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  • 1:

    絢花◆lFZptzMEXw

    常に、なにかに誰かに
    染まり続けてきたあたし。
    『何色?』と問われると、言葉では言い表せれない。

    ‐そんな色達に。

    2006-12-29 13:53:00
  • 2:

    絢花◆lFZptzMEXw

    絢花『だってする事無いやん?てか携帯の充電切れそう?』
    彩月『まじ??ここコンセントあったっけ?充電機は?』『充電機はあるんやけど…、あー!!ピーピー鳴り出した??』

    マクドであたし達が必死で店内にコンセントをある場所を探しまくってると、甚平を着たいかにもヤンキー風な2人組が前を通った。すると1人の男が指さしながら『あー!!』と叫んでいる。『へっ!?』なによ、こいつ!?(゚Д。)

    2006-12-29 14:19:00
  • 3:

    絢花◆lFZptzMEXw

    兄ちゃんが連れてってくれた場所はトイレ前?。『ほらっ!!』指をさした先を見ると、コンセント発見?『ほんまや??ありがとう!!?』『ふふん?』
    『絢花よかったなぁ』『うん?ホッとしたわー』
    『自分アヤカってゆーん?』『せやで?。んで、この子は幼なじみの彩月?』『彩月です?』『アヤカとサツキな!!2人とも可愛いーやん?俺、玲人!!こいつは庵』『よろしく〜?』

    何だか奇妙な出会い。これが、玲人と庵、あたしと彩月を取り巻く物語の始まりだった。

    2006-12-29 16:01:00
  • 4:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『おっしゃ?ほな俺らのハーレーで?向かおか?』外でてみるとただの改造しまくってある原付やったけどな?ハーレーて。

    彩月は玲人が好みっぽかったらから、あたしは庵の原付に乗っといた。彩月は奥手っちゅーか、シャイでおとなしくてあたしとは正反対なタイプ。顔は持田香織っぽくて、目くりくりで綺麗なんやけど。いっつもさりげなくキューピットしてたっけ?

    2006-12-30 11:33:00
  • 5:

    絢花◆lFZptzMEXw

    そのまま?行って歌いまくって笑いまくって。玲人と庵はあたしらの地元まで送ってくれた。庵『ここが家?』絢花『うん。彩月んちもあたしんちからすぐやし?庵ありがと?』
    彩月『ありがと?』玲人『ここがあやぱんちか?綺麗やん?』『あやぱん!??』『お前あやぱん似てるし名前もアヤカやし、あだ名あやぱん決定!!?ケラケラ』『はぁ?!??ほならあんたサルな?チビやしサルっぽいし?』『お前殺すぞ!!(゚Д゚;)』
    なんし玲人はおちょくりがいあって、ずーっといじりまくってた?彩月と庵にもサル、サルゆわれとったし?笑。その日は庵と携番交換してそのまま解散。

    2006-12-30 11:54:00
  • 6:

    絢花◆lFZptzMEXw

    翌日、―PM16:30。
    『絢花?、帰ろー?』『OK??行こっかぁ』彩月が毎日教室が違うあたしを、授業が終わると向かいにくるのが習慣だった。

    『昨日楽しかったなぁ?彩月、あのサル男好みやろ?』『え!?…うん?分かる?』『やっぱ!?ほな絢花がくっつけたろッ?』『お願いします?笑』『じゃ、庵に連絡してまた遊ぶ日とかを決めななぁ?』『…あ、絢花』『でも、あの2人学校辞めたゆうてたけど普段暇なんか??』『絢花ってば!!?』『へッ?』『あれって…』

    2006-12-30 12:13:00
  • 7:

    名無しさん

    あれって何?気になるあげ?

    2006-12-30 13:13:00
  • 8:

    絢花◆lFZptzMEXw

    12さん?見てくれてる人
    いないと思ってたので、
    読んでもらえて嬉しいです?
    今から続き書いていきます?

    2006-12-31 08:12:00
  • 9:

    絢花◆lFZptzMEXw

    彩月が指さす方を見ると、校門の所に原付にまたがりながらナンパしまくってる玲人と、庵のあほコンビの姿が目に飛び込んだ。絢花『うわぁ…』
    彩月『…(゚Д゚)』
    玲人『あ!!あやぱん、彩月!!?お前等遅いぞ?』庵『それ?』

    『いやいや、あんた等人の学校の前で何してんの??あほか』『あほって何やねん!!笑。お前等と遊んだろー思ってわざわざ待ってたんやんけ?』『玲人が学校で待ち伏せしよーゆうし、来てもうたわぁ?』…こいつらおもしろすぎるやろ?笑。

    2006-12-31 08:23:00
  • 10:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『だからって普通学校までくるかぁ??』『俺等考えるより行動派なもんで?』ありえん笑。『まぁ、ええやん?とりあえず後ろ乗りや?』『庵?あんたも付き合わされて大変だぁね…』

    それからとゆうもの、玲人と庵は毎日のように学校前に現れ、ほぼ4人で遊ぶ日々が当たり前になっていった。しばらくして彩月は玲人に告り、見事付き合う事になりまひた?あんなサルのどこがええねん?内心そう思ってた。あの日までは…。

    2006-12-31 08:32:00
  • 11:

    名無しさん

    今日はもう終わり?

    2006-12-31 08:45:00
  • 12:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『どうよ?サルとは?』『ん?あいつ、典型的な浮気性やわ?ちょっと目離したらすぐ庵と女引っ掛けに行っとるからな?』『またぁ?あのチビ、んまナメてるわ?』玲人はなぜかしらよくモテる。ノリええしリーダー的タイプやから分からんでもないけど、その事が常に彩月を悩ませとった。
    『ま、仲直りしたし、しばらく様子見るわ?てか、絢花こそ?庵はやっぱあかんの?』
    『…え、うん〜?』

    実は庵達と知り合って3ヶ月。あたしは庵に2回告られてた。1回目は、彩月と玲人が付き合いだしてしばらくしてから。【俺等も付き合おーや?】って軽い感じやったけど、2回目…。あれはきっと本気やったなぁ。声震わせながら言われた言葉、今でも覚えてるよ。

    2006-12-31 08:56:00
  • 13:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『庵なー。めっちゃええ奴やし好きやけど、"男"としてはほんま見れんのよな?』『そっか?そればっかは仕方ないしな?』正直、あたしと彩月、庵と玲人の4人はすごい居心地がよかった。楽しくて、楽しくて。それが壊れてしまう気がして怖かったのかな。

    『あ?てか、あたし学校辞めるわ』『え!?何言い出すん??』『んー。もう10月やん?あたし単位落としまくりで、このままどう頑張っても留年なんよな?それなら辞めて働こー思てな』『え??絢花おらなおもんないやん』『サルがおるがな??』『でも…!!』

    2006-12-31 09:54:00
  • 14:

    絢花◆lFZptzMEXw

    17さん?
    今日はこれで終わりです?見てもらえて嬉しいです?また夜に更新するかもなので、また読んでやって下さい?

    2006-12-31 10:11:00
  • 15:

    名無しさん

    あけおめです?
    楽しみにしてるんで時間ある時に更新お願いします???

    2007-01-01 12:12:00
  • 16:

    絢花◆lFZptzMEXw

    22さん?明けまして
    おめでとうございます?
    今から漫才?見ながら
    書いていきます??

    2007-01-01 14:41:00
  • 17:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『しばらく距離置こう』
    『…え?』ん?んんん?話が結構深刻になってます(゚Д゚;)
    『俺等、ちょっと離れよ。このままじゃお互い疲れるだけや』『何で?何でいきなりそんなん言い出すん』『いきなりちゃう。前から思ってたし…』

    修羅場!?何で??玲人の奴、どないしたってゆうの!?きゃー!!彩月ちゃんの目から涙が…??

    2007-01-01 15:02:00
  • 18:

    名無しさん

    書いて下さい?

    2007-01-03 07:22:00
  • 19:

    名無しさん

    アヤカちゃんほんまに書いてほしいデス??続きが気になって???お願いしますッッ??

    2007-01-03 17:16:00
  • 20:

    絢花◆lFZptzMEXw

    だいぶバタついてました?
    今度こそ今から更新しやす?

    2007-01-03 19:43:00
  • 21:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『じゃ、またな』『ちょっ…』"ガチャン――!!
    プー、プー。"受話器から切断された音が、虚しく部屋に鳴り響いている。子機を握りしめ、彩月は涙を浮かべながら呟いた。『何で…?』

    何でなのか、どうしてなのか。あたしには解るわけもなくて。ただ、ただ彩月を抱きしめた。今思うと、この時に玲人の本質を見抜けていれば、あたしも彩月も苦しまずにすんだのかもしれない。

    2007-01-03 19:53:00
  • 22:

    絢花◆lFZptzMEXw

    その日、泣き崩れる彩月の頭を撫でながらあたしは眠りについた。正直、ここまで彩月が玲人にハマりきってるやなんて思わへんくて。あの男の為に流れるこの涙は、それほどまでの価値があるんやろうか…?

    ―なぁ彩月、あたしはこの頃何も知らんくて、何も解らんかった。あんたが流したあの時の涙、その意味が今なら解る。

    2007-01-03 20:01:00
  • 23:

    絢花◆lFZptzMEXw

    それからかな…、彩月がおかしくなっていったんは。手首切り出したり、拒食症なりよって体は病的なくらいガリガリになっとった。玲人と付き合い出してから、彩月は変わってしまった。玲人の浮気が原因で別れて、より戻して―、の繰り返し。彩月は精神的に参ってたんやと思う?それでもただ純粋に玲人を想う好きな気持ちだけが、彩月を支えてたんかな。

    それからも4人で遊ぶ事は変わらずあったけど、あたしと庵の前じゃ、玲人は驚く程普通で。彩月も明るくて出会った頃と変わらん4人、そんな感じ。みんな何かしらの違和感を感じながらも、きっと気づかんフリをしてた。

    2007-01-03 20:27:00
  • 24:

    絢花◆lFZptzMEXw

    "ありえへん"。何度も思った。"親友の彼氏"何度も繰り返した。彩月の全てを見てきたはずやん。それを崩すなんて、出来訳無いやん。あたしは自分の感情を押し殺す事を決めた。絶対に、絶対にこの思いを出す事無く過ごす。そう決めた。

    気になってる、気になり出してる。それは真実。でも、このままなら、いつか消えてく。必ず。2人の幸せな姿を見続けてれば、手が届かんぐらい幸せな姿を目に焼き付けていけば、いつか、この哀れな感情は溶けて泡となって消えるはずやから。

    2007-01-03 20:45:00
  • 25:

    絢花◆lFZptzMEXw

    今日はここまでにします?

    2007-01-03 20:55:00
  • 26:

    名無しさん

    お疲れ様デス?続き待ってますね?

    2007-01-03 23:55:00
  • 27:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 28:

    名無しさん

    乙です?
    気になる展開ですね?
    また続きを待ってます?

    2007-01-04 03:00:00
  • 29:

    絢花◆lFZptzMEXw

    35さん?37さん?
    読んでくれてありがとう
    ございます?今から
    更新していきます?

    2007-01-04 12:34:00
  • 30:

    絢花◆lFZptzMEXw

    自分の気持ちを隠しながらも、あたしは平穏に過ごしていた。『彩月ー、入るで?』今日は久し振りに彩月んちにお泊まり?『あ、絢花?いらっしゃ?い』前までガリガリやった体は、玲人とよりを戻し、精神的にも落ち着いたんか、すっかり元通りになっていた。手首の傷はまだ痛々しくあるものの、安定してるみたい。

    『どう最近は?』『ん…、大分ましかな?一時は心配掛けてごめんな、絢花』『全然ええし?彩月が元気なら全てヨシや?』『ありがとうな?』『もう手首切るとか、自分痛める事しなや。あんたは平気かもしれんけど周りにおるあたし等は、めちゃ悲しくなるんやから』『うん、ごめん。もう大丈夫?』

    2007-01-04 12:45:00
  • 31:

    絢花◆lFZptzMEXw

    玲人と知り合って、恋をして。彩月は弱く、脆くなった。けどその分、強くもなった。そんな彩月をあたしは裏切れへん―。

    『最近はな、玲人も優しいねん?たまにあほみたいな事しとるけど、やっぱ好きなんやなーて思ってまう』胸の奥が、小さく小さく反応する。聞こえるか聞こえへんかも解らんくらい、小さな音。それでも確かに鳴り響く。あたしの中で。

    ―――"ズキン"。

    2007-01-04 12:53:00
  • 32:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『…そうなんや。上手い事いってるみたいやし良かったわ?』『ほんまなぁ、絢花には心配かけまくったもんな?ごめんな』『そんなん全然ええし!!それより玲人の浮気癖大丈夫?』
    あたしの一言に、一瞬彩月の表情が止まった。ほんまに一瞬。『うん!!もう浮気はせんってあいつ約束しよったし?』『?。そっか。ほならいいけどな?』

    ──¨プルル、プルル¨──。

    2007-01-05 02:46:00
  • 33:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『あ、玲人やわ。また家電に掛けてきたんかな』そう嬉しそうに言いながら、小走りで子機を取りに行く彩月の姿に、何故かあたしは涙がこぼれそうになった。【これでええんや。これでよかったんや】と、思う感情なんか、【このままずっと2人の幸せな姿を見続けていくん?】てゆう、正に天使と悪魔の囁きがあたしを惑わす。

    きっと、今のあたしは"灰色"。純白のような輝く雪の白さにもなれず、黒のように夜空の空の暗さにも染まりきれへん。
    中途半端な灰色。
    正真正銘、今のあたしの色─。

    2007-01-05 02:57:00
  • 34:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『お?、まだ起きてたんけ?』"ドキン"。聞き慣れた、憎たらしいあいつの声。彩月が手にする子機から、イヤホンに切り替えられて鳴り響く。

    『うん。何かボーッとしてた』『あーそうなん。てか、お前最近あやぱんと遊んでるんけ?』『絢花?会ってんで?何で?』『最近話聞かんし、庵等と4人でも遊んでないなー思ってな』彩月は口に人差し指を立てると"しー"っとゆうジェスチャーをした。今あたしが彩月んちに泊まりに来てる事を隠したいらしい。なんで?意味分かんね?

    2007-01-05 03:05:00
  • 35:

    名無しさん

    気になる??

    2007-01-05 08:44:00
  • 36:

    名無しさん

    あげ?

    2007-01-05 13:40:00
  • 37:

    名無しさん

    書いてほしいです

    2007-01-05 16:12:00
  • 38:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『それより、明日泊まりに行っていい?』『またぁ?お前ここ最近毎日やん。別にええけど?あ!!ほな、明日久しぶりに庵とあやぱんも誘って4人で遊ぼや』『…ええけど』『あやぱんに絶対来るようにゆうとけよ?』『うん。分かった…』
    その時、彩月の表情がなんだか暗くなった気がした。

    『?。何やねん、お前。いきなり暗なってない?』玲人も気づいたみたい。黙ってるように言われたあたしは沈黙の中、2人の会話に耳を傾ける。

    2007-01-05 16:14:00
  • 39:

    絢花◆lFZptzMEXw

    煙草に火をつけ、携帯をいじっていると彩月の口から思わぬ言葉が飛び出した。
    『てか玲人、あんたさ絢花の事好きなんちゃん?』『へ?』

    ──はい?思わず持っていた煙草を落としてしまったあたし。彩月の方を見ると、チラっとこっちを見て、また"しーっ"と合図すると静かに話し出す。

    2007-01-05 16:20:00
  • 40:

    絢花◆lFZptzMEXw

    ちょい休憩?
    更新遅くてすいません?

    44、45、46さん?
    書き込みありがとうございます?ゆっくりですが書いていくのでよろしくです?

    2007-01-05 16:59:00
  • 41:

    名無しさん

    頑張ってくださいo(^-^)o

    2007-01-06 02:43:00
  • 42:

    名無しさん

    頑張ってね?

    2007-01-06 20:41:00
  • 43:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『…最近、彩月と居ても玲人、絢花の事ばっか聞くよな。今だってそう。彩月は好きやから2人で居たいのに、玲人はちゃうの?彩月より絢花と会いたいんやないの?』
    『な…、何言い出すねん?』
    『そう思われたって仕方ない事ばっかしてんのは、玲人やで』目を開かせ、淡々と話し彩月。あたしは何がなんだか解らないまま、聞いてるしかなかった。

    『ちょっと待てって!!何やねんいきなり。そんなんただのお前の被害妄想やろが』『…ってんねんから』『あ?』

    2007-01-07 02:11:00
  • 44:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『知ってんねんで。庵に絢花の番号聞いたらしいな』『あ…』──え?。どうゆう事?玲人があたしの事?嘘やろう…?
    『なぁ、どうゆうつもりなん?絢花はあたしの親友なんやで!?何考えてるんよ』『ちゃうねんって!!?庵の事どう思てるか絢花に聞いたろーとしただけやんけ?』『それやったら庵の携帯から掛けて話したらええやん!!何しに絢花の番号聞くんよ!?』

    ヒートアップする喧嘩。ひたすら玲人に詰め寄る彩月。その喧噪も彩月の一言で静まり返る。『だから…』『好きなんやろ!?絢花が!!彩月の事なんてもう好きちゃうねん、玲人は──!!』

    2007-01-07 02:47:00
  • 45:

    絢花◆lFZptzMEXw

    ─"ハッ"と、言ってしまったみたいな表情を浮かべる彩月を、しん…とする重い空気が包み込む。『はぁ。もうええわお前』『な、何がもういいん!?絢花の話は終わってない…』『あー!!もう、うっさいねん!!何やねん。そう思てんならそう思とけ』"プッ…、プープー"。

    一方的に切れた電話。彩月の目からこぼれる涙。朦朧と立ちのぼるあたしの煙草の煙。この日全ての景色が、驚く程鮮明にあたしの中に焼き付いた。

    2007-01-07 02:59:00
  • 46:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『…彩月、どしたん?おかしいで今日のあんた。玲人があたしを好きとかありえへんって?』『でも…っ、うっ』『泣かんときって〜?あんなんお互い、売り言葉に買い言葉やろ?玲人が好きなんは彩月だけやって』
    そうや、そうやんな。彩月だけ。玲人が好きなんはあたしな訳が無いもん。言葉にしてしまうと、また無償に空しくなった。

    『うん…。ごめん絢花』『ええよ。やしそんな泣かんとき?』『違うねん…。あたし、玲人と絢花を試そうとした』『え?』

    2007-01-07 03:28:00
  • 47:

    絢花◆lFZptzMEXw

    ─試すって?あたしと玲人を?『どうゆう意味…?』
    『彩月、玲人は絢花が好きなんちゃうかってずっと感じてて。正直、そんなん考えてたら絢花も玲人が好きなんちゃうかとか、実は2人は付き合ってんちゃうかなとか、考え出したら止まらんくて苦しくて』『…彩月』

    『やから、さっきも絢花いるの隠して玲人を問い詰めた…。その時の絢花はどんな行動に出んのか、どんな表情するんか見たかったんかもしれへん。ほんま最低やな、彩月。玲人とおると、おかしくなる…』
    そう言うと、再び崩れるようにまた泣き出す彩月。落ち着いてなんかない。安定なんかしてなかった。精神的に更に悪化してる。─玲人は彩月を"弱い女"に変えてしまった。

    2007-01-07 03:43:00
  • 48:

    絢花◆lFZptzMEXw

    ─なぁ、玲人。

    あんたこん時からもう解ってたんやな。この先の、遠回りだらけのあたし達みんなの歯車…。

    2007-01-07 03:50:00
  • 49:

    絢花◆lFZptzMEXw

    逃げたかったんかもしれん。玲人から、彩月から。全ての柵から逃げ出したくてあたしは夜の世界に飛び込んだ。水商売に入った当時、あたしは15歳。

    キッカケは円華と優衣がしていたから。『なぁ、絢花もキャバせん?知り合いがしとってさ、未成年でも全然いけるから?』『キャバなぁ…。別にええよ?金も欲しいし、楽しそやしな』『決まりな!!早速今日行こ?』『今日〜!?』
    こんな感じで夜デビュー?笑。初めはほんま遊び感覚のもんでずっと続ける気も無かった。

    2007-01-07 04:32:00
  • 50:

    絢花◆lFZptzMEXw

    子供やった。幼かった。
    やからこそ、無知やからこそ、何でも出来た。恐いもんが無かった。深くも考えんかった。考える事すらあたしは、知らんかった気がする。

    この軽い気持ちで踏み込んだ夜の世界に、あたしは闇のように真っ暗に染まる事になる。
    今度は半端な灰色なんかじゃない。─正真正銘の"黒"に。

    2007-01-07 04:37:00
  • 51:

    絢花◆lFZptzMEXw

    今日はここまで?

    50さん?51さん?
    書き込みありがとです?また夜に更新出来たらします?

    2007-01-07 04:40:00
  • 52:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『中々ええ感じの店やろ??』控え室でドレスに着替えるあたしに、煙草の煙を吐き出しながら円華が話し掛ける。
    『うん、綺麗?何し緊張や?』『大丈夫やって?あたしらと同じ席つけるようにしたげるし』

    そんな中、お客さんがぽつぽつ入り出す。『いらっしゃいませ!!』黒服の声が店内に響き、
    "キャバ嬢、絢花"の時間が始まった。

    2007-01-07 15:27:00
  • 53:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『絢花ちゃん』さっきの夕とかゆう、店長が手招きしている。『?。はい』『名前どうする?好きな源氏名つけれるけど?』『源氏名…。あー、本名のままでいいです』今考えればありえないんやけどな。円華と優衣も本名やったから、そんな深くは考えて無かった。

    『じゃあ、"絢花"ね。早速席付いてもらうけど、いける?』『はい?』『はは、緊張しんくても大丈夫やで?何かあったら、俺等黒服にすぐゆうて下さい』いや、緊張するやろ。何かって何ですの!!『はぁ…?』

    2007-01-07 15:36:00
  • 54:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 55:

    絢花◆lFZptzMEXw

    その日は円華達のフォローや、黒服達が気を回してくれたのか、常連さんや優しいお客さんの席ばっかやったから楽で、逆に楽しく仕事が出来た。必死になりながらも、気が付けば店は閉店の時間に。

    『ありがとうございます〜』
    最後のお客さんを送り出し、店が終わる。"ほっ"と無意識に気が緩むのが分かる。思ってたよりあたし緊張してたみたい?笑

    2007-01-08 18:19:00
  • 56:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『絢花?お疲れ?どやった?』エレベーターのボタンを押しながら、はにかんだ顔で聞いてくる優衣。『もう?めちゃめちゃ緊張したって〜?フォローしてくれてありがとな』『全然??あたしもぐだぐたなってた絢花見れて楽しかったしぃ?笑』
    『言わないで〜?笑』

    店に戻るともう他の子達は上がって円華だけやった。『絢花ちゃ〜ん?頑張ったな今日は?』『うわ、円華酔うてんの?笑』『酔ってないしぃ?あたし自分に酔いしれてんねん?』『あほちゃう?』『あほやな。優衣、放って帰ろか?』『やね?笑』この日はほんま楽しくて。ただ、笑い合えてたっけ。

    2007-01-08 18:35:00
  • 57:

    絢花◆lFZptzMEXw

    ケラケラ笑っていると、奥から店長がひょっこり顔を出した。『お、みんなお疲れさん?絢花ちゃんも初めてやのによく頑張ったな?はい、これ給料ね』
    その当時の時給は2500円で、5千円日払いの残りは月末支払いってな感じ。15歳のあたしからしたら、1日で5千円ってのはでかい額やったと思う?

    『で、どう?続けれそう?』店長が続ける。『ん〜。続けたいかな?』『そっか。よかった?じゃあこれからよれしくです』『よろしくです?』

    2007-01-08 18:51:00
  • 58:

    絢花◆lFZptzMEXw

    それからは学校にはたまに行くくらいで、仕事したり円華達と遊び呆けたりと、そんな毎日。彩月と最後に会った日から1ヶ月は経っていた。

    〜???〜。
    今日も店に出ようと準備していると、枕元にある携帯が鳴り響いている。『はいはい誰や?』ディスプレイを見ると知らない番号。客かな?そんな軽い気持ちで通話ボタンを押す。
    『もしもし─?』

    2007-01-08 18:58:00
  • 59:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『もしもしぃ?あやぱんけ?』この声、呼び方。まさか──。『…れ、玲人!?』『お〜、久しぶりやんけ?元気やったか?』

    あまりにも思わぬ相手からの電話に、あたしは声が出なかった。気になり出してからとゆうもの、避けて避けてしていた。遊んだりしてもあまり話さないように、目を合わさないように。これ以上気持ちが大きくならないように、制御しきれなくならないように、そうしていた。

    2007-01-08 19:32:00
  • 60:

    絢花◆lFZptzMEXw

    …だけど、そうすればする程、思えば思う程逆効果で。
    そう思う事自体が、既に玲人を想っているとゆう証で。

    薄れるどころか、更に強くなる気持ちにあたしはきっと気づいてたんかもしれん───。

    2007-01-08 19:38:00
  • 61:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『え、どーしたん?いきなり?てか何であんたうちの番号知ってんねん?笑』あくまでも普通に、いつも通りに振る舞う。

    玲人何で?何でこの日、あたしに電話して来たん?
    この電話を取らんかったらと、今になって思う。
    やけど、あんたと出会った事を後悔した事は無いよ。

    2007-01-08 20:39:00
  • 62:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『何ゆうてんの?もうええて』軽く交わした。それが今のあたしには精一杯やった。やけど、次の玲人の一言で、あたしは何も言えなくなった。



    『…俺、お前の事好きやもん』

    2007-01-08 21:29:00
  • 63:

    絢花◆lFZptzMEXw

    は?玲人があたしを"好き"─?いつか、何度も夢に見た言葉。だけど…、だけど……。

    『初め会った時から、俺は絢花狙いやったしな。でも庵もお前やったし、その内彩月に告られて、まぁいっか〜的な』『…』『おい、何かゆえやっ?恥ずかしいやろが?笑』
    何かって…。言葉が出てこうへん。だって、彩月は玲人の事あんなに好きで。それをあたしは見てきた。そう、全て見てきたはずやのに─。

    2007-01-08 21:39:00
  • 64:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『…本気?』『本気!!?せやし俺の女なって?』『うん…?』

    ─それから何を話したか覚えてない。嬉しさと複雑な思いが、あたしを満たしていた。
    初めは気にしてた彩月の事も、『今は付き合ってないんなら大丈夫やんな』くらいに思い始めていた。あたしは友達より、自分の恋を選んでしまった。ほんま最低やな。…やけど、当時はそんな深くも考えてなかったし、ほんまに幼すぎた─。

    2007-01-09 00:11:00
  • 65:

    絢花◆lFZptzMEXw

    それから毎日の様に、メールを交わす日々が続く。後の事なんか、何だって良かった。"今"が良ければそれで良くて。
    何やかんやと問題や思う部分はあったけど、秘かに隠していた恋が実った事に、素直に喜べない訳がなくて。嬉しかった。


    ─そんな想いも、しばらくして打ち砕かれる事となる。

    2007-01-09 00:20:00
  • 66:

    名無しさん

    読んでるよ?

    2007-01-09 02:29:00
  • 67:

    絢花◆lFZptzMEXw

    78さん?ありがとうです?
    今から書いていきます?

    2007-01-09 19:56:00
  • 68:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『絢花??』『美柚?遅い〜』前からこっちに駆け寄ってくるこの子は、夏休みに急激に仲良くなった美柚(みゆ)。明るくて可愛いらしい性格。今でも続いている親友の1人。円華と優衣とも仲良かったけど、美柚はまた特別な存在やったかな。

    冬休みに入り、あたし達は毎日一緒に過ごす日々。玲人に告られてからの2週間。毎日メールや電話するものの、1度も会ってなかった。"何でなんやろ?"そんな疑問を抱きながらも、大して気にして無かった。

    2007-01-09 20:10:00
  • 69:

    名無しさん

    リアルや?頑張って?

    2007-01-09 20:11:00
  • 70:

    絢花◆lFZptzMEXw

    ─なぁ彩月。
    あたし達この時に気づいてれば良かったのにな。そしたら、誰も傷つかずにすんだかな…。

    2007-01-09 20:13:00
  • 71:

    絢花◆lFZptzMEXw

    プルルルル、プルルルル…。
    ─"プッ"。『はぁ?』
    『どしたん絢花?まだ玲人君と連絡取れへんの?』美柚がマクドのポテトをむさぼりながら尋ねてくる。『うん〜。昨日の夕方からいきなり途絶えてさ?』『今もう夜の8時過ぎやし…、1日以上!?ありえへんやん?』『やろ〜?意味分からんわ』
    『庵君やっけ。玲人君のツレに聞いてみたら?さりげなく?』『あー、せやな…。うん、聞いてみるわ』モヤモヤしたままは性に合わへんし、庵に電話してみる事に。思えば、この電話であたしの運命は歪んで回り始めたんかもしれん。

    2007-01-09 20:22:00
  • 72:

    絢花◆lFZptzMEXw

    プルル…、『はい?』

    ワンコールで響く庵の声。庵には玲人との事は話してない。1度は自分を好いてくれた人に言えなかった。ましてや、友達の彼氏だった人と付き合っているなんて言えるはずもなかった。─あたしはズルい。

    2007-01-09 21:57:00
  • 73:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『庵?久しぶり?何してた?』ドキドキ…、てかさりげなくって難しい。今思えば?
    『おう。久しぶり?今から出かけるとこやで』『そうなんや。…れ、玲人と遊びに行くん?』『まぁな?今あいつ彩月送ってってるとこやし、その後にな』

    ──え?彩月?送ってってる?どうゆう事?まさか…。

    2007-01-09 22:08:00
  • 74:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『彩月…?』頭が回らない。
    『おー。いつもの事ながら彩月が、玲人んち泊まってたみたいで今送ってるらしいわ?』

    ─何?それ。意味が分からん。だって、だって玲人と彩月は…『別れたんちゃうん?』

    2007-01-09 22:12:00
  • 75:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『え?別れとらんで。ま、よく別れたりより戻したりしよるから、よう分からんけどな?笑』『…あ、…はは。そ…うやな』『あ、てか何か用やったん?』『ううん、暇やったし?ごめんな。また電話するわ』『そう?分かった〜、ほなな?』
    ──プッ──。ツーツー…。

    や ら れ た 。

    2007-01-09 22:17:00
  • 76:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『絢花?庵君なんて?』
    怒りか呆れか、悲しさか悔しさか。分からない複雑なものが、あたしの中に渦巻く。ただ、ぽっかり穴が空いた─、正にそんな感じ。

    『やられた。二股されとった。つか遊ばれてるわ、あたし』
    『は?二股って…』『あいつ、彩月と切れとらん。それどころか仲良くお泊まりしとったわ』『嘘やろ…?ほんまに!?』

    2007-01-09 22:23:00
  • 77:

    絢花◆lFZptzMEXw

    それからしばらく玲人とは連絡を取ってない。あまり思い出したくない思い出。一方的に罵声を浴びせて電話を切った、そんな記憶だけをうっすら残して。

    次の春、あたしと美柚は2年生に上がる前に学校を辞めた。噂で彩月も辞めた、と誰かから耳にする。かれこれ半年くらい彩月とは会ってないし、会いたくはなかった。

    2007-01-09 22:41:00
  • 78:

    絢花◆lFZptzMEXw

    あたしは父と仲が悪い。義理の父やけど、ほんまの娘のように接し、育ててくれた。その事にすごい感謝してる。やけど、そう思えるようになるんはまだまだ先で。16歳になったばかりのクソガキなあたしには、そんな事解る訳も無くて。反抗期真っ只中のあたしと、元々頑固で生真面目な父は、おかしいくらいぶつかり合う。毎日夜になると遊び呆けてバカばかりするあたしを、心底許せなかったんやろう。家に帰ると、毎日といっていい程喧嘩ばかり。怒ってばかりの父、あたしを否定ばかりする父、理解してくれない父が、大嫌いやった。正論を言われるからこそ、余計。

    あの頃、父の想いを解ろうとも、理解しようともしなかった。というか、…出来なかった。

    ─ごめんな、お父さん。

    2007-01-09 22:54:00
  • 79:

    絢花◆lFZptzMEXw

    それに引き替え、母は大好きやった。一人っ子のせいもあるんかめっちゃ仲良かったし、母はあたしに凄く甘かった。それがあたしをこんな甘い、ひねくれた性格にしてしまったんかもしれん。母の想いも、父の想いも知る術も無く、知ろうともしないで、ただ【自由】になりたいという身勝手で、甘えた考えだけであたしは家を飛び出した。

    ─彩月、玲人、裏切り。
    何もかもが嫌で嫌で嫌で。ただ逃げ出したかったんかな。今の自分を、変えたくて変わりたくて、もがき方すら解らずに必死でもがいてたんかな。

    2007-01-09 23:07:00
  • 80:

    絢花◆lFZptzMEXw

    弱くて、みじめで、情けなくて。やけど強がる事しか知らんあたしは、誰に何処に吐き出せばええんかすら解らんかった。
    笑って笑って、何も無かったかの様に振る舞ったって消える事なんて無い。忘れられる訳が無い。何してたって浮かび出す。

    ──何て弱い。
    何て愚かな人間なんやろう。

    2007-01-09 23:13:00
  • 81:

    絢花◆lFZptzMEXw

    あたしは美柚の家に居候させてもらう事になり、美柚と一緒に今まで働いていたキャバでレギュラーになって生活する日々。

    仕事は純粋に楽しかった。店の子みんな仲良くて、若いてのもあったけど、"仕事"ってゆう感覚があまり無かったな。店にも遊びに来てる、そんな感覚。
    ほんまなめてるわ〜、あたし?

    2007-01-09 23:23:00
  • 82:

    絢花◆lFZptzMEXw

    PM、20:00─。
    『絢花!!はよ行くで?』『え〜まだ髪がなんか気に入らん…』『大丈夫!!綺麗に巻けてる!!?やし、行こっ。遅刻するわ?』『も〜、美柚はせっかちね?』『あんたはルーズ過ぎや!!?』

    夕方起きて、街に出て仕事。朝に帰り寝て、また夕方起きて…の繰り返し。こんな生活がはや3ヶ月。

    2007-01-09 23:30:00
  • 83:

    絢花◆lFZptzMEXw

    外を見ると目的の駅。あたし、電車で寝てしもてたんや?笑。『ごめん?ちょっと考え事してたら寝てたわ』『頼むわ〜?』

    慌ただしく電車から降りながら、タクシー乗り場に向かう。ホームの鏡に、一瞬自分の姿が写る。見るからに"キャバ嬢"そのもの。姿・形は変えられても、中身はまだまだ子供のまま。鏡に写った自分から目を逸らすように、駅を後にした。

    2007-01-09 23:50:00
  • 84:

    絢花◆lFZptzMEXw

    PM、20:45─。
    『おはよーございまーす!!?』言い慣れた言葉。見慣れた店内と女の子達。『絢花と美柚や?おはよ??』待機室には円華と優衣の姿。『おは〜?』
    素早くドレスに着替え、ソファに座り煙草に火を灯す。

    『お?2人ともおはよ』奥から店長の夕がシフト表を書きながら顔を出す。『おはよ〜さん』『何や絢花。だらけて?やる気を出せやる気?』『うっさい、じじい?』『じじい〜!?!?2個しか変わらんやろが?ガキ!!』『じじいとかばりうける〜?』『お前等も笑うなっ?(゚Д゚)』初めの頃よそよそしかった夕とも、今じゃすっかり打ち解けた。大好きな仲間たちと居場所。

    2007-01-10 00:04:00
  • 85:

    絢花◆lFZptzMEXw

    今日はここまでです?

    81さん?読んで貰えて
    感謝です?また感想貰えると嬉しい限りです?

    2007-01-10 00:19:00
  • 86:

    名無しさん

    続き楽しみにしてます。

    2007-01-10 03:23:00
  • 87:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『絢花〜!!』閉店して誰もいなくなった店内に夕の声が響く。

    『んー?』待機室で着替え終わり、サングラスを掛けながら返事する。『出る準備出来た?』パタパタと、夕の元へ駆け寄るあたし。『んま、せかすな〜』『社長に日報はよ持ってかんとあかんの?』"パチ、パチ、パチ"。店の全ての電気を消しがら、夕は日報の入った封筒であたしのおデコをぺちっと鳴らした。

    2007-01-10 23:49:00
  • 88:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『何やなっ?』"どん"っと肩を突き飛ばしたあたしの手を、パッと掴み手を握る夕。
    『はいはい。いい子やから大人しくな?』当時、我が儘で気が強かったガキンチョのあたしを、夕は扱い慣れた様に宥める。

    夕は大人やった。考え方も、価値観もあたしには理解出来ない、深く濃い思いを持つ彼に、少し寂しさも感じていた。たった2歳。この差がこの頃のあたしには凄く、凄く大きいもんやった。

    2007-01-11 02:03:00
  • 89:

    絢花◆lFZptzMEXw

    ビルから出て、しばらく歩く。『社長は?どこにいはるん?』『売り上げ1番ええ店におるはずやし〜、"END"やろ』

    あたしが働いてる店はAO(あお)系列といって、系列店は10店くらいある。ボーイやチーフ、店長など男の数もキャストの女の子の数も多く、ほとんどメンバーが変わらんから殆どが顔見知り。

    2007-01-11 02:11:00
  • 90:

    絢花◆lFZptzMEXw

    その数ある中でも、あたしが在籍する【MARIA】は、売り上げは毎月?3。?2の【CLEAR】と、?1【END】は不動そのもので。社長はいつもどちらかに腰を座らす。やる気もプライドも、当時そんなに無かったあたしはそんな事どうでも良かった。

    『んげっ、"END"行くん!??』『うん、てか日報渡しに行くだけやけど。何で?』『?いや、別に(゚∀゚;)』『?。そうか』

    ─行きたくない?。

    2007-01-11 02:17:00
  • 91:

    絢花◆lFZptzMEXw

    お気づきの方もいると思いますが、そう。莉緒は夕に好意を持っている。多分、あたしと付き合い出す前から。そんなあたしが憎くて邪魔で仕方ないんか、しょっちゅうちょっかい出してくる、目障りきまわりない女。

    『あら。それはごめんなぁ〜?あたし、"彼女"やから?』
    『うざ!!社長!!この女クビにしたらええねん〜?』あたしと夕が付き合ってるのは系列中じゃ有名な話。社長もみんな知っている。

    2007-01-11 02:37:00
  • 92:

    絢花◆lFZptzMEXw

    あたし達の喧噪をよそに、社長と夕は何か話をしている。
    『社長ってば〜、莉緒の話聞いてるんですか??』いっちいち勘に障る喋り方しよるわ、この女。でも、莉緒は美人。中島美嘉のような綺麗さ。性格も裏表無く、男女とわれず好かれやすい。夕の事が無ければ仲良くなれたやろうな、ふと思った。

    『ん〜なんや。また絢花に何か言われたんか?』社長はいつもの事のように、莉緒に聞く。

    2007-01-11 03:02:00
  • 93:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『莉緒、絢花うざ〜い?社長あんなん辞めさしたらいいのに』何やと、ゴラァ(゚∀゚)人が夕と社長がいる手前、大人しく黙っとったらこの女。

    『はっはっは。仲ええなぁ〜?でもそれは無理やな』『仲良くないしっ?てか何で無理なんですか??』しつけぇな?そんな簡単にクビ切られるとこなら、既に切られるっつの。はぁ〜だるい。はよ帰りたい……。
    『絢花今月、?2なってるわ?やからクビ切るわけにはいかへんのや。はっはっは?』

    2007-01-11 08:55:00
  • 94:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『『…………はっ?』』

    あたしと梨緒の言葉が、思わずハモった。あまりにも唐突過ぎた社長の一言に、あたし達は口が開かない。─え?へ??2?"MARIA"で!?えぇ?(゚Д゚;)))

    『まぁ売り上げ表見てると、絢花自身の売り上げも伸びてるけど、周りの子全体がガクッと落ちてるみたいやな。繰り上げって感じ?』サラッと夕が続ける。勘違いすんなよ、お前自身の力で勝ち取った?2やないよ、的な表情を浮かべながら。

    2007-01-11 09:03:00
  • 95:

    名無しさん

    今日はもう書かないんですか?

    2007-01-11 14:52:00
  • 96:

    名無しさん

    おもろい?

    2007-01-11 16:05:00
  • 97:

    絢花◆lFZptzMEXw

    自分自身の実力じゃない。そう思っても実質、?2に変わりは無い。その事が16歳のあたしにはすごくすっごく嬉しかった。

    『てことはぁ、梨緒、あんたはあたしと同等やな?』
    『!!?。ありえへん!!そんなんまぐれに決まってるわ?来月も維持してからものゆえ?』
    ──カッチーン☆。

    2007-01-12 05:14:00
  • 98:

    絢花◆lFZptzMEXw

    負けず嫌いのあたしにバッチリ火がつくのが分かった。
    何てまぁ〜、単純な性格?笑。『ゆうたな、お前。やったるわ!!これでお前が維持出来んかったら土下座せぇよ!!』

    土下座て?笑。土下座てな…。ガキの発想っすわ(´∀`)

    2007-01-12 05:21:00
  • 99:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『上等じゃ!!(゚Д゚)』
    あたし等の間にバチバチと火花があがる?そんなんおかまいなしに、夕は社長と淡々と話し終わると『じゃ、失礼します。お疲れ様でした。ほら絢花も、行くで?』無理矢理腕を引っ張られ、これまた無理矢理頭を下げられ【END】を後にした。

    『ちょっと?夕!!あんた何しにそんな普通やねん!!』

    2007-01-12 21:33:00
  • 100:

    絢花◆lFZptzMEXw

    "はぁ…"と夕は深く溜め息をつく。『お前なにをそんな梨緒に対抗してんねん。気にすんな』『だって…』気にすんなって、気にするに決まってるやん。

    あたしは所有欲や、独占欲が異常なほど激しい。それが友達であっても彼氏であっても、自分の"大事な人"、"大切なもの"を誰かに盗られるなんて、吐き気がするくらい考えられへん事やった。やからか、梨緒みたいな存在は邪魔で邪魔で仕方なかった。気にならずにはおられへんかった。

    2007-01-12 21:49:00
  • 101:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『ま、大丈夫やから?気にすんな?』そうゆうと頭をポンッと軽く叩いた。人の気も知らんと、なんやねん。夕の言葉に耳を持たず、あたしは梨緒へのライバル心にメラメラ燃える。

    ──絶対勝ったんねん!!。

    2007-01-12 21:58:00
  • 102:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『絢花〜、聞いたで〜?あんた?2なったらしいやん』店のソファに腰掛け、客に営業メールを打ちまくっているあたしに、美柚がニヤニヤしながら横に座り話しかけてくる。
    『まぐれやけどな?』『まぐれでも凄いやん?おまけに梨緒と対決するらしいやん?』『あんた楽しそうやなぁ?他人事やと思って』『他人事やもん?ま、"MARIA"の為にも勝ってや?』
    『当たり前やろ(-Д-)意地でも勝つ!!てか意地で勝つ!!』

    2007-01-12 22:05:00
  • 103:

    絢花◆lFZptzMEXw

    メラメラ、メラメラ。あたしは他のことには目もくれず、ひたすら売り上げの事だけが頭の中を占めていた。

    『絢花』営業が終わり、飲み過ぎて横んなってるあたしに夕が水を持ってきた。『ごめん潰れて?今日は飲み過ぎたみたい』『あんま無理すんなよ。お前が頑張ってる事は店の皆が分かってるから。1人で突っ走んな』『…うん。うん、分かってる。でも負けたくないねん。ここまで来たら、絶対勝ちたいねん』『…おぅ』

    ─あたしと梨緒の売り上げは、夕いわく梨緒が多少リードしている感じやった。

    2007-01-12 22:14:00
  • 104:

    絢花◆lFZptzMEXw

    何がここまであたしを駆り立てるんやろう。それはあたし自身にも分からんけど、初めて自分てで勝ち取った"形"を、守りたかったんかもしれん。

    そんな頃やったかな、再び出会ってしまった。あの男に─。

    2007-01-12 22:40:00
  • 105:

    名無しさん

    ?

    2007-01-13 22:26:00
  • 106:

    名無しさん

    ?

    2007-01-13 22:54:00
  • 107:

    名無しさん

    書いて?

    2007-01-15 10:42:00
  • 108:

    絢花◆lFZptzMEXw

    ─夏、暑い日が続く中であたしは店の為、自分の為に仕事に燃える日々を過ごす。

    『あ〜、暑っ?暑い暑い??』『美柚うっさい?』『だって〜何でこんな暑い中キャッチせなあかんのぉ?』『仕事やろ?』『…絢ちん厳すぃ?』

    2007-01-18 14:03:00
  • 109:

    絢花◆lFZptzMEXw

    店では開店と同時に、女の子皆でキャッチをするのが日課。他の系列の子達も同じで、その中にはもちろん莉緒の姿も。あたしも莉緒も、見ぃひんしお互い目も合わさない─、そんな状態やった。

    "キャッチ"ってゆうてもぐだぐた話ししたりで遊び?感覚。てか最悪やな笑。まぁ、たま〜に酔っぱらいのリーマン系に声を掛けるってな感じ。

    2007-01-18 14:06:00
  • 110:

    絢花◆lFZptzMEXw

    酔っぱらいのおじちゃん達に、ホスト軍団、ラブラブカップルや、暇潰しに車でグルグルするヤンキー。キャッチしてたらほんま色んな奴がおるな。
    『あ、見て絢花。莉緒が声掛けられとる〜?』『ん?』

    莉緒の方を見ると、いかにもなヤン車?から顔を乗り出してる、チャラ男風的な奴等にナンパされてる模様─?

    2007-01-18 14:18:00
  • 111:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『───え…?』


    信じられない光景が目に焼き付いた。そこには紛れもなく、あの忘れもしない、玲人が居た。

    2007-01-18 14:26:00
  • 112:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『あ、絢花あれって…』

    美柚も気づいたのか、困惑した表情で聞いてくる。1年ぶりに見る彼は、何一つ変わってないように見える。あたしはただ、ただ唖然とするばかりで。言葉が出ないとは、正にこの事だ。

    2007-01-18 14:29:00
  • 113:

    絢花◆lFZptzMEXw

    ─思い出される記憶、感情。
    もう、あいつの事なんてどうでもいいと思ってた。自分の中で過去になってると思ってた。

    …やけど違った。"その人"を見ただけで、全て思い返される。あの頃に引き戻されそうで。

    2007-01-18 14:34:00
  • 114:

    絢花◆lFZptzMEXw

    ──なぁ、彩月。

    これも"運命"やったんかな?
    用意されてた出会いなんかな。あたしはまた……。

    2007-01-18 14:37:00
  • 115:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『…絢花?』

    ─《ドクン》。あたしの名前を呼ぶ声の先、そこには夕がいた。思わず現実に引き戻される。『ゆ、夕』『どしてん。そんな驚いた顔して?笑』

    何も知らない、夕。大好きな、大切なあたしの"彼氏"…。

    2007-01-18 14:43:00
  • 116:

    絢花◆lFZptzMEXw

    休憩します?

    122さん?123さん?
    ありがとうございます?
    124さん?また時間
    あれば更新します?

    2007-01-18 14:47:00
  • 117:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『…あ、夕。な、何もないで』『そ?それより太田さん来てるし、店戻ってな?』

    少し不思議げな表情を浮かべながら、夕は淡々と話す。
    ─何も悪い事なんてしてないのに、罪悪感とゆうのかそんなものに襲われた。そんな自分を、更に嫌悪感が包む。

    2007-01-22 23:38:00
  • 118:

    絢花◆lFZptzMEXw


    ──あたしは狡い。

    2007-01-22 23:40:00
  • 119:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『…うん』
    小さく呟いたあたしは、彼の目を真っ直ぐに見れなかった。


    ─大丈夫、まだ大丈夫。

    2007-01-23 03:30:00
  • 120:

    絢花◆lFZptzMEXw

    小走りに店のビルへ歩く。莉緒の方を見ると、まだ玲人の姿があった。あたしにはこれっぽっちも気づいてへん。

    夕がくれた、安物やけど薬指でキラキラ光る指輪を握りしめながら、何度も呟いた。
    『大丈夫。まだ今なら…』

    2007-01-23 03:37:00
  • 121:

    絢花◆lFZptzMEXw

    小走りに店のビルへ歩く。莉緒の方を見ると、まだ玲人の姿があった。あたしにはこれっぽっちも気づいてへん。

    夕がくれた、安物やけど薬指でキラキラ光る指輪を握りしめながら、何度も呟いた。
    『大丈夫。まだ今なら…』

    2007-01-23 03:38:00
  • 122:

    絢花◆lFZptzMEXw

    AM、3:00─《MARIA閉店》。

    『絢花?お疲れっ?』『お?、お疲れちゃ〜ん?』『大丈夫?大分気になってんちゃうん?』煙草に火を点け、キラキラとデコレーションされた携帯の画面を見つめながら、カコカコと音を鳴らしながら横に座る美柚。

    2007-01-23 04:03:00
  • 123:

    絢花◆lFZptzMEXw

    "ははっ"と、思わず笑う。美柚は直球。遠回しに、回りくどくは聞いてこない。それがたまに鬱陶やったり、そこが無性に好きな部分やったりする。

    『…何がぁ?』『ん?知らんぷりかます気ですか、姉さん?』だからこそ、誤魔化したり交わしたりなんて小細工は、この女に通じる訳が無い。

    2007-01-23 04:08:00
  • 124:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『ですよね?笑』『んで?今の心境はどんな感じよ』

    心境─。あたし自身解らない。気になるなんて、当たり前で。それ前提の話。でも、どこかでまた"出会う"、そんな感覚がずっとずっとあった。こればっかりは運命の赴くまま…。

    2007-01-23 04:14:00
  • 125:

    絢花◆lFZptzMEXw

    『解らへん。会いたくなかった。今は特に』『…せやろなぁ。店長もおるもんな』『…うん』

    ─夕。ひねくれた甘えてばっかの、こんな小娘を見初めたあんたは今のあたしには少なからずも、救いやってん。

    2007-01-23 04:20:00
  • 126:

    名無しさん

    気になる…?

    2007-01-23 10:28:00
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