小説掲示板●夢の箱●のスレッド詳細｜夜遊びweb関西版

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●夢の箱●

• 1:

  マリ

  いつだか見ていた
  私達の幸せは
  あの箱の中で
  眠ってるから‥━
  
  さあ
  開けてみて‥

  2007-02-17 20:14:00
• 2:

  マリ

  慌ただしく
  人々が行き交う
  
  喧騒の中一時も眠らない
  光り輝くこの街に
  いつの日からだろう
  
  依存していた私がいた。

  2007-02-17 20:18:00
• 3:

  マリ

  「お父さんとお母さん離婚するｺﾄになったから」
  そう両親に告げられた15才の秋
  私は一人家を飛び出した

  2007-02-17 20:20:00
• 4:

  マリ

  いつかこの日が来ることは
  薄々気付いていた。

  2007-02-17 20:22:00
• 5:

  マリ

  裏切られたような
  見捨てられたような
  言い表しにくい感情を抱え
  夜９時過ぎ
  電車に飛び乗った

  2007-02-17 20:24:00
• 6:

  マリ

  涙を堪えてただひたすら
  電車の窓から見える景色を
  歯を食いしばりながら眺めていた

  2007-02-17 20:26:00
• 7:

  マリ

  降り立った街は
  大阪・ミナミ
  夜１0時をまわっているのに
  街は光り続け 人々は忙しく行き交う

  2007-02-17 20:29:00
• 8:

  マリ

  垢抜けない 中学生の私
  どう見たってこの街には
  不釣り合いだ。
  なぜこの街に来てしまったのか‥
  場違いな自分が恥ずかしく感じた

  2007-02-17 20:31:00
• 9:

  マリ

  ━終電まで少し歩こう‥。
  閉店した服屋のｼｮｰｳｨﾝﾄﾞで
  少し乱れた髪を直して商店街を大人に混ざって歩きだした。

  2007-02-17 20:34:00
• 10:

  マリ

  歩いてる途中
  すれ違う人たちに見られているような気がして
  １人が何だか落ち着かなくてｹｰﾀｲを開いた

  2007-02-17 20:35:00
• 11:

  マリ

  母親から何度か着信があったがかけ直さず
  仲のいい同級生のマユミに電話をかけた。
  ―ﾌﾟﾙﾙｯ

  2007-02-17 20:38:00
• 12:

  マリ

  「マリ−？どしたの？」
  暇だったのか真弓はﾜﾝｺｰﾙ目で出た。
  「今何してるの？」

  2007-02-17 20:42:00
• 13:

  マリ

  「え？ってゆかなんかｳﾙｻくない？マリどこいるの？」
  私の質問を無視して真弓は言った。
  事情を説明してミナミにいることを伝えた。

  2007-02-17 20:43:00
• 14:

  マリ

  「今から真弓も行くわ」
  そう言って人の話も聞かずに真弓は電話を切ってしまった。
  《‥終電で帰るのに‥》

  2007-02-17 20:46:00
• 15:

  マリ

  真弓は言い出したら聞かない。
  そのままｹｰﾀｲを鞄に戻して駅に戻る為歩きだした。

  2007-02-17 20:48:00
• 16:

  マリ

  １５分後ｹｰﾀｲが鳴る。
  「もしもし？」
  「あ〜マリ今駅着いたけど、ﾄﾞｺにいる？」
  居場所を伝えると真弓はすぐ行くと言って電話を切った。

  2007-02-17 20:52:00
• 17:

  マリ

  しばらくして私を呼ぶ声が聞こえた。
  「マリ〜っ♪」
  手を振りながら真弓が走ってきた。

  2007-02-17 20:53:00
• 18:

  マリ

  「お待たせっ」
  ﾆｯｺﾘ笑って真弓は言った。
  何故か両手いっぱいの荷物を抱えている。

  2007-02-17 20:56:00
• 19:

  マリ

  「何その荷物？!!どっか行ってた？」
  明らかに多すぎる荷物を見て私が聞くと
  「マリの着替えとﾒｲｸ道具と〜後は髪をｾｯﾄする道具と〜♪」荷物を引っ張りだす真弓

  2007-02-17 20:59:00
• 20:

  マリ

  「えっ？すぐに帰るよ？
  もうすぐ終電やしっ」
  私がそう言っても真弓は
  「いいからいいからっ♪
  ついてきてっ」と言って私の手を引き歩き出した。

  2007-02-17 21:01:00
• 21:

  マリ

  勢いに押され仕方なく真弓について歩いて、ｹﾞｰﾑｾﾝﾀｰの前で足を止めた。
  「何？ｹﾞｰﾑやるの？」
  「違うよ〜着替えるの」
  真弓はﾆｺﾆｺして私に言う。

  2007-02-17 21:04:00
• 22:

  マリ

  幼稚園の頃からの友達だけど真弓の考えるｺﾄは時々意味不明。
  言い出したら聞かないのは分かってるし真弓の言う通り着替えた。

  2007-02-17 21:05:00
• 23:

  マリ

  黒のﾐﾆ丈ﾜﾝﾋﾟｰｽにｷﾗｷﾗのﾐｭｰﾙ。
  濃いﾋﾟﾝｸのｽﾄｰﾙ。
  中学生にはﾁｮｯﾄ大人びた服。
  真弓は姉の影響で派手で大人っぽい服が好きだ。

  2007-02-17 21:08:00
• 24:

  マリ

  着替えた私を見て
  「やっぱﾒｲｸと髪だな〜」
  と言って真弓はﾒｲｸ道具とｺﾃを用意し始めた。

  2007-02-17 21:10:00
• 25:

  マリ

  家からｲｷﾅﾘ飛び出してきたからほぼｽｯﾋﾟﾝだし
  髪はｽﾄﾚｰﾄ。
  「ﾒｲｸは自分でやってね」
  とﾒｲｸ道具を差し出し私の髪を巻き始めた。

  2007-02-17 21:11:00
• 26:

  マリ

  私がﾒｲｸを終わる頃、真弓も髪を巻き終えていた。
  「んじゃあ行くかっ
  今日は朝まで遊ぶよっ」
  真弓は家の話には触れず私の手を引いた。

  2007-02-17 21:13:00
• 27:

  マリ

  帰るつもりだったけど、夜のミナミに興味があったし
  ‥今日ぐらいｲｲかな？と予定変更。
  朝まで真弓と遊ぶことにした。

  2007-02-17 21:15:00