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  • 1:

    乙女◆OEVpI0cAhc


    人生はギャンブルだ。
    あたしはアタリクジを引くのをまだかまだかと待っている。しょぼい"勝ち"などいらないのです。
    "負け"なら美しく散るべきです。
    狙えBB。目指せBB。

    2007-01-25 20:07:00
  • 2:

    乙女◆OEVpI0cAhc


    『!』
    コールランプがピカピカ光る。あぁ目が痛い。頭も痛い。ついでに心臓も少し。「いきますいきます。」信号を元気に渡る小学生のように、右手を上げそう合図し、光のもとへ。

    2007-01-25 20:12:00
  • 3:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    ─バンッ─!
    コールランプを勢いよく消し、画面に目をやる。奴の顔を見てしまうと、心臓の痛みがひどくなるから。
    『遅いなぁー!店員!やる気あんのか!』
    『………。』あぁやっぱり駄目だ。すでにコイツの声を聞くだけで胃がむかむかする様になってしまった自分に更に嫌気が刺した。

    2007-01-25 20:19:00
  • 4:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    ─バンッ、バンッ、バン─!
    ボタンを3連打して一礼。まったくいい加減にして欲しい───。騒音の中小さくタメ息をつき立ち去ろうとした。が、
    『待て、無視か!態度悪いぞ、メダル投げんぞ!』『──………ハアァ…』

    さっきの10倍はデカイタメ息、とゆうより嘆きを発してあたしは振り返り口を開いた。

    2007-01-25 20:26:00
  • 5:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『箱投げんぞ!いつなったら自分で目押し出来んのじゃ!じじぃか!』

    爆音に負けないあたしの声は、しっかりとホールに響き渡った。

    『おま!待て!も〜〜ッッ勝っても何もオゴったらへんからな!お前・のみ!』

    2007-01-25 20:43:00
  • 6:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『ああ・そうか!』

    ホントーはまだまだ言いたりなかったケレド、ホールの端の台の片隅から主任の首だけが見えていたので、我慢した。
    『おいこら!待て!ユウキ!』
    後ろで叫ぶバカを無視して、あたしはコースを出る。

    2007-01-25 20:58:00
  • 7:

    名無しさん

    あたしもパチ屋で働いてたから楽しみ?

    2007-01-25 21:07:00
  • 8:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『うぁっ!オイ!ユウキ!見ろ!コレ!ほれっ!』
    『横でうっさいねん!』『ぃでッッ!』──あたしが居なくなっても騒ぎ続けるその男は、隣のお友達にコツかれていた。

    ───やれやれ。
    『花チャン〜、休憩上がり〜。』『あ、は〜い。』───もうお昼か。

    2007-01-25 21:10:00
  • 9:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『いただきまあす。』

    ホール仲間の【カメ】と向かい合わせでランチタイム。
    『カメ。醤油取って。』『はあい。てか花ちゃん今日も激しかったなぁ』カメはお弁当の卵焼きを無駄にプニプニつつきながら、あたしの方へ醤油の瓶を滑らせた。
    【亀山 慧(カメヤマ サトル)】彼は同い年、19歳のフリーター。あたしよりも半年位、この店では先輩だ。

    2007-01-26 17:21:00
  • 10:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『あぁー。奴のコトか。』

    そしてその醤油を卵焼きに、とゆうよりお弁当一面にぶちまけるあたし。あたしこそこのお話の主人公、【花村 優希(ハナムラ ユウキ)】通称【花ちゃん】である。
    花ちゃんもカメと同じく19歳フリーター。でも決して馬鹿という訳じゃあない──。

    2007-01-26 17:35:00
  • 11:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    >>7サン書き込みありがとうございます。パチ屋働いてたんですか?あたしも前職がそうなんですよ?良かったらこれからも覗いてやって下さいね。

    2007-01-26 23:44:00
  • 12:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    そして小鳥大空を羽ばたけず。プー太郎に成り下がり。まぁその後一度、大手携帯会社に就職したものの、やはり性分で、仕事を覚えた頃に飽きてしまい、いそいそと自主退社。。「あ〜何やったら飽きひんのやろ〜。」なんて連れに愚痴りながらバーでシェーカーなんて振り回してた時、奴が現れたのだ──。

    『お!ユウキやんけ!何してん。法律家は酒飲んだアカンねんぞ!!』

    2007-01-27 02:37:00
  • 13:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『ハッハッハ!ネタ古いし雪!コイツもおとっくに学校辞めたでぇ〜♪』
    ───チッ。黙ってればバレへんものを。その時一緒にいた連れはケラケラ笑いながら奴にココ最近のあたしの事情を奴に話していた。延々と。
    『マヂか!まぁでもこんなコトなるやろなと思ってたで俺は。お前が法律家とか……プゲラッ!!』

    (゚Д゚)─────あ?

    2007-01-27 02:50:00
  • 14:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『んでユウキ就職したんやケド〜てかてか!コイツのシェーカーの振り方バアリうけんねんケド!!』『ギャハハハハ!!』『頭回るケド不器用よな、お前!!笑』

    ──そんなこんなで昔からの連れ2人に散々ネタにされ笑われ、シェーカーを降らされ、
    『ちょーほんなら暇やろ付き合えや!』
    と勝手に暇人と決めつけられ2人につれだされた、その場所が──。

    2007-01-27 13:51:00
  • 15:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    [BIBIA-ビビア-]

    このパチスロ店だったとゆうコトだ。『うぉッ!!ユウキ入ってる!』『あ?』『7揃えるねん「7」!!』

    ──パン、パン、パンッ──それがこの店とスロットとの出会い。

    2007-01-27 13:57:00
  • 16:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『行け!!どこまでも行け!!』『ユウキ!おま、手を休めるな!』『……』

    どうるさい友人に挟まれ打ち続けたあたしは、ホントーにどこまでも連チャンし続け、帰る時には空っぽだった財布がパンパンになっていた。

    ギャンブル、恐ろしス。

    2007-01-27 14:01:00
  • 17:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    そこから気づけば、何にも変えられぬその興奮を求めて、あたしは毎日[BIBIA]に通った。そう、ドップリはまっていた。あれだけ馬鹿にしていたギャンブルに、スロットに───。
    バーとスロット往復の毎日。楽しい。楽しいけどだんだん仕事に行くのが嫌にさえなってきて。
    そんな時──。

    2007-01-27 14:06:00
  • 18:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    ある日の換金の時──。〈あ〜仕事行きたくね。これ換金してまた打ったろカナ。〉ぼんやり天井を見上げていると──。
    『今日は一人ですか。』と、店員。『あーはい』あたしが答えると、
    『運強いっすね。』と。その彼の言葉にニヤけて見せた。ところがどっこい『ニートっすか?』『は?』──ニヤけてるのは彼の方だったのだ。

    2007-01-27 14:14:00
  • 19:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『バー・テン・ダー!ですけど、何か?』『あ、マヂすか。いや、違うんすよ。いやいやいや──…』


    それでもニヤついてたこのフザけた店員。これがカメとの出会い。そこから何かと話す様になり、あたしのシェイカーの振り方キモイらしいね〜ん、だから笑われるし仕事いきたないね〜んなんて笑いながら話すと、「じゃあここで働いたら。」と真顔で一言。
    ──なるほど。その手があったか!

    2007-01-27 14:21:00
  • 20:

    名無しさん

    レモンティーの方ですか?

    2007-01-27 18:02:00
  • 21:

    名無しさん

    あげ

    2007-02-01 21:53:00
  • 22:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    そしてあたしは『シェーカーなんて振ろうと思ったあたしが間違ってました』なんて半ばあてつけな台詞を吐き捨てそのバーを去り、カメの紹介というカタチでまんまとBIBIAの店員となった。

    あれから3ヶ月──。
    簡単すぎるほどに簡単な仕事を不思議と飽きるコトなく続けれている。

    2007-02-02 00:39:00
  • 23:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    ──が、問題がひとつ。

    『そろそろ行きましょか。』『うい。』お弁当箱をしまい立ち上がる。お昼休憩は終了。カメとホールへ戻る、と同時に聞こえてくる奴の少しかすれた声──。

    『ユウキ!!ユウキ見て!爆勝ち!!』

    2007-02-02 00:46:00
  • 24:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    両手で抱えるブンチン。
    〈8万弱か。〉お昼過ぎ。奴がいつも帰って行く時間。
    『俺にはすろっとの神がついてるかもしらん!』『バカが言いそうな台詞やな。』『お前しばく!』
    黒いカッターシャツをジーパンに少しだけ入れて、綺麗な茶色の髪を首まで垂らしながらヘラヘラ笑う。

    2007-02-02 00:53:00
  • 25:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    ちなみに、あたしがコイツの好きな部分と言えば、白い肌と「鼻筋」のみ。綺麗なすべる様なライン。こんな鼻になりたかったカラか何故か、見とれてしまう。

    彼の名は【雪園 薫-ユキゾノ カオル-】同い年19歳。あたしのパクリかあだ名は「雪」。自称"清楚なギャル男。"見た目通りのバカ。

    ──♪☆♪♪♪──

    2007-02-02 01:03:00
  • 26:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『店内携帯使用禁止なんですけど。』『っさいなーはいはいッと!!』
    言うなり訳のわからん着信音ごと電話をブチ切った。そしてケータイを開きもせず、ぽっけに入れた。『レナじゃないん?笑』奴、雪の連れが笑いながら雪のケータイを覗き込むケド、『やろおな!うざい。』とまるで他人事の様に淡々と話し、あたしの頭をポンッと叩いた。

    2007-02-02 01:12:00
  • 27:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『触んな。汚れる。』
    『そんなきれくもない癖に!笑』雪は笑う。コイツの笑顔は、絵に描いた様な、まるでバイキンマンの様な、"悪戯好きなガキ"そのものだ。あたしが雪の手を振り払うと

    『まぁゴチったってもいーわ!今日の俺は期限がいい!メールしてこい。』そう言ってまたニッカリ笑ってみせた。

    2007-02-02 01:18:00
  • 28:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    隣にいたカメとあたしは一礼して、雪と雪の連れを見送った。
    『いつ見ても男前やな』あたしはカメの言葉を聞こえないフリして、コースの巡回を始める。雪がさっき座ってた台。その下皿に、クシャクシャの小さい紙キレ。広げると、殴り書きの様な汚い数字が書かれてある。

    [09○2*12*236]

    2007-02-02 01:35:00
  • 29:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『……。はあ。』
    その紙キレを再びクシャクシャに丸め、ゴミ箱へポイッ(-_- )ノ⌒いい加減にして欲しい。あたし以外の人が拾ったらどおすんねん。

    "メールしてこい!"───『…しても返さん癖に。』
    そう呟いたあたしの小さな小さな独り言は、店の爆音にかきけされた──。

    2007-02-02 01:43:00
  • 30:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『お疲れーッッす。』

    ──午後4時55分。早番のみんなは次々にタイムカードを押し、そそくさと着替え、帰っていく。さぁどうしよか。今日も、打つかな。今日は、あたしの上にいるはず。スロットの神が──…
    『は〜なちんッッ。一緒いこぉー。』〈──むッ!?〉『何を?』『何って。』店を出たところでカメに捕まり、あたしは顔をしかめた。

    2007-02-02 01:54:00
  • 31:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    が、無駄みたいで。
    『スロばっか打ってスロバカになる気?』そう言ったカメに手を引かれ辿りついたのは──。

    [-Bar-BB!☆]

    『やっぱりか!』『まあそおゆわずに!』入った先は、あたしの前のバイト先のバー。待っていたのは。

    2007-02-02 02:00:00
  • 32:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『おーやっと来たあ!!おっそいしぃー!!はよ座って!見ろユウキこれ!!』『…お前働けよ!!何時間おんねん家帰れよ!!』
    あたしが怒鳴るのを見てケラケラと笑い、カウンターに座る女。コイツがあたしを毎日毎日毎日……ここに呼ぶのだ。このおさらばしたバイト先に(゚Д゚)!!
    『いいから来いって!あーカメちゃんも!』

    2007-02-02 02:07:00
  • 33:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    ミルクティー色のグルグル巻き髪、パッチリお目目に、マイクロミニで際立つ折れそうに細い足は結構傷だらけ。この女、【佐藤 摩世-サトウ マヨ-】。とにかくうるさくて顔はムカツクほど可愛いあたしの中学カラの友達。一番仲のいい友達。結構ニコイチ。それはいいとして現在ニート。うるさいニート。『最低やんな!』
    『あ?何がよ?』
    涼しい顔であたしにタバコの煙を吹きかけてくる摩世は、なかなか手がかかる我が儘女。

    2007-02-02 02:18:00
  • 34:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『やめろ、お前が吸うのは勝手やけどお前が吸うコトでふく流煙が〜○×……『んなんでよくスロ店員やってんな〜!!笑 ギャハハハハッ〜バローッス!!』───…。
    ──とまあ、こんな感じで全くデリカシーも常識もなけりゃ時には言葉のキャッチボールも出来ない様な彼女なのですが。
    『あ〜!!てか風呂入りてえ〜!!頭激かゆすッ!!ユウキ銭湯いこや、銭湯!』『い・や!』

    ちなみに彼女、摩世は昨日の夜からココにいます。

    2007-02-02 02:29:00
  • 35:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『家なき子かよ。』
    『んなんゆうならカメちゃんち泊めてよぉ〜♪』『泊めなや、カメ。コイツはゴキブリ呼ぶ習性がある。』『ギャッハッハ!!んまのコトゆうなや〜!!♪』
    ─ギュウッ─とあたしとカメの真ん中に入り肩組みする摩世は、バカでうざいけど憎めない奴で。なんやかんや仲良くしてきた。昔から。言い忘れたケド、コイツがあたしを初めてスロットへ連れて行った一人。そしてもう一人が──

    2007-02-02 02:35:00
  • 36:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『おーっす、ユウキもうきてたん?お前このゴキブリはよ連れて帰ってくれや!ココに住み着かれたら営業妨害じゃ!!』

    昼過ぎあれから帰って寝て今さっき起きたんやろう、服が変わってる雪の姿。カウンターに肘をつき煙草を吸う。そう、コイツと摩世があたしをスロにハマらせた二人。
    『ゴキブリ退治は男の仕事。雪がやって。』

    2007-02-02 02:50:00
  • 37:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    そう言ってあたしは勝手にカウンターの冷蔵庫に手を伸ばし、オレンジジュースを手に取る。
    『こら!お前勝手にとんな!俺が作ったるやんけ!』『お前に作らせる酒はねえ!』『しばく!』──雪は、あたしが辞めた為、急遽呼ばれた助っ人。今じゃあたしの変わりにこの店のカウンターに立って、シェイカーを振ってる。
    『俺テキーラサンライズ。』『はいよ!』カメの注目に、ユウキは瓶を並べる。悔しいけど、雪のシェイカーを振る様は、あたしの100倍かっこいい。似合っている。

    2007-02-02 02:57:00
  • 38:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    ついつい、見とれてしまう──。
    『何見つめてんねん。』『あんたじゃなく、あんたの手をな。』『あーもー一言多いなあ!笑』
    そんなしょーもない会話で、あたし達は成り立つ。軽〜い関係。間違ってもコイツのコトで悩んだり、泣いたり、重〜い関係にはなりたくない。

    ──もう、二度と。

    2007-02-02 03:02:00
  • 39:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    雪と摩世は、中学の同級生で、あたしがこのバーで働いてた頃、雪とは偶然に再会した。それからあたしがココを辞めるコトになった時。地元の先輩のオーナーが雪にあたしの変わりを頼んだらしい。それからというもの、暇があれば雪はBIBIAにくるし、あたしも(摩世やカメにムリヤリ連れられ)このBBに溜まってる。つまり嫌でも顔を合わす。そんな毎日。

    2007-02-02 03:09:00
  • 40:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『お前、男とどうなん?』『ん。別に普通。』
    『そや!!ユウキ!この雑誌見て!!れい君みっけた!!ほら、一番デッカく載ってんの。』『どれどれ〜?花ちゃんの男。』

    あたしと雪の会話を遮るような摩世の大きい声に、カメまで摩世の手元の雑誌に釘付けになる。
    載ってるのは、あたしの彼氏、レイ。

    2007-02-02 03:15:00
  • 41:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    結構人気なホストらしく、よく摩世がこうして見つけて教えてくれる。
    『うわ〜やっばめさ男前!!ユウキにはもったいない〜!!』摩世が興奮したように叫ぶ。あたしと摩世はタイプがにてるからね。『確かに。花ちゃん店行ったりしてないよな?』雑誌をマジマジと見つめ聞いてくるカメ。
    『ウン。』あたしはそれだけ答えオレンジジュースを口に入れた。れいの話をされても、実際あたしでさえよく知らない。

    2007-02-02 03:22:00
  • 42:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    出会ったのも偶然やし、ホストしてるんもしらんかったし。ゆってもらってもないし聞いてもない。たまたま摩世が持ってた雑誌に載ってるのを見かけて知った。
    「つきあってる」とはいえ、そんな浅い関係。
    別に深く考えるほどでもないんやけど、奴は、雪は何度となくあたしに言う。
    『やめとけって。そんな得体のしれん奴!』

    2007-02-02 03:27:00
  • 43:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『泣きみんで。ほんまやめとけ。』そう言う雪の目は、酷く、冷たい。奴が時々ふと見せる顔。あんまり、好きじゃない。『も〜男前やからひがむなって!!雪もじゅうぶんカッコええって!!この女泣かせ!笑』ふいに飛んできた摩世の言葉に、
    『あ〜んもう辞めろ!じゅ〜〜ッッぶん知ってる♪笑』とニッカリ笑ってみせる雪は、別の人格みたいで好きくない。

    2007-02-02 03:35:00
  • 44:

    乙女◆OEVpI0cAhc


    雪のことは嫌いじゃないけど、そこだけ、好きじゃない。
    昔っから。

    2007-02-02 03:36:00
  • 45:

    乙女◆OEVpI0cAhc


    ──それから、雪と摩世にカメ、そして雪の連れやお客さん。などなど。戯れて解散したのは夜の11時位。最近はいつもまあ、こんな感じ。

    変わったコトは特にない。今日みたいに雪が、番号書いた紙をよく置いて帰るようになった位──。。

    2007-02-02 03:40:00
  • 46:

    乙女◆OEVpI0cAhc




    『っはよぉ〜…』

    2007-02-02 03:42:00
  • 47:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    翌朝午前10時。BIBIA
    開店早々、押し入ってくる人の群れの中に、眠そうな甘ったるい声。
    『雪くんや。』カメがぼそっとつぶやいたのが聞こえて、そっちに目をやる。
    『カオル〜百合スロット打ったコトないからちゃんと教えてやぁ♪』
    だるそうに髪を掻きながらポケットに手を突っ込む雪の隣には、金髪の巻き髪トサカ女が、彼の腕を掴みながら立っている。

    2007-02-02 03:50:00
  • 48:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『どこのキャバ嬢かしら。』『すんげ頭。』『顔可愛いのに。』『俺あっち系ムリ…』あたしとカメはコースに歩きながら店員特有のお客様の陰口を静かに語り合っていた。


    『おあよぉ…。』そこに歩いてきた雪とその女の子。〈近くで見たらマツゲすげ〜摩世以上やな。〉

    2007-02-02 03:56:00
  • 49:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『…朝マック行ってきた。』『何の報告やねん。』口を開いた雪の寝ぼけたような言葉に思わずツッコミを入れるあたし。それを見てキャバ嬢風な彼女、"百合チャン"は呟く。
    『カオル〜この人誰〜??』〈む!?〉なんて失礼な奴!「こちらはどなたさん?」位ゆえんのか!キャバ嬢やろが!!
    『ん〜同級生。中学ん時の。』かまわず雪はめんどくさそうに答える。
    〈全く教育なってへんな…。〉

    2007-02-02 04:03:00
  • 50:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『そなんや〜、てか、はよいかな席なくなんで〜』〈んなッ!!〉「こんにちは初めまして☆」位の挨拶できんのか!キャバ嬢やろが!!パート2やわ。 『おん。んな、当たったら呼ぶ。』とあたしの肩をポンッと叩き、あくびをしながら歩いて行く雪。『あの子も雪くんに惚れてる一人かな。』とカメ。惚れてるも何も…。まあ、そおやろうな。

    雪は確かにカッコいい。雰囲気もある。人懐っこいし。でも、決していい奴じゃあない。

    2007-02-02 04:10:00
  • 51:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    「やったって。」と言う様に顎を動かし合図され、あたしはバーを引き、ボタンを3回押した。
    「777」────
    そうリールが揃った瞬間、あたしの手が彼女の肩で弾き飛ばされた。バンッッ『カオルより先に当たっちゃった〜♪♪』と雪に抱きつくキャバ嬢、百合に引いてしまう店員、花ちゃん。〈いちゃつく場所ちゃうし!キモイし!隣のオッチャンも睨んではるし!〉礼儀もなけりゃ常識もない。これだけ綺麗に着飾ってもこれじゃ元も子もないな──…。

    2007-02-02 04:26:00
  • 52:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    なんて説教じみた親父みみいなコトを心の中で呟いていたら、思わずタメ息がこぼれた。『…フゥ…ッッ』その瞬間、ギッ!!と、睨まれた、気がした。キャバ嬢、百合チャン…エスパーか?軽く寒気がしたあたしは一礼してコースの巡回をはじめようとした。その時──グイッ──!
    必要以上な力で腕を引っ張られ、バランスを崩しかけた。『えッッ。』

    2007-02-02 04:33:00
  • 53:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『花ちゃぁ〜ん。何でメール送ってくれへんのぉ?』『あぁっ…!』『俺ずっと待ってんのにぃ〜笑』
    振り向くと、ちょい派手目な、いかちい兄チャン。明らかニートでしょって位の常連サン。そういや前、メアド書いた紙渡されたっけ──…どこやったっけ。あ〜どうしよ。
    『なぁ今日こそ送ってやぁ?俺花ちゃんに会いにここ通ってんのに〜笑』〈嘘こくな!〉まるでスロットがついでだとゆう言い方だが、確実にあたしのがついでだ。っていやいや、何てかわせば──…

    2007-02-02 04:41:00
  • 54:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    パニクるあたしの腕を反対から誰かがまた掴んだ。痛い位に。次は何!!そう思い振り向いた先には。『入った。押して!』と雪。『あぁ…ハイハイ。』
    助かった〜そう思いながら目押しするが、腕を離そうとしない雪。
    『あのお?』すると、
    『コーヒー呼んできて!いっちゃん可愛いの!』
    〈──。〉あたしは黙ってワゴンの娘を呼びに行った。

    2007-02-02 04:48:00
  • 55:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    〈助けてくれた──?〉それなら感謝の気持ちを込めて…『あ、あなた、ちょっと。』『え?私ですか?』『そう、あなた指名であちらの方が。』『え!?どの方ですか!?』『ほらあそこのやたらと鼻の綺麗な…』
    はちきれんばかりのミニスカートから肉をぷるんぷるんさせた三つ編み眼鏡チャンは、メニューを持って急いで雪の席に走って行った。『ふはははッッ!!笑』
    ギョッとした顔の雪を見て笑けた。かんなりビックリしてるやん。笑

    2007-02-02 04:55:00
  • 56:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    そのままあたしはコースに戻り、なんとかいかちい常連ニートな兄チャンをかわすことに成功したのだった。

    『そんなん店で禁止されてるからって断ればいーのに。』『いやあ-なんかそれも素っ気ないやんか。ただのナンパ男やったらアレやけどお客さんやし。』
    隙を見て隣のコースのカメに相談。ヒソヒソと喋る。これも日課だ。
    『変なトコ気ぃ遣いやね。花ちゃん。』『あぁ…』よく言われる──。

    2007-02-02 05:02:00
  • 57:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    その時。
    『おい!お前しばく!笑なんやアイツ!全然可愛ないやんけ!笑けたわ!』コーヒーカップをわざわざ届けに来た雪に、カメが囁く。
    『笑けるほど可愛いでしょう。』『まあ確かにな!ふざけんな!笑』
    『ふざけちゃうほど可愛いでしょう。笑』
    あたしもそう囁いてみた。雪は笑う。子供みたいに。それにつられる様に、あたしも笑う。そしてカメも。

    2007-02-02 05:09:00
  • 58:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    こんな平凡な日々の中の笑顔。雪にはずっと笑っていて欲しい。

    そう、密かに願ってたんやで。あたしは────。

    2007-02-02 05:13:00
  • 59:

    乙女◆OEVpI0cAhc



    そんなある日の午後──摩世が店に入ってきた。『いらっしゃい。何打つん?』グリグリの髪はアップにされてて、外人顔がひき立つ感じ。バーキンなんか持っちゃって、なんか気合い入ってる感じ。
    『ほれ!午後の紅茶!』と缶の午後ティーを手渡される。
    『いや、あの。見たらわかんねんけど。』

    2007-02-02 05:21:00
  • 60:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『バカス!!しゃれじゃ!!』摩世は言いながら目を合わせない。なんか緊張してる感じ。
    『どしたん。』あたしが聞くと、10秒位黙った後、思い切った様にあたしの目を見て一気に言った。


    『ごめん!あたし雪と付き合う!てゆうか付き合った!アンタにはゆっとかなアカンと思って来た!』

    2007-02-02 05:26:00
  • 61:

    乙女◆OEVpI0cAhc


    『──────ウンッ。で?』『…ウン!まあそれだけ。』『あぁ、そう。』『……それだけ!?』
    摩世は少し怒ったような、気の抜けたような声で言った。
    『ウン。てゆうか謝る必要ないし。』こう言ったあたしも、多分おんなじような口調だったと思う。『や、それやったらいいねんケド…』と、摩世。 恐らくこれを言う為に、何日も、摩世なりに考えたんだろう。
    ──それにあたしは、こうなるコトは、大方予想はついていた。

    2007-02-02 05:35:00
  • 62:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『まあ、打ちぃや?』午後ティーを受け取っても動こうとしない摩世は、更に思い切った様に吐き出す様に行った。

    『それともうひとつ!あたしセクで働くコトにした!これもユウキにはゆっとこうと思って!!』

    ──強い瞳。『…正気?』『正気やし、本気!』『…そっか。了解。』

    2007-02-02 05:41:00
  • 63:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『報告きただけやねん』『そぉなん?』『ウン。今から面接やし行くわ!』それだけ言うと摩世はクルッと後ろを向いた。
    『──大丈夫なんッッ!?』思わず出た台詞。摩世はニッカリ笑って『大丈夫!!』とだけ言って、ヒールをカツカツゆわして、店を出て行った──。

    あたしの前から去った───。

    2007-02-02 05:46:00
  • 64:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『……………。』
    『今の摩世ちゃんよな?何しにきたん?』突っ立つあたしに話しかけるカメの声がどこか遠くに聞こえていた。
    『…花ちゃん?』

    予想はついていた。ついていたケド、ショックやな……────。

    2007-02-02 05:50:00
  • 65:

    乙女◆OEVpI0cAhc


    摩世があたしに「雪と付き合う」と言いにきた。それはすなわち、
    「あたしから離れて」と「雪に近寄らんといて」というコト。
    ───つまり、
    「もうみんなで仲良くは出来ない」というコト。

    2007-02-02 05:56:00
  • 66:

    乙女◆OEVpI0cAhc



    ショックやけど、しょうがないなぁ──…。

    この日から、あたしは[BB]には行かなくなった。それと同時に、雪もBIBIAには来なくなるんだろう──。

    2007-02-02 05:58:00
  • 67:

    乙女◆OEVpI0cAhc


    雪が来なくなったBIBIAは、なんかもの凄くしょぼい空間になった、そんな気がした。

    『何で何で!?』雪が店に来ないコトと、雪の店に行かなくなったコトで、カメはひつこいくらい聞いてきたし。ついでに三つ編み眼鏡のコーヒーガールにも、きかれたけど。
    軽く流した。仕方ないし。

    2007-02-02 06:04:00
  • 68:

    乙女◆OEVpI0cAhc


    それと、うざいくらいに一緒にいた摩世がいなくなったコトであたしの生活も、変わってきていた。

    2007-02-02 06:07:00
  • 69:

    乙女◆OEVpI0cAhc


    『アレ?今日もきててんや。』『…あかんかった?』『いいけど。くるときはゆえってゆってるやろ?』

    浅い付き合いだった彼氏、レイの部屋に入り浸る様になった。無駄に広い黒を基調とした部屋と、彼の匂いは、やけにあたしを落ち着かせるコトに気づいた。と、ゆっても自分の部屋に一人でいるのに慣れないせいかもしれないが……。

    2007-02-02 06:28:00
  • 70:

    名無しさん

    頑張れぇ??

    2007-02-02 09:42:00
  • 71:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『なんかあったん?前までは呼んでも全然きてくれへんかったのに。』
    レイの腕に抱かれてると、不思議。ほわほわした感じ。心地良いあたたかさ。『レイも会いにきてくれへんかったやん。』「レイ」。この名前しか知らない人に身を任すあたし。いや、知らないからこそ心地良いのカモ。
    『会いにいこうと思ってたよ?もう花ちゃん監禁な?笑』『ハハッ。笑』

    2007-02-02 16:58:00
  • 72:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    レイと居る時間が増えて少しずつわかってきたコト。レイは物静かな方で、感情を剥き出しにしない。何を考えてるかわからない。ケド不思議なのは、レイの笑顔は何でも包み込んでくれそうに優しい。あたたかい。
    何故か安心を覚えたあたしは、少しずつ、レイとの距離を縮めていった。

    2007-02-02 17:02:00
  • 73:

    乙女◆OEVpI0cAhc


    レイとあたしはすれ違いの生活だったけど、時間があれば一緒に出掛ける様になった。ご飯食べたり映画に行ったり。いつしか一緒に歩いてて感じる視線も気にならなくなる位、自然に肩を並べた。やはりお互い何もあまり聞かなかったけど。レイの家で半同棲状態。でもレイが手を出してくるコトはなく、ただ手を繋いで眠るだけ。そんな日々が続いた。

    2007-02-02 17:10:00
  • 74:

    乙女◆OEVpI0cAhc


    そんなある日。
    あたしはいつも通り仕事を終え、街を歩いていた。暇やなぁ。今日。レイも今日同伴ゆうてたし、カメも付き合い悪いし、暇やなぁ…。
    そしてふと顔を上げた場所──。
    『久しぶりに打つか。』入ったコトのないパチスロ店。最近ご無沙汰だったあたしは一人フラフラと足を踏み入れた。

    2007-02-02 17:16:00
  • 75:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    ───♪☆☆♪♪☆──『………。』
    爆音の中ひとり無表情に打ち続けるあたしは、多分ハタから見たら「なんかあったん?」的なモンだろう。昔からこうだった。怖そうとか言われたし、表情ないとかも言われた。だからあたしが笑ったらビックリされたりもした。普通に笑うねんけどなぁ…

    2007-02-02 17:21:00
  • 76:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    一箱、二箱─…そして最終的に後ろに木箱をセッティングされ、爆勝ち。
    さすがにニヤける。でもそろそろ終わろっかな。イイ時間やし──…と、席を立った瞬間だった。

    『ぅわッッッ!!!!』
    『やっぱお前か!』

    2007-02-02 17:25:00
  • 77:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『雪ッッッ!!おまッッッ、びっくりさすなや!笑』
    『お前この場を見た俺から逃げれると思うなよ!笑』
    〈いつからおったん!?〉あたしの背後に立ってた雪は、相変わらず綺麗な鼻筋で、相変わらず少年のように笑っていた。
    〈─…心臓飛び出るかと思ったし…。〉

    2007-02-02 17:31:00
  • 78:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『お前拉致な!』
    雪はそう言ってニヤニヤしながらあたしの後ろについて歩く。『むりむり!アンタ仕事やろ?』『やっすみ〜♪なんか食わせろ!』と、引く気配もない様子で換金所にもノコノコついてくる始末。こうなったら雪はなかなかひつこい。
    『おぉ〜9万か。やっぱ焼き肉か!?笑』『……。』あたしは黙って札を財布にしまう。

    2007-02-02 17:36:00
  • 79:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    そして静かに口を開いた。
    『アンタさぁ…摩世と戻ったんやろ?』その問いに『そやけど?』と何でもない様子で答える雪に、イラッとしてしまう。
    『じゃぁあたしとの関わらんとってくれへん?』自分で言うのも心が痛むってゆうのに。雪から、さっきまでの笑顔が消えていく。…あたしその顔嫌いやねんけど──…。

    2007-02-02 17:40:00
  • 80:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『何で?別にいいやん。摩世になんか言われたん?』雪の口調が冷たくなる。コレも、好きくないってゆうか、苦手。。
    『ゆってなくてもわかるやろ。』『別に俺が誰と遊ぼうと俺の勝手やん?』『…ハァ。』奴が、何も変わってないコトにも嫌気が刺す。
    『じゃぁあたしが誰と遊びたくなかろうとあたしの勝手やん?』

    2007-02-02 17:45:00
  • 81:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『なんなんそれ。お前俺のコト嫌いなん?』『…アホか。』〈──んな訳ないやろが。〉こうなった雪と話すのはすごく苦手だ。厄介、めんどくさい。『じゃぁいいやん!たまには遊べや!』
    ──この言葉にも内心イラッとする。あたしの働いてる店に来るのも摩世に止められてる癖に。何がしたいんかわからん…。

    2007-02-02 17:50:00
  • 82:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    アカン…本格的にイライラしはじめたあたしは、言ってしまう。思ってもない言葉を──。
    『何であたしがアンタと遊ばなあかんの?…あたしアンタとおったら疲れる。しんどい。…楽しない。』
    ──いつもこうだ。
    そして次に返ってくる雪の言葉もわかっている。

    2007-02-02 17:55:00
  • 83:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『そこまでゆう?…お前ほんま冷たい。』

    〈───……。〉それだけて呟いて雪は歩いて行く。ポケットに片手を突っ込んで、ダルそうに頭を掻きながら──。
    この姿を、この台詞を、何度目の当たりにしてきたのだろう──。
    変わってないのは、きっとあたしも同じ。

    2007-02-02 17:59:00
  • 84:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『何がしたいねん…。』──あたしは。一人取り残されたあたしは、その場にへたり込んだ。

    "冷たく"したい訳じゃない。誰に対しても。特に雪に対しては。でも"優しく"なんて出来ない。どうしたらいいかわからない。"普通"にも出来ない。出来るはずない。

    だってあたしの雪へのこの感情は"普通"じゃない──…。

    2007-02-02 18:29:00
  • 85:

    乙女◆OEVpI0cAhc




    ──5年前。
    中学2年の夏。

    2007-02-03 00:35:00
  • 86:

    乙女◆OEVpI0cAhc

    『花村さぁん!』
    移動教室の為、階段を上がっていたあたしの後ろから聞こえる声。ただでさえ暑くて機嫌の悪いあたしはしかめっ面でその声の主を見下ろした。
    『誰。』『一緒のクラスやん!雪園やん!いい加減覚えてや!笑』
    ヘラヘラと笑いながら階段を駆け上がって奴はあたしの隣に並んで歩く。
    細い腕に白い肌。綺麗な鼻筋はその横顔をより綺麗に見せた。

    2007-02-03 00:48:00
  • 87:

    乙女

    ――――完結――――

    2007-02-03 04:19:00
  • 88:

    名無しさん

    がんばって

    2007-02-12 02:31:00
  • 89:

    ゅとッッ◆L37b0uWeqQ

    けっこー続き読みたぃですo(T□T)o

    2007-02-23 16:28:00
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