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さよならが言えなくて…。

スレッド内検索:
  • 1:

    ◆grEdfwmzxY

    愛してました。 
    誰よりも ずっと。     
    あなたに言えなかった  言葉は            
    今でもこの胸に
    残っています…。

    2007-02-01 19:05:00
  • 2:

    ◆grEdfwmzxY




    2007-02-01 19:06:00
  • 3:

    ◆grEdfwmzxY

    某年 12月―    

    行き交う人々は足早に、煌びやかなネオン街を楽しそうに歩いている。
    白い息、交じり合うクリスマスソング。誰もが幸せそうに見えるこんな夜に、不釣り合いな姿でこの街を歩く女が一人…。

    2007-02-01 19:15:00
  • 4:

    ◆grEdfwmzxY

    カツカツカツッ―― 
    『――ズッ……ひ…ッく』   
    鳴り響くヒールの音。寒さと鼻水で、目や鼻は真っ赤。せっかく巻いた髪の毛さえも、風でぐしゃぐしゃになっていた。 

    「ちょっ…つばさっ―!!つばさてっ…!!」

    2007-02-01 19:22:00
  • 5:

    ◆grEdfwmzxY

    ガシッ――
    『離してや―…っ!!』 捕まれた腕を、思いきり振りほどく。
    「ほんまに待ってて…!!なぁ?俺が悪かったから!ごめんっ!!」 

    華やかなドレスを着たまま泣きじゃくるあたし。それを追い掛けてくるスーツ姿の男…。

    2007-02-01 19:29:00
  • 6:

    ◆grEdfwmzxY

    「なっ、とりあえず店戻ろっ…!?客放置したままやし怒られるやんっ!?」    
    某有名キャバクラの黒服が、焦った様子であたしの前に立ちはだかる。

    『関係ない!!もう嫌…。こんな店辞めるし…そこどいてや!!』  
    それを押し退け、あたしはまた歩き始める。

    2007-02-01 19:44:00
  • 7:

    ◆grEdfwmzxY

    この店のキャストとして約一年、ナンバーにも入りそこそこ店にも貢献していたと思う。それなりに、店からも優遇されていた。 
    だけど、そうなるにつれて与えられるプレッシャー、女の子からの嫌味、新人教育、人見知りのあたしには少なからず悩みや、抱えるものだってあった。

    それなのに… 最近の黒服の態度には許せなかった。

    2007-02-01 19:54:00
  • 8:

    ◆grEdfwmzxY

    口を開けば"今日の客予定は?"――、みんなが嫌がる客に着くのは間違いなくあたし。お触り、飲ませ、関係なし。"お前なら出来るって!!(笑)"――。   
    頼られてる? 
    違う…。いいように使われてる気がしてた。振り向けば、仕事中に新人の女の子とぺちゃくちゃと楽しそうに話す担当のボーイ。

    悔しかった。悔しくて、無性に泣きたくなった…。 酔った勢いもあったと思う。気付けば、あたしは荷物片手にそのまま店を飛び出していたのだ。

    2007-02-01 20:03:00
  • 9:

    ◆grEdfwmzxY

    『じゃあお疲れっ…!!』ボーイの手を振りほどきすぐさまタクシーに乗り込むと、――その車内であたしはメールを打ち店長に、店を辞める事を告げた。


    積もり積もった不満は、ただのワガママだったのかもしれない。今思い返したら…。だけど、後悔はしてない。名ばかりが売れてるあの店に未練なんてなかったから。
    あたしの居場所はココじゃなかったと、そう気付いただけだったから‥。

    2007-02-01 20:21:00
  • 10:

    ◆grEdfwmzxY

    店長やオーナーから鳴り響く電話を無視して、あたしはそのまま店に行く事はなかった。

    次の日から、仕事がなくなったあたしは久しぶりに遊びに出かけた。夜の仕事をしていると、自然と昼の仕事をしている友達達と距離が出来てしまう… それがものすごく淋しくて。
    その距離を埋めるように、毎日誰かと出かけたり、予定がない日は同じく夜の仕事をしていた親友とずっと一緒にいた。

    2007-02-01 20:34:00
  • 11:

    名無しさん

    文章綺麗で楽しみです。
    頑張ってね!

    2007-02-01 21:56:00
  • 12:

    ◆grEdfwmzxY

    ありがとうございます! 頑張ります!!

    2007-02-01 23:54:00
  • 13:

    ◆grEdfwmzxY

    「なーんか面白いことないかなー。」
    お互いに彼氏もいなかったあたし達は、毎晩一人暮らしの親友の家でDVDを見たりして過ごしていた。
    『んー…ってか、リカ仕事は?どーするん?』      
    親友のリカもまた、あたしと同じように今働いている自分の店に何かと悩みを…抱えているみたいだった。

    2007-02-02 01:39:00
  • 14:

    ◆grEdfwmzxY

    「あー…たぶんリカも辞める思うわ。つばさと一緒んとこで働きたいしなぁ。」   
    リカは、吸い込んだタバコの煙を一気に吐き出しながら、ゆっくりとあたしを見て言った。

    『そっか…。あたしもリカおった方が心強いしな。どっか違う店探そかー。』 あたしもまた、携帯の画面から彼女に視線を移すと、頷きながら返事をした。

    2007-02-02 01:50:00
  • 15:

    ◆grEdfwmzxY



    2007-02-02 03:13:00
  • 16:

    ◆grEdfwmzxY

    偶然だった。      タイミングも何もかも。    
    あの日 
    あなたと出会ったのは     

    きっと偶然だった…。

    2007-02-02 03:24:00
  • 17:

    ◆grEdfwmzxY



    2007-02-02 03:25:00
  • 18:

    ◆grEdfwmzxY

    「あーなんかリカお腹すいた…。つばさは?DVD返しに行くついでにコンビニ行こうよー」 
    タバコを吸い終えたリカが、デッキからDVDを抜きながら言う。
    確かに昼から何も食べてなかったせいか、あたしもお腹がすいていた…。
    『あたしもすいた!車出すわ。行こかー。』
    時間は夜中の1時を回っていた。近くのビデオ屋とコンビニに行くだけだったため、あたし達は家着のスウェットのまま部屋を出た。

    2007-02-02 03:32:00
  • 19:

    ◆grEdfwmzxY

    「何食べよっかな〜♪」  DVDを返してから、コンビニに寄って適当に食べ物と飲み物を選ぶ。リカは緑茶、あたしはブラックコーヒー。それだけはあたし達のお決まりだった。

    「じゃあ帰ろかー。家帰って腹ごしらえして、もう一本見るかぁー(笑)」
    リカはコンビニの袋をぶんぶん振りながら、言った。『そやねー。今日も朝までコースやん…(笑)』
    あたしも、つられて笑いながら車にキーを差し込んだ。

    2007-02-02 03:46:00
  • 20:

    ◆grEdfwmzxY

    『う、うんっ…』    目が合ってしまったもののあたしも見てみぬふりをして、そのまま車のエンジンをかけた。

    「なぁっ、ちょっと待ってってー!?」
    ガチャッ――― 
    ええ…!?その男はいきなり車を降りると、あたし達の車のまん前に立ちはだかった…。

    2007-02-02 04:01:00
  • 21:

    ◆grEdfwmzxY

    いやいや、普通に恐いんですけど…? 

    「ちょっ…マジないって…」  
    リカもあたしも、かなり引いていた。車から降りた男は、体格もごつくてかなりのあっちのお方系オーラがあったから‥。
    『車出されへんねんけど…。』

    2007-02-02 04:05:00
  • 22:

    ◆grEdfwmzxY

    「なっなっ、ほんまちょっとだけでいいから話聞いてやぁ〜!?」
    車の外で叫んでいる男…。話って何なん…?

    あたし達二人は、どうする事も出来ずかなりパニくっていた。「恐いからさっさと用件だけ聞いて帰ろや…」リカの一言であたしは仕方なく、車の窓を少しだけ開けることにした。

    2007-02-02 04:14:00
  • 23:

    ◆grEdfwmzxY

    『あの……何ですか?』   
    わずかに開けられた窓から警戒心むき出しの眼差しでその男に尋ねる…。男は車の前から横に回ってきて   
    「いやいや、恐がらんとってー!ほんまに怪しいもんちゃうからー(笑)」
    と、笑顔で言った。       
    それが怪しいねん…。

    2007-02-02 15:14:00
  • 24:

    ◆grEdfwmzxY

    「あんなっ、自分ら夜の仕事に興味ないー?」

    …突然の問い掛け。   『…。』     
     「あ、もしかしてどっかの店の子??二人ともべっぴんやもんなー!」   胡散臭い男からの、胡散臭い社交辞令・・。      
    スカウト……?いやいや、危ない。どっかの風俗にでも売り飛ばされるんちゃうか――?

    2007-02-02 15:20:00
  • 25:

      
    あたしもリカも、同じ事を考えていたと思う。      
    それくらいあなたの
    第一印象は… 良いものではなかったから。        
    この日、出会っていなければ―" " "07/02/02 15:23

    2007-02-02 15:23:00
  • 26:

    ◆grEdfwmzxY

     
    まだ、あたしは笑っていられたんかな?          

    まだ、この場所に立っていられたんかな―…?      

    2007-02-02 15:27:00
  • 27:

    ◆grEdfwmzxY



    2007-02-02 15:28:00
  • 28:

    ◆grEdfwmzxY

    少しの間、他愛もない話をしていた。思ったより悪い人ではなさそうで…   あたし達二人の警戒心も、徐々に薄れていった。     
    「ちょっ、どっちか番号教えといてやぁ〜?また仕事の件考えといてや☆」      
    …確かに、無職なあたし達は早く仕事を見つけなければいけない。ナンパじみた感じより、露骨にスカウトという感じがかえって安心したのかもしれなかった。    
    その男と―、番号を交換することにした。

    2007-02-04 17:37:00
  • 29:

    ◆grEdfwmzxY

    「じゃあ、また連絡するわぁ〜!危ないから気を付けて帰りなぁ☆」  
    「うん!じゃあね〜。」      
    最初は警戒で無愛想だったリカも、最後には笑顔で手を振っていた。男の車が出ていったのを確認すると、あたしも窓を閉めて、ゆっくりと車を発進させる。     
    ギャップのある人やな… そう思った。見た目のいかつさとは裏腹な、軽快な話し口調。力強い眼差しなのに、笑うと少したれる目元。

    2007-02-05 20:59:00
  • 30:

    ◆grEdfwmzxY

      
    彼の名前は― 
    凌真(リョウマ)と言った。     
    年は思ったより若くて24歳。その若さにして、自らで立ち上げたキャバクラのオーナーをしているらしかった。             
    ただの黒服や、スカウトマンではなかった事に、少し驚いた…。

    2007-02-05 21:24:00
  • 31:

    ◆grEdfwmzxY

    なんでそんな若くして、店立ち上げたり出来るんやろ―…?              
    なんとなく気になったけど、凌真とはその後もちょくちょく連絡を取り合うようになった。        
    だけど、会ったのはまだあの日一回限り。
    ある日、たまたまリカの部屋でテレビを見ていた時のこと。彼からメールがきた。

    2007-02-05 21:29:00
  • 32:

    ◆grEdfwmzxY

    内容は他愛もないことで、“今、リカと一緒にいる”という事を告げると、今から三人でご飯を食べに行こうという話になった。      
    『…やってさ。リカどーする?』
    隣でテレビに夢中のリカに、メールの内容を伝える。「んー…つばさはどーしたい?リカはどっちでもえーよ☆実際仕事もまだ見つかってないしなぁ。。」      
    確かに、仕事の話や内容を聞きたかった。毎日遊んで過ごしていたって、お金はなくなる一方だし…。

    2007-02-05 21:37:00
  • 33:

    ◆grEdfwmzxY

    「なわけないやんー!うちらヤンキー違いますからっ(笑)」
    リカが笑いながら突っ込む。あたしも、『ほんまそれやわー!』と一緒になって笑った。

    「そうなんやー。いやいやてっきり(笑)ってか、移動しよかー。バス通りの焼肉屋分かる?そこに集合しようや☆」 
    凌真の提案で、各車で移動する事になった。

    2007-02-06 05:25:00
  • 34:

    ◆grEdfwmzxY

     
    「焼肉焼肉〜っ☆たーべほうだぁい!!(笑)」   『めちゃお腹すいたー!』お店に着いてハイテンションなあたしとリカ。
    凌真は、そんなあたし達二人を見て 

    「…お前ら可愛いなぁ。焼肉くらいいつでも連れてったるやん(笑)」
    と言って、笑いながら乾杯し終えたビールを一気に飲み干していた。

    2007-02-06 05:29:00
  • 35:

    ◆grEdfwmzxY

     
    改めて会って話した凌真は、思っていたよりずっと気さくで―… なんせ、すごく面白い人だった。   途中からは、リカと同じくらい、あたしもお腹を抱えて笑っていたと思う。     

    恐いなんて印象はもう、この数時間でなくなっていて。それが、彼の―…本当の姿なんだと、あたしもリカも思っていたんだ。

    2007-02-06 05:42:00
  • 36:

    ◆grEdfwmzxY

    ねぇ、凌真。         
    この時あたしは     こんなにも 
    苦しくてつらい     想いをするなんて―… 

    思ってなかった。

    2007-02-06 05:45:00
  • 37:

    ◆grEdfwmzxY

    あの頃に 
    時間を戻せるならば      
    "もう一度"なんて    言わない。          
    ただ…―        あなたを知らなかった頃に戻りたい。

    2007-02-06 05:47:00
  • 38:

    ◆grEdfwmzxY

    それだけで         
    あたしはまだ
    だれかの為に。     
       
    笑っていられる気が   するんだ…―。

    2007-02-06 05:51:00
  • 39:

    ◆grEdfwmzxY

      


    2007-02-06 05:52:00
  • 40:

    ◆grEdfwmzxY

    某年、1月下旬。

    あたしとリカは、凌真が経営するお店で二人揃って働く事になった。     一度体験に行き、"働きやすそうなお店やな―"理由はそう思ったから。   
        
    それからもう一つ。

    2007-02-06 05:56:00
  • 41:

    ◆grEdfwmzxY

    「つばささん、二番テーブル行きまーす!頑張ってきてください!」

    凌真のお店のボーイさんは、どの嬢に対しても仕事中はしっかりしていて、  ごく普通で当たり前のことなんだろうけど。なんだかすごく…― 安心している自分がいた。

    2007-02-06 06:07:00
  • 42:

    ◆grEdfwmzxY

      
    「つばさちゃんって言うん?本名?あたしは愛香って言うねん☆凌真くんの友達なんやんねぇー?」

    入店して二日目の日。リカが接客に行ってる間の待機室で、お店の女の子から声をかけられた。【愛香】ちゃんは、この店のナンバーワンらしく… 大きな目とくりんくりんの明るい巻髪が、印象的な可愛い子だった。

    2007-02-06 06:17:00
  • 43:

    ◆grEdfwmzxY

    『あ…はい。本名です。えっと、友達っていうんかな?まぁ少し前に地元で知り合って…』 

    正真正銘のスカウトやけど・・。凌真はあたし達二人を“友達”って言ってるんやろか…?良く分からないから、話を合わせておく事にした。

    愛香ちゃんは「そっかぁ!つばさてめちゃ可愛い名前やねぇ☆」と可愛い顔から更に可愛い笑顔で、そう言ってくれた。

    2007-02-06 06:27:00
  • 44:

    今初めて読んだよ??頑張ってね?ちなみに主さんは大阪の人?続き楽しみにしてま?す?

    2007-02-06 06:54:00
  • 45:

    ◆grEdfwmzxY

    絢さん、ありがとうございます?嬉しいです(>_

    2007-02-06 07:18:00
  • 46:

    ◆grEdfwmzxY

    愛香ちゃんは、声も仕草も可愛くて。一緒のテーブルに付いたら、すぐに誰でも分かる程の《色接客》だったけれど、それが彼女がナンバーワンである証だし、

    「あんねっ…愛香もう少し一緒にお話したぃなぁ?」

    ―‥何より彼女は持って生まれた天性なんだろう、と思うくらい、お客さんの心を掴むのがうまかった。

    2007-02-06 09:11:00
  • 47:

    ◆grEdfwmzxY

    「あ〜っ!もう三番の客マジ無理っ!!ほんまに腹立つわぁ〜。。!」
    『お疲れっ。…何をそんなに怒ってるのさ(笑)』  待機室に戻ってきたリカと同時に、同伴のお客様を待たせていた愛香ちゃんが、ボーイに呼ばれた―。       
    「前通るねっ。じゃあ、行ってくるね☆つばさちゃんまた話そうねぇー。」      
    あたしも思わず足を引っ込めて、『あっ…はい☆』と慌てて返事をした。

    2007-02-06 09:16:00
  • 48:

    ◆grEdfwmzxY

    「…おっ、ナンバーワンといつの間に仲良くなったんやぁ〜??(笑)」    リカがニヤニヤしながら尋ね、目の前でグロスを塗り直している。
    『あー。ってか、さっき名前聞かれただけ。(笑)』 「そうなんやぁ〜」        

    その後すぐにあたしもボーイに呼ばれて、店内に出て席に着いた。          
    着いた席でたまたま《場内指名》を貰い、そのお客がそのまま延長したので、あたしはしばらくその席で接客をしていた。

    2007-02-06 09:23:00
  • 49:

    ◆grEdfwmzxY

    「直希さんおはようございます!失礼しますっ!」    
    え――…?突然の声に顔を上げると、前に凌真が立っていた。 
    「おー、凌真おはよーさん。待ってたでぇ。まぁ一杯飲めや☆」

    あたしを指名してくれている直希さんは、凌真にそう言うとボーイにグラスを持ってくるよう慣れた感じで頼んだ…。

    2007-02-06 09:30:00
  • 50:

    ◆grEdfwmzxY

    「ご一緒に頂きますっ!あっお手柔らかに…(笑)」 凌真の分のレディースグラスをを受け取り、あたしが作ろうとしたら、    「俺が作るから、つばさはゆっくりしときー。」  と、直希さんは笑顔で言った。       


    オーナーでも、席とか着かなあかんのやなぁ…。前のお店では、あんまり見ない光景だったから、少しビックリしていた。

    2007-02-06 09:37:00
  • 51:

    ◆grEdfwmzxY

    「まぁ飲めやっ!チャンスボトルやから、腕の見せ所やぞー」
    直希さんが作った焼酎は、水割りか…?と思うくらい濃く、ほとんどロックに近かった。        うわ・・あんなん飲んだらあたし死ぬわ。かなりキツそうやん……。
          
    あたしがそんな事を考えていると、 
    「いやいやーチャンスボトルなんか僕頂いちゃっていいんすかー?知らないっすよー(笑)頂きまーす(笑)」凌真は、直希さんに乾杯をしてから、手に持ったグラスを一気に飲み干した。

    2007-02-06 09:42:00
  • 52:

    ◆grEdfwmzxY

    うわっ。。。。大丈夫なんかな―……? 
    呆気なくなくなったグラスに普通に驚き、思わず唖然としてしまった。
    「お〜相変わらず威勢ええなぁ(笑)さすが俺の見込んだ男やわ。まぁ、せっかくやから飲め飲め!」 

    その後も直希さんは、無くなったら注ぎ、無くなったら注ぎして…、凌真は持ち前のトークの盛り上げを見せながら、けっこうな量を飲んでいた。

    2007-02-06 09:49:00
  • 53:

    ◆grEdfwmzxY

    「なんか今日は気分がええわ〜!凌真っ、シャンパン持って来い!ドンペリや!ドンペリ〜。」 
    突然の直希さんからの、オーダー。ピンクのドンペリ……。。?
    「ありやぁーっす!!(笑)さすが兄貴〜☆つばさちゃん!良かったなぁ!!」 『えっ…あ、はい!!』 「今日はつばさとの出会い記念日やからなぁ〜。久々にストライクやわ!やるやないか凌真ぁ〜。」    「任してくださいよ☆兄貴のタイプや思て、バッチシ着けさせて頂きました(笑)新人なんで可愛がってやって下さい!!」   

    盛り上がるテーブル。運ばれてくるシャンパンとシャンパングラスを見ながら、飲めるかな…なんて呑気なことを考えていた。

    2007-02-06 17:16:00
  • 54:

    ◆grEdfwmzxY

    あたしは、シャンパンが得意じゃない。基本的に、炭酸が飲めないから…。    
    「あ、僕もご一緒に頂きまぁーす!!(笑)」 
    「おぅ!凌真、飲め飲め!つばさっ、記念やねんからたっぷり飲めよ☆」   直希さんが、笑顔であたしにグラスを渡してくれた。   
    『あ、はい!頂きます☆』

    2007-02-06 18:52:00
  • 55:

    ◆grEdfwmzxY

    ゴクン…。一口飲んだシャンパンはやっぱり苦手で、一気に飲み干す二人を見て、かなり焦ってしまった。   
    「なんやぁ〜?つばさ飲んでないやなぃかぁ?シャンパン嫌いやったかぁ?」 直希さんが、あたしの顔を覗き込みながら言う。  どうしよう……。せっかく卸してくれたのに、飲まないわけにはいかない―。 『いえ…!大好きです☆頂きますっ!!!』 

    勢い良くあたしも、手に持っていたグラスを一気に飲み干した…―。

    2007-02-06 19:02:00
  • 56:

    ◆grEdfwmzxY

    「お〜☆ええ飲みっぷりやぁ(笑)つばさ、どんどん飲めよ!!」 
    直希さん自ら、空になったグラスに、シャンパンを注いでくれる。
    はぁ……ほんまにキツイ。『あ、はい!ありがとうございますっ☆めっちゃ美味しいです!!』
      
    無理矢理な笑顔を、バレないように、バレないように、必死だった。

    2007-02-06 19:06:00
  • 57:

    ◆grEdfwmzxY

    「直希さん!!僕ももう一杯頂いていいですか?最近こんなええ酒飲んでないからー飲み足りなくて(笑)」   
    前に座っていた凌真が、あたしにグラスを差し出す―。    
    「よー言うわ(笑)おう!!どんどん飲まんかい!無くなったら卸しゃあいーねん!」
    あたしは、凌真のグラスに慌ててシャンパンを注いだ…。

    2007-02-06 19:11:00
  • 58:

    ◆grEdfwmzxY

    『凌真……大丈夫!?』    
    送り出しをして待機室に戻ると、顔を真っ赤にしてソファーに倒れ込む凌真―。    
    「おー。。つばさちゃんお疲れさん☆シャンパン苦手やったんちゃう〜?ありがとーなぁ。呼ばれるまでゆっくり休んどいてなぁ☆」    
    あたしの声に、凌真は仰向けになったまま顔だけをこっちに向けると、笑顔でそう言った。

    2007-02-06 19:27:00
  • 59:

    ◆grEdfwmzxY

    もしかして、代わりに飲んでくれたんかな…?      
    指名を貰ってから、シャンパンが卸りるとバックもある。全く飲んでいないあたしはなんか、少し申し訳ない気持ちになった…。     
    『全然協力出来なくてごめんね…。こちらこそありがとう。』
    あたしが言うと、    「なんで謝るねんっ☆つばさちゃんの事気に入ってくれたから、卸してくれたんやからぁ〜。こっちがお礼言わなあかんよ☆(笑)」 と、彼は笑った。

    2007-02-06 19:33:00
  • 60:

    ◆grEdfwmzxY

    ガチャ―
    「つばさあぁ〜!リカもぅ無理ぃ〜酔ったあぁ〜。。。!!」
    ちょうど待機室に入ってきたリカも、着いていた席でだいぶ飲まされたらしく…軽く酔っていた。    『ちょっ…リカぁ?大丈夫なん?水持って来るから、座って待っときぃ!』  あたしは厨房に行って、水を持ってきた。

    2007-02-06 19:54:00
  • 61:

    ◆grEdfwmzxY

    『はい水!リカほんまに大丈夫…!?これ飲んで休んどきぃ!!』 
    「あぁい〜。。つばさぁ〜ありがとおぉ〜。」      
    リカは渡した水を一気に飲み終えると、ソファーに横になってしまった―‥。     
    「…なんか、つばさちゃんリカちゃんのお姉ちゃんみたいやな(笑)」
    その様子を見ていた凌真が、笑いながら言う。

    2007-02-06 21:12:00
  • 62:

    ◆grEdfwmzxY

    『お姉ちゃんって…、リカのんが年上ですけど(笑)』   
    実際は、リカはあたしより二つ年上だった。まぁ、お互いに年が違うのを忘れるくらい仲が良かったんやけど。 
       
    「あ、そーやったなぁ。だけど…つばさちゃんしっかりしてるやん☆初めて会った時から思ってたで。しっかりした子やなぁって。」

    2007-02-06 21:17:00
  • 63:

    ◆grEdfwmzxY

    凌真は立ち上がると、あたしの頭をポンポンとして   
    「俺そーゆう子好きやで。」  
    と、笑顔で言い待機室を出て行った…―。           

    え…・・?今の何…?

    2007-02-06 21:20:00
  • 64:

    ◆grEdfwmzxY

    何て事ない一言なんだろう。どうって事ない……。    
    だけど、ドキドキしていた。シャンパンをかばってもらったからじゃない。
       
    優しい言葉をかけられたからじゃない。

    2007-02-06 21:23:00
  • 65:

    ◆grEdfwmzxY

    店内を動き回る彼の姿は、普段の軽薄な雰囲気はまるでなく、燐とした態度。鋭い目付き。それに加えて客席での接客の上手さ。女の子へのフォロー。  

    純粋に、すごいと思った。

    年が近いとは思えないほど、スーツ姿の凌真はずっとずっと大人に見えた……。

    2007-02-06 21:29:00
  • 66:

    ◆grEdfwmzxY

       
    彼の瞳の奥にある    闇を…―          
      
    あたしは 
    知るはずもなかったから。

    2007-02-06 21:30:00
  • 67:

    ◆grEdfwmzxY




    2007-02-06 21:30:00
  • 68:

    名無しさん

    ぁげ?

    2007-02-08 22:39:00
  • 69:

    名無しさん

    邪魔してすぃません?
    書いてるの紅音さンですかぁ??

    2007-02-15 09:40:00
  • 70:

    名無しさん

    似てるよね??

    2007-02-16 16:21:00
  • 71:

    ◆grEdfwmzxY

    主は、小説を書くの初めてです☆書き込みありがとうございます!

    2007-02-27 06:21:00
  • 72:

    ◆grEdfwmzxY

    仕事が終わり、待機室で寝ていたリカも酔いが覚めたみたいだった。 
    「ん〜あたま痛いぃ。。。つばさぁ〜。。帰ろ〜」  「はいはい☆リカ着替えは?そのまま帰るん?」  せっかく巻いた髪の毛が、横になっていたせいでぐちゃぐちゃになっているリカに、彼女の荷物を渡しながら尋ねる。 
    「面倒くさぃからそのままぁ〜。。あっ、お腹すいたから帰りにご飯行こぉ〜」  
    今日は、送りでそのままリカの家に泊まることになっていた。あたし達二人は、送りで近所にある行きつけのファミレスでおろしてもらうことにした。

    2007-02-27 06:29:00
  • 73:

    ◆grEdfwmzxY

    「あぁ〜めちゃ疲れたぁ!今日は昨日よりハードやったしぃぃ〜。。」
    ファミレスについて、注文した商品が来るまでにリカと今日の仕事内容についてグタグタと言い合う。  「ほんまやなぁ。あたしもなんか疲れたわぁー…」 目の前の水を一口飲むと、あたしも体の疲れでため息を吐いた。 
    「やっぱしばらく働いてなかったらダメやな〜。お酒弱くなりまくりやし!!」 リカは、苦笑いしながら言った。  
    「…ほんまやね。リカ弱くなりすぎ☆」
    あたしも釣られて、苦笑いした。

    2007-02-27 06:37:00
  • 74:

    ◆grEdfwmzxY

    ♪〜♪〜♪ 
    深夜という事もあって、人気のない店内に―突然鳴り響く携帯の着信音。     
    「つばさぁ〜携帯鳴ってるよぉー。」
    こんな時間に誰やろ…? リカに言われて、カバンの中から携帯を取り出す。   
    着信画面を見ると、さっきまで一緒にいた【凌真】からだった―。

    2007-02-27 06:42:00
  • 75:

    ◆grEdfwmzxY

    『はーい!もしもし…?』あたしなんか忘れ物でもしたんかな? 
    「…あ、お疲れー!つばさちゃん?ちゃんと優太に送ってもらった??」

    【優太】というのは、今日送ってくれたお店のボーイさんだった。送りは方面によって、担当のボーイさんが分けられているらしい。  
    『あ、うん!ちゃんと送ってもらったよ。今はリカと近所のファミレスでご飯食べてるけどー!』

    2007-02-27 06:47:00
  • 76:

    ◆grEdfwmzxY

    あたしが答えると、凌真は「えっ、ファミレス?どこの?」 と聞いてきた。 場所を言うと「分かった!俺も今から行くわ☆」     
    って…… え???? 
    今から行くわって??
    『えっ…?もしもし?どーゆうこ――』
    電話切れてるし・・・・。早っ!!

    2007-02-27 06:53:00
  • 77:

    ◆grEdfwmzxY

    目の前では、リカが不思議そうな顔をしている…。 『凌真が、今から来るって。電話切られたし。。』   
    リカに伝えると、 
    「あっ、そーなぁん?別にいーやん☆リカは全然えーよ!」
    と、笑っていた。

    2007-02-27 06:57:00
  • 78:

    名無しさん

    あげ

    2007-03-02 11:01:00
  • 79:

    ◆grEdfwmzxY

    約十分後、凌真はスーツ姿のまま店内に入ってきた。「お疲れさぁーん!」   ヴィトンのバッグに、ダイヤ入りのロレックス。どこからどう見ても、夜の人間という感じだった‥。 

    「凌真お疲れぇ〜☆」
    りかが、声をかける。  「お疲れちゃん!はい、つめてつめて〜(笑)」   彼は、あたしの隣の席に座ろうとした。
    あたしは横においてあった荷物を反対側に置いた。

    2007-03-15 01:45:00
  • 80:

    ◆grEdfwmzxY

    他愛もない話をしながら、三人で注文したメニューを食べていた。
    「二人とも今日はありがとなぁ〜!なんか気になる点とかあったら、なんでも俺に言ってきてなぁ☆」
    凌真は、コーラを飲み干してから、笑顔であたしとリカに言う。

    明るいところで見る凌真のスーツ姿は、店内で見るよりかっこよく感じた‥。

    2007-03-15 01:51:00
  • 81:

    名無しさん

    めちゃ気になるー??
    主さんがんばってください?たのしみにしてます?

    2007-03-15 06:17:00
  • 82:

    おもしろい?

    2007-03-16 05:28:00
  • 83:

    ◆grEdfwmzxY

    『…え、お金は!?』  会計時、凌真は伝票を持ってレジで三人分のお金を払っていた。
    「何言ってんねーん(笑)俺が勝手に来たんやから〜。気にしなくていーで☆」 それでも慌てて財布を出そうとすると、
    「閉まっときぃ☆」 
    と、また笑いながら言った。

    2007-03-16 11:47:00
  • 84:

    ◆grEdfwmzxY

    『ありがとう…。』
    「凌真ごちそうさまっ☆」   
    あたし達は、お礼を言ってそのまま店を出た。
    そして、すぐ近くだったけどリカの家まで凌真は車で送ってくれた。 
    「おやすみ!また明日!」と挨拶を交わし、あたし達二人はリカの部屋に帰った。

    2007-03-16 11:53:00
  • 85:

    ◆grEdfwmzxY

    「あ〜疲れたぁ!めっちゃお腹いっぱいやしっ☆」 部屋に戻ると、とりあえずメイクを落としてスウェットに着替える。リカの部屋には、日頃からあたしの服やら化粧品がたくさん置いてあるのだ。
    「この部屋つばさの荷物だらけやん…(笑)」
    『間違いない(笑)』   そんなことを笑いながら、あたし達はお風呂に行く準備をしていた。

    2007-03-16 12:00:00
  • 86:

    ◆grEdfwmzxY

    ♪〜♪〜♪ 
    ――その時、バッグの中の携帯が鳴った。
    『え?あたし。。?』   「うん!ってか、リカ先お風呂入るよ☆」
    『了解〜!』
    珍しい。こんな時間に誰やろ……。        あたしはバッグから携帯を取り出し、画面を開いた。

    2007-03-16 12:06:00
  • 87:

    ◆grEdfwmzxY

    受信1件:凌真         
    え?凌真―…。。何???とりあえずメールを開く。   
    【今日はお疲れさん??ゆっくり寝てなぁ?ってか、また遊んでよ?】       
    なんだこれ。。。??  メールが来たことに、少し驚いた。だけど、その内容にもっと驚いた。

    2007-03-16 12:20:00
  • 88:

    ◆grEdfwmzxY

    なんのハートマーク…?!遊ぶって。。???  あたしの頭の中は疑問だらけだった。とりあえずメールを返信してみる。   【お疲れさま?凌真も、ゆっくり休んでね???】   
    当たり障りのないメールを返した。凌真からの返信はすぐに来た…。

    2007-03-16 12:24:00
  • 89:

    ◆grEdfwmzxY

    【おーい?遊ぶことはスルーかよー?もういいわ?】   
    何がもういいんやろ。。。 メールを打ちながら、色々考えていた。 
    【遊ぶって誰と?】返信。    

    【つばさちゃんに決まってるやん?タイプやねんな?また俺と遊んでな??】

    2007-03-16 12:30:00
  • 90:

    ◆grEdfwmzxY

    返ってきたメールを見て、ドキドキしていた。

    なんか変な感覚。好きになったとかそんなんじゃなくて…、ただ、さっきまで一緒に仕事をしていた凌真が。さっきまでリカと三人でばか騒ぎしていた彼からの意外なメールが、あたしを不思議な気持ちにさせていた。

    すごくすごく不思議な…。

    2007-03-16 12:34:00
  • 91:

    ◆grEdfwmzxY

    今思えば、この時から始まっていたのかもしれない。   
    それは、とっても色々なことが―。 

    あたしの小さな気持ち。

    2007-03-16 12:39:00
  • 92:

    ◆grEdfwmzxY

       
    凌真の仕掛けた 

    新しいゲーム――‥。     

    2007-03-16 12:41:00
  • 93:

    名無しさん

    100??

    2007-03-16 14:27:00
  • 94:

    ◆grEdfwmzxY

    次の日、あたしは普通に出勤した。凌真はまだ来ていなくて、女の子同士で待機室で話していた。      
    「最近、暇だよね〜。1月の成績ヤバすぎるわー…。愛香ちゃんダントツやし」オープン当初からこの店で働いてるという、【未来ちゃん】が貼りだされているグラフを見ながら言う。 「ほんとそれっ!!さやかもヤバイー。。年明けてから客切れまくりやし。」 向かいに座る同じくオープンからいる【さやかちゃん】がそれに答える。
    「やけどさっ、ほら。あれやん?愛香はぁ…まぁ、言ったらさぁ?(笑)」   「確かにっ。あーあぁ恐いわー。夜の世界は…(笑)」  
    二人は、煙草を吸いながら何やら意味深に笑い語り始めていた。あたしには理解できるわけもなくて、リカが接客中で話せる相手もいなかったし、その斜め向かいでひたすら携帯をいじっていた―。

    2007-03-20 02:49:00
  • 95:

    ◆grEdfwmzxY

    「おう!みんなおはよ!」そうこうしてるうちに、待機室に凌真が入って来た。  
    一瞬だけドキっとする。    
    「凌真くんおはよっー☆」「凌真ぁお腹すぃたぁ〜」女の子達は、みんなそれぞれに凌真に話し掛ける。 オーナーといっても、やっぱり年が近いだけあって、接客中以外は呼び捨てしたり、みんな友達のような感覚だった。

    2007-03-20 11:46:00
  • 96:

    ◆grEdfwmzxY

    「未来〜最近、山中さん見ぃひんやん?連絡取ってるん?男とばっかりイチャついてたらアカンぞー(笑)」「優花、お前今月頑張ってるらしいやん。やるなぁ〜まだ半月あるから気合い入れて頑張れよ☆」       
    冗談や他愛もない話をしながら、ベテランの女の子には指摘しつつ、新人の女の子にはやる気を持たせる。凌真の女の子とのコミュニケーションの取り方は、本当に上手かった。        
    その上手さが、後々あたしを苦しめることになること。あたしはまだ、気付いていなかったけれど――…。

    2007-03-20 11:58:00
  • 97:

    ◆grEdfwmzxY

    「つばさ〜おはよっ!今日は相方どないしたん〜?」端っこで携帯をいじっていたあたしに、凌真が話し掛けてきた。 
    『…おはようございます。リカは接客中〜です。』    
    なんとなく、待機室や女の子の前では“敬語”を使ってしまう。入ったばかりなのに、態度が大きいとか、馴れ馴れしいとか、余計なことを思われるのが嫌だったから。

    2007-03-20 12:04:00
  • 98:

    ◆grEdfwmzxY

    「おーリカは接客中かぁ。あっ、そういや二人とも身分証のコピーいるから持ってきてなぁ。」 
    『あ…分かりました。』 「リカにも伝えといてー」   

    なんだか、普通な態度過ぎる凌真に変な感じがした。今朝は、あんなメール送ってきたくせに…。        
    何考えてるんだろう。

    2007-03-20 12:11:00
  • 99:

    ◆grEdfwmzxY

    タイプやからとか、きっと冗談やんね。遊ぼうとか…深い意味はない。リカと三人でって、意味かもしれないし―。
    あたしの考え過ぎ。あんまり気にしないでおこう。    
    一人で、ぐるぐるとそんな事を考えながら、あたしはお客さんへのメールの続きを打ち始めた。

    2007-03-20 12:15:00
  • 100:

    ◆grEdfwmzxY

     
    午前二時:営業終了。  「お疲れ様です〜!」  「お疲れちゃーん♪♪」 今日もなんとか、無事に接客を終えた…。お客さんを送り出した後、女の子は着替えを済まして各自送りの指示を待つ。  

    「えーと、東方面と北方面が優太ねー。西と南は博紀んとこ乗ってー。あっ、日払いの子は先に店長に言ってなー!」 
    チーフの指示を聞きながら、皆それぞれの方面の子が集まって帰る準備をしていた。

    2007-03-21 05:55:00
  • 101:

    ◆grEdfwmzxY

    「あ〜今日もめっちゃ疲れた。。つばさぁー帰ろっ♪」荷物を持ったリカが、あたしに呼び掛ける。    『お疲れ〜!うん、帰ろっかぁ。あたしら優太くんやんね??』
    北方面のあたし達は、指示どおり優太くんの車へ向かおうとした。 

    「うぃっす!お疲れぇー。あっ、つばさとリカちょっと待って!」 
    いきなり… リストの中にいた凌真が出てきて、あたし達に声をかけた―。

    2007-03-21 06:01:00
  • 102:

    ◆grEdfwmzxY

    「ん?どーしたぁん??」リカが返事をしながら、リストに向かう。 
    なんやろ…?あたしも、後を着いていく。 
    「あー、ごめんな!今日、身分証持ってきてるんやんな?コピーまだ取れてないからさ、コンビニ寄ってから帰れるか??」 
    「あーうん!コンビニ?優太くんに言えばいいん?」  
    凌真の言葉に、リカがすぐに答えた。

    2007-03-21 06:13:00
  • 103:

    名無しさん

    がんばって?

    2007-03-22 03:50:00
  • 104:

    名無しさん

    ???

    2007-03-23 19:24:00
  • 105:

    ◆grEdfwmzxY

    「いや、俺が送るわー。もうちょっと待っててな!」今日の売り上げ精算をしながら、凌真が言った。    
    「あっ、そうなーん?分かったぁ☆つばさあっちで待っとこー。」
    リカはあたしの手を取り、フロアの客席へと歩き始める。
    「…ごめんな!もうちょい待っててな。」 
    ふと凌真を見ると、目が合いそう呟いた――…。

    2007-03-24 07:26:00
  • 106:

    ◆grEdfwmzxY

    なんでやろう…。    一瞬だけドキッとした。 こんなの、仕事の経営者として普通の事なのに。   
     
    20分後、車のキーを持った凌真がフロアにやってきた。
    「おまたせ!優太が戻ってくるから、いったん鍵閉めて先送り出るわー。行こかぁ☆」
    凌真の呼び掛けとともに、あたし達三人は、店を後にした。

    2007-03-24 07:34:00
  • 107:

    ◆grEdfwmzxY

    「お邪魔しまぁーす☆」  後部座席にリカと二人で乗り込み、近場のコンビニへ向かう。コンビニに着いたら身分証のコピーを済まして、凌真に手渡した。    
    「はい!」
    「おーオッケーオッケー☆預かっとくわぁ!」   そのままもう一度車に乗り込むあたし達…。    「さっ、んなら送るわなぁ。つばさは今日もリカん家なん?」
    凌真が聞いてきた。   『いや…今日は朝用事あるから実家やねんけど。』 明日は、朝から歯医者に行く予定がある―‥。

    2007-03-24 07:44:00
  • 108:

    ◆grEdfwmzxY

    「了解、んならリカん家のんが近いし先リカ送るわなぁー。」
    「あいよー☆」         
    そう言って再びエンジンのかかった車は、リカの家へと迎う。店からリカの家は近くて、ほんの10分程ですぐに着いた。        
    「ありがとー!んじゃぁ、お疲れちゃーん☆」   リカが、車を降りていく。   
    車内にはあたしと凌真…。

    2007-03-24 07:52:00
  • 109:

    ◆grEdfwmzxY

    「家って○○区のどの辺り??」
    運転席の凌真が、ミラーごしにあたしに尋ねる。  変な緊張感を取り払うように、…あたしは答えた。 『…駅から少し北に上がったとこくらいかな。○○病院の近く。分かる??』 「んー、なんとなく!また近づいたら言ってー。」   
    凌真は手に持ったタバコに火を付けながら、言った。

    2007-03-24 07:59:00
  • 110:

    ◆grEdfwmzxY

    何緊張してるんやろ…。 変に意識なんかしてるのはきっとあたしだけ―‥。   
      
    「…なぁ、ってか前座ったら?」 
    煙を一回吐き出した後すぐに、凌真が言った。   『え…?前って…?』  意味が理解できないわけないのに―、思わず聞いてしまった。

    2007-03-24 08:04:00
  • 111:

    ◆grEdfwmzxY

    「助手席、座りよ。なんか俺淋しい奴みたいやん☆」   
    笑いながら、振り返る凌真。助手席のシートを、手でポンポンとしながら。     
    『うん…。移動する。』 あたしはいったん車を降りて、彼の隣に移動する。    
    この、変なドキドキは一体何なん……?
    「おー来た来た☆」    あたしの顔を見ながら、笑顔で言う―。      なんかおかしい。あたし変やわ……。

    2007-03-24 08:12:00
  • 112:

    ◆grEdfwmzxY

    再び発進する車。何を話していいか分からなくて、黙り込んでしまう…。   
      
    「店には慣れた??って、こんな短期間じゃ分からんか(笑)」  
    凌真の振ってくれた話題に、慌てて頭の中を落ち着かせた。
    『あっ、うん。まぁまぁかな…。だいぶシステムは理解してきたかな。』   「おーそれなら良かった。まぁなんか困ったことあったらすぐ相談してきてな☆」

    2007-03-24 08:25:00
  • 113:

    ◆grEdfwmzxY

    他愛もない話や、仕事の話が続く車内。凌真のおかげであたしも、だいぶ緊張の糸が緩んできた。家まであともう少しで着く…―。          

    「ってか、あれマジやねんけどな。…メールの内容。冗談やと思ってるやろ?」   
    いきなりの言葉に、動揺を隠せない―。深く考えないようにしようとしてるのに。ちょっと待って…

    2007-03-24 08:34:00
  • 114:

    名無しさん

    ?

    2007-03-24 08:36:00
  • 115:

    ◆grEdfwmzxY

    『…え???何が!?』 とぼけたフリをする。自惚れるのは嫌や――‥。     

    「だから、マジタイプやねんて。会った時から!見てたら性格もええ思うし、俺マジ惚れそうやわ。」  
        
    急に真剣な顔つきになる凌真。その時ちょうど車は信号待ちで、あたしは状況を理解するのに必死だった。

    2007-03-24 08:41:00
  • 116:

    ◆grEdfwmzxY

      
    恋愛は理屈じゃないって言うけど、本当にそうだね。  

    春に桜が咲くように   冬に雪が舞い散るように   
    この人に恋をするんだろう。――…この時、すでにそう直感してたんだ。

    2007-03-24 08:47:00
  • 117:

    ◆grEdfwmzxY

    まさかこれが、こんなにも残酷な悲劇の幕開けだなんて思ってもみなかった。        

    ねぇ、凌真…  

    あなたを愛していました。

    2007-03-24 08:53:00
  • 118:

    ◆grEdfwmzxY

    誰よりも、ずっと。      

    あなたの為に 
    あなたの為だけに      
    あたしは―‥存在してた。

    2007-03-24 08:56:00
  • 119:

    ◆grEdfwmzxY




    2007-03-24 08:57:00
  • 120:

    名無しさん

    めっちゃ気になる???

    2007-03-24 09:55:00
  • 121:

    名無しさん

    ????

    2007-03-24 18:35:00
  • 122:

    名無しさん

    必ず完結させてくださぃね?

    2007-03-24 18:57:00
  • 123:

    名無しさん

    ?ぁげ

    2007-03-25 17:26:00
  • 124:

    名無しさん

    主サン、コブクロとかレミオ好きちゃぅ?

    2007-03-25 18:03:00
  • 125:

    ◆grEdfwmzxY

    ありがとうございます☆  
    ちなみに、コブクロは好きですがレミオロメンは粉雪くらいしか分かりません…☆
    φ(.. ;)

    2007-03-26 07:12:00
  • 126:

    ◆grEdfwmzxY

    どのくらいの時間が経ったんだろう。凌真が突然、あんな事を言うから…。  あたしは、この狭い空間でずっと気が気でなくなってしまってる―。       
    「つばさ?…おい(笑)人の話聞いてるか!?」   凌真の声で、我に返る。 『あっ…うん!ごめん! …で、なんだっけ???』「おいおい…」  

    さっきからずっとこの繰り返し……。ダメだ。あたし完全に動揺してる―‥。

    2007-03-26 07:18:00
  • 127:

    ◆grEdfwmzxY

    「…なんか、急にこんな事言ってごめんな。でも、さっき言った事はマジやから。―お前も俺を好きになってな?」

    いつの間にか車は家の前に着いていて、サイドブレーキをパーキングに入れた彼が こっちを見て言う。   

    なんで?急にそんな事言われたって…。      見た事のない、彼の真剣な目付き。仕事中とはまた違う初めて見る表情。

    2007-03-26 07:25:00
  • 128:

    ◆grEdfwmzxY

    『…なーに言ってるん!?からかうんやめてよ(笑) 送ってくれてありがとね。じゃあ、また明日っ☆』    

    ――…結局、冗談で交わして、あたしは車を降りた。いたたまれない空気に、 あれ以上あの場にいたくなかった。
    …いられなかった。       
    もう、気付いていたから。

    2007-03-26 07:31:00
  • 129:

    ◆grEdfwmzxY

    動きだしてるあたしの気持ち。このドキドキは、きっと動揺なんかじゃない。   

    白い息を吐き出して、空を見上げる。都会には珍しく今日は、満点の星が良く見えていた…。           
    この時のあたしの顔は、きっときっと真っ赤だったに違いない――‥。

    2007-03-26 07:36:00
  • 130:

    ◆grEdfwmzxY




    2007-03-26 07:37:00
  • 131:

    ◆grEdfwmzxY

    凌真からはその後、頻繁に連絡が来るようになった。   
    “おはよう”メールから始まり、休みの日には“おやすみ”メールまで…。  些細な内容の電話も、頻繁にかかってきた。 
       
    彼の事を少しずつ信用していく反面、やっぱりオーナーっていうのは、女の子にこうも気を使わないといけないものなんかな…?とか思ったりもした。

    2007-03-26 07:44:00
  • 132:

    ◆grEdfwmzxY

    「お疲れさまでーす!」  「お疲れ〜!また明日ぁ♪」   
    営業終了後、今日も女の子達はそれぞれに送りの車に帰ってゆく―。     「つばさぁ〜帰ろっ♪」  荷物を持ったリカがあたしに、駆け寄ってきた。  『うん!帰ろっか。』  そう返事をしてリカと一緒に、店を出ようとした時    
    「…あ、ちょっと待って!つばさ俺が送るからー。もうちょい待ってて。」    
    凌真があたしの方を見て、声をかけた――‥。

    2007-03-26 07:52:00
  • 133:

    ◆grEdfwmzxY

    「えー!?つばさだけー?何か用事ー?」     キョトンとしてるあたし達二人。リカが、凌真に尋ねる。
    「あー今日ちょっと、つばさん家の方面に用事あるねん☆優太すぐ戻ってくるから、リカもちょっとだけ待っててくれるかー?」     
    凌真は売り上げ精算しながら、そう答えた。    リカとあたしの家は方面は同じだけど、微妙に離れている。それにしても…    

    あたしだけ送ってくれるとか。…―期待させないで。

    2007-03-26 23:59:00
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