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一
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1:
彩乃
あたしは
ただ幸せになりたかっただけやねん
だからお願い
もうあたしから何も奪わんといて…2007-03-25 02:37:00 -
2:
彩乃
『いらっしゃいませ』
今日もあたしは、友達の結香と働いている。
仕事はクラブホステス。
毎日が同伴、アフターの繰り返しでこのまま年をとっていくのかと嘆いていた21歳の冬。2007-03-25 02:43:00 -
3:
彩乃
寒い寒いこの街で
あんたに出逢った。2007-03-25 02:47:00 -
4:
彩乃
『お疲れ様です。』
アフターを終え、お姉さんに挨拶をしてタクシーに乗り込んだ。
『堀江まで。』
運転手にそう告げると、タクシーはゆっくりと走り出した。2007-03-25 02:50:00 -
5:
彩乃
『お客さん、今日は冷えますねぇ』
『そうですね』
少し小太りの運転手はろくに返事もしないあたしを気にもとめず、べらべらと他愛もない話をしていて、あたしはそれをほとんど聞き流していた。2007-03-25 02:53:00 -
6:
彩乃
キキーッッ……!!
『えっ何!?』
いきなりのブレーキに焦って外を見ると、スーツ姿の長身の男。
『なんやこの兄ちゃん。酔っ払ってんのかいな。危ないのーほんま。』
そう言いながら運転手は窓を少し開けた。2007-03-25 02:57:00 -
7:
彩乃
『兄ちゃん危ないで!はよどいて!!』
その男は俯いていてあまり顔はよく見えない。
『すみませんね、お客さん。酔っ払いは何するかわからんから恐いわ。』運転手は恐いと言いながらも罵声を浴びせ、車は再び発進しようとした。2007-03-25 03:06:00 -
8:
彩乃
あたしはあまり気にもとめず、ただぼーっとその男の顔を窓から見ていた。
“あっ…泣いてる…”
正直、男の人の涙を見るのは初めてだった。2007-03-25 03:10:00 -
9:
彩乃
なぁ、あたしは今でも
あの場所に言ったらあんたがおりそうな気がすんねん。
そこに行けば、例えどんな形でも傍におれる事があんなにも幸せな事やったんやって
今ならわかる。2007-03-25 03:16:00 -
10:
彩乃
言ったら→行ったらです?
2007-03-25 03:18:00 -
11:
彩乃
『おっちゃん止めて!!ここでいいわ!!』
『ほんまかいな?もしかしてさっきの男知り合いですか?』
『ううん、ちゃうけど…』
気がつくとあたしは、適当にお札を放り投げてタクシーを降り、駆け出していた。2007-03-25 03:22:00 -
12:
彩乃
何であんな事したんか
自分にもわからん。
でもそれは、意味のある事やったんやって
あたしは信じてる。
むしろ、あの時の自分に感謝してんねん。2007-03-25 03:25:00 -
13:
彩乃
『なぁ!大丈夫?』
男はあるビルの入り口にしゃがみこんでいた。
『え…?』
ふ、とあたしを見た男の顔はあまりにも整っていて、あたしは一瞬たじろいだ。2007-03-25 03:29:00 -
14:
彩乃
『いや…酔ってるみたいやから…それに…泣いてる…。』
『…ごめん。何でもないねん…』
そりゃあ赤の他人にいきなり本当の事を話さないな、と思いあまり深くは聞かなかった。2007-03-25 03:34:00 -
15:
彩乃
あたしは近くの自販機であったかいお茶を2つ買って、何も言わずに差し出した。
男は少し戸惑いを見せたが、ありがとう、と少しほほ笑んで両手で握りしめた。
二人とも何も話さず、ただただ雑居ビルの下で目の前を行き交う人々を眺めていた。2007-03-25 03:39:00 -
16:
彩乃
一時間程経った頃、男は真っ直ぐ前を見ながら話し出した。
『俺の子供、死んでん。』
それはあまりに突然の事で、あたしはただ男の横顔を見つめる事しか出来なかった。2007-03-25 03:43:00 -
17:
彩乃
『交通事故でな。翔ってゆう四歳の子おって、俺がちょっと目離した間に………あかんな、やっぱ一年経っても酒飲んだら涙出てくるわ。情けない話やけど。今日は翔の誕生日やってん。翔が死んでから嫁さんとも上手くいかんよぉなって離婚したんやけどな。…俺のせいやのに…俺が何やってももう翔は戻ってこやん…』
2007-03-25 03:52:00 -
18:
彩乃
気がつくと、男の目から再び涙が溢れていた。
あたしは自分の体の奥からも湧き上がってきそうなそれをぐっとこらえ、男を力いっぱい抱きしめた。2007-03-25 03:54:00 -
19:
彩乃
あたしは確かに
あの時あんたの心が助けてって叫んでるのが聞こえてん。
誰に言っても信じてくれへんけど
あんたとおったら
何でも出来る気がする。2007-03-25 04:00:00 -
20:
彩乃
『ありがとう…俺カツってゆうねん!お姉さんのお陰でちょっと元気なったわ。名前は?』
『…彩乃。』
『彩乃ちゃんか。ほんまにありがとう。ごめんな、寒いのに見ず知らずの俺に優しくしてくれて。酔いも冷めたし、送るわ!』2007-03-25 04:04:00 -
21:
彩乃
『いいよ。タクシー乗ってすぐやから。』
『じゃあこれタクシー代に使って。』
カツは財布から一万円をぬき、差し出してきた。
『いいって!家近いしそんないらんから!!それにあたしが勝手にした事なんやし…』2007-03-25 04:09:00 -
22:
彩乃
しばらくお札の押し付け合いが続いたあと、カツは何かを思い立ったような顔をして、名刺を差し出した。
そこには、あるキャバクラの名前と“代表 安藤 一”の文字が書かれていた。2007-03-25 04:18:00 -
23:
彩乃
『代表なんや…ってか一って書いてカツって読むん珍しいなぁ!』
『やろ?そこに番号載ってるから良かったらかけてきて。お礼に飯でもご馳走するわ!俺ほとんど店出てないからいつでもいいし。』
『わかったぁ。』2007-03-25 04:24:00 -
24:
彩乃
一って、いつも一番になれますようにって意味やねんてなぁ?
この汚い世界は あたしには苦しすぎて
一、あんただけが
あたしが唯一、一番、一番輝いて見える道しるべやってん。
あんたにとってあたしは一番やったんかなって今も考えるけど、やっぱり答えはわからんかった。そうであってほしいと願う事しか出来ひんかってん。2007-03-25 04:39:00 -
25:
名無しさん
かいて?
2007-03-25 19:04:00 -
26:
名無しさん
?
2007-04-10 17:50:00