていったらエイズって気づく事もあるかも知れん、俺が死んだらアイツ泣いてくれるんかな?カズヤやマサキは葬式来てくれるんかな?アイツ俺居らんなったら行くとこ無くなるんかな?俺の事忘れて次の恋とか出来るんかな?死ぬのん恐い…俺何処にいってしまうんやろう…死にたくない…死にたくないわぁ…。)

    2007-04-01 04:14:00
  • 197:

    両目から涙が溢れて止まらない 部屋の家具 ギターが歪んで映る
    歯を食いしばって、こぼれ落ちそうな水滴を堪えるが…次々に湧き出るソレは止められない。
    ポタポタとグレーのスエットの生地を濃くする 頭に浮かぶのはただ一つハルカの笑顔…
    「…るか…はっ るか… 俺 …逝きたく…無い 」

    2007-04-01 04:25:00
  • 198:

    主から

    皆様、おやすみ。

    2007-04-01 04:29:00
  • 199:

    名無しさん

    遅くまでお疲れサマ?

    2007-04-01 05:29:00
  • 200:

    名無しさん

    ??

    2007-04-01 08:17:00
  • 201:

    泣きつかれた俺はあることを思いついた…
    (何処置いてたっけ…)
    ゴソゴソ
    引き出しを開けて覗いてみる(あった。)

    2007-04-01 10:40:00
  • 202:

    昔買った 無印のレターセット ボールペンを握って机に向かう
    頬の涙はもう乾いていた
    胡坐をかいてハルカを思い浮かべる
    そしたら ペンは勝手に進み出した…。

    2007-04-01 10:45:00
  • 203:

    お前、元気にしてるか?泣いてないか?この手紙をお前が見つけて読むのは一体イツなんやろうな。
    友達とは仲良くしてるか?学校はさぼらんとちゃんと行きなさい。
    お前は、辛い事があっても自分の中に溜め込む癖があるから、もうちょっと人を頼っていいんやぞ。
    本間に悪いけど俺はとうとう時間が迫ってるみたいや…体がダルくて仕方ない。

    2007-04-01 10:50:00
  • 204:

    お前はよく俺の世話をやいたり、飯作ってくれたり、本間によくやってくれてるよ。感謝してるで、ホンマに。
    後5年早くお前に出会ってたら、俺の人生も変わってたんやろうな でも、俺は全然後悔はしてないで
    これも、俺の人生やったんやなって、思ってる。
    死ぬのって ホンマに恐い。

    2007-04-01 10:55:00
  • 205:

    俺だけどっか知らん世界に閉じ込められる夢を、最近よく見るねん。
    でも、夜中目が覚めても隣にはいつもお前は幸せそうに寝てて、それ見て何回安心した事か…。
    お前には「アリガトウ。」って言葉たけじゃ足りそうも無いわ。
    俺が、この世から消えたら お前行く所無くなるやろ?

    2007-04-01 11:00:00
  • 206:

    この部屋の家賃は毎月親が振り込んでるから安心しろ。金も毎月10万は送ってくるから…。
    金は、テレビ台の中にあるから後で見ろ。
    もし、俺が死んで〜生まれ変わるならお前が将来結婚して産む、ガキに生まれたいな。
    星にしかなれんかったら〜いつでも何処で何してても、ずっとずっと…お前だけ見とくよ。

    2007-04-01 11:05:00
  • 207:

    じゃ最後に一言だけ、一緒に居られへんくなって本間にゴメンな!アリガトウ!

    ポタ ポタ…
    心の不安を全て吐き出した コレが俺の本心 また涙がこぼれた 

    2007-04-01 11:10:00
  • 208:

    (秋までは…生きてるかな…。)
    スクッと立ち上がって封筒に入れた手紙と俺の言葉を
    クローゼットの中のハルカの秋物服入れの下の方に押し込む
    「…お前を…愛してる。」

    2007-04-01 12:00:00
  • 209:

    何も無かったかのように…ベットにもぐり はるかの作って行った氷袋を額に当て
    そのままゆっくり 呼吸する 空気を吸って… 吐き出して また大きく空気を吸い込んだ。
    白い渦に吸い込まれ、俺は眠った。

    2007-04-01 12:09:00
  • 210:

    気が付くと、ハルカが学校から帰っていた。
    「熱は?大丈夫みたいやな」
    ハルカがベットの横で座り込んで心配そうに俺の顔色を伺う
    ちょっとだけ冷たい指が額に触れる。

    2007-04-01 12:12:00
  • 211:

    「ちゃんと確かめてみて!」
    「ん〜ちょっと微熱かな…?」
    「違う!」
    ハルカの顔がそこにあるのが嬉しくて…大人気ないとは思ったが俺は駄々をこねた。

    2007-04-01 12:15:00
  • 212:

    「どうしたらいいんよ〜!?」
    「目閉じ。」
    ハルカの額に熱くほてった俺の額をくっ付ける 
    (気持ちいい…。)

    2007-04-01 12:18:00
  • 213:

    目の前には目を閉じてハルカの顔が1センチほどしか離れていない…
    (…我慢できん  キスしたい。)
    ハルカの薄い唇に自分の唇をほんの少しだけつけてみた。
    (…愛してる。  ただ、それだけや…)

    2007-04-01 12:24:00
  • 214:

    ------3ヵ月後-----
    外に出かける気力もわかない 毎日部屋でゲームをしたり テレビをみたり
    咳が出て辛い 日々つづく微熱にももう慣れた 痩せ細っていく両腕
    自分でも、エイズに体が蝕まれていくのが分かっていた…。

    2007-04-01 12:32:00
  • 215:

    「ただいま〜今からご飯作るから。」
    ベットの上でひたすらゲームをしていると 学校からハルカが帰って来た。
    今日は、鮭のバター焼きと 肉じゃが 俺の好きなものなのに…胃が受け付けない
    体が生きる事を諦めかけている様だ… 結局 どんなに頑張っても半分が限界だった…。

    2007-04-01 12:37:00
  • 216:

    ハルカは、少し悲しそうに俺の食いのこしを台所へ運ぶ ハルカの後姿を見て
    (ごめんな…俺が悪い。)
    テレビからは俺の好きな番組【ミュージックステーション】が始まった。
    『〜バンプオブチキンで、SUPERNOVAです。』

    2007-04-01 12:42:00
  • 217:

    『熱が出たりすると 気づくんだ 僕には体があるってこと 鼻が詰まったりすると 分かるんだ 今まで呼吸をしてたって事 
    君の存在だって 何度も確かめはするけど ホントの大事さは居なくなってから知るんだ
    人と話したりすると 気づくんだ 伝えたい言葉が無いって事 適当に合わせたりすると 分かるんだ 伝えたい気持ちだらっけって事

    2007-04-01 12:54:00
  • 218:

    君の存在だって こうして伝え続けるけど 本当のありがとうは ありがとうじゃ足りないんだ
    君の存在だって 何度も確かめはするけど 本当の存在は 居なくなってもココに居る〜♪』

    2007-04-01 12:57:00
  • 219:

    一つ一つの意味が自分に重なる…
    「風呂、入る。」
    ハルカの前で泣きそうになったから 風呂場に逃げた。

    2007-04-01 13:08:00
  • 220:

    顔にシャワーを当て涙を洗い流す。
    シャーーー
    (泣いたらアカン…泣いたらアカン…)天井を1点見つめ
    体中にシャワーを浴びて 体中を洗い流した

    2007-04-01 13:17:00
  • 221:

    髪の毛をタオルで乾かしながら パンツ1枚でソファーに座る
    テレビは次の番組が始まった所だった。
    「祐君」
    「何?」

    2007-04-01 13:22:00
  • 222:

    「最近、凄い痩せたな…。」
    ハルカの顔は可哀想な目で俺の体を見つめる
    (そんな可哀想な目で俺を見んなよ…。)
    煙草に火を着けながら

    2007-04-01 13:26:00
  • 223:

    「そうやな…食欲無いから食う気にならへんねん。」
    (そんなハルカの目 見たくない…)
    視線をテレビに移した
    (心配…かけてるんやろうな…)

    2007-04-01 13:30:00
  • 224:

    テレビに集中する俺を尻目に ハルカはゴソゴソ動き出した
    いきなり着ていたTシャツを脱ぎ始めるハルカ
    「何してんねん!!」
    くるっとこっちを振り返りブラジャー1枚 透き通る様な白い肌が迫って来る 音も無く静かに…

    2007-04-01 13:35:00
  • 225:

    俺はハルカの白い素肌から目を反らす 懸命に
    股の間に立ち、俺を真っ直ぐに見すえるハルカ
    「ハルカを見てよ!」
    その言葉に 俺は答える事が出来ない。

    2007-04-01 13:38:00
  • 226:

    「見てって!」
    「…。」
    パサッ  何かが床に投げ捨てられた
    ゆっくりと ハルカの体を見上げた

    2007-04-01 13:43:00
  • 227:

    (綺麗だ…世界の誰よりも…)
    ハルカの目がギラギラ輝き俺を見つめる 俺もハルカをジッと睨む
    (許してくれ…そんな顔せんとって。)
    思わず、裸のハルカの体を腕に抱きしめてしまった…。柔らかい 温かな感触が…俺を優しく包み込む

    2007-04-01 13:49:00
  • 228:

    (こんなことする位…ハルカは俺の事求めてたんや…全然気づいてやれんかった
    ゴメン…。でも、俺…お前を抱かれへん…抱かれへんねん…分かってくれ…)
    ギュッとハルカを強く抱きしめた。

    2007-04-01 13:52:00
  • 229:

    主から

    遊びに行ってきます。

    2007-04-01 13:56:00
  • 230:

    「ごめん…抱かれへん」
    堪えきれず、ハルカの胸に顔を隠して涙をこぼした。
    「…何でよ」
    ハルカの目からも涙が溢れ出し頬をつたっている

    2007-04-01 15:38:00
  • 231:

    ハルカの握り締めたられた硬い拳が何度も何度も、俺の背中を叩く
    「ゴメン…ゴメンな。」
    ただ ただ、謝るしか無かった。
    2人を邪魔する物は何も無く、窓の月と星だけが2人をジッと見ていた。

    2007-04-01 15:44:00
  • 232:

    部屋には、コマーシャルソングが 明るい音楽を流す
    俺は、ハルカに今まで蓄えていた不安 恐さ エイズを話すしかないと思い
    腹をくくった、 1つだけ、ため息をついて。

    2007-04-01 15:56:00
  • 233:

    「5年前、丁度…今位の季節やったかな…。ミナミに初めて歌いに行ったねん、スッゴイ下手くそで通る人みんな笑ッとった。朝から夜まで声が枯れるまで、ずっと俺は歌った。昼間はな、まだ温かいけど夜のミナミって人多いけど〜結構寒いんやで…ギター弾いてても、手かじかんでさ…もう帰ろうと片付けてたんよ。そんな時な、だぁ〜れも俺が歌ってるのんなんか気にも止めてくれてなかったのに、1人の女の子が俺に温かいコーヒーを買って持ってきてくれたねん。」

    2007-04-01 16:05:00
  • 234:

    頭の中で 鮮やかに5年前の光景がよみがえっていく…
    「コーヒーは温かくて俺にはその人が神様に見えた。
    【歳いくつ?】【15です】【じゃ2コ下やな何か歌ってよ】【でも、俺下手くそやし、もう帰ろっかなって…】【今病んでるねん…何か歌って欲しい、1曲でいいから】それで、俺は彼女の為に1曲だけ歌った。」

    2007-04-01 16:11:00
  • 235:

    「【ありがとう。】 一言だけ、ありがとうと言って、女の子は夜の街に消えていった…。
    俺は歌い終わった後も見えなくなるまで、後姿をずっと見ていた。
    胸がキュン となって、見えなくなった瞬間急に切ない気分になってな…
    そのまま、ギター掘り出して 女の子の後ろを追いかけたねん」

    2007-04-01 16:23:00
  • 236:

    「でも、人ごみの中見失ってしまったねん。電車の中でも浮かんできたのは、最後に【ありがとう】と言った時の彼女の笑顔だった…
    次の日も、その次の日も 俺はミナミで歌い続けてた。ココで歌ってたら また現われる気がして…
    その子が現われるまで毎日歌いに行った。」

    2007-04-01 16:28:00
  • 237:

    「その日も現われなくて、もう諦めようとした。
    【よっ!】
    ギターをケースにしまって、顔を上げた時その子が立っていた。」

    2007-04-01 16:31:00
  • 238:

    「【今日も歌ってたんや〜】【はい。いつもこの時間に通ってるんですか?】【うん…ちょっと用事で。】【そうなんや〜】【うん、じゃあ私、急ぐから〜】【ちょっと待って!】【ん?】【携帯教えて!】
    俺は数日間、(彼女に会うまで)その子の事が気になって仕方なかった…多分アレが初恋やったんや。」

    2007-04-01 16:46:00
  • 239:

    「その夜、俺はいつメールが来るか楽しみで…名前は何ていうんやろ?何処に用事やったんやろう?ってそんな事ばっかり考えてた。
    結局、夜中になっても返事は返ってこうへんかった…。一晩中、携帯を握り締めて 寝られへんやった…。」

    2007-04-01 16:50:00
  • 240:

    「朝 6時ごろ突然に携帯が鳴った。俺は飛び起きて携帯を見たねん
    【会いたい。】一言だけのそのメールに俺は、髪もグシャグシャなままスエットで
    灘波行きの電車に乗り込んだ。」

    2007-04-01 16:54:00
  • 241:

    「急いでいつもの場所にいった。 化粧が崩れて、綺麗に巻いてセットされていた髪もグチャグチャで…目を真っ赤にしていた。
    何も言わず、彼女は抱きついてきた。 甘い香水の匂い…

    夜で暗かったから見えなかったけど…朝日に照らされた彼女の容姿を見た時、初めてナゼ 彼女がココを通っていたのか解った…」

    2007-04-01 17:01:00
  • 242:

    「近くに『ロイヤルホスト』があったからソコに入った。彼女は、家の事情で夜は『セクキャバ』って仕事をしていたらしい。
    俺は、その時『セクキャバ』の意味が解らんかったねん。
    話をしてる間に彼女の顔はすっかり笑顔になって、俺は泣いていた訳を聞くのを止めた…」

    2007-04-01 17:16:00
  • 243:

    「【出ようか】【うん。】俺たちはロイホを出た
    彼女は、灘波の駅の前まで見送ってくれた。 でも…もう少し一緒に居たくなって…
    【なっ もうちょっと居ろうや!】
    そう言って2人は また街に歩き出した」

    2007-04-01 17:20:00
  • 244:

    「行くあても無く、朝のミナミをブラブラ歩いてた。
    しばらくすると、彼女が足を止めた。
    俺は、彼女が見つめる建物に目を向けた。
    確か…『ホテル アルプス』大きなラブホテルやった…。」

    2007-04-01 17:24:00
  • 245:

    「彼女の訴える様な瞳に負けて 俺は彼女を心を込めて抱いたんや…。
    それから彼女と毎日メールでやり取りしてた
    でも…ある時 ピタッとメールが返って来なくなった…」
      ハルカは、黙って俺の話にじっと耳を傾けていてくれた。

    2007-04-01 17:28:00
  • 246:

    「電話をかけても なかなか繋がらなくて でも、諦めずに何度も何度も電話し続けた…
    やっと電話に出てくれたけど…彼女は泣いている様子やった…。」
      あの時の情景が頭を駆け巡る…

    2007-04-01 17:40:00
  • 247:

    「【ゴメン…ごめん】【どうしたん?携帯潰れてたん?】【もう…合わせる顔無い…】【は?意味解らん…】【うちな…今月売り上げ悪くて…お客さんに1回本番やらせてくれたら…お金くれるっていうから】
    【もういい!聞きたくない!】【待って!切らんといて!】【…。】【2,3日前から風邪気味で…病院いったねん…気になったから エイズの検査もしてもらった…そしたら反応が出て でも…発症するまで】」

    2007-04-01 17:48:00
  • 248:

    「 それで…俺は電話を切った…  俺はエイズやねん!エイズ!」
    全てを吐き捨てた 今まで誰にも言えなかった事 1番知られたくなかったハルカに
    俺は自分で 自分の言葉で 心の闇をさらけ出した

    2007-04-01 17:51:00
  • 249:

    (もう終わった…エイズの人間なんかと…ハルカは一緒に居てくれる訳が無い…
    俺から放れて行っても…俺はお前を恨んだりしいひん…だから…もう泣かんとってくれ…)

    2007-04-01 17:55:00
  • 250:

    ハルカは俺のグシャグシャの顔を冷たく冷えた手の平で大事に抱え 素肌にしまい込んだ
    物凄い包容力で…ハルカの胸に引き込まれていった
    「ごっつ恐い…死ぬのん…めっちゃ恐い」
    母親の様なハルカの胸で 俺は初めて弱音をはいた…

    2007-04-01 18:04:00
  • 251:

    「私が居るやん…ずっと ずっと 祐君と居るやん…」

    2007-04-01 18:07:00
  • 252:

    ハルカの湿った唇に唇を重ね、こねる様に舌先でハルカを愛した
    子供の様に、裸のハルカの胸に包み込まれ 白いシーツに2人は抱き合う
    ハルカの体温 ハルカの匂い ハルカの鼓動を聞きながら ゆっくり夢の世界に旅に出た 

    2007-04-01 21:18:00
  • 253:

    トントントントン…
    台所からテンポよく聞こえる音に、俺は目を覚ました
    青いエプロン 長い髪 味噌汁の臭い…
    いつもどおりの朝

    2007-04-01 21:24:00
  • 254:

    机の前に向き合うハルカは いつもより、よく笑って よく飯を食っていた
    (コイツ見てたら何か元気出てくる…体しんどいけど…ハルカの笑顔はうつるねんなぁ〜)
    「最近、何処も行ってないし どっか行こうか?」
    俺の言葉に一々喜び 満面の笑顔 (お前可愛すぎ!!)

    2007-04-01 21:39:00
  • 255:

    ------秋の海に出発!-----
    ハルカは海に行きたいと言い出した 
    (海〜?寒いやん… でも、コイツもどっか連れて行って欲しかったやろうに…気使って我慢してたんやもんな…)
    車の中ハルカのテンションは、ますます上がる

    2007-04-01 21:48:00
  • 256:

    「ピクニックしよう!」
    よっぽど俺と出かけるのが嬉しいのか、ニコニコが止まらない。
    (笑 ピクニックって! まだまだガキやな!)

    2007-04-01 21:52:00
  • 257:

    二色浜に向かう途中にあったコンビニに寄った
    ハルカは俺が持った黄色いカゴにお菓子やらおにぎりを、どんどん放り込む
    (ハルカと出かけるのも…もうそんなに無いかも知れん…。)

    2007-04-01 21:56:00
  • 258:

    (携帯も持ってないし…俺のシャメさえも持ってないねんよな…俺カメラ撮るのん嫌いなんやけど…アイツ…俺の写真とか欲しくないんかな?俺が死んで何年も経ったら…俺の顔とか忘れてしまうんやろうな…。)

    2007-04-01 22:00:00
  • 259:

    「ありがとうございました!」
    (カメラなんて買う気無かったのに…コンビニでなんぼ使わすねん!笑)
    37枚撮りの1番枚数が多く撮れるカメラを、ハルカが選んだ事に 内心嬉しかった…

    2007-04-01 22:04:00
  • 260:

    -----秋の海は 人気もなく静か----
    ザバーン ザバーン
    波の音 少し冷たい潮風 どんよりの曇り空
    そんな中、俺たちのピクニックが始まる

    2007-04-01 22:08:00
  • 261:

    早速おにぎりをほうばったハルカを カシャ!
    今度はハルカがカメラを握り 俺が何かするたびに カシャ!
    普段なら…カメラなんて必死で避けるけど…ハルカの記憶から消えたくない

    2007-04-01 22:13:00
  • 262:

    (俺がこの世から消えた後 どんな顔して写真見んねんろ? 楽しい事があったら俺に笑って報告するんかな? 悲しくて泣いてたら俺の顔で笑顔になれんかな? そうやったらいいな…)

    2007-04-01 22:17:00
  • 263:

    ポツ ポツ ポツ…
    空から涙が降ってきた 冷たくて寂しい涙 空は何かが悲しいらしい…
    ハルカと俺はビニールを頭に 降下に逃げ込む
    空の涙は止まることなく地上に雫を注ぎ込んだ…

    2007-04-01 22:22:00
  • 264:

    (走ったから疲れたな…熱もまた出てきたんかな?凄い寒い…)
    台無しになってしまったピクニックを残念そうに顔に出すハルカ…
    「こっちおいで」
    俺は降下に座り込んだままハルカを後ろから抱きしめた

    2007-04-01 22:29:00
  • 265:

    頬を寄せるとじんわり…ハルカの36度を感じる…
    (お前と出会えて本当に良かった…お前がお前でホンマに良かった…俺が俺でホンマに良かった…)
    「ありがとうなっ。」
    心の中で思った言葉がつい口に出てしまった…

    2007-04-01 22:37:00
  • 266:

    ハルカはその意味も解らないだろうに 「…うん。」なんて返事した
    (バカ!解ってない癖に…苦笑)

    2007-04-01 22:40:00
  • 267:

    最後の1枚残った写真は2ショット 俺にとっては初めての2ショット
    隣で写ったのがハルカ 
    けど…この2ショットは生まれて初めてで… 最初で最後の2ショットになった。

    2007-04-01 22:46:00
  • 268:

    ゴホン…ゴホン
    (何か凄い苦しい…)
    雨が強くなって来たので車に引き返そうと、降下から抜け出して車まで走っていると
    突然 胸を締め付けられた…心臓がどうにか成りそうなほど暴れる

    2007-04-01 22:51:00
  • 269:

    息苦しさはどんどん強まり 首を誰かにつかまれている様に息が出来ない
    雨に打たれ膝から砕け落ちる 咳は止まらず 雨は容赦無く俺に降り注ぐ

    2007-04-01 22:55:00
  • 270:

    主から

    今日はこの辺で…

    2007-04-01 22:58:00
  • 271:

    名無しさん

    見てます?

    2007-04-02 04:08:00
  • 272:

    もも

    もぉすぐ終わりかな?めっちゃかわいそう(>_

    2007-04-02 11:29:00
  • 273:

    主から

    (もう…終わりなんかな? …俺、限界きたんかな)
    苦しさで もがく俺を支えてくれたのは…ハルカだった

    2007-04-02 21:07:00
  • 274:

    主から

    ハルカが必死で俺に呼びかける…雨の音 波の音 俺の咳する音 心臓の鼓動
    全てがその声を邪魔する…
    (ハルカ…聞こえん! お前の声も…顔も )
    天を仰いだ俺には、ハルカの顔は歪んでいがむ

    2007-04-02 21:11:00
  • 275:

    (苦しい…助けてくれ ハルカ… 死にたくない!お前の前だけでは絶対逝きたくない!)
    咳と、口に流れ込む雨で言葉が出ない…
    (恐い…恐い!恐い…死にたくない…)

    2007-04-02 21:16:00
  • 276:

    (俺 まだハルカに何もしてあげてないやん! まだ、ハルカと居りたいねん… もうちょっとだけでいいから…
    それは我がままなんか? 俺はまだまだハルカに伝えとかなアカン事もあんねん! まだ死ぬわけにはイカンねん!
    もうちょっと…ホンマに少しでイイから…。)

    2007-04-02 21:25:00
  • 277:


    「…俺 ゲホッゲホッ… もっと…ゴホン…早く…ゲホッ お前に出会ってたら…ゲホッ!ゴホッ! …良かったっ…ゴホンッ ゴホンッ!」

    2007-04-02 21:37:00
  • 278:

    ピーポーピーポーピーポー!
    けたたましい音がはるか遠くから 微かに聞こえる 赤い光… 徐々に俺とハルカに迫る
    (助けて! 助けてくれ! )

    2007-04-02 21:43:00
  • 279:

    数人の男が俺の体を持ち上げ 小さな空間に入った 速やかに口には緑の呼吸器が取り付けられる…
    呼吸はそれでも落ち着かない…苦しい…恐い…。

    2007-04-02 21:46:00
  • 280:

    その時、足元にハルカを感じた。 
    (ずっと側にいてくれ…俺に触れてて…放れたくない…俺を放さんといて…お前を感じてたい…。)

    2007-04-02 21:50:00
  • 281:

    気が付くと白い服に囲まれ 俺の体に針を突き刺す
    (助けてくれ…俺はまだ生きたいねん! 死にたくない…死にたくない…)
    意識がどんどん遠のく…でも、とても心地いい…白く温かい…
    一体ココは何処なんや? それに呼吸も苦しくなくなっている…

    2007-04-02 21:55:00
  • 282:

    【ユウスケ…ユウスケ〜】
    昔よく聞いてた懐かしい声…俺が親に叱られたときは優しく微笑んでくれた…万引きが親に見つかった時 悲しい顔をした…子犬を拾ってきた時 家族に秘密で裏の空き地に小屋を立ててくれた…あの人の声…。
    (婆ちゃん!!)

    2007-04-02 22:00:00
  • 283:

    【こっちにおいで〜ユウスケ…】
    (何で婆ちゃんが?婆ちゃん俺が中学の時死んだやん…婆ちゃん、何処に居るん?)

    2007-04-02 22:05:00
  • 284:

    【ユウスケ〜ココだよ こっちだよ…】
    (婆ちゃん!アカン!行かれへんよ! 俺、婆ちゃんと行ったら ハルカ一人になるやん! 俺いかれへんよ…。 まだハルカと居りたいもん…。 婆ちゃんとは行かれへん…俺まだ、もうちょっとハルカと居りたいねん だから今すぐには行かれへんよ…)

    2007-04-02 22:10:00
  • 285:

    【…。】
    婆ちゃんの声は、そう言うとスッと消えていった… そんな不思議な夢から覚め
    俺は 白いベットに寝かされていた。
    脇にはハルカが化粧を溶かして 寝ていた。

    2007-04-02 22:20:00
  • 286:

    主から

    明日も仕事なので 今日はこの辺で…。

    2007-04-02 22:23:00
  • 287:

    名無しさん

    あぃさ?また楽しみにしてます??

    2007-04-02 23:05:00
  • 288:

    名無しさん

    楽しみにしてます?

    2007-04-03 02:32:00
  • 289:

    もも

    ほんませつない…めっちゃないてます。明日も楽しみにしてます。

    2007-04-03 04:32:00
  • 290:

    名無しさん

    あげ?

    2007-04-03 13:03:00
  • 291:

    主から

    みんな ありがとう!!

    2007-04-03 21:45:00
  • 292:

    「おいっ!おいっ!」
    いつの間にか、俺の腕には数本の点滴が刺さっていて その腕で隣で目を閉じたハルカの頭を揺すって起こす。
    何度も瞬きをして俺の顔を見た その目は赤く充血しウルウルしている
    「祐君! よかった〜!目覚ました!!」

    2007-04-03 21:51:00
  • 293:

    ハルカが目を、まん丸にして俺の目を見つめる その目に映っていてのは弱弱しい顔の俺だけ…
    「本間に、今回はヤッバイかな〜って思ったわ〜!」
    (…俺いきてるんや! 生きてたんや!)

    2007-04-03 21:56:00
  • 294:

    「肺炎に成りかけてたらしいって、さっき看護士さんから聞いた。」
    「本間か〜ゴメンな!せっかくのピクニックやったのにのう〜」
    「いいよ!その代わり〜退院したら、どっか連れてけっ!」
    「解ったよ!約束なっ!」

    2007-04-03 21:59:00
  • 295:

    この時、俺は…本当に また元気になれると思っていた… 元気になると 信じていた…。
    (今日のオトシマエ、ちゃんとはたすから…退院したら、2人で指輪を買いに行こう…お前と俺が左の薬指に付ける永遠の絆。
    金はあんまり無いけど…お前に似合うダイヤの指輪を絶対に買うから…結婚しよう。)

    2007-04-03 22:05:00
  • 296:

    約束っと言うと、ハルカは細くて白い 小指を突き出して俺に絡ませた
    でも、俺は小指なんかより その隣の指が欲しいと思った…。

    2007-04-03 22:09:00
  • 297:

    そのままゆっくりと両手で俺の左手を温めてくれた…
    ハルカの温度を確かめる…温かくて 柔らかい 
    女神のように全てを包み込む優しい表情…
    (俺…生きててよかった  ホントに…ホントに…)

    2007-04-03 22:16:00
  • 298:

    「写真、早く現像してな〜」
    「絶対ハルカ変な顔ばっかりやわぁ〜!」
    「イイやん!元々おもろい顔してるんやから〜笑」
    化粧が崩れてボロボロになった顔を見て言った。

    2007-04-03 22:19:00
  • 299:

    「イッテ〜!!病人に暴力ふるってきます〜ベッピンでスタイルいい看護婦さーん☆」
    「帰ったら絶対しばくぅ!」
    ブッと頬っぺたを膨らませた
    「はははっ!」

    2007-04-03 22:26:00
  • 300:

    笑った瞬間 喉の辺りに違和感を感じた…
    「ゴホン…ゴホッゴホッ!」
    どんどん気道が狭くなる…グイグイ首をねじられる様な感覚
    目を閉じて歯を食いしばる 咳が収まらない

    2007-04-03 22:29:00
  • 301:

    苦しくてたまらない のたうちまわる ハルカの手を見つけ必死に掴んだ…
    (放したくない!放したら  何か終わる気がする… 一生会われへん気がする…!)
    苦しさで汗ばむ手の平が 柔らかい肌に爪を立てた 力いっぱいに握り締める

    2007-04-03 22:34:00
  • 302:

    突然、握り締めた手を強い力で振り解かれた… 
    (アレッ?! ハルカ!ハルカ! 何処に行った?ハルカ!!)
    行く場所が無くなった 俺の両手は 温かい手の平から 硬く冷たい柵を握り締めていた

    2007-04-03 22:37:00
  • 303:

    (苦しい!本間にヤバイ! 苦しい…)
    頭がソワッと白くなって気持ちいい…。
    【祐君…もう頑張らなくても…いいんだよ。】
    また、天井の方から 不思議な声が降って来た

    2007-04-03 22:41:00
  • 304:

    でも、さっきの婆ちゃんの声とは違う…  
    (ハルカ?…)
    【もう…祐君は今まで いっぱい いっぱい…苦しい思い したでしょ… だからもう  楽になって いいんだよ…。】

    2007-04-03 22:45:00
  • 305:

    白の世界からスッと 突然ハルカの姿が現われた…
    手を差し出し 俺の前に立っていた… 優しい微笑を蓄えて…。
    【あっちに行こう…私達 ずっと ずっと…ずっと 一緒なんだから…。】

    2007-04-03 22:50:00
  • 306:

    誘われる様に 俺の手はハルカの手をとり 白い世界に歩き出す…
    フワフワして心地いい…
    白い世界をずっと進むと 大きな扉が見えてきた

    2007-04-03 22:53:00
  • 307:

    【こっちだよ】
    扉は俺たちの前でゆっくりと開き その中に入ると ハルカはいつの間にか消えた…
    (ハルカ? ハルカ〜!!)
    ギィーー  バタン!

    2007-04-03 22:56:00
  • 308:

    扉が閉まると 今までの風景とガラッと変わった。
    辺り一面 暗闇…
    (何処いったんなよ!出て来いよ〜ハルカ!)
    下に座り込んだ…

    2007-04-03 22:59:00
  • 309:

    モサッとした感触…
    (花や…)
    いつかの夢を思い出した…暗い世界に閉じ込められ その時も確かに花があった…
    頭の上が、一瞬だけ白い光が差す

    2007-04-03 23:02:00
  • 310:

    その光に照らされ ハルカの顔が俺の目の前にあった…
    涙を流すハルカの顔 ハルカは何も言わずにキスをした。
    【私の側に ずっと居てな… ずっとずっと…忘れたりしないから。ずっとずっと…愛してるから… だから 祐君はもうオヤスミ…。】

    2007-04-03 23:07:00
  • 311:

    ゆっくり…目を閉じて 俺は永遠の眠りについた…。

    2007-04-03 23:10:00
  • 312:

    だけど…俺は20年という短い人生を恨んではいない。
    20年中、短い期間だったけど…100年の恋をした…
    世界中の誰よりも愛した人 いつも側に居て笑顔をくれた人 一生懸命俺を愛してくれた人…
    そんな人間にこの世で出会えた事に喜びを抱き そうして俺は彼女の前で 最期の時を迎えた…。

    2007-04-03 23:16:00
  • 313:

    ありがとう ハルカ。

    2007-04-03 23:19:00
  • 314:

    ------完-------

    2007-04-03 23:22:00
  • 315:

    『★ルックス-----番外編----(祐君)』 を読んでいただき、本当にありがとうございました。
    感想なんかを書いていただけたら 主としては嬉しいです。
    では、明日も仕事なのでこの辺で…オヤスミなさい。

    2007-04-03 23:25:00
  • 316:

    ?

    主サン、お疲れ様です??
    ずっと読んでたケド、すごいょかったです?愛って体じゃぁナィですね?改めて考ぇさせられました?
    また何か機会ぁったら書ぃて下さい?期待してマス??

    2007-04-04 00:01:00
  • 317:

    名無しさん

    お疲れさまです?よかったです?また書いてくださいね?

    2007-04-04 01:47:00
  • 318:

    名無しさん

    泣ける?

    2007-04-04 12:27:00
  • 319:

    主から

    ありがとうございます!
    主のような人間でも人に感動してもらえる作品が出来るなんて思ってもみませんでした。
    謝謝!!

    2007-04-04 19:58:00
  • 320:

    名無しさん

    本編はハルカの家庭環境から始まるのに、最後はハルカ独立だったから、その後のハルカと家族の関係の事も気になりました。

    2007-04-04 23:22:00
  • 321:

    完結おめでとうございます。

    2007-04-05 02:10:00
  • 322:

    主から

    326さん
    笑 最初からのストーリー憶えてらっしゃいましたか〜!恥ずかしながら…ハルカの家庭環境の事はストーリーを考えていく上で抜けていってました。
    327さん
    読んでいただいてありがと!

    2007-04-07 22:33:00
  • 323:

    名無しさん

    ??

    2007-04-13 11:10:00
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