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悪戯

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  • 1:

    作者◆3TpA..dPrE

    実話ではないです。登場人物も全て架空です。

    2007-01-12 22:40:00
  • 2:

    ◆3TpA..dPrE

    今までありがとう。ホンマ楽しかった。アナタにはたくさん泣かされたけど、いっぱい笑かしてくれた。アナタと出会えてよかった。いっぱい耐えたけど、もー無理みたい。弱くてごめん。数えきれないぐらいの想い出をありがとう。でもただ1つ、欲を言えば、アナタとの子供産んであげたかった。
    私は今から飛び降ります。

    2007-01-12 22:46:00
  • 3:

    忙しい時に来た一通のメール。真耶はさらっとメールを読んで携帯を閉じた。

    ―今は忙しい―" " "07/01/12 22:50

    2007-01-12 22:50:00
  • 4:

    ◆3TpA..dPrE

    一通のメールを打ち終わった未来は、送信ボタンを押して携帯を静かに閉じた。もう未練はない。真耶とは何回も話し合ってきた。未来はわかっている。真耶がホストである限り、自分だけの人でないことを。

    2007-01-13 00:38:00
  • 5:

    頭ではわかっている。いや、わかっているフリをしているだけなのかも。わかってあげたくても、今の未来には無理だった。その矛盾に未来は苛立つ。
    ―わかってあげられない自分がキライ―" " "07/01/13 00:42

    2007-01-13 00:42:00
  • 6:

    ◆3TpA..dPrE

    両親に手紙を書いた。
    《今までほんとにありがとう。こんなに弱い子でごめんなさい。でも産まれてこれてよかった。楽しかった。未来の最後の親不孝です。》
    書きながら真耶からの返事を待っていた。しかし書き終えても連絡はない。

    2007-01-13 00:47:00
  • 7:

    ◆3TpA..dPrE

    未来はベランダに出て下を見た。下を見ながら今までの真耶とのことを思い出す。遊びに行ったこと、喧嘩したこと。そして子供のこと…

    2007-01-13 00:49:00
  • 8:

    ◆3TpA..dPrE

    未来はすうっと深呼吸してベランダの柵の上から身を乗り出した。
    ―赤ちゃん、寂しかったでしょ?今ママが行くからね…―
    部屋は11階。外の風はやや冷たく感じる。

    2007-01-13 00:52:00
  • 9:

    ◆3TpA..dPrE

    手が空いた頃、真耶は未来に電話を掛けた。電話の向こうでは、尾崎豊の
    歌が一週したところで電話を切った。また掛かってくるだろう。メールのことは気にしてなかった。

    2007-01-13 01:08:00
  • 10:

    ◆3TpA..dPrE

    たまにサプライズをしかけてくる未来。きっとまたそれだろう…
    軽い気持ちで仕事場へと向かった。
    ━━━━━━━━━━━━真耶は大阪ミナミのホスト。血の滲(にじ)むような思いをして、数年前店のトップまで上り詰めた。役職は代表。

    2007-01-13 04:47:00
  • 11:

    ◆3TpA..dPrE

    月収は200万〜300万。同年代の人の何倍もの額を稼いでいる。そんな真耶は早生まれの22歳。未来からあのメールが来た時にいた、美容室で綺麗にセットされた髪の毛に満足しながら店に向かった。
    外の季節は1月中旬。あまり寒いと感じない。今日も同じような1日が始まる。

    2007-01-13 04:58:00
  • 12:

    ◆3TpA..dPrE

    店に入り、従業員と挨拶を交わす。いつも通り店の奥に行き、ソファーに腰を下ろし一服する。タバコはマイルドセブン。毎日と変わらない顔ぶれに、毎日と変わらない店内。しかしなぜか真耶は落ち着かなかった。理由はわからないが、落ち着かない。

    2007-01-13 05:03:00
  • 13:

    椅子のせいかと思い、立ち上がって調べてみるが何もおかしいところはない。
    ―何でこんなに落ち着かない?―" " "07/01/13 05:05

    2007-01-13 05:05:00
  • 14:

    ◆3TpA..dPrE

    従業員が揃い、ミーティングを始める。従業員はみんなで7人。ミーティングが終わる頃にはいつも通りの真耶に戻っていた。

    2007-01-13 15:01:00
  • 15:

    ◆3TpA..dPrE

    営業が始まった。真耶はお客さんに営業電話を掛け始める。そういえば未来からはまだ連絡がない。
    そんなとき、最近辞めた従業員からの着信。お客さんに掛け直すと伝えて、キャッチだった従業員の電話を出る。

    2007-01-13 15:05:00
  • 16:

    ◆3TpA..dPrE

    『真耶さん、今電話いけます?』
    この従業員は大樹。大樹の女は元々、未来と2コ1の客。
    『あー、いけるで。』
    何か悩みでもあるのだろうかと思うぐらい声が沈んでいる。今にも泣きそうだ。

    2007-01-13 15:11:00
  • 17:

    ◆3TpA..dPrE

    『ちょっと、まぁくん!大変やで!?』
    電話口に大樹の女である、しぃちゃんが出てきた。
    『みぃちゃんが飛び降りたん知ってる!?連絡あった!?』

    2007-01-13 15:15:00
  • 18:

    ◆3TpA..dPrE

    一瞬真耶の体が固まる。
    ―どこまで人巻き込んだサプライズやねん―
    『あー何かそんなメール来てたけど、ありえんやろ。電話も繋がるし。』

    2007-01-13 15:21:00
  • 19:

    ◆3TpA..dPrE

    人を巻き込んだ未来のサプライズに真耶は苛立ちを覚えた。
    『まぁくん何考えてるん!?携帯持って飛び降りるわけないやん!今みぃちゃん実家やん?おっちゃんからあたしに電話掛かってきたわ。みぃちゃんの電話で。あたしからまぁくんに伝えてくれって。』
    しぃちゃんはいつの間にか泣いている。

    2007-01-13 15:26:00
  • 20:

    ◆3TpA..dPrE

    サプライズにしてはリアルすぎる。
    『しぃちゃん今どこなん?とりあえず行くから。』
    これでサプライズなら未来をとことん怒ってやる。
    『今家。まぁくんみぃちゃんの実家知ってるやろ?連れてって。』
    未来の実家は、何回か荷物を運んだりするのに行って知ってるが、一度も両親に顔を合わしたことがない。

    2007-01-13 15:51:00
  • 21:

    ◆3TpA..dPrE

    『わかった。迎え行くわ。』
    そう言って電話を切り、少しの間考える。未来が?飛び降り?ありえない。でもしぃちゃんが泣いている。大樹も泣きそうだった。
    出勤してきた時に乗ってきた車を駐車場から出して、しぃちゃんの家へと向かった。

    2007-01-13 15:54:00
  • 22:

    ◆3TpA..dPrE

    未来の実家では突然のことにみんなが呆気に取られていた。未来は飛び降りてから10分ほどして発見され、救急車で運ばれた。両親は病院へ付いて行き、未来の弟と妹は家に残っている。弟は二十歳。妹は中学3年。

    2007-01-13 15:59:00
  • 23:

    ナナ

    読んでるよ、完結させてね?

    2007-01-13 16:00:00
  • 24:

    ◆3TpA..dPrE

    第一発見者は未来の父親。仕事場から帰ってきたときにマンションの下で倒れている未来を見つけた。マンションの前に何本か立っていた木がクッションになってくれたお陰で、未来はコンクリートに頭を強く打ったのと、たぶん体のどこかを何ヶ所か骨折している。

    2007-01-13 16:05:00
  • 25:

    ◆3TpA..dPrE

    ナナさん、ありがとう?行き当たりばったりですが完結させたいです?

    2007-01-13 16:06:00
  • 26:

    ◆3TpA..dPrE

    父親から連絡を受けた母親は急いでマンションの下に降りた。手には無意識に毛布を持っている。なぜだか母親にもわからない。
    マンションの下では父親がしきりに未来の名前を呼んでいる。母親は側にかけより、持って来た毛布を未来に掛ける。

    2007-01-13 16:08:00
  • 27:

    ◆3TpA..dPrE

    夜中に近い時間なのに、人が数人遠巻きに見ているが、そんなことにかまっている場合ではない。父親は未来を起こそうと必死になり、母親は涙ぐんでいる。

    2007-01-13 16:10:00
  • 28:

    ◆3TpA..dPrE

    やがて救急車が来た。未来は担架に乗せられ救急車へ。両親も一緒に乗り込んだ。救急隊員が病院を探しているがなかなか見つからないことに、父親は未来に必死すぎて気付く間もない。

    2007-01-13 16:14:00
  • 29:

    ◆3TpA..dPrE

    しばらくして、救急車が頭の赤い回転灯を照らしながら、暗い道を走りだした。
    部屋の中では弟と妹が茫然としていた。自分たちの前ではいつも強かったお姉ちゃん。お姉ちゃんが彼氏と同棲しているとき、愚痴を言うのはお母さんとの電話のときだけ。家にたまに帰って来たときは全然普通だった。兄弟の前では絶対弱音を吐かないし、涙を見せなかったお姉ちゃん。そんなお姉ちゃんが何故…

    2007-01-13 16:19:00
  • 30:

    家のチャイムが鳴った。両親かと思いきや、弟が扉を開ける。そこには髪の毛がセットされたホストっぽい男が1人と、茶髪で髪が長いめの男が1人。それに、スラッとした綺麗な女が1人。弟は本能的に思った。―このホストっぽいのがお姉ちゃんが同棲していた彼氏?―" " "07/01/13 16:27

    2007-01-13 16:27:00
  • 31:

    ◆3TpA..dPrE

    綺麗な女が弟に聞く。
    『お父さんから連絡あって来てんけど、お姉ちゃんは!?』
    弟は<あーそーいやぁ、お姉の携帯、オカンが持って降りてってたな。オトン、何でこの人に連絡したんやろ。>何て思いながら
    『さっき運ばれました。』とだけ言った。

    2007-01-13 16:30:00
  • 32:

    ◆3TpA..dPrE

    『あたしな、何回かおっちゃんに会うたことあんねんか。ほんでみぃちゃんがあたしのことて呼んでたから、たぶん携帯の履歴か何か見たときわかったんやと思うんやんか。』
    弟にはそんなことどうでもよかった。今頭の中は何故お姉ちゃんが飛び降りたかだけ。
    とりあえず3人を部屋の中へ案内した。

    2007-01-13 16:34:00
  • 33:

    ◆3TpA..dPrE

    リビングの床に腰を降ろした3人。「しぃちゃん」らしき人はずっと泣いている。それを涙ぐみながらなだめる、茶髪で長髪の男。ホストっぽい男は難しい顔をして口を固く閉じている。
    どこかへ消えていた妹が紙切れを持ってリビングに戻ってきた。

    2007-01-13 16:39:00
  • 34:

    ◆3TpA..dPrE

    『お兄ちゃん、これ…』
    妹が差し出した紙切れを読んだ。丁寧な字で、遺書らしき内容。
    『置いとこっか。』
    目を通した弟は紙切れをリビングのテーブルの上にそっと置いた。

    2007-01-13 16:42:00
  • 35:

    ◆3TpA..dPrE

    車をしぃちゃんの家へ向かわせていた真耶はずっと考えていた。今は、最初は欠片(かけら)もなかった、もし事実だったらどうしようという考えも頭の中にある。反面、早く『冗談だよ。』っていう未来からの連絡も待っていた。
    しぃちゃんの家はミナミから車で10分弱で着く。
    ―そう言えば、未来と何回かしぃちゃんと大樹のことここまで送りに来たよな。―
    しぃちゃんのマンションの前に車を停め、大樹に電話を掛けた。

    2007-01-13 16:48:00
  • 36:

    ◆3TpA..dPrE

    ちょうどタイミング良く、大樹たちがマンションの下に着いたときで、しぃちゃんと大樹が真耶の車に乗り込む。車は未来の実家へと走りだした。

    2007-01-13 16:52:00
  • 37:

    名無しさん

    車を未来の実家近くのコインパーキングに入れ、マンションの中に入る。今どき珍しいノンオートロック。エレベーターに乗り、丸い形をした11のボタンを押す。エレベーターはゆっくりと指定された階へ上がっていく。

    2007-01-13 17:00:00
  • 38:

    ◆3TpA..dPrE

    未来の弟は背が180はあるだろう。顔はあまり未来と似ていない。目鼻立ちがはっきりとした顔の小さい、美形とまではいかない青年。青年はちらっと3人の顔を見た。青年が真耶の方を見たとき、若干戸惑った風に見えた。
    しぃちゃんが2、3言青年と話したあと、部屋の中に案内された。

    2007-01-13 17:16:00
  • 39:

    リビングに案内され、腰を降ろす。しぃちゃんは泣くことしかできないらしい。大樹がそれをなだめている。真耶は黙ったまま。ずっと考えていた。しかしここまで来たらこれはもう現実だ。
    ―俺のせいなのか?―" " "07/01/13 17:21

    2007-01-13 17:21:00
  • 40:

    ◆3TpA..dPrE

    真耶と未来の出逢いは、真耶の店。初回で来ていた未来としぃちゃん。口座になったのが真耶と大樹。未来は風俗で働いていた。真耶は未来を色で引っ張ろうと考えていた。

    2007-01-13 18:11:00
  • 41:

    ◆3TpA..dPrE

    真耶は色で引っ張るつもりが、いつの間にか自分でも気付かないうちに未来にはまっていった。元カノが激しく真耶を裏切ってから、真耶は人を好きにならなかった。あれから2年程経つ。

    2007-01-13 18:14:00
  • 42:

    ◆3TpA..dPrE

    どことなく元カノに似ていた未来。特別可愛いとかじゃない未来に、何で惹かれていったのかはわからない。
    出逢って1ヶ月程が経った頃、2人の間に子供ができた。

    2007-01-13 18:20:00
  • 43:

    ◆3TpA..dPrE

    2人で散々話し合った結果、同棲から始めてみることになった。前向きに考えよって真耶が言ったときの、未来の嬉しそうな顔を、真耶は忘れていない。

    2007-01-13 18:23:00
  • 44:

    ◆3TpA..dPrE

    産婦人科の検診に行っては、エコーの写真を見せたがる未来。
    だが子供が未来のお腹の中で3ヶ月半程になると、真耶は突然父親になる自信を無くした。

    2007-01-13 18:27:00
  • 45:

    ◆3TpA..dPrE

    自分には店のこともある。仕事のことを考えると、とても父親になる自信なんて無かった。
    未来にそのことを伝えたとき、未来は目が点になっていた。
    『一緒に頑張ろって言うたやん!?何で今更なん!?私そんなん無理やで。我が子やで!?何で殺すの!?』

    2007-01-13 18:31:00
  • 46:

    ◆3TpA..dPrE

    未来は何回も真耶に産ましてくれるよう懇願した。しかし真耶が首を縦に降ることはなかった。
    ある日未来が、ベッドで寝かけている真耶の横にそっと添い寝しながら聞いた。

    2007-01-13 18:34:00
  • 47:

    ◆3TpA..dPrE

    『昨日検診やってんか…。赤ちゃんな、もー手ぇも足もできてんねん。もちろん心臓も…。まだちっちゃいけどな、人間の形やねんで?……最後に聞くわ。…………産んだらアカン?』

    2007-01-13 18:36:00
  • 48:

    ◆3TpA..dPrE

    真耶は2、3秒考えてから首を縦に降った。
    喋りながら涙をポロポロ零(こぼ)していた未来は、真耶が返事をした瞬間、声を上げて泣き出した。どれくらい経っただろう。1分?5分?30分?
    『ごめんな、隣で泣いてたらうるさくて寝られへんよな。』
    未来は無理に作り笑いをして『おやすみ。』と言って部屋を出て行った。

    2007-01-13 18:40:00
  • 49:

    ◆3TpA..dPrE

    扉を1枚隔(へだ)てた向こう側のリビングでは、飽きもせず未来が泣いている。真耶はいつの間にか眠っていた。

    この頃ぐらいから未来は病みだすようになった。

    2007-01-13 18:42:00
  • 50:

    救急車が病院に着いた。担架ごと未来は集中治療室へ向かう。両親にはただ祈るだけしかできなかった。
    ―どうか、お願いやから未来を助けてください。私たちの大事な娘を取らないでください。何でもします。自分の命と引き換えでもいいです。未来を生かしてあげてください。―
    誰にお願いしているかわからない。
    ―神様、どうか貴方が本当にいるなら…―" " "07/01/13 18:52

    2007-01-13 18:52:00
  • 51:

    名無しさん

    ?

    2007-01-13 22:49:00
  • 52:

    ◆3TpA..dPrE

    53さん、読んでくれてありがと?

    2007-01-14 04:25:00
  • 53:

    ◆3TpA..dPrE

    どれぐらいの時間が経ったかなんて未来の両親にはわからなかった。手術室へ移り、そこからなかなか出てこない未来のために両親はずっと祈っていた。
    手術室のドアがスライド式に開いて、中から緑色の手術着を着た先生が出てきた。先生は両親を診察室へと通す。

    2007-01-14 04:30:00
  • 54:

    ◆3TpA..dPrE


    『えー……残念ですが、未来さんは――――…』

    先生の言葉に両親は愕然とした。

    2007-01-14 04:37:00
  • 55:

    ◆3TpA..dPrE

    帰りのタクシーで未来の両親は話し合った。これから先どうするかを―…。
    ━━━━━━━━━━━━両親が家に着いたらリビングに2人の男と1人の女。父親はしぃちゃんに、何回か未来と一緒に会ったことがあり、目を真っ赤にして腫らした女が彼女だとすぐにわかった。しかし男2人は会ったことがない。

    2007-01-14 04:47:00
  • 56:

    ◆3TpA..dPrE

    3人が両親に頭を下げ、無言の挨拶をする。母親もそれにならって挨拶を返すが、父親は挨拶もせずおもむろに3人の前に座った。
    『未来は死んだ。葬式は身内だけでする。』
    父親がこう話すとしぃちゃんは泣き崩れた。
    『何でなん…何で飛び降りたりしたん…』

    2007-01-16 02:47:00
  • 57:

    ◆3TpA..dPrE

    真耶が未来とのことをいろいろと思い返していると、玄関のドアが開き、未来の両親らしき人たちが現れた。白髪混じりの頭ですごく歳がいっている印象の男性と、未来に似ている綺麗な顔立ちをした小柄な女性。

    2007-01-16 02:51:00
  • 58:

    ◆3TpA..dPrE

    真耶たち3人は、条件反射的なもので頭を下げた。小柄な女性は静かに頭を下げる。その横で男性が言い放った。
    『未来は死んだ。葬式は身内だけでする。』
    しぃちゃんは泣き崩れながら何か言っている。

    2007-01-16 02:54:00
  • 59:

    大樹までもが今にも泣き出してしまいそうだったが、真耶は冷静だった。
    未来は死んだと言っているが、両親とも泣いたような様子はない。父親は泣かないかもしれないが、母親までも…それにテーブルの上にある、明らかな紙切れ。両親は読もうとしない。

    ―なぜだ?―" " "07/01/16 02:57

    2007-01-16 02:57:00
  • 60:

    名無しさん

    なんでなん?なんで読まへんの?メッチャ続き気になる?

    2007-01-16 23:07:00
  • 61:

    ◆3TpA..dPrE

    62さん、ありがとう?今仕事ちゅなんで、家帰って寝れなかったらまた更新します☆彡

    2007-01-17 02:46:00
  • 62:

    ◆3TpA..dPrE

    『とりあえず、帰ってくれ。これ以上いてても状況は変わらん。葬式終わったらまたしぃちゃんに連絡するから、気持ちがあったらそっから焼香あげに来たってくれ。』
    白髪の男性が真耶たちに言った。

    2007-01-17 02:48:00
  • 63:

    ◆3TpA..dPrE

    『お葬式、出さして下さい!みぃちゃんの最期、見さして下さい!』
    しぃちゃんが白髪の男性に向かって泣き叫ぶ。
    『しぃちゃん、ごめんな。未来のこと可愛いがってくれてたんにな。でも、未来の最期はオレら身内だけでやったりたいんや。安らかに逝けるように。わかってくれ。』
    白髪の男性は座った場所から動かず、真っ直ぐ前を見据えて言った。

    2007-01-17 02:53:00
  • 64:

    ◆3TpA..dPrE

    真耶は立ち上がって大樹を見た。帰る合図。しぃちゃんは帰ろうとしなかったが、大樹に抱えられるようにして未来の実家を出た。

    帰りの車内。しぃちゃんの家に向かっていた。しぃちゃんは頭が混乱しているのか、家に着くまでずっと
    『みぃちゃんは死んでない。……何でお葬式出たらアカンの?』
    と、こんがらがったことを言っていた。

    2007-01-17 02:59:00
  • 65:

    ◆3TpA..dPrE

    真耶は黙っていた。初めて未来の親の顔を見た。自分で言ってたみたいに母親似だ。一言も言葉を交わさなかった。挨拶さえも無言。未来には無事であってほしかった。それなら両親も交えて喜びを分かち合えたかもしれない。はっきり言って気まずかった。

    2007-01-17 03:03:00
  • 66:

    ◆3TpA..dPrE

    しぃちゃんを家まで送り届け、自分の家まで帰った。家に入ると無意識に『ただいま』と言っていた。未来と同棲しだしたときからの癖。

    2007-01-17 03:05:00
  • 67:

    ◆3TpA..dPrE

    元々『ただいま』を言わない真耶。未来と一緒に住み始めて怒られた。
    『まぁくん!ただいまも挨拶の1つなんやから、ちゃんと言って!挨拶できひんのは、人としてアカンことやよ!』
    ムキになっていた未来。怒られた後も度々忘れることがあったが、未来は毎回『ただいま』を言っていた。

    2007-01-17 03:18:00
  • 68:

    ◆3TpA..dPrE

    今となっては懐かしい想い出。真耶は玄関で靴を脱ぎ、部屋へ入った。
    部屋は未来との数々の想い出で埋め尽くされている。人が1人寝れるぐらい大きいソファーを見れば、寝転がって真耶の帰りを待っている未来。テレビを見れば、昼ドラが好きで毎日欠かさず視ていた未来。キッチンを見れば、上手くできない料理を、何とか作り上げようとあたふたしている未来。様々な未来がそこにはいる。

    2007-01-17 03:24:00
  • 69:

    ◆3TpA..dPrE

    服を脱ぎ、部屋着に着替えて寝室のベッドへ行く。ベッドにも未来がいる。
    ヨダレを垂らして寝ている未来。真耶の腕枕で丸くなって寝ている未来。寝相が悪く、布団を蹴っ飛ばして寝ている未来…。
    真耶は居たたまれなくなって、目を閉じた。それから試しに『未来』と声に出してみる。返事がないことなんてわかっていたのに。いつものように、未来が『どした?』ってシャンプーの香を連れて、優しく横に来ることなんてないってわかっていたのに。今日初めて真耶の目から涙が出た瞬間だった。

    2007-01-17 03:31:00
  • 70:

    ◆3TpA..dPrE

    『とりあえず、帰ってくれ。』
    父親は3人にはっきり言った。これ以上3人がいてても仕方がないのだから。『お葬式に出たい』と言うしぃちゃんの言葉も断った。しぃちゃんの出席を認めてしまうと、必然的に男2人の出席も認めてしまうことになる。

    2007-01-17 04:48:00
  • 71:

    ◆3TpA..dPrE

    しぃちゃんの彼氏と未来の彼氏だということは、言わずと知れたことだったが、参列を許可することはできない。
    だって挨拶もまともにないのだから…。

    2007-01-17 04:50:00
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