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?キラキラ?
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1:
ゆうき
なんとなく始めた夜の仕事の帰り道 私はいつも橋の上から遠くをみてた
建物の、街灯の、
光が川の表面に映って少しだけ揺れてるの2007-02-03 14:27:00 -
2:
ゆうき
どこかに帰りたくなってしまう
それは一人暮らしの家じゃなくて、地元じゃなくて、もっと温かくて幸せなところ2007-02-03 14:32:00 -
3:
ゆうき
いつも心の中にあるのは魔法の言葉、
『知りたくないことを知ってしまったら知らないふりしたらいいねん』
そうしたらなんだって平気。なんだって平気。2007-02-03 14:37:00 -
4:
ゆうき
(略)
そうしたらなんだって平気。なんだって平気。2007-02-03 14:38:00 -
5:
ゆうき
お酒を飲むこと、父親よりも年上の人と話すこと、…触られたりもすること。夜の仕事にもだいぶ慣れた私は、雑誌で見つけたお気に入りのベージュのトレンチを着て歩く。
少し寒い10月の終わりだった。2007-02-03 14:49:00 -
6:
ゆうき
恋人はいた。キャッチで出会った新人ホスト。
何度も何度もすれ違ううち話すようになって、好きと言われた。
『ホストなんて信じるわけない』と思っていたはずだったのに…2007-02-03 14:58:00 -
7:
ゆうき
お店で嫌なことがあった帰り道。
「おまえ、なに泣いてるん?」
うつむいて歩く私の腕を掴んだのは龍だった。2007-02-03 15:02:00 -
8:
ゆうき
そのとき初めて橋の下に降りたんだったね。
ふたりで並んで水面に映る灯りを見つめた。
「うちなぁ、これ見るのがすきやねん。きれいやろ?」2007-02-03 15:05:00 -
9:
ゆうき
「そうやなあ」と笑う龍の笑顔は全然素敵じゃない。
「本当はなんて名前なん?」
「ゆうたやで」2007-02-03 15:10:00 -
10:
ゆうき
誰かの隣は温かくて、そのときゆうたは優しかった。2007-02-03 15:11:00 -
11:
ゆうき
それは一ヶ月前のこと。それから二人は彼氏と彼女になった。2007-02-03 15:13:00 -
12:
ゆうき
もう気づいていた。連絡が減ったこと。会いに来てくれなくなったこと。口癖は「忙しくて時間つくれへんねん。店に会いに来いや」
ゆうたは変わった。2007-02-03 15:16:00 -
13:
ゆうき
「龍は色恋☆」「龍のキスは激しいよ(^3^)☆」「私が龍の彼女」
夜遊びにはこんなことばかり書かれていた。
悔しくて、哀しくて、哀しくて。…私も告白されたよ☆と書き込んだ。2007-02-03 15:21:00 -
14:
ゆうき
ベージュのトレンチを着た私は、今日も橋の上から遠くをみてる。
電話をかけてもゆうたは来ない。
もう…ゆうたは来ない。2007-02-03 15:27:00 -
15:
ゆうき
気づいていた。これが色恋だったこと。営業だったこと。嘘だったこと。
店に行かない私に用はないんだ、と 気づいていた。2007-02-03 15:33:00 -
16:
ゆうき
…恥ずかしい。私とおなじような目にあって、おなじような事を繰り返してしまう女の子は 夜の下にたくさんいるんだろう。
…哀しい。みんな温かくて優しい場所をさがしているのかな?2007-02-03 15:56:00 -
17:
ゆうき
ゆうた。
ゆうたは少しも私のこと好きじゃなかった?
私は少し好きだったかなあ…2007-02-03 15:58:00 -
18:
ゆうき
ゆうた…会いたいな…
「なあ、何してるん!」2007-02-03 16:02:00 -
19:
ゆうき
「ありがと!メールするな!」笑顔で彼は去っていった。
『…疲れた。帰ろ。』
大通りまで歩いて、やってきたタクシーに向かって手をあげる。タクシーなんてめったに乗ったことがなかったのに、今では当たり前になっていた。…3ヶ月は、夜の仕事に染まるには十分な時間だった。2007-02-03 16:37:00 -
20:
ゆうき
──────2007-02-03 16:45:00 -
21:
ゆうき
私の家は最寄り駅から徒歩3分。1K。白いベッドに白い家具。ピンクのふとん。電化製品まで白くて可愛らしいのにこだわった。
積み重なった洋服。だし忘れたごみ袋。ずっとしたかった一人暮らし。
化粧だけ落として布団に潜り込んだ。2007-02-03 16:45:00 -
22:
ゆうき
─────2007-02-03 16:46:00 -
23:
ゆうき
…いつからこんな風になってしまったのかなあ。普通に学校に行って、友達と遊んで、普通に恋をして。語って、飲んで。
"ふつう"でよかったのに、なあ。
『ゆうきがだめやからうまくいかへんの?ゆうきが弱いから?なんで大事にされへんの…』2007-02-03 16:55:00 -
24:
ゆうき
ゆうたは青でわたしのはピンク。偶然おそろいだった携帯をひらき、客へのメールを送信したあとみるのはやっぱり
─夜遊び─2007-02-03 17:16:00 -
25:
ゆうき
「わたしも!」「たっちゃん何人に告るつもり?」さっきの私の書き込みに連られてか、告白されたと書いてる子がいる。「龍はそんなんしーひん」「イイコやで」ゆうたをかばう書き込みもある。
…龍は色。気をつけて。
カキコムを選択したわたしは怖い。女は怖い。すきという気持ちは強くてあったかいのに、怖くて汚い。2007-02-03 17:20:00 -
26:
ゆうき
─────2007-02-03 17:33:00 -
27:
名無しさん
『知りたくないことを知ってしまったら、知らないふりしたらいいねん』
─2007-02-03 17:34:00 -
28:
ゆうき
そう、心の中でつぶやいて 目を閉じた。
2007-02-03 17:37:00 -
29:
ゆうき
────2007-02-03 17:38:00 -
30:
ゆうき
翌朝、今日は朝からまちあわせだ。
黒いワンピースに金色のネックレス、赤いかばん、黒いブーツ。髪をくるくる巻いて、そろそろ美容院にいかなくちゃと思う。2007-02-03 17:41:00 -
31:
ゆうき
半年ぶりに会うのは元彼。
待ち合わせ場所には、昔とちがい、彼の方が先に着いていて 笑ってしまう。2007-02-03 17:43:00 -
32:
ゆうき
よく連絡をとっていたから自然に話すことができた。
「新彼は?どんな奴?」まさかホストだなんて言えなくて、適当にごまかす。
朝の街は明るくて、太陽の光はあったかくて、
すきだなあと思った。2007-02-03 17:46:00 -
33:
ゆうき
昔の癖で手をつないで歩く。
…ゆうたとは、こんな風に街を歩いたことはなかった。人目をきにして歩いてた。
あぁ、昼間あったことなんて1回しかないや。2007-02-03 17:51:00 -
34:
ゆうき
そんなことを考えつつ、向かったのはカラオケ。
久しぶりに会うのになんだけど、デートの定番の場所だったこともあるし、私は歌が大好きだから。2007-02-03 17:56:00 -
35:
名無しさん
─♪─
あなたがおもうひとは 世界で たった ひとりだけ
あなたがおもうあの子になって きいてみたい
好きと言われることが どんなに幸せか感じたい2007-02-03 17:59:00 -
36:
ゆうき
ホスト狂の歌だ!なんて言われてたなあと苦笑いしつつ、わたしは歌う。
横で彼は「いい歌やなあ」と笑っていた。
「やろ〜!うちの気持ちやねん!」なんて。彼の前ではとことん痛い女の子でもいい。
大事なともだち。2007-02-03 18:04:00 -
37:
ゆうき
─────2007-02-03 18:04:00 -
38:
ゆうき
「なぁ、ゆうき」
「ん?」肩にもたれて答える。
「俺が、あのときゆうきを手離すようなことしやんだら、まだ恋人同士でおれたんかな?そしたらゆうきは今の哀しい思いをしないですんだ?俺がまもってやれたんかなあ…」2007-02-03 18:09:00 -
39:
ゆうき
─マサは話し続ける─
めっちゃ悪いことしたなあて、ごめんなて、ずっと思っててん。俺らが別れたのなんて、今思うとめっちゃ子供っぽい理由やったよな。
ごめんなゆうき。好きやったのに大事にできへんだ。2007-02-03 18:12:00 -
40:
ゆうき
「もうええよ」
うつむいた私の中にあるのはふたつの気持ち。
ありがとう、うれしいよ。と、今そんなん言うならなんであのとき大事にしてくれへんだん?と、2007-02-03 18:17:00 -
41:
ゆうき
─────2007-02-03 18:18:00 -
42:
ゆうき
私は、マサが大好きだった。太陽の下では金色に光る茶色い髪、白いシャツ。彼には青色がよく似合う。
マサは、苦手な数学を教えてくれた。おにぎりを買ってくれた。
二人で手をつないであるいた。好きだよって言い合った。2007-02-03 18:21:00 -
43:
ゆうき
一緒に出かける日は早起きできたし、家にくる日は部屋中ぴかぴかにした。
ふたりで料理をつくって「おいしいね」って。
マサの腕のなかで眠って「あったかいねー」って。
ほんとに、好きだった。2007-02-03 18:29:00 -
44:
ゆうき
─────2007-02-03 18:29:00 -
45:
ゆうき
「もうええよ」
─2007-02-03 18:30:00 -
46:
ゆうき
マサを改札まで見送って、「またね」と言った。
「ありがとうな」て、私の言葉を先に言われてしまったのだから それしかない。
今日返すはずだったマサの部屋の合い鍵はまだ、キーケースについたままだ。もう、行くこともないのに、なあ。2007-02-03 18:34:00 -
47:
ゆうき
日が落ちて、気温が下がる。人の種類も変わっていく。
『急がなきゃ!』
─次の待ち合わせ相手は、43才、中くらいの会社の社長さん。いろんな肩書きを持っていて、どれが本職なのかはよくわからない。そんな人。2007-02-03 18:39:00 -
48:
ゆうき
おいしいごはんを食べて、おきにいりのドレスを着て、笑って、笑って、薄めに作ったお酒を飲む。
笑って、笑って、……2007-02-03 18:52:00 -
49:
ゆうき
ふぅ、と息を吐きながら携帯をひらく。ドレスを脱いで、またため息。
着信は─ゆうた・ゆうた・ゆうた─
そして受信メールが1件。2007-02-03 18:55:00 -
50:
ゆうき
「今日も仕事?」
知らないアドレス。メールをみても誰かわからない。
「仕事でした。お名前教えていただけますか?」
返信し終わると、さっさと着替えてお店をでた。2007-02-03 19:16:00 -
51:
ゆうき
今日着ている、黒いワンピースも、赤い鞄も、黒いブーツも。全部雑誌でみて買いにいったお気に入り。大好きなモデルが着ていたのとおんなじだ。
─鞄の中で携帯がふるえている。2007-02-03 19:20:00 -
52:
ゆうき
─────2007-02-03 19:28:00 -
53:
ゆうき
・・・温かくて幸せなのはゆうたの隣じゃなかった。
マサの隣だったのかな?
マサの手をとっていたとしたら、苦しくて哀しい思いを繰り返さずにすんだのかなあ・・・?2007-02-03 19:29:00 -
54:
ゆうき
─────2007-02-03 19:29:00 -
55:
ゆうき
…………完結…………
2007-02-03 19:32:00 -
56:
ゆうき
「おう!今どこにいるん?」ゆうたの言葉はいつも同じ、電話をかける時間も同じ。仕事がおわって店を出る頃だ。
わたしの言葉もいつも同じで「帰る途中。」だった。
「席用意してあるから来いよ?締め日やし頼むわ!」
電話はあっというまに切れた。2007-02-03 19:36:00 -
57:
ゆうき
─画面を見ると、受信メールが1件。
「昨日話した一樹やで!わかる?」
「一樹くんの電話番号教えて!」
そんな返信をしたのはただの気まぐれ。ううん、ゆうたの店には行きたくなかったからだった。2007-02-03 21:22:00 -
58:
ゆうき
─♪♪♪─
「もしもし!一樹やで!ゆうきちゃん?」
「…今から店いっていい?」2007-02-03 21:25:00 -
59:
ゆうき
「もちろん!」
一樹くんはすぐに迎えに着てくれた。身長は180cmくらいかなぁ。金に黒メッシュの髪、シルバーのブローチ。細身のスーツがよく似合ってる。
まさにホストって感じ。2007-02-03 21:35:00 -
60:
ゆうき
─────2007-02-03 21:35:00 -
61:
ゆうき
一樹は、寂しかった私の奥に、すぅとおりてきたね。
おんなじことを繰り返してしまう馬鹿な私。
弱すぎるね…2007-02-03 21:49:00 -
62:
ゆうき
─────2007-02-03 21:50:00 -
63:
ゆうき
ホストとはいえ初対面だからすごく緊張してしまう。仕事中のように大げさに笑ってはしゃいで少しくたびれた。
だけど落ち込んでいるのを察して話を聞いてくれて気がまぎれたし、初回料金2000円の価値はあったかな。
「ありやーす!」大きな声と一樹の笑顔に送られて店を後にする。
携帯はずっと鳴っていた。─ゆうた─2007-02-03 22:20:00 -
64:
ゆうき
――――完結――――
2007-02-03 22:23:00 -
65:
ゆうき
─♪♪♪─
「おい!なんで電話でえへんねん!どこおんねん?」居場所を言うと、「わかった」のひとことで、電話がきれた。
こいつはいつも勝手に電話を切る。そういうところがイライラする。2007-02-03 22:28:00 -
66:
ゆうき
─午前4時。人もまばらで、肌寒かった。
信号の向こう側にいるのはゆうた。
自称茶色─どうみても金色─のサラサラの髪。白いシャツにノーネクタイ、黒いスーツ。
ゆうたの笑顔はやっぱり素敵じゃない。2007-02-03 22:46:00 -
67:
ゆうき
「うちに色かけてたんやろ?もう本当のこと言ってや!!色なら色でいーねん!」感情的になってしまうのはいつもの私の悪い癖。
「あほか。おまえは俺の女じゃ!疑うんか?」「うちは客やん!客やてゆうて!」「客やない!女や!」
ゆうたが本当のことを言うはずがない。わたしは本当のことがわからないんじゃない。だけど聞きたかった。それで終わりにできる。2007-02-04 01:49:00 -
68:
ゆうき
「今日仕事終わったらおまえんち行くし!起きといて。戻らなあかんわ。」
「もう顔もみたくないしこやんといて!」2007-02-04 03:01:00 -
69:
ゆうき
涙と、怒りと、悲しさと、苛立ちで 今の私はひどい顔。大きい声で言い合ったのでのども少し変な感じ。
大きな通りにでて、ちょうどやってきたタクシーに向かって手をあげる。
ほら、ゆうたは追いかけてこない。2007-02-04 03:06:00 -
70:
ゆうき
「寒くなったねえ」と、話しかけてくる運転手さんと適当に話しながら、携帯をひらいた。
─受信1件
「ゆうきちゃん!今日はありがとう。こっちも楽しかったし!」2007-02-04 03:10:00 -
71:
ゆうき
一樹くんだ。
「うちも楽しかった!ありがとうね!また気が向いたらいきまーす♪」これでよし。
家につくとすぐにベットにもぐりこんだ。2007-02-04 03:15:00 -
72:
ゆうき
─────2007-02-04 10:12:00 -
73:
ゆうき
─♪♪♪─2007-02-04 10:13:00 -
74:
ゆうき
─────2007-02-04 10:16:00 -
75:
ゆうき
窓から入ってくる太陽の光で目を覚ました。
携帯をひらくと、ゆうたからの着信が2件。
やっとの思いで、離れようと決めたのに引き留めようとするのはやめてほしい。
ベットからぬけだし、コップ一杯の水を飲み干した。2007-02-04 10:23:00