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━その時、ただ涙━
-
1:
星涙━てぃな━◆aVwzlHDpzE
━━復讐━━
あたしはあいつに復讐する。傷付けられた数だけ涙を流したけれど、もう泣かない。涙は枯れ【怒り】だけが頭をぐるぐる回っていた。2007-03-07 22:31:00 -
2:
星涙◆aVwzlHDpzE
【やる気がおきない】
毎日に嫌気がさし、友達の夢に向かって突き進む姿や、回りの全てにうんざりする。
【これじゃ駄目だ!】
そうは思うが、何をしていいのかわからず…夜遊びを繰り返していた。2007-03-07 22:43:00 -
3:
星涙◆aVwzlHDpzE
ナンパ目的の車が多くなるのは0時を過ぎたくらい。車を停めておけば、誰かが絶対に話しかけてくる。
星涙達がいつも車を停める場所は、暗い道路の中でひときわ光る白い標識がある場所だ。
ここは、外灯もあって相手の顔もよく見える。2007-03-07 23:03:00 -
4:
星涙◆aVwzlHDpzE
「コンコンッ」窓を叩く音。車を停めて3分、さっそくの来客者だ。
星涙と麗美は今日1番の笑顔を作り、窓を開けた。
勢いよく下へさがる窓が半分まできた時、相手は顔をひょこっと出した。2007-03-07 23:09:00 -
5:
星涙◆aVwzlHDpzE
「てぃーなー!うーるーみー!昨日ぶり!」
相手は、星涙達と同様、毎晩ナンパスポットにいる常連のごうだった。
「今日も出動!?毎晩暇だねー!」
星涙はごうを見るなり、勝負の笑顔を崩し、素に戻っていた。毎晩見る顔に[異性]と言うより、クラスメイトみたいな存在だ。2007-03-07 23:15:00 -
6:
星涙◆aVwzlHDpzE
「お前らもじゃんっ!そういえば、今仕事してるんだっけ?」
突然のごうの質問に二人は頬をふくらませ、
「ぷー!」と答えた。そんな二人を見て、ごうは笑いながらも口を開いた。2007-03-07 23:21:00 -
7:
星涙◆aVwzlHDpzE
「夜やんね??」
平然と言うごう。二人は訳がわからなかった。
【夜…?夜って何の事?】顔を見合わせ首をかしげる二人を見て、これだから子供は…と言わんばかりの表情で缶コーヒーを一口飲み終わると腕を組んで言った。2007-03-07 23:28:00 -
8:
星涙◆aVwzlHDpzE
「夜のお仕事!水商売!」
「はぁ!?うちらができるわけないじゃん!」
ためらいもなく言うごうに、星涙は驚きを隠せなかった。「無理に決まってんじゃん。そんな綺麗じゃないし。」
続けて、あきれた様子の麗美もため息まじりで言い放った。2007-03-07 23:33:00 -
9:
星涙◆aVwzlHDpzE
「なんで?喋んなかったら顔は可愛いと思うよ?毎日暇なら、暇つぶしでいいから行ってみろよ!?」
ごうの[喋んなかったら…]と言う言葉に反応はしたが、夜の世界に興味がなかったわけでもなく、妄想を膨らませる。
【うちらでもできるのかな…】2007-03-07 23:38:00 -
10:
星涙◆aVwzlHDpzE
「なっ?面接だけでも行ってみてよ!」
ごうの強引な誘いに、二人は首を縦にふった。決めるやいなや、ごうはキャバクラの店長に電話をした。
「もしもし?店長ですかー?俺の友達が面接行けるんですけど………」2007-03-08 19:50:00 -
11:
星涙◆aVwzlHDpzE
「はい。はいっわかりました!明日ですね?了解でーす!」
何やら、話しを進めた様子で電話を切るとごうは満面の笑みで言った。
「明日の10時に三角公園で待ち合わせだって。頼むな!」
「早いって!」麗美は慌ててごうの腕を引っ張るが…時すでに遅し…2007-03-08 19:54:00 -
12:
星涙◆aVwzlHDpzE
ごうは笑顔で手をふると、車に乗って走り去って行った。
「ごう最悪〜。ちょっと星涙!明日だってさ…どうしよう…怖いよ…」
いつも強気の麗美は顔をこわ張らせる。
「もう行くしかないっしょ!」2007-03-08 19:57:00 -
13:
星涙◆aVwzlHDpzE
星涙は、人に流されるタイプでこの時もごうに言われた通り【行くしかない】と思っていた。
ナンパをする為に隣に並ぶ車にも気付かず、明日の事を考える。ふと横目で麗美を見ると、落胆したように肩を落としている。2007-03-08 20:02:00 -
14:
星涙◆aVwzlHDpzE
「麗美…大丈夫?」
星涙はそっと麗美の肩に手をまわし、優しく言った。「怖いよ…。どうしよう。まじで怖い。」
麗美は今にも泣きそうだ。正直なところ、星涙も全く怖くないわけではない。
想像の中の店長はひげが生えた坊主で…いかにもそっちの人………なイメージ。2007-03-08 20:08:00 -
15:
星涙◆aVwzlHDpzE
【怖い…でも、今のあたしは働かなきゃ。少しでもお金がほしい。親にこれ以上迷惑かけたくない。行くしかないよ…】
星涙は決意を決め、真っ直ぐに麗美の目を見つめた。「あたしは一人でも行くよ。もしも行くなら、明日の6時に家に来て。」2007-03-08 21:28:00 -
16:
星涙◆aVwzlHDpzE
時間が止まったかのようだった。麗美は目をそらし、下を向いて、コクッと頷いた。そしてもう1度目線を星涙の目に向けた。
「うちも行く。星涙と離れるの嫌だし、一緒に行こう!」
さっきとは違う麗美の瞳。2007-03-08 21:39:00 -
17:
星涙◆aVwzlHDpzE
弱くて、今にも涙がこぼれ落ちそうな目とは打って変わって、強く…やる気のある目になっていた。
【キャバクラの面接に行く】
そうと決まったら落ちたくない。気付くと、二人は車を走らせビデオショップに向かっていた。2007-03-08 21:45:00 -
18:
星涙◆aVwzlHDpzE
ビデオショップにつくと、二人は水商売がメインのビデオを何本も借りた。店員は、不思議そうな顔をして二人を見ていたが、もうそんな事は関係ない。気分は、水商売のお姉さん。明るく華やかな世界が待っている。二人で行けるなら…何も怖い事はない。
いつしか…二人の顔には笑顔が戻っていた。2007-03-08 21:51:00 -
19:
星涙◆aVwzlHDpzE
まだ受かってもいないのに、お酒の作りかたを練習した。鏡に向かって営業スマイルも勉強した。
二人で考えていると、楽しくて仕方ない。もっと二人でいたい。
「二人で住めたらいいのにね。寮とかないのかな?」星涙は思いつきで言った。2007-03-08 21:55:00 -
20:
星涙◆aVwzlHDpzE
「明日聞いてみようよ!うちも星涙と住みたい!!」麗美は、目を真ん丸に開けその思いつきに乗ってきた。
この夜、星涙と麗美は色んな話しをした。部屋の中は、ケラケラと朝まで笑い声に包まれていた。2007-03-08 22:01:00 -
21:
星涙◆aVwzlHDpzE
━2004年5月━
これが――涙に包まれたこの物語の始まりだった――2007-03-08 22:18:00 -
22:
名無しさん
おもしろぃ???
2007-03-09 17:16:00 -
23:
星涙
カキコミありがとうございます???
また見てください?
今から更新します??2007-03-09 20:38:00 -
24:
星涙◆aVwzlHDpzE
━次の日━
朝まで話しこんでいた二人は夕方にのそのそと起きた。時刻は5時。約束の時間までまだ大分あるが、念入りにおしゃれをしたい為、すぐに用意を始めた。2007-03-09 20:46:00 -
25:
星涙◆aVwzlHDpzE
星涙は自慢のストレートの髪にヘアアイロンをあてる。スーッと根元から毛先へと移動させると、少し寝癖がついた髪はみるみるうちにストレートになった。
【今日もバッチリ!!】2007-03-09 20:52:00 -
26:
星涙◆aVwzlHDpzE
麗美は、エクステをつけた長い髪をくるくると巻いている。顔が薄目の星涙とは正反対で、麗美は目鼻立ちがハッキリとしている。ハーフと言ってもわからないだろう。
そんな麗美が髪を巻けば、すでに現役のキャバ嬢に見える。2007-03-09 21:02:00 -
27:
星涙◆aVwzlHDpzE
用意は2時間かかった。二人は、メイクも髪もいつも以上に気合いを入れている。
7時をちょっと過ぎたくらいに二人は家を出た。星涙達が住んでいる所は、街から少しはずれていて、街までは1時間かかる。2007-03-09 21:09:00 -
28:
星涙◆aVwzlHDpzE
勢いよく車に乗ると、コンポにMDを差し込み、音楽をかけた。[今日は面接]その事は頭の隅に置かれてしまった。
「マック行こうよー!」
麗美は、お腹をさすりながら言った。二人がどこかに出掛ける時、自然とマックを食べるようになっていた。2007-03-09 21:23:00 -
29:
星涙◆aVwzlHDpzE
道を走る事40分。左側にマクドナルドの黄色いエムのマークが見えて来た。左に方向指指示機をつける。そして、ドライブスルーでチーズバーガーを買ったあと、麗美から渡される順番でポテトを先に食べ始めた。
2007-03-09 21:45:00 -
30:
星涙◆aVwzlHDpzE
「アハハハ!食べすぎ!」そんな麗美を見て、星涙はお腹をかかえて笑った。
「はいっこれ使いな!」
星涙は、紙袋に入っていたティッシュを差し出した。「ありがとっ。」
照れているのか、麗美は顔を赤くしてティッシュを受け取り、口を拭いた。2007-03-09 22:03:00 -
31:
星涙◆aVwzlHDpzE
━━PM8:30━━
その頃、星涙と麗美が面接する[Club AIR]では、面接の準備が着々と進んでいた。2007-03-09 22:26:00 -
32:
星涙◆aVwzlHDpzE
今日はここまでです??
2007-03-09 22:28:00 -
33:
星涙◆aVwzlHDpzE
「今日来る女の子もはずれっすかねー?」
陽気な笑いで店長に聞くのはボーイの宮野。
「どうだかなぁ。ごうは夜むいてるって言ってたけど。」
店長の坂下は、タバコに火をつけるとその煙りを肺いっぱいに吸い込んで答えた。2007-03-10 15:47:00 -
34:
星涙◆aVwzlHDpzE
「まぁっ紹介だから変な奴はこないと思うけど!」
宮野はタバコを灰皿に押し付け、更衣室から出て行った。
[Club AIR]は、この街では1番有名な老舗。売上も長年トップを押さえている。2007-03-10 16:29:00 -
35:
星涙◆aVwzlHDpzE
しかし、去年No.1がやめ売上はがた落ちしていた。その為、他店が売上を追い上げていて坂下店長は非常にあせっていた。
「どうにかして売上を出せる女を探さないと…」
更衣室の外では笑い声が聞こえる。店はすでに同伴で来た客で賑わっていた。2007-03-10 16:44:00 -
36:
星涙◆aVwzlHDpzE
━━PM9:00━━
マックを食べてプリクラを撮ったりしていると時刻は9時をまわっていた。約束の時間まであと1時間。星涙と麗美は早目に待ち合わせの三角公園に行く事にした。2007-03-10 17:38:00 -
37:
名無しさん
頑張れ?更新楽しみ?
2007-03-10 17:40:00 -
38:
星涙◆aVwzlHDpzE
「あと少しだね…」
下を向き一言だけ口を開く麗美に、星涙は「うん」としか言えなかった。覚悟は決めたが、緊張に襲われる。自然と、タバコを吸う数がふえていった。
街ゆく人を見ると、サラリーマンの団体や着飾った女の人、ホストらしき人…2007-03-10 17:50:00 -
39:
星涙◆aVwzlHDpzE
太ったおやじに腕を組んで歩く綺麗な人、同伴だろうか。この街には様々な人がいる。ギラギラと光るネオンは、一層二人の緊張を大きくした。
公園の噴水の隣にある階段に座っていると、ホームレスがじっとこちらを見ていた。2007-03-10 17:55:00 -
40:
星涙◆aVwzlHDpzE
「怖い…帰ろう…?」
麗美は、星涙の手を引っ張る。
【あたしも怖い…帰った方がいいのかな。でももう決めた事なんだよ…ここで逃げていいの?】
星涙は自分の中で葛藤していた。2007-03-10 18:04:00 -
41:
星涙◆aVwzlHDpzE
その時!!
「キャアッッッ!」
麗美が顔を真っ青にして、叫んだ。誰かに腕をつかまれたのだ。二人が恐る恐る振り返ると…2007-03-10 18:08:00 -
42:
星涙◆aVwzlHDpzE
二重で大きいけど、キリッとした目が印象的な一人の男が立っていた。その男はニッコリと笑い二人に頭を下げて言った。
「今日の面接の子かな?」
男は30代前半くらい…いやもっと若いかもしれない。2007-03-10 18:12:00 -
43:
星涙◆aVwzlHDpzE
腕をつかんだのは、坂下店長だった。その綺麗な瞳に吸い込まれるように、二人は静かに頷いた。
「着いて来て。」
坂下店長は、二人に手招きすると、足早に公園を出て行った。2007-03-10 18:17:00 -
44:
星涙◆aVwzlHDpzE
長い足は、二人をおいてさっそうと歩いて行く。それに必死で着いて行った。道の隅にいるキャッチが坂下店長を見るなり、頭を深く下げて挨拶をする。
夜の街は初めてでも、【この人はすごい人】それだけはわかった。2007-03-10 18:27:00 -
45:
↑
ほんで?ほんで?
気になる??2007-03-10 18:31:00 -
46:
星涙◆aVwzlHDpzE
少し歩くと、地下にあるコンクリートの打ちっぱなしの部屋についた。部屋にある大きなソファーには、サングラスをかけた中年の男がドンッと座っている。
「社長、今日の面接の子です。」
坂下店長が言うと、社長は不安そうな二人に右手を差し出した。2007-03-10 18:35:00 -
47:
星涙◆aVwzlHDpzE
星涙から、麗美の順に握手をすると、社長は第一声を発した。
「合格!」
そして手を離した後、キラリと歯を出して笑うと、部屋から出て行ってしまった。2007-03-10 18:40:00 -
49:
星涙◆aVwzlHDpzE
【えっ…?合格…?てか、あれが社長?】
急な出来事にあっけにとられていると、坂下店長は声を出して笑い、二人をソファーに座らせ、冷たいお茶を入れてくれた。2007-03-10 18:48:00 -
50:
星涙◆aVwzlHDpzE
「まずここに記入して。」そう言うと、引き出しから白い紙を2枚出し1度目を通すと二人の前に静かにおいた。その紙には、名前、住所、電話番号など記入をする欄がある。
二人は、言われるがままにボールペンを手に取り書き始めた。2007-03-10 18:56:00 -
51:
星涙◆aVwzlHDpzE
そして5分程かけて全てを記入した後、坂下店長は喋り出した。
「遠い所から来たんだね。ご苦労様でした。あの社長ね、厳しい人なんだ!あんなに早く合格を出すなんて初めてだよ。君達は絶対に稼げる!俺から見てもわかる。どのくらい稼ぎたい?」2007-03-10 19:01:00 -
52:
星涙◆aVwzlHDpzE
今日はここで終わります??
お疲れ様でした???2007-03-10 19:07:00 -
53:
星涙◆aVwzlHDpzE
「十万円くらいかな?」
星涙は思いつきで金額を言ってみた。すると、坂下店長は、首を左右にふり「百万以上稼げるよ!」
と言った。
【百万…あたし達が!?キャバクラってそんなに給料いいの!?】2007-03-11 19:56:00 -
54:
星涙◆aVwzlHDpzE
「本当ですか!?No.1はいくらもらってるんですか!?」
星涙は、目をまんまるにして身を乗り出した。
「今の子は、二百万くらいかなぁ…。でも去年までいたNo.1は四百万くらいもらってたよ。きみ達も頑張ればきっと大金を掴める!!」2007-03-11 20:01:00 -
55:
星涙◆aVwzlHDpzE
坂下店長の優しい喋り方と説得力に二人は引き込まれて行った。そしてギッチリと手を握りしめ、握手をかわす。そこからは、給料の説明、罰金や寮に関する事を教えてもらった。
話していくうち…星涙の頭には、大きな目標ができた。
【No.1になる!!】2007-03-11 20:41:00 -
56:
星涙◆aVwzlHDpzE
面接は、30分程で終わった。張り裂けるくらいの緊張はどこへやら…あっさりと合格をもらい肩の力が抜けてしまった。
明日から寮に入る。そしてそのまま初出勤だ。
帰りの車の中で、星涙は考えていた。2007-03-11 20:59:00 -
57:
星涙◆aVwzlHDpzE
【あたしはNo.1になりたい。でもどうやったらなれるの?顔にはあんまり自信ないし…それにみんな綺麗なんだろうなぁ。あたしが行っても場違いになりそう…ああ…緊張する…】
2007-03-11 21:09:00 -
58:
星涙◆aVwzlHDpzE
それぞれ、思い思いにふけていると、帰り道はとても近くあっという間だった。すごく近く感じるのに、ガソリンの減り具合を見ると、遠くに行った事が改めてわかる。
「また明日ね。」と手をふる麗美と別れ、星涙は家へと帰って行った。2007-03-11 21:16:00 -
59:
星涙◆aVwzlHDpzE
色々な女の子がいて、地味な人や派手な人、モデルでもいけそうな位綺麗な人…。様々だった。
営業開始が近付いていたので、化粧直しをしているみんなの前に立たされ、挨拶をする事になった。2007-03-12 23:02:00 -
60:
星涙◆aVwzlHDpzE
ここで気のきいた挨拶でもできたら…とは思うが、言葉が見つからない。
「星涙ちゃんはNo.1になりたいみたいだから、みんなも負けないようにね!」
坂下店長は恥ずかしがる星涙の肩を抱いて言った。
正直、みんなには知られたくなかった。2007-03-12 23:13:00 -
61:
星涙◆aVwzlHDpzE
なれるかもわからないNo.1…。それは願望であり、妄想でもある。実現するには難しい事…。働いた事がない星涙でも、わかっていた。
それを新人がなまいきな!そう思われるに違いない。2007-03-12 23:17:00 -
62:
星涙◆aVwzlHDpzE
恥ずかしい気持ちと、申し訳ない気持ちとで複雑な中、とうとう営業時間が始まった。
しかし、そんな問題発言をした星涙を一人の女が見ていた。
音羽………店のNO.3だ。2007-03-12 23:58:00 -
63:
星涙◆aVwzlHDpzE
音羽は、コツコツととがったヒールを鳴らせ星涙の隣に座った。そして頭のてっぺんから爪の先まで舐めるように見る。グリグリと巻かれた金髪の髪に、大きな目が迫力を増す。
星涙はビクッと体を震わせ、音羽の目を直視できないでいた。2007-03-13 00:06:00 -
64:
星涙◆aVwzlHDpzE
音羽は、人なつっこい性格でたくさんの事を教えた。裏事情や、お客の事や、誘われた時の断り方。話せば話す程、話題が尽きる事なく、時より香ってくる香水の匂いに大人の魅力を感じた。
音羽と話しているとお姉ちゃんができたみたいで、星涙は嬉しくもあり、次第に緊張が溶けていった。2007-03-13 00:24:00 -
65:
星涙◆aVwzlHDpzE
少しずつだか、店の空気にも慣れてきた頃星涙は初めてのフリーの客についた。ボーイの宮野が気をつかって音羽と回してくれた。
客は、新人をつけるように頼んできたらしくちょうど今日入った星涙を回した…と言うわけだ。2007-03-13 00:29:00 -
66:
星涙◆aVwzlHDpzE
「失礼します!音羽ですっ!」
音羽は、客の前に座り名刺を渡した。そして営業スマイルを作った。星涙はどうしていいのかわからず、座っていると音羽が小さな声で「大丈夫!」と元気ずけてくれた。2007-03-13 21:54:00 -
67:
星涙◆aVwzlHDpzE
「この子星涙ちゃんって言うんですっ。今日入った新人さんですよ☆可愛がってあげてくださいね!」
音羽がフォローしてくれた為、星涙もつられて「初めましてっ!」と挨拶する事ができた。2007-03-13 22:00:00 -
68:
星涙◆aVwzlHDpzE
「星涙ちゃんは新人さんなんだね。初めてなのにこんなおじさん相手にさせちゃってすまないね。」
客はおしぼりで手をふき、それを畳んでテーブルの上に置いた。
「そんな事ないです!」 星涙は、そう言うのが精一杯だった。2007-03-13 22:06:00 -
69:
星涙◆aVwzlHDpzE
それを音羽は見逃さなかった。
「吉浦さんって言うんですね〜!おと優しそうな人大好き!」
声が1オクターブあがり、ぶりぶりな笑顔で吉浦の手に軽く触れた。2007-03-13 22:22:00 -
70:
星涙◆aVwzlHDpzE
いくら今日が初めてでも、音羽が吉浦を狙っている事くらいはすぐにわかった。星涙は2人の会話に、愛想笑いしか出来ずにいた。
そして、酒に助けを求めた。2007-03-13 22:25:00 -
71:
星涙◆aVwzlHDpzE
━━1時間後━━
「よっすぃ〜!いい体してんね〜!まっ飲め飲め!」吉浦に入れてもらったシャンパンをグラスに注いだ。
そう…………星涙は、酔っ払ってしまったのだ。人間酒が入るとテンションがあがる…しかし、星涙は特別だった。2007-03-13 22:30:00 -
72:
星涙◆aVwzlHDpzE
「てぃ〜なっいい加減にしなよ!飲み過ぎだって!」音羽は、眉間にしわをよせ苦笑いしながら言った。 「まぁまぁ、初めてなんだし緊張してたんだよ。」 吉浦は自分の子供を見るような目で星涙を見ていた。
2007-03-13 22:34:00 -
73:
星涙◆aVwzlHDpzE
「よっすぃ〜いい事言うね〜!あんたが大将!あっシャンパンもう1本ね!」 調子に乗る星涙に、我慢の限界が来たのか音羽はボーイを呼びに行くため、立ち上がった。
すると、吉浦は音羽の腕を掴み首を左右に振った。2007-03-13 22:39:00 -
74:
星涙◆aVwzlHDpzE
「吉浦さん…なんでですか?こんなに失礼な事してるのに。」
吉浦の温厚さが逆に不思議になっていた。普通の客ならすでに切れて帰っているだろう。
そんな音羽の質問に、吉浦は目尻をたらし笑って言った。2007-03-13 22:47:00 -
75:
星涙◆aVwzlHDpzE
「こんなに自分をさらけ出せる子いないだろ?見ていて飽きない。楽しい子だよ!今日は本当に来てよかった。」
吉浦は、星涙の口の端についているチョコレートをおしぼりで拭き取った。2007-03-13 22:53:00 -
76:
星涙◆aVwzlHDpzE
そしてボーイを呼び
「ドンペリもう1本たのむよ。」と耳元で言った。
ドンペリが運ばれて来る間に吉浦は星涙の頭をポンッと叩いてトイレに立った。
テーブルには、吉浦の財布と携帯が残されていた。2007-03-13 22:59:00 -
77:
星涙◆aVwzlHDpzE
トイレに入っていくのを確認した後、音羽はその財布の中身を確認するようにそっと開いた。
そこには名刺の束が…。それを1枚抜き、見てみると驚くべき事が書かれていた。
[吉浦化粧品
代表取締役 吉浦 正 ]2007-03-13 23:04:00 -
78:
星涙◆aVwzlHDpzE
音羽はギョッとした。吉浦化粧品とは、日本で1番有名な化粧品会社。
今目の前にいた吉浦からは想像もつかない。音羽は、星涙をじっと見た。星涙は値段もわからないドンペリを持ってはしゃいでいる。
【こいつもしかして…】2007-03-13 23:09:00 -
79:
星涙◆aVwzlHDpzE
「星涙…あんたすごいよ……」
音羽は思った事を口に出していた。
「なにがですかぁ〜?音羽さんも飲んでください☆よっすぃーが安い酒だけど入れてくれましたよ!」
無邪気に笑う星涙にもう1度口を開こうとしたが、その時ちょうど吉浦が戻って来た。2007-03-13 23:14:00 -
80:
名無しさん
気になる?
2007-03-14 00:36:00 -
81:
名無しさん
これってフィクション?
2007-03-14 00:37:00 -
82:
星涙◆aVwzlHDpzE
書き込みありがとうございます??これはフィクションです??(ノ><)ノ
変なとこあったら教えて下さい??今から更新します?2007-03-14 17:45:00 -
83:
星涙◆aVwzlHDpzE
「さて、トイレにも行ったしそろそろ帰るよ。今日は楽しませてくれてありがとう!」
吉浦は席につくなり言った。
「よっすぃーもう帰るの!?淋しいなぁ!」
何も知らない星涙は、残念そうに下を向く。2007-03-14 17:49:00 -
84:
星涙◆aVwzlHDpzE
その直後、吉浦の肩を叩いて「シャンパンうまかったぞ!」と舌を出した。
その行動に、音羽は目が点になりハッとして吉浦を見た。
心配無用。吉浦はニコニコと笑い星涙の頭をクシャッとなでた。2007-03-14 17:52:00 -
85:
星涙◆aVwzlHDpzE
「次は星涙指名でくるよ。じゃあまた!」
支払いはブラックカードで済ませた。化粧品会社の社長――――たかだか20万の飲み代を払うのはたやすい御用だろう。
星涙と音羽は、深く頭を下げ吉浦を送り出した。2007-03-14 17:59:00 -
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星涙◆aVwzlHDpzE
「星涙!あんたすごいよ!あの人吉浦化粧品の社長だよ!まじびっくりしたし!」
吉浦の姿が見えなくなると、音羽は星涙の腕をつかんだ。状況が理解できていない様子でヘラヘラ笑っている星涙のほっぺを軽く握り鼓膜が破れるかと思うくらい大きな声で叫んだ。2007-03-14 18:07:00 -
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星涙◆aVwzlHDpzE
「あんた大物になるよ!」
星涙は、酔いが覚めていなかったのでまたヘラヘラと笑っていた。そしてさっきより負けないくらいの声で「音羽さん大好き☆」と叫び音羽に抱き着いた。2007-03-14 18:11:00 -
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星涙◆aVwzlHDpzE
そんな2人を見ていた1つの影―――星涙は後々、大きな[後悔]に襲われる…2007-03-14 18:17:00 -
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星涙◆aVwzlHDpzE
吉浦は、次の日もその次の日も店にやってきた。
「星涙吉浦さんに好かれてるねえ♪うちなんてシャンパンすら入れてもらってないし!」
麗美は頭をかき、苦笑いした。2007-03-14 22:09:00 -
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星涙◆aVwzlHDpzE
「よっすぃーあたしの何処がいんだろ…連絡先も知らないのに来てくれて…めっちゃいい人だから、何か悪いなぁって思うんだよね。」
これが性格の悪い客ならこんなふうに思わない。だか、吉浦だから…いい人だからそう思ってしまう。2007-03-14 22:12:00 -
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星涙◆aVwzlHDpzE
そんな意気消沈した星涙を見て、麗美はニカッと歯を出して笑った。
「星涙だから来てくれるんだよ☆」
【あたしだから…かぁ。こんな想いじゃよっすぃーに見透かされちゃうよね!】2007-03-14 22:16:00 -
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星涙◆aVwzlHDpzE
麗美の笑顔に元気が出て来た。さすが友達。1番に星涙の事をわかってくれる。少し照れながら、吉浦の元へスキップしながら戻った。
麗美はシャンパンが入らないと嘆いていたけど、指名は着々ととっている。2007-03-14 22:22:00 -
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星涙◆aVwzlHDpzE
星涙と麗美は寮にいる時も店が始まる前も、必死に営業した。
出来る事があれば何でもした。そして指名、延長、シャンパン…少しずつであったが確実に売上を延ばしていった。2007-03-14 22:27:00 -
94:
名無しさん
あげ
2007-03-15 09:07:00 -
95:
名無しさん
書いてほしぃ??
2007-03-15 10:53:00 -
96:
星涙◆aVwzlHDpzE
見てくれてありがとうございます??
嬉しいです??
今から書きますっっ?2007-03-15 20:50:00 -
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星涙◆aVwzlHDpzE
━━2005年1月━━
冬も真っ只中。しんしんと体に凍みる寒さの季節がやって来た。街ではコートに包まれた人が身震いして歩いてゆく。冬――――――星涙と麗美が「Club AIR」に入って8ヶ月がたった。2007-03-15 21:06:00 -
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星涙◆aVwzlHDpzE
更衣室に大きく貼られた売上表―――
1位、百合 2位、星涙 3位、音羽 4位、麗美
星涙は頑張って頑張って…努力で2位を勝ち取った。麗美も上位の4位になった。2007-03-15 21:12:00 -
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星涙◆aVwzlHDpzE
【たかが8ヶ月でNO.2は有り得ない…】
【新人のくせに…】
【どーせ色恋枕でしょ】
そんな噂が流れていた。そして、有名店の新人が売上を上げた…客はすぐに飛び付き、次々と星涙を指名した。2007-03-16 19:52:00 -
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星涙◆aVwzlHDpzE
星涙は、悪い噂が増え、一時期落ち込んだ。ご飯も喉を通らなくなり、肉体的にも精神的にも限界になっていた。
しかし、こんな事じゃだめだと気持ちを切り替え、前向きに堂々とした。2007-03-16 19:59:00 -
101:
星涙◆aVwzlHDpzE
相変わらず星涙は、音羽をお姉さんの様に接した。悩みがあればすぐに相談するし、音羽の顔見知りの客が来ると、いつもヘルプについてくれた。
音羽に感謝した。大好きで大好きでたまらなかった。2007-03-16 20:08:00 -
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星涙◆aVwzlHDpzE
━━ある夜━━
8時に営業開始。今日は平日だから、客の入りは週末に比べると少ない方だ。しかし、時間が経つにつれ飲み帰りの客がどんどんと入ってきた。2007-03-16 20:24:00 -
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星涙◆aVwzlHDpzE
「星涙っ!新規の客だ。お前がつけ!」
ボーイの宮野から呼ばれ、少しほろ酔いの星涙は、背筋をピンと伸ばし名刺を用意しながら席へと近付いた。
[Club AIR]は金持ちそうな年配の客がほとんどだ。2007-03-16 20:35:00 -
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星涙◆aVwzlHDpzE
しかし、その新規の客は、遠くからでもわかる今どきの服装。近付くにつれわかる…年齢は20歳前半くらいだろうか。
笑い2人組だった。
久しぶりに付く若い客に少し緊張した。この時も音羽が一緒に付いてくれた。2007-03-16 20:39:00 -
105:
星涙◆aVwzlHDpzE
「失礼します!」
星涙は営業スマイルを作った。
「座って座って!」左に座っている男はにっこりと笑い挨拶をしてくれたが、星涙の目の前、右にいる男は無視して酒を飲んでいる。2007-03-16 21:58:00 -
106:
星涙◆aVwzlHDpzE
「ねぇねぇ」と言うように右側の男の足をつつくと、男は星涙の目をじっと見つめた。
星涙は一気に酔いが覚め、男の目に吸い込まれて行った。2007-03-16 22:01:00 -
107:
星涙◆aVwzlHDpzE
その目は真っ直ぐに、何の迷いもなく見つめた。
真っ直ぐに…真っ直ぐに…男の茶色い目には、星涙のア然とした顔が鏡のようにハッキリと写っている。
【綺麗な目…】2007-03-16 22:12:00 -
108:
星涙◆aVwzlHDpzE
「………な」
「……てぃな!」
音羽の声にはっとして我にかえった。何が起きたのか…頭がふわふわしていた。目の前には、さっきまでの瞳じゃない男が座っている。2007-03-18 19:03:00 -
109:
星涙◆aVwzlHDpzE
【さっきの目は何だったんだろ………あんな目初めて見たよ…】
そんな事を思っていると、音羽がグラスに酒を用意してくれていたので、乾杯する事になった。2007-03-18 19:10:00 -
110:
名無しさん
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2007-03-24 11:41:00