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太陽と月とあなた
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1:
瑠璃◆WrHbmcjsoQ
無い物ねだりだったのは
一体、誰だったんだろう。
2007-02-03 16:04:00 -
2:
瑠璃◆WrHbmcjsoQ
「─で?どうすんねん」
「やから、俺は陽菜だけやって!」「ほなこれ何やねん。なめてんのかお前」
今正に、《修羅場》中。
2007-02-03 16:12:00 -
3:
瑠璃◆WrHbmcjsoQ
「だからそれは…」
「それは何?あたしが納得出来るような説明してみろ」「明梨から掛かって来たから登録してん。それだけやねんて!」「大地さぁ、その言い訳あたしに通用すると思ってんの?」
あたしの右手には大地の携帯。ディスプレイには《あかり》と表示されている。2007-02-03 16:19:00 -
4:
瑠璃◆WrHbmcjsoQ
─明梨。
あたしのライバル兼、
幼稚園からの幼なじみ。2007-02-03 16:21:00 -
5:
瑠璃◆WrHbmcjsoQ
───プラス、
大地の《元カノ》2007-02-03 16:24:00 -
6:
瑠璃◆WrHbmcjsoQ
「ほんまやって!信じろや!」「じゃあ明梨に掛けんで?これで嘘ついとったら知らんしな」「それで満足するんやったら掛けろや」
大地の一言で、戸惑いもなく発信ボタンを押す。冷たい機械から呼び出し音が耳に、部屋中に響く。2007-02-03 16:28:00 -
7:
瑠璃◆WrHbmcjsoQ
「─はい」コールを鳴らし程なく、すぐに明梨の物静かな低い声があたしの耳元から漏れた。
「もしもし明梨?あたし」
「え、あー…陽菜?」
がっかりしたような、どこか分かっていたかのような彼女の声。2007-02-03 16:41:00 -
8:
瑠璃◆WrHbmcjsoQ
「あんたまだ大地と切れてないん?今あたしと付き合ってんの知ってんちゃうんか」
「切れてたし、知ってるに決まってるやん。アイツ、またあたしの番号登録してたんやろ?」
あたしのキツイ口調に、慣れたように淡々と答える明梨。2007-02-03 16:46:00 -
9:
瑠璃◆WrHbmcjsoQ
「そうや。あんたの番号はあたしが消してん。やのにまた登録されてる。どうゆう事やねん」
《はぁ…》と溜め息をつくと、呆れたようにまた話し出す。
「大地が何ゆうたんか知らんけど掛けてきたんはアイツやで」「…やっぱり?」
みるみる間に、大地の表情が変わっていくのが見てとれる。2007-02-03 16:53:00 -
10:
瑠璃◆WrHbmcjsoQ
「瑞希と連絡取ってるから、瑞希に聞いて掛けてきよってん」
瑞希、大地の親友。
「なるほどな」「あたしはもう大地の番号消してたし、この電話切ったらまた消すし」
「…当たり前や」2007-02-03 17:01:00 -
11:
瑠璃◆WrHbmcjsoQ
まるで大地の事なんて
もう好きなんかじゃない様な口振りで話す明梨─。
《嘘ばっかり。じゃあ何で電話出た?》喉まで出かけた言葉を無理矢理押し込んだ。この青い顔して下を向く馬鹿男を、これ以上つけあがらせたくなくて。2007-02-03 17:05:00 -
12:
瑠璃◆WrHbmcjsoQ
「で、何話した?」
「…陽菜とは別れるからより戻そうって。そんなん二の舞やし、断ったけど」
少し申し訳なさそうに話す明梨の声に、苛つきながらも話を続ける。
「それからは連絡なかった?」「何回か。でも会ってないし」2007-02-03 17:10:00 -
13:
瑠璃◆WrHbmcjsoQ
会ってないの一言に、
少しだけホッとした。
「そか。分かった、ごめんいきなり」「…ううん、もう掛かって来ても出んようにするから」「絶対な(笑)じゃあ切るわ」《ばいばい》と言った明梨の、小さな声を最後まで聞く事なく通話終了ボタンを押した。2007-02-03 17:16:00 -
14:
瑠璃◆WrHbmcjsoQ
「ちゃ、ちゃうねん陽菜」
とてつもなく慌て出す大地を前にあたしは爆発寸前。
「軽い気持ちで掛けてもうたっつか、嘘ついてごめん。ほんまの事ゆえば絶対怒ると思って…」
「もうええわ」「え?」2007-02-03 17:20:00 -
15:
瑠璃◆WrHbmcjsoQ
「もうええよ」少し微笑むあたしを見つめしばらく黙る大地。
「え、じゃあ許してくれる…」
──《バキッ!!!》
相手の言葉を遮るように、真っ二つ。無様な姿に変わった大地の携帯を床に叩き付けた。2007-02-03 17:25:00 -
16:
瑠璃◆WrHbmcjsoQ
「お望み通り、別れたるわ!」
唖然とする大地を横目に彼の家を飛び出し、直ぐ様タクシーに乗り込んだ。後ろから追いかけてきたのに気付いたけど、振り向きはしなかった。2007-02-03 17:29:00 -
17:
瑠璃◆WrHbmcjsoQ
──黒木陽菜、18歳。
彼氏の大地と付き合って、もう2年が経とうとしていた。元々は明梨の彼氏で、別れてすぐ告って来た大地。激しく浮気性だというのを知っていたにもかかわらず、しつこく言い寄ってくる大地と付き合ったのは今でも解らない。
やんちゃしまくりで男らしく、時には甘えたなあいつを好きになるのに時間は要らなかった。2007-02-03 17:37:00 -
18:
瑠璃◆WrHbmcjsoQ
その辺のしょうもない
女なら我慢できた。片っ端から切らせて、携帯も変えさせアドレスもあたしの名前を入れさせた。
あたしの強い独占欲を大地は逆に「俺、愛されてるやん」と嬉しそうに言った。
当の大地も極度のヤキモチ妬きで、あたしが他の男と話すだけで拗ねるような奴で。ミニスカ禁止、友達と遊ぶのも禁止。お互いの束縛は、あたし達は苦じゃ無かった。2007-02-03 17:44:00 -
19:
瑠璃◆WrHbmcjsoQ
それでも、我慢できない
存在があった。
《明梨》。元カノというだけでうざったいのに、これまた幼なじみときた。何故かこの2年間の間、明梨とは切れない大地。今日みたいな日が今まで何度あっただろう。結局あたしはあの子に勝つ事は出来ないのかな。そんな事をタクシーの中で考えて、情けない自分に涙が出た。2007-02-03 17:49:00 -
20:
瑠璃◆WrHbmcjsoQ
完璧な人間なんていない。
あたしに無いものをあの子に求めて、あの子に無いものをあたしに求めるの?2007-02-03 17:52:00 -
21:
名無しさん
なんて、勝手な男。
なんて、無様な女。
─無い物ねだりをいつまで続けたら気が付くの?2007-02-03 17:54:00 -
22:
名無しさん
いつになれば
あたしだけを見てくれる?
欲しいものはただ一つ。2007-02-03 17:56:00